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平成21年度 - 政策研究大学院大学

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平成21年度 - 政策研究大学院大学
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間1時間30分】
下記の文章を日本語として意味が通るように、制限時間内で、できるだけ多く翻訳してく
ださい。
(The Economist より)
(著作権の関係上、本文は掲載しておりません。)
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間2時間】
公共政策プログラム・開発政策プログラム・地域政策プログラム志望者用
次の問題1~4の中から、1問を選んで回答してください。
問題1
添付資料 1 と添付資料2(※)は、10年の間をおいた2人の内閣総理大臣による、所
信表明演説(総理就任後最初の国会演説)である。それぞれの首相が就任した経緯、置か
れた状況などを念頭に置きながら、所信表明演説の作成過程を想像し、この2つの所信表
明演説のスタイルの違いがなぜ生まれたのか、具体的な箇所を示しながら論ぜよ。
なお、所信表明演説の仕組みについての知識がなく、全般的な評価が難しいと考える場
合には、当時の経済状況と、演説の中で示された政策のあり方との関係の比較に力点を置
いて論じてもよい。
(※著作権の関係上、掲載しておりません。)
問題2
地域ブロックを繋ぐ広域交通ネットワーク整備に関する議論の中で、災害発生時におけ
る交通ネットワークの脆弱性が問題となっている。災害時のリダンダンシー確保のために
必要な整備について各項目に答えよ。
1. 社会資本の高齢化とアセットマネジメントについて論ぜよ。
2. 耐震基準の強化と既存不適格な構造物の数の増加に関して論ぜよ。
3. 災害による不通と代替経路から考えた補強順序について論ぜよ。
問題3
2006年、文化庁が「文化的景観」という制度を発足させた。「文化的景観」とは、
我が国民の生業、生活を表出した景観と定義されている。「文化的景観」と景観法の「景
観地区」や、自然公園法の「国立公園の景観」との違いを述べよ。
問題4
2006年2月には第28次地方制度調査会が「道州制のあり方に関する答申」を出し、
また、2008年3月には道州制ビジョン懇談会が「中間報告」を出すなど、近年、道州
制導入に関する論議が活発になってきている。この道州制導入論議に関して、以下の問い
に答えよ。
1. なぜ今、道州制導入論議が盛んになってきたのか。
2. 現在の道州制導入論議における主な論点は何か(複数上げよ)。
3. 上記論点について、自分自身の考えを述べよ。
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間2時間】
文化政策プログラム志望者用
次の問題1~4の中から、1問を選んで回答してください。
問題1
以下の芸術文化振興基本法の前文を読み、下線部に関して、文化政策の課題を論ぜよ。
文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変
わらない願いである。また、文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高める
とともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入
れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。
更に、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとともに、それぞれの国やそれ
ぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中
にあって、自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものである。
我々は、このような文化芸術の役割が今後においても変わることなく、心豊かな活力あ
る社会の形成にとって極めて重要な意義を持ち続けると確信する。
しかるに、現状をみるに、経済的な豊かさの中にありながら、文化芸術がその役割を果
たすことができるような基盤の整備及び環境の形成は十分な状態にあるとはいえない。二
十一世紀を迎えた今、これまで培われてきた伝統的な文化芸術を継承し、発展させるとと
もに、独創性のある新たな文化芸術の創造を促進することは、我々に課された緊要な課題
となっている。
このような事態に対処して、我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術活動を
