...

体および離般的な信仰に関する法律

by user

on
Category: Documents
6

views

Report

Comments

Transcript

体および離般的な信仰に関する法律
292
宗 教 団体 お よび一般 的 な信 仰 に関 す る法 律
中野
毅(解 説)
岡 部 史信(訳)
メキ シコ合 衆 国 にお け る宗 教 団体 法 の 制 定
こ こ に 訳 出 ・掲 載 した 法 律 は,1992年7月13日,メ
て 制 定 され,翌14日
キ シ コ合 衆 国 議 会 に お い
公 布 され た 「宗 教 団 体 お よ び0般
(LeydeAsociacionesReligiosasyCultoPublico),お
筆 者(中
野)は,平
成5年
的 な信 仰 に関 す る法 律 」
よび関連 文書 であ る。
度 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 に よ る 国 際 学 術 研 究 「米
国 と メ キ シ コ に お け る現 代 民 衆 宗 教 の 世 界 観 と救 済 観 に関 す る比 較 宗 教 学 的砺
究 」(代 表 者 ・荒 木 美 智 雄 筑 波 大 学 教 授)の
に 滞 在 した が,1993年9月20日,メ
分 担 研 究 者 と して 昨 秋 メ キ シ コ 市
キ シ コ内 務 省 に お い て レ イ ノ ソ宗 教 問 題 関
係 総 局 長(Lic.Nicef・r・Guerrer・Reyn・s・,Direct・rGeneraldeAsunt・sReligi・s・s)
と会 見 す る こ とが で きた 。 レ イ ノ ソ総 局 長 は,本
り,か
法 律 の 制 定 に 関 わ っ て きて お
つ 今 後 の 施 行 に直 接 責 任 を担 うべ き立 場 に あ った が,そ
の よ うな直接 の
担 当 者 か ら本 法 の 基 本 理 念 と課 題 に つ い て の 見 解 を伺 う こ とが で き た こ と は き
わ め て 有 意 義 で あ っ た 。 訳 出 の 原 本 とな っ た 本 法 律 の 原 文 は,そ
もの で あ る。 以 下,彼
の 見 解 を 交 え な が ら,本
の 際,頂
いた
法 制 定 の意 義 に つ い て 若 干 の 解
説 を記 した い 。
本 法 は,1917年
に制 定 さ れ た メ キ シ コ合 衆 国 憲 法 が 定 め る 「国 家 と教 会 の 厳
格 な 分 離 」 原 則 と,人
権 と して 保 障 され た
「信 教 の 自 由」 の 理 念 を前 提 と して,
国 家 が カ ト リ ック教 会 を含 む す べ て の 宗 教 の 自 由,多
様 性,寛
容,平
等 を保 障
す る た め に制 定 され た もの で あ る 。 な か で も,本
法 に よ っ て 宗 教 団 体 に 「法 の
前 の 平 等 」 原 則 に基 づ い て 法 人 格 が 与 え られ,そ
の 宗 教 法 人 が 独 自 の 財 産(動
宗教団体および0般 的な信仰 に関する法律293
産,不 動 産)を 所 有 す る こ とが で きる ように な った こ と,ま た団体 規則 に基 づ
く教 団 内 自治 の尊 重,布 教 を含 む宗 教 上 の活 動 の 自由が拡 大 され た こ とな どは,
メキ シ コの教 会 と国家 の関係 史 の上 で 画期 的 な 出来 事 で あ る。
ユ6世紀初 頭,メ
キ シ コ を含 む中南 米 の広 大 な地域 は スペ イ ンに よ って征 服 さ
れ,「 ヌエ バ ・エ スパ ーニ ャ」 王 領 植 民 地 が つ くられ た。 カ トリ ック教 会が 国
教 と して 導入 され,当 時 の主 流 文 明 で あ ったマ ヤ,ア
殿 は徹 底 的 に破壊 され た。 そ の後,カ
させ,メ
ステ カ の信 仰,神 像,神
トリ ック教 会 はその勢 力 を飛躍 的 に増 大
キ シコの広 大 な土 地 を所 有 し,金 融 に まで手 を伸 ばす な ど封 建 的土 地
所有 勢 力 と して君 臨 した。 そ の も とで多 くの小 作 人 を使 役 して莫 大 な富 を手 中
に した のみ な らず,国 民 の教 育 も独 占 し,イ ンデ ィオや メス テ ィー ソ(イ
ィオ とスペ イ ン人 の混 血)の
ンデ
カ トリ ック化,西 洋化 に重 要 な役 割 を果 た した。
メキ シ コ は1820年 に独 立 を達 成 したが,教 会 の富 と特 権 を剥 奪 す る こ とは な
か なか で きず,む
しろ新 しい統 治 者 と教 会 との連 合 に よ って支配 を維 持 せ ざる
を得 ない状 態が 続 い た 。 そ の結 果,教 会 は宗教,文 化,教
方 面 に圧 倒 的 な影 響 力 を もった一 大 勢力 で あ り続 け,1910年
育,政 治,経 済 の各
の メキ シ コ革 命 当
時 に はメ キ シ コの土 地 の半 分 以上 を所 有 してい た と言 わ れ てい る。 それ で も,
19世 紀 後 半 に は 自由 主義 勢 力 の台 頭 や進 歩 的 文化 人 の運 動 な どに よ って,「 ベ
ニ ー ト ・フ ァ レス法 」(1855),「
な どの 改革 諸 法 に よって,カ
な され た 。 しか し,1876年
レル ド法」(1856),「
イ グ レシ ア法 」(1858)
トリ ック教 会 の独 裁 的,特 権 的地位 を奪 う試 みが
に大統 領 とな り,以 後30年 間独 裁 者 と して君 臨 した
デ ィアス 将軍 の 統治 下 で,教 会 の特 権 は復活 し,大 土 地所 有 は拡 大 し,外 資 導
入 に よる産業 化 は進 ん だが,一 般 民 衆 の貧 困化 は極 限 に まで達 した。
この圧 政 に対 し自由主 義者 と農 民,労 働者,民
衆 が立 ち上が り,1910年
10年 間 に わた るメキ シコ革命 に突 入 して い った。1917年,革
から
命 の諸成 果 を明文
化 した ラテ ン ・ア メ リカで もっ と も進 歩 的 な憲 法 が 制定 され,立 憲 民 主連 邦 共
和 国 と しての基 本 政体 が 定 め られ た ほか,三 権 分 立,政 治 の民 主 化,農 地 改革,
公教 育 の実 現,産 業 育成 の諸施 策 が行 わ れ た。 そ の過程 で,そ れ まで の独 裁 政
治 の 一翼 を担 い,教 育 を独 占 して 国民 の知 的 向上 を阻害 して きた カ トリ ック教
会 勢 力 の徹 底 的 な解体 は革 命 の 主要 な 目標 とな った。
294
そ の結 果,教 会 の土 地,建 物 は政府 に よ って没 収 され,教 会 や宗教 団体 に よ
る所 有 が 禁止 され る こ とにな り,以 後,宗 教 行 事 ・活 動 を行 う施 設 は,既 存 の
教 会堂 な ど も含 め,政 府 に よる貸与 とい う形 に な り,そ の 活動 は著 し く制 限 さ
れ る こ ととな った 。 また,教 会 に よる学校 経 営 や教 育 施設 へ の関与 の禁止,公
教 育 で の宗 教教 育 の禁止 が定 め られ たほ か,婚 姻 に対 す る教 会 の裁 可 の不 要,
許可 され た教 会堂 以外 で の宗教 行 事 開催 の制 限,街 頭 で の布教 禁止,宗 教 的 刊
行 物 の 禁止,政 治 活 動 の禁 止,宗 教 団体 の長 は出生 メキ シ コ人 で な けれ ば な ら
な い こ と,聖 職 者 は公 民権 を有 しない こ と,政 府 を批 判 す る言動 の禁止,外
国
人 聖職 者 は当初 の6年 間 しか滞 在 を認 め ない等 々,極 め て厳 格 な 国家 と教 会 の
分 離原 則 が貫 かれ る こ と とな った。
この よ うな急 進 的 と もい える改革 は,当 然 ローマ ・カ トリ ック教 会 か らの激
しい反 発 を招 き,1926年7月3日,ロ0マ
法 王 ピオー 世 は メキ シ コ市 全体 を破
門に し,13日 に は教 会 と聖 職 者 の歴 史上初 の ス トライ キが行 われ て,ス ペ イ ン
征 服 以 来約400年 間で初 めて教 会 ミサが 止 まった。 「キ リス ト教徒 の反 乱」 と呼
ばれ た この ス トライ キ は,そ の 後3年 間続 き,そ の 間,出 生 児 の洗礼 や,葬 儀
も教 会 で行 われ る こ とはな か った。 しか し,教 会 の独 占的特 権 的地位 へ の 国民
の批 判 は強 く,国 家 と教 会 の徹 底 的 な分 離 と信 教 の 自由 の保 障 は広 く支持 され ,
定 着 して い った ので あ る。
他 方,国 家 と教 会 が分 離 され て も,国 民 の80%か
ら90%は
い まだ に カ トリ ッ
ク信 者 で あ り,教 会 は国民 の 日常 生 活 の 中 に定着 して い る。従 って,教 会 は現
実 に はあ るが,法 的 には存 在 しな い とい う奇妙 な状 態 が続 い て きた こ とに な り,
法 治 国家 と して法体 系 の矛 盾 を どの よ うに修 復 す るか,さ
らに教 会 と国家 との
関係 を敵対 的 な状 態 か らい か に改 善 す るか が歴 代 政権 の課 題 で もあ った。
今 回の 「
宗 教 団体 お よび0般 的 な信 仰 に関す る法律 」 の 制定 は,こ の大 きな
課題 に対 す る現 サ リー ナス 大統 領 の挑 戦 で もあ った。 この 法律 の詳 細 につ い て
は,訳 出 され た条文 と翻訳 者 ・岡部史信 君 の訳 注 「本 法 の 理解 のた め に」 を読
ん で い ただ け れ ば多言 を要 しない と思 われ るが,主 要 な特 徴 の い くつ か を整 理
して お きた い。 まず,こ
の法律 に よ って カ トリ ック教 会 を含 むすべ て の宗 教 団
体 に法 人格 を取得 す る道 が 開 け,宗 教 団体 に対 す る法 的 な基 盤 が整 った。 す な
宗教団体および一般的な信仰に関する法律295
わ ち,メ キ シコ国 内 に拠 点 を もち5年 以 上 の活 動 実績 のあ る宗教 団体 は,第7
条 に規 定 され る要件 を満 た してい れ ば,内 務 省 に登 録 す れ ば法 人格 を取得 で き
る。 た だ し,特 権 的 な宗 教 団体 はあ り得 ず,す べ て の宗教 は法 の前 で平 等 で あ
る。許 可 され た宗教 法 人 は,以 後,自 前 の土 地 ・建物 を所 有 して 活動 を行 う こ
とが で きる よに な った 。法 人税 は免 除 され,教 団へ の寄付 は非 課 税扱 い とな る。
ただ,所 有 す る不 動 産 へ の 課税 は,一 般 と同 じで あ る。 また,以 前 に政 府 が所
有 して い た宗教 団体 使 用 の 土地 ・建物 はその ま ま政府 保 有 とな り,教 団 に引 き
続 き貸 与 され る。
聖職 者 に も選 挙権 の み は与 え られ た 。代 表者 は,外 国生 まれ で あ って もメキ
シ コ国籍 を取得 して い れ ば認 め られ る こ とにな った。 これ まで寺 院,教 会 内 に
限 られ て い た宗 教 行事 は事 前 の通 知 また は許可 に よって,そ れ以 外 で も認 め ら
れ る よ うに な った。 マ ス メ デ ィ アの所 有,使 用 は で きないが,宗 教 的 内容 の印
刷 物 出版 は許可 され るな ど,国 家 の統 治 に抵触 しな い範囲 で 一定 の 自由な活 動
の余 地 が広 げ られ た とい える。 た だ し,政 治 目的 の集 会 や選 挙支 援 活動 な どの
政 治 活動 は厳 し く禁 止 され る ほか,外 国 政府 の介 入 や保護 を受 けな い こ と等 が
銘 記 され て い る。
この よ うな規 定 の歴 史 的政 治 的意 味 は,と
りもな お さず カ トリ ック教 会 と国
家 との関係 が対 決 的 な もの か ら,政 教 分 離原則 下 で の法 的平 等 の原 則 に よ る取
り扱 いへ と正常 化 した こ とであ ろ う。 また,社 会学 的 に はメ キ シ コ社 会 の変 化
を反 映 して い る と もい え る。 国民 の カ トリ ック信 仰 が圧 倒 的で あ る こ とはい う
まで もない もの の,プ
ロテ ス タ ン ト諸教 会 や キ リス ト教 以外 の諸 宗教 も定 着 し
つつ あ る。前 述 の レイ ノ ソ総 局 長 の説 明 に よれ ば,宗 教 的多 元化 と各 宗教 の共
存 を前 提 と した法律 で あ る とい う。 ち なみ に1990年 の人 口調 査 に よ る と,カ
リ ック教徒89.69%,プ
そ の他1.15%,無
ロテ ス タ ン ト ・福 音 諸教 会 信 徒4.89%,ユ
宗 教3.24%,不
明0.66%で あ り,カ
ト
ダヤ教 徒0.08%,
トリ ック教 徒 の割 合 は少 し
ず つ減 少 して い る こ と も事 実 で あ る。独 立 お よび革命 期 以 来 め ざ して きた メキ
シ コ社 会 の近 代 化,産 業 化 が,最 近 の北 米 自由貿 易 協 定(NAFTA)の
成立に
よって急 速 に加 速 され て きたが,そ の社 会 変動 に対応 す る宗教 文 化 領域 で の 変
化 を正面 か ら受 け とめ る法 的基 盤 が 整備 され た ので あ る。 この宗 教 団体 法 の 下
296
で,メ
キ シ コ宗 教 界 が ど の よ う に変 化 して い くか,興
お,筆
