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水道事業について報告書へ3(結果2)(PDF形式:348KB)
3 財産管理について さいたま市の浄・配水施設は県営水道からの受水開始までに建設された地下 水だけを水源とした小規模な浄水場と、それ以後に建設され主に県営水道から の受水を水源とした比較的規模の大きい配水場とがあり、浄・配水場から配水 管が布設され、連絡された配水管網で構成されている。 施設の概要及び現場視察の状況 浄・配水場 施設名 東 部 系 西 部 系 岩槻 東部配水場 南部配水場 尾間木配水場 深作配水場 新都心配水場 北浦和浄水場 東浦和浄水場 高鼻浄水場 東大宮浄水場 西部配水場 北部配水場 白幡配水場 大宮配水場 浦和浄水場 南浦和浄水場 土合浄水場 日進浄水場 馬宮浄水場 金重浄水場 南下新井浄水場 相野原浄水場 施設能力 ㎥ (1 日 ) 所在地 見沼区大字御蔵 緑区大字上野田 緑区東浦和 見沼区大字深作 大宮区吉敷町 浦 和 区 針 ケ谷 浦和区駒場 北区盆栽町 見沼区東大宮 桜区大字神田 西区大字宝来 南区白幡 大宮区桜木町 浦和区常盤 南区南本町 桜区西堀 北区日進町 西区大字飯田新田 岩槻区大字金重 岩槻区大字南下新井 岩槻区大字相野原 運転形態 視察実施 有人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 無人 有人 ○ 74,000 21,000 60,000 46,000 14,000 4,000 7,000 7,000 7,000 89,500 67,000 30,000 10,000 9,500 9,000 9,000 7,000 1,000 18,103 13,716 16,871 ○ ○ ○ (注 )旧 岩 槻 市 の 3 浄 水 場 は さ い た ま 市 の 分 類 で は 配 水 場 と な る 。 浄・配水場に加えて加倉倉庫、高鼻倉庫の現場視察を行った。 (1) 固定資産を施設別に管理すべきもの 固定資産台帳は資産科目ごとに取得年度順に作成されている。しかし、固定 資産の管理は施設ごとに行なわれてはいない。固定資産の管理は基本的に場所 ごとに行うべきであり、施設を基準とした固定資産台帳を整備すべきである。 固定資産台帳を施設ごとに作成すると、固定資産台帳に計上されている資産と 58 現物との照合が容易に行えるため、例えば機械装置の新規取得時に除却された 旧機械装置が固定資産台帳上では除却処理されていないという状況を回避する ことができる。 ま た 、 「 さ い た ま 市 水 道 局 会 計 規 程 」 第 60条 に 「 課 (所 )長 は 、 所 属 の 工 具 器 具及び備品を管理するほか、別に定めるところにより、固定資産を管理するも のとする。」旨規定されている。固定資産の管理とは固定資産台帳を整備する だけでは十分とは言えず、定期的に固定資産の実査を行い、固定資産の使用状 況、所在を明確にする必要がある。 現 在 の と こ ろ 定 期 的 な 固 定 資 産 の 実 査 は 行 わ れ て い な い 。今 後 は 少 な く と も 1 事 業 年 度 に 1度 は 実 査 を 行 い 固 定 資 産 の 状 況 を 明 ら か に す べ き で あ る 。 (2) ① 固定資産を現物実査した結果、検討すべきもの 固定資産台帳において追加取得処理または枝番号を付して管理すべきもの 下記の固定資産は当初の固定資産に関連して追加取得されたものである。当 初の資産との関連を明確にするために、当初取得した資産の追加取得であるこ とを明確にするかまたは、当初の固定資産番号と関連した枝番号を付すべきで ある。 取得金額 1 千万円以上の資産 資産番号 所在名称 科目 資産名称 取得価額 (千 円 ) 備考 306205439 東部配水場 機械及び装置 東部中央電気計 装設備 27,823 ソフトウェア改 造 工 事 401222694 西部配水場 構築物 濾水設備 11,798 濾水機基礎補強工事 22,046 既 設 バルクメモリ改 造 工 事 20,807 ソフトウェア改 造 工 事 西部中央電気計 装設備 西部中央電気計 装設備 306205080 西部配水場 機械及び装置 306205110 西部配水場 機械及び装置 400920842 西部配水場 機械及び装置 薬液注入機 10,714 次亜注入機交換工事 400180598 南浦和浄水場 機械及び装置 電気計装設備 14,037 地 震 計 、監 視 盤 改 造 、中 央 装 置 改 造工事 401150030 金重浄水場 構築物 原浄水設備 18,650 着水池・接触池防水改修工事 401500108 金重浄水場 構築物 原浄水設備 68,500 ろ過機逆洗管等切替工事 401250506 金重浄水場 機械及び装置 塩素滅菌設備 37,000 次亜塩素追加注入設備改修工事 合計 231,375 59 1 千万円未満の資産では上記と同じく追加取得処理又は枝番号を付して管理す べ き 資 産 が 38 件 あ っ た 。 科目 件数 構築物 機械及び装置 合計 ② 取 得 価 額 (千 円 ) 6 10,316 32 84,148 38 94,464 取 得 価 額 10 万 円 未 満 で あ る た め 固 定 資 産 と し て 計 上 す べ き で な い も の 「 さ い た ま 市 水 道 局 固 定 資 産 規 程 」で は 固 定 資 産 を「 水 道 局 が 購 入 し 、又 は 建 設工事若しくは寄附行為により取得した物件で、固定資産として管理するもの の 範 囲 は 、 次 の と お り と す る 。 (1)工 具 器 具 、 備 品 及 び 車 両 運 搬 具 に つ い て は 、 耐 用 年 数 1年 以 上 で 、そ の 購 入 価 額 、生 産 価 額 又 は 見 積 価 額 が 10万 円 以 上 の も の (2)構 築 物 の う ち 、配 水 設 備 に つ い て は 、そ の 配 水 設 備 の 管 口 径 75ミ リ メ ー ト ル 以上のもの」とする旨規定されている。 以下の固定資産は規程に従って会計処理を行ったならば、固定資産として計 上されないものである。 