Comments
Description
Transcript
1 第 38 回 ISO/TC176/SC2 総会コミュニケ
ISO/TC176/SC2/N1138 品質マネジメントシステム規格国内委員会 参考訳 事務局 第 38 回 ISO/TC176/SC2 総会コミュニケ 第 38 回 ISO/TC 176(品質管理及び品質保証)/SC2(品質システム)総会が,サンクトペテ ルブルクの第二次世界大戦でのレーニングラードの擁護者を記念する記念碑である Ploshchad Pobedy(戦勝広場)の隣に位置する Park Inn by Radisson Pulkovskaya ホテルにおい て開催された。 2012 年の初めに ISO 9001 の定期見直しが完了し,ISO 9001 の改正版又は追補を作成するの が望ましいということを示す結果となった。その後,4 月には,ISO/IEC 専門業務用指針の ISO 専用手順が発行された。これ(Annex SL)には,全ての ISO マネジメントシステム規 格のための主要箇条の共通の並び,各箇条の共通テキスト,並びに共通の用語及び定義を 示したテンプレートが含まれている。全てのマネジメントシステム規格をこのテンプレー トに基づいて開発することで,異なったマネジメント分野を組織が自らのマネジメントシ ステムに統合することが容易になることが期待される。その後,新規作業項目提案 (NWIP)が投票にかけられ,このテンプレートを適用して ISO 9001 の改正を行うことが承 認された。規格改正の作業は,2015 年末にかけて完了することが見込まれている。 この作業を行うために ISO/TC 176/SC2/WG24(ISO 9001 改正)が設立され,改正作業を導 く上で役立つ数多くの事項を検討した。これには次を含む。 2010 年~2011 年に実施された ISO 9000 ユーザーサーベイの結果(これには,約 11,700 件の回答があった。) ISO 9001 に含める新しい品質概念の候補を検討したタスクグループの結果 ISO/TC 176 品質マネジメント原則(ISO 9000 ファミリー規格の基礎となるもの)の進 行中の改正作業 ISO 9001 に対して発行されてきた公式解釈 ISO 9000 の“導入・支援パッケージ”のガイダンス文書(www.iso.org/tc176/sc02/public を参照) ISO 9001:20008 を開発した WG 18(ISO 9001/9004)/TG 1.19(ISO 9001 規格草案)から のプロジェクトレビュー報告 サンクトペテルブルク会議における WG24 の目的は,ISO 9001 の改正版の第一作業原案 (WD1)を達成することにあった。週の終りまでには,ドラフトの骨子を作成した。これ は,あと数週間続けて作業が行われた後,WD1 として WG24 メンバーに回付されることに なる。 ISO/TC 176/SC2/AG01 SPOTG(Strategic Planning and Operations TG)は,SC2 の WG 及び TG の活動の監督を行うとともに,SC2 の年次目標の作成に責任を持つ。SPOTG は,サンクト ペテルブルクで短時間の会議を持ち,そのような事項を検討したが,ISO/TC 176 自体がま だ次の年の戦略計画を完成していない(2013 年 3 月までに完成予定)という理由から,SC2 はまだ新たな目標の設定を行う立場にはないとした。 ISO/TC 176/SC2 の活動を助けるため,WG23(Communications and Product Support)がある。 2012 年は,ISO 9001 の初版(1987 年)の 25 周年にあたることから,WG23 は,この極めて 重要なイベントを祝うためにメンバーボディが利用し,また,近々行われる改正に対する 認知度を各国で高めるのに役立てるための記事を収集し,まとめた。 1 ISO/TC176/SC2/N1138 品質マネジメントシステム規格国内委員会 参考訳 事務局 会期中,WG23 は,コミュニケーション戦略を作成し,ISO 9001 の改正版の発行をサポー トする数多くの文書(移行計画を含む)の作成のための詳細なプロジェクトプランを特定 し,作成した。 ISO/TC 176/SC1(基本及び用語)及び ISO/TC 176/SC2/AHG01-TG QMPs(品質マネジメン ト原則)もその週に会合を持ち,QMP の改正提案に関してメンバーボディから提出された コメントをレビューした。WG24 の ISO 9001 の改正作業の重要なインプットとして提供さ れることとなる個々の QMP の“titles”,“statements”及び“rationales”の定義を完成した。 これらは,メンバーに対して確認投票に付されることとなっている。