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無線設備試買テストの結果について - 電波利用ホームページ

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無線設備試買テストの結果について - 電波利用ホームページ
講演テーマ
「無線設備試買テストの結果について」
講演者:石綿 剛
株式会社UL Japan コンシューマーテクノロジー事業部
コマーシャルグループ EMC/無線セールス マネージャー
UL and the UL logo are trademarks of UL LLC © 2015
はじめに UL Japan について
UL Japan グループ
•
UL ASG Japan (東京・伊勢)
•
UL 島津ラボラトリー(京都)
登録証明機関
・国内電波法
・国内電気通信事業法
007- ・・・・
適合性評価機関
・R&TTE指令 第1号CAB
・FCC TCB 第8号CAB
株式会社 UL 島津ラボラトリー
電波を使う機器に求められる制度と基準等
免
許
混信を防ぐため周波数を割り当て
総務大臣に無線局の免許を申請し、総務省の審査を経て免許が与えられる
○携帯電話、テレビ、ラジオ等
技術基準適合証明
混信を防ぐ機能を有し、免許不要
小電力の特定の用途及び目的に使う無線局で、技術基準適合証明を受けた無線設備だけを使用するものについては、
総務大臣の免許は不要
○無線LAN、コードレス電話、ワイヤレスカメラ、
特小トランシーバ等
微
←現在の技適マーク(H7.4~)
旧タイプの技適マーク(S62.10~)→
弱
電波が弱く妨害を与えるおそれが少ない
発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるものについては、総務大臣の免許は不要
○FMトランスミッタ等
微弱無線局の許容値
微弱無線局の3mの距離における電界強度の許容値
1.無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が、上図に示されたレベルより
低いものであれば、無線局の免許を受ける必要はない。
2.無線設備から500メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が、200μV/m以下の
もので、周波数などが総務省告示で定められている無線遠隔操縦を行うラジコンや
ワイヤレスマイク用などのものは、無線局の免許を受ける必要はない。
技術基準不適合設備による重要無線通信妨害①
消防用無線への障害(北陸)
概 要
電気通信業務用無線への障害(四国)
概
平成26年4月、北陸総合通信局管内で消防用無線に障
害が発生している旨の申告があった。北陸局の移動監視に
より、車両に設置されたテレビ付カーナビゲーションに内蔵さ
れたFMトランスミッタのスプリアスが原因と特定した
概略図
※総務省提供資料
要
平成25年12月、四国総合通信局管内で電気通信業務用
無線に障害が発生している旨の申告があった。四国局の移
動監視により、個人開業医院に設置された携帯電話抑止装
置からの電波が原因と特定した
概略図
消防無線に妨害が発生
電気通信業務用無線に
妨害が発生
混信
カーナビ内蔵
FM トランスミッタ
混信
携帯電話抑止装置
消防本部
四国総合通信局が妨害
原因の特定・排除を実施
個人開業医院
北陸総合通信局が妨害
原因の特定・排除を実施
一般車両
*
*
電気通信事業者基地局
発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるものについては、無線局の免許は不要となる
重要無線通信:人命又は財産の保護、治安の維持、電気通信、放送、気象、電気、鉄道のための無線通信
技術基準不適合設備による重要無線通信妨害②
航空用無線への障害(関東)
概 要
電気通信業務用無線への障害(北陸)
概
平成25年6月、関東総合通信局管内で航空用無線に障
害が発生している旨の申告があった。関東局の移動監視に
より、空港近辺の建設現場で使用されていたワイヤレスカメラ
が原因と特定した
※総務省提供資料
要
平成25年5月、北陸総合通信局管内で電気通信業務用
無線に障害が発生している旨の申告があった。北陸局の移
動監視により、レンタカー業者の建物に設置されたワイヤレス
カメラが原因と特定した
概略図
概略図
航空無線に妨害が発生
電気通信業務用無線に
妨害が発生
混信
ワイヤレスカメラ
ワイヤレスカメラ
混信
電気通信事業者基地局
空港システム統制センター
空港近辺の建設現場