工具器具及び備品 資産番号 所在名称 科目 資産名称 取得価額 (千 円 ) 400100918 西部配水事務所 工具器具及び備品 酸素濃度計 96 304100036 西部配水場 工具器具及び備品 工 業 用 クリーナー 34 304100052 西部配水場 工具器具及び備品 水位測定器 13 304100338 西部配水場 工具器具及び備品 扇風機 12 304200081 西部配水場 工具器具及び備品 メガー 20 304200090 西部配水場 工具器具及び備品 テスター 14 305200174 西部配水場 工具器具及び備品 ガス湯 沸 器 63 305500399 西部配水場 工具器具及び備品 カードラック 306301330 西部配水場 工具器具及び備品 発電機 74 304100044 東部配水場 工具器具及び備品 工 業 用 クリーナー 34 304100486 東部配水場 工具器具及び備品 電 気 ドリル 304200103 東部配水場 工具器具及び備品 テスター 305500402 東部配水場 工具器具及び備品 カードラック 305800430 東部配水場 工具器具及び備品 車搭載用無線 60 305400335 南浦和浄水場 工具器具及び備品 自記録水位計 74 合 計 60 1 8 14 2 519 (3) 備品の管理について検討すべきもの 「 さ い た ま 市 水 道 局 会 計 規 程 」 第 6章 備品 第 54条 に 「 企 業 出 納 員 は 、 備 品 総括票を設けて備品ごとに整理し、物品取扱員は備品整理票を設けて、所属の 備品について、その出納保管の事務を行わなければならない。」旨規定されて お り 、 ま た 第 57条 に 「 企 業 出 納 員 及 び 物 品 取 扱 員 は 、 備 品 を 適 正 に 管 理 し な け ればならない。」旨規定されている。 備品を適正に管理するとは備品整理票を作成するだけでは十分とは言えず、 定期的に備品の実査を行い、備品の使用状況、所在を明確にする必要がある。 しかし、現在のところ定期的な備品の実査は行われていない。今後は少なくと も 1事 業 年 度 に 1度 は 実 査 を 行 い 備 品 の 状 況 を 明 ら か に す べ き で あ る 。 ① 備 品 整 理 票 (備 品 課 所 別 一 覧 票 )に 計 上 す べ き も の 下 記 の 備 品 は 備 品 整 理 票 (備 品 課 所 別 一 覧 票 )に 記 載 さ れ て い な い 。 記 載 す べ きである。 施設名 品名 数量 原因 東部配水事務所 カウンター 1 建物工事費に含まれる。 西部配水場 スチールラック 4 建物工事費に含まれる。 ② 備品管理シールを交換すべきもの 下記の備品は備品管理シールが汚れており記載内容を判別できない。交換す べきである。 施設名 備品番号 品名 数量 原因 南浦和浄水場 3-040-0122 梯子 1 表 面 が ビニール加 工 さ れ て い な い た め 。 南浦和浄水場 3-040-0131 脚立 1 表 面 が ビニール加 工 さ れ て い な い た め 。 南浦和浄水場 3-042-0031 両開書庫 1 表 面 が ビニール加 工 さ れ て い な い た め 。 ③ 備 品 整 理 票 (備 品 課 所 別 一 覧 票 )を 修 正 す べ き も の 下 記 の 備 品 は 備 品 整 理 票 (備 品 課 所 別 一 覧 票 )に 記 載 さ れ た 場 所 に な い 。 備 品 整理票の記載を改めるべきである。 備品番号 品名 数量 備品整理票記載の所在 実際の所在 3-042-0032 片開書庫 1 西部配水場 東部配水場 3-046-0017 両開書庫 1 西部配水場 東部配水場 3-046-0018 両開書庫 1 北部配水場 西部配水場 61 (4) ① 貯蔵品について検討すべきもの 処理を統一すべきもの 貯蔵品の管理状況について旧加倉浄水場の倉庫及び高鼻倉庫の視察を行った ところ、下記の貯蔵品について帳簿と実際残高に差異があった。 加 倉 倉 庫 (旧 加 倉 浄 水 場 ) 品名 形質 帳簿残高 実際残高 差異 原因 量 水 器 BOX φ 20 111 164 53 直費で購入したものが混在 量 水 器 BOX φ 40 3 4 1 直費で購入したものが混在 差 異 が 生 じ た 理 由 は 直 費 (費 用 )で 購 入 し た も の が 貯 蔵 品 (資 産 )と 同 じ 場 所 に 保管されているためである。用途が同じ品物を直費と貯蔵品とに分けて購入す ることは、処理の統一性を欠きまた、不正を生じさせる原因ともなる。倉庫に 保管し、必要に応じて使用するのであれば、貯蔵品として処理すべきである。 ② 加倉倉庫におけるその他の問題点 · 倉庫内に保管できない配水管は倉庫外に置かれているが、当該配水管には シ ー ト が か け て あ る だ け で 、配 水 管 全 体 を 覆 っ て は い な い 。現 在 の 状 況 下 に お い て は 、風 雨 や 急 激 な 温 度 変 化 に よ っ て 配 水 管 の 品 質 が 劣 化 す る お そ れがある。 · 敷地を囲んでいるフェンスが低く、また一部では老朽化しているため、関 係 者 以 外 の 者 が 進 入 す る お そ れ が あ る 。倉 庫 内 で 事 件 、事 故 等 が 発 生 し た 場合にさいたま市が管理責任を問われる可能性がある。 62 (5) 固定資産台帳を修正し整備すべきもの ① 建 物 附 属 設 備 と し て 計 上 す べ き も の (構 築 物 に 計 上 さ れ て い る ) 取得金額 1 千万円以上の資産 資産番号 構造 (耐 用 年 数 設 定 ) 資産名称 給排水・衛 生・空調 排水浄化槽 設備 ハロゲン消 火設備 3-052-0080 8 3-058-0211 5 3-058-0213 1 3-058-0214 0 空調設備 3-058-0215 8 換気設備 3-062-1012 2 電灯設備 給排水又は衛生設備及 び ガス設 備 給排水又は衛生設備及 び ガス設 備 消 火 、排 煙 又 は 災 害 報 知 設備等 冷 房 、暖 房 、通 風 、ボイラ ー設 備 冷 房 、暖 房 、通 風 、ボイラ ー設 備 電 気 設 備 、蓄 電 池 電 源 設 備 給排水又は衛生設備及 び ガス設 備 冷 房 、暖 房 、通 風 、ボイラ ー設 備 その他 構築物 空気調和 設備 3-062-1013 0 4-011-2439 0 耐用 年数 合 取得価額 (千 円 ) 帳簿価額 (千 円 ) 15 36,888 1,844 償却終了 15 42,445 2,122 償却終了 8 21,813 1,090 償却終了 15 41,341 2,067 償却終了 15 10,916 545 償却終了 6 12,186 609 償却終了 15 13,682 684 償却終了 15 10,970 7,712 190,241 16,673 計 備考 1 千万円未満の資産 件数 取得価額 (千 円 ) 帳簿価額 (千 円 ) 建物 31 88,196 45,570 建物附属設備 42 92,270 36,258 73 180,466 81,828 科目 計 備考 倉庫用建物 ② 建 物 に 計 上 す べ き も の (構 築 物 に 計 上 さ れ て い る ) 資産番号 資産名称 4-010-2166 3 4 号配水池 4-010-2167 1 3 号配水池 4-010-2168 0 2 号配水池 4-014-2078 9 その他構築物 4-014-2081 9 その他構築物 合 構造 (耐 用 年 数 設 定 ) 鉄 筋 鉄 骨 ・ 鉄 筋 コンクリート造 り工場用 鉄 筋 鉄 骨 ・ 鉄 筋 コンクリート造 り工場用 鉄 筋 鉄 骨 ・ 鉄 筋 コンクリート造 り工場用 前掲以外のもの 主として金属製のもの 前掲以外のもの 主として金属製のもの 耐用 年数 取得価額 (千 円 ) 24 8,611 6,658 24 10,983 8,492 24 12,882 9,960 18 1,412 1,273 18 1,123 1,012 35,011 27,395 計 な お 、「 そ の 他 構 築 物 」 は 適 切 な 名 称 に 変 更 す べ き で あ る 。 