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(No.142)特集:「ようこう」が見た太陽コロナ-華麗な天体プラズマの世界

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(No.142)特集:「ようこう」が見た太陽コロナ-華麗な天体プラズマの世界
~三.:Io~~州 42
特集:
「ょうこう」の見た太陽コロナ
ー華麗な天体プラズマの世界一
宇宙科学研究所
1
9
9
3
.
1
年
頭
の
辞
凸
宙
科
学
研
究
所
長
秋
葉
錬
二
郎
新
年
明
け
ま
し
て
お
め
で
と
う
ご
ざ
い
ま
す
。
今
,
宇
宙
開
発
は
大
き
な
転
換
期
に
直
面
し
て
い
る
よ
う
昨
年
は
,
国
際
宇
宙
年
と
し
て
多
彩
な
行
事
が
あ
り
,
に
思
わ
れ
ま
す
。
勿
論
.
宇
宙
科
学
研
究
所
は
す
で
に
十
ま
た
.
実
質
的
な
成
果
も
数
多
〈
挙
が
っ
た
年
で
も
あ
り
分
吟
味
さ
れ
た
,
独
自
の
長
期
ま
し
た
。
宇
宙
科
学
研
究
所
と
し
て
は
何
よ
り
も
長
年
に
め
て
お
り
,
急
激
な
変
化
を
必
聖
書
と
す
る
状
況
で
は
あ
り
わ
た
る
日
米
協
力
が
実
っ
て
,
昨
年
AIL
7月
,
無
事
衛
星
を
軌
道
に
送
り
込
み
順
調
に
鋭
G
E
O
T
mlJ 成
巣
を
挙
げ
ま
せ
ん
。
し
か
し
な
が
ら
,
国
際
環
境
,
社
会
環
境
あ
る
い
は
開
発
や
研
究
の
内
容
は
予
想
を
超
え
た
変
化
を
遂
げ
つ
つ
あ
る
こ
と
を
喜
び
と
す
る
も
の
で
あ
り
ま
す
。
さ
ら
る
の
は
当
然
で
あ
っ
て
.
常
に
そ
れ
ら
に
配
慮
し
将
来
計
に
闘
に
反
映
さ
せ
ね
ば
な
り
ま
せ
ん
。
こ
の
時
に
当
た
り
,
rょ
う
こ
う
」
の
活
総
は
特
筆
す
べ
き
で
あ
り
,
こ
の
他
に
も
「
さ
き
が
け
」
の
帰
還
.
有
.
»
1
4
飛
朔
体
の
実
験
,
人
工
オ
ー
ロ
ラ
実
験
こ
れ
ま
で
の
実
績
を
踏
ま
え
.
さ
ら
に
今
後
S
E
P
A
C
,
オ
ー
ス
ト
ラ
リ
ア
に
於
必
要
が
あ
り
ま
す
。
そ
こ
で
.
現
在
そ
の
よ
う
な
見
直
し
ン
の
基
礎
開
発
研
究
な
ど
で
報
わ
れ
る
こ
と
の
多
か
っ
た
作
業
が
運
営
協
議
只
会
議
の
要
消
に
よ
り
,
第
二
期
計
画
一
年
で
し
た
。
そ
し
て
,
今
年
は
間
も
な
く
,
世
界
の
天
策
定
委
貝
会
(
仮
称
)
で
進
め
ら
れ
つ
つ
あ
り
ま
す
。
A
S
T
R
O
D
の
打
ち
上
げ
実
験
幸
い
宇
宙
科
学
研
究
所
は
今
日
ま
で
に
発
展
を
続
け
て
参
り
,
当
初
計
画
の
規
模
は
ほ
ぼ
実
現
世
紀
を
望
み
,
国
際
的
評
価
に
値
す
る
研
究
所
像
を
作
り
上
げ
る
司
王
が
で
き
ま
す
よ
う
,
出
来
る
だ
け
多
く
の
方
々
が
行
わ
れ
ま
す
。
12 年
の
間
,
順
調
10 年
な
い
し
15 年
を
見
通
し
て
,
研
究
所
の
よ
り
一
層
の
発
展
を
計
る
け
る
気
球
笑
験
,
エ
ア
ー
タ
ー
ボ
ラ
ム
ジ
ェ
ッ
ト
エ
ン
ジ
文
学
研
究
者
が
注
目
す
る
i計
画
に
従
っ
て
事
業
を
進
に
ご
意
見
を
い
た
だ
き
た
し
年
頭
の
紙
而
を
借
り
て
お
願
い
申
し
上
げ
ま
す
。
出
来
た
段
階
に
あ
り
ま
す
。
一
方
,
世
界
的
に
見
れ
ば
,
-1-
21
X 線(を」二),可観光(右上),
Hα 線(左下),マクネトグラフ(磁渇強度の針演l器右下)で見た太陽
新年特集号に寄せて
ISASニュース編集委員長松尾弘毅
「ょうこう J の打ち上げ以来はや一年余りが
苦楽ガ始まります。
過ぎました。我々ロケット側の人聞は、長年の
定だ私1こは,新年にあたりその成果を紹介し
準備と極自幅広緊張の10分間ののち,あとはご親
喜びを新芝にするという楽しみガあります。
戚の方々でどうぞと主主てぜりふとともに次の苦
充実し芝特集号だと自負しております。
労へと山〔実験場〕を下り,そこから衛星側の
-2 ー
太鴎コロナは超高温のプラズマの世界
Il[税光で見た太陽は約 6000度の火の二E ですが.
その外 1WJ に太陽の外層大気=コロナが大きく拡が
っています。コロナは希薄なガスで,太陽本体と
比べると明るさは 100)J 分の l もありません。皆既
日食のときに.専門家もアマチュアも望遠鏡を仰
いで日食地帯に集まるのは,コロナを十分に観測
できるのが皆既日食のチャンスに限られているか
らです。
日食:母哀を詳しくみるとコロナにはさまき'まな
流線状の椛進があります。光球(可微光で見た太
陽の表面)のすぐ上の宮1\分は彩府と呼ばれ, Hα線
(水素のパノレ7 一系列の線スペクトルのひとつ)
だけを通すフィルターを使って見てみると,その
僚子が観察できます。すると.紅炎(プロミネン
ス)や略条(フィラメント)と呼ばれる精進がや
「ょうこう(陽光: YOHKOH)J 。いま,この名
はり何かの流れのような形を現しています。この
前は,世界中の太陽物思司および|刻 iili研究者の熱
彩層の上に拡がっているのがコロナなのです。い
い視線を集めています。
ったい何がこうした憐造を決めているのでしょう
1991 年 8 月 30 日,宇宙科学研究所・鹿児島字 Ai
ZE 間観測所から,
か。太陽では黒点やその周囲に強い般極(舷 1i の
極,
M-3S11-6号機が打ち上げられ
S 極のようなもの)を持っています。また.
ました。長期にわたった生みの背しみの後に,「ょ
2畏占領域の外にも紛いけれども拡がった磁極があ
うこう」が誕生した瞬間です。太陽 X 線鋭測衛 )jl.
ります。じつは.これらの磁極からコロナに延び
「ょうこう」には,
2 つのぬ像鋭掴IJ 機株〔軟 X 線
出した磁力線が.
コロナの流線状の形を支配して
望遠鏡( SXT) と制 X 線望遠鏡 (HXT)) ,軟 X 料i の
いるのです。逆に.コロナの形を観測することで,
精密分光装置=プラ y グ分光器 (BCS) , X 線から
見えない織力線を見ることができるようになリま
ガン 7 線までの広い範凶のスペクトル測定装置
す。
(WBS) が搭載されています。
ところで.コロナは lOa 万度以上の超高温の世
これらの装置が何を狐っているか,まずは簡単
界です。こんな高弘て・は,ほとんど全ての物質の
に紹介しましょう。
原千が,イオンと電子に分離して.プラズ 7 気体
皆既日食で見られるコロナ
彩層とブロミネンス
-3 ー
.
.
の状態になっています。プラズ 7 は'必%をとても
流しやすく.
', ILiAt は総力線に沿って i~U しさらに
'!L iAt はまわリの総力紙i をひねりあげ.こうして俄
場を慌びたプラズ"?(般化プラズ"?) '1' に.
~~11i
した状態の磁力総ができてきます。ちょうどゴム
級を似りあげた隊チを忽 1象していただければいい
でしょう
「担I~ I) あ If る」と言いましたカ九そもそも ';I!:流
を流す起;1£力のもとは.
WI] えば黒点の N 極.
が
相
対
的
に
移
動
し
た
り
.
Inl 転
し
た
リ
.