者 が レイ ノ ソ総 局 長 と面 会 し た9月20日(火)の
1,865団 体 あ り,う
ち615団 体 が 認 可 さ れ,年
味 深 い と こ ろ で あ る。 な
段 階 で の 法 人 申請 数 は
末 まで に さ ら に200団 体 く らい が
認 可 さ れ る こ と だ ろ う と の こ とで あ っ た 。
追 記:本 稿 は,「平成5年 度 文 部省 科 学研 究 費補 助 金(国 際学術 研 究)」(代表 者 ・
荒 木 美 智雄 筑 波 大学 教授)に
に関 して,メ
基 づ く調査 研 究 の成 果 の一 部 で あ る。本 法 の 収録
キ シ コ在住 の水 城 栄造 氏,原 稔 氏 そ の他 の方 々 の協力 をい ただ い
た。 各位 に対 し,心 か ら感 謝 申 し上 げた い。 また 翻訳 は,当 比 較文 化研 究所 助
手 の岡部 史信 君 にお 願 い した。原 典 な らび に現行 憲 法 の規 定 との 関連 につ い て,
訳 者 が 「本 法 の理 解 の た め に」 と題 して丁 寧 に註 釈 して い るので参 照 して い た
だ きた い。
(なか の
つよし
文学 部 社 会 学科 教授 ・比 較 文化研 究所 所 員)
宗教 団体 お よび一
一般 的 な信仰 に関す る法律297
宗 教 団体 お よび 一般 的 な信 仰 に関 す る法 律
本 文 書 余 白 に押 印 され た 国 家 紋 章 印 に は,メ
キ シ コ合 衆 国,共
和 国大 統領 府
と刻 印 さ れ て い る。
メ キ シ コ合 衆 国 大 統 領 カ ル ロ ス ・サ リ ー ナ ス ・デ ・ゴ ル タ リ は,国
民 に対 し,
合 衆 国 議 会 が 以 下 の 法 案 を提 出 した こ と を知 ら しめ る。
メ キ シ コ合 衆 国議 会 は,
宗 教 団体 お よび 一般 的 な信仰 に関 す る法 律
を制 定す る。
第1編
第1条
総則
本法 は,国 家 と教 会 の分離 お よび信 教 の 自由 に関 す る史 的原 理 に基 づ
い た,宗 教 団体,宗 教 上 の組織,教
会 お よび一 般 的 な信 仰 に関 す る事 項 につ
い て,メ キ シ コ合 衆 国憲法 が 定 め る条 項 の細則 で あ る。 本法 各 条項 は,公 の
秩 序 に従 い,か つ領 土 内 におい て普 遍 的 に遵 守 され な けれ ば な らない。
宗 教 的信 念 は,い か な る場 合 にお い て も,国 法 の遵 守 を免 除 す る もの で は
な い。何 人 も,諸 法 規 に記 載 され た責 務 を回避 す る 目的 で,宗 教 上 の根拠 を
主張 す る こ とはで きない 。
第2条
メキ シ コ合 衆 国 は,各 人 に対 し,宗 教 上 の事 項 に関 す る以下 の権利 お
よび 自由 を保 障 す る。
a .自 己の最 も好 み に合 う宗 教 を保 持 あ るい は選択 す る こ と,ま た個 別 的 あ
るい は集 団 的方法 で,そ の信 ず る と ころの宗 教 上 の活 動 あ るい は典 礼 を実
践 す る こ と。
b.宗
教 を信 じない こ と,宗 教 上 の活 動 お よび典礼 の実 践 を放 棄 す る こ と,
また宗 教 団体 に関係 しない こ と。
!・a
c.宗
教 を原 因 と して,差 別,強 要 お よび敵 意 の対 象 とな らな い こ と,ま た
自己の信 ず る宗 教 を公 表 す る こ と も強 制 され ない こ と。
何 人 も,他 者 に対 し,そ のい か な る作 業 あ るい は活動 の遂行 を妨 害 す る
目的 で,宗 教 上 の根 拠 を主 張 す るこ とはで きない。 ただ し,本 法 お よびそ
の他 の適 用 法令 にお い て あ らか じめ 規 定 され て い る場 合 は除外 され る。
d.人
的奉 仕 の提 供 また は金銭 あ るい は現 物 の 寄付 を,宗 教 団体,教
会,そ
の他 の いか な る宗教 上 の組織 を支援 す るため に強 制 され な い こ と,ま た 同
様 に,宗 教 上 の典礼,式
典,祭 典,奉 仕 また は活 動 に参 加 す る こ と,あ る
い は寄 付行 為 を強 制 され ない。
e .宗 教 上 の見 解 を公 表 す る こ とが,0切
の司 法上 あ るい は行政 上 の審査 の
対 象 とな らな い こ と。
f.宗
第3条
教 上 の 目的 で,平 和 的 に参 集 す る こ と。
メ キ シ コ合 衆 国 は,非 宗 教 的存 在 で あ る。国 は,一 切 の個 別 的 あ る い
は集 団 的 な宗 教 上 の表 明 に関 して,法 の遵 守,秩 序 の維 持,公 衆 道 徳 お よび
第 三者 の諸権 利 に関係 す る限 りにお い て のみ権 限 を行 使 す る。 国 は,特 定 の
宗教 に,何 らかの優 遇 お よび特 権 を付 与 す る制 度 を設 け る こ とが で きな い。
また,一 切 の教 会 あ るい は宗教 上 の組 織 につ い て も,優 越 的 あ るい は抑 制 的
な制度 を設 ける こ とが で きない。
公 式 証 明書 に は,個 人 の宗 教 に関す る記 述 は記 載 され な い。
第4条
各 人 が市 民 と して の身分 で遂 行 す る活動 は,法 律 が確 立 す る条項 に よ
り,当 局 の排 他 的権 限 に属 し,そ れが 付 与 す る強 制力 お よび法 的効 力 を有 す
る。
真 実 を宣誓 しか つ契 約 に基 づ く責 務 を履 行 す る こ とにつ いて の略式 誓 約 を
なす とい うこ とは,そ れ を履 行 す る こ とに承 諾 す る こ とで あ り,そ れ に違 反
した場 合 は,本 法 が確 立 す る制 裁 を受 け る。
第5条
本 法 の条 項 に反 す る法律 上 の行 為 は,当 然 に無 効 とな る。
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律299
第2編
第1章
宗教 団体
第6条
団体 の性 格,設
立 お よ び機i能
教 会 お よび宗教 上 の組 織 は,本 法 の条項 に よ り,内 務省 に団体 設 立 に
関 す る相 応 の登 録 をな したあ と,直 ちに,宗 教 団体 として,法 人 格 を取得 す
る。
宗教 団体 は,固 有 の 団体規 則 に基 づ いて,団 体 内部 の運 営 を遂 行 す る。 団
体 規則 に は,自 己の教 義 あ るい は信 仰 に関 す る根 底 的 な基 準 が記 載 され,か
つ 団体 の代 表者 また 団体 に属 す る内部 組織 お よび部局 が存在 す る場 合 には,
そ の代 表 者 が特 定 され る。上 記 の 内部 組織 お よび部局 は,団 体 の構 造 お よび
目的 の都 合 に応 じて,地 域 的規 模 の そ れ あ るい は団体 自体 の 内部 の 自治 組織
の そ の他 の形 態 に対 応 す る こ とが で き,か つ本 法 の 条項 に よ り,同 様 に,法
人格 を共 有 す る こ とがで きる。
宗 教 団体 は,権 利 お よび義 務 に関 して,法 の前 で平 等 で あ る。
第7条
宗教 団体 の設 立 に 関す る登録 を申請 す る者 は,教 会 あ るい は宗教 上 の
組織 が 以 下 の要件 を具 備 して い る こ とを証 明 しな けれ ば な らな い。
1.宗
教 上 の教 義 あ るい は団体規 則 の遵 守,実 践,布 教 あ るい は指 導 に専
ら従 事 して い る こ と。
II.少 な くと も5年 間,メ キ シ コ共和 国 内 で宗教 上 の活動 を展 開 しかつ 共
和 国 内部 に住 所 を定 めて い る こ と,さ らに国民 の 間で 明確 に認 知 され信
頼 関係 が築 か れ て い る こ と。
皿.団 体 の 目的 を達 成 す るた めの 充分 な資産 を提 出 して い る こ と。
IV.本 法 第6条 第2段
V.前
に規定 された 団体 規則 を具備 して い る こ と。
項 の場 合 にお い て,憲 法 第27条1。
お よびH.に
規定 され た とこ ろ
を充 足 して い る こ と。
本条 が規 定す る登 録 申請 の要 旨 は,官 報 に公 表 しな けれ ば な らな い。
第8条
宗 教 団体 は,以 下 の点 につ いて遵 守 しな けれ ばな らない。
1.憲
法 お よび憲 法 を法 源 とす る法律 を常 に遵 守 し,ま た国 の機 関 を尊 重
300
す る こ と。
H.営
第9条
利 目的 あ るい は経 済 的 目的の 追 求 を主 た る活動 と しない こ と。
宗 教 団体 は,本 法 お よび同施行 規則 の定 め る とこ ろに よ り,以 下 の権
利 を有 す る。
1。 独 占的 に使 用 す る名称 に基 づ い て,団 体 の存在 が証 明 され る こ と。
1.団
体 の 内部 組織 を 自由 に編 成 し,ま た団体 の長 の構 成 形態 お よび任 命
形 式 を含 め た,権 威 機 関 お よび権 力 機 関 を統 括 す る団体 規則 あ るい は規
程 を取 決 め るこ と。
皿.本 法 お よびそ の他 の適用 法 令 の条 項 お よ び規 定 に反 しない 限 り,団 体
の教 義 を布 教 し,か つ 宗教 上 の 活動 を実 践す る こ と。
IV.団 体 の合 法 的 な 目的 を達 成 す るた め,ま た営利 目的 を追求 す る もので
な い限 り,あ らゆ る種類 の法律 行 為 をなす こ と。
V.営
利 目的 を追求 す る もの で ない 限 り,ま た以 下 の事 項 につ いて定 め る
本条 お よび その他 の法律 を遵 守 して,団 体 が,単 独 あ る いは 自然 人 な い
し法 人 と協 力 して,民 間診 療 施設,教
育 施設 お よ び保 健施 設 の設立,管
理,維 持 また は執 行 に参 加 す る こ と。
W.独
占的手 続 きに お いて,宗 教 上 の 目的 の ため,法 規 が規 定 す る ところ
に よ り,国 有財 産 を使用 す る こ と。
Yll.本 法 お よびそ の他 の法律 が 団体 に付 与 す るそ の他 の権 利 を享受 す るこ
と。
第10条
本 法 が規 制 す る事 項 につ いて,第6条
登 録 を具備 して い ない者,あ
るい は教 会,お
が規 定 す る団体 の設 立 に関す る
よび宗教 上 の組織 が,習 慣 的 な
様 式 で実 施 す る行為 は,そ の 限 りにお い て,本 法 で確 立 され た義 務 の対 象 と
な る 自然 人 あ るい は法 人 に帰 属 す る もの とみ な され る。 この よ うな教 会 お よ
び宗教 上 の組 織 は,本 法 第9条IV。,V.,V[.お
よびYll.,さ らにそ の他 の
=適用 条 項 が規 定 す る権 利 を有 しない。
宗教 団体 とそ の職 員 との 間の 関係 は,適 用労 働 立 法 に定 め られ た ところ に従
う。
宗教 団体 お よび一般 的 な信 仰 に関す る法律301
第2章
第11条
団体 の構成 員,長 お よび代表者
本 法 が規 定 す る登 録 の実 効 性 を確 保 す るため,宗 教 団体 の構 成 員 とは,
成 人年 齢 に達 して お り,団 体 規則 に従 い,そ の資格 を保 有 して い る者 で あ る。
宗 教 団 体 の代 表者 は,メ キ シ コ国籍 を有 しかつ 成 人年齢 に達 した者 で な け
れ ば な らず,ま た この業務 を担 当 す る当局 に対 し,そ の資 格 を保持 して い る
こ と を証 明 しな けれ ば な らな い。
第12条
本法 の実効 性 を確 保 す る ため,団 体 の長 は,宗 教 団体 に属 す る成年 に
達 した者 の なか か ら,団 体 が そ の資 格 を付 与 した者 で あ る とみ な され る。宗
教 団体 は,こ の点 に関 して,そ の決 定 を内務省 に通 知 しな けれ ば な らない。
宗教 団体 が この通 知 を怠 った場 合 な い し教 会 あ るい は宗教 上 の組 織 の取 扱 い
につ い て は,そ れ らの 内部 で,主 要 な職 務,管 理 運 営 の職 務,代 表 あ るい は
組織 編 成 の業務 を担 当 してい る者 が,団 体 の長 とみ な され る。
第13条
メ キ シ コ国民 は,あ
らゆ る信 仰 の長 と して の職務 に就任 す る こ とが で
きる。 外 国 人 も,住 民 に関 す る一 般 法 の定 め る とこ ろに よ り,本 国へ の入 国
お よび滞在 を証 明 し,か つ そ の移 民 の資格 が宗教 的範 疇 の 活動 の実践 を禁止
す る もの で な い限 り,同 様 に,そ の職 務 に就 任 す る こ とが で きる。
第14条
あ らゆ る信 仰 の長 と して の職 務 に就 任 す る メキ シ コ市 民 は,現 行 の選
挙 に関 す る立 法 の定 め に よ り,投 票 権 を有 す る。 当該 市民 は,選 挙 で 選 出 さ
れ る職 務 に就任 す る ため の被 選挙 権 者 とな る こ とが で きず,ま
た上 級 の公 務
を遂 行 す る こ と もで きない。 た だ し当該選 挙 が実 施 され る 日あ るい はそ れぞ
れの 職務 の就任 を承 諾 す る 日以前 に,前 者 の職務 に 関 して は少 な くと も5年
間,後 者 に 関 して は3年 間,手 続 的,実 質的 かつ 決 定 的 に,団 体 の長 と して