63 帳簿価額 (千 円 ) ③ 機 械 及 び 装 置 に 計 上 す べ き も の (構 築 物 に 計 上 さ れ て い る ) 資産番号 資産名称 3-058-0198 4 通信設備 4-012-2091 7 特 殊 ガス設 備 4-015-2058 9 電触防止設備 合 (6) 構造 (耐 用 年 数 設 定 ) 水 道 用 ・工 業 用 水 道設備、通信設備 給排水又は衛生設 備 及 び ガス設 備 電 気 設 備 (照 明 設 備を含む) 計 耐用 年数 取得価額 (千 円 ) 帳簿価額 (千 円 ) 9 1,637 81 15 25,674 19,574 15 18,943 17,818 46,254 37,473 備考 償却終了 減価償却方法を統一すべきもの さ い た ま 市 水 道 局 会 計 規 程 第 69条 に お い て 「 固 定 資 産 の 減 価 償 却 は 、 土 地 、 立木、建設仮勘定及び投資を除く資産については、定額法により取得した日の 属する年度の翌年度から行うものとする。」旨規定されている。しかし、合併 前 に 旧 岩 槻 市 が 保 有 し て い た 取 替 資 産 (量 水 器 )に つ い て は 当 該 資 産 の 除 却 が 行 われるまでは取替法の適用を継続するとのことである。取替法はさいたま市水 道局会計規程では認められていない会計処理である。また、一部の資産に取替 法 が 適 用 さ れ た ま ま で あ る 場 合 に は 同 一 の 資 産 に つ い て 2通 り の 減 価 償 却 方 法 が混在することになる。現在取替法を適用している資産について取得価格を調 査し現時点までに費用化されていない部分を見積り、残存耐用年数を用いて定 額法による減価償却を適用することを検討すべきである。なお、さいたま市水 道 局 で は 17年 度 中 に 全 て の 固 定 資 産 を 定 額 法 に よ る 減 価 償 却 に 修 正 す る と の こ とである。 (7) 遊休資産について今後の方針を検討すべきもの 下記の資産は遊休の状態にある。与野浄水場公舎跡地では土地が遊休である だけでなく、草取り等の追加的コストまで発生している状況である。下記土地 の 時 価 は 合 計 で 取 得 価 額 と 比 し て 150倍 近 く 値 上 が り し て い る 。特 に 浦 和 区 常 盤 の土地は、さいたま市において周辺環境が優れている土地であるので、単に駐 車場として利用するのではなくもっと土地の有効利用ができるはずである。早 急に今後の方針を検討すべきである。 水道記念館は記念館としては休止状態である。現状では歴史的資料の保管や 隣接する浦和営業所の倉庫に一部利用されているとのことであるが、安易に倉 庫として利用するのではなく、より有効に活用する方法を検討すべきである。 64 ① 土地 用地名称 所在地 取得 年月日 面積 (㎡ ) 取得価額 (千 円 ) 時価 (千 円 ) 現況 植水浄水場 西区大字中野林 西区大字植田谷本 S40. 1. 1 S42. 5.18 1,393 198 3,372 1,129 175,16 0 − 与野浄水場 公舎跡地 中央区上峰 S35.10.24 265 322 43,096 − 常盤公舎跡地 浦和区常盤 S11. 5.11 723 281 職員公舎跡地 浦和区常盤 S23. 9.27 1,259 158 3,838 5,262 合 計 194,30 6 338,35 6 750,91 8 駐車場 駐車場 (注 )17 年 度 路 線 価 を 0.8 で 割 り 戻 し た 値 を 時 価 と し た 。 ② 建物 施設名称 水道記念館 所在地 浦和区常盤 取得 年月日 S49. 6.29 65 取得価額 (千 円 ) 86,695 帳簿価額 (千 円 ) 49,867 現況 倉庫 4 情報システムについて (1) ID・パスワードの運用管理を適切に実施すべきもの 水道局における各種情報システムにおける利用権限のコントロールは、 Windows2000の ロ グ オ ン 時 に 当 該 利 用 者 が 権 限 を 保 有 し て い る か に よ っ て 行 っ ている。ID・パスワードは、個人毎に設定されており、パスワードは変更す ることが可能となっている。但し、初期値はある基準で設定しており、変更し ていないと本人以外の利用が可能となる。また、異動や退職時にはユーザー登 録を削除することによって使用不可とされている。 往 査 日 よ り 半 年 内 で の 異 動 し た 5名 に つ い て 確 認 し た と こ ろ 、 下 記 の よ う に 4 名は現状でもパスワードは変更しておらず、推定が容易な初期値により利用す る こ と が で き た 。ま た 、長 期 在 職 者 に つ い て 同 様 に 5名 抽 出 し て 確 認 し た と こ ろ 、 2名 は パ ス ワ ー ド の 変 更 を 行 っ て い な か っ た 。 対象者 確認人数 変更未履行者 半年内の異動者 5名 4名 長期在職者 5名 2名 水道局における情報システムの中には利用者の個人情報を有しているものも あり、この重要性は極めて高いレベルにある。ユーザーごとにどのシステムが 利用できるか権限設定されているにしても、ID・パスワードの管理は厳重に 実施すべきであり、パスワードの初期値は乱数を利用するなどしてパスワード の 変 更 が 忘 れ て い た と し て も 、本 人 以 外 が 使 用 で き な い よ う に す る 必 要 が あ る 。 また、端末を使用しないと想定される者もしくは実際に長期使用しない者に 対しては、使用権限の削除を実施すべきであり、確認した者の内、現状では利 用しておらず、パスワード変更を行っていないケースも存在しており、なりす ましの危険性が高いと認識された。 ID・パスワードが個人情報を含む情報管理の鍵であることを認識し、本人 以外が利用できない仕組みを構築するとともに、教育面も含め運用上も厳格に 運用される必要がある。 (2) 水道局としての情報資産の統一的管理をすべきもの 個人情報保護の一環として、水道局における個人情報として何があるかを、 情報資産調査票に記載して情報政策課に提出している。ここで、情報資産とは さいたま市は「守るべき価値のある情報」と定義している。