行う者の自主性を尊重することを旨としつつ、文化芸術を国民の身近なものとし、それを
尊重し大切にするよう包括的に施策を推進していくことが不可欠である。・・・略
問題2
文化芸術は、音楽や美術などの芸術だけでなく、映画、漫画などのメディア芸術、伝統
芸能、生活文化、文化財、芸術家、劇場・音楽堂まで幅広く多様な対象を含む。このうち、
任意の分野・対象を選び、誰がどのように支援すべきか、その理由も含めて論ぜよ。
問題3
文化芸術はなぜ市場で成り立たないものがあるのか、これまでの研究成果も踏まえ説明
せよ。
問題4
現在、文化芸術の支援は、国や地方自治体などの政府だけでなく、民間企業や NPO、関
心のある人々など多様な主体により行われている。任意の分野・対象を選び、支援の現状
とそれぞれの役割について論ぜよ。
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間2時間】
知財プログラム志望者用
次の問題1~3の中から、1問を選んで回答してください。
問題1
『ガリレオは多くの費用と時間をかけて、耕地に潅水するための揚水ポンプの発明をした
が、構造がシンプルであったため、すぐに模倣されてしまい投資した費用の回収が出来ず
生活に窮するようになった。そこでガリレオはヴェネチア王に「社会のために財産を投げ
打って揚水ポンプを発明したのに、発明した者が生活に窮するのはおかしい。発明した揚
水ポンプの製作あるいは使用を一定期間許可しないようにして欲しい。もし、これを犯す
者がいれば罰金を取り一部を私に与えて欲しい。そうすれば私はもっと世の中の役に立つ
発明をします。」と請願し、王より揚水ポンプに対する「特許」を与えられた。』という
寓話がある。特許制度は現在においても個人に発明の独占権を付与して、さらなる発明を
促すインセンティブを付与し産業の発達に寄与するという趣旨に立脚している。
しかしながら、現在は、発明者のほとんどは企業等の組織に属し、職務としての研究開
発を通して発明がなされており、多くの発明は企業により承継され、個人ではなく企業が
発明の独占権を得ている。そして、組織に所属する発明者は自身が独占権を得る見返りに
特許制度(職務発明)に規定する発明に対する相当の対価を得ている。
ただし、発明に対する相当の対価は、既に雇用が保証されている発明者にとっては発明活
動に対しそれほど強いインセンティブを与えておらず、むしろ技術的課題の解決や名声、
処遇の向上の方が発明活動に対し強いインセンティブを与えているという報告もある。
このように個人でなく企業が独占権を取得している現状において、特許制度が産業の発達
に果たしている役割の妥当性および弊害ついて理由とともに論じなさい。
問題2
著作権は著作者(自然人)の死後も存続するが、どのくらいの期間存続させるのがよいのかに
ついては争いがある。「自分の死後70年存続する、つまり曾孫の代まで存続するならが
んばっていいものを書こう。しかし、50年ではやる気がしないからいい作品は書けない。」
という意見を持った作家がいたとする。
この意見について、賛成または反対の立場に立ち、十分な理由を述べながらあなたの意見
を論じなさい。最初に賛成または反対のいずれの立場に立つか解答の最初に明示すること。
なお、解答で示された意見が、問題文で示された意見に対して賛成か反対かの点について
は採点に影響しない。
問題3
以下の文章は毎日新聞2008年10月18日朝刊に掲載された社説である。この文章を
読んで、以下の問いに答えよ。
(著作権の関係上、掲載しておりません。)
1.社説では自給率が40%まで低下したことを問題視しているが、自給率が低下したこ
とは本当に日本全体にとって良くないことか。この社説の意見に反対か賛成かを表明した
うえで、その理由を論ぜよ。
2.食の安全性を向上させるために日本の自給率を政策的に高めることは、適切な政策と
言えるか。政策を実行したことにより生じる社会全体の費用と便益を明確にしながら論ぜ
よ。
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間2時間】
まちづくりプログラム志望者用
次の問題1~3の中から、1問を選んで回答してください。
問題1
今後、地方公共団体の財政状況は、ますます深刻化していくと予想される。この問題に
対処するためには、地域経営やまちづくりのあり方、さらには地方財政制度などを、どの
ように見直し、転換していくことが必要か。根拠とともに論じなさい。
問題2
都市部においては、一定の市街地景観を形成するために、建築物の高さ、デザイン等に
規制を課す動きがある。これに関して想定されうるメリットとデメリットについて、根拠
とともに論じなさい。
問題3
たばこに1箱1000円程度の高い税金を掛けるべきであるという意見があるが、これ
についてどう考えるか。あなた自身の考えを、理由とともに論じなさい。