の職務 を放 棄す る場合 は,こ の 限 りで はな い。 そ の他 の公 職 に就 任 す る場 合
は,6ヶ
月 で足 りる。
また長 は,政 治 的 目的 を もって結 合 す る こ と,さ
らに特 定 の候 補 者,政 党
あ るい は政 治結社 に有 利 あ るい は不利 とな る活 動 を行 うこ と もで きな い。
長 が その職 務 を放 棄 した場 合,宗 教 団体 あ る い は解 任 され た長 が,そ
の日
か ら30日 以 内 に,内 務 省 に通 知 しな けれ ば な らない。 長 が そ の職務 を辞任 す
302
る場合,そ
れ を記 載 した文書 が宗教 団体 の法 的代 表者 に受領 され た こ とを証
明す る こ とで,そ の事 実 を証 明す る こ とが で き る。
長 の解 任 あ るい は辞 任 につ い て は,内 務 省 に通 知 され る こ とに よ り実 効 性
を有 す る。
第15条
長,そ
の尊 属,卑 属,兄 弟 姉妹,配 偶 者 お よび これ らの者 が所 属 す る
宗 教 団体 は,自 治 体 の 問題 にお け る連 邦 区 さ らに連邦 の 問題 にお け る共和 国
全 土 のた めの民 法 第1325条 の定 め に よ り,長 白身が精 神 的 な教 導 あ るい は助
言 をな した者,ま
た 四親等 以 内 の血縁 関係 を有 してい ない者 の遺 言 に よ る相
続 を行 う こ とが で きない。
第3章
第16条
財産制度
本法 に従 い設 立 され た宗教 団体 は,団 体 の 目的 を達成 す るた め に,固
有 の財 産 を所 有 す る こ とが で きる。名 目の如 何 を問 わず,団 体 が取 得,所 有
あ るい は管 理 す る一切 の財 物 に よ り構 成 され る上記 の財 産 は,団 体 の 目的 あ
るい は その なかで提 唱 され て い る個 別 的 目標 を達成 す る ため,絶 対 に必 要不
可 欠 な要 素 で あ る。
宗教 団体 お よび長 は,自
らあ るい は第三 者 を介 して,ラ
ジ オ局,テ
レビ局
あ るい は あ らゆ る通信 機構 を経 営 す る権 利 を所 有 また は管 理 す る こ とが で き
ず,ま
た一切 の大 規模 通 信 手段 を取得,所
有 また は管理 す る こ と もで きな い。
宗 教 的性 格 を有す る印刷 物 の 出版 は,現 行 の禁止 の対 象 か らは除外 され る。
清算 に係 る宗教 団体 は,そ の財 産 を,名
目の如 何 を問 わず,他
の宗教 団体
に委 譲 す る こ とが で きる。清算 が本 法 第32条 に規 定 され る制 裁 の実 行 の結 果
と して開始 され る場 合,清 算 に係 る宗 教 団体 の財 産 は,公 的扶 助基 金 に委譲
され る。 当該 団体 が保 持 して い た国家 財 産 は,当 然 に 国の公 共 財 産 の所 有権
のな か に返還 され る。
第17条
宗 教 団体 が,名
目の如 何 を問 わず,取 得 す る意 図 を有す る不 動 産 につ
いて,そ れ が必 要不 可 欠 の性 格 の もの で あ るか否 か の決 定 を行 うの は,内 務
省 で あ る。 この ため,以 下 の場 合 にお いて,そ
1.一
切 の不 動 産 に関連 す る場合 。
の妥 当性 が公 示 され る。
宗教団体および一般的な信仰 に関する法律303
11.宗 教 団体 が 被相 続人 あ るい は受遺 者 とな る こ とが で きる一 切 の相 続財
産 の場 合。
皿.宗 教 団体 が 受託 者 と して の資格 を有 す るこ とが要 求 され る場合 。 ただ
し,当 該 団体 が 唯一 の信 託 遺贈 者 で あ る場 合 は除外 され る。
IV.宗 教 団体 が,自
らあ るい は他 者 と連 携 して,民
間診 療 施 設 ,保 健 施 設
あ るい は教 育 施 設 の設立,管 理 お よび運 営 に関す る,そ
う した施 設 が所
有 者 あ るい は受 託 者 で あ る とき,そ の存 立基 盤 に係 わ る財 産 に関連 す る
場合。
妥 当性 の公示 に関 す る申請 に対 し,所 轄 庁 は,45日
を越 え ない期 間 内 で,
意 思表 示 を しな けれ ばな らない。 これ が な され ない場 合 は,認 可 され た もの
とみ な され る。
前 項 に規 定 され た場 合 にお いて,所 轄庁 は,関 係 当事 者 の 申請 に対 し,同
項 に お いて規 定 され た期 間が 経過 した こ とを示 す証 明書 を交 付 しなけれ ばな
らな い。
宗教 団体 は,内 務 省 に,す べ て の不 動 産 を登 録 しな けれ ば な らな い。 これ
は,当 該 事項 に関 して,そ の他 の法律 で規 定 され てい るその他 の義 務 の履 行
を妨 げ る もの で は ない。
第18条
宗教 団体 が不 動 産 の所 有権 を取 得 す る こ とを意 図す る法 律 行為 の有効
性 に介 入 す る,国 民 か ら信 頼 を付 与 され た所 轄 庁 お よび公 務 員 は,上 記 の 団
体 に対 して,内 務 省 か ら送付 され た妥 当性 の公 示 に関す る書 類,あ
るい は,
場 合 に よ り,前 条 に規 定 され た証 明書 を要 求 しな けれ ば な らない 。
上 述 の法 律行 為 に介 入す る,国 民 か ら信 頼 を付 与 され た公務 員 は ,当 該 不
動 産 が 団体 の 目的 の用 途 に使 用 され な けれ ば な らな い こ とを,所 有権 登 録 局
が 必要 な登 録 をなす ため に,当 該 局 に対 し,通 知 しな けれ ば な らな い。
第19条
本 法 が規 制 す る財 物,自 然 人 お よび法 人 に は,こ の問題 に関 す る法律
が定 め る ところ に よ り,租 税 に関 す る規 則 が適 用 され る。
第20条
宗教 団体 は,考 古 学 的,芸 術 的 あ るい は歴 史 的 に価 値 の あ る建 造物 で
あ り,か つ 国 の財 産で あ る宗 教 上 の活 動 に供 され る場 所 あ るい は建 物 お よび
財 物 の管理 責任 を担 当 す る代 表 者 を指 定 し,さ らに社 会 開発 省 お よび国 家文
304
化 芸術 会 議 に登 録 す る。 当該 団体 に は,法 律 の定 め る ところ に よ り,上 記 の
財 産 を完 全 に保 存 し,そ の補 整 お よび修 復 に留 意す る こ とが 義務 づ け られ る。
宗 教 団体 が,使 用 お よび保 持 す る国 の所 有 に属す る財 産 は,本 法 お よび国
家財 産 に関す る一般 法 の対 象 で あ り,こ の場 合,考 古 学 的芸術 的歴 史 的 に価
値 の あ る建 造 物 お よび 区域 に関 す る連 邦 法,お
よ びそ の他 の適 用法 令 に準 じ
られ る。
第3編
第21条
宗教 上の活動
一 般 的 な信 仰 で の宗 教上 の活動 は,通 常,そ
う した活 動 の ため に供 さ
れ る建 物 あ るい は場所 にお いて遂 行 され る。 唯 一,本 法 お よびそ の他 の適 用
法 令 の定 め る ところ に よ り,例 外 的 に,そ の外 で活 動 す る こ とが で きる。
宗 教 団体 が,例 外 的 に,印 刷 物で は ない大 規模 通 信 メデ ィア を通 じて,宗
教 上 の活動 を伝播 あ る い は流 布 す る こ とが で きるの は,内 務 省 の事 前 の許 可
を受 け た場 合 に限 られ る。 い か な る場 合 にお いて も,宗 教 上 の活動 は,国 家
に当 て られ た ラジ オお よびテ レビの 時 間帯 に放 送 す る こ とが で きない 。
前項 に規 定 され た場 合 にお い て,通 信 メデ ィア の番 組編 成 者,ス ポ ンサ ー,
総代 理 店 お よび事 業主 は,こ れ に関係 す る宗教 団体 と と もに,例 外 的 な性 質
を有 す る宗 教 上 の活動 に関す る規 則 の履 行 につ い て,連 帯 して責 任 を負 う。
宗教 上 の活 動 の た め に供 され る建 物 あ るい は場 所 にお い て,政 治 的 な性 格
を有 す る集 会 を開催 す る こ とはで きな い。
第22条
一般 的 な信 仰 で の,例 外 的 な性 格 を有 す る宗教 上 の 活動 を,そ
う した
活動 の ため に供 され る建 物 あ るい は場 所 の外 で実 施 す るため には,そ の活 動
の企 画 者 は,権 限 を有す る連邦 当局,連 邦 区当局,州
当局 あ るい は市 町村 当
局 に対 し,そ れ を実行 しよ う とす る 日以前 少 な くと も15日 前 まで に,事 前 に
届 出 を しな けれ ば な らな い。 この届 出 には,場 所,日 付,当
該 活動 の時 間帯,
お よびそ れ を実行 す る動 機 を表示 しな けれ ば な らない。
所 轄庁 は,理 由 を付 した決 定 に基 づ いた通 知 にお いて,上 述 の活 動 の挙行
を禁止 す る こ とが で きる。 そ の理 由 とは,安 全 上 の理 由,健 康 お よび道 徳 の
宗教団体 および一般的な信仰 に関す る法律305
庇 護,平 穏 お よび公 共 の秩 序,さ
第23条
らに 第三者 の権 利 の保護 に限 られ る。
以 下 の行為 に関 して は,前 条 に規 定 された 通知 は必 要 とされ な い。
1.信
仰 の ため の場 所 に,通 常,集
団で移 動 す る行為 。
II.宗 教 上 の記 念 式 典 を開催 す る 目的 で,個 々 入 の住 居 を往 来す る行 為 。
IH.遮 断 され た場所 あ るい は一 般 人 が 自由 に近 づ くこ とが で きな い場 所 で
行 な わ れ る行 為 。
第24条
一 般 的 な信 仰 の ため に供 され る建 物 あ るい は場 所 を提 供 しよ うとす る
者 は,内 務省 に対 し,開 設 の 日か ら30日 を越 え な い期 間内 に通 知 しなけれ ば
な らな い。 この規則 を遵 守 す る こ とは,そ の他 の問題 にお け る適 用条 項 の履
行 の義 務 を免 除 す る もので はない 。
第4編
第25条
所轄庁
本法 の適 用 は,内 務 省 を通 じて,連 邦 政府 が担 当す る。州 当局,市 町
村 当局 お よび連 邦 区当局 は,本 法 の定 め る ところ に よ り,連 邦 政 府 を補 佐 す
る もの とす る。
連邦 当局,州 当 局 お よび市 町村 当局 は,宗 教 団 体 の 内部 問題 に介 入す る こ
とが で きない。
上 記 の各 当局 は,い か な る宗教 上 の活動,さ
らに,こ れ と同様 の動 機 あ る
い は 目的 を有 す る活 動 に も,公 的 な 身分 で,参 加 す るこ とが で きない。外 交
上 の業 務 の遂行 に係 わ る場 合 に は,適 用 条項 の定 め る ところ に よ り,委 託 さ
れ て い る任 務 の履 行 の範 囲 内 に限定 され る。
第26条
内務 省 は,宗 教 団体 の登 録,お
よび,宗 教 団体 が,名
目の如 何 を問 わ
ず,所 有 お よび管 理 す る不動 産 の登録 に関 して,こ れ を現 実 に相 応 す る よ う
に編成 し,ま た こ れ を維 持 す る。
第27条
内務省 は,本 法 の問題 につ い て,州 当局 と,協 同 あ るい は調 整 に関 す
る協 定 を締結 す る こ とが で きる。
州 当局 お よび市 町村 当局 は,本 法 お よび同施 行規 則 の定 め る とこ ろに よ り,
例 外 的 な性 格 を有 した宗教 上 の活動 の 開催 に関す る届 出 を受 理 す る。 また,
306
州 当局 お よび市 町村 当 局 は,内 務 省 に対 し,本 法 お よび同施 行規 則 が あ らか
じめ規 定 す る ところ,ま た,場 合 に よ り,協 定 に基 づ い て,そ の権 限 を行 使
して い る こ とに関 して,報 告 しなけ れ ば な らな い。
第28条
内務 省 は,以 下 の手続 きに基 づ いて,宗 教 団体 間で生 じる紛 争 を解 決
す るた めの権 限 を有す る。
1.法
律 上 の利 害 関係 にお い て損 害 を受 けた宗教 団体 は,内 務省 に,苦 情
を申立 て る。
H.内
務 省 は,苦 情 を処 理 し,通 知 を受 け た 日か ら10日 の期 間 内 に回答 す
るた め に,他 の宗 教 団体 に出頭 を命 じ,か つ 苦情 が 申立 て られ た 日か ら
30日 以 内 に開会 す る こ とが義 務 づ け られて い る和 解 委 員 会 に,当 該 団体
を召 喚 す る。
m.和
解 委 員 会 に おい て,内 務 省 は,両 当事 者 に対 し,当 該 論争 の融和 的
な解 決 を諮 るた めの勧 告 をなす 。 これが 不 調 に終 わ る場 合,高 度 な権 限
を有 す る仲 裁委 員 を指 名す る。
lV.両 当事 者 が仲 裁 を選択 す る場 合,両
当事 者 に事 前 に告 知 され て い る手
続 きが継 続 す る。両 当 事者 が そ れ を選択 しない場 合,メ
法第104条1.A.の
キ シ コ合 衆 国憲
定 め る と ころ に よ り,権 限 を有 す る裁 判所 が裁 判
権 を行使 す るため,内 務省 の権 限 は完 全 に放 棄 され る。