しかしながら、各 66 課で調査した結果を情報政策課に提出するのみであり、水道局全体としての妥 当であるかの検討や実際に記載が妥当であるかの確認はなされていない。 例えば、浦和営業所が記載した「減額申込書」はランクがBであるが、営業 管理課及び大宮営業所が記載した「減額申込書」はランクがAとなっている。 記 載 要 領 で は 、 A に つ い て は ハ イ リ ー セ ン シ テ ィ ブ (機 微 情 報 )が 該 当 す る と し て お り 、 保 健 医 療 (保 険 、 福 祉 、 保 育 な ど )は 該 当 す る こ と か ら 、 A が 妥 当 と 考 えられるが整合性の面及び内容の妥当性の面からの確認はなされていない。 <情報資産のランク付けが不一致のケース> 対象となる情報資産 営業管理課 浦和営業所 大宮営業所 A B A 減額申込書 個人情報保護は組織において管理対象となる個人情報保護がどこにあり、リ スク評価を行い、どのように管理していくかを決めるという流れとなるが、個 人情報の認識における見落としや、認識した個人情報に対する正しいリスク評 価がなされなければ、重要性に応じた正しい対策を行うことはできず、個人情 報の流出の危険性が生じてしまう。 このため、担当課レベルでの確認で終了するのではなく、水道局における全 体としての情報資産の確認及びリスク評価の手続を行うことが必要である。 また、さいたま市全体の個人情報保護レベルを高める点からも、情報政策課 による整合性等のチェックを実施することが必要である。 (3) セキュリティに関する教育の実施を徹底すべきもの 個 人 情 報 保 護 や セ キ ュ リ テ ィ に つ い て は 、マ ネ ジ メ ン ト サ イ ク ル と の 関 連 で 、 P D C A (PLAN− DO− CHECK− ACTION)が 重 要 と い わ れ る 。す な わ ち 、規 程 の 制 定 やセキュリティの技術の導入で完了ではなく、実際に有効に機能しているか否 かが重要であり、さらに有効に活用されているか否かの検証は不可欠となる。 このためにも個人情報保護やセキュリティに関する職員等の理解は必須であり、 このための教育を行う必要がある。技術的な面での対応もある程度は必要であ る が 、技 術 的 な 面 の み で 厳 格 な 対 応 を 取 っ た と し て も 、抜 け 道 は 存 在 し て お り 、 セキュリティのレベルを上げるに従って、業務の作業効率が落ちてしまうこと を考えると、常に職員等が高い意識を持っていることが必要であるとともに、 最も効果的と考えられる。 さ い た ま 市 と し て は 職 員 向 け に 、個 人 情 報 保 護 に 関 し て 平 成 17年 3月 に 集 合 研 修 を 、 セ キ ュ リ テ ィ に つ い て も 平 成 15年 8月 に 集 合 研 修 を 実 施 し て い る 。 但 し 、 67 臨時職員に関しては、特に教育は実施していない。また、職員は全員が対象と な っ て い る が 、実 際 に 全 員 が 出 席 し た か ど う か に つ い て は 確 認 が さ れ て い な い 。 研修の実施の有無 職 員 (出 席 者 ) 職 員 (欠 席 者 ) 臨時職員 ○ ? (不 明 ) × さ い た ま 市 情 報 セ キ ュ リ テ ィ ポ リ シ ー に お い て 、第 1章 の 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 基 本 方 針 、5.責 務 「職員等は情報セキュリティの確保を共通の認識とするとと もに、情報資産を保護し、かつ適切に使用するためにポリシー及び関連する法 令 等 を 遵 守 し な れ ば な ら な い 。」と し て い る 。そ し て 、第 2章 情報セキュリテ ィ 対 策 基 準 の 内 、3.1の 人 的 セ キ ュ リ テ ィ 対 策 で 、「 情 報 管 理 者 は 、人 事 異 動 者 については着任時に、臨時職員、非常勤職員等については雇用時に、ポリシー 及び実施手順等に定める職員等が守るべき事項を理解させ、遵守させるための 措置を講じる。」としている。 個人情報保護やセキュリティについての教育は、個人情報を扱っている対象 者すべてに対して行うべきであり、対象者に漏れが生じる場合は教育の効果は 大きく損なわれてしまう。このため、本来職員のみでなく臨時職員も含めて全 員が行うべきであり、実施した研修に対しては受講の確認作業を行う必要があ る。そして、研修を受けなかった職員等が存在する場合は、必ず何かしらの形 で 教 育 を 受 け る こ と が 必 要 と な る 。ま た 、受 講 す れ ば 終 わ り と い う も の で な く 、 本 来 は 理 解 さ れ て い る か の 確 認 作 業 が 必 要 で あ り 、さ ら に 、1回 受 講 す れ ば い い ものではなく、水道局における特徴を加えて営業所での全員が集まる機会など に、短い時間であっても定期的に継続的な教育を実施することが必要となる。 今後、個人情報保護やセキュリティ、必要に応じてITのリテラシーも含め た教育に関する方針と対応した教育計画を明確にし、適確・適時に実施してい く必要がある。 (4) 債務負担行為の検討及び購入との比較検討をすべきもの ①債務負担行為の検討 水 道 局 に お い て 、 使 用 し て い る 電 子 計 算 機 (パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ )は 賃 貸 借 契 約 を 締 結 し て お り 、単 年 度 契 約 と な っ て い る 。し か し な が ら 、実 態 は 5年 間 のリース契約となっている。 マ シ ン ル ー ム の 視 察 に お い て 、 ノ ー ト 型 パ ソ コ ン が 26台 使 用 さ れ て い な い 状 況 で 保 管 さ れ て い る も の が 確 認 さ れ た 。こ の 26台 は 105台 契 約 し て い る も の の 一 部であるがリース契約が残っており、現状での使用予定がないため、代替用と し て 保 管 し て い る と の 説 明 を 受 け た 。契 約 期 間 は 平 成 18年 9月 ま で と な っ て お り 、 月 額 の リ ー ス 料 は 1台 あ た り 2,609円 か か っ て い る こ と か ら 26台 で 毎 月 67,834円 68 が 使 用 さ れ な い 状 況 で 平 成 18年 9月 ま で リ ー ス 料 と し て 支 払 う 必 要 が 生 じ て い る。 使 用 さ れ な く な っ た 時 期 は 平 成 16年 3月 か ら で あ り 、 平 成 18年 9月 ま で の 金 額 は 合 計 で 2,102,854円 と な る 。 