*
*
関東総合通信局が妨害
原因の特定・排除を実施
レンタカー業者建物
北陸総合通信局が妨害
原因の特定・排除を実施
発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるものについては、無線局の免許は不要となる
重要無線通信:人命又は財産の保護、治安の維持、電気通信、放送、気象、電気、鉄道のための無線通信
技術基準不適合機器の流通防止
検討会
• 平成24年度: 総務省 「電波の有効利用の促進に関する検討会」 開催
技術基準不適合機器の流通防止対策の在り方についても検討
• 従来からの対策に加えて、「無線設備試買テスト」の有効性を提言
防止借置
• 不適合機器の流通を防止する措置として、無線局(基準不適合機器)が他の無線局の運用を
著しく阻害するような混信その他の妨害を与えた場合は、製造業者・販売取扱業者等に対し、
報告徴収・勧告・公表を行うことができる制度があり事後措置(排除業務)の一つとして対応
予防業務
• 総務省において、広く国民を対象にポスター及びリーフレット等による周知・啓発活動を実施
• 総務省職員等が販売取扱業者の事業所等(販売店等)に個別に赴き、不適合機器の販売につ
いて自粛要請等を実施
試買テスト
• 混信が発生していない段階においても、効果的に不適合機器の流通を抑制するため、市場に
出回る微弱で免許不要と称する無線機器について流通の実態調査を強化
• 市場に流通する製品の「無線設備試買テスト」を新たに実施し、その測定結果を公表。公表結
果に基づき、国民及び製造業者や販売業者等に対し、注意喚起・要請を行い不適合機器の流
通の抑制を図る
無線設備試買テストの概要
※総務省提供資料
 発射する電波が電波法に定める「著しく微弱」の基準内にあるとして販売されている無線設備を
購入し、実際に、その電波の強さが当該基準に適合しているかどうかの測定を行い、その結果、
当該基準を超えることが明らかな設備の情報を公表する等の取組
 大型家電量販店、自動車用品量販店、ホームセンター、無線機販売店等の店頭やインターネット上
等、不特定多数の消費者を対象に販売されている無線設備を購入
 対象設備が発射する電波の強さを、「著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法を
定める件」(昭和63年郵政省告示第127号)により測定
 国民への情報提供として、「著しく微弱」の基準を超えることが明らかな無線設備について、当該
無線設備の使用に当たっては免許等が必要であることを示すとともに、製造業者、販売業者又は輸入
業者の名称、無線設備の型名・名称、用途、設備の写真等の情報をホームページ上で公表
 これにより、一般消費者が基準に合致しない設備を購入・使用して電波法違反(無線局の不法開
設)となることや他の無線局に障害を与えることを未然に防止する
公表
流通調査
購入・測定
メーカー等へ
対応要請
 総務省電波利用ホームページ(無線設備試買テストの結果について)
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/illegal/result/index.htm
平成25年度無線設備試買テストの結果概要
100機種200台(1機種につき2台)を対象に測定
FMトランスミッタ
ワイヤレスカメラ
携帯電話抑止装置(携帯ジャマー)
ワイヤレスマイク
トランシーバ
ワイヤレススピーカ
ベビーモニタ
62
16
7
7
3
3
2
うち基準に不適合 な機
種数(※)
46
16
7
7
3
3
2
合
100
84
無線設備の用途
計
測定機種数
※1機種につき2台とも「著しく微弱」の基準を超えることが明らかになったもの
これらの無線設備に関する情報は、国民への情報
提供を目的として、総務省電波利用ホームページ
において公表
(http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/illegal/result/index.htm)
平成26年度の無線設備試買テスト①
 総務省では、平成26年度の「無線設備試買テスト」の実施にあたり、対象機種数
と用途・分野を拡大して実施
 「無線設備試買テスト」の迅速性と効率性の向上を図るため、対象設備の選定と
購入、測定の実施と評価について、ノウハウを有する民間機関に請負を依頼
●対象とする微弱等設備200機種/400台を選定
電波を使用しない設備及び電波法で定める特定無線設備の
技術基準適合証明の対象となる設備は、対象外
用途・分野、価格について多種多様な機種を選定
(ア) FMトランスミッタ
