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マネジメント人材の育成を目指して -第二次報告
マネジメント人材 マネジメント人材の 人材の育成を目指して 育成を目指して -第二 -第二次報告- 2012 2012 年 10 月 マネジメント人材育成協議会 The Council for Human Resources Development はじめに グローバル化の加速度的な進展により世界的な大競争時代が到来している中で、わが国が活力 あふれる豊かな社会を構築していくには、経済活動の担い手となるマネジメント力に優れた人材 育成がなによりも重要な課題である。とりわけ、大学進学率の上昇は産業社会に多くの有為な人 材を輩出し、実務の第一線の担い手としてまた組織のマネジメントの中枢を担う人材として、企 業等組織において大きな役割を果たす比重が急増してきた。さらに、近年のグローバル化の加速 度的な進展により、マネジメント力に優れた人材のニーズをより一層強め、わが国の国際競争力 の形成に大きな影響を及ぼす要因になってきた。特に、文化的背景及び社会的背景を異にする「多 様で異質」なグローバルな競争環境においては、マネジメント人材に多様な力量が求められてく る。 また、マネジメント力に優れたマネジメント人材は社会のあらゆる分野の企業等組織の経営に おいて不可欠な資源である。また、マネジメント人材は根本的には社会の平和と発展を支える人 材でもある。マネジメント人材は学校教育においてのみ育成されるものでなく、またその人材を 活用する企業等組織においてのみ育成されるものでもない。わが国の人口が減少傾向にある中で、 希少資源となってくる人材の育成は、基本的には国家のプロジェクトの問題である。しかし、近 年の科学技術の進展、急速な技術革新、社会経済の急激な変化、多様化、複雑化、高度化、グロ ーバル化の進展等の環境の変化は、産官学連携してマネジメント人材の育成に努め、共有化して いかねばならない。 本協議会は、 「マネジメント人材の育成を目指して-第一次報告-」において、社会の企業経営 の分野において高度専門職業人の養成を目的とした専門職大学院教育の教育制度について検討を 重ね、専門職大学院制度の教育システムについて検証をした。もとより、マネジメント人材の育 成は経営専門職大学院だけでなく、広くビジネススクールと云われる通常の大学院教育のなかで も行われている。しかし、経営分野専門職大学院は専らマネジメント人材の育成を目的に制定さ れた教育制度であるために、第一次報告においては経営分野専門職大学院の発展を目指した制度 的諸問題について協議した。専門職大学院の教育制度の改革に取り組むべき問題は多々あるが、 それらには他の教育制度と有機的に関連している問題もある。それだけにパッチワーク的な対処 療法ではなく、システマテックな取り組みをしていかなければならない。しかし、そこには優先 的、重点的という視点も必要である。第一次報告における提言はそうした観点からのものである ことをご理解いただきたい。 「マネジメント人材の育成を目指して-第二次報告-」は、第一次報告に基づいてグローバル 化時代に求められるマネジメント人材の力量について協議した。そしてマネジメント人材の育成 に産官学はそれぞれどのような役割が期待されているかを検討した。第二次報告はマネジメント 人材の育成を産官学で共有できる社会的システムの改革の推進に向けての触媒となり、いささか でもその推進に貢献できればと願っている。 2012 年 10 月 マネジメント人材育成協議会 会長 伊 藤 文 雄(ABEST21 理事長) 1 目 次 Ⅰ マネジメント人材育成協議会の設立趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅱ 「マネジメント人材の マネジメント人材の育成を 育成を目指して-第二 目指して-第二次報告-」・・・・・・・・・・4 ・・・・・・・・・・4 Ⅲ 審議経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 審議経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・・9 1 協議会開催経過 協議会開催経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 2 「第二次報告」に向けての議事要旨 「第二次報告」に向けての議事要旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Ⅳ 参考資料・・・・ 参考資料・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 ・・・・・・・・・・・・・・26 ・・・26 1「マネジメント人材の育成を目指して-第一 (2010 年 9 月) ・・・・・・・26 「マネジメント人材の育成を目指して-第一次報告-」 ・・・・・・・26 2「マネジメント人材育成協議会」 マネジメント人材育成協議会」会員・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ 27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3「マネジメント人材育成協議会」 マネジメント人材育成協議会」会則・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 2 Ⅰ マネジメント人材育成協議会 マネジメント人材育成協議会の 協議会の設立趣旨 設立趣旨 わが国の経済・社会を取り巻く環境は、グローバル化、高度情報化、経済の成熟化など、かつ て経験したことのない大きな転換期に至っており、今、わが国は多くの局面において重大な選択 を迫られている。特に、グローバル化の加速度的な進展は世界的な大競争の時代をもたらし、そ の対応が急務となってきている。近年の世界的な経済不況は企業経営業績をより一層悪化させて きており、経営環境を革新していくマネジメント力に優れた人材の育成が喫緊の課題となってき ている。 高度経済成長を実現した 1970 年代までは、わが国は平等・効率・安全を共通の価値基準として 国家再建にまい進し、経済大国としての国際的地位を築いてきた。同時に同質志向、効率重視、 技術優先の企業社会を生み出し、企業は多数の均質かつ技量が高い即戦力の人材を求め、大学も そうした人材の育成に努めてきた。わが国の産業発展は、この比較的粒ぞろいで順応性の高い人々 の相互協力による集団的創造力の発揮によってもたらされ、泥臭さも厭わぬこの力が内外の技術 の芽を育て、世界最高の商品競争力をもつ産業技術を築き、その結果、わが国は「ジャパン・ア ズ・ナンバーワン」ともてはやされ、世界一の工業国になったが、今は大きくその様相を異にし てきている。 しかし、近年の金融不安に端を発する世界的な景気低迷はわが国経済に大きな打撃を与え、日 本企業の業績は急速に悪化し、雇用抑制、人員削減、設備投資の凍結・抑制等の厳しい対応を強 いられ、グローバルな視点でこの様な困難な経営課題を打開していくマネジメント力に優れた人 材の育成が急務となってきている。マネジメント人材の育成はわが国経済社会を支える人材資源 の開発に係る基本的問題であり、産官学連携して取組まなければならない課題である。特に、高 度専門職業人養成を目指したビジネススクールの教育に対する社会の期待は大きく、その高度専 門職業人養成に特化した専門職大学院制度も制定されてきた。 この度、わが国のビジネススクールを代表する 9 校、海外で事業を展開されている企業 9 社、 そして専門職大学院の教育を保証する認証評価機関の英知を結集して、マネジメント力に優れた 人材をどのように育成していくかを協議していく「マネジメント人材育成協議会」を設立した。 2009 年 10 月 28 日 3 Ⅱ 「マネジメント人材の育成を目指して-第二次報告-」 1.グローバル化時代のマネジメント人材の 1.グローバル化時代のマネジメント人材の育成 本協議会は、わが国のビジネススクールと企業との産学連携によって、明日の経営を担うマネ ジメント力に優れたマネジメント人材の育成について、各セクターよりの叡智を結集して社会に 必要な提言をしていく協議会である。本協議会は、2010 年 10 月、「マネジメント人材の育成を 目指してー第一次報告―」を公表してきた。第一次報告は、1999(平成 11)年に「国際的に通用 する高度で専門的な職業能力を有する人材の養成に特化した大学院修士課程」として制度化され た専門職大学院のマネジメント人材の育成のあり方について、制度の理念と現実とのギャップを 検証し必要な改善に向けての提言を内容としてきた。第二次報告は、第 10 回協議会(2010 年 9 月 27 日開催)から第 19 回協議会(2012 年 7 月 5 日開催)までの 10 回の協議会における各出席 者の発言を集約したもので、特に、グローバル化の進展に伴う文化的背景及び社会的背景を異に する「多様で異質」な競争環境で求められる力量を検討し、このような力量をもつマネジメント 人材をどのようにして育成していくかについて、学校教育と企業研修の役割の観点から協議した ものである。 近年の社会・経済・文化のグローバル化の加速度的な進展は、国際的な大競争時代を生み出し、 日本企業の国際競争力の維持強化を不可欠なものとしてきた。国際的な大競争時代は異文化の多 様で異質な市場を醸成してきているために、企業は異文化圏の価値観に対する理解力を高め、高 度のマネジメント力を駆使して、これを取り込んでいかなければならない。そのために、経営専 門職大学院及び企業は企業の国際競争力を支える強力なリーダーシップと創造力を身に付けたマ ネジメント力に優れたマネジメント人材の育成のために、産学協働していく機会を設定していか なければならない。 マネジメント人材は国際競争場裡で活躍する人材の基本的な姿である。人口が減少し、自然資 源の少ない島国のわが国においては、貴重な資源である人的資源を時代的要請に応えた人材に育 成していかなければならない。21 世紀の社会・経済・文化のグローバル化による国際的な大競争 時代において、世界で働くマネジメント力に優れた人材の育成は産学にとって喫緊の課題である。 マネジメント人材には、国際社会に通用する基礎的教養はもとより異文化圏の経営環境において 組織をマネジメントしていく高度専門知識・スキルの知力だけでなく、マネジメントの諸問題を 瞬時に発見し、解決していく現場力の涵養が不可欠である。この現場力は基本的には企業での実 践を通じて強化されていくものであり、実践経験を蓄積する機会がマネジメント人材の育成に与 えられてこなければならない。 ビジネススクールと企業は、未来の経営を担う人材を育成していくという共通の課題を担って いる。社会における人材の育成は教育機関または人材を活用する組織との排他的な二者択一の代 替関係にあるのではなく、それぞれの組織の使命から学校教育の限界及び企業研修の限界を相互 に認識し、学校教育と企業研修のそれぞれの特徴による学習または研修の機会を有効に活用して、 明日の社会の平和と繁栄に貢献する人材に育成していかなければならない。従って、ビジネスス クールと企業は連携して社会的視点からマネジメント人材の育成に協働していくことが必要であ る。 2.ビジネススクールにおける教育 ビジネススクールにおける教育環境 教育環境の 環境の整備 1)多数の学生間で活発な 1)多数の学生間で活発な議論 多数の学生間で活発な議論が展開される 議論が展開される競争 が展開される競争的な 競争的なクラス 的なクラス環境の設定 クラス環境の設定 マネジメント力に優れた人材を育成していくためには、様々な背景を持つ者と互いに切磋琢磨 しながら自らの能力を磨いていく修羅場の体験が求められている。ビジネススクールに通学する 学生にも、授業クラスが実務における修羅場のような厳しい競争的環境において、学生間で活発 4 な議論を展開する機会が与えられうる一定サイズのクラスでの授業が必要である。教場は学生間 また教師と学生間で激しい議論しながら自らの能力を磨いていくことのできる機会であるので、 クラスにおける厳しい競争環境の形成が必要である。そのためにビジネススクールは収容定員を 確保し、クラスサイズの適正化を図り、教育の質維持向上を図ることが求められる。 2)経営 2)経営実務 経営実務を 実務を疑似体験する授業 疑似体験する授業の する授業の配置 マネジメント人材には、リーダーシップと企業家精神の力量が求められてくることから、カリ キュラムにおいてソフトスキルを開発していく授業科目の配置が必要である。ビジネススクール は一定の年齢及び役職でなければ経験できない経営幹部の実務を疑似体験させる機会を提供して いくことが必要である。