但 し 、 105台 全 体 に 係 る 保 守 契 約 に つ い て は 解 除 し て お り 、 故 障 等 が 発 生 し た 場 合 は 、 未 使 用 の 26台 を 利 用 す る と い う 方 法 を と っている。 実態はリース契約でありながら、単年度契約であることから以下の弊害が生 じている。 · 本 来 は 単 年 度 契 約 で あ る こ と か ら 、上 述 の 26台 の 未 使 用 の 機 器 に 関 し て は 契 約 を 更 新 す る 必 要 が な い が 、再 度 の 契 約 を 随 意 契 約 に よ っ て 行 わ な け れ ばならないため、不要な支出が生じてしまっている。 · 最 終 の 5年 後 に お い て 、 再 リ ー ス を 行 う か 、 行 う 場 合 の 金 額 を ど う す る か に つ い て 単 年 度 の 委 託 契 約 で あ る こ と か ら 明 記 が で き な い 。通 常 の ケ ー ス で は 、1/10程 度 の 再 リ ー ス 料 で 継 続 す る こ と が 多 い が 、単 年 度 契 約 で は こ の点が明らかとならず、業者との交渉を行うしかない。 · 最 終 の 5年 後 に お い て 、 機 器 の 引 き 取 り に つ い て ど う す る の か に つ い て の 明 記 が な さ れ て お ら ず 、業 者 が 負 担 す る か ど う か に つ い て も 明 ら か と な っ ていない。 このように年度の委託契約としていることから、本来契約上は更新すべきで な い 契 約 を 更 新 す る 点 、 5年 経 過 後 の 扱 い (再 リ ー ス を 行 う か ど う か 、 行 う 場 合 に お け る 金 額 、リ ー ス 会 社 に よ る 対 象 物 引 き 取 り の 扱 い な ど )が 不 明 確 と な っ て いる点での弊害が生じてしまっている。実態に合わせて債務負担行為としてリ ース契約を締結すべきである。なお、現在さいたま市として地方自治法改正に 対応した長期継続契約の条例制定の検討を行っており、この点も留意する必要 がある。 ②購入との比較検討 当 該 契 約 は 実 質 的 に は 5年 間 の リ ー ス 契 約 で あ る が 、導 入 時 点 で 購 入 と の 比 較 は実施されていない。リース料率は資料がなく不明とのことであるが、リース 料率の中にはさいたま市が購入する場合には必要がないリース会社が支払う固 定資産税も含まれている。 メンテナンスの問題はあるが、さいたま市が調達する資金のレートとリース 料率とを比較して、調達レートが低い場合にはリースは不利と言わざるを得な い。 69 また、リース契約では所有権が業者側にあることから、さいたま市としての 自 由 な 処 分 が で き な い が 、 購 入 の ケ ー ス で は 自 由 な 処 分 が 可 能 で あ り 、 26台 の ノート型パソコンについても、使用されない時点で中古の市場に対して売却を 行うことが可能となり、リースの場合と比較して有利となる可能性が高い。 さらに、再リースの場合には、リース会社はリース期間で投資金額が回収で きるようにリース金額を設定しており、再リースはそのまま業者にとっては利 益となるため、このケースでは購入と比較して不利となる。 契 約 書 上 は 単 年 度 の 委 託 契 約 で あ る が 、実 態 は 5年 間 の リ ー ス 契 約 で あ り 、本 来は導入時点で購入とリース契約との比較検討について実施することが必要で ある。 (5) 金額の妥当性を検討すべきもの 水道局における情報システムについて、現状で保守運用に関する委託契約を 下 記 の 表 の よ う に 締 結 し て い る 。契 約 形 態 は す べ て 一 社 随 意 契 約 と な っ て い る 。 委 託 契 約 は 下 記 の 表 の よ う に 大 部 分 は 財 団 法 人 埼 玉 水 道 サ ー ビ ス 公 社 (所 管 部 局 : 水 道 局 業 務 部 )で あ り 、 公 社 自 体 に さ い た ま 市 自 体 が 出 捐 を 行 っ て い る 。 外部委託を進めることにより、専門的な知識経験を必要とするシステムの維 持管理が安定的に行われる面があることは認めるが、委託先の固定化は対応に よっては経費査定の困難化及びシステムのブラックボックス化など、経費面や セキュリティ等の点でさいたま市に不適切な状況が起こりうる危険性が生じる という問題点がある。 公 社 に 対 し て の 随 意 契 約 の 理 由 に つ い て は 、 「 自 治 令 第 167条 の 2第 1項 第 2号 の 規 定 に よ る 」と し て い る 。地 方 自 治 法 施 行 令 第 167条 の 2第 1項 第 2号 は「 二 不 動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、 加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又 は目的が競争入札に適しないものをするとき。」となっている。 公社との委託契約に関する金額の妥当性について、見積合わせは実施してお らず、水道局での積算も特に実施していない。 水 道 局 と し て の 単 価 契 約 の 推 移 と し て 、マ ッ ピ ン グ シ ス テ ム (表 に お け る 番 号 3)と 給 与 計 算 業 務 シ ス テ ム (表 に お け る 番 号 6)の 特 定 の 作 業 に つ い て 抽 出 を 行 っ た が 、両 者 の 比 較 を 行 う と マ ッ ピ ン グ シ ス テ ム で は 7年 間 に お け る 下 落 率 は 約 45% か ら 86% で あ る の に 対 し て 、給 与 計 算 業 務 シ ス テ ム で は 5年 間 に お け る 下 落 率 は 給 与 定 期 作 業 で 約 6% あ る の み で 、こ れ 以 外 に つ い て は 全 て 変 わ ら な い 状 況 である。なお、マッピングシステムは事前に各作業の単価について積算根拠を 入手しているが、業者が入力するために使用する機械がワークステーションか 70 らパーソナルコンピュータに変更され、この影響で下がっていることが一つの 要因と考えられるとの話を担当者から確認している。 情報システムの保守運用は無形のサービスであり、その品質の点からも金額 の妥当性が判断しにくいという特徴がある。特に、情報システムに関する保守 運用に関する委託は、役務の提供であり成果物が明確でないことから、適正な 金額が算出しにくいという面がある。しかしながら、分からないから曖昧にし て良いというものではなく、随意契約であることからも、一式ではなく何にい く ら と い う 内 訳 の 積 み 上 げ は 必 要 で あ る 。