本 条 に規 定 され た手続 きは,権 限 を有す る裁判 所 に提 訴 す るた め の手 続 的
要 件 で はな い。
第5編
第1章
違 反 お よび制 裁,不 服 審 査 請 求
第29条
違 反お よび制裁
以 下 の行 為 は,本 法 が規 定 す る対 象 に該 当す る もので あ る限 り,本 法
に違 反す る。
1.政
治 的 目的 を もって結 合 す る こ と,ま た特 定 の候 補 者,政 党 あ るい は
政 治結 社 に有 利 あ るい は不利 とな る ,な ん らか の喧伝 あ るい は広 報活 動
を実行 す る こ と。
宗教団体および一般的な信仰 に関す る法律307
H.祖
国の象 徴 を侮 辱 す る こ と,あ るい は,い か な る形 態 に よる もので あ
れ,そ の拒 絶 を表 示 す る こ と。
皿.宗 教 団体 が,自
らあ るい は第三 者 を介 して,団 体 の 目的の た め に絶 対
に必 要不 可 欠 で あ る とは い えな い財物 お よび権 利,か つ てそ の よ うな性
格 を有 して い た譲 渡物 を,取 得,所 有 あ るい は管 理す るこ と。
lY.個 人 の健 康 あ るい は肉体 的純 潔 に有 害 で あ る よ うな指 導 の実 行 を奨 励
す る こ と。
V.団
体 の 目的 を達成 あ るい は実 現 す る ため に,攻 撃 あ るい は脅 迫 の手段
に よ り,肉 体 へ の 暴行 あ るい は精神 へ の圧 迫 を加 え るこ と。
Y1.内 務 省 か ら付 与 され る団体 設 立 の ため の登 録 が終 了 して い ない と きに,
宗 教 団体 で あ るか の ように誇 示 す るこ と。
Vll.団 体 が,名
目の如 何 を問 わず,取 得 して い る財 物 を,妥 当性 の公 示 に
お いて あ らか じめ示 した とこ ろ と異 な る 目的 の た め に供 す る こ と。
YW.団 体 の 目的 を,団 体 の宗教 的性 格 に決 定 的 な害 を及 ぼ し,あ るい は,
弱 体化 させ る よ うな手段 に よ り,逸 脱 させ る こ と。
IX.宗 教 上 の活 動 を,政 治 的性 格 の集会 に変 質す る こ と。
X.公
の集 会 の場 で,国
の法律 あ るい は その機 関 に対 して,反 対 の 意思 表
示 をなす こ と。
X[.国
の文 化 財 を構 成 す る財 物 で あ り,か つ教 会,宗 教 上 の組 織 あ るい
は宗教 団体 の使 用 に供 され て い る財 物 の完 全 性 ,保 護 お よび保存 に損 失
を与 え る よ うな行 為 を実行 あ るい は許 可す る こ と。 さ らに上 記 の財 物 が
完 全 かつ 価値 を保 持 した状 態 で あ るた め に必 要 と見 込 まれ る活動 を行 わ
な い こ と。
皿.本
第30条
法 お よび他 の適 用法 令 にお い て確 立 されて い るそ の他 の こ と。
本 法 が規 定 す る制裁 の適用 につ い て は,以 下 の 手続 きに従 う。
1.内
務省 の公 務 員 に よ り構 成 され る委 員 会 が,施 行 規 則 の定 め る ところ
に よ り制裁 機 関 とな る。 そ の決 定 は,多 数決 で 決議 され る。
II.所 轄庁 は,法 律 に違 反す る とみ な され る事 実 を当事者 に通 知 す る。 そ
の際,そ
の通知 の 日か ら15日 以 内 に,そ の正 当性 に適合 してい る こ とを
f:
申立 て,か つ証 拠 を提 出す るた め に,上 記 の委 員 会 に出頭 す る こ とを当
事 者 に通 告 す る。
皿。前項 の期 間が経 過 した場 合,当 事 者 が 出頭 した と否 とにか か わ らず,
上 記 の委 員 会 は,適 当 と思 われ る決 定 を命 ず る。 出頭 が な され て い る場
合,そ
の決 定 にお いて,当 事者 の 申立 て お よび提 出 され た証拠 を精 査 し
なけれ ばな らない。
第31条
本 法 に違 反 す る行 為 は,以 下 の要 件 を考 慮 して制 裁 され る。
1.過
失 あ るい は違 反 の性 質 お よ び重 大性 。
H.違
反 が 生ぜ しめ る社 会 的平穏 お よび公 の秩 序素 乱 の可 能性 。
皿.違 反 者 の経 済状 態 お よび指 示 の程 度 。
IV.再 犯 の有無 。
第32条
本法 の違 反者 に対 して は,前 条 に規 定 され た要件 に関 して 当局 が 審査
す る評価 に よ り,以 下 の制 裁 の一つ 以 上 を課 す る こ とが で き る。
1.出
頭命令。
II.連 邦 区 にお け る現行 の最 低賃 金 の2万
皿.信 仰 の た めの場 所 の0時
日分 まで の罰 金。
的あ る い は完 全 な立入 禁 止 。
lY.国 家 領域 内,す な わ ち,国,市
町村 あ るい は地 域 にお け る,宗 教 団体
に関す る権 利 の一
一時 的 な停 止 。
V.宗
教 団体 に関す る登 録 の取 消 し。
上 記 の制 裁 を課 す るの は,第30条
の 定 め る ところ に よ り,内 務 省 の権 限 で
あ る。
課 せ られ る制 裁 が,信 仰 に供 され た 国有財 産 指定 場所 の完 全 な立入 禁 止処
分 で あ る場 合,社
会 開発省 が,こ の問 題 に関 して,法 律 の定 め る ところ に よ
り,内 務 省 の事 前 の 意見 を求 め,当 該 不 動 産 の使 途 を決 定 す る。
第2章
第33条
不服審査請求
所 轄 庁 が 本法 の履 行 に基 づ いて命 令 す る行 為 あ るい は決定 に対 して,
不 服 審査 を請 求 す る こ とがで きる。不 服 審 査 請 求 に関 す る書 類 は,所 轄 庁 の
支局 あ るい は不 服審 査 を請求 す る行 為 あ るい は決定 を命 じた所轄 庁 に,当 該
宗教 団体お よび一般的な信仰に関す る法律30g
行 為 あ るい は決 定 が通 知 され た 日か ら20日 の期 間内 に,提 出 されな け れば な
らな い。 当該 行為 あ るい は決定 を命 じた所 轄 庁 に書 類 を提 出す る場合,所 轄
庁 は,内 務省 に対 し,10日
を越 え ない期 間内 に,不 服 審査 請求 に関 す る書類,
お よび,場 合 に よ り,不 服審 査 を請 求す る者 が証拠 と して提 出 し,か つ 所 轄
庁 が保 管 して い る証拠 物 を移 送 しな けれ ば な らな い。
本 法が 規 定す る不服 審査 の 請求 は,そ の 申立 て に基づ く法 的利 害 関係 を有
す る者 に限 られ る。
第34条
当局 は,不 服 審査 請 求 に関す る審査 を行 い,当 該 不 服 審査 請 求 が期 限
を越 えて提 起 され た こ とが判 明 した場 合 には,当 該 不服 審査 請 求 の審 理 を0
切 却 下 す る。
不 服 審査 請 求 に関 して,そ
れが不 明 瞭 あ るい は不 正 規 の もので あ る場合,
不服 審 査 を請 求 す る者 に対 し,当 該書 類 を受 理 した 日か ら10日 以 内 に,不 服
審査 請 求 に関 して明確 にす る こ とを,不 服 審査 を請 求す る者 が この…
警告 を履
行 しな い場合,不
服 審…
査 が 請 求 され なか った もの とみ な され る 旨の警告 書 を
付 帯 して,要 求す る。
不服 審査 の 請求 にお い て命 じ られ る裁定 は,不 服 審査 が請 求 され た行為 あ
るい は決定 を,無 効,修
第35条
正 あ るい は確 定 す る こ とがで きる。
不服 審 査 請求 が 容 認す る ところ に従 い,不 服 審査 を請 求 す る者 が 当該
請 求 に係 る行 為 の効 果 の停 止 を申立 て,か つ そ の行為 の性格 が これ を許 容 す
る もの で あ る限 り,そ の行為 の効 果 の停 止 が承 認 され る。 た だ し,そ の効 果
の停 止 を許可 す る こ とで,社 会 的利益 の損 失 が継 続 し,公 の秩 序 に関す る条
項 に違 反 し,あ るい は不 服 審査 請 求 の 本質 と無 関係 で あ る とみ な され る よ う
な場合 は,こ の 限 りで ない。
不 服 審査 請 求 に係 る行為 の効果 の停 止 が,第 三者 に損 害 あ るい は損失 を引
き起 こす よ うな場 合,そ
の効 果 の停 止 を申立 て る者 が,不 服 審査 請 求 にお い
て有 利 な決定 が得 られ ない場 合 に生 じる損 害 を賠償 し,ま た損 失 を補償 す る
ため に,締 結 す る こ とが 義務 づ け られ る保証 金 の総額 が 取 決 め られ る。
第36条
本 編 の実 効性 を確 保 す るた め,明 確 な規 定 が な されて い な い場 合 お よ
び本 法 と抵 触 しな い限 りに おい て,民 事 手 続 きに関す る連 邦法 が,補 足 的 に,
310
適 用 され る。
経過規定
第1条
本法 は,官 報 に公 布 され た 日の翌 日か ら施行 され る。
第2条
連 邦 憲 法 第130条
に関 す る法 規(1972年1月18日
付 官 報 公 布),連
邦
区 あ るい は連邦 領 域 内 で活 動 を遂 行 す る こ とが で きる聖 職 者 の定 員 に関 す る,
憲 法 第130条
第7段
を規 制 す る法 律(1931年12月30日
付 官 報 公布),自
治体
の法令 集 の犯 罪 に関 して,連 邦 区お よび連邦 領 域 内 で適 用 され る ,お よび,
連 邦 に反 す る犯 罪 に関 して,共 和 国全 土 で 適 用 され る刑 法 を改 正 す る法 律
(1926年7月2日
付 官報 公 布),お
よび,信 仰 を放棄 す る宗教 上 の活 動 に供 さ
れ る建物 あ るい は場 所 の 引受 け に関す る 申請 書 を提 出す る期 間 を確 立 す る政
令(1931年12月31日
第3条
付 官 報 公 布)は,廃
憲 法 第27条H.が
31日 付 官 報公 布)の
規 定 す る,財 物 の 国有化 に関 す る法律(1940年12.月
条項,お
に反 す る もの で あ る場 合,そ
第4条
止 され る。
よび,そ の他 の法令 に規定 された 内容 が,本 法
れ らは,廃 止 され る。
本 法規 が 施行 され る時点 にお い て懸 案 とな って い る国有 化 に関す る審
理 お よび手続 きは,憲 法 第27条 亙.が 規 定 す る,財 物 の 国有化 に関 す る法律
(1940年12月31日 付 官報 公 布)の 適 用条 項 に従 い,継 続 して処 理 され る。
第5条
移 民 資格 が再 審査 に付 され る限 り,本 法 が施 行 され る時 点 で,本 国 に
合 法 的 に入 国 して い る外 国人 は,教 会 お よび その他 の宗教 上 の組 織 が,内 務
省 あ るい は 内務 省 に対 して登 録 に関す る申請 が 請求 され て い る状 況 を通知 す
る 関係 省 庁 に,当 該 申請 が 申立 て られ た 時点 で,そ の資 格 を承 認 され る場 合
は いつで も,信 仰 の 長 と して の活 動 を遂 行 す る こ とが で きる。
第6条
教 会 お よびそ の他 の 宗教 上 の組 織 が,宗 教 上 の 目的 のた め に,現 実 に
使用 して い る国家財 産 に属 す る不動 産 につ い て は,当 該教 会 お よび宗 教 上 の
組織 が,本 法 が 施行 され て か ら1年 を越 え ない期 間 内 に,宗 教 団体 に関す る
相 応 の登 録 を申請 かつ 取得 す る場合 は いつ で も,上 記 の 目的 のた め に継 続 し
て供 され る。
第7条
登 録 に関す る 申請 と同時 に,教 会 お よび宗 教 上 の組 織 は,宗 教 団体 と
宗教 団体お よび一般的な信仰 に関す る法律311
して の財 産 を0体 化 す る ため に提 出 す る意 図 を有 す る不動 産 に 関す る誓約 書
を提 出す る。
内 務省 は,法 律 が 定 め る要 件 が履 行 され る場 合,宗 教 団体 の設 立 に関す る
登 記 の 日か ら6ヶ 月 を越 え ない期 間内 に,妥 当性 を公 示 す る証 明書 を発 行 す
る。 宗教 団体 が,設 立 に関す る登 録 の あ とに取 得 す る こ とを希 望 す るすべ て
の不 動産 には,本 法 規 第17条 が確 立 す る妥 当性 に関す る証 明書 が要 求 され る。
メ キ シ コ連 邦 区,1992年7月13日
。
下 院議 長
グ ス タ ホ ・カ ル バ ハ ル ・モ レ ノ
上 院議 長
マ ヌ エ ル ・ア ギ レ ー ラ ・ゴ メ ス
下 院事 務 局 長
ハ イ メ ・ロ ド リゲ ス ・カ ル デ ロ ン
上 院事 務 局 長
オ ス カ ル ・ラ ミー レス ・ミハ レス
署名
メ キ シ コ合 衆 国憲 法 第89条1.に
履 行 にお い て,ま
1992年7.月14日,連
に お い て,本
た,正
定 め られ た と こ ろ の
式 な公 布 お よ び 遵 守 の た め に,
邦 区 メ キ シ コ市 に あ る 連 邦 政 府 公 邸
法 令 を発 布 す る 。
カ ル ロ ス ・サ リ ー ナ ス ・デ ・ゴ ル タ リ
署名
内務 大 臣
署名
フ ェ ル ナ ン ド ・グ テ ィエ レス ・バ リオ ス
312
付
録1.