(イ) ワイヤレスカメラ(ビデオトランスミッタ、ベビーモニタを含む。)
(ウ) 携帯電話抑止装置(ジャマー)
(エ) トランシーバ
(オ) リモコン
(カ) その他の無線設備
一般消費者と同様の形態で購入
(近年の購入傾向を反映させて、インターネットを利用しても購入)
平成26年度の無線設備試買テスト②
※総務省提供資料
 野村総合研究所は、微弱無線機器(※)の販売台数を、年間314万台と推定。
(平成25年度 野村総合研究所「微弱無線機器等の市場における流通実態調査の請負」より)
(※)発射する電波が電波法施行規則第6条第1項に規定する「著しく微弱」の基準範囲内にある無線設備
*調査対象(微弱無線機器)は、微弱等と称して販売されている用途の設備であって、実際には微弱でない設備を含む
日常生活に身近に存在する微弱無線機器
オーディオ
 ワイヤレススピーカ
 ワイヤレスヘッドフォン
 ワイヤレスマイク
玩具・遊具
 トランシーバ
 ラジコン
防犯・監視
 防犯カメラ
 防犯センサ
自動車・バイク
 FMトランスミッタ
 盗難警報機
その他
介護・健康
 徘徊センサ
 歩数計
家庭内(アラーム)
 ドアホン、インターホン
 火災警報器
育児・保育
 ベビーカメラ
 呼吸センサ
 おむつセンサ
 リモコン
 気象モニタ
 デジタル顕微鏡
チャイム・コール
 オーダーコール
(飲食店用)
 忘れ物防止ブザー
アウトドア
 小型カメラ付
ゴーグル
 雪崩ビーコン
スポーツ
 ゴルフスイング分析
 釣り用センサ
 心拍数モニタ
工具・治具
 トルクレンチ
平成26年度の無線設備試買テスト③
実施体制 / フロー
選 定
• 用途、製造業者、価格について多種多様な機種を選定
選定リストを総務省へ提出
購 入
• 一般消費者と同等の形式で購入。購入後は技適マークが製品に添付され
ていないか確認
測 定
• 電波法第24条の2第4項第2号に規定する較正等を受けた測定機器を使
用して、「著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法を定
める件」(昭和63年郵政省告示第127号)に基づき測定を実施
相 関
評価会
• 不適合品の一部は別のサイトで相関試験を実施。同様の結果が得られる
か確認
● 選定上の留意点
• 微弱無線設備の対象製品で
あるか、メーカーHPや複数
の販売サイトのHPで確認
• 総務省電波利用HP “技術
基準適合証明等を受けた機
器の検索” にて、メーカ名や
型式などを入力し、技術適
合証明品でないことを確認
• 社外の有識者を含めて5名以上で構成する評価会を設置し、測定の方法、
測定の結果等の妥当性について評価
総務省へ報告
●微弱無線設備として識別が困難な事例
• 販売サイトや製品のパッケージにモデル名・製造者名が記載されていない
• 使用している周波数・無線方式が記載されていない
• 電波到達距離のみ記載されている
• 海外直輸入製品
平成26年度の無線設備試買テストの結果概要①
200機種中183機種が不適合で公表
用途
FMトランスミッタ
ワイヤレスカメラ
携帯電話抑止装置
トランシーバ
リモコン
ワイヤレスマイク
ワイヤレスチャイム
防犯アラーム
キーレスエントリー
その他の無線設備等
測定機種
52種
24種
11種
18種
28種
8種
19種
18種
9種
13種
合計
適合
13種
0種
0種
1種
2種
0種
0種
0種
0種
1種
17種
(8.5%)
200種
 製造業者名や型式等が記載され
ていない製品や外国規格機器の
ネット輸入販売品は、今回全て
不適合品となった
不適合
39種
24種
11種
17種
26種
8種
19種
18種
9種
12種
183種
(91.5%)
*ワイヤレスカメラには、ビデオトランスミッタ、ベビーモニタを含む
 今回の電界強度測定においては、“微弱”ではない電波を
出している設備が多く、中には測定器を壊す恐れもある
強力な電波を発射している製品も多数見られた。
 微弱無線設備の測定では、通常は増幅器(プリアンプ)を
測定に使用するが、今回の測定においては、強力な電波
のため、逆に測定器を保護する目的で減衰器(アッテネー
タ)を測定器前につけて行う測定が標準的であった。
平成26年度の無線設備試買テストの結果概要②
■ 適合機器の結果概要 (基準内の電波強度で適正な商品を設計・製造の事例)
FMトランスミッタ
リモコン
100
100
Limit1(QP)
80
70
70
F ie ld S t r e n g t h [ d B u V / m ]
Field S tren g th [ dB u V / m ]
Vert.