ま た 、内 訳 を 明 示 す る こ と に よ っ て 、 さいたま市における類似の契約における金額との比較、市場価格や他の地方公 共団体との比較等による妥当性の検討の可能性が生じてくる。 さらに、委託しているサービスのレベルと委託金額との対応関係を明確にす る こ と か ら も 、 サ ー ビ ス レ ベ ル 合 意 書 (S L A )を 締 結 し 、 サ ー ビ ス の 品 質 を 明 らかにすることが今後必要である。 内訳及び品質を明確にしておかなければ、役割分担の見直し時における金額 の変更や委託業者からの値上げ要求について客観的な検討はできないことにな る。内訳を明らかにして積み上げによる金額を算出するとともに、必要に応じ て品質の合意を行うことが必要である。 なお、開発に関する契約についても、内訳は明示されておらず、保守契約と 同様に金額の根拠は不明確となっている。開発についても、内訳の積み上げを 求めるとともに、さいたま市における類似の契約における金額との比較等によ る 検 討 、 サ ー ビ ス レ ベ ル 合 意 書 (S L A )の 締 結 に よ る 品 質 面 か ら の 金 額 の 妥 当 性の検討、必要に応じた外部の専門家による妥当性の検討などの対応が必要で ある。特に、開発においては保守運用も含めて、システム導入及び維持に関す る一定期間でのトータルコストがいくらとなるのかを品質との比較から明確に していく必要がある。なお、説明責任の観点からも、今後は文書上もこれらの 点を明らかにしていく必要がある。 71 水道局情報システム費用 番 システム名称 号 1 財務会計オンラインシステム 所管課 財務企画課 開発関係 開発形態 開発先 外部委託開発 サービス公社 処理 オンライン 運用形態 利用 契約 委託費用 (税抜き) 水道局全体 開発先に随意契約 7,690,020 特定部門専用 開発先に随意契約 223,982,969 C/S 方式 特定部門専用 開発先に随意契約 112,248,137 オンライン 特定部門専用 ・バッチ処理 2 営業オンラインシステム 営業管理課 外部委託開発 サービス公社 オンライン ・バッチ処理 3 コンピュータマッピングシステム 維持管理課 外部委託開発 水道マッピン グシステム㈱ 4 検針業務ハンディーターミナルシステ 営業管理課 外部委託開発 サービス公社 営業オンライ ム 5 ンに含む 水道料金調定業務システム 営業管理課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 特定部門専用 開発先に随意契約 営業オンライ ンに含む 6 給与計算業務システム 職員課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 開発先に随意契約 5,232,206 7 水道料金実績データ作成システム 財務企画課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 開発先に随意契約 22,300 8 町名別使用水量統計業務システム 施設課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 作業なし 9 貯蔵品管理業務システム 管財課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 開発先に随意契約 436,800 10 公債管理事務システム 財務企画課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 特定部門専用 開発先に随意契約 42,400 11 手数料工事費調定システム 給水工事課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 特定部門専用 開発先に随意契約 12 自動遠隔検針システム 営業管理課 外部委託開発 東芝 オンライン 特定部門専用 サービス公社に随意 0 47,064 7,382,439 契約 13 備品・固定資産管理業務システム 管財課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 開発先に随意契約 825,960 14 人事記録システム 職員課 外部委託開発 サービス公社 バッチ処理 所管部門専用 開発先に随意契約 479,560 合計 358,389,855 72 マッピングシステム更新業務 1 マッピングデータ入力作業 (1) 配水管等更新 ( 配・導・送水管・弁栓類 ) (2) (3) 平成 10 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 ア 建設工事(登録) 113 円 112 円 90 円 88 円 88 円 88 円 79 円 72 円 イ 建設工事(削除) 55 円 55 円 44 円 42 円 42 円 42 円 38 円 38 円 給水管更新 ( 新設・改増設・撤去・取付替 ) ア 新設工事(登録) 4,430 円 4,408 円 3,526 円 3,524 円 3,460 円 3,254 円 2,780 円 2,506 円 イ 改増設工事(登録・削除) 6,416 円 6,384 円 5,107 円 5,105 円 5,105 円 4,815 円 3,830 円 3,447 円 配水支管未布設路線支援システム更新作業 ア ポリゴン(登録) 800 円 703 円 671 円 603 円 574 円 イ ポリゴン(削除) 400 円 360 円 360 円 324 円 307 円 2 ファイリングデータ入力作業 (1) 配水管等ファイル入力 (2) 給水管ファイル入力 2,546 円 2,533 円 2,026 円 2,023 円 1,962 円 1,900 円 1,670 円 1,503 円 562 円 559 円 447 円 446 円 439 円 426 円 383 円 356 円 73 給与計算業務、人事記録システム作業単価推移 単位 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 1 給与計算業務 (1) 給与定期作業 1件 562.0 円 562.0 円 562.0 円 4 月∼ 562.0 円 532.0 円 7 月∼ 532.0 円 (2) 期末・勤勉作業 1件 562.0 円 562.0 円 562.0 円 562.0 円 562.0 円 (3) 差額計算作業 1件 562.0 円 562.0 円 562.0 円 562.0 円 562.0 円 (4) 年末調整作業 1件 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 (5) 定期昇給作業 1件 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 (6) 年間統計作業 1件 