(注)現在、例えばマイルドセブンの販売価格は300円であり、うち税金は約189円
である。
平成21年度 第1回 論文試験
(平成20年11月5日実施)
【制限時間2時間】
教育政策プログラム志望者用
次の問題1~2の中から、1問を選んで回答してください。
問題1
日本の一部の公立中学校では、各市町村教育委員会の判断により、「就学すべき学校に
ついて、あらかじめ保護者の意見を聴取する学校選択制
学校選択制」を導入している。この制度は、
学校選択制
保護者の学校選択の自由を保障すること、それにより学校の質の向上を図ることなどを目
的としたものである。しかし、2008年9月には、江東区が2009年度以降小学校の
学校選択制を見直すことを決めたほか、前橋市が2010年度を最後に小中学校の学校選
択制を廃止することを決定するなど、従来の制度に回帰しようという動きもみられる。
学校選択制について、賛成論と反対論の双方の意見を述べ、それらを統合した上であな
たの賛成・反対のどちらの立場をとるかを論じなさい(立場そのものが評価に影響するこ
とはない)。
問題2
近年、福祉や教育、環境保護などさまざまな場面で、行政と NPO、ボランティア・グル
ープとが協働して事業を展開する事例が急増している。その際、留意すべき点は何か。行
政側、NPO・ボランティア側双方の立場から述べない。
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日実施)
【制限時間1時間30分】
下記の文章を日本語として意味が通るように、制限時間内で、できるだけ多く翻訳してく
ださい。
(Harvard Business Review より)
(著作権の関係上、本文は掲載しておりません。)
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日実施)
【制限時間2時間】
開発政策プログラム・地域政策プログラム志望者用
問題1~3の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
地域間所得格差について、全国的には東京一極集中が、各地域ブロックでは札幌、仙台、
福岡等の地方中枢都市への集中が議論されている。この現象とそれへの対応について以下
の問いに答えよ。
(1) 地域格差を減少するために、先進地域(東京や地方中枢都市)の成長を抑制すべし
との意見に対し、反論を箇条書きせよ。
(2) 先進地域とその他地域の間には、先進地域の経済成長の結果、他地域への消費や投
資が波及して地域格差が減少するという現象が見られる。その波及現象を列挙せよ。
(3) 先進地域の成長がその他地域の衰退を促進するという現象も見られる。その現象を
列挙せよ。
(4)上記(2)の現象の影響より、(3)の現象の影響が大きいと地域格差は拡大に向
かう。これを防ぐためには、どのような社会資本整備と地域政策が必要かを論ぜよ。
問題2
景観法に基づいて策定する景観計画では、景観地区や景観重要公共施設等を指定できる
ことになっている。景観地区と準景観地区の相違および景観重要公共施設とは何かを述べ
よ。また、景観重要公共施設を指定する際の留意事項を述べよ。
問題3
政府が行おうとしている「定額給付金」給付事業については、賛否両論がある。当該事
業の概要は別紙(※)のとおりであるが、この「定額給付金」給付事業に関して、下記の
問いに答えよ。
(1)当該事業に賛成の立場から意見を述べよ。
(2)当該事業に反対の立場から意見を述べよ。
(3)上記を踏まえた上で、自分自身の考えを述べよ。
(なお、結論の賛否は、採点に影響しない。)
(※著作権の関係上、掲載しておりません。)
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日実施)
【制限時間2時間】
文化政策プログラム志望者用
問題1~3の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
以下は、文化芸術振興基本法(2001年)の前文である。「文化芸術」の分野において、
政府はどのような役割を担うべきか、自身の考えを述べ、公的支援の必要性と限界につい
て論じなさい。
文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いで
ある。また、文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながり
や相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するもの
であり、世界の平和に寄与するものである。更に、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有すると
ともに、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化