教会お よび宗教上の組織 が宗教団体 と しての
団体設立 に関す る登録 を取得 するための要件
1.申
請 書 原 文 は,内
務 大 臣(名
宛 人氏 名
〔
例,ホ
セ ・バ トロ シ ニ オ ・ゴ ンサ
レス ・ブ ラ ン コ ・ガ リ ー ド〕)に 宛 て,申 請 書 写 しは,宗 教 問 題 関係 総 局 長(名
宛 人氏 名
〔
例,ニ
セ ー フ ォ ロ ・ゲ レ ー ロ ・レ イ ノ ソ〕)に 宛 て る。 住 所 は,
GeneralPrimNo.39,Col.Juarez,DelegationCuahtemoc,C.P.06600,
Mexico,D.F.で
事 会,最
H.教
あ る。 申 請 者 は,教
会 あ る い は 宗 教 上 の 組 織 に お い て,理
高 階 級 あ る い は 最 高 機 関 を構 成 す る者 で あ る。
会 あ る い は 宗 教 上 の 組 織 の 名 称 。 申 請 が 相 応 しい も の で あ る根 拠 と な る
名 称 と 同 一 で あ り,こ
い て も,当
の 名 称 で,宗
局 に よ りす で に登 録 さ れ た 宗 教 団 体 と同 一 の 名 称 を使 用 す る こ と
が で き な い 。 た だ し,本
皿.教
教 団 体 が 登 録 さ れ る 。 い か な る場 合 に お
法 第6条
第2段
の 定 め は,例
外 で あ る。
会 あ る い は宗 教 上 の 組 織 の 法 定 住 所 。 こ の住 所 は,す
て,内
務 省 が,郵
べ ての場 合 にお い
便 物 の 送 付 お よ び そ の 他 一 切 の通 知 を な す た め の 住 所 で あ
る。
IV.こ
の 申請 を行 う教 会 あ る い は 宗 教 上 の 組 織 の 理 事 会,最
高 機 関 を構 成 す る構 成 員 の 一 覧 表 。 こ の 構成 員 は,本
と こ ろ に よ り,宗
し,か
つ 成 人 年 齢 に 達 した 者 で な け れ ば な ら な い(こ
体 の 構 成 員 の 一 覧 表 。 団 体 の こ の 構 成 員 は,本
籍(出
法 第2条
に よ り,教
会 あ
よ び任 命 につ い て
会 あ る い は宗 教 上 の 組 織 の 一 部 を構 成 す る 団 体 の 長 の 一 覧
属 す る教 会 あ るい は宗 教 上 の
の 資 格 を付 与 した 成 人 年 齢 に 達 した 者,ま
は 管 理 運 営,代
生証 明 を
人 に達 して い る 者 で あ る 。
表 。 本 法 第12条 に規 定 さ れ た と こ ろ に 従 い,所
組 織 が,そ
キ シ コ 国籍 を有
の 事 実 は,出
生 証 明 を認 定 した 証 書 の 写 しの 提 出 に よ る)お
証 明 して い る,教
に定 め られ た
明 され な け れ ば な ら な い)。
る い は 宗 教 上 の 組 織 の 団 体 規 則 に 従 い,成
V[.国
法 第2条
教 団 体 の 代 表 者 で あ る。 この 構 成 員 は,メ
認 定 した 証 書 の 写 し に よ り,証
V.団
高 階 級 あ る い は最
た は 主 要 な職 務 あ る い
表 な い し組 織 編 成 の 業 務 を担 当 す る者 は す べ て,団
体 の長 で
宗教 団体お よび一般的な信仰 に関す る法律313
あ る と指 定す る こ とが で きる。
Yll.前 述 の場合 にお い て,し か るべ き証 明 を受 けた教 会 あ るい は宗 教 上 の組 織
の法 定代 理 人。 法 定代 理 人 につ いて は,理 事 会,最
高 階級 あ るい は最 高機 関
を構 成 す る者 が,一 定 の者 に対 して法定 代 理 人 の資格 を付 与 した こ とを署 名
した内務 省 宗教 問題 関係 総 局 長 に提 出 され た文書 に よ り証 明す る こ とが で き
る。
皿.教 会 あ るい は宗 教 上 の組 織 の 団体 規則 。 この団体 規則 には,以 下 の事項 が
含 まれ て い な けれ ば な らな い。
-a)教
義 につ い て の根 本 的基礎 。
-b)目
的。
-c)権
威 機 関あ るい は権 力 機 関(指 名
-d)内
部機構 。
-e)内
部規 律 に関 す る規程 。
-f)団
体 の構成 員 お よび団体 の長 の資 格 を取 得 す るた めの要 件 。
,存 続 期 間お よび罷 免)。
IX.司 教 館,司 祭 館,神 学 校,養 育 施設,修
道 院,あ
るい は宗教 の運 営,布 教
また は教 育 の 目的で 建造 あ るい は使 用 されて い るその他 一 切 の建 造 物 の一 覧
表 。 この一 覧表 に は,以 下 の事 項 が 明記 され る。
-a)不
動 産 の名 称 。
-b)所
在地。
-c)不
動 産 の管 理 責任 者 。
-d)不
動 産 の法 的地 位 。す な わち,国 有化 されて い る のか,国 有化 また は
管 理 す る もの を限定 す る こ とに関す る手 続 きが進 行 して い るのか,に つ
い て。
-e)上
X.宗
記 の法 的 地位 証 明 す る証 明書 あ るい は書 類 。
教 団体 の財 産 に提 出す る こ とが 可能 な財 物 の一 覧表 。 この 一覧 表 には,
以 下 の事 項 が 明記 され る。
-a)所
在地。
-b)不
動 産 あ るい は財物 の所有 に関 す る証 明 。本 法 にあ らか じめ定 め られ
た ところ に従 い取 得 して い る こ とを記 載 した書 類 。
314
-c)財
物 の状 況 が
-d)上
記 の こ とを証 明 す る証 明書 あ るい は書 類
XI.IXお
,入 会地 あ るい は共 有地 と して取 り扱 わ れて い る場合 。
。
よびXに 関係 した不 動 産 が何 らか の紛争 の対 象 あ るい は原 因 とな っ
て い ない こ と,さ らに歴 史的,芸 術 的 あ るい は考 古 学 的遺 物 とみ な され る財
物 と して取 り扱 わ れて い な い こ とにつ い て,真 実 を述べ る こ との誓 約 の下 でs
理 事 会,最 高 階級 あ るい は最 高機 関 を構 成 す る者 が署 名 した文書 に よ る表 明
(書式 が提 示 され て い る)。
前 段 に示 した何 らか の事項 が 存 在す る場合,教
会 あ る い は宗 教 上 の組 織 は,
当該 紛 争 につ い て,ま た財 物 が 遺 物 と して分 類 され て い る場 合,そ
の状 況 に
つ い て詳細 に記載 しな けれ ば な らない。
XII.教
会 お よび宗 教 上 の組 織 は,本 法 第7条II.に
少 な くと も5年 間,メ
規 定 され た ところ に よ り,
キ シ コ共和 国 内で 宗教 上 の活 動 を展 開 して い る こ と,
また国民 の 間で 明確 に認 知 され信 頼 関係 が築 か れ て い る こ とにつ い て証 明 し
な けれ ば な らな い。
この事 実 は,以 下 の書 類 の提 出 に よ り証 明す る こ とが で きる。
-a)申
請 を行 う教 会 あ る い は宗教 上 の組 織 に よ り着手 され た何 らか の手 続
きが 記載 され た,連 邦 当局,州
当局 あ るい は市 町村 当局 に よ り交付 され
た書 類 。
-b)教
会 あ るい は宗教 上 の組 織 の 出版 物
-c)内
務 省 の判 断 で
。
,こ の事 項 の対 象 とな る要件 の履 行 を証 明 す るそ の他
一切 の書 類 。
X皿.正
副2通
の,在 留外 国 人 の法 的 身分 に関す る協 定(書 式 が提 示 され てい
る)。
〔
脚 注 〕前 述 の文書,証
明書 お よびそ の他 の書 類 は,確 立 され た様 式,お
よび
綴 じたあ るい は厚 紙 で装 丁 した フ ァイル にお いて,書 類 の参 照 お よび使 用 を
容 易 にす る イ ンデ ックス を最初 の部 分 に付 加 して提 出 しな けれ ば な らない。
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律315
メ キ シ コ,連
(名 宛 人 氏 名
〔
例,ニ
邦 区,199年
月
日
セ ー フ ォ ロ ・ゲ レー ロ ・レイ ノ ソ〕)
内務省 宗教 問 題 関係 総局 長 殿
呈
示
本 文書 署 名者 た る(教 会 あ るい は宗教 上 の組 織 の名称)は,真
実 を述べ る こ
とを誓 約 し,貴 殿 に下記 の事 実 を表 明 す るため に 出頭 い た します 。
1.登
録 に 関す る 申請書 第
項 に詳述 され た国家 の所 有 た る不 動 産 が,
何 らの紛 争 の対 象 と もな って い な い こ と。
2.上
記 の 不 動 産 が,歴
史 的,芸
術 的 あ る い は考 古 学 的 遺 物 た る範 疇 に
該 当 して い な い こ と。
3.宗
教 団体 の財 産 の一体 化 のた め に提 出す る意 図 を有 す る,登 録 に関
す る 申請 書 第
項 に詳 述 され た財 物 が,そ の使 用,保 持 あ るい は所
有 につ い て何 らの違 反 の対 象 と もな って い ない こ と。
敬
具
〔
脚 注〕 署名 者 は,こ の署 名 を行 う教 会 あ るい は宗 教 上 の組 織 にお いて,理 事
会,最 高 階級 あ る い は最 高機 関 を構成 す る者 で な けれ ば な らな い。
316
在留外 国人の法的身分 に関す る協 定の書式
メ キ シ コ,連
(名 宛 人 氏 名
〔
例,フ
邦 区,199年
月
日
ェ ル ナ ン ド ・ソ ラ ー ナ ・モ ラ レス 〕)
外 務 大 臣殿
呈
示
メ キ シ コ合 衆 国憲 法 第27条 第1項
に規 定 され た ところ の履 行 に よ り,内 務省
に対 し,宗 教 団 体 と して の登 録 を申請 した 本文 書署 名 者 た る(教 会 あ る い は宗
教 上 の組織 の名称)は,以
下 の責務 に関 して,担 当す る省 庁 と協 定 を締 結 す る
意思 が 存在 す る こ とを表 明 い た します。
「(教会 あ る い は宗 教 上 の組 織 の 名称)の
現 在 お よび将 来 に お け
る外 国人 の構 成 員 は,憲 法 第27条 第1項 第1段
に関 して,国 家財 産 とみ な され,ゆ
に規 定 された財 物
えにそ う した財 物 に関 して,
各 自の国 の政 府 の保 護 を受 けてい る こ と を主張 す る こ とが で きな
い 。本協 定 に違 反 す る場合,制
裁 を受 け る前 提 にお い て,国 家 の
利益 の ため に,本 協 定 の効 力 に よ り取 得 した財 物 を失 う もの とす
る。」
敬
具
〔
脚 注〕 署 名 者 は,こ の署 名 を行 う教 会 あ るい は宗 教 上 の組 織 にお いて,理 事
会,最 高 階級 あ るい は最 高機 関 を構 成 す る者 で な けれ ば な らな い。
宗教 団体 お よび一般 的な信 仰 に関す る法律317
付
録2.
例 外 的 な宗教 上 の 活動 を挙行 す る ための通 知 あ
るい は申請書 に記載 しな けれ ば な らな い要 件
1.書
面 で提 出 しなけ れ ば な らない。
H.宗
教 団体 が行 為 者 で あ る場合 は,当 該団 体 の名 称,団 体 設立 に 関す る登 録
の番 号,お
よび法 的 あ るい は委任 に よる代 表者 の署 名 を記 載 しな けれ ば な ら
ない。
宗 教上 の組織,教
称,申
会 あ るい は法 人 が行 為 者 で あ る場 合,当 該 組織 な どの 名
請者 あ るい はそ の組 織 な どの 名称 を使 用 して活動 に着 手 しよう とす る
者 の氏 名 お よび署 名 を記 載 しな けれ ばな らない。
皿.通 知 を受 領 す るため に,許 可 を受 けた者 の氏 名 お よび住 所 。
IV.当 該活 動 を挙 行 す る期 日。
V.当
該活 動 を挙 行 す る場 所 。
Y1。当該活 動 に関す る予 定 表 の提 出。
W.積
極 的 な参加 者 の国籍 を表示 した一 覧表 。外 国 人 が参加 す る活動 の場合,
そ の者が 正 当 な手続 きを経 て入 国お よび滞在 して い る こ とを証 明 しな けれ ば
な らない。
㎜.当 該活 動 を挙 行 す る不 動 産 に 関 して,国 あ るい は 自治体 が発 行 した許 可証
あ るい は認 可証,ま
合,そ
た 当該 活動 を挙行 す る場 所 が特 別 な所 有 関係 に属 す る場
の不動 産 の使 用 に関 す る契 約書 の写 しの提 出。
318
付
録3.