炎
而
の
流
体
の
て.,
','.
iAUl
<北桜
で
す
。
太
陽
の
I
'
i
転
は
亦
•
sb
t
i
黒点の伝大図
と
い
う
太
陽
i芭
ふ
き
ん
附すき'るのです。ところが .X 線は 100 万度より向
山の物質からだけ放射されます。つまり.光球は
IH 極に近づくにつれて i星くなるとい
う妙な1' 1 慨をもっており.これも紘); 総を仮りあ
X 料!て'は兵っ H古で,
げるのに彬科します。こうして.コロナの他 lJ~
す。日食のときには "f視光でもコロナが見えます
は惚維な附 iit をして.時々刻々と変化するのです。
が.かんじんの中心部分は月に隠されて比えず.
「ょうこう」はコロナの磁力紛の構 i阜の変化を迫
コロナだけが明るく鮒くので
コロナの全体像が分かりません。また.
コロナの
跡し太陽のダイナミソクな姿を明らかにしている
"f 悦光の脳It きは光球からの光がコロナの物質に I\~
のです。
tiしされたものであるため
I 明るさはコロナの官!主
に比例しています。 X 線では.太陽の千 1 )1111111 if)コ
軟 X 線で見る太陽コロナ
ロナの全体像が.いつでも観 iJIII できますし.その
「ょうこう」は X 線で太陽コロナを観測してい
ます
なぜ X 線でその'1;'を見るのでしょうか。
悦光では太|湯本体が II) 1 るすぎて.
lリ l るさは術 l庄の 2 )長に比 WI] しています。それだけ
'ff
コロナがなか主
濃淡がクリアであり.
6:藍力料l の立体 (I(J 桃iit を解明
するのに適しています。コロナの時々刻々の変化
かはえません。太陽の光 f;R は 60001支の 1山主て治!"-、
を追うことになると.
日H見たを放射しているのに NL.
もいいでしょう
コロナは it"ii与で
もう X 線の独川上品と J って
、.
X 線(在)と司視光(右)で見た黒点(岡崎lこ観測した)
-4
活動犠
「ょうこう J 軟 X 線望遠鏡ガ見た太陽
このコロナの観測は
r ょうこう J では.軟 X 線
いまだ謎は解かれていません。
フレアの進行過位のなかで,とくに急激な現象
望遠鏡( SXT) が担当しています。
が.インパルシプ相!とよばれるフレア発生の初期
の H寺|首卜HI に観測される「粒 [-JIll 述」現象です。こ
硬×線,ガンマ線で見る太陽フレア
.!,If: ,l.\ の群れのあたリが.突然,駈It きをまし.大
の H寺解脱されるエネノレギーの大部分が位 f- (~rt-f­
量の布エネルギー粒チが;-,3 1]1間:!Z I 日l に振りまかれ
やイオン)の Jm;主に'tel(やされ.大 fit の太陽宇宿線
る現象があリます。これが太陽大気中での政大の
が数秒~数卜秒、で作リ fごされます。フレアはまさ
爆発,太陽フレアです。太陽フレアは地球にもオ
しく天然の粒子 JIll;主総なのです。光速度ちかくま
ーロラの発生や屯波障害などの形てすJ15智を泣ぼし
で加述された屯 f が街度の高い彩層に飛び込むと.
ます。太陽フレアが起こると数分から 1 時間以内
fJ]Iiぃ(エネルギーの高い) X線が放射されます。
の知い時間のあいだに.
従って.この硬 X 糾l を捕まえてやれば.粒子加速
I メガトンの水爆 IO!窓側
分ものエネルギーが.高エネ jレギーの粒 r.
に関する情報が得られます。「ょうこう」の硬 X 線
数千
望遠鏡 (HXT) は.これを狐っています。
]j- 数億度の超高温プラズ".物質の fS昼間l 空間
への放出などの形で,解紋されるのです。太陽フ
高エネルギーのイオンは,プラズ 7 粒 f と衝突
レアは振りあげられ緊桜状態にある黒,ぽ JafE の
して,原子校反応を引き起こし.さまざまなガン
コロナの織力紙l が保持していたエネルギーが突発
7 線を放射します。
r ょうこう」の!ム帯成分光~~
的に解き放たれる現象であると理解されています
(
WBS)
が,なぜこんな短時間に急激な燦発が起こるのか,
オン起源、のガン 7 線までの!ムぃ範聞のフレアのス
は.軟 X 線から硬 X 線.さらにはこのイ
ペクトノレを観測し.粒子加速現象を解明するため
の 1,1;礎的データを従供しています。
大抵の高エネノレギー粒子が彩層に飛び込むと,
周聞の物質が急激に加熱さ fl.
急膨張します。プ
ラズ7 が古L 流状態になりつつ.毎秒数百 km の速さ
で上易します。「ょうこう」では.こうしたプラズ
7 の温度,官l主.到J きをプラ y グ分光総 (BCS)
で詳細11 に捌べています。(小杉健郎.常日 l 佐久)
Ha 線で見た太陽フレ戸
EJ
硬×線望遠鏡 (HXT)
田 稔 先 生 の 考 案 し た も の日
て本
九 のX 線 天 文 学 の
伝 統 的 な 技 術 の ひ と つ で1す
9 8。
1年 打 ち 上 げ の 太
陽X線 観 測 衛 星 「 ひ の と り 」 で は , 衛 星 の ス ピ ン
を 利 用 し た 「 回 転 すJ だがれ
使われました。「ょう
こう」は
3軸静止の衛星ですから.ひとつの「す
だれ」からでは画像を得ることはできません。そ
こ で r ょ う こ う 」 のX硬
線 望 遠 鏡( H X T )で は .
ス リ y ト の 向 き と yピチ の 異 な る
6 4個 の 小 J型
の「す
だ れ 」 を 用 い て 6,
4個 の 検 出 骨 量 の 強 度 の 途 い か ら
「百更し、 J
X 線とは,太陽物理学の世界では,お
画像が取得できるようにしました。原理的には数
おむね 10 キロ電子ボルト以上の X 線(波長では約
学のフーリエ変換によく似ているので「フーリエ
l オングストローム以下)を指す言葉です。この
合成砲望遠鏡」と称していますが,笑際には,大
エネルギー以下の軟X 線は司数 100 万度の太陽コロ
塑コンビュータで「最大エントロビー法」などの
ナ全般から放射されるのに対して.硬 X~ は主と
線維な解法を使って,画像の再生をしています。
「ょうこう」の
X硬
線 望 遠 鏡( H X T )は 司 . J ! X
!
して,フレアが起こった時に数十キロ 1ft子ボルト
以上のエネルギーまで加速された屯子から,
もし
くはフレア時に生成される数千万!支の超高温ガス
から放射されます。
線 の 槻 { 象 望 遠 鏡 と し てN
はA,S A
の太陽観測衛星
S M M衛 星
rひのとり」の「凪転す
J だ
にれ
つい
て九世界3
で番 目 の 硬
X線 望 遠 鋭 で す が ,
1 0約
0キ
ロ 電 子 ボ ル ト ま でX
の線
硬像 を4 つ の エ ネ ル ギ 一
この硬・軟 X 線の境目の波長,約 1 オングスト
ロームという長さは.金属結晶の原子の間隔てい
帯 で 同 時 に 縄 像 で き3る
0キ(
ロ1 f t子 ボ ル ト 以 上 で
どであり.軟 X 線 I i'、ろいろ工夫すれば反射望速
は初めての昂像
iN1]),
観 角分解能約
5秒 角 ( 従 来 は
鋭をつくることができますが,硬 X 線ではどうし
約 1 0秒 角 ) , 時 間 分 解
0 .能
5秒 ( 約l 桁 の 向 上 ) と
てもレンズや鋭ができません。では,硬 X 線では,
いう優れた性能を誇っています。打ち上げ以来既
どうすれば画像が得られるでしょうか?
に 約5 0 0個 の フ レ ア を 観 測 し て お X
り線
,望
軟遠 鏡
ピンホーノレを用いて写真を織るのが一番簡単な
(SXT) で搬られた画像と詳細な比較をすること
方法ですが.角分解能を向上させ鮮明な画像を綴
で.太陽フレアの粒子加速の現場の詳細を明らか
るためには小きなピンホールが必要で.そうする
にしています。(小杉健郎)
と感度が足りなくなってしまいます。そこで.「す
色々な方向の
色々な聞闘の
た'れ」コリメータの技術を使います。これは.小
すだれで見てやる
見る角度で鍵劇的に
見えたり見え舎か 9 た η
、、口\し
\t
像倉庫
る
以キいヤパい臥
::
、‘‘、 1hir 、、、 1-4b'
「すだれ
J コリメータ
山半 11
l- ヘ込、す
見える
叫WMW\ 一
山市…制Ni
検幽 IJ
硬 X 線望遠鏡の画像再生の原理
-6 ー
園
軟 X 線望遠鏡 (SXT)
軟 X 線望遠鏡の大きな特長は.
リング状の料入
射 X 線ミラーの光軸ヒに可悦光のレンズが遣いで
あり,
X 線画像だけでなく光の太陽像もほぼ同 H寺
に取得できるよう工夫してあることです。フィノレ
ターのいくつかがガラスでできており,これが光
路上にあると X 線はガラスでシャットアウトされ.