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 538.0 円 (7) 昇給期予定表作成作業 1回 4,640 円 4,640 円 4,640 円 4,640 円 4,640 円 (8) 職務加算割合一覧表作成作業 1回 2,090 円 2,090 円 2,090 円 2,090 円 2,090 円 − − − − − 1回 218,610 円 218,610 円 218,610 円 218,610 円 218,610 円 1式 792,580 円 792,580 円 479,560 円 479,560 円 479,560 円 (1)履歴年間作業料 358,610 円 358,610 円 358,610 円 358,610 円 358,610 円 (2)健康管理年間作業料 313,020 円 313,020 円 (3)研修年間作業料 12,510 円 12,510 円 12,510 円 12,510 円 12,510 円 (4)勤務実績年間作業料 58,400 円 58,400 円 58,400 円 58,400 円 58,400 円 (5)課所別勤務状況年間作業料 50,040 円 50,040 円 50,040 円 50,040 円 50,040 円 (9) 不定期作業 (10) 給与費推計作業 2 人事記録システム 人事記録システム年間作業 74 作業廃止 (6) セキュリティ実施手順の策定を実施すべきもの さいたま市情報セキュリティポリシーにおいて、情報セキュリティ対策基準 に基づいたセキュリティ実施手順を策定することとなっているが、現状では策 定がなされていない。 具体的な実施手順は情報システムごとにどのような対策を行うかを示すもの であり、実際のセキュリティ対策には不可欠であることから、早急に策定すべ きである。 (7) 外部委託業者に対して、情報セキュリティに関する対応を図るべきもの さいたま市情報セキュリティポリシーにおいて、契約に関して「情報管理者 は、外部委託業者に対し、守秘義務またはそれに準ずる事項を盛り込んだ契約 を締結するとともに、委託業務遂行に関する情報セキュリティ上の遵守すべき 事項を理解させ、委託者責任を履行する。」としている。 財団法人埼玉水道サービス公社との間における電算処理業務に関する委託契 約 書 で は 、 第 7条 (個 人 情 報 の 保 護 )で 「 乙 (財 団 法 人 埼 玉 水 道 サ ー ビ ス 公 社 )は 、 委託業務の遂行に当たって、個人情報を取り扱う場合は、本契約書の各条項を 遵守し、個人情報の漏洩、滅失、毀損防止その他個人情報及び乙が契約履行の ために作成したそれらの記録媒体等を保護するため、施錠管理ができる保管庫 等に格納し、適正に管理するための必要な措置を講じなければならない。」と し て い る 。契 約 書 上 、第 7条 と し て の 記 載 は あ る が 、財 団 法 人 埼 玉 水 道 サ ー ビ ス 公社からの情報セキュリティに関する確認や報告は特に行われておらず、さい たま市と情報セキュリティに関して同レベルにあるかの確認はなされていない。 地方公共団体における個人情報の漏洩が発生しているケースにおいて、外部 の委託業者、いわゆるアウトソーシングからによるケースは何度も発生してお り、重大な事件となっているケースも生じている。外部委託自体は時代の流れ でもあるが、この際に個人情報、セキュリティの観点から適切に実施すること が必要であり、個人情報保護法では委託者自体の責任を明確にしていることか らも十分な対策を実施しなければならない。外部委託では間接的なコントロー ルしかできないことから、財団法人埼玉水道サービス公社との間における電算 処理業務のように、扱っている情報が外部で処理されるケースのリスクは高く なるため、単に契約書上のみでの対応は不十分と言わざるを得ない。 少なくとも、以下の点は対応することが必要と考えられる。 75 ① 委 託 先 の 選 定 時 (継 続 時 )に お い て 、 個 人 情 報 保 護 や セ キ ュ リ テ ィ の 観 点から対応状況を確認する。 ② 契約書上、少なくとも以下の内容は盛り込むことを検討する。 個人情報や機密情報に関する秘密保持 再委託に関する事項 事故時の報告義務と責任分担 契約終了時の個人情報等の返却及び消去 外部委託業者の個人情報や機密情報の取扱状況に関する報告や必要に 応じた監査 ③ 外部委託業者に対するさいたま市としての手順書等を整備する。 さいたま市としては、外部委託業者に対する手順書などを整備していくとの 情報政策課・システム管理課からの説明を受けており、その中で各種の対策が なされるとのことであることから、今後の早急な対応が望まれる。 76 5 その他 (1) 貯水槽水道設置者に対して受水槽等の管理指導を徹底すべきもの さいたま市は地形的に比較的に平坦であり、ポンプを使用して配水している ため、エネルギーの節減と漏水を軽減するため、比較的低い水圧で配水してい る 。 こ の た め 、 3階 以 上 の 建 築 物 の み な ら ず 一 部 2階 建 の 建 物 で も 受 水 槽 を 設 置 し て い る 状 況 に あ る 。 平 成 14年 度 の 調 査 で は 、 受 水 槽 を 設 置 し て い る も の の う ち 、 10㎥ を 超 え る 簡 易 専 用 水 道 は 2,610件 、 10㎥ 以 下 の 小 規 模 貯 水 槽 水 道 は 、 15,730件 に 上 っ て い る 。 貯 水 槽 水 道 は 水 道 法 で は 利 用 者 等 の 所 有 物 で あ り 、 基 本的には所有者や利用者などが維持管理することとなっている。しかし、必ず しもすべてが良好に維持管理されていないため、貯水槽水道における残留塩素 の低下や水質に変化等が大きな問題となっている。また、維持管理が不十分な ため、漏水が発生する場合も多く見受けられる。 ところで、水道局では、漏水が発生した場合、水道のメーターが実際の使用 料 よ り 高 い 数 値 と な り 、水 道 料 金 を 現 実 の 使 用 料 よ り 高 く 請 求 す る 恐 れ が あ る 。 こ の た め 、 水 道 局 で は 、 前 2回 の 平 均 使 用 量 等 を も と に 使 用 水 量 を 認 定 し (減 額 決 定 )、当 該 水 量 を 基 に 水 道 料 金 を 請 求 す る と と も に 、漏 水 修 繕 の 指 導 を 行 っ て いる。 水道は、配水管から分岐され、じゃ口までの間に給水管等の給水装置や受水 槽などがあるが、これらはメーターを除きすべて利用者等の所有であり、基本 的には所有者や利用者などが維持管理することとなっている。しかし、実態と して、これらは地下に埋没されている部分が多く、配水管からメーターまでの 給水装置は一部を除き水道局で維持管理している。