が進展する中にあって、自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものである。
我々は、このような文化芸術の役割が今後においても変わることなく、心豊かな活力ある社会の形成に
とって極めて重要な意義を持ち続けると確信する。
しかるに、現状をみるに、経済的な豊かさの中にありながら、文化芸術がその役割を果たすことができ
るような基盤の整備及び環境の形成は十分な状態にあるとはいえない。二十一世紀を迎えた今、これまで
培われてきた伝統的な文化芸術を継承し、発展させるとともに、独創性のある新たな文化芸術の創造を促
進することは、我々に課された緊要な課題となっている。
このような事態に対処して、我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術活動を行う者の自主性
を尊重することを旨としつつ、文化芸術を国民の身近なものとし、それを尊重し大切にするよう包括的に
施策を推進していくことが不可欠である。
ここに、文化芸術の振興についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、文化芸術の振興に関する
施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。
問題2
指定管理者制度について知っているところを述べ、事例を挙げて、その必要性と問題点
を論じなさい。
問題3
以下は、米国新大統領の選挙キャンペーンのプラットフォーム(公約)、Obama ‘08 の一
部分である。これを読み、いくつかある論点のうち一つを選択し、日本の文脈における課
題、問題点を論じなさい。
(※著作権の関係上、掲載しておりません。)
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日 実施)
【制限時間2時間】
知財プログラム志望者用
問題1~3の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
特許法は優れた発明を行った者に特許権という排他的独占権を付与することによって発
明を促し、さらには産業の発達を促す目的で設けられている。一方、特許権は財産権であ
るから、特許権者は特許権を第三者に使用させたり、譲渡したりすることでその対価を得
ることが予定されている。実際、このような方法による対価の獲得は、大学や製造施設を
持たない研究機関が発明を行う大きなインセンティブとなっている。
しかしながら、近年、特許権者から特許権を買収し、その特許権を侵害した製品の市場
が大きくなった頃に訴訟を提起して多額の和解金をせしめるビジネス(いわゆる「パテン
ト・トロール」)が生まれている。
パテント・トロールはその対象となる可能性のある企業にとって大きな脅威であり、ま
たパテント・トロールを行う者自身がさらなる発明を生み出すことはないので、産業の発
達を阻害するという意見がある。
産業の発達の観点から、パテント・トロールに関するあなたの意見をその理由とともに
記述しなさい。
問題2次の文章を読んで、下の問いに答えなさい。
(※著作権の関係上、掲載しておりません。)
(日本経済新聞2009年1月9日11面、横浜国立大学教授 近藤正幸氏:一部の漢数字
をアラビア数字に変更した。)
(1)ライセンス件数が増加したのに、なぜライセンス収入がその増加の割合ほど増えな
かったのか、その理由を示す仮説を1つだけ呈示しなさい。また、なぜその仮説が
成立すると考えるのか、理由を示しなさい。
(2)あなたが呈示した仮説を検証する方法及びその方法を採用した理由を説明しなさい。
問題3
最近、景気の悪化の影響を受けて、企業の倒産数が増加する傾向にある。このような状
況下において、政府は次に掲げるAまたはBのいずれの意見を採用すべきであるかを、そ
の意見がもたらす社会全体の便益と費用に言及しながら、説明しなさい。
A: 企業倒産の増加は日本の経済に悪影響を及ぼすので、政府は倒産しそうな企業に対す
る融資制度の充実などにより、企業の倒産をできる限り減少させるべきである。
B: 経営の悪化した企業が市場から退出するのは自然なことであり、企業倒産の増加は日
本の経済にとって必ずしも悪いことではないから、政府は企業の倒産を減少させるため
に企業を支援する必要はない。
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日実施)
【制限時間2時間】
まちづくりプログラム志望者用
問題1~3の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
人口減少時代における都市計画・まちづくりの課題として「市街地縮小の必要性」が指
摘されることがある。そこで(1)「市街地縮小の必要性」の意義及び問題点(「市街地