可視光の函{象が得られるわけです。この工夫によ
り,
X 線幽像と光画像の l 秒角の精度での重ね合
わせが初めて実現しました。
X 線画像からはコロ
ナの磁場のようすが,可視光の画像からはコロナ
磁場の光球而での切り口である県点などのようす
が分かるので\
この望遠鏡はまさに太陽舷tょうの 3
次元望遠鏡として働いているわけです。
軟 X~望遠鏡で忘れてはならないものが,衛星
に搭載されたコンビュータの働きです。このコン
ビュータは,太陽活動の状況に応じ,地上との交
信のないときにも.事前の池上からの指示に従っ
て山ら鋭 iJIIJ 条件を決定し,望i卓鋭を ilill 御していま
「ょうこう」の軟 X 線望遠鏡は,
x 線反射望i卓
す。とくに重要なのが.画像データをこのコンビ
鏡と cco カメラ(最近のホームビデオカメラ等に
ュータで解析しての自動観測制御機能てヘ例えば
内 1哉されている織像素子)により太陽コロナやフ
フレアが発生すると.その発生位置を採り,フレ
レアを Wi象する汎用の望遠鏡です。ミラーの性能
アの激しい変動を追跡すべ<.
は 1970年代に活践したスカイラプに積み込まれた
速さでフレアの起こった領域だけを切り出して占駐
太陽 X 線望遼鋭をはるかに凌ぎ,空間分解能約 3
車三します。またフレアの明るさは数分間のあいだ
秒角(太陽而上て咋(j2000km に相当)を達成し,
に何桁も変わりますが,
さ
2 紗に 1 枚という
コンビュータが球出時間
らに鋭的l が精密に加工されているため,コントラ
を自動的に段通化しています。 F ょうこう」の軟 X
ストの高い画像を得ることができます。 cco カメ
線望遠鏡は,これまでに数百例のフレアの鮮明な
ラの前面に Lt ,数種の金属フィノレターを備えたフ
画像を含む,約 100 万枚にものぼる画像を地上に
ィノレターホイーノレがあって, 100711:瓦から数千万!止
送ってきています。(常国佐久)
までのいろいろな弘J交のプラズマからの X 線放射
cco 刀メラ
を選択して鋭測できます。
フィルヲー
ホイール
勺 cco
フィルヲ
ホイール
司視光
第一双閲薗
レンズ
車~X 線望遠鏡 (SXT) の原理図
較 X 線週遺鏡の分解図
-7
ヲ
戸センブリ
ウ
マ
邸
後
X 鰻ミラ
ツヲ
ヤ一ト
シモン
入射側
フィルヲ
太陽コロナのダイナミクス
「ょうこう」の軟 X 線~遠鏡( SXT) は.
頻発する大規模コロナ情造の変化
CCD を
検tH
?,ii としておリ.デジタノレ凶if象が連続 (I(j に取得
伺を l砕かな領域(活動域の外部)のコロナに転
できるようになりました。これをビデオに制集 L.
ずると,ここでも従米恕像されていたよりずっと
繰り ill し観察することで.これまで比つけられ辛
ダイナミ y クな現象が起こっています。まず活動
かった多くの現象が発比されつつあります。
肢から総れた厳かなダ
では.その代表例を初介してみましょう。
にときどき起こる変化がその上空に大きな X 線で
活動媛コロナの連続的膨張
光るアーケード( 1レープのタI]) を作り出します。
軟 X 斜i で明るく鎌< i丙動域のコロナは
r ょうこ
また
タフィラメント(附粂)
i首動威内の小さい変化が周辺の弱い儀場の
う J が観測を始める Iii) には,主点の磁場でしっか
コロナに大きな変化を引き起こし,これが伝わっ
り同定され.ジワジワと 1m 熱されている濃いプラ
て X 線アーケードの形成を引き起こす f§IJ も見られ
ズ <'foii城であると巧えられてきました。しかし.
るなど.静かな領域のコロナは.いつも大きく変
SXT で悌られたビデオを観祭しますと,出動域コ
化しています。活動 I或コロナと怖かな領域のコロ
ロナはときどき熱いプラズマ気体がその小に注入
ナの治重rlJはおIiいに関連し.太陽を包む一つの大
される高温の般会\1 レープの鮮のよ 7 に見えます。
きなシステムを形成しているのです。
また.この領域はしっかり liil 定されじっとしてい
剛体回転するコロナホールの謎
るわけではなく,毎秒数 km から数十同という低迷
太陽は.赤道付近で速し緯度が高くなるにつ
I~ で.ゆっくり外に ri'J IJもって連続的に膨娠してい
れて i堕くなるという妙な白転をしています。これ
るという窓外なことが分かりました。
は.太陽が地球のような固体(同IJ 体)ではないの
ii(j 動成コロナは'時;伎が高いので,太陽からの物
質の政山品としては意外に高い ;t司令を山め司
もし.
で可能なのです。ところが.コロナホールと呼ば
れるコロナが極めて希薄で暗い領妓 l ;t .ひとり剛
これらが惑星 JB1~ 川までけ l てきているなら.太陽
体のように回転をしています。この現象は.太陽
!瓜の成分として無視できない;則合を ~i めます。こ
内部の l滋気活動が関係していると考えられます。
の様な般会t 加速による成分はこれまでの太陽風現
品では f 恕されていなかったものです。
「ょうこう」の i皇統図像を朋いて.今その(,1['先が
本絡化しようとしています。(内岡
-8-
山)
軟×線で見たジェット現象
が
本
当
に
物
質
の
噴
出
現
象
で
あ
る
と
い
う
直
按
的
な
証
拠
は
ま
だ
あ
り
ま
せ
ん
。
こ
の
点
は
ク
ェ
サ
ー
や
~
r
L
波
銀
河
か
ら
噴
出
し
て
い
る
ジ
ェ
0
8
:
1
2
:
1
2
1I ・ 28:20
y 卜
と
同
じ
で
す
。
し
か
し
,
様
々
な
状
況
証
拠
か
ら
.
1
1:
3
0
:
2
8
少
な
く
と
も
ク
ェ
ー
サ
ー
の
ジ
ェ
y ト
よ
り
は
本
当
の
ジ
ェ
12-Nov-91
y 卜ら
し
く
,
物
質
が
噴
出
し
て
い
る
よ
HALFI
OOx1
00
うです。
き
て
,
で
は
な
せ
'
こ
の
よ
う
な
「
ジ
ェ
ッ
ト
」
が
発
生
し
た
の
で
11
:3
6
:
5
2
1
3
:
1
5
:
2
2
し
ょ
う
か
?
「ょうこう J SXTI~ の連続写真を比ると,コロ
ト
の
足
元
に
あ
り
ま
す
。
足
元
の
惰
円
状
に
見
え
る
領
域
ナはいたるところで激しく変動しているのがわか
は
実
は
小
さ
な
活
動
領
域
に
対
応
し
て
お
り
.
ち
ょ
う
ど
ります。なかでもひときわ目をひくのが
r ジェ y
ジ
ェ
ッ
卜
が
噴
出
し
た
時
に
そ
こ
て
ヮ
ト
さ
な
フ
レ
ア
が
発
卜」現象です。「ジェ y 卜」とは紺l 長〈絞られた高
生
し
て
い
た
の
で
す
。
さ
ら
に
ジ
ェ
ッ
ト
が
消
滅
し
た
後
速のガス流のことを言います。被近十数年の間に
の
足 7じ
の
活
動
領
域
を
よ
く
見
る
と
,
穴
が
あ
い
た
よ
う
クェーサーからハレー持昼にいたるまで,宇宙の
に
見
え
る
で
は
あ
り
ま
せ
ん
か
/
あらゆるところで不思議な「ジェット」が絞々と
と
き
に
強
気
リ
コ
ネ
ク
シ
ョ
ン
(
磁
力
線
の
つ
な
ぎ
か
え
)
発見されたことはまだ記憶に新しいところですが,
が
起
こ
っ
て
磁
力
線
の
ト
ポ
ロ
ジ
ー
が
変
わ
り
,
見
か
け
「ょうこう J はこの「宇宙ジェ y トの発見の時代J
上
の
穴
(
プ
ラ
ズ
に新たな 1 ページを加えました。
で
す
。
ジ
ェ
ど
う
や
ら
フ
レ
ア
の
7の
希
薄
な
と
こ
ろ
)
が
で
き
た
よ
う
y ト
は
そ
の
と
き
に
解
放
さ
れ
た
エ
ネ
ル
ギ
ー
で
加
速
さ
れ
,
磁
力
料
上図をご覧下さい。これは太陽全 l剖の SXT 像の
lに
沿
っ
て
噴
出
し
た
の
で
は
な
一部 (36万 kmX36 万 km) を切り出して,時間の IIIR
い
か
,
と
い
う
仮
説
が
生
ま
れ
ま
し
た
。
も
ち
ろ
ん
,
こ
に並べたものです。通常の写真と i選って反転(ネ
れ
を
確
か
な
説
に
す
る
に
は
ま
だ
ま
だ
多
く
の
研
究
が
必
ガ)になっていますのでご注意下さい。つまり時
要
で
す
。
こ
こ
で
説
明
し
た
よ
う
な
大
規
模
な
ジ
ェ
ッ
ト
は
「
ょ
〈見えるところは実際には X 線で明るく光ってい
るところです。左上の図が 1991 年 II 月 12 日の 8 時
う
こ
う
12分 12紗(世界標準時) .真中上の図が II 時 28分 20
以
上
発
生
し
,
ジ
ェ
ッ
ト
の
総
数
は
す
で
に
秒.右 1-. の図が II 時 30分 28秒.等々.