地下に埋没されている配水 管からメーターまでの部分で発生した漏水については、維持管理を水道局で実 施していることから、漏水による水量相当額を使用者に負担させないことは理 解できるとしても、屋外に設置されている受水槽や屋上に設置されている高置 水槽について、管理が不十分であることが原因で発生した漏水について水道局 が負担することは適切とは考えられない。しかし、貯水槽水道の利用者で発生 した漏水について減額決定した場合でも、漏水原因を調査し水道局が負担する こ と が 妥 当 と 判 断 し た 資 料 が 整 備 さ れ て い な い の は 適 正 で は な い 。水 道 局 で は 、 パンフレット等により貯水槽水道の設置者に定期清掃や水槽の点検等の管理方 法の指導を実施しているが、点検を怠った設置者については、水質の安全にも 影響する場合もあることから、受水槽、高置水槽の整備不備が原因による漏水 水量についても水道料金を負担させるなど、より厳格な指導を徹底すべきであ る。また、漏水調査の資料を整備し検討することにより、今後の漏水の抑制に 77 努めるべきである。 な お 、貯 水 槽 水 道 対 策 の た め 、直 結 給 水 シ ス テ ム (配 水 管 の 圧 力 を 利 用 し て 給 水 す る 方 法 )を 平 成 15年 度 か ら 実 施 し て い る が 、受 水 槽 の 衛 生 問 題 の 解 消 、「 お いしい水」の供給、受水槽が原因の漏水を防止等に寄与することから、普及・ 拡大を促進することは望ましいと考えられる。 (2) 浄 水 場 及 び 深 井 戸 に つ い て 統 廃 合 を 検 討 す べ き も の (旧 岩 槻 市 除 く ) さ い た ま 市 の 水 道 は 、 創 設 時 か ら 深 井 戸 (180m∼ 350m)の 地 下 水 を 水 源 と し て き た が 、 昭 和 43年 度 よ り 県 営 水 道 か ら 受 水 開 始 後 、 受 水 の 依 存 度 は 年 々 高 く な り 、 平 成 12年 度 に は 受 水 依 存 度 が 97% に 達 し て い る 。 一 方 、 地 下 水 は 県 営 水 道 への依存度の増加や地盤沈下の抑制のため揚水を規制されたこともあり、年々 取水量が減少している。また、深井戸は老朽化や水質の問題も発生している。 ①配水場・浄水場と深井戸の状況 名 称 深 井 戸 の 数 (本 ) 深井戸の能力 (日 量 ㎥ ) 竣工年月日 経過年数 浦和浄水場 6 9,500 昭 和 12 年 1月 67 年 土合浄水場 5 9,000 昭 和 36 年 7月 43 年 馬宮浄水場 1 1,000 昭 和 44 年 7月 35 年 日進浄水場 3 7,000 昭 和 35 年 4月 44 年 東大宮浄水場 4 7,000 昭 和 39 年 4月 40 年 高鼻浄水場 3 7,000 昭 和 32 年 12 月 47 年 北浦和浄水場 3 4,000 昭 和 27 年 2月 52 年 東浦和浄水場 4 7,000 昭 和 34 年 1月 45 年 南浦和浄水場 5 9,000 昭 和 30 年 1月 49 年 浄水場合計 34 60,500 配水場合計 28 78,500 深井戸合計 62 139,000 (注 ) 浄 配 水 施 設 の 耐 用 年 数 は 60 年 78 ②深井戸の設置後経過年数 (平 成 15 年 度 ) 61 年 以 上 3本 51∼ 60 年 3本 41∼ 50 年 21 本 31∼ 40 年 17 本 21∼ 30 年 4本 11∼ 20 年 10 本 10 年 以 下 4本 合計 (注 ) 62 本 深 井 戸 の 耐 用 年 数 は 10 年 ③原水水質による井戸の分類 水質基準をクリアしている井戸 18 本 29% 塩素剤添加で処理可能な井戸 10 本 16% 現処理法で処理可能な井戸 31 本 50% 3本 3% 現処理法で処理が難しい井戸 合計 62 本 ④深井戸に関する費用 平 成 14 年 度 平 成 15 年 度 平 成 16 年 度 修繕費 12,274,500 円 24,239,250 円 12,337,500 円 賃借料 1,475,680 円 1,475,680 円 1,475,680 円 委託費 491,986 円 573,725 円 4,609,757 円 施設工事費 27,772,500 円 7,266,000 円 8,400,000 円 合計 42,014,666 円 33,554,655 円 26,822,937 円 さ い た ま 市 の 地 下 水 源 で あ る 深 井 戸 は 、現 在 62本 で 日 量 139千 ㎥ で あ る が 、近 年 は 地 盤 沈 下 防 止 の た め 渇 水 時 等 の 予 備 水 源 と し て 主 に 利 用 し て い る 。し か し 、 平 成 14年 4月 に 埼 玉 県 生 活 環 境 保 全 条 例 が 施 行 さ れ 、地 下 水 採 取 が 規 制 さ れ た た め、渇水時等の予備水源として位置づけている地下水の活用が制限される可能 性 も 高 く な っ て き て い る 。平 成 16年 度 の 1日 あ た り の 給 水 量 は 約 13千 ㎥ 、平 成 15 年 度 の 1日 あ た り の 給 水 量 は 約 15千 ㎥ で あ り 、 能 力 の 約 1割 で あ る 。 す な わ ち 、 現在の本数は設備過剰な状態となっており、今後も地下水採取規制により増加 する見込みはないと考えられる。 深 井 戸 の 設 置 後 経 過 年 数 は ② の と お り 、 耐 用 年 数 の 10年 を 大 幅 に 経 過 し て お り、老朽化が顕著である。また、④に記載のように修繕費や施設工事費等の費 79 用も必要としている。これらは直接費のみであり、人件費等の事務的な間接費 は含まれていない。 また、深井戸の地下水を浄水するだけの機能を持つ浄水場についても、ほと ん ど の 施 設 が 竣 工 後 40年 以 上 経 過 し て お り 、 耐 用 年 数 は 超 え て い な い も の の 老 朽 化 が 顕 著 な 状 況 で あ る 。浄 水 場 は 地 下 水 の み を 対 象 す る 施 設 で あ る こ と か ら 、 深井戸と同様に過剰設備の状況にある。 地下水は比較的良質であるが、③のように、水道水として飲用するためには 処理が必要な物質が含まれている深井戸も多い。地下水への影響は鉄やマンガ ンなどの地質に由来するものがほとんどであるが、硝酸性窒素などのように地 表から地下水へ影響するものもある。したがって、飲用水として使用するため には、水質の変化の把握と対応が重要である。このように、地下水には水質の 保全にために、より厳格な水質検査等が必要となる。 上記のように、深井戸及び浄水場は過剰設備の状況にあり、今後も給水量の 増加は見込めない状況にある。また、飲料水としての水質にも処理が必要な物 質の混入の影響を排除する対策が必要である。したがって、今後、統廃合も含 めた適正な改良・更新計画を策定し実施することが必要である。 80