内務 省 に申立 て る苦 情 処理 に関 す る申請書
に記 載 しなけ れ ば な らない要 件
1.書
面 で提 出 しな けれ ば な らな い。
H.宗
教 団体 が 申請者 で あ る場 合,当 該 団体 の名称,団
番号,お
体 設立 に関 す る登 録 の
よ び法 的 あ る い は委任 に よ る代 表者 の氏名 お よび署 名 を記 載 しな け
れ ばな らない。
宗教 上 の組 織,教 会 あ るい は法 人が 申請者 で あ る場 合,当 該 組織 な どの 名
称,お
よび 申請 者 あ る い は当該 組織 な どの名 称 にお い て 申請 を行 う者 の氏 名
お よ び署 名 を記 載 しな けれ ば な らな い。
皿.通 知 を受 領 す るた め に,許 可 を受 け た者 の氏 名 お よび住 所 。
IV.出 頭 命令 の手 続 きを実行 す るため,被
申立 者 の氏 名 あ るい は名称,お
よび
住所 。
V.当
該 申請 の要 求事 項 お よび動 機 の表 明。
V1.申 請 者 が 当該 申請 を申立 て る根拠 とな る事 実 。 この事 実 は,被 申立 者 が 回
答 お よび抗弁 を提 示 で きる よ うに,簡 潔,明
瞭 かつ正 確 に報 告 され な け れ ば
な らない。
W.要
求事 項 を根 拠 づ け るため に提 出す る証拠 物 。
皿.申 請 に関 す る権 利 の根 拠 。
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律319
付
録4.
内務省 に請求 する不服 審査請求書
に記載 しなければな らない要件
1.書
面 で提 出 しな けれ ば な らな い。
H.宗
教 団体 が請 求 者 で あ る場 合,当 該 団体 の名称,団 体 設立 に関 す る登 録 の
番号,お
よび法 的 あ るい は委 任 に よ る代表 者 の氏 名 お よび署 名 を記 載 しな け
れ ば な らない。
宗教 上 の組 織,教 会 お よび法 人が 請 求者 で あ る場 合,当 該 組織 な どの名 称,
お よ び請 求者 あ るい は当 該組 織 な どの名称 にお い て請 求 しよ う とす る者 の氏
名 お よび署名 。
皿.通 知 を受領 す るた め に,許 可 を受 け た者 の氏名 お よび住所 。
IV.所 轄 庁 。
V.不
服 審査 を請求 す る当該 行為 あ るい は決 定 。
W.不
服 審査 を請求 す る当該 行為 あ る い は決 定 を認 知 した 日。
W.当
該行 為 あ るい は決 定 に よる不 利益 の表 明 。
YW.不 服 審査 を請 求 す る当該 行為 あ るい は決 定 の効 力 の停 止 に関す る請 求書 。
D(.不 服審 査 を請 求 す る当該 行為 あ るい は決 定 の効 力 の停 止 に関す る請 求書 の
根 拠 とな るため に提 出す る証拠 物 。
X.不
服 審 査 を請 求 す る権 利 に関す る根 拠 。
320
本法 の理解 の ために
*本 法 の 原 文 に つ い て
本法
「宗 教 団 体 お よ び 一 般 的 な 信 仰 に 関 す る 法 律(LEYDEASOCIACIONES
RELiGIOSASYCULTOPUBLICO)」
は,1992年7月15日
OFICIALDELAFEDERACION)に
付 官 報(elDIARIO
公 示 され た。
訳 出 に 使 用 し た 原 文 は,内
務 省(SECRETARIADEGOBERNACION>の
宗教
問 題 関 係 総 局(DIRECCIONGENERALDEASUNTOSRELIGIOSOS)と
社会
通 信 総 局(DIRECCIONGENERALDECOMUNICACIONsocrAL)が
連署 す
る``LEYD.EASOC工ACIONE「SyCσLTOPσBLICO1993"で
内 務 省 発 行 の そ の 原 書 は,(1)1993年
ガ リ ー ドの 序 文,(2)宗
あ る。
現 在 の 内 務 大 臣 バ トロ シ ニ オ ・ゴ ンサ レ ス ・
教 団 体 お よ び 一 般 的 な 信 仰 に 関 す る 法 律 の 全 文,(3)教
会お よ
び 宗 教 上 の 組 織 が 宗 教 団 体 と し て の 団 体 設 立 に 関 す る 登 録 を 取 得 す る た め の 要 件,
(4)例外 的 な 宗 教 上 の 活 動 を 挙 行 す る た め の 通 知 あ る い は 申 請 書 に 記 載 し な け れ ば な
ら な い 要 件,(5)内
い 要 件,(6)内
務 省 に 申 立 て る 苦 情 処 理 に 関 す る 申 請 書 に 記 載 しな け れ ば な ら な
務 省 に 請 求 す る 不 服 審 査 請 求 書 に 記 載 し な け れ ば な ら な い 要 件,の
6部 か ら構 成 さ れ て い る 。 こ の う ち,訳
出 に あ た っ て は,(2)を
全
中 心 と し た 。 ま た,
(3),(4),(5),(6)は,法
律 の 一 部 を 構 成 す る も の で は な い が,実
務 上 の 手 続 き に有 用
と思 わ れ る の で,付
録 と し て 訳 出 し た 。 な お,(1)に つ い て は,本
法 と何 ら 関 係 を 有
す る も の で は な く,内 務 省 の そ の 原 書 の 発 行 に あ た り内 務 大 臣 が 執 筆 し た もの で あ
る た め,訳
出 した 本 文 に は 採 用 し な か っ た 。 しか し,そ
け る も の と な っ て い る た め,こ
の 場 に お い て,以
「信 条 お よ び 信 仰 に 関 す る 自 由 に つ い て は,共
の 内 容 は,本
下 に,そ
法 の 理 解 を援
の 全 文 を紹 介 す る。
和 国 憲 法 の な か に,明
確 に 承 認 され
由 に 関 す る 制 度 の な か の 重 要 な 構 成 要 素 で あ る,信
条 に関 す る 自
心 あ る い は 信 仰 上 の 活 動 を 実 践 す る こ と に つ い て,人
間が保持 す る
て い る。
わ れ わ れ の,自
由 は,儀
式,信
権 利 に 関 係 す る す べ て の こ と に お い て,わ
れ わ れ メ キ シ コ 国 民 が 理 解 し遂 行 す る 信
教 の 自 由 とい う もの を基 礎 づ け て い る の で あ る 。
わ れ わ れ は,こ
の 自 由 を 享 受 し,さ
ら に,責
任 あ る 方 法 で,こ
い か な け れ ば な ら な い 。 自 由 に 関 す る 考 え 方 は,平
等 原 理 に立 脚 して培 わ れ保 護 さ
れ る 場 合 に の み 完 全 な 効 力 を 獲 得 す る の で あ る か ら,各
心 に 従 う と と も に,ま
人 お よ び 各 団 体 は,そ
の良
た 同 胞 の そ れ を も尊 重 し な け れ ば な ら な い の で あ る 。
カ ル ロ ス ・サ リ ー ナ ス ・デ ・ゴ ル タ リ政 権 下 で,宗
人 格 は,宗
れ を 保 持 し続 け て
教 団 体 に付 与 され た新 しい法
教 団 体 の 精 神 生 活 を 維 持 す る た め の 新 しい 様 式 お よ び 手 続 き に 効 力 を付
与 す る と い う 目 的 に お い て,国
家 と教 会 の 間 の 関 係 を確 立 し発 展 させ る た め の 出 発
点 で あ る。
メ キ シ コ 国 家 と教 会 の 関 係 に 関 す る根 本 原 理 は,相
互 尊 重 とい う こ とで あ る。 教
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律321
会 は,そ
の 信 者 の 道 徳 的 お よ び 精 神 的 向 上 を 探 求 す る 責 務 を 有 す る 。 国 は,国
至 高 の 価 値 お よ び 目 的 と し て,自
由,社
会 正 義,機
責 務 を有 し て い る の で あ る 。 こ の た め に,国
家の
会 の 平 等 お よ び 発 展 を保 障 す る
家 と教 会 の 分 離 に 関 す る根 本 原 理 に 効
力 が 付 与 さ れ る の で あ る。
同 様 に,国
は,公
共 の 問 題 に 係 わ る 本 質 的 な 政 策 を履 行 す る た め に 制 定 さ れ た 法
制 度 お よ び各 機 関 を 通 じて,現
る,宗
代 の メ キ シ コ の社 会 的精 神 に特 に近 接 す る要 求 で あ
教 上 の 問 題 に お け る 自 由,多
様 性,寛
容,平
等 お よび正 当 性 へ の確 固 た る執
着 に 関 す る価 値 を保 障 し続 け る の で あ る 。
国 家 と教 会 の 間 の 関 係 に 関 す る現 代 化 の 範 囲 に お い て,内
係 に 根 ざ した 原 理,権
利,義
務 省 は,こ
の 新 しい 関
務 お よ び手 続 き を確 立 す る 法 制 度 を普 及 す る とい う課
題 を履 行 す る の で あ る 。
共 和 国 政 府 は,宗
教 団 体 お よ び 一 般 的 な 信 仰 に 関 す る 法 律 の 普 及 を 通 して,多
の メ キ シ コ 国 民 が,国
識 を 有 し,か
ま た,よ
つ,そ
り民 主 的,多
く
家 と教 会 の 間 の 関 係 を統 制 す る こ の 法 律 に 関 す る 基 本 的 な 知
れ と 同 時 に,メ
キ シ コ 国 民 の 間 に,良
心 に 関 す る 権 利 を 尊 重 し,
様 的 お よ び 文 明 的 社 会 を 強 化 す る,宗
教 的 な もの に対 す る寛
容 な 社 会 の 発 展 に 寄 与 す る 政 治 文 化 が 促 進 さ れ る こ と を 意 図 して い る の で あ る 。
バ トロ シ ニ オ ・ゴ ン サ レ ス ・ガ リ ー ド
内務 大 臣」
一 般 的 な信 仰
coは,あ
この訳 の原語 は
く ま で 「国 民 一般
した が っ て,や
,cultopublicoで
に 認 知 さ れ て い る 」 と い う 意 味 合 い が 強 い と思 わ れ る 。
や 生 硬 な 表 現 で あ る と意 識 しつ つ も,こ
カ ル ロ ス ・サ リ ー ナ ス ・デ ・ゴ ル タ リ
の よ う に 訳 出 した 。
彼 の 在 職 期 間 は,1988年
CarlosSalinasdeGortari在
は,憲
あ る 。 本 文 を 解 釈 す る 限 り,publi-
か ら1994年 ま で 。 現
は す で に 交 替 して い る 。 メ キ シ コ の 大 統 領
法 第83条 に よ り,再 選 が 絶 対 に 禁 止 さ れ て お り,任 期 は6年
間 と定 め られ て
いる。
大統領 の 公布
憲 法 は,大
統 領 の 権 限 と して,「 連 邦 議 会 が 制 定 す る 法 律 を,行
の 的 確 な 遵 守 を 整 備 して,公
布 お よ び 実 施 す る こ と 」(第89条1.)を
合衆 国議 会
憲 法 第50条 に よ り,下
の制定
の 根 拠 は,上
政面
規 定 して い る。
院 と上 院 の 二 院 制 が 採 用 され て い る。 法 律 制 定 権
記 の 第89条1.,さ
ら に,法
律 お よ び 命 令 の 審 議 権 を規 定
会 が 行 う す べ て の 決 定 が,法
律 あ るい は命 令 の 形 式 にお い
し た 第72条 か ら う か が う こ と が で き る 。
な お,憲
法 第70条 は,議
て な さ れ る こ と を 規 定 し,ま
た,「 メ キ シ コ合 衆 国 議 会 は … … を 制 定 す る 」(法 律 あ
る い は 命 令 の 正 文)と
い う 形 式 に よ っ て 公 布 しな け れ ば な ら な い こ と を 要 求 して い
る 。 本 文 の そ れ は,こ
の 形 式 に 則 っ た もの で あ る 。
32z
*第1条
につ いて
国 家 と教 会 の 分 離16世
に 関 す る史 的 原 理
紀 初 頭 に 始 ま っ た ス ペ イ ン 人 の 侵 攻 と征 服,そ
ン文 化 の 流 入 と 普 及 に よ り,宗 教 界 で は,カ
た 。 と く に ス ペ イ ンの 植 民 地 政 策 で は,宗
教 を 通 じ て,ス
属 を 実 現 す る 方 針 が 採 ら れ て い た た め に,カ
の後 の ス ペ イ
トリ ックが 移 植 され
ペ イ ン に対 す る精 神 的 隷
ト リ ック は,強
大 な 権 力 を 有 し,短
期
間 の う ち に 人 々 の 間 に 浸 透 し て い っ た の で あ る 。 こ う して カ ト リ ック の 教 会 は,メ
キ シ コ に お い て,16世
紀 か ら1910年 の メ キ シ コ 革 命 が 勃 発 す る 前 後 ま で の 間,土
地
所 有 階 級 と な り,政 治 的 発 言 権 を 強 化 し,莫 大 な 資 産 を保 有 し,権 力 機 関 と して 人 々
を 制 圧 す る 実 権 を 掌 握 して い た の で あ る 。 メ キ シ コ革 命 が,そ
の 目 的 の 一 つ と し て,
こ う した 強 大 な 教 会 支 配 体 制 の 打 破 を 目 指 して い た こ と は,特
筆 しな け れ ば な ら な
いo
教会
原 語 は,iglesiaで
あ る 。 上 記 の 歴 史 的 経 緯 か ら も 明 らか な よ う に,こ