例えば、多種多様な価値観と文化で構成されたチームワークを経験する 「マネジメント・ゲーム」の授業はその一例である。 3)学 3)学術理論と実務 術理論と実務の融合した 実務の融合した教育の推進 の融合した教育の推進 マネジメント人材の育成には、グローバル化の進展により複雑に錯綜した様相を示してくる国 際諸事象を解明していく先端的な学術理論を教授していくだけでなく、国際競争場裡で展開され ている実務をマネジメント経験豊富な実務者によって実務の実態を学ぶ授業を提供していく必要 がある。また、修得した学術理論を駆使して実務を解明していく疑似体験の「ビジネス・プラン ニング」の授業は、学術理論と実務の融合を実現する授業と考えられる。同様に、ケーススター ディーの授業においても同様の効果が得られる。 4)異文化コミュニケーション力の向上を図る 異文化コミュニケーション力の向上を図る教育環境の コミュニケーション力の向上を図る教育環境の設定 教育環境の設定 マネジメント人材の育成には、グローバル化の時代的要請に応えて、ビジネススクールにおい ても学生の異文化コミュニケーション能力の向上を図る教育機会の提供が必要である。それは教 育環境の多様化に配慮して、外国人留学生の受入及び外国人教師の任用等により学生の異文化コ ミュニケーション力の向上を図る機会を提供していくことが必要である。 5)国際 5)国際的 国際的教養を 教養を涵養する 涵養する教育機会 する教育機会の提供 教育機会の提供 グローバル化の進展により、異文化コミュニケーションの機会が増大し、マネジメント人材に は専門分野についての高度の専門性を有するだけでなく、グローバルなセンスや多様な異文化へ の適応力と幅広い教養と高い倫理性を身に付けた国際的教養の涵養が必要である。そのために、 ビジネススクールにおいてもその国際的教養を修得する学習機会、例えば、先端的情報技術を駆 使してリアルタイムでテレビ会議システムを使って海外大学の学生と国際合同授業を実施するこ とにより、また海外インターンシップまた海外短期研修プログラムの提供により、国際社会で通 用するマナーを学ぶことができるかもしれない。 3.企業における研修 企業における研修環境 研修環境の 環境の整備 1)若手 1)若手人材に対する 若手人材に対する早期 人材に対する早期海外 早期海外勤務・ 海外勤務・研修 勤務・研修機会の提供 研修機会の提供 企業等組織においても若手社員の異文化コミュニケーション力を高めていくためには、若手人 材に早期の海外勤務及び海外研修の機会を提供していくことも必要である。早期の海外勤務及び 海外研修の機会は、現地語または英語による異文化コミュニケーションに必要な情報回路を構築 し、交渉を円滑に進めていくことができる機会ともなる。また、早期の海外勤務及び海外研修の 機会は、海外市場での競争の修羅場を体験し、マネジメントの現場力を学習する機会ともなる。 その際、海外派遣前研修及び帰任後のフィードバックが必要であり、ビジネススクールとの連携 により専門分野の研究者の助言等を活用していくことも、研修の成果を高める機会ともなる。 5 2)若手人材に対する 若手人材に対する修羅場の早期 修羅場の早期体験機会の 早期体験機会の提供 体験機会の提供 激化していく国際競争環境において、これからリーダーとして組織をマネジメントしていくた めには、若手人材を過保護的な環境で育成していくのではなく、どんな過酷なビジネス環境にお いてもそこを切り拓いて生存していくという強靭な精神力と逞しさを身に付けた人材に育成して いくことが必要である。そのためには若いうちに文化的に居心地の悪い、厳しい競争環境の下で の修羅場を体験することも重要となってくる。 3)ビジネススクール 3)ビジネススクールに通学する社員に対する ビジネススクールに通学する社員に対する時間的 に通学する社員に対する時間的な 時間的な配慮 マネジメント人材に求められる力量は、企業等組織での研修によって、または現場の鍛錬によ って形成される場合が多い。しかし、企業が独自に企業内研修によって先端的な高度の専門的知 識・スキルを習得させる機会、幅広い教養と高い倫理性を身に付けさせる機会、企業の経営実践 を疑似体験させる機会、また同世代の社会人学生の異業種交流による異なる価値観を学ぶ機会等 を提供していくには限界がる。ビジネススクールにはこれらの学習機会が社会人学生に提供され ている。ビジネススクールに通学する学生の多くは昼間に企業等組織で働く社会人学生である。 それ故に、通学に対する時間的制約がかなり大きい。ビジネススクールでの学習成果は最終的に は企業の業績に還元されていくものであることを考えるならば、学習意欲のある社会人学生の通 学に対して一定期間の時間的配慮等が望まれる。 4.マネジメント人材育成 4.マネジメント人材育成に対する マネジメント人材育成に対する国への に対する国への要望 国への要望 1)経営専門職大学院制度の確立 経営分野専門職大学院は、通称「ビジネススクール」と呼ばれているが、現実において経 営専門職大学院は通常の大学院設置基準と異なる厳しい専門職大学院設置基準によって設置され たビジネススクールである。課程設置認可に求められる修業年限、教育方法、修了要件、教員組 織等は既存の大学院修士課程のビジネススクールと大きく異なっている。専門職大学院制度は、 「大学院における高度専門職業人養成について」 (平成 14 年 8 月中教審答申)において、 「経営管 理、公衆衛生・医療経営などのほか、法務、知的財産、公共政策(行政)、技術経営などの分野で 高度専門職業人養成に特化した大学院」として、 「国際的、社会的にも活躍する高度専門職業人の 養成」を目指して制定された大学院制度である。グローバル化の時代的要請に応えて、この専門 職大学院制度を発展させていくためには、専門職大学院の使命を社会に周知徹底させ、その 社会的役割を社会に明確にした専門職大学院制度を確立させていくことが必要である。 2)専門職大学院の 2)専門職大学院の教員人件費に対する 教員人件費に対する支援 に対する支援 経営分野専門職大学院は、「大学院における高度専門職業人養成について」の答申の提言に応 えて、 「国際的、社会的にも活躍する高度専門職業人の養成」を実現していくためには、国際的に 通用する第一級の教員の招聘が必要である。しかし、現実の厳しい専門職大学院設置基準によっ て設置された専門職大学院には、国際的に通用する第一級の教員を招聘するだけの人件費の余裕 はない。経営専門職大学院の「社会的・国際的に通用する高度専門職業人養成」の使命を実現し ていくために、教員招聘経費に対する支援制度が必要である。その場合、専門職大学院が単独で 教員招聘するのではなく、専門職大学間でコンソーシアムを形成して世界第一級の招聘教員を共 有していくシステムの構築が考えられる。 3)専門職大学院の 専門職大学院の「実務家教員」基準の見直し 専門職大学院設置基準は、専門職大学院に「実務家教員」の一定数の任用を規定している。 しかし、実務家教員の必要性は実務経験年数に基づいた実務知識・スキルだけにある問題で 6 はなく、多様で実践的な体験、例えば特定企業の調査研究を継続してきている教員また企業 の経営コンサルタントの経験を有する教員にも、実際に企業に正規に勤務した年数がなくて も、実務知識・スキルを教授しうる教育力のある教員とみることもできる。近年の科学技術 の進展や急速な技術革新、社会経済の急激な変化と多様化、複雑化、高度化、グローバル化 等に対応していくためには、多様な「実務家教員」が必要であり、実務経験年数を重視した 「実務家教員」のあり方を見直していく必要がある。 4)専門職大学院に 専門職大学院に DBA 教育プログラムの 教育プログラムの開設 プログラムの開設 高度専門職業人養成に特化した専門職大学院の教育には、その教育を担うだけの学術の理 論と応用を極めた教育研究者の養成が必要である。特に、近年の科学技術の進展や急速な技 術革新及び社会経済の多様化、複雑化、高度化、グローバル化等の進展は、より一層国際的 に通用する高度専門職業人の養成を喫緊の課題としてきている。この課題に応えていくため には専門職大学院の教育資源の蓄積を支える研究活動を活性化し、専門職大学院教員の後継 者を養成していく体制を整備していかなければならない。 一方、専門職大学院の修了者には、課程修了後、専門職大学院の教育研究者になることを 目的とする者と同時に継続して自らのスキルをより一層磨いていくことを目指す者とが存在 している。しかし、現状の専門職大学院の教育システムでは、専門職大学院の教員後継者を 養成することも、また課程修了者が課程修了後も同課程で引き続き一層高度のスキルを磨い ていくこともできない。専門職大学院がこの社会的要請に応えていくためには、専門職大学 院の教育プログラムを多様化していくことが必要である。 現在、法科大学院には標準修業年限 3 年以上の法務博士(専門職学位)学位を授与する教 育プログラムがある。これと同様に経営専門職大学院において、経営管理修士(専門職学位) 、 MBA (Master of Business Administration)教育プログラムと並んで、標準修業年限が 3 年以上 の経営管理博士(専門職学位)、いわゆる DBA(Doctor of Business Administration)の教育プ ログラムを設置することができるならば、 「教育と研究」と「理論と実務」とが一体化した専 門職大学院の教育研究体制が整備されてくる。この DBA 教育プログラムは、修士課程及び専 門職学位課程の修了者を対象にした教育プログラムとして位置づけていくことができる。 5.マネジメント人材の力量 1)マネジメント人材に求められる基本的な力量 本協議会では、グローバル化時代に求められるマネジメント力に優れた人材に求められる基本 的な力量は下記のものとした。 1)企業家精神(Entrepreneurial Spirit) (1)企業家精神( ) マネジメント人材には、刻々と移り変わる状況と 対峙しながら、絶え間なく流れる情報を迅速に処理 し、自ら正しいと信じる価値観に基づいて意思決定 し、明日の経営を革新し創造していく企業家精神が 必要である。 (2)不撓不屈の精神(Indomitable Spirit) ) 2)不撓不屈の精神( マネジメント人材には、過酷な国際環境において も挫けることなくポジティブに思考を展開し、初志 貫徹するタフネスさが必要である。世界の様々な分 野の人々と伍してビジネスをしていくためには、ス 7 トレス耐性が強い強靭な精神力を身に付け、対等な立場で交渉していく力量が求められる。 3)リーダーシップ(Leadership) (3)リーダーシップ( ) マネジメント人材には、世界の様々な分野で多様な人々を受容したり自分が受容されたりしな がら、多くの人々と会社のビジョンやミッションの達成に向けて人々を動かしていくグローバル なリーダーシップが必要である。 2)マネジメント人材に求められるマネジメント力 マネジメント人材に求められるマネジメント力 これらの基本的な力量に加えて、マネジメント人材のマネジメント力として下記の能力が求め られる。 (1)高度の ) 1)高度の経営 高度の経営知識・スキル 経営知識・スキル( 知識・スキル(Ability to master management knowledge and skills) マネジメント人材には、その基本的能力として、 直面する諸問題の本質は何かを見抜く問題発見力 と同時に問題を解明していく問題解決力が必要で ある。そのためには、先ず専門性を磨き、複雑に 錯綜した様相を示す国際的な諸事象を解明するこ とができる高度の経営知識・スキルを修得してい かなければならない。それと同時にグローバル市 民としての国際的な教養と高い倫理観を身につけ ていかなければならない。 (2) 異文化コミュニケーション力( to 異文化コミュニケーション力(Ability コミュニケーション力( communicate globally) ) マネジメント人材には、文化的背景や社会的背景を異にする「多様で異質」な国際競争場裡で 組織を経営していくために、多様な価値観を身に付けた相手と交渉をしていかなければならない。 交渉の手段として、コミュニケーション力は不可欠であり、言語が大きな役割を果たしてくる。 国際語としての英語をまたは現地語を駆使しての交渉が求められてくる故に、グローバル化時代 においては英語だけでなく現地語をも修得していく必要がある。コミュニケーション力は交渉力 の源泉であり、国際競争場裡において周囲を巻き込み、独自でも考える事ができ、多様性の状況 下でも共感が得られる環境を創り出し、訴求力を高めていくことができる。 )多様性管理 管理力( 力(Ability to manage diversity) (3)多様性 管理 力( ) マネジメント人材には、異文化圏の価値観を理解しうる国際的素養を身に付けた人間性が求め られてくる。文化の多様性に溶け込むことができ、またその多様性を自己に引き込むことができ る知力(Intelligence)、体力(Physical Power)そして道徳力(Moral Power)を身に付けた人間性が現地 の修羅場を乗り越えていくことができる。グローバル化社会では、目先の利害にのみ心を奪われ ていくのではなく、現地の文化に根を下ろして異文化圏の価値観を吸収し、地域社会の発展に資 する活動拠点を形成していくことが必要である。そのためには、異文化圏の多様な価値観をコン トロールするだけの人間性の鍛練が必要である。 マネジメント人材の育成 8 Ⅲ 審議経過 1.協議会 1.協議会開催 協議会開催経過 開催経過 1)第一次報告 1)第一次報告 第 01 回 2009 年 10 月 28 日(水)設立 第 02 回 2009 年 12 月 02 日(水) 第 03 回 2010 年 01 月 22 日(金) 第 04 回 2010 年 02 月 23 日(火) 第 05 回 2010 年 03 月 24 日(火) 第 06 回 2010 年 04 月 28 日(水) 第 07 回 2010 年 05 月 31 日(月) 第 08 回 2010 年 06 月 29 日(火) 第 09 回 2010 年 07 月 28 日(水) ) 2)第二次報告 2)第二次報告 第 10 回 2010 年 09 月 27 日(水) 第 11 回 2010 年 10 月 29 日(金) 第 12 回 2011 年 06 月 23 日(木) 第 13 回 2011 年 07 月 28 日(木) 第 14 回 2011 年 10 月 18 日(木) 第 15 回 2011 年 11 月 24 日(木) 第 16 回 2011 年 12 月 21 日(水) 第 17 回 2012 年 01 月 25 日(木) 第 18 回 2012 年 05 月 24 日(木) 第 19 回 2012 年 07 月 05 日(木) 2.「第二次報告」に向けての 「第二次報告」に向けての議事要旨 に向けての議事要旨 第 10 回マネジメント人材育成協議会 日時:2010 年 9 月 27 日(水)13:00-15:00、 、場所:南青山会館 日時: (水) 場所:南青山会館 ・企業、大学側双方が歩み寄ることに抵抗をもっている。企業はより大学側に歩み寄るべきだし、 大学側も企業からの経営学のニ-ズを教育に取り入れるべきである。そうすれば、大学側も "学び"が得られるし、企業側も今までなかった視点を持つ事ができる。人材ネットワ-クのよ うな浅い連携ではなく、よりお互いが深く入り込んだ連携を構築することが肝要である。また 基礎的学力だけでなく、スキル・マインドセット(経営者としての心のあり様)を育成する教 育プログラムの開発も必要である。 ・集合体としては、経営に必要なプログラムはあるがまだまだ少ない。個別の教育プログラムの 話として企業と大学の連携の話を始めて頂きたい。 ・企業が必要としている人材像を明確にする必要がある。言葉・文化を知ることを大学に求める のは適切ではないが、ビジネスの考え方について大学は教える事ができる。企業と大学側の認 識の溝を埋めるのは難しいが、まずは大学教育を知っていただき、どうやって企業側が大学を 活用できるか検討してもらいたい。 ・経営者にとって必要な Mindset は、短期研修(年 2 回の 8 日間等)では育成出来ない。大学で 教育すべきである。大学教育には向き不向きな分野があり、語学などは留学などが近道であり 9 不向きである。教育分野によって、大学が行うか、企業が独自で行うかを決めればよいのでは ないか。 ・教員の得意分野は一人ひとり違うので、大学と企業を結び付けるエージェントのような機能が あれば良いのではないか。企業、大学の双方がお互いの事を知るべきではないだろうか? ・企業が自身のニ-ズにあった教育プログラムを探すのは現時点では困難である。教員個々の得 意分野等を明確にしてもらえると、大学側に教育を委託する分野を絞り込むことができる。社 員を海外ビジネススク-ルに派遣する目的は、人脈形成、海外社会人の考え方を身につけても らう事である。国内ビジネススク-ルに求めたい能力開発は、課題解決能力である。 ・MBA で学ぶ学生の主な動機は、実務を通じで自分に足りないと感じている部分を補完する事で ある。 ・社内研修を MBA 教育に委託する必要はない。将来的に MBA の知識は経営幹部には必要であり、 企業によっては、経営幹部を短期 MBA プログラムに派遣している実績はある。企業は自身で研 修を行うので、大学側には知識を提供してはいただきたいが、MBA 学位が必要とは思わない。 ・米国での経験からすると、1980 年以降は国際的なビジネスの交渉のテ-ブルにつくには、MBA 以上の学位を有している事が必要である。MBA 学位はビジネスを進める上での"免許証"のよう な役割を果たしている。 ・企業からのリクエストに合致した教員を企業に紹介するといった事に対して、現時点ではなん のインセンティブもない。リクル-トや産能協会等でも同じようなことをやっている。ビジネ ススク-ルは現状の MBA 教育を提供するだけではなく、ファイナンス等必要科目に特化したプ ログラムを提供してもよいのではないか?フレキシブルなプログラムの開発が必要と考える。 ・社員研修は企業内でしか出来ないのではないか。 ・ 「他に勝てる人材育成」など、どういった人材が育成されるのかを明記し顧客の信頼を得ること が必要ではないか。 ・グロ-バルビジネスの経営幹部ポストで日本人が占めている割合は年々減少している。グロ- バルに活躍できる人材を育成するためにはビジネスの上での修羅場を経験させる必要がある。 実践的な人材育成に対応したプログラムをフレキシブルに提供してもらいたい。 ・経営者育成にニ-ズがあるとは限らないし、1企業1大学で進めると不義理が生じる事がある。 経営幹部育成の部分でビジネススク-ルが企業研修を補完するために、大学の垣根を越えてベ ストメンバ-で、スク-ルを Temporary で形成し、教育を提供すれば良いのではないか。企業 独自の分野の教育を MBA 教育が行うべきではない。人の声に耳を傾け、自ら考えて養成される ものである。企業は自社の企業性質と似た会社のケ-ス分析をもっと行った方がよい。 ・MBA 教育にも良い点がある。現場たたき上げ社員のみで上層部が固められている組織は Compliance 上問題が起こりやすい。過去に縛られない、客観的で適切な考えを出来る人材育成 に MBA 教育は有益である。米国の企業はビジネススクールの教育を重視し、教育プログラムの 開発に多額の投資を行っている。日本の大学側が提唱しているグロ-バル人材の具体像が見え ない。 ・アジアのビジネススク-ル Dean's Meeting に出席してカルチャ-ショックを受けた。中国と韓 国のビジネススク-ルには"Just let's do it!"という姿勢の共通点が見えるが、日本ビジネススク -ルには見えない。日本のビジネススク-ルは他のアジアのビジネススク-ルに吸収されてし まうのではないか?日本は自国の独自性を強調しがちである事が問題。ビジネススク-ルの活 動にとって MBA 教育は一部のみで、もっと Company Customs Programs の開発に注力すべき である。 ・新入社員には基礎的スキルがないので、経営学的な基礎のスキルおよび東芝の DNA を段階的に 習得させる必要がある。Leadership の帰着点は CEO になるスキルを身につける事。グロ-バル 10 に展開する為には、現地化の促進が必要である。ものづくりの多い東南アジア地域にはまだ日 本人出向者が多いが、本社の DNA をもった現地人マネ-ジャ-の育成にこれから力を入れてい きたい。自社製品には誇りを持つべきであり、産官共同で行っていくべきプロジェクトである と考える。 ・企業内研修はやっていてつまらない。異なるバックグランドを持つ人を投入して教育しなけれ ば、強い人材は育成できないのではないか?学校教育によって人材を育成しようとするのは間 違いで、もともと優秀かつ Aspiration を持った学生を集めてより高度なスキルを修得すべく教 育を提供するべきである。本校では、Flagship Program という、4 社程度の経営幹部を集めて 新任役員プログラムを提供しているが好評である。企業や転職などを目的とした学生に役に立 つのは短期的なプログラムである。優秀な人材の労働市場を良く見てプログラムを設計する事 が大切である。 ・"学問のすすめ"などの古典読み、歴史・文化を知る事は大切である。MBA 教育を通じて、共通 言語や文化を共有する事は大切である。 ・学校教育法に基づいた履修証明制度や取得単位制度の制定など、制度設計の面で支援を続けた いと考えているので意見をいただきたい。 ・企業と大学だけで議論していても解決は見いだせないので、地球規模でもっと視野を広げて協 議すべきである。 第 11 回マネジメント人材育成協議会 2010 年 10 月 29 日(金)、場所: 、場所:アイビ-ホ-ル 場所:アイビ-ホ-ル ・若者の理系離れが進んでいる原因の一つに、文系出身者の方が理系出身者より生涯賃金が高い ことが挙げられる。理由としては長年技術職に従事してきた社員における経営幹部候補へのキ ャリアチェンジの困難さが考えられる。企業では理系出身者のキャリアパスをどう考えている のか? ・性質的に経営に深くかかわっている経理、人事部門出身者が経営層に多くなる傾向にあり、結 果的に文系出身の役員が多いかもしれない。役員クラスの技術系管理職のポストを企業は増や すべきではないか?そのためのキャリアパス教育も必要であると考える。 ・理系出身の社員が多い。生涯賃金も理系出身の方が比較的高く、理系出身の社長も過去に輩出 されている。エンジニアがマネジメントを兼務する事は困難なので幹部候補のエンジニアを早 めに発掘し、技術以外の MBA 教育にある経営要素を取り入れたプログラムを受けさせ、ロジカ ルな思考・分析力、基礎力を引き出すべきであると考える。 ・現状では、理系出身のマネジメントは少ない。しかし、理系出身社員のポテンシャルは高いの でマネジメント教育にもっと力をいれても良いとは思う。 ・経営幹部層には技術系出身者が多いが、好んで基礎研究部門に徹する技術者も多い。技術者の キャリアパスを考えると、経営系の教育を早い段階で行うべきである。 ・我々のビジネススク-ルでは、工学修士の学生に対して 1 年プラスして授業を受けると MBA 学 位も取得できる制度を導入している。 ・基本的に理系・文系出身者での差はない。海外の大学院に通わせるなどし、一旦職場から離れ てこれまでを振り返る機会を提供する事が必要であることが必要である。また、JAICA の活動 の一つに、ガ-ナでリタイヤした日本人技術者が修理工を育成する学校の講師として活躍して いる。こういった中高年の技術系社員のキャリアについても一考すべきである。 ・理系出身者の能力を重視する。技術者は大体 40 歳前後で、「専門職として技術を深堀する」もし くは「マネジメント職に転ずる」かを決めなければならない分岐点に立つ。技術の細分化により 技術者の汎用性は低くなっている。経営視点を持った技術者の育成が必要であると考える。 11 ・役員の半数以上が理系であり、新入社員の文理の比率は 1:3 である。研究部門の技術者の昇格 が遅れる原因の一つに本人が技術に専念したいという希望を持っている事が挙げられる。生涯 賃金に関して文理の差は感じられない。 ・自動車事業に特化しているので文系・理系の組織が完全に分かれている。子会社・グル-プ会 社には理系出身が多いが経営に関してはあまり関わっていない。 ・技術者のキャリアチェンジの為には早い段階でのマネジメント教育が必要であるのではないか。 ・当初のプログラムではキャリアチェンジの為の教育をタ-ゲットとしていた。しかし、現在は学 生のニ-ズに合わせてダブルディグリ-が取得できるプログラムを提供している。 ・日経調査では、理系出身者の生涯賃金が高いとの結果が出ていた。企業から金銭的支援を一部 でも受けている学生をもっと増やすべきではないか?30 代~40 歳前の理系社会人に対してビジ ネススク-ルはキャリアモデルに合わせたプログラムを提供するべきではないか? ・ビジネススク-ルはキャリア移行を支援すべきである。 ・学生および教員それぞれ文理の比率は半々であり、多様な科目を取り揃えている。 ・文理の出身の違いはあまり関係ないのではないか?分野に慣れていないのではないか? ・欧米のキャリア担当は大変であり、Carrier Change ではなく Carrie Enrichment を促す教育をす べきである。 ・学生の 6~7割が理系出身者である。35-45 才の技術者が管理職に就かなければならなくなった ときに MBA 教育のニ-ズが生まれる。実務に即した、サプライチェ-ンや、管理会計等の科目 に企業ニ-ズが本当にないのか判断してもらいたい。 ・自己の経験を振り返ってみても 40 歳前半にトランスファ-する機会が多い。キャリアチェンジ ではく、キャリアトランスファ-が多い。理系社員は 6 割を超えているし、一部の文系社員に はソフトウエア技術を学ばせている。ビジネススク-ルに通った結果としてのキャリアチェン ジの機会は社内にはない。より Enrichment する事が目的である。 ・ビジネススク-ル教育において MBA 教育はほんの一部になっており、2 年間の学位以外にニ- ズがあるのでは。 ・同じ釜で育ったという経験は日本企業では大切である。 ・日本の企業はなぜ独自性にこだわるのか? ・理系のキャリアチェンジに関して成功事例等を共有したら本協議会の意義があるのではない か? 公務員にもマネジメント能力が求められている。ビジネススク-ルのテ-ラ-メイドの 教育についても議論の価値があるのではないか? ・外国語教育を含めたマネジメントリテラシ-教育も必要であるのではないか。マネジネントの リテラシ-、キャリアチェンジの為の基礎的教育についてそれぞれの教育資源の中で考え、ポ テンシャルの高い人材の成長戦略を立てカリキュラム開発を行う必要があるのではないか。 ・企業はビジネススク-ルから自らが必要と考えるプログラムを提供されただけで、マネジネン ト教育全体をコントロ-ルできるのだろうか? ・中小企業の社長、二世社長の学生も結構多いのでこういった学生へのニーズに応えることも必 要である。 第 12 回マネジメント人材育成協議会 日時:2011 年 6 月 23 日(木)10:00-12:00、場所: 、場所:南青山会館 日時: 日(木) 、場所:南青山会館 ・ビジネス分野の専門知識と多様性への適応等を企業は期待しているが、人間性の軸で考えてみ ても面白いのではないか? ・過去は日本からの出張ベ-スで海外現法をマネジメントしていたが、ロ-カル社員のレベルをマ ネジメントレベルまで引き上げたいと考えている。日本のビジネススク-ルの発展の為には、 12 日本人教員にこだわらなくてもよいのではないか?例えばシンガポ-ルの国立大学は教員の約 半数が外国人教員で構成されている事も珍しくない。学生も日本人ばかりよりも留学生が混ざ る方が、レベルが上がるのではないか? ・日本の学生を増やしたいと考えている。グローバルに通用するビジネスパーソンの育成におい て地域を特定する必要はないと考える。また、手段を教え込む事に特化してきた事が反省すべ き点であり、利益を追求するだけでなく、何のために行うのかという目的を考えさせる事が必 要である。そのため、カリキュラムを改善し、Self-knowledge program を開始した。これは、 1.5 年間ビジネススクールで学んだところで、1週間、 「次の5年はどうしていくか?」 「なんの ために?」を自身に問うプログラム。自身の mission, vision, value について振りかえり、20 年 後、person of the year award に自分の名前がリストアップされている事を想定して自身の将来 を考える機会を提供する。 ・東南アジアの MBA 教育は、ある意味標準化されているのではないか?英米で開発されたプログ ラムが東南アジア(ベトナム等)に輸出されている。Malaysia などは英ビジネススク-ルを視 野に入れている。日本学部教育の形骸化。我々の大学では how to だけでなく what を教えてい る。アジアの Demographic Change は激しい、MBA ホルダ-は、組織と離れて一匹狼になり がち。この 2 つをつなぐ Supporting Staff も必要である。 ・もっと日本人学生を受け入れるべく、2012 年 Global MBA Program へ名称変更を予定。シン ガポ-ルの学校とのW-Degree Program に日本人学生はなかなか受からない。英語プログラム を受ける日本人が少ない(G-MAT や TOEIC の基準が高いため。また基準を満たしている学生は 海外のビジネススク-ルへ行ってしまう。)最終的には、日本語で最初にコア科目を教え、同じ 内容を 2 回目は英語で教える等を検討している。 ・ビジネススク-ルで教えられる時間は 450 時間と限られている。仕事を通じての方が学ぶ事は 多い。ビジネススク-ルへ通うことによって、学生のものの見方が変わる事を期待している。3 次元的人材育成をめざす。 ・企業は節操がない。企業はビジネススク-ルで学んだ学生をどう活用するか考える必要がある。 又、国としてどんな人材育成をすべきか?本音べ-スで話していかないと、お互いの特殊事情 を理解できない。 ・企業で培って来たものをいかに共有出来るか?根にある企業の考え方を理解しているのは、今 のところ企業である。必要なのは Management 力。事業を進めていくのに必要な、OJT では学 べない Skills を短期集中して学校で学んでもらいたい。また、大学生の基礎学力の低下が問題。 ・狭義の MBA を考える。企業のマネジメントに MBA は必要ないというのは大手の事情。時代の 変化に合わせてフレキシブルに組織を立て直す為には何が必要なのか? ・向かっている方向性は同じだと思う、MBA の Skill Knowledge が必要。How でなく What (Leadership, 実践力)が必要。Diversity の Management 力が学べるのは有意義であり、 Leadership を潜在的に持っている人を見つけ出す事が大切である。 ・MBA 教育を 20 数年行っている。どういった能力を伸ばす事が必要なのかを考えている。 ・経営スキルではなく、何のために?を見つけられる志の高い人材を求める。周囲を巻き込み、 個人でも考える事ができ、Diversity の状況下でも共感が得られる質を有する人材が大切。現時 点で、ビジネススク-ルに送り出す社員に大志を頂いている社員は少ない。社内企画へ移りた いなど。 また、派遣する社員は、学習能力があり、会社へのロイヤリティ-もそれなりに高 い勤続 10 年目ぐらいの社員に制限している。MBA がトップリ-ダ-になっているか?といえ ばいつもそういう訳ではない。求めるものが違っているのかどうか?グローバル化とは管理す る方からみれば、標準化につきる。世界中の社員が同じレベルである事が必要であるという理 解だった。しかし先日の品質問題から学んだこととして、標準化だけでは、ロ-カルカスタマ 13 -の満足は得られない。Diversity の重要性を理解する事が大事である。 ・MBA 経営企画に携わっている。もっと具体的な議論を進めるべきだと思った。 ・グロ-バル化に英語力だけでは駄目。問題の根底にあるのは何かを見抜く能力が必要である。 ・インド、フィリピン、インドネシア等で掘削機関連の仕事をで現地スタッフと一緒にして来た。 日本人が海外にかなわないのは、たくましさである。反対に強みは、①スケジュ-ルどおりに こなす事。②チ-ム間の調整をはかる事である。 ・海外から尊敬してもらえるような人材育成のしくみを作っていく事が大切。Modeling のノウハ ウを経営の戦略に取り入れる事が出来るのではないか?という事を現在模索中である。 ・それぞれの役割があるのではないか? ・Management 力のうち、特にリ-ダ-シップとビジネスセンスが必要である。5 カ国の人間が 5 カ国語をつかってディスカッションを試みた。すべての言葉は理解できないがイメ-ジの共有 化は可能である。そのくらい極端な理念の共有化がべ-スにある事が大切である。 ・30-40 代、実務経験がある学生が主流であるので即戦力になる授業が求められている。 ・復興に耐えうる人材をどうやって育成するか? グロ-バル化をどうやって行うか? 日本の 大企業の採用が外国人に移行してしまうのか?中教審でもこの点について議論をしている。こ ういった双方向の議論を続けていただきたい。グロ-バル化も含めて、どういった人材を社会 に送り出すか?という議論を活発にしてもらいたい。 第 13 回マネジメント人材育成協議会 日時: 、場所:南青山会館 日時:2011 年 7 月 28 日(木)14:00-16:00、場所: 日(木) 、場所:南青山会館 ・Global なセンスや Diversity への順応性は学校で教えられるものではなく、経験によってのみ得 られるのではないか? ・イギリスの大学では在学中に、Gap Year(一年間企業等、学校の外で過ごすこと)を経験する ことを奨励している。イギリスでは Straight に大学を卒業しても、良いところには就職できな い。ヨーロッパの一般的なインタ-ンシップは短くて半年、通常 1 年間である。インタ-ンシ ップは企業にとって新卒をとるよい機会とされている。 ・ヨーロッパのインタ-ンシップ制度を導入するためには日本の企業は変わらなければならない。 日本のインタ-ンシップは、学生の青田買いと非難される場合がある。 ・グロ-バル人材の育成・社会人学生の活用について、毎年行われる学校基本調査によると、Dr. の人数は増加している。専門職大学院においては、社会人を視野に入れていたが、思ったほど 伸びていない。一般の修士課程と MBA の違いが中途半端なのかもしれない。 法科大学院にお いても同じような課題を抱えており中教審でも検討中である。 ・新しい取り組みとして、社会人コース・英語コ-スを一緒にして英語で授業を行うことを開始 した。今年度まず、Finance から始め、来年度は Marketing を予定している。社会人学生からは 留学生の発想に Exciting したというコメントがあり、留学生からは日本の企業の事を知ること ができて有意義であったとのコメントがあった。 ・通常日本語で行っている Finance の授業を英語で行うと学生がついてこられなくなる。香港や シンガポ-ルに優秀な学生が集まっている。 ・昼間のクラスは留学生が約半分を占めている。現在は日本語中心の授業を行っている。 ・国際プロジェクトマネジメントコ-スに 10 名程度の留学生を受け入れている。スカイプで面接 を行っているが、日本語力のある学生がやって来る。2 次募集で日本人を入れていきたいと考 えている。部局として独立した活動としては、台湾・トルコなどに半年間交換留学を行ってい る。また世界銀行のスカラ-シップも枠を確保している。 ・多様性の教育は特別なプログラムを設置せず、様々な授業の中で教えている。 14 ・英語で行っているプログラムを受講している学生の比率は日本人が 2/3、留学生が 1/3 で受験 は平等である。外国人教授を招聘することは出来るのだが、国立であるがゆえ、規定が厳しく、 渡航費・宿泊費は負担できるが、その他の経費はボランティアで行うしかない。最近の学生は ゴ-ルの見えるプロジェクトを好むが、見えなくてもよいので役に立つプロジェクトを行って ほしい。 ・グロ-バル人材とドメスティック人材の違いは Diversity に対する心根の深さの違い。リーダ- シップや不撓不屈の精神などのマインドセット系スキルが、後天的に育成されるのは難しいの ではないか?本質的になかなか変わるものではないので、適材適所の人材配置を心がける。 ・企業に入ってからの方が Diversity を経験する機会は多いのではないか。これまで 1,000 人近い 人材を海外に出向させている。勤務年数 3 年目くらいの社員が希望したら、海外へ 5 年間くら い派遣するプログラムがある。また高いレベルのマネジメントとして、Diversity を体感するた めにも海外のビジネススク-ルへ派遣する。幹部研修は外国人と日本人を一緒に行っている。 ・海外赴任を控えている社員へは、 「日本になくて赴任先にあるものに着目することが大事である」 とアドバイスしている。Global Integration ベ-スで適材適所を心がけている。出身は考慮しな い。若い人を派遣する先が減ってきている。技術職はまだ日本が中心である。ヨ-ロッパ地域 は多様性に慣れている。多様性を経験することは、大きなポイントとなる。国内のビジネスス ク-ルにお願いしたいのは、短期間に送り込めるプログラムを提供してもらいたい。 ・個人的に企業からテイラ-メイドプログラムを依頼されている。 ・グロ-バル化はいかに当社の方式を世界に広めるかで他社のグロ-バル化とは性質が異なる。 グロ-バルに働いているのはイギリス人が多い。 ・最近海外へ行きたい若手社員が増えている。論理的なタフネスさを身に着けさせたい。 ・グロ-バル化が一気に進む。日本人がポストを取れない。Fact と Figure に対してのディベ-ト 力が日本人は弱い。