となってい
え
て
い
ま
す
。
上
で
述
べ
た
仮
説
は
巣
た
し
て
ど
の
く
ら
ます。
8 時 12分には何も見えなかった図の中央付
い
普
遍
的
な
の
か
,
宇
宙
・
に
見
ら
れ
る
他
の
ジ
ェ
ッ
ト
現
近に.
11 時 28分になると突然細長い aty ぃ筋模織が
象
と
共
通
点
は
あ
る
の
か
,
フ
レ
ア
や
コ
ロ
ナ
加
熱
機
構
出現しています。これが「ジェット」です。長さ
はおよそ 20 T! km.
見かけの速度は秒速 100 k
m以上.
運
動
エ
ネ
ル
ギ
ー
は
1027 erg 程
度
と
推
算
さ
れ
ま
し
た
。
r
ジ
ェ
y
ト
」
は
J 打
ち
上
げ
以
後
I ヵ
月
に
少
な
く
と
も
10 例
100
WI] を
越
と
ど
の
よ
う
な
関
係
が
あ
る
の
か
.
な
ど
な
ど
.
謎
は
っ
き
ま
せ
ん
。
今
後
の
研
究
の
進
展
が
た
い
へ
ん
楽
し
み
で
す
。
13 時 08 分
に
な
る
と
完
全
に
消
滅
し
て
(
柴
田
一
成
)
い
ま
す
。
ビ
デ
オ
に
し
て
見
る
と
ダ
イ
ナ
ミ
ッ
ク
な
噴
出
の
様
子
が
よ
く
見
え
て
非
そ
の
鍵
は
ジ
ェ
ッ
711 ,
に
印
象
深
い
の
で
す
が
,
こ
の
現
象
9
ピカピカ輝く無数の小爆発現象
ん。むしろ .1,I};lJ. の周辺部分でやや強い他場のある
領域が明るく絢i いているのです。
軟 X 紛l 望遠 Ut は太陽 1m 上の約 1800k" の大きさの
物体を比分ける能力を持ち,活!friJf;(i肢を約 30 紗に
l 枚の '11fl11干で述絞峨首長しています。このすばらし
い能力によって.活動領肢の小さなループカ九、た
るところで頻繁に.数分から十数分のが命で突然
i切るくま軍〈現象が発見されました。爆発の規模は
先立も小さいフレア(太陽 l削爆発)よりもさらに l
桁から数桁小さい現象です。詳しく訓べると.阪
数のノレープが交差したりまとわりつくような形態
をとる場合が多いことが分かりました。これは Y4
なるループが接近することによリ何らかの相11:作
用によって 6草場のエネルギ
が解政さ I しループ
内のプラズ 7 が加熱されることが.活!fI})f,(jJまの中
l.~~}.~ 鮮の近辺,すなわち治動領域の|二 2去のコロ
でいつも起きていることを示しています。
では.
ナの隊 f を軟 X 線宅述鋭で詳しく凡てみましょう。
軟 X 線で}よると活動訂iJ戒は.制I' 、ひも状の構造
もしこのように小さな爆発説象が森の '1-'
の一本一本の木のようにたくさん起こっていると
の集まリから成り立っていることがわかります。
したらどうなるのでしょう?一つの爆発による加
このひも状の情遣は「磁気ループ J (磁力符)と呼
熱エネルギーは小さいけれども.その集合(森)に
ばれ.太陽 1(11 から H~ てきた磁))線の形をよしてい
よる加熱エネルギーは膨大なものになる可能刊ーが
ます。舷場の 1~1 '"、活動微減て'は.加熱されたプラ
あります。今までは,太陽の内部で発やした音波
ズ 7 が磁力線に閉じ込められているために軟 X 線
や 6草場の波(アルフベン波)によって活動領域の
で特に強〈制〈ループとして観測されているので
コロナカサJfI非具されると 4・えられてきましたカペ
す。おもしろいことに.
JI",'j'; に ~~t l"、他場を持つ .1:1A
爆発 #t 象の集合による前J1i1) 領域コロナの加熱とい
/,i~ の点上のコロナは軟 X 線では全〈光っていませ
7 新しい巧ーえが「ょうこう」の観測でやまれまし
4、
た。今後のぶしい解析結米;
が楽しみです。
(治水敏文)
上図較 X 線留選鏡の写
した活劃領減広大画像。
左図活動領繊の短い時
間の変化。
-10-
軟 X 線で捉えた磁力線つなぎかえの現場
るのに段通です。/レ一プの頂上付近で X 線が明る
く槻いていますが,まさにここが磁場のエネルギ
ーが解放された現場と考えられます。
ループ内の尚沿ガえの I仏!主は,外相IJ に行くほど
向くなっています。磁気 'I" 性線|ーで爆発的な舷力
似のつなぎかえが起こってエネルギーが解脱され.
ガスが高山に加熱されるのですが,この観測は磁
力紛l のつなぎかえが起きて聞もない附 jll l\ll では温
度が応仁つなぎかえから切り放されてから H寺聞
の絞った内部では let に冷却が始まっていることを
示しています。
111一年 2 月 21 n.
この画像は,磁力線のつなぎかえによってエネ
太陽の東の tまで発生したフレア
の軟 X 線画像をお見せしましょう。この凶if撃は.
ルギーが解放されていく過位の存在をほぼ問 i主い
太陽光球に ~n を出した N 極と 5 極の!日1 を結ぶ巨大
なくぶした紘初の観測l 例て二「ょうこう」の{量れた
な磁力線のループが地球からその'Rを見るのに適
性能を示すもっとも良い WI)の一つです。
した方向にそそり立っていて.フレアの t構造を知
(常問佐久)
プロミネンスの爆発的上昇とコロナの物質放出
コロナの中に浮かんでいるプロミネンス(キ l 炎)
は 1
- 2 ヵ月ほど安定な姿を保っていたかと思う
の
は
初
め
て
で
あ
り
.
プ
ロ
ミ
ネ
ン
ス
上
外
の
!
点
肉
や
M
E
と.突然爆発 (I(J に上川を開始して見えなくなって
デ
ー
タ
と
な
る
で
し
ょ
う
。
(
しまいます。このプロミネンスの爆発的上対にと
もなってコロナの中を高速で{ムわって行〈球間l 波
状の締造が観測されますが,これはコロナの物質
波山 (CME) と l呼ばれる現象です。
2 - 3 1:Iiまに
は地球にその 1断然 t症がやってきて俄気 Iii.やオーロ
ラを発生させることもあります。
1992年 8 )~ 28 1:1に太陽の求縁で発生した,プロ
ミネンスの上川の軟 X 線写真では(制II かい椛泣を
凡るためネガ写!~~にしています) .プロミネンスそ
のものは低い沿皮であるため写っていませんが.
プロミネンスを取リ閉む磁力紙l を示す.~妙によ
じれた線が{OJ本もち:っています。そしてその外側
には.望遠鋭の視野の限界を越えて膨娠しつつあ
る.半球状の CME が見事に織影されています。太
陽の縁に近いところに見られる明るい部分は,プ
ロミネンスの上舛 lニf'I乞って発生したフレアで,
,
J J. u
n~ 1m
la
に ri'J か
つ
て
飛
ん
で
行
〈
プ
ロ
ミ
ネ
ン
え
の
下
1開
で
磁
場
エ
ネ
ノ
レ
ギ
ー
の
解
放
が
起
き
て
い
る
こ
と
を
示
し
て
い
ま
す
。
プ
ロ
ミ
ネ
ン
ス
の
爆
発
的
上
告
う X線
コ
ロ
ナ
の
桃
1 に
と
も
な
i立
が
こ
れ
だ
け
細
か
く
織
;
必
さ
れ
た
I
I
が
形
成
さ
れ
る
プ
ロ
セ
ス
を
解
明
す
る
ー
C
1- て.~ i' t 軍
な
il 主 jl
免
)
硬 X 線で見た太陽フレア
硬 X 線の二つのエネルギー帯で見定フレ?の硬 X 線画像
の変化。左ガスパイクの明るい時間帯,石ガ暗い時間停
の画像(画像の一辺は 3 万畑〉。
ます(左図の白線が N 極と S 極の境 FI )。これは,
1iJl! X 線が二つの場所を結ぶ磁気ループの椴元から
強〈出ていることを不しています。
二つ目玉の硬 X 線の明るさの変化を詳しく調べ
ると,ニつ目玉それぞれの明るさが0.1 秒以内の精
度で同時に変化していることがわかりました。こ
れは,硬 X 線を出しているのは光速近くまで加速
された電子であることを示しています。
一方司硬 X 線がl情くなったスノマイクの谷間では.