の 語 は,
明 白 に カ ト リ ッ ク 系 教 会 を意 識 し て お り,宗 教 上 の 組 織 と 明 白 に 区 別 し て 本 文 中 に
記 載 さ れ て い る 。 た だ し,宗 教 上 の そ の 他 の 組 織 と法 的 効 力 の 上 で 差 異 が な い こ と
はい うまで もない。
メ キ シ コ合 衆 国 憲 法
メ キ シ コ 合 衆 国 憲 法 と は,1917年
が 定 め る 諸 条 項(す
に 制 定 され た 現 行 憲 法 をい う
で に 訳 出 し た 憲 法 の 条 項 も こ の 一 部 で あ る)。 こ の メ キ シ コ
憲 法 は,メ
キ シ コ 革 命 中 の1917年
Carranza)政
権 下 に お い て,1857年
の 憲 法 は,教
会 の 政 治 的 影 響 力 を 徹 底 的 に 排 除 す る こ と,農
労 働 運 動 を 保 護 す る こ と,大
と を 制 度 化 す る な ど,メ
に,ベ
ヌ ス テ ィ ア ー ノ ・カ ラ ン サ(Venustiano
憲 法 を母 体 に して 制 定 さ れ た憲 法 で あ る 。 こ
統 領 へ 権 力 を 集 中 す る こ と,民
地 改 革 を推 進 す る こ と,
族 主 義 を基 本 と す る こ
キ シ コ 革 命 の 本 旨 を 具 体 化 す る も の で あ っ た 。 現 在 ま で,
細 か な修 正 が 部 分 的 に加 え られ て い る 。
本 法 に 関 す る 事 項 に つ い て の 基 本 的 条 項 と は,第3条N.,第24条,第130条
(第24条 は,P.C.ガ
である
リ ー ドの 序 文 の 冒 頭 で も述 べ ら れ て い る)。 第24条 は,自
権 的 基 本 権 と して,信
条 の 自 由 を 承 認 して い る が,第130条
格 な 制 限 と監 視 を 規 定 し,さ
ら に 第3条N.で
由
でそ の運用 に関す る厳
宗 教 の 学 校 教 育 か ら の分 離 を明 確 に
分 離 し て い る 。 上 述 お よ び 以 下 に 訳 出 す る 憲 法 の 原 文 と して,"COIVSTITσC101V
POLITICADELOSESTADOSUNIDOSIVIEXICANOS/LEYORGANICADEL
CONGRESOGENERALDELOSESTADOSUNIDOSMEXICANOS/REGLAMENTOPARAELGOBIERNOINTERIORDELCONGRESOGENERAL
DELOSESTADOSσMDOSNIEXICANOS",SenadodelaRepublica,Mexico,
1991.を 使 用 した 。
第3条IY.宗
教 団 体,宗
事 す る 株 式 会 社,お
教 団 体 の 長,専
門 的 に あ る い は 主 と して 教 育 活 動 に 従
よ び 宗 教 の 布 教 に 関 係 す る 一 切 の 社 団 あ る い は 結 社 は,形
式 の い か ん を 問 わ ず,初
等,中
等 お よ び 普 通 教 育,ま
た 労働 者 あ る い は 農 民 を
対 象 とす る教 育 を教 授 す る教 育 施 設 に 関 与 し な い も の と す る 。
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律323
第24条
何 人 も,法 律 に基 づ いて課せ られ る犯 罪 あるい は過失 を構成 す る もの
で ない限 り,自 己 の最 も好 み に合 う宗教 的信 条 を保持 し,ま た そ う した活動
の ため に供 され る建物 あ るいは場 所 お よび 自己の住所 にお いて,宗 教 上 の典
礼,式 典 あ るい は儀 式 に関す る行 為 を挙行 す る 自由を有 す る。
第130条(こ
*第2条
の条文 につ いて は,*経
過規 定第2条
につ いて を参 照)。
につ いて
宗教 上の 見解 の公 表 と
憲 法第6条 が,思 想 の表 明,す
なわち表現 の 自由 について,
司法 ・行政 上の審 査
道徳 お よび第三 者の権利 を攻撃 した り,何 らかの犯罪 を煽
動 す る もので あ った り,あ るい は公 の秩序 を素 乱す る もので な ければ,一 切 の司
法 上あ るい は行政 上の審査 の対象 とは な し得 ない こ とを規 定 して いる。
*第6条
につ いて
団体 規則
こ の 原 語 は,lospropiosestatutosで
あ る 。 た と え ば,わ
法 人 法 」(昭26.4.3.法126号)で
は,規
る(第12条,第18条
法 で は,こ
な ど)が,本
則,規
程 な どの 用 語 に 使 い 分 け られ て い
の 点 に つ い て,と
意 識 さ れ て い な い と思 わ れ る 。 し た が っ て,本
に つ い て は,そ
*第7条
の 総 称 的 な 意 味 と して,こ
が 国 の 「宗 教
くに明 確 な 区別 が
条 以 下 に記 載 さ れ て い る この 原 語
の よ うに 訳 して お い た 。
につ い て
憲 法第27条1.お
よびH,第27条
に規 定 され た ところ
は,土 地 お よび水 の利用権 につ いて定 め られ た
長大 な条項 であ る。上述 の よ うに,こ れ は,教 会支 配
体 制打破 の ため に,メ キ シコ革命 が 目指 した 目的 の一 つで ある。
第27条
前 半省略 一 一
1.土
地,水 お よび それ に準ず る もの を取 得す る権 利,ま
たは鉱山 あるい
は水 の採 取 に関す る特 別 な免 許 を取得 す る権利 は,出 生 あるい は帰化 に
よ りメキ シコ国籍 を有 す る者 お よびメキ シコに属 す る会社 に限 られ る。
外 国人 につい ては,当 該財 物 に関 して,内 国人 とみ な され る ことに同意,
また当該財 物 に関 して その 自国 の保 護 を要求せず,か
つ これに違 反 した
場合,取 得 した財物 を国の利益 にお いて喪失す る こ とに同意 した場合 に
限 り,外 務省 は,同 様 の権利 を付 与 す るこ とがで きる。国境 沿い幅100㎞
お よび海岸線 沿 い幅50㎞ の範囲 内に あ って は,い か なる理 由が あ ろ うと
も,外 国 人 は,土 地 お よび水 に関す る直接 の支配権 を取得 す る こ とが で
きない。
国 は,国 内の公共 の利益 お よび互 恵 に関す る原則 に従 い,外 務 省の決
定 に よ り,外 国 に対 して,そ の大使館 あるい は公使館 の直接 的 な業務 の
た め に必要 な不 動産 の私的所 有権 につ き,連 邦政府 の所有 地内 に所 有す
324
るこ とを許可 す るこ とがで きる。
H.い
か なる信 条 に基づ くものであ れ教 会 と称 され る宗教 団体 は,い か な
る場合 で あろ う とも,不 動産 または不 動産 のため に供 され る資本 を取 得,
保 有 あ るいは管理す るこ とが で きない。現実 に,自 らあ るいは第三者 を
介 して,所 有 して い る当該財 物 は,国 が支配 す る。 そ うした状 況 にあ る
当該財 物 を告発 す るため に,住 民訴訟 が認 め られ る。告発 の根 拠 の有無
を宣告 す るため に,推 定 に よる証拠 が存在 す るこ とで足 りる。宗教 上 の
典礼 の ために供 されて いる建 物 あるい は場所 につ いて は,連 邦政府 に代
表 され る国民 の所有 に属 し,ま た連 邦政府 は,引
き続 き,そ うした使 途
に供 される建 物 あ るい は場所 を決定 す る。 司教 館,司 祭館,神 学校,宗
教 団体 の保 育施設 あ るいは教 育施設,あ
るい は,宗 教 上 の活動 の実行,
布教 または教 育 の 目的で設 置 あるい は使用 され てい る一切 の建造 物 につ
いて は,国 民 の完全 な直接 的支配 に付 され,連 邦 あ るい は州の管 轄 にお
いて,公 務 の ために,独 占的 に使 用 される。将来 にお いて,宗 教 上 の活
動 に供 され るため に建設 され る建 物 あ るい は場所 につ いて は,国 民 の所
有 とす る。
皿.以 下,省 略 一一
*第10条
につ いて
職員
こ の 原 語 は,trabajadorで
あ る 。 こ の 語 自体 は,最
す る概 念 で あ る 。 こ こ で 「職 員 」 と訳 出 し た の は,あ
者 の 名 称 と し て も っ と も 適 切 で あ ろ う と,わ
ぎ ず,も
広 義 の 「労 働 者 」 を 意 味
くまで 宗 教 団体 で作 業 す る
た しが 判 断 し た た め に 使 用 し た に す
と よ り 「労 働 者 」 の 範 囲 を 縮 小 化 す る こ とが 目 的 で は な い 。 メ キ シ コ の
労 働 法 存 立 の 意 義 か ら分 折 して も,名
に 対 し労 働 を 提 供 し,そ
称 に か か わ らず,そ
の 対 価 を 主 と して,生
の 範 囲 は,「 宗 教 団 体
計 を維 持 し て い る す べ て の 者 」 と
解 釈 しな け れ ば な らな い こ と は明 白で あ る。
*第11条
につ い て
メキ シコ 国 籍
ま た,こ
メ キ シ コ 国 籍 の 取 得 要 件 に つ い て は,憲
の 条 項 と 同 じ 内 容 は,国
dadyNaturalizaci6n)第1条
法 第30条
に記 載 さ れ て い る 。
籍 お よ び 帰 化 に 関 す る 法 律(LeydeNacionali-
お よ び 第2条
に 記 載 さ れ て い る 。 国h/rお
よび帰化
に 関 す る 法 律 の 原 文 は,CarlosA.EchanoveTrujillo,"MANUA.L1)ELEXTRANJERO,15edition",PORRUA,S.A.,Mexico,1974.に
用 し た 。 以 下 に は,憲
第30条
法 の み を訳 出 す る 。
メ キ シ コ 国 籍 は,出
A.出
1.両
記 載 さ れ た 資 料 を使
生 に よ り,メ
生 あ る い は 帰 化 に よ り取 得 す る 。
キ シ コ 国 籍 を取 得 す る 。
親 の 国 籍 を 問 わ ず,共
和 国 領 域 内 に お い て 出生 した者 。
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律325
n.両
親 あ る い は そ の ど ち ら か 一 方 が メ キ シ コ 国 籍 を 有 し て い る 者 か ら,
外 国 で,出
皿.軍
生 した者 。
事 あ る い は 商 業 を 問 わ ず,メ
キ シ コ に 属 す る船 舶 あ るい は航 空 機
内 で 出 生 した者 。
B.帰
化 に よ り,メ
キ シ コ 国 籍 を取 得 す る。
1.外
務 省 か ら,帰 化 に 関 す る 証 明 書 を 取 得 し た 外 国 人 。
II.メ
キ シ コ 国 籍 を 有 す る 男 女 と婚 姻 し,ま
た 国 の 領 域 内 に住 所 を保 有
あ る い は 設 定 す る外 国 人 の 男 女 。
成 人年 齢
原 語 は,losmayoresdeedadで
第34条 が 該 当 す る 。 本 条 は,メ
第34条
あ る 。成 人 に 関 す る 憲 法 の 条 項 と し て は,
キ シ コ 市 民 と し て の 資 格 に つ い て 規 定 して い る 。
メ キ シ コ 国 民 た る 資 格 を 有 し,ま
た 以 下 の 要 件 を 具 備 す る男 女 は,共
和 国 の 市 民 で あ る。
1.満18歳
皿.誠
*第12条
に 達 して い る こ と。
実 な 生 活 を送 っ て い る こ と。
以下 につ いて
宗 教 団 体 の長
司 祭 な ど,信
原 語 は,ministrosdecultoで
あ る 。ministroは,聖
仰 上 の 活 動 を 遂 行 す る 中 心 者 の 意 味 で あ る が,そ
ク 系 教 会 のministrosが
中 心 で あ っ た 過 去 に お い て な ら,そ
分 け る こ と も 可 能 で あ る 。 しか し本 法 は,そ
教 上 の い か な る 組 織 も含 む の で あ り,さ
以 前 の 法 律 に お い て 使 用 さ れ るministrosに
れ ぞ れ の 訳 語 を使 い
の 対 象 と し て,教
*第13条
会 の み な ら ず,宗
う した 活 動 を
の よ う に 訳 出 し た 。 した が っ て,本
は,上
記 の 訳 語 の う ち,も
義 で と ら え る こ と が 可 能 と 思 わ れ る 「聖 職 者 」 を使 用 した(参
法 第1325条,憲
侶,
の対 象 が カ トリ ッ
ら に 第12条 の 規 定 で は,そ
越 え た 者 も含 め て い る と思 わ れ る の で,こ
条,民
職 者,僧
照,経
法
っ と も広
過 規 定 第2
法 第130条)。
につ いて
住 民 に関 す る一 般 法
住 民 に 関 す る 一 般 法(ReglamentodelaLeyGeneralde
の 定 め る と こ ろPoblaci6n)第3章(第32条
件 が 詳 細 に 規 定 さ れ て い る 。 こ の う ち,本
項 に 関 し て,以
∼ 第75条)に,入
国 に 関 す る条
法 と の 関 係 に お い て 重 要 と思 わ れ る 条
下 に 抄 訳 す る 。 本 法 の 原 文 は,CarlosA.EchanoveTrujillo,oP.