大学は学習機会の拡大を推進し、企業は通学機会の拡大をサポ-トをする 必要があるのではないか? ・Multi Domestic, Global。ある国に精通することも大事であるが、グロ-バルな視点も必要であ る。 ・日本人はおとなしいのが弱点である。 第 14 回マネジメント人材育成協議会 日時:2011 年 10 月 18 日(木)13:00-15:00、場所: 、場所:南青山会館 日時: 日(木) 、場所:南青山会館 ・グロ-バル人材もドメスティック人材も Competitor に勝たなければならない等の共通項目は多 い。 ・グロ-バル人材もドメスティック人材もマインドセットは同じだが受容性に違いがある。日本 の既存の人材にはプラス α が必要ではないだろうか?この点について第 2 次提言に向けて話し 合ってはどうだろうか? ・タイプやポジションで種類分けをして、育成する人材像についてもっと具体的に協議してはい かがだろうか? ・グロ-バルな人材というものはもともと存在していなくて、グロ-バルに活躍できるかどうか が重要。日本の企業はいつも Big Team で海外関連会社を訪問し、慌ただしく帰国する。現地 スタッフもそれを見て何をしに来たのか?目的が分からない。海外出向者をフォロ-アップす る機能が必要ではないかと考える。 ・若いころ苦労をした人は、Top になってよい働きをする。 ・グロ-バル人材を育成してから送り出さなくてはいけないと考えていることが反省すべき点で はないか。まず経験させることが大事。 15 ・日本人は慎重で、 「出来る」ことしかアピ-ルをしない。タフネスさが少し少ないのでは? ・現地法人のマネジメントに求められる能力が変わって来ている。 ・国籍に関係なく、適材適所で配置するスデ-ジに入っている。この協議会で育成しようとして いる定義をはっきりさせるべきではないだろうか? 例えば、企業がやらなくてはいけない事 と、教育機関が負うべきこと、誰がどのタイミングで何を教えるかを明確にする必要があるの では? ・求められるグロ-バル人材像は企業毎に異なる。 ・社会人学生をグロ-バル人材に育成する最終責任は企業にある。1.2.は網羅しているが、3 は誰 が行うべきか? 大学がすべてカバ-できるとは思わない。 ・個人の能力・育成を広く考える組織が必要。海外経験は個人についていきがちだが、これを組 織につくように努力する。 ・日本の大学教員の給与体系を文部科学省にはなんとかしてもらいたい。 ・課長以上はグロ-バル人材でなければいけない。 ・カスタマイズプログラムはそれに対するインセンティブがないので、結局教員が回らなくなる。 ・法人化されているので、教員の給与体系を見直すことは出来なくはないと考える。学習機会の 多様性は必要である。 ・本人が欠けている部分を補完できるプログラムを作ることは良い。 ・自分でビジネススク-ルに通うような志の高い社員をサポ-トをすることは必要ではないか? ・バイタリティが少ない。 ・バラエティ-が少ない ・コンビニ的な MBA プログラムが必要である。 ・英語教育を企業はどれくらい期待しているのか聞きたい。 ・もう少し高いところを期待している。例えば、修羅場を経験する環境。日本で出来ていたこと が海外では出来づらいという修羅場 日本にいながら、日本とは全く異なる経験を学校でさせ ていただけるのなら、検討したい。 ・米国は Extension Course が発達している。 ・育成する人材像を明確にする・大学には厳しい環境を作ってもらいたい。人件費の補助は検討 すべきである。 ・Demanding な学生に対応するのは大変である。 ・学生の 1/3 は外国籍。こういった環境は学生をたくましくさせる。経済性合理性だけではない。 冷や汗をかく事が大切である。 ・技術分野においてはまだまだ日本のものづくりは強い。どうやって海外に日本の技術をみんな が使えるようにするかが課題。今後、エンジニアのグロ-バル化について協議できればありが たい。 第 15 回マネジメント人材育成協議会 日時: 、場所:アイビ-ホ-ル 日時 :2011 年 11 月 24 日(木)13:00-15:00、 日(木) ・グロ-バルに活躍されている人の話は仕事上の経験が多くを占める。研修やプログラムで社会 人として一皮剥けるのは難しい。経験豊かな人の話は、戦略を立てざるを得ない状況に追い込 まれた経験や、折れない心の重要さ等、非常に有用である。そういった経験話を聞いた上で、 経験と理論を結びつける講義を行うと意味のあるものになるのではないかと考える。 ・海外の現地法人トップにインタビュ-したところ、 「コミュニケ-ション能力不足」を一番の課 題に挙げている。組織課題は山積みであるはずだが、それに気づいて解決に取り組んでいるト ップは 10%に満たないようである。赴任期間が 3 年程度と短期間である事が問題の一つかもし 16 れない。経験の踏み方/豊富さによって組織課題に向き合えるか向き合えないかが決まるのでは ないかと考える。 ・教育で社員は育たない。日本企業は 10 年も課長として机をふかすような訓練を課し、同じ釜の 飯を食べて会社の考え方を理解させ、組織としての判断力を育成する。これは海外社員へは出 来ない訓練であり、彼らは当面の事象しかマネジメントしない。この両者を同じ方針で育成す ることは難しい。グロ-バルな事業展開を支える人材は多様であると考える。 ・企業として修羅場を経験させるのは勿論必要であるが、もう一つ、異文化対応力を高め、異文 化に対する壁を排除させたいと考える。これが海外研修の目的の一つである。日本人はこの異 文化に対する壁が高いように感じる。この壁を低くするような教育があってもよいのではない かと問いかけたい。 ・長年国内でのみ仕事をしてきた社員の海外に対する心理的ハ-ドルは高い。早い段階で海外を 経験させる事が、海外ビジネススク-ルへ社員を派遣する一つの目的である。 ・心理的ハ-ドルについて問いかけを行いたい。米国ビジネススク-ルを卒業した特任教員を、 再び米国ビジネススク-ルに派遣したところ面白い経験の報告がなされた。英語力に問題はな いはずにもかかわらず、一人を除いた日本人教員全員が、60-80 人のなかで発言出来なかった。 小グル-プでは発言できるのに、60-80 人のディスカッションの中で何故発言できないのか? グロ-バル人材の中の課題になるかは分からないが、心理的ハ-ドルの一例として紹介したい。 現在解決策を模索中である。 ・海外で活躍している現地法人トップの日本人社員を観察すると、国内・海外とでは明らかに態 度/行動のスイッチが切り替わっている。責任を持たされた社員は、海外でもはっきり発言して いる。環境と与えられた立場/役職によって、行動力(プレゼン力やリ-ダ-シップ)は変わるの ではないか? 海外出向した社員は、機能別組織である事から、理屈はそれぞれの立場によっ て異なるため主張しないととおらないという環境下におかれる。そこでは、自分の組織の主張 は自分が発言しない限り通らない事等から、発言力が高まっていくのではないだろうかと考え る。 ・約 180 社の企業に「グロ-バル人材活躍できない社員の特徴」を調査(複数回答)した結果 1 位(68%)異なる考え方の人と理解しあえなかった。2 位(50%)多様な人材を活用できなかっ た。3 位(50%)語学力不足であった。一方、海外売上別にみた場合特徴が変わる。海外売上が 50%以上の企業の場合、1 位(70%) 語学力不足。2 位 自分の意見を言えない。3 位 相手を説 得できない。という結果がでたコミュニケ-ションの問題は切実である。 ・自分が言わないと所属組織の意見が通らないと認識していれば、発言はするようになるのでは ないか。海外でも自身のミッションが見える立場であれば発言出来るというのはよく理解でき る。発言することは面倒であるし、勇気が必要であるが、立場があれば発言するのではないか と考える。 ・家族帯同で米国に赴任していた経験がある。米国教育では幼少時から自分の意見をはっきり述 べる/プレゼンテ-ションを行う事が訓練される。残念ながら、日本では「意見をはっきり述べ る」ことは受け入れられない場合が多いように見受けられる。 ・海外現法へ赴任した日本人社員が困っている事を聞いてみると、国内では意見にほぼ賛成して もらえる状況が多いが、海外では、意見をまとめる/説得することに苦労しているように見受け られる。自己主張の強い集団の意見をまとめることを困難に感じているようだ。異なる意見を 持つメンバ-の中で自分の意見を通す訓練の場が提供される事を期待する。異質の考え方を持 つ人とディスカッションする環境が必要と考える。ビジネススク-ルの提供する学問と企業の 担当者との意見交換が上手くいくと解決するのではないかと考える。 ・経験をシェアするコミュニケ-ション+α が必要ではないのだろうか?コミュニケ-ション能 17 力にも理論がある。困っている人をうまく支援できるコ-チングだとか、ネゴシエ-ション力 を教えるのは、難しいが必要であると考える。 ・コミュニケーション能力にはコ-チングとネゴシエ-ション等の要素があると考える。社会のス ピ-ド化により、人材の育成に時間をかけることが出来なくなってきた。企業と大学が協力し て人材育成をスピ-ドアップできる解決方法が見つかれば良いのではと考える。 ・講義を行った経験を振り返ってみると、質問をするのは Non-Japanese であることが多い。日本 企業文化を残しつつどれだけグロ-バル社会で伍していけるか。経験と理論をどう結びつけて いくか。業務を通して経験を積んでもらいたいと考える。 ・疑似修羅場を提供するのは難しいと考える。国連の出先機関に 3 か月派遣すると、学生は大き く成長して戻って来た経験がある。 ・Global MBA Program を提供しているが、まだまだ試行錯誤でグロ-バル人材の育成を、きれい に絵をかくのは難しく、試行錯誤の時期であると考える。インタ-ンの問題で考えると、海外 留学生の多くは日本企業でのインタ-ンシップを望んでいる。一方機会提供元は外資系企業が ほとんどである。 インドの Infosys は評判が高い。教員のグロ-バル化にも取り組む必要があ る。 ・MOT はものづくりの現場をマネジメントする。全社の人事ローテーションの中に MBA 教育を 組み込んでいる企業もある。カリキュラムのグロ-バル化をめざしマレ-シア工科大学などと 提携を進めている。 ・企業内大学での傾向として、社内でハイレベルな社員でも、多国籍なグル-プ内で日本人によ る発言は圧倒的に少ない。英語力だけが問題ではなく、自分の考えを論理的に伝えるロジカル シンキング力・また、クリティカルシンキング力が足りないことが問題である。 ・地位があると発言しやすい傾向がある。 ・日本人は完璧を求め、逸脱することを嫌う傾向がある。とにかくやってみるという事が苦手。 Scope を切ることが苦手。語学が出来る以前にメタレベルでクリティカルに物事を考える能力 を備える事が必要で、この FIELD はビジネススク-ルで教育することが可能であると考える。 ・ステ-クホルダ-で学生は企業が持っているニ-ズとは別のニーズを持っているのではないか と考える。 ・一番の問題は、経営者が本当に学んでいるのかが非常に疑問に思っている。 ・求められるグロ-バル人材像をまとめていかれると思うが、これは大変有用な事であると考え る。どういう人材像が必要であるかということを議論することも必要だが、ここに参加されて いる企業とビジネススク-ルをどうマッチングし、なにか形にして世の中にメッセ-ジとして 発信することを期待している。本協議会とよく似た趣旨の円卓会議が文科省内で発足している こともあり、本協議会は注目されている。制度としては、かなり大学の自由度を担保できるし くみになっていると考える。運用していく上で、問題があるとは思う。大学教育の在り方の見 直しの形として専門職大学院が設立されている。昨今の経済事情により大幅に大学予算は削減 されている。しかし、大学教育について一方では質の向上を図るよう指示をしているが、予算 に関しては、なかなか思い切った予算配分ができなくなってきているのが現状である。色々な 仕組みがあり、大学に均等に予算を配分することは難しいが、メリハリをつけた予算の付け方 は出来ると考える。ここで議論されていることが具体的に形になると、そこに支援していく事 はできる可能性はあるのではないかと考える。具体的な形を仕上げていただくことに期待した い。 第 16 回マネジメント人材育成協議会 日時: 、場所:南青山会館 日時 :2011 年 12 月 21 日(水)10:00-12:00、場 日(水) 、場所:南青山会館 18 ・テクノロジ-分野でのコアコンピテンスの育成も盛り込んでいってはどうだろうか。 ・欧米企業と比べると、現地法人トップが未だ日本人である日本企業が多いが、この点について 企業はどう考えているのか伺いたい。 ・適材適所に配置するポリシ-を打ち出している。日本人に拘っているわけではない。 ・日本人のグロ-バル化に対する期待は低く、グロ-バル人材のリーダーシップの育成に注力し ている。ビジネスがグローバル展開していくと、グローバルな分業体制は広がってくる。日本 人のグローバル化教育とグローバル人材の育成は分けて考えた方がよいと考える。素案中の2. 育成すべきグローバルリーダー像の内容には違和感を覚える。 ・日本人のグローバル化、グローバル人材育成の両方必要である。 ・グロ-バル化の段階は企業によって異なる。世界中の社員をどうやって配置していくかを 検討するステップにある企業が多いのではないか。グロ-バル化を刺激することは大切である。 企業が必要とする人材像の明確化が必要と考える。 ・ビジネスマネジャ-とカントリ-マネジャ-の違いを考えると、職場が国内か海外かの違いだ けでなく、日本人にとってみると、コミュニケーション能力の必要度合いが違うのではないか だろか。日本人社員のグローバル人材のコンピテンシーは、グローバルな視点、自社の企業文 化やバリューを世界で話す事であるがこれは、多くの日本人社員が有している。しかし、異文 化でのコミュニケーション能力となると弱い。アメリカ人やヨーロッパ人がグローバルかとい うとそうではない。日本人の弱点は明確ではないか。 ・まず育成する人材像・提言を発信する相手を明確にしてから議論をすべきではないか。 ・ビジネススク-ルとしての意見を申し上げる。ビジネススクールのステークホルダーは企業で あるという認識を持っている。つまり、企業の抱えている問題をいかに解決することが出来る かを考える事がビジネススク-ルの使命である。今回の提言によってビジネススクールのカル チャーを変えていきたい。 ・日本と海外とのビジネススクールの違いを教えていただきたい。 ・規模と歴史が違う。アメリカとヨーロッパでも違う。 ・必ずしも海外のビジネススクールへ行かなければならないわけではない。日本は小規模なクラ スサイズであるため、こまやかな教育ができる。 ・ビジネススクールを受け入れる労働市場が米国では整っている。 ・グローバル人材というと特別な人材のような印象を持つが、国内で働くためにもグロ-バルリ ーダーに求められるリーダーシップ、商習慣の把握、コミュニケーション能力は必要である。 海外で業務を行うためのきちんとした知識を提供することが大切ではないかと考える。 ・コミュニケ-ション等の科目を拡充することよりもむしろ Context を充実させる事の必要性を 感じる。 ・グローバル化について日本人同士、日本語で語っている間はグローバル化できないのではない か。具体的な解決策とすれば、英語の得意な優秀な学生と企業とをマッチングさせること等が 出来れば、なんらかの Exposure が得られると考える。留学生は日本の企業に興味を持っている 一方企業も留学生との接触を期待している。 ・国内で海外のビジネススク-ルにいるような疑似体験ができないだろうか?そこで、コミュニ ケーション能力や異文化の受容性の育成が出来ればよいと思う。 ・学生の構成を見てみると日本人は 20%弱、60%がアジア地域 1 学年 60 人日本で Context を整 えるのは難しくない。アメリカで学ぶより良い環境である場合もある。 ・国内にいて海外を経験させる様々な方法はある。Context も大事だが Contents も大事である。 日本人のグローバル化にはビジネススキルをきちんと身に着ける事が大切であると考える。 ・技術用語は世界の共通語であるので、技術分野では英語があまり得意でなくてもコミュニケー 19 ションは成立する。CADなどの技術の底上げの方が大切である。 ・コミュニケーションが大切な職種とそうでない職種がある。 ・英国は制度設計を大切にしている。ドイツは詰め込み、日本は雑食。集団で発揮できるリーダ ーシップの育成が大切である。 ・社外の人と揉まれる環境を日本のビジネススクールには提供していただきたい。 ・特定機能でのグローバル化を企業は検討していると思われるが、国内外のビジネススク-を目 的によって選んでいただきたいと考える。教育投資の行い方も企業の方には検討いただきたい。 ビジネススクールも、教育情報を広く伝えることが必要である。ビジネススクールの特色 Context は英米のビジネススクールと比べるのは無理がある。日本のビジネススクールには別の 役割を求めて頂きたい。 ・国際機関への就職を目指したプログラムを持っている。日本人のグローバル化に徹底的に不足 しているのはグローバルな教養が足りない。世界の歴史を知ってはいるが、それをグロ-バル な場で語ることが出来ない。ビジネススクールが大学全体のグローバル化を引張っていくよう な存在になることが大事である。直接学生を教えているわけではないが、セミナーやイベント を通して大学学生全体のグローバル化を引っ張っていこうとしている。 ・今日のテーマの一つは疑似体験であると考える。2 言語クラス(教員が適宜日英で説明を加え る授業)を提供しているが現在では成立していることを紹介する。 ・素案だけをみていると、国に対する要求としては人件費だけのように受けられるがそれだけで はメッセージ性が低い。コミュニケーション能力の向上や修羅場を経験させる事が出来るよう な具体的な内容を盛り込んだ提言にしていただきたい。 ・ビジネススクール教員養成日本のビジネススクールを担う教員を養成していくような事も検討 できればと思う。 第 17 回マネジメント人材育成協議会 日時: 、場所:南青山会館 日時 :2012 年 1 月 25 日(木)13:00-15:00、 日(木) ・マネジメント人材の力量の項目で、人間力ともいえるスキルが多く挙げられているが、人間力 は職場学習で得られるものでないかと考える。ビジネススクールでは、どちらかというと専門 スキル・テクニカルスキルを習得させる事に主眼を置くべきではないか。列挙されている 6 つ のマネジメン力量をみてみると、ヒューマンスキルが主で、実際の科目内容、学生が職場で必 要となる専門知識の習得に対するニーズが置き去りになっている気がするので、そういった内 容を盛り込んでほしい。 ・マネジメント人材の力量で、グローバル化時代を強調するために、このような順序になってい ると思うが、経営専門力を一番に書くのが筋ではないかと考える。 又、専門職大学院が担う べき事として、論理性・分析力のスキルを習得させる事がグローバル化時代においても大事な ので、1が経営専門力で 2が論理性・分析力ではないだろうか。最近話題になっている倫理 性・社会性がないので追加すべきではないか。教員組織の多様化のところでは、キーワードが 抜けている。"研究"という言葉がどこにもないのが非常に問題である。経営学の領域は時代と 共に移り変わる、Establish されていない領域であるため、時代の変化に併せて研究を持続的に 進めなければならない。研究ができない経営分野専門職大学院の教員は4-5年で駄目になる。 研究者層がより薄くなるのは問題である。アメリカのビジネススク-ルでは必ず研究に力を入 れている。研究のないグロ-バル化は考えられない。 ・マネジメント人材育成の支援体制の整備について。第一級の海外の教授を招聘するのも良いが、 国内教員がスキルアップし、海外でも通用する力をつけることが先ず必要であると考える。 ・企業研修制度の環境整備についてお願いしたい。2)ビジネススクールに通学する社員への支援 20 ということで、"支援"以前に理解をいただきたい。せめて邪魔しないでほしい。自費で年間 200 万以上かけて約 200 名の学生が通っているが、相当数の学生が通学する事について、会社から 理解を得られていない。自分の机にスーツをかけて残業しているように装い、授業を受けた後、 もう一回会社に戻り仕事をする状況にまで追い込まれている。会社はせめて温かく見守ってほ しい。これは日本の低学歴化の原因の一つと考える。今パワーを持っている企業マネジメント 層の時代は自分の頃には大学に行ってなく、大学院での学習は必要ないと、部下に言うが、こ れは世界の市場動向に合っていない。中国やインドでも、欧米と同様に高学歴の社員には高い サラリ-を出している。 日本の企業も学歴を考慮しないと 海外市場での優秀な人材はそれ を評価してくれない日本企業に来てくれなくなるのではないかと懸念している。ビジネススク ール側の戦略としては、卒業生を増やして ビジネススクールに理解のある上司を増やすこと に注力すべきであると考える。 ・基本的に大学院へ通う社員を奨励しているつもりである。向上心のある社員の邪魔をしている 上司は排除されつつあると認識している。 ・専門職大学院の教育環境整備について。教育プログラムの開発に関して、グループワークやプ レゼンテーションを重視しているが、一番注力すべきは、教員の教える力ではないかと考える。 企業経営を理解し、理論的に教えられる教員を育成する必要がある。ビジネススク-ルは企業 と教員のリソースを共有する事を提案する。企業人にもっとビジネススク-ルで教えて頂く機 会を増やす事が必要であると考える。 ・専門職大学院が博士後期課程を持てるようになることを、制度化することあたりをここでの提 言を踏まえて、文科省に要請したい。 ・産学連携なので専門職大学院ならではのプログラムをつくって実際にやってみることは必要で あり、そういったことを明記するのが重要であると考える。 第 18 回マネジメント人材育成協議会 日時:2012 年 5 月 24 日(木)13:30-15:30、 、場所:南青山会館 日時: (木) 場所:南青山会館 ・“機能強化“それぞれの大学・専門職大学院がより一層人材育成機能を強化するべきであるとい う方針が大学院中央教育審議会において話し合われた。 ・海外とのダブルディグリーに関して、大学に裁量を与えられるのか、若しくは、文科省が取り 決めた規定に沿って実施するようになるのか方針をお示し頂きたい。 ・海外とのジョイントディクリーについては議論が進められているがまだ審議中である。現時点 では特に枠組みをつくる予定はない。国内共同プログラムに関しては、既に実施している大学 が存在している。 ・東大が秋入学の検討を深めているが我々はどのように対応すべきか伺いたい。 ・円卓会議で検討を開始したばかりである。大学に限った問題にするか社会全体に拡大するかは 検討中である。 ・機能強化について専門職大学院をどう発展させていく方針なのか伺いたい。 ・初心に戻り、議論すべき案件であると考える。 ・提言案の「国際競争場裡で活躍した豊かなマネジメント経験及び戦略を立てざるを得ない状況 に追い込まれた経験や折れない心の重要さ等を学ぶ機会の設定」に関して、国際競争での修羅 場は企業でしか体験できないのではないかと思う。 ・提言案の「グロ-バルなセンスや多様な異文化への順応性を身につけさせていく」に関して、 「多様な異文化への順応性を高める」では弱く、より積極的に異文化の環境下で活躍し、更に、 その場を引っ張っていくためのリーダ-シップを発揮することが必要である等と強調した方が 良いと考える。 21 ・提言に挙げられている人材育成の取り組みについて、其々の役割を担う機関(国内ビジネスス クール・企業等)を特定したほうが議論しやすいのではないかと考える。 ・国内ビジネススクールでしか出来ない事は、 『母国語(日本語)で授業をすべて行う事』が挙げ られる。英語力で、学生を選別する必要がなくなるので、MBA 教育についてマス対応が可能で ある。にもかかわらず、英語で授業を行うとなると、海外ビジネススクールへ行った方が良い のではないか?というパラドックスに陥ってしまう。本校では、海外赴任やビジネススク-ル へ通う準備期間としての役割も割り切って行ってもよいと考えている。 ・国内ビジネススク-ルへ通うメリットは、母国語で教育を受けられる事だと考える。異文化対 応力とは、単に言語の問題ではない。Cross Culture の中でのマネジメント力の向上である。国 内ビジネススク-ルにおいて、特に社会人学生にとって、国内ビジネススク-ルで異文化対応 力を伸ばすことは難しいと考える。 ・企業側が求めている力量は、スピ-ドへの対応と複雑性への対応であると考える。個別に対応 可能な仕事のサイズが小さくなってきている。経験をどうデザインするのかが大切である。リ ーダ-シップにおいても、イノベーションが必要である。イノベーションの下にあるのはイマ ジネーションである。クリティカルシンキング・洞察力が必要である。リーダーが魅力的でな いのは問題である。リーダ-の多様性、 ・魅力的なリーダーが生まれなくなった背景に影響され、 フォロワーシップは希薄となってきている。リーダーシップ偏重の傾向があるので見直しが必 要であると考える。 ・3.11 以降求められる人材像は大きく変わった。必要なのは現場力である。シンガポールでは人 材育成を国家政策の規模で捉えている。