「ょうこう」に搭載された硬 X 線望遠鏡 (HXT)
硬 X 線像は 33keV 以上の高いエネルギーで二つ目
は,エネノレギーの高い X 線(硬 X 線)で太陽フレ
二五なのに対して.
アの姿を槻像します。太陽の表而にはいたるとこ
X 線ではその真ん中付近で一つ目玉となっていま
ろ N 犠と S 極の「織イ I J がMj を出しており,この
す。このことは.電子の加速は磁気ループの関上
両極をつなぐ他力総(般気ノレープ)がコロナ中で
付近で起こっており .m子の加速の弱まったスパ
t準々に相 17工作用することで,フレアは起こります。
イクの谷|甘l では低エネルギーの電子がループの頂
硬 X 線は,
上 iii くで捕捉されていて,エネノレギーの低い(rl!' X
フレアが生み出した高エネノレギーの電
f が太陽の大気に衝突することで出ていると考え
23-33keV の低いエネノレギ
線を出し続けているため,
の
と考えられます。
このように碩 X 線像変化を詳しく調べることは
られています。従って硬 X 線の観測からは,電子
が磁気ループのどこで.どのように加速されるか.
「ょうこう」で初めて可能になったことで,電子
さらに破 X 線がどのようにして放射されるか.を
の加速機構はもちろん,フレアの J在日E過程の解明
知る手がかりが得られます。
に大きな威力を発揮しています。(坂尾太郎)
ここでは 1991 年 II 月 15 日に起こったフレアをj;'1j
15001
として,硬 X 線でフレアがどのように見えるのか
1000 ト­
紹介しましょう。
500 卜ー
右図はこのフレアの X 線の明るさの時間変化で
OL
ドご1
it一人J42K1
す。 22.7keV (キロ電子ボルト)以上の高いエネ
ルギーの X 線は I切るさが約 1 分間の短い時間に 3
回司スパイク状の変化をしていることがわかりま
す。このような激しい変化を示す時間帯はフレア
1Jし 32.7引""~
の「インパルシプ相 J と呼ばれ,電チの加速が特
に強〈起こっています。このスパイクのもっとも
明るい時間帯とスノマイ 7 の谷間l の時間管の破!X 線
::jL
画像を上図に示しました。これを見るとスパイク
の頂上では硬 X 線像は二つ目玉とそれをつなぐノレ
ープ状の形が見えます。二つ目玉の明るいところ
22:34
は,他の観測から丁度 N 極と S 極「磁石 J が顔を
出しているところに対応している事が分かってい
1991~ 王11 月 15 日
の
フ
レ
戸
の
明
る
さ
の
変
化
…1
。 , @
二つ目玉の硬 X 線源と彩層の蒸発
"
'
"
A
2ど 7
間
相A m 挺g
V G
A
1991 年 12月 16日
。
:
1
2
γ
k
e
V
X 婦の波長
1991 年12月 16日のフレヨコの X 線の明るさの変化
太
陽
フ
レ
ア
が
起
こ
る
と
コ
ロ
ナ
の
健
気
ル
ー
プ
の
中
で
加
速
さ
れ
た
屯
子
が
彩
層
に
突
入
し
万!主)高い'It.'
(左上)と硬 X 線画像の変化,カルシウムイオ
, iM./: 主
が
低
<
(
1
ンの特性 X 織のスペクトル変化(右下〉。
I.主
の
彩
層
の
ガ
ス
を
急
激
に
加
熱
し
ま
す
。
加
熱
さ
れ
た
ガ
ス
は
彩
層
か
ら
蒸
発
し
再
び
舷
気
ル
ー
プ
を
上
昇
し
.
般
会
正
ル
ー
プ
を
高
温
(2000
万
度
以
ト
)
から蒸発し非常な速さで飛び出してくる何よりの
高
官
度
の
ガ
ス
で
満
た
し
ま
す
。
こ
の
よ
う
な
「
彩
層
の
証拠です。その速さは .
ぷ
発
」
モ
デ
ル
が
「
ょ
う
こ
う
」
の
観
測
に
よ
っ
て
証
明
ブラ y ク分光 mf によって.太陽大気のダイナミソ
さ
れ
た
の
で
す
。
クな高品ガスの動きを見事に捕らえることが出米
こ
こ
で
は
1991
年 12 月 16 自
の
フ
レ
ア
に
つ
い
て
紹
介
し
ま
し
ょ
う
。
こ
れ
は
li j!i X 線
で
見
る
と
約
たのです。
30 秒
し
か
続
プラ y グ分光骨量の性能は.太陽大気のダイナミ
か
な
い
ス
ノ
マ
イ
ク
状
の
明
る
さ
の
変
化
を
示
す
フ
レ
ア
で
し
た
が
.
そ
の
放
射
y クな首1) きばかりではなく高品tl ガスの性質を調べ
1燥
の
精
進
は
見
に
な
っ
て
い
ま
す
。
こ
の
i
i
J
!
i
るのにも有効な働きをします。高温ガスのイオン
'rq こ
「
二
つ
目
玉
」
X線
て
'
観
測
さ
れ
る
「
二
つ
目
玉
」
は
磁
気
ル
ー
プ
で
加
速
さ
れ
た
からは.係々な波長の特性 X 線が光るのですが.
特定の波長の特性 X 線の明るさの比から.その尚
~tt 子
が
彩
層
に
飛
び
込
ん
で
い
る
こ
と
を
示
し
て
い
ま
す
。
t品ガスの r且!立を見柑t もってやることが出米ます。
ブラッグ分光器で欽イオンの特性 X 線を詳しく鋭
こ
の
時
の
様
子
を
ブ
ラ
ッ
グ
分
光
器
で
凡
て
み
ま
し
ょ
う
。
硬
特
性
X線
が
明
る
い
時
間
帯
の
カ
Jレ
ン
ウ
ム
イ
オ
ン
の
担II してやると
(
汀
<
)
な
っ
て
い
る
約 4000 万度の「組問温ガス」が存在していること
こ
と
が
分
か
り
ま
す
。
こ
れ
は
.
カ
ノ
レ
ン
ウ
ム
イ
オ
ン
の
カf 明らかになりました。
フレアに 1半う「彩層の j再発 J 現象によって大泣
X線
を
出
し
て
い
る
高
温
ガ
ス
が
太
陽
の
外
側
に
(
我
々
に
向
か
つ
て
)
高
速
で
吹
き
出
し
て
い
る
た
め
.
j栄
の
た
め
波
長
が
です。このことは,
r 彩府の iN.発 J によって大誌にでき
る 2000 万度の高弘ガスのほかにもっと沿!止の高い
X線
を
見
ま
す
と
,
通
常
の
カ
ル
ン
ウ
ム
イ
オ
ン
の
特
性 X線
に
比
べ
.
波
長
が
短
<
ラ
一
刻
11j.·秒 1000km にも達します。
ド y プ
~j
<(苛<
に作り出される 2000 万度の高温ガスの他に存庇す
る「超高温ガス」がどのように作り出されるのか,
)なっているの
iiJ!i X 線を発生する加速された
これは今のところ謎なのです。
電子が彩層に突入し加熱された高温ガスが彩層
(i皮漫鉄占X ,印凶美符)
句。
×線~ガンマ線で調べる太陽の粒子加速
「粒子が,いつ,どこで,そしてどのようにし
て加速されるのか? J
よ
っ
て
お
こ
る
も
の
と
考
え
ら
れ
,
こ
の
フ
レ
ア
で
は
'
a
i
とし寸問題は,フレア現象
fが
陽
子
よ
り
も
先
行
し
て
加
速
さ
れ
て
い
る
よ
う
で
す
。
i
l
l(-は
を解明する上で重要な研究テー?ですが,粒子 1m
X線
,
ラ
イ
ン
ガ
ン
?
線
の
詳
し
い
速が起きているフレアの現場へ行って.そのあり
1MeV( メガ電子ボルト) ,陽子は 10MeV 以トーまで
さまをじかに見ることができません。そこで,加
加速され,太陽表而で激しい制動政射や!原子校反
速された粒子が衝突でつくり出す X 線やガン 7 線
応を起こしていることが分かっています。
の発生のようすをくわしく観測し,この謎に満ち
た純子力IIi車の問題を解明していくことになります。
高エネルギーに加速された電 j乙は.太陽表面に
ある粒チと衝突して急プレ
キ(制動)がかかり.
この時 X 線が政射されます。これは伽l動放射とよ
ilil 定
か
ら
.