この TG は,“key benefits”及び“actions you can take”の部分をまだ完成していないため,この作業を終える ために 4 月に会合を持つ予定である。 会議では,Jim Pile 氏(英国)の悲しい逝去について触れた。同氏は,1980 年の第 2 回目の 会議からの TC 176 のメンバーであり,ISO 9001,ISO 9002 及び ISO 9003 の第 1 版と第 2 版 (1987 年と 1994 年)の両方に責任を持つ WG のコンビナーを務め,ISO 9000:2000 の開発 の戦略を記した文書“ビジョン 2000”の共著者であり,ISO 9001:2000 及び ISO 9001:20008 の開発のための WG18 の主要なメンバーであり,また,全ての ISO マネジメントシステム 規格のための Annex SL テンプレートを開発する作業を率いてきた人であった。ISO/TC 176 と SC2 において,同氏の経歴に比する経歴を持つ人は他にはいないであろう。我々は,同 氏のリーダーシップ,知識,そして我々の活動に対する熱意を決して忘れないであろう。 Jim の逝去によって,AHG03/TG(ISO/TMB/TAG13-JTCG の作業へのインプット)のコンビ ナーの地位が空くこととなった。またこのことは,この TG を継続すべきか,WG24 に含め るべきかという問題をもたらした。WG24 では WG の下の TG 構造を柔軟に利用する方向で はあるが,この活動にはメンバーの継続性がより必要であるため,現状のまま TG を維持す ることとした。TG メンバーの一人である Luiz C Nascimento 氏(ブラジル)が,この難しい 役割の引受けに同意し,SC2 決議によってコンビナーとして確認された。 ISO/TC 176/SC2/WG22(解釈)に関しては,Roger Emmonds 氏(英国)から,体調不良のた め,もはやコンビナーの地位を継続することができなくなったとの連絡があった。やむを 得ず,同氏の辞職願を受け入れ,SC2 決議によって Nicola Gigante 氏(イタリア)を後任の コンビナーとして確認した。 用語関連の事項に関する ISO/TC 176/SC2 とのリエゾンについて,SC1 は規格の草案者のた めの数多くのガイダンス文書を作成した。これらは WG24 が利用できるようになっている。 加えて SC1 は,ISO 9001 の“Proof of concept”ドラフト(これは NWIP の一部として回付さ れている)に含まれている Annex SL の用語に関して寄せられたコメントの検討を行った。 また,SC1 は,WG24 へのインプットとして,“作業環境”及び“顧客”の定義にまつわる 事項を分析した。さらに,ISO 9001 及び ISO 10004 の間の“顧客満足”の定義の矛盾につい て検討した。ISO/TC 176/SC2 は, ISO/TC 176/SC1 の SC2 活動への継続的な支援に対してお 礼申し上げる。 ISO/TC 176/SC2 は,会議において数多くの決議を採択した。そのうちの一つに,ISO 9001 の利用を害する恐れのある,追加要求事項を持つ ISO 9001 のセクター規格が数多く作成さ れていることに対するメンバーの懸念を表明したものがある。その決議では,各セクター は,取りかかりとしてまずは,ISO 9001 の利用に関する指針を提供する方向を検討するこ とが望ましいと奨励した。 ISO/TC176/SC2 は,会議の最終日に,Peter Papakostantinu 氏(カナダ)の逝去について触れ た。同氏は,ISO 9001:2008 の開発において主要な役割を果たすとともに,品質の新たな概 2 ISO/TC176/SC2/N1138 品質マネジメントシステム規格国内委員会 参考訳 事務局 念の開発に寄与し,ISO/TC 176 戦略計画チームを率いた。我々の活動で見せた同氏の行動 力とユーモアを我々は決して忘れないだろう。 ISO/TC 176/SC2 は,会議のホストである,GOST-R(Federal Agency on Technical Regulating and Metrology)及び JSC VNIIS(All-Russian Scientific Research Institute for Certification JointStock Company),並びに Baltika ビール会社(及び社長の Issac Sheps 博士)に対して多大な 謝意を表明した。提供された会議施設及び支援は極めてよく,また,すばらしい社交イベ ントは永く記憶に残るであろう。 次回の ISO/TC 176/SC2 会議は,ISO/TC 176 と合わせて,2013 年 11 月 4 日~8 日にポルトガ ルのポルトで開催される予定である。 3