グローバル化は国家間戦争だとすると、日本の強さは 現場力であり必要なのは決断力のあるリーダーシップである。これは、歴史から学ぶところが 多く、企業経験から学ぶことは難しい。真理を追究するような学問が必要であると強く思う。 中国は既に日本のものづくりに魅力を感じていない。アジア地域でのリ-ダ-シップを考えた とき、中国の国家レベルでの情報収集力、漢字文化圏でのアイデンティティ-戦略は見習う価 値がある。 ・企業研修の場ではこれまで触れる事が少なかった政治問題。政治問題はユ-ザ-やマ-ケット に大きな影響を与えている重要なファクタ-なので産業史・経営史と並んで、政治を学ぶこと は必要だと考える。 ・人材育成は 2~3 年では出来ない。リーダーシップ・フォロワーシップは 現場でも育成出来る と考える。ものの考え方はビジネススク-ルでも教える事が出来ると考える。日本の海外留学 は減少傾向にある。社員の海外経験の機会も減少しているのではないかと懸念している。 ・若い人も海外へ行っている。日本に 34 販売社があり、地域採用社員が主に勤務している。地域 採用社員に向けて海外赴任の公募を行ったところ、多数の応募があり現在 32 名が海外駐在して いる。彼らは、当初地域志向であったが海外勤務へ志向が変化したようである。特に女性が元 気。全世界レベルでみても、ローカル採用の日本人女性は増加傾向にある。 ・海外志向が弱まった気はしていない。ビジネススクールと企業とは学ぶところが違う。スクー ルでは本質的なものを学ぶが、赴任するとどっぷりその文化にはまるので、グローバル化、ま たは、実際自分がマネジメントする社会について学んでいく。 ・ 「グローバル人材像」を政府が明確に描けていない事が個人的には問題だと考えている。学士課 程教育の質をあげて、必要な教養を学んだ人が専門職大学院で学ぶという体系的なシステムを 検討することが必要であると考える。 ・これからのリーダーはビジネスだけでなく、政治動向、宗教動向もきちんと理解・把握してお く必要がある。 ・日本の国の力を高めるには、企業の人材の育成のありかたについて検討する必要がある。人材 22 の育成は一番時間がかかる。資質はなかなか変わらない。ビジネススク-ルの知見を利用させ て頂き、良い資質を備えた人材に早期に武器を与える事が必要ではないか。これは国内外ビジ ネスどちらにも共通する事である。 ・リーダーとリーダーシップの育成は分けて考えた方がよい。リ-ダ-シップは国、分野、企業組 織に合っているかを識別すべきである。 ・建前上、大学院を卒業し、本社へ配属される社員をグロ-バル経営人材と定義し、本人もその 事を自覚している。グロ-バル人材・グローバルな地域人材・グローバルな専門職人材の3つ に分類することが出来る。海外志向社員を入社の段階で選択している。エンジニアは自分の好 きな場所で好きなものを作りたいと話すが、これは例外とする。グローバル経営人材を育成し ようと考えた時に企業しか出来ないところ、スクールでしか出来ない領域があると思うが、人 材育成に責任をもつのはやはり企業である。ビジネススク-ルでの体験は模擬の範囲を出ない ので、実社会での経験が必要である。アウェイの生活では、すべてがアウェイの状況下でタス クをやり遂げなければならない。日本の専門職大学院に海外学生を投入しても限界がある。企 業とビジネススク-ルそれぞれの役割を分担する事が必要ではないか。日本でやることの強み、 日本語でしか学べないこと(道徳・価値観、リベラルアーツ)は多く、グロ-バル人材にはこ ういった素養が求められる。日本的経営の良さや強さに魅力は残っており、本のビジネススク ールは知の体系化をおこなっているので、海外の学生が日本のビジネススク-ルで日本的経営 を学ぶことは有益ではないか。ASEAN 地域内で一緒に学び合うというのも夢があっていいので はないかと思う。グローバル経営人材を 2 年間の大学院教育でつくれるとは誰も思っていない。 我々自身でもグローバルマネジメント人材を 2 年間で作れるとは思えない。2 年間でやれるこ と・ビジネススク-ルで学ぶ事の意義と限界を理解する必要がある。家庭の教育―学校教育― 専門職大学院教育―企業教育の積み重ねが必要であると考える。 ・人材育成には時間がかかる。様々な物に関してライフサイクルが短くなってくる中で、ビジネ ススクールと企業の役割分担、日本のビジネススクール・海外のビジネススクールの役割を明 確にする事が大事ではないか。日本の企業は MBA ホルダ-を特別扱いしない。こういう機会に MBA 人材の活用について企業側にも検討して頂きたい。 ・我々のビジネススク-ルには、昼間のプログラムに限定されているが、海外留学生が一定数い る。日本的経営に興味をもっている留学生は多い。この提言は、抽象的になりすぎているので はないか。海外のビジネススクールと伍していくためには、海外での教員給与水準等具体的に 調査する必要があると考える。 ・2009 年に着任したが、年々教育環境、学生プロファイルは変化している。1 学年 100 名の内約 3 割がフルタイムの学生であるがその半数が留学生であり、Mix Culture でよい環境がつくられ る。留学生からは日本の細やかなマーケティングを学びたいという要望はある。社会人学生の 海外交流の機会は少ないのが現実である。 ・日本的経営の教育を強調するのも一つだが、我々はすべて英語で授業を行うことを選択した。 主な社会人学生は、中堅企業の社員が多い。地方におけるマネジメント教育も含めると、膨ら みが出るのではないかと思う。 ・人材育成には時間がかかる。弊社においては、経営陣のグローバル化は進んでいる方だと思わ れるが、日本企業に対する製造業のニーズの希薄化が進んでいる。ものづくり、日本人の人材 の不足感が重要な課題としてつきつけられている。今出来ることを迅速にスタ-トをさせる事 が必要であると考える。ビジネススクールで、日本語によって、日本のモノづくりの価値観や 日本で仕事をすることの意味を教えることは重要である。この様なリソ-スをどの様に会社の 強みに変えていくかが必要である。 ・ビジネススク-ルと企業の人材育成の住み分けは難しくないと考える。米国では国際的な発信 23 力はアカデミックなものの役割である。実際の企業の事例を授業に取り入れる必要があるので はないだろうか。グローバル競争は国家間の競争だと考える。 国を動かすのは、企業経営者 の役割である。その為の研究は企業内では難しいのではないかと考える。 ・企業側が考えるグロ-バル人材像について聞かせてもらった。社会人がビジネススク-ルに通 う理由を考えた時、決して企業文化に染められる事に飽きた訳でなく、満たされないものがあ るのではないだろうか?彼らは視野が広がり、社会活動が豊かなものになる事を期待している。 ビジネススク-ルのこれからの役割は日本経営に関心を持っている海外の学生に対する教育も 重要になるのではないだろうか? ・日本的経営のグローバル化に有用なものとそうでないものを明確にし、必要なものを進化させ ることを研究課題とすることができるのではないか。やはり修羅場・リベラルア-ツの習得を 経てることにより自己研鑽できる。修羅場での経験を reflection させ、企業はこれをフォロ- アップさせる場を作ると、学びが次に生かされることになると考える。 第 19 回マネジメント人材育成協議会 日時:2012 年 7 月 5 日(木)13:00-15:00、 、場所:学術総合センター 日時: (木) 場所:学術総合センター ・海外には、TESOL(Teachers of English to Speakers of Other Languages)の資格を保有しないと 大学で教えられない大学がある。教員の語学力養成について国としてより力を入れるべきでは ないかと考える。制度的な違いはあるにしろ、一般的な教員免許の見直し事項に組み入れられ ているようだが、積極的に行われていないと思われる。英語で教えられる教員は多くはない。 第二次提言案のビジネススク-ルに通学する学生の平均年齢は 30 歳前後とあるが、実際は 30 歳代後半に上がって来ている。 ・短期的にグローバルリーダ-を育成することに注力したプログラムがあっても良いのではない か。 ・企業から見てビジネススク-ルのどんなコ-スに魅力を感じているかについて興味がある。 ・全日制は企業派遣、フレックスは自己負担で通っている学生が多いと認識している。通学への 配慮は行っているつもりでいる。 ・日本人ビジネスリ-ダ-を育成するために、ビジネススク-ルは何が出来るのかを明らかにし て頂きたい。 ・現場力を高める点においては大学に求める所はなく、知の領域である。若手社員の事業構想力 が弱い事を問題点として認識している。事業構想力を高めるには知を強化することが必須なの で、MBA 教育では特に知の育成に力を注いで頂きたい。私共が必要なのは、自ら考え挑戦する マインドを持った社員である。こういったベ-スのある社員をグロ-バル人材に育てる事は容 易である。採用時に注意しているのは、地頭の良さではなく、何事も積極的に好奇心を持って 取り組む学生であるかどうかである。 ・企業の最先端に携わっている教員を多く揃えており、研究教員は実務家教員からそういった事 の多くを学んでいる。ベーシックなセオリ-は研究者教員が教え、現場力に関しては、実務家 教員が担当している。 ・不透明性の高い環境でも楽しむ力、切り開いていく力が大切である。与えられた環境を不幸と 思わずに、乗り越える力が必要である。 ・発想力、今までに経験した事のない環境でも切り開いて進む力を持った社員を日産としては必 要としている。近年ますますこの傾向は強くなっている。 ・MOT は標準的な学生像が少し異なっている。学生の平均年齢は 38-40 歳。理系の研究職からマ ネジメント層へ移行する際に通い始める等の通学理由が多い。本社ではないが、マネジメント 力は必要な環境に学生は身を置いている。経済的な負担を軽減してあげることは必要であると 24 考える。 ・次世代のリ-ダ-育成を社員の中から選抜して行いたいと考える。企業家精神を必要な力量と して挙げるが、ビジネススク-ルがどのように企業家精神を養成するのかは不明確である。 ・知の力・事業構想力・発想力これは大学にお願いしたい。ビジネススクールはビジネスだけを 教えていたのでは足りない。人間の本性・歴史・深い考察・思考する力を養成する事が大切で あると考える。リベラルアーツ・科学の発展なども含めてこれを上手く組み立てられるといい のでは。これからのビジョンを同じ目線で一緒に考える。何かを教えるのではなくて、一緒に 進んで行こうとする姿勢が必要である。 ・国際競争環境でのマネジメント力について、知力と国際力の軸を入れ替えてはどうか?ビジネ ススクールで学んだ事と、現場で発生する事象は同じではない。学生はその違いに気づいた時、 教員が上手く違いについて説明してくれることを期待している。 ・我々の研究科は、日本人学生の割合が1割と少ないので、日本のビジネススク-ルの典型的な 学生構成ではない。Knowing(よく理解する)、Doing(実務で成果をだす)、Being(事業構想 力、心のありかた)の内、だんだん Being に重きを置く様教育をシフトしている。企業が求め ているものと方向性が同じなので少し安心した。 25 Ⅳ 参考資料 1「マネジメント人材の育成を目指して-第一次報告-」(2010 (2010 年 9 月) 平成 15 年 4 月、21 世紀の経済のグローバル化の時代的要請を受けて高度専門職業人養成に特 化した専門職大学院制度が制定された。専門職大学院制度は発足からいまだ日も浅いが、高度専 門職業人養成に積極的な発展が図られてきた。しかし、近年の社会・経済・文化の加速度的なグ ローバル化の進展は、国内外市場の一体化を推進しわが国企業を取り巻く経営環境の複雑化を加 速させ、また、近年の世界的な経済不況は企業業績の悪化をもたらし、経営環境を革新していく マネジメント力に優れた人材の育成が喫緊の課題となってきた。 マネジメント人材育成協議会は、この課題を産官学で共有し、世界のあらゆる分野で活躍し得 る高いマネジメント能力を身に付け、国際競争場裡で優れたリーダーシップを発揮しうる人材育 成の教育・研修制度のあり方について具体的な検討を加え、広く社会に提言していくものである。 1)専門職大学院(経営分野)制度に関する提言 (1)専門職大学院は、産業社会のニーズに応えた高度専門職業人養成のために制度化された大 学院である。特に、経営分野専門職大学院は、通常「ビジネススクール」と呼ばれ、企業等 組織の経営管理に携わる高度の専門的知識・スキルを教授し、明日の経営幹部の育成を目指 した大学院である。しかし、わが国のビジネススクールの教育に対する企業の期待は低い。 マネジメント人材育成の教育をより一層展開していくためには、帰納的研究に基づく企業の ニーズを的確に反映した教育課程の改善が不可欠である。 (2)経営分野専門職大学院における実践的教育の実質化をより一層推進していくためには、専 門職大学院設置基準において規定されている「実務家教員」基準の弾力的な運用が必要であ る。実務家教員の規定は、おおむね5年以上という実務経験年数だけの問題ではなく、高度 の実務の能力をどのように評価していくかの問題でもなければならない。実務家教員の任用 価値は過去の実務経験の実績がすべてではなく、経営事象の継続的な実践的調査研究による 実務経験と同等の高度の実践的専門知識・スキルの業績にも依拠している。実務に関する教 育力及び研究力を発揮しうる資質を備えた実務家教員の配置が必要であり、実務家教員基準 の見直しが必要である。 (3)専門職大学院の持続的発展には、学術の理論と応用を教授研究に深奥をきわめた教育研究 者の養成が不可欠である。しかし、現在の専門職大学院制度においては専門職大学院の専任 教員が専門分野の研究を高度化していく機会ともなる博士課程の研究指導の担当に制約があ る。専門職大学院を担う教育研究者の養成のために専門職大学院設置基準の弾力的な運用が 求められる。 (4)企業ニーズの多様化に対応していくためには、経営分野専門職大学院の教育プログラムの 多 様 化 が 不 可 欠 で あ る 。 経 営 分 野 専 門 職 大 学 院 に お け る MBA(Master of Business Administration)教育と並行して上級経営者の育成を目指したエクゼクティブの DBA(Doctor of Business Administration)教育課程の整備が求められる。DBA 教育課程は、ある程度長期 の実務経験者に対して、3年間の教育で一定の単位を修得した者に「経営学博士(専門職) 」 の称号を付与するもので、この学位はロ-・スク-ルの学位と同等のものと考えることがで きる。 2)多様な MBA 教育プログラムの開発に関する提言 マネジメント人材育成に対する産業界等のニーズは多様である。これに対してビジネススクー ルが MBA 学位授与に相応しい教育課程を編成してきていることは事実であるが、現実の企業を取 26 り巻く競争環境の激変に臨機応変に対応できない硬直化した教育課程となっていることも事実で ある。競争環境の加速度的な進展は産学間の MBA 教育に対する教育内容の懸隔を拡大し、企業内 教育の進化をもたらしていった。企業内教育では対処できない部分の MBA 教育に対する企業ニー ズは多様化してきたが、一方、ビジネススクールも弾力性の欠如によりそれに対応できない現状 に置かれている。教育プログラムに関する産学間の情報通信を円滑化し、多様な教育プログラム 開発の弾力性がビジネススクールに求められる。 3)マネジメント教育を受ける通学環境の整備に関する提言 マネジメント人材を育成する企業内研修では、企業がキャリアプランを作成し、独自に教育・ 訓練を行ってきている。しかし、近年の企業競争環境の加速度的な変化の進展により従業員の企 業依存の限界を認識し、自らキャリアプランを策定し、主体的にキャリア形成を進める自律的な 従業員が増えてきている。ビジネススクールに会社派遣ではなく、自己の知的生産性の向上を図 るために自らの主体的意思により通学してくる従業員が増大してきている。従業員の学習機会の 拡大のために、ビジネススクールにおいても企業においても通学環境の整備が必要である。 4)マネジメント人材育成の教材開発システムの構築に関する提言 マネジメント人材育成の教材開発システムの構築に関する提言 国際的競争場裡で活躍するマネジメント人材育成には、ビジネススクール教育及び企業内研修 においても高質の教材による教育・研修が不可欠である。21 世紀の時代的要請であるマネジメン ト力に優れた人材育成の課題を共有化していくためには、マネジメント人材育成に必要な教材を 産学連携で共同開発していくシステムの構築が必要である。 5)マネジメント人材育成の情報共有化 マネジメント人材育成の情報共有化に関する提言 情報共有化に関する提言 マネジメント人材育成の教育に関する産学間のギャップを埋めていくために、ビジネススクー ルの教育課程、教育内容・方法、教員組織等に関する情報を広く社会に公表していくことが必要 であり、また、企業も積極的にビジネススクールの教育研究資源を活用していくためにマネジメ ント人材育成の企業ニーズをビジネススクールに情報発信していくことが必要である。 2.マネジメント人材育成協議会会員 2.マネジメント人材育成協議会会員 1)役員(2012 年 7 月1日現在)任期(2011 年 4 月 1 日~2013 年 3 月 31 日) 役員 理事・会 長 伊藤 文雄(ABEST21) 理事・副会長 澤木 勝茂(南山大学) 理事・副会長 古野 庸一(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ) 理事 徳賀 芳弘(京都大学) 理事 R.Taggart Murphy(筑波大学) 理事 岸本 治(ソニー株式会社) 理事 吉村 一孝(トヨタ自動車株式会社) 監事 日比谷 武(富士ゼロックス株式会社) 監事 根来 龍之(早稲田大学) 2)経営専門職大学院等会員(大学名 ABC 順) 経営専門職大学院等会員 ・高橋 文郎、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科長、教授 ・菅野 寛、一橋大学大学院国際企業戦略研究科長、教授 ・河野 宏和、慶應義塾大学大学院経営管理研究科長、教授 27 ・水谷 文俊、神戸大学大学院経営学研究科長、教授 ・甲斐 良隆、関西学院大学大学院経営戦略研究科長、教授 ・徳賀 芳弘、京都大学経営管理大学院長、教授 ・白木 俊彦、南山大学大学院ビジネス研究科長、教授 ・R.Taggart Murphy、筑波大学大学院ビジネス科学研究科国際経営プロフェッショナル専攻長、教授 ・根来 龍之、早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻ディレクタ-、教授 ・上西 研、山口大学大学院技術経営研究科長、教授 3)企業会員(会社名 ABC 順) 企業会員 ・日比谷 武、富士ゼロックス株式会社常勤監査役 ・小阪 享司、日産自動車株式会社日本人事企画部人事企画グル-プ部長 ・家田 武文、株式会社 NTT データ人事部人財開発担当部長 ・西村 博昭、パナソニック株式会社人事グループ海外担当理事 ・古野 庸一、株式会社リクルートマネジメントソリューションズ、組織行動研究所長 ・武中 誠、新日鉄エンジニアリング株式会社マネジメントサポートセンター総務部長 ・岸本 治、ソニー株式会社グロ-バル人材開発部門長 ・佐野十久司、東芝総合人材開発株式会社代表取締役社長 ・吉村 一孝、トヨタ自動車株式会社トヨタインスティテュート部長 4)認証評価機関・関係経済団体等 認証評価機関・関係経済団体等 ・伊藤 文雄、ABEST21 理事長 5)列席関係官庁 列席関係官庁(敬称略) 関係官庁 ・今井 裕一、文部科学省高等教育局専門教育課専門職大学院室長 ・佐藤 昭博、文部科学省高等教育局専門教育課課長補佐(併)専門職大学院室室長補佐 ・高橋浩太朗、文部科学省高等教育局専門教育課専門職大学院室推進係長 3 マネジメント人材育成協議会会則 制定:2009 年 10 月 28 日 一部改正:2012 年 09 月 20 日 第 1 章 総則 (名称) 第 1 条 この会は「マネジメント人材育成協議会(The Council for Human Resources Development(CHRD)」 (以下「協議会」という。)と称する。 (目的) 第 2 条 協議会は、21 世紀のグローバル化の時代的要請に応え、ビジネススクール、企業及び認 証評価機関・関係官庁等の産官学連携で、マネジメント力に優れた人材育成についての必要な諸 施策を検討し、広く社会に提言していくことを目的とする。 28 (事業) 第 3 条 協議会は、前条の目的を達成するため、次の活動を行う。 (1) 研究会の開催 (2) 会報の刊行 (3) 協議会の目的に資するための国際交流 (4) その他協議会の目的を達成するために必要な諸活動 (事務局) 第 4 条 協議会の事務局は東京都港区南青山 5 丁目 4 番 29 号、ABEST21 に置く。 第 2 章 会員 (会員) 第 5 条 協議会は、マネジメント人材育成の教育に係るビジネススクール、企業及び認証評価機 関等で組織する。 (会員の種類) 第 6 条 協議会の会員は次の 2 種類とする。 (1) 正会員 協議会の目的達成に協働するビジネススクール、企業及び認証評価機関 (2) 賛助会員 協議会の目的達成に協力する経済団体等 (会員の入会) 第 7 条 協議会に正会員として入会しようとするビジネススクール、企業及び認証評価機関は、 所定の入会申込書を事務局に提出し、理事会の承認を得るものとする。 2 協議会に賛助会員として入会しようとする経済団体等は、所定の入会申込書を事務局に提出し、 会長及び副会長の承認を得るものとする。 (会費) 第 8 条 正会員は所定の年会費を納付しなければならない。年会費については別に定める。 (退会) 第 9 条 退会を希望する会員は書面をもって申し出て、任意に退会することができる。 第3章 役員等 (役員) 第 10 条 協議会に正会員の代表者のなかから次の役員を置く。 (1) 会長 1名 (2) 副会長 2 名 (3) 理事 4名 (4) 監事 2名 (会長) 第 11 条 会長は協議会において選出する。 2 会長は協議会を代表し、会務を総理する。 29 (副会長) 第 12 条 副会長は、原則として正会員の代表者のなかから会長が委嘱する。 2 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務を代理し、会長が欠けたときにはそ の職務を行う。 (理事) 第 13 条 理事は正会員の代表者のなかから選出する。 (監事) 第 14 条 監事は正会員の代表者のなかから選出する。 2 監事は協議会の活動および会計について監査し、その結果を総会に報告する。 (任期等) 第 15 条 役員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。 2 補欠のため、又は増員により就任した役員の任期は、それぞれの前任者又は現任者の 任期の残存期間とする。 (顧問) 第 16 条 協議会に顧問を置くことができる。 2 顧問は、会長の諮問に基づいて意見を具申することを原則とする。 3 顧問は、会長の要請にもとづき協議会及び理事会に列席することができる。 4 顧問の任期は、2 年とする。ただし、再任を妨げない。 第 4 章 会議、研究会、理事会及び会員総会 (会議) 第 17 条 協議会は第2条の目的を達成するため、原則として定例会議を開催する。 2 会議の議長は会長または副会長が務める。 (研究会) 第 18 条 協議会は第3条第1項に基づき第 2 条の目的を達成するために必要に応じ研究会を開催 することができる。 (理事会) 第 19 条 理事会は次の者をもって構成する。 (1) 会長および副会長 (2) 理事 (3) 監事 2 理事会は協議会の基本理念、組織、運営、財務および調査研究活動等、本会の枢要事項 について審議、調整する。 (会員総会) 第 20 条 協議会の最高決議機関としての会員総会は正会員全員をもって構成する。 2 会員総会の議長は会長または副会長が務める。 30 第 5 章 その他 (列席者) 第 21 条 協議会は、必要に応じて行政機関等組織に対しオブザバーとして出席を求めることがで きる。 (会計年度) 第 22 条 協議会の会計年度は毎年4月1日に始まり、翌年 3 月 31 日に終わる。 (会則の変更) 第 23 条 本会則の改正は会員総会における出席正会員の 3 分の 2 以上の多数によるものとする。 (協議会の解散) 第 24 条 協議会を解散するためには、会員総会における出席正会員の 4 分の 3 以上の賛成を得な ければならない。 (付則) 1 この会則は平成 21(2009)年 10 月 28 日より適用する。 2 この協議会の設立当初の役員は、別表のとおりとする。 3 この協議会の設立当初の役員の任期は、この協議会の成立の日から 2011 年 3 月末日までとす る。 別表 設立当初の役員 理事・会 長 伊藤文雄(ABEST21) 理事・副会長 河野 宏和(慶應義塾大学) 理事・副会長 小川 一夫(東芝総合人材開発株式会社) 理事 加登 豊(神戸大学) 理事 佐藤 有司(ソニー株式会社) 理事 竹内 弘高(一橋大学) 理事 吉村 一孝(トヨタ自動車株式会社) 監事 日比谷 武(富士ゼロックス株式会社) 監事 遠藤 功(早稲田大学) 31