しかし,全てのフレアで同じ微な現象が起こる
とは限らず,他のフレアでは電子 だけが刻J半良〈
加速され司陽子はあまり加速されていない例など
も観測されており,フレアによって多極多隊な現
象が起きているようです。
ばれます。一方,~エネノレギーの陽子や重い原子
他のフレアでは,原子絞反応、によってつくられ
伎は.太陽大気中にあるさまざまな粒子と激しく
た屯チの反物質である陽電子(プラスの屯術をも
衝突しガン 7 線や中性子などをつくり出します。
った電チ)がつくられた証拠が得ています。この
ガン 7 線は,衝突に附与した原子伎の経1Ji により.
陽屯子は'lIt子と合体すると,忍者顔負けの早技で
ある決まった一定のエネノレギー他をとるため,
瞬時に消滅し,
ラ
21闘の 5UkeV (キロ 'i lL子ボルト)
インガン 7 線とよばれています。これらがフレア
のガン 7 線光チに化けてしまいます。右図には 511
の粒 f 川1i車の謎を解〈鍵となるのです。
keY のエネルギーにわずかなピークが見られます
1:i. 凶は司
1991 年 10 月 27 日に発生したフレアで広
が.これは陽屯子消滅によってつくられたものと
慌減分光器がとらえた硬 X 線とガン 7 線の明るさ
考えられます。このラインガンマ線は. ILl] 動放射
の時間変化を示しました。硬 X 線は 1m 速された m:
や他のラインガン 7 線にくらべると.長い時間に
子の制JliIJ hJ< 身、I て'生じ,ガン 7 線は陽子の起こす原
わたって放射されつづけるとし寸特徴があり,そ
F紋反応、から作り出されます。両者の明るさの時
の時間変化から陽電チがどこでつくられ.またど
間l 変化の i畠いは.屯子と陽子の加速過程の i主いに
こて1自滅したかという手がかりが得られます。こ
のフレアの例では陽電子が太陽表面のごく近くの
5000
相A
剛容
G髭 k g
彩層中で消滅したことを示唆しています。
4皿ト 7∞ keV
4000
広骨干減分光器の観iMll 結果から,一口にフレアと
いっても多純多機なタイプがあり,フレアによっ
て X 線やガンマ線の発生のようすが.かなり異な
・a
100
12 ・
E
~
<
{
l
軍
艦
"
p
入
'
R 20~
。
〉笠\緩あ G 時到来
4-7MeV
抑
制
0
0
1
変幻
崎
間
(
砂
)
フ
レ
戸
の
硬
3
.
7
3
白
・・
V
4・・
k
1
"
2・
1
5
ュ
•
l
ることがわかります。(吉森正人)
1 ・・・
X織
と
ガ
ン
マ
線
の
明
る
さ
の
変
化
の
例
4皿
5
0
0
光
子
の
エ
ネ
ル
ギ
ー
(
キ
ロ
電
子
ボ
ル
ト
)
フ
レ
戸
で
見
ら
れ
た
陽
電
子
消
滅
の
鉦
処
-14-
6
0
0
7由
度
~
!xx)世~
「ょうこう」 打ち上げ後の太陽活動の推移
グラフ中の矢印に対応した較 X 線画像.コロナ全
俸が次第に暗く怠っていることガ分かります.
良〈知られているように,太陽活動にはJl年の
周期があり.太陽の活動性の指標となる黒点の数
より極度の高い成分が出来ると,敏感に硫黄の
などがこの周期で精減します。今回の太陽活動の
特性 X 線の明るさが地すのです。この観測の結
1
9
極大 J切のピークは.予想より 1 年以上も早<,
来,活動の激しい時期には,コロナを加熱する
89 年 12 月
で
あ
っ
た
と
言
わ
れ
て
い
ま
す
。
「
ょ
う
こ
う
」
通常の機構とは異なる特殊な加熱機構が存在す
は
,
太
陽
活
動
の
紙
大
るらしいこと,もっと詳細に眺めると,
lUl を
少
し
過
ぎ
た
頃
に
打
ち
上
げ
ら
れ
た
の
で
の規模を小さくしたような 7 イクロフレアとで
rょ
う
こ
う
」
で
観
測
し
て
い
る
の
は
だ
ん
だ
ん
元
気
の
な
く
な
っ
て
い
く
太
陽
と
い
っ
て
よ
い
で
し
軟
も言えるような現象がより高 1且のガスを作り出
そ
の
様
子
を
見
て
み
ま
し
ょ
う
。
よ
ヲ
。
していることが分かりました。
「
ょ
う
こ
う
」
衛
星
の
よ
う
に
長
期
間
に
わ
た
っ
て
太
X線
太
陽
像
で
は
,
こ
の
ペ
ー
ジ
の
上
図
に
ま
と
め
た
よ
う
に
活
動
領
域
の
数
の
減
少
が
顕
著
で
す
。
ま
た
,
陽
コ
ロ
ナ
の
全
体
像
を
そ
れ
と
と
も
に
活
動
領
域
の
サ
イ
ズ
が
小
さ
く
な
っ
て
れ
ま
で
に
あ
り
ま
せ
ん
。
こ
れ
か
ら
ど
の
よ
う
に
コ
ロ
ナ
い
く
こ
と
も
注
目
さ
れ
ま
す
。
が
変
化
し
て
い
く
の
か
,
「
ょ
う
こ
う
」
の
今
後
の
観
測
結
・
太
陽
全
体
の
フレア
X線
で
観
測
し
た
と
い
う
例
は
こ
果
が
本
当
に
楽
し
み
で
す
。
(
原
X線
の
明
る
さ
を
黒
点
相
対
数
(
黒
点
の
弘
久
,
渡
i量
鉄
哉
)
活
動
,
数
を
示
す
指
数
)
と
比
べ
て
み
1
0
キ
ま
し
た
。
両
者
の
短
い
時
閉
め
変
化
が
似
通
っ
て
い
る
こ
と
が
分
か
る
で
し
ょ
仰
う
。
こ
れ
は
異
な
る
磁
極
を
持
つ
黒
点
意d
心
聞
を
磁
力
線
が
結
ん
で
い
る
こ
と
,
そ
の
磁
力
線
の
ま
わ
り
の
プ
ラ
ズ
陽
表
面
か
ら
数
千
ナ
域
で
は
7が
太
km 以
上
上
空
の
コ
ロ
e
媛
五z
'
i
'
i佳
'00
I
I
I
盤
~
B
C
S
)
で
観
測
し
た
1
0
キ
硫
黄
の
ス
ペ
ク
ト
ル
を
,
三
つ
の
時
期
300
200
で
比
較
し
て
み
ま
し
た
。
通
常
,
万
度
な
の
で
す
が
,
E証
'000
411 山
て
い
ま
す
。
ア
の
無
い
と
き
の
コ
ロ
ナ
は
x
t量 J
X線
で
輝
く
こ
と
と
関
係
し
・
軟 X線
分
光
器
(
州
~
そ
こ
に
少
し
で
も
'
0
500
60 。
7
0 。
1991 年 1 月 1 日からの白叡
フ
レ
200-400
400
較X線
望
遠
鏡
で
得
ら
れ
た
太
陽
全
体
の
る
さ
の
変
化
.
点
線
X 線 (O.3-4keV)
let 比較のため黒点相対豊置を示した。
の
明
phd
l
「ょうこう」と電波ヘリオグラフ
で,
;tL い太陽像は「ょうこう」
の軟 X 線望遠鏡による X 線開像
のネガ表示です。太陽の外!日IJ に
上 M して行〈プロミネンスは 100
万皮のコロナに浮かぶ I }Y!主の
i氏 1品のガスで,磁j~j に止;えられ
ています。プロミネンスは it自治
数ヵ月にわたって安定に1-1- .(1: し
ていますが.怖に突発的に上昇
•
し,分裂します。このプロミネ
ンスの爆発的な t 舛の J~( !fi!J 力が
•
何なのか良〈分かっていません。
しかし.づ状になって上列ーする
プロミネンスはその下方の磁力
総を引き延ばし,最終的には In
き延ばされた磁力総を引きちぎ
ってしまいます。ち ~-tl た磁力
線は再結令をしてエネノレギーを
解放していることが軟 X 線像に
「ょうこう」の打ち卜げに半年ほど巡れて.凶
.~.\ <小さいループが南北方向(図では上下 }J I
I
'
J
)
立天文台野辺山太陽電波観測所て'は電波へリオグ
に
ー If'. ん
で
形
成
さ
れ
て
い
る
こ
と
か
ら
わ
か
り
ま
す
。
こ
ラフが 1992年 3H に完成し,
れ
ら
の
小
さ
な
ル
ー
プ
の
列
を
ア
ー
ケ
ー
ド
と
呼
び
ま
す
。
6 月末から定常観測
ア
ー
ケ
ー
ド
の
温
度
は
数
を始めました。
1
0
0
これは口径約 BOcm のノ、ラポラアンテナ B4 台を逆
て
い
る
よ
う
で
す
。
ア
ー
ケ
ー
ド
の
ル
ー
プ
は
内
結
合
さ
T 字引に来凶 490m ,南北 220m の長さに並べた屯
れ
た
磁
場
の
形
(
総
力
線
)
を
表
し
て
い
ま
す
。
そ
の
両
波 1二渉言|です。観 inll 周波数は 17G Hz (波長
I.Bcm)
fI lj に
は
.