80
60
50
40
30
20
30
60
50
40
30
20
0
50
[ PEAK DATA ]
70
100
200
Frequency [MHz]
300
500
-10
700
1000
30
トランシーバ
70
100
200
Frequency [MHz]
300
500
700
1000
自転車グッズ
100
100
Limit1(QP)
90
80
80
70
70
60
50
40
30
20
Limit1(QP)
90
Vert.
F ie ld S tre n g th [ d B u V/ m ]
F ie ld S tre n g th [ d B u V/ m ]
50
[ PEAK DATA ]
基本波は、限度値が高い322MHzより下の
周波数の使用により対応している。
基本波以外の不要輻射(2,3,4次・・・
高調波) の抑制にも対応している。
Vert.
60
50
40
30
20
10
10
0
0
-10
-10
30
Vert.
10
10
0
Limit1(QP)
90
90
50
[ PEAK DATA ]
70
100
200
Frequency [MHz]
300
500
700
1000
子供用の玩具のため、安価で簡素な作り
の製品であるが、不要輻射を抑圧している。
30
50
[ PEAK DATA ]
70
100
200
Frequency [MHz]
300
500
700
1000
必要最低限の電波到達距離(70cm)を
目的に出力等を設定している。
微弱無線設備の性能証明業務
●微弱無線性能証明
発射する電波が著しく微弱な無線局の電界強度を測定し、
電波法で規定されている条件に適合している場合に、
免許を要しない無線局であることを証明し、
「微弱無線設備性能証明書」を発行している。
●工事設計認証
UL Japanは、平成17年3月28日付けで電波法に基づく
「登録証明機関」としての総務大臣の登録を受ける。
UL Japanは、平成17年4月1日より、免許不要局の特定
無線設備の技術基準適合証明および工事設計認証業務
を開始する。
株式会社UL Japanの実績
2011年 2012年 2013年 2014年
工事設計認証
234
446
458
493
微弱無線性能証明
13
4
5
7
※「微弱無線性能証明」の発行件数は圧倒的に少ない。
測定機関相互の連携状況 / 微弱無線設備への対応事例
株式会社UL Japan各種委員会参加リスト
■ 測定機関相互の連携状況
・測定機関相互間で、測定サイトの相互性能評価
に関する試験を実施し、測定条件の差異が発生
しないように取組を実施。
・各種委員会に参加し、技術的整合性確保や関連
の最新情報収集等を定常的に実施。
・測定機関は中立公正な機関として、無線機器に
関する技術的アドバイスが可能。
(無線機を販売する場合、適合性の判断に困った
ときは、測定機関が相談業務で対応可能)
委員会/組織名
登録証明機関協議会
JVLATE
(電気通信端末機器試験事業者協議会)
分科会名
ガイドラインWG
ICCJ(情報通信認証連絡会)
総務省主催
周知・広報WG
VCCI
-
市場監視WG
動向調査WG
■ 微弱無線設備への対応事例
JEITA(電子情報技術産業協会)
・平成26年度無線設備試買テストにおいて、製品
パッケージに一般財団法人テレコムエンジニアリ
ングセンターが発行する性能証明ラベルが添付
された4製品(全てFMトランスミッタ)は全て合格。
・法令を遵守し適切な微弱無線機器の開発・製造
に真摯に対応するメーカ様も多数。
KEC
JEMIMA(日本電気計測器工業会)
EMCC(電波環境協議会)
マルチメディアEMC専門委員会
EMF専門委員会
電磁波障害分科会
製品安全・EMC委員会
妨害波委員会
イミュニティ委員会
R&TTE CA
-
TCB Council
-
電気用品調査委員会
電波雑音部会
WPC (Wireless Power Consortium)
-
エネルギーハーベストコンソーシアム
-
ブロードバンドワイヤレスホーラム
ワイヤレス電力伝送標準開発部会
微弱無線分野の発展に向けての期待
 「無線設備試買テスト」の実施により、微弱無線分野に関して、行政、メーカ、
販売店、輸入業者、証明機関等の間に新たな連携・協力・相談の場が醸成
適正な電波の利用による国民生活の利便向上と安心・安全
 今後、関係者の連携・協力が、新たな電波利用分野を作り出すことに期待
新たな電波利用の拡大
につながる取組として
機能することに期待
 消費者への情報提供
(不適合機器の購入防止)
 不法無線局の出現防止
(混信妨害の未然防止)
ご清聴ありがとうございました。
お問い合わせ先: [email protected]
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