縮小」がもたらす利益と不利益(利益を受ける者と不利益を受ける者))、(2)「市街
地縮小」を実施するための具体的施策、について論じなさい。
問題2
昨今の景気の悪化に伴って派遣労働者の解雇の増加が社会問題となっているが、雇用情
勢の悪化に対処するために製造業に対する派遣の禁止などの規制強化を図るべきであると
する主張がある。このような規制強化は雇用情勢にどのような影響を及ぼすか、雇用者と
被雇用者(求職者を含む。)の双方にかかわる影響を踏まえて論じなさい。
問題3
定額給付金に関する議論において、定額給付金の支給に所得制限(例:年収2千万円以
上の世帯には定額給付金を支給しないこと)を課すべきであるとする主張がある。このよ
うな所得制限が定額給付金の効果に及ぼす影響を論じなさい。
平成21年度 第2回 論文試験
(平成21年2月4日実施)
【制限時間2時間】
教育政策プログラム志望者用
問題1~2の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
今回の学習指導要領の改訂において、小学校(5-6年生)では、週1時間の「英語活
動」の時間が導入されることとなりました。小学校からの英語の必修化については、賛成・
反対の活発な議論がなされてきたところですが、小学校からの英語の必修化についてのあ
なたの考えを述べてください。
また、この問題における国の政策決定の在り方に関して、思うところを述べてください。
問題2
OECDが実施したPISAテストの結果を見ると、G8に属する先進国は殆どの科目
で15位以下となっており、特に日本ではこのテスト結果が契機となって教育政策の全体
が見直されるような事態となりました。このことに関する下記の4人のコメントを読み、
教育政策の在り方に関するあなたの考えを述べてください。
ドイツ人A: 「G8各国は、世界をリードする先進国であり、その国の子どもたちの能
力が低いなどという結果が出るテストは、そもそも基準が悪いのではな
いか?」
フランス人B:「我が国では、国民の意思に従って教育の目標を定めており、その目標
が達成されているかどうかは独自にチェックしている。主権者たる国民
と無関係に選ばれた学者たちが決めた基準など、相手にしない。」
アメリカ人C:「アメリカは多様性を重視する国家であり、学力のレベルも含めて多様
な人々がそれぞれの役割を果たしている。したがって、全体をひとつ
の数字で表すようなテスト結果は無意味だ。」
日本人D:
「ミシュラン東京についてはミシュランの評価基準について日本国内で
色々議論があったのに、PISAテストの基準の是非については、な
ぜ誰も議論をしないのだろうね。」
平成21年度 第3回 論文試験
(平成21年3月5日実施)
【制限時間1時間30分】
下記の文章を日本語として意味が通るように、制限時間内で、できるだけ多く翻訳してく
ださい。
(“Unnatural Deaths,” Criminal Sanctions, and Medical Quality Improvement in Japan より)
(著作権の関係上、本文は掲載しておりません。)
平成21年度 第3回 論文試験
(平成21年3月5日実施)
【制限時間2時間】
教育政策プログラム志望者用
問題1~2の中から、1問を選んで解答してください。
問題1
平成10年度の学習指導要領の改訂において、「生きる力」の育成を効果的に進める観
点から、「総合的な学習の時間」が、総授業時数を削減する中、相当の時数をもって創設
された。しかし、子どもの学力低下の懸念などを背景に、今回の改訂では、総授業時数を
増加させた上で、逆に、「総合的な学習の時間」は時数を削減している。
今回のこうした学習指導要領における「総合的な学習の時間」にかかる政策変更に関し
て、あなたの考えを述べてください。
問題2
医師も教師もともに「プロ」と言われる専門的職業ですが、下記の文章を読んだ上で、
教師の能力を向上・維持するための制度(養成・採用・分限・免許・研修など)の在り方
について、あなたの考えを述べてください。
・「社会人に授業をさせよう」と言う人は多いが、「社会人に治療をさせよう」と言う
人はいない(医師の方が「素人にはできない高度なことをしている」と評価されてい
るらしい)。
・大学医学部の教授の多くは「患者を治療した経験のある医師」なのに、教育学部の授
授の殆どは「小学校で教えた経験のない学者」である。
・医師免許には更新制度がないのに、教員免許については更新制度がある(免許につい
ては、制度上は教師の方が厳しいチェックを受けている)。
・「現職の教師」は「現職の医師」よりもはるかに多くの研修を受けている。
・能力に欠ける医師はすぐに病院をクビになるが、公立学校の教師がクビになることは
稀である。
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