京
高
日
大
学
飛
腕
天
文
台
て.~.
司時間
ア
で
良
〈
知
~I H- l 分解能
10 秒角(太陽表部で
7000km)
黒点の磁場に巻きイれ、て,屯放を放射しますが.
が
従
陥
し
て
い
る
モ
テ
ソ
レ
と
極
め
て
良
〈
似
て
い
ま
す
。
年I
I
H
2
出すことができます。アンテナ数が多いことと,
間
!
に
観
測
さ
れ
ま
し
た
。
電
波
へ
リ
オ
グ
ラ
フ
で
は
凶
側
各アンテナの位f1
の
紋
か
ら
見
え
隠
れ
す
る
電
波
像
を
得
ま
し
た
。
J
娠中品を精度良〈求めることが
出来るアンテナ配列等が自己
lt されたため.極めて
'l'tの良い電波画像を得ています。また,
て'の高温プラズ
こ
う
I 万度ま
線
望
遠
鏡
で
も
数
多
く
の
画
像
が
得
ら
れ
た
そ
う
で
す
。
グラフの見事な述燐プレーの具体例を初介します。
詳
し
い
位
;
佐
合
わ
せ
等
の
打
ち
合
せ
が
硬
JIll 熱現象です。
rょ
う
I を
と
ん
で
い
ま
し
た
。
し
か
X
X線
グ
ル
ー
プ
と
も
始
め
ら
れ
て
い
ま
す
。
こ
れ
も
結
果
が
楽
し
み
で
す
。
1992 年 7 月 31 日に発生したプロミネンス
の上刻とアーケードの
H本
の
昼
し
司
ピ
ー
ク
過
ぎ
の
時
間
帯
か
ら
は
観
測
が
あ
り
,
硬
ができます。ここでは「ょうこう」と屯波へリオ
図は,
日
に
は
設
大
級
の
フ
レ
ア
が
J は
残
念
な
が
ら
,
フ
レ
ア
の
立
上
り
か
ら
ピ
ー
ク
ま
で
の
期
間
は
地
球
の
夜
間
7 が放射する電波も観測すること
lこ
,
フ
レ
lら
れ
て
い
る
こ
つ
の
リ
ボ
ン
が
見
ら
れ
ま
す
。
こ
こ
に
説
明
し
た
現
象
は
こ
れ
ま
で
い
く
人
か
の
研
究
お
1992
I~ ま
で
加
熱
さ
れ
H
α 料l の
画
像
分解能 50 ミリ紗です。フレアで加速された'it£(は
この装;置では時々刻々電波による太陽画像を情き
万
皮
科
(
綴
目
信
三
)
太陽の外相Ij
のプロミネンスは電波へリオグラフによる従波像
c
o
電波から X 線ヘ
小田稔
1947年頃だったと思う。戦後の物も金もない時
中心とする SOLAR-A で実現した。これには色々
代に.高倉 j主雄さんと一緒に阪大の屋ー卜にあった
府余 1]11 折があった。 NASA のテー 7 決定の h 式と
小さな小原にたぶん世界被小の屯波天文台を開設
ISAS のやり
した。初めての-!j~で色々苦労した。ある時,メー
何とか肉万が一比寸前足出米るやり h を工夫した。
タ
これを私は"玉虫色の合意"と II千んだ。凡打によ
が振り切れて.故障かと大騒ぎをしたがこれ
)j とではうまくかみ合わないのだが,
は.たぶん H 本ではじめて観測された太陽の大き
って背くも亦くも見える介意の方式というわけで
な爆発だった。
ある。
その頃小I昆さん達と.今でいう電波 T 渉 E汁のア
その頃堂谷さんが書いた余りに巧妙な ~Iij 像作成
イデアを思いついたが.偽かな予算の工 I{li がつか
の 11事一l 論文を読んで,本当にそんなにうまくいく
ず.あきらめた。そんなギからいま計幽されてい
かなと思ったが司牧};,lj さん i圭の大変な技術と努 )J
る VSO ドを.店、としてはセンチメンタノレな!長↑百を
で依せるところまでこぎつけて. SOLAR-A は.
もって.かげながら見守っている。
8 月 30 日に打ち上げられて
ようこっ"となった。
それから 10年余リたった。 MIT て"ロソシ先生と
打ち上げの二目前.ンシリ一品のバレルモ天文台
共に 'j ・ Hi 物思の講座を開設する半になっていた在、
から屯話があって.まだ若い台長のピポ・ヴァイ
は生まれたての X 線大文?にとび込むギにむった。
アーナ教授が急死したと知らされた。ピポとは二
I'付‘ X 線の望遠鏡をつくる方法はないかと泌ても
人とも独身だった頃から.
さめても巧え続けていた。そんなある EI.
二 1- 1:1
私たち夫婦とピポ夫安とは税しく行き来するよう
ねずみの中からふと思いついたことを Ii小、て.ロ
になっていた。ピポは初めて太陽の X 線 1象を煽っ
ソシ先生はこれは日本のすたずれ(パンブースクリ
た人である。"ょうこう"の画像をはじめに見せた
ー:--)のコリメーターた'ね.とご機嫌だった。
37年来のやl き合いで,
かった人の一人である。
高合さんは.気球にすだれを ιl在せて X 線フレア
位置を決めようと思い立った。気球の飛んでいる
ピポのi-E を知らされた私は,背から税しかった
リカノレド・ジャコーニに屯訴をかけた。ところが.
数時間にフレアが起きるかどうかは.一予測l はする
リカルドはこっちも大変なんだと言って絶句して
が.目指けのようなものなのだが,連よくフレアが
いる。ほんの 2 - 311寺山II日l に忠、 f が*放で即死し
起きてくれた。まもなく太陽は怖かになったから.
たというのである。慰める言葉もなかった。二度
10年近くこれが X 線フレアの位置決定の唯一の観
あることが三度あるなら,今度は lltj ljl かと長iI'Jに
測になった。
なった。私はもはや隠居の身だが.打ち上げ当日
その 1(-' 後.
ミュンへンのある会議でーそのうち
は,内之浦にずうっと泡話をつないでいた。術矧
に M!X 線フレアが太陽 l自I をはいずリまわる様 f を
が"ょうこう"として大川践をすることになって.
見せてやる,
II何をなでおろしたことだった。
と見得を切ったことがある。准も本
気にしなかったが,ゴダードのフロストだけが.
111 年 6 月.パレノレモで天文 f; ttl] 立 200 周年記念
味方をしてくれた。それを実現したのが‘ひのと
とピポの迫悼を兼ねた会議が|持l かれた。内怯I~ さ
り"である。精密なすだれがつくられ,太陽表面
ん逮が大治総だった。 12 JI 中旬にノ、ワイのハワイ
やその tzE を竜のようにはし、まわる"lE X ~Jjl 7 レア
山で聞かれた国際千両・年をしめくくる会議の議長
の像が,高倉さんや小杉さん達によって作られた
をたのまれた。出かける前日に H 木氏文学会誌の
のである。後に.
円米セミナーで束京に来たフロ
ストと.渋谷の居桝屋で十児科をあげた。
‘ょうこう・特集が附いた。多数の議文が出てい
てそれに日米英の持者の名前が入りまじって見,t~
その可i.牧,:,~さん i主はフーリエ・トランスフォ
ーム・テレスコープという名材、て画像をつくるす
だと思ったので,回次をスライドにしてもってい
った。
だれ‘の設計を考えていた。これが小川原さんを
-17-
(元宇宙科'γ 研究所所長,おだ・みのる)
国際協力の仲間の声
「ょうこう J は米英両国との緊密な国際協力に
よって順調に|品l 発,製作.運用が行われ,現在ま
で多大な成果をおさめてきました。現庄も,多く
の梅外からの研究者が宇宙科学研究所で「ょうこ
う」衛星の運用.データ解析に従事し.園内研究
者と密接な関係を保っています。ここでは
r ょう
こう」計画当初から参加され.国際協力計画の指
導的な役割l をはたして下さった二人の研究者の声
をご紹介数します。
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「
ょ
う
こ
う
」
の
軟
リカの
X線
望
遠
鏡
(
は
,
ア
メ
4 つ
の
研
究
所
と
日
本
の
宇
宙
科
学
研
究
所
,
国
立
天
文
台
お
よ
ひ
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京
大
学
の
協
力
で
作
ら
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ま
し
た
。
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は
観
測
を
始
め
て
か
ら
近
い
数
の
太
陽
像
を
撮
っ
て
き
ま
し
た
。
陽
像
に
は
SXT)
2 種類あり.