cif.に 記 載 さ れ た 資 料 を 使 用 し た 。
第34条
内 務 省 は,本
居 住 地 に 関 し て,適
以 下,省
第37条
国 に 入 国 す る 外 国 人 が 遂 行 す る こ とが で き る 職 種 お よ び
当 とみ な す こ と が で き る 条 件 を 決 定 す る 。
略一
内 務 省 は,以
下 の 場 合 に お い て,外
国 人 の 入 国,ま
資 格 あ る い は資 格 の 変 更 を拒 否 す る こ とが で きる 。
た は 入 国 に 関す る
326
1.互
恵 に関す る協 定 が存在 しない場合 。
]_Y.国 民 の経済 的利 益 に有害 であ る と判 断 され る場合 。
V.在
留 中の非行行 為 あ るい は国外 での非行行為 が存在 す る場 合。
VI.本 法 お よび同施 行規則 に違反 した場 合。
以下,省 略一 一
第38条
内務省 は,国 益 に影響 す る場合,外
国人 の入 国 を停止 あるい は禁止 す
る こ とがで きる。
第39条
内務 省 は,外 国 人が メキ シコ国籍 を有 す る者 と婚姻,あ
るい はメキ シ
コで 出生 した子 を有す る場 合,そ の者 の入 国あ るいは正 式 な滞在 を許可す る
こ とが で きる。
以下,省 略一一 一
第41条
外 国人 は,以 下 の資格 において,本 国 に,正 式 に入国す るこ とがで き
る。
a)非
移住 者
b)移
住者
第42条
非 移住者 とは,内 務 省 の許可 を得 て,一 時 的 に本 国に入 国す る外 国人
をい い,以 下 の一つ に該当す る者で あ る。
III.滞 在 者
何 らかの合 法 的かつ正 当 な営利 的 あるい は非営利 的な活動 を
遂行す る 目的で入 国す る者 をい う。6ヶ 月滞在す るこ とがで き,ま た一
回 に限 り,同 期 間の延 長が認 め られ る。 ただ し滞在 期 間中 に,外 国か ら
所 持 した金 品,そ の金 利,ま た は外 国か ら送 金 され る収入 によ り生活す
る者,あ
るい は,科 学,技 術,芸 術,ス
ポー ッまた はこれ に類す る活動
に従事 す る者 につ いて は,二 度 の延 長が認 め られ る。
以下,省 略 一一
第43条
入国 す る外 国人 には,入 国許 可書 にお いて定め られて いる条件 お よび
法律 が 定め る規 程 の遵 守が義務 づ け られてい る。
第44条
移住者 とは,本 国 に定住 す る 目的 を もって,正 式 に入国 した外 国人で
あ り,移 民資格 を取得 す る までの者 をい う。
第45条
移住 者 は,5年
間滞在 す るこ とがで きるが,内 務 省 が許可す るこ とが
で きる ように,入 国 に際 して指示 された条件 お よびそ の他 の移住 に関す る適
用 規則 を遵守 してい る こ とを証 明 し,ま た義務 が存在 す る場合,入
国 に関す
る書 類 につ いて,毎 年承 認 を受 け なけれ ばな らない。
第52条
第53条5年
移民 とは,国 内 に最終 的な居 住権 を取得 した外 国人 をい う。
間,国 内 に合法 的 に居住 す る移 住者 は,本 法 お よび同施行規則 を
遵守 し,ま たそ の者 の活動 が共 同社 会 におい て誠 実かつ肯 定的 な ものであ る
場合,移 民資格 を取得 す る こ とが で きる。
以下,省 略 一
宗教 団体 お よび一般 的 な信仰 に関す る法律327
第55条
移民 は,内 務省 が 同施行 規則 お よびその他 の規則 に従 い制 限す る以 外
のすべ て の合 法 的な活動 を遂 行す るこ とが で きる。
第60条
内務省 が承 認す る以外 の活 動 を遂行 す るた めには,許 可 が必要で あ る。
第62条
本 国 に入 国す る場合,外
国人 は,以 下 の条件 を履行 しな ければな らな
い 。
皿.入 国管理局 に対 し,真 実 を述べ るこ とを誓約 し,ま た要 求 され る情 報
を提供 す るこ と。
IV.有 効 かつ 正式 な書 類 に基 づ いて,身 分 お よび入 国資格 を証 明す る こと。
Y1.入 国許可 に際 して,指 示 を受 けた条件 を充足す るこ と。
第64条
外 国人 は,登 録 に際 して,正 式 な入 国お よび滞在 で あ るこ と,お よび
遂行す る活動 を証 明 し,ま た本法 お よび同施 行規則 が定 め るそ の他 の条件 を
充足 す る。
*第14条
につ いて
法 的代 表 者
原 語 は,unrepresentantelegalで
て も 意 味 が 不 明 確 に な る こ と は な い が,付
あ る。 単 に 宗 教 団 体 の 代 表 者 と し
録 の な か に,法
代 表 者losrepresentanteslegalesoapoderadosと
的 あ る い は委 任 に よ る
区 別 す る 表 現 が あ る た め,こ
の よ う に訳 出 した。
*第15条
につい て
民 法 第1325条
属,配
の定め
民 法(elCodigoCivil)第1325条
偶 者 お よ び 兄 弟 姉 妹 に 関 す る,相
1325条
は,聖
職 者,そ
の 尊 属,卑
続 人資格 の制 限 を定 めて い る。民 法 第
の 原 文 は,"CODIGOCIVILPARRE「LDISTRITOFEDERAL53
edition",PORRUA,S.A.,Mexico,1984.を
第1325条
聖 職 者 は,同
使 用 した 。
一 の 宗 教 上 の 組 織 の そ の 他 の 聖 職 者,あ
る い は4親
等
以 内 の 血 縁 関 係 を有 し て い な い 個 人 の 遺 言 に よ る相 続 人 と な る こ とが で き な
い 。 宗 教 上 の 組 織 の 聖 職 者 の 尊 属,卑
属,配
偶 者 お よ び 兄 弟 姉 妹 は,あ
が 死 亡 に 至 る 病 気 の 間 あ ら ゆ る 種 類 の 助 言 を 提 供 して い た 場 合,あ
職 者 が あ る 者 に 対 して 精 神 的 な 教 化 を して い た 場 合 に 関 し て,同
る者
る い は聖
様 にその者
の 遺 言 に よ る相 続 人 とな る こ とが で きな い 。
*第16条 につ いて
宗教 上の 出版 物 辱宗教 的性格 を有す る印刷物 の 出版 が現行 の禁止 の対 象 か ら除外 さ
発行 の根拠
第7条
れ る根拠 は,憲 法 第7条 が定 め る出版 の 自由に関す る条項 で あ る。
著作 の執筆 お よび発刊 の 自由 は,題 材 のいか んに係 わ らず,不 可侵 で
あ る。い か なる法律 お よび当局 も,事 前検 閲 を制度化 す る こ と,著 作 者 あ る
いは出版者 に保証 を請求す る こと,ま たは出版 に関す る 自由 を制限す る こ と
328
が で き な い 。 出 版 に 関 す る 自 由 を 制 限 す る こ と は,私
の 安 定 の 尊 重 の 場 合 に 限 ら れ る 。 出 版 物 を ,犯
生 活,道
徳 お よ び公 共
罪 の 証 拠 物 と し て,押
収す る
こ とが で きな い 。
以 下,省
*第21条
略一 一
につ いて
宗 教 上 の 活 動 に 供 され
原 語 は,temploで
あ る 。 し か し,意
味 上 か ら 判 断 す れ ば,
る建 物 あ るい は場 所
「寺 院 」 に 訳 す こ と は で き な い こ と が 明 白 で あ る た め ,や
や 説 明 的 な も の に な る が,DICCIONARIOANAYADELALENGUA,pag.927の
`t
emplo'の
説 明 に 従 い,`edificioolugardestinadoalcultopublico'.と
訳 出 した 。
*第28条 につ いて
憲法 第104条1こ
-A .の 定 め
れは,裁 判所 の管轄 権 につい て規 定す る ものであ る。
第104条1-A.連
邦法 あ るいは メキシ コ国家 が締結 した国 際条約
の履 行お よび適用 に関 して生 じる民事 あ るいは刑 事 のすべ ての紛争。 当該紛 争が
個 人の利益 のみ に関係 す る場合,原 告 の選 択 に よ り,州 お よび連邦管 轄区 の普通
裁判所 が 当該 事件 を審理す るこ とがで きる。第 一審の判 決 につ いて は,第 一 審 に
お いて当該事件 を審理 した裁判所 の直接 の上級裁 判所 に控 訴す るこ とがで きる。
*第33条
以下 につ いて
不服 審査請 求
原 語 は,elrecursoderevisi6nで
を 分 析 して も,た
あ る。 本 文 で 使 用 され て い る状 況
と え ば わ が 国 の 「行 政 不 服 審 査 法 」(昭37.9.15.法160号)で
い う,
「異 議 申 立 て 」 と 「再 審 査 請 求 」 の よ う な 明 確 な 区 別 が な さ れ て い な い よ う に 思 わ れ る 。
し た が っ て,そ
の 総 称 的 な 意 味 で こ の よ う に 訳 出 して お い た 。
*経 過規 定第2条 につ いて
憲法第130条
憲法 第130条 は,宗 教 に対す る国 の監 視 あるい は管 理 の方法 ない し様
式 につ いて定 めた,か な り長大 な条項 であ った。
第130条
宗 教上 の典 礼 お よび外面 的 な規律 に関 して,法 律 が 定 め る介入 を な
す こ とは,連 邦 の権 限 に属 す る。 その他 の機 関 は,そ の補助機 関 と して機 能
す る。
議 会 は,い かな る宗教 を も創設 あ るい は禁止 す る法律 を制定 す る こ とが で
きない。
婚姻 は,民 事 に関す る契 約で あ る。婚姻 お よびそ の他 の市民 的身分 に関す
る行為 は,法 律 の定 め る条件 において,民 事 に係 わ る公務 員 お よび当局 の排
他 的 な権 限 に属 し,ま たその法律が付 与 す る強制 力お よび効力 を有 す る。
真実 を宣誓 しかつ契 約 に基づ く債務 を履行 す る ことについて の略 式誓約 は,
宗教 団体 お よび一般 的 な信 仰 に関す る法律329
誓約 をな した者 が これに違反 した場合,法 律 に定 める制裁 を受 ける。
い わゆ る教 会 とい う宗教 上 の組織 につい て,法 律 は,法 人格 を認可 しない。
聖職者 とは,専 門的職務 を遂 行す る者 とみな され,こ れ につい て制 定 され
る法律 に直接規制 され る。
州議会 のみ が,地 方 の需要 に応 じて,聖 職者 の最大 定員数 を決定 す る権 限
を有す る。
メキシ コ合衆 国 内で,何
らかの信仰 の聖職者 の職務 を遂行 す るため には,
出生 に よ りメキ シコ国籍 を取得 してい るこ とが必要 であ る。
聖職者 は,集 会 を構成 す る公的 あ るい は私 的 な会合 において,ま た典礼 あ
るい は宗教 に関す る布教 の活動 において も,国 の基 本的 な法律,政 府 の特 定
の機 関あ るいは機 関の全 般 を批 判 す るこ とがで きない。 また聖職者 には,投
票権,被
選挙権 あ るい は政治 的 目的 を有す る結 社 を結 成す る権 利 も存在 しな
い ○
新 た に一般 の人 々に公開 の場 所 を宗教 上 の活動 に使 用す るた め には,州 当
局 に事前 に意 見 を求 め,内 務 省の許 可 を得 るこ とが必要 であ る。宗教 上 の活
動 に供せ られ る建物 あ るいは場 所 にお いて,そ の建 物 あるい は場所,お
よび
活動 に属 す る財 物 に関す る団体規則 が法律 の履 行 を遵守 してい るこ とにつ い
て,当 局 に対 し責任 を負 う管 理責任 者が おかれ る。
宗教 上の活 動 に供 され る建 物 あるい は場所 の管理 責任者 は,10名 以上 の住
民 の代 表者 とと もに,当 該建 物 あるい は場所 の管理 責任者 の氏名 を,市 町村
当局 に,直 ち に届 出 る もの とす る。変更 の場 合 はすべ て,前 任 の聖 職者 が,
後任 の聖職者 お よび10名 以 上の住民 の代表者 とと もに届 出 る もの とす る。市
町村 当局が この規定 の履行 につ いて監督 し,違 反 があ る場 合,各 々の場合 に
つ い て,解 任 お よび1,000ペ ソ以 下 の罰金 の 制裁 を受 け る。 同様 の制 裁 の定
めの下で,当 該建物 あ るい は場所 に関す る登 録簿 お よび管理責任者 に関す る
登録 簿が備 え られ る もの とす る。市 町村 当局 は,新 たな建 物 あ るい は場所 の
開設 あ るい は管理責任 者 の変更 の許可 に関 して,州 知事 を通 じて,内 務省 に
届 出 る もの とす る。動産 の寄付行為 につ いて は,当 該建 物 あるい は場所 の 内
部 にお いて受領 す るこ とがで きる。
いか なる理 由があ ろ うと も,聖 職者 に関す る専 門的 な教 育 を 目的 とす る施
設 にお いて実施 され る教 育 に,公 教 育 の課程 にお ける認 定が与 え られ るこ と
は な く,特 権 あるい は免 除 も付 与 され るこ とはな く,あ るいは効力 を付 与す
るこ とを 目的 とす る何 らか の措 置 を講ず るこ と も許 され ない。 この規 定 に違
反す る当局 は,刑 事罰 を受 け,さ
らに特 権 あ るい は免 除 ない しその他 上記 の
措 置 は無効 とな り,ま た この規 定 に違 反 して取 得 した職業上 の資格 は無効 と
なる。
宗教上 の活動 の計画,名 称 あ るいは単 なる一般的 な傾 向 のた めの専 門的性
330
格 を有 す る提起 刊行物 は,国 の政 治的問題 につ いて論評 す るこ とがで きず,
また公 的制度 の運営 と直接 関係 す る公 務員 あ るい は私人 の行動 につ い て報 道
す る こ ともで きない。
何 らかの信仰 と関係 す る言 葉あ るい はそれ を示唆 す る もの を名称 に含 むす
べ て の種 類 の政 治結社 の結成 は ,絶 対 に禁止 され る。政治 的性 格 を有 す る集
会 を,宗 教 上 の活動 に供 される建物 あ るい は場所 におい て,挙 行す るこ とは
で きない。
いか な る宗教 であ ろ う とも,聖 職者 は,布 教,宗 教 上 の 目的あ るい は慈善
に関す る何 らかの組織 が 占有 して いる不 動産 につ いて,自
らあ るい は第三者
を介 して,相 続,あ
るい は名 目のい かん にか かわ らず,受 領 す る ことがで き
ない。聖 職者 は,同
じ宗教 上 の組 織 の聖 職者,あ
るい は4親 等 以内 の血縁 関
係 を有 してい ない個 人 の,遺 言 に よる相 続人 とな る ことが で きない 。
聖 職者 の資格,あ
るいは宗教 上 の組織 の動産 あ るい は不動産 に関 し,そ の
個人 の資格 による取得 につ いて は,憲 法 第27条 に従 い,規 律 され る。
以 上の諸原則 に関す る違 反行為 の手続 きにつ いて は,絶 対 に陪審 に付 され
る ことはない。
(おかべ
ふ みのぶ
比 較文化研 究所助 手)
Fly UP