ロ
ナ
の
全
体
像
で
,
約
100 万
枚
SXT で
撮
る
太
I つ
は
太
陽
と
そ
の
周
囲
の
コ
5 分
ご
と
に
数
秒
間
の
銭
光
で
徹
像
さ
れ
ま
す
。
こ
れ
ら
の
美
し
い
画
像
は
太
陽
の
自
転
の
機
子
と
.10 分
か
ら
数
日
の
時
間
ス
ケ
ー
ノ
レ
で
起
こ
る
コ
ロ
ナ
の
大
規
模
な
構
造
の
変
化
を
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ら
わ
に
し
て
く
れ
ま
す。これらの画像と同時に,
減
お
よ
び
フ
レ
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の
明
る
い
SXT は
太
陽
の
活
動
領
X線
像
を
2秒
ご
と
に
,
最
小 l ミ
リ
秒
、
の
露
光
時
間
で
雌
像
し
ま
す
。
こ
の
高
速
峨
像
し
た
太
陽
の
「
音
高
速
1\ 分
像 J は
太
陽
活
動
に
と
も
な
っ
た
高
温
の
現
象
を
我
々
に
見
せ
て
く
れ
ま
す
。
こ
れ
ら
の
現
象
に
は
,
多
く
の
「
ょ
う
こ
う
」
研
究
者
が
非
常
に
興
味
を
持
っ
て
い
ま
す
。
1
8
日米を問わず
は.
r ょうこう」に関わった全ての人
SXT の成功が国際的な科学協力のたまもので
あることを知っています。ひとつの国のみでは「ょ
うこう」ミンンヨンを遂行することはできません
でした。一緒に協力することで初めて,この素晴
らしい科学的成果を手にすることができたのです。
「ょうこう」による観測を継続しながら,いろい
ろな国.グループを含む「ょうこう」チ
ムメン
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解析と論文の執筆を協力しながら進めています。
...I.しカルヘーン
(マラード宇宙科学研究所)
太陽フレアが起こると,大量の高温ガス(プラ
ズ"7)が l 分ほどの短い聞に作り出されます。ブ
ラッグ分光器( BCS) は,イギリスのマラ
宙科学研究所,
ド宇
ラザフォード=アップノレトン研究所.
日本の国立天文台と宇宙科学研究所,そしてアメ
リカの E.O.ハノレパートセンターの協力で作られま
したが,この BCS は,
3 秒以内の時間分解能で良
質の高分解能 X 線スペクトルを得ることができ,
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温度や速度などのプラズ?の諸量を.フレアのエ
ネルギー解放の時間スケールより短い時間で得る
ように設計されています。
「ょうこう J の 1 年あまりの順調な運用を通じ
て.この装置は 200 倒以上のフレアのスペクトル
を得てきました。これらのデータは現在.イギリ
ス,
日本.そしてアメリカの科学者によって研究
されており,プラズ7 がどのようにして作り出さ
れ司フレアのエネルギーがどのようにして太陽の
大気中を運ばれるのかを明らかにしつつあります。
「ょうこう」計画の優れている点の l つは.世界
中の主要な太陽物理学者がひとつの千
力して 1動いていること.また
ム内で協
r ょうこう」による
素晴らしいデータだけでなく地上観測による可視
光.電波,およびその他のデータも総合して解析
を進めている点です。我々イギリスのグループは.
このもっとも効果的な国際協力に参加できたこと
をうれしく思い,また「ょうこう」の成功を ~I二常
に喜んでいます。(訳:坂尾太郎)
-19-
クによって進められている。
衛星計画に関与した人びとのうち,外国も含め
て宇宙研以外の研究者の比重が非常に大きいのも
この衛星の特徴のひとつである。従来宇宙研の衛
星は.宇宙研の内部に中伎のあるような研究分野
のものが主体であった。これは日本の初期の宇宙
科学が比較的限られた分野を中心に発展してきた
ことの必然的な結果であるとも言える。しかし.
宇宙科学の広範な進展により,いまでは宇宙研が
中伎となれる分野はもはや阪られており.宇宙 ~Jf
「ょうこう」は.
1981 年に現宇宙研の前身であ
が広〈各分野の要望を取りまとめるためにどのよ
る東京大学宇宙航空研究所が最後に打ち上げた
うに対応するべきかが問われている。その意味で
「ひのとり」衛星につぐ我が国 2 番目の太陽観測
前回の「ひのとり J についで今回の「ょうこう」
衛星である。月日の経つのははやいものでその問
も,この問題に対する一つの回答を与えている。
字宙研も大きく変貌し,また字宙科学も広範な進
「ょうこう」は,計画の当初かなり長いあいだ
歩を遂げている。僅か 190kg の「ひのとり」衛星が,
HESP(HighEnergySolarPyisics) と呼ばれ
2 トンを超す NASA の太陽観測衛星 SMM を凌ぐ大
て
い
た
。
そ
れ
が
,
正
式
に
衛
星
計
画
と
し
て
承
認
さ
れ
活協をし.
た
と
き
に
.
新
し
く
設
定
さ
れ
た
太
陽
物
理
衛
星
日本の太陽 X 線物理学を世界の最先端
に押し上げたことを鮮明に記憶している人は,今
の
ン
リ
ー
ズ
の
第
一
号
機
と
し
て
.
(SOLAR)
SOLAR-A
ではもはや少数派かもしれない。「ょうこう」はこ
さ
れ
た
。
前
回
の
「
ひ
の
と
り
の実績を基に,世界中の天体物理学者の強い期待
シ
リ
ー
ズ
の
第
と支持により実現した衛星である。幸い,衛星は
た
の
に
つ
い
で
,
再
度
新
し
い
シ
リ
ー
ズ
の
第
期待通りというよりは,むしろ期待を大きく上回
し
て
幸
先
の
良
い
ス
タ
ー
ト
を
切
っ
た
の
は
誠
に
喜
ば
し
る活躍をしている。
い
限
り
で
あ
る
。
現
在
その理由は何といっても衛星自身の優れた機能
HESP
1 号機.
ASTRO-A
NASA
数の関係者の叡智と努力の結果であることを忘れ
う
こ
う
」
の
大
成
功
に
ち
な
ん
で
てはならない。この衛星は日本のプロジェクトで
度
使
っ
た
ありながら,計画の最初の段階から広範な国際協
か
と
た
ず
ね
ら
れ
,
い
さ
さ
か
而
は
ゆ
い
思
い
を
し
た
。
で
は
.
太
陽
観
測
衛
星
HESP
NASA
「
ょ
う
こ
う
」
に
次
ぐ
太
陽
鋭
画の素案が検討され始めた段階で,園内の関係者
も
ま
し
て
世
界
の
天
文
関
係
者
の
熱
い
視
線
が
集
ま
っ
て
は海外からの多数の太陽物理学者を招き国際的な
いる。「ひのとり
プレーンストーミングを行い基本的な方向づけを
より,
すると同時に,各国での関連技術の実情調査を行
ー
ド
す
る
地
位
を
後
立
し
た
。
こ
れ
も
一
重
に
内
外
の
関
った。この結果を}Jiに.
係
各
位
の
終
始
変
ら
ぬ
ご
支
援
ご
協
力
に
よ
る
も
の
で
あ
J ・「ょうこう
日
本
の
太
陽
り
,
こ
の
機
会
を
か
り
て
厚
く
お
礼
申
し
上
げ
る
次
第
で
あ
る
。
(
小
川
原
嘉
明
)
No.142 1993.1.
神条川県机仲良原市由~I'f
ISSN 0285-2861
i3 ト1
TEL0427-51-3911
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ス
に
関
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る
お
間
合
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務
課
法
規
・
出
版
係
(
内
線
-20
ー
y トに
X線
研
究
は
文
字
ど
お
り
世
界
を
リ
よる国際協力と作業分担が決められた。その後,
⑮ 229
が
一
J と
連
続
大
ヒ
計画は一貫して内外の研究者の見事なチームワー
字'Ii i 科学研究所(文部省)
で
も ISAS
iJIJ 衛
星
の
計
画
を
練
っ
て
い
る
。
そ
し
て
,
こ
れ
は
す
で
に
「
ょ
う
こ
う
」
の
時
に
発行
本
部
と
い
う
名
前
を
使
っ
て
も
良
い
だ
ろ
う
はその流れを大きく加速したといえよう。衛星計
ニ
ュ
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ス
NASA
い
ま
日
本
の
太
陽
物
理
研
究
グ
ル
ー
プ
は
,
は
や
く
も
を重視することは当然の趨勢であるが,「ょうこう」
ISAS
と
し
て
笑
施
さ
れ
の
計
画
が
提
案
さ
れ
て
い
る
。
先
般
を訪れたとき,太陽物理担当部局のチーフから「ょ
日米英の研究グループに
(ASTRO)
l 号
機
と
にあるが,それには国際協力のもとに参加した多
力によって推進されてきた。衛星計画が国際協力
と
改
名
Jが
,
天
文
衛
星
22/1)
ま
で
お
願
川
IJ た
し
ま
弘
Fly UP