アプリケーション ストーリー - アズビルトレーディング株式会社

アプリケーション ストーリー
フリアーシステムズサーモグラフィは小神経
線維の機能異常の診断に利用されています
医療用サーモグラフィの新基準となる装置の開発
世界人口の約2％が小神経線維の機能障害を罹患していると言われています。
この
疾患は、神経障害性の痛みを伴うことがあり、患者の多くは糖尿病も併発していま
す。大神経線維の機能障害は、標準的な神経学的検査と筋電図検査で診断できます
が、小神経線維の機能障害の定量評価に使用できる非侵襲的な検査は存在してい
ません。
ドイツ技術基金STWが資金提供している研究プロジェクトで、サーマルイメージング技術
を使った小神経線維機能障害の診断検査用装置の開発が進められています。フリアーシ
ステムズは、医療用サーモグラフィの新たな用途となりうる研究プロジェクトのバックアッ
プのため、冷却型検出素子を搭載した高性能FLIR SC5000シリーズを提供し、経験豊富
な技師を派遣しています。
一般的に、小神経線維機能障害の診断
検査には皮膚生検が利用されています
が、エラスムス大学のサーモグラフィ専
門の麻酔医Sjoerd Niehof医師によれ
ば、
皮膚生検には重大な欠点があります。
「皮膚生検は侵襲的な方法です。局所
麻酔下で切り取った患者の皮膚の小片
を検査室で解析します。この方法は時
間がかかるうえに、皮膚のほんの一部の
領域の情報しか得られません。私達は、
サーマルイメージング技術を使って、小
神経機能障害を迅速かつ非侵襲的に診
断できることを証明したいと考えていま
す。この技術が実現すれば、迅速な診断
ができ、時間とコストの節約になるとと
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もに、患者のストレス軽減にも役立ちま
す。」
理論的基盤：血流調節機構
この方法では、人間の身体に備わってい
る体温調節機構を理論的基盤としてい
ます。体温調節機構により、熱刺激を与
えた場所で局所的に血流変化が増減す
るのです。この血流反応をサーモグラフ
ィで検出します。
予備研究では冷たいプレートを用いて
患者に熱刺激を与えました。この予備研
究は概念検証にはなったものの、患者が
不快であるという問題がありました。そ
この赤外線画像は赤外線ランプの照射前、照射中、
照射後の熱刺激に対する体温調節反応を示す。
のため、現在の装置では赤外線ランプで
熱刺激を与えています。この赤外線ラン
プは一定周波数の赤外線のみを放射す
るため、赤外線がサーモグラフィに到達
する前に当該スペクトルに対応したフィ
ルターで遮断することができ、正確に皮
アプリケーション ストーリー
を適切に評価できなければならないと
同時に、患者に対する負荷を最低限に軽
減する必要があります。そのため、私達
は赤外線ランプの開発、
ノイズ軽減法の
考案、
患者データベースの作成などに取
り組む必要がありました。」
予備研究では、熱刺激として冷たいプレートが使
用された。
膚の温度計測を行うことが可能です。
熱刺激に対する身体の反応は、小神経
線維の統合性や機能性を示すため、小
神経線維に機能不全があれば、身体の
調節システムが変化するはずだと研究
者らは仮説をたてました。予備研究の結
果、小神経線維機能障害の患者は健康
な被験者よりも、熱刺激に対する反応が
遅く、時には反応がまったくみられない
症例もありました。
物理学と関連技術に関する広範な知識
装置の開発には物理学と関連技術の
詳細かつ広範な知識が必要です。その
ため、この研究プロジェクトには、オラ
ンダのデルフト工科大学の生体力学工
学科も関与しています。さらに、Noldus
Information Technology.社もソフトウ
ェア開発と統合のサポートを提供してい
ます。
装置の技術的な責任者はデルフト工科
大学の博士課程に在籍するYusang Wu
氏です。
「理論的にはこのシステムは有
効ですが、
問題なのは理論をいかに実践
に移すかという点です。この装置を使っ
て皮膚神経の体温調節システムの機能
FLIR SC5000：高感度で正確
この装置の中核機器はすぐに調達され
ました。フリアーシステムズが研究用に
FLIR SC5000サーモグラフィを提供し
たのです。FLIR SC5000は、科学的研
究用に開発された高度な仕様のサーモ
グラフィです。冷却型インジウムアンチ
モン
（InSb）検出素子により、640×512
ピクセル、熱感度20 mK (0.02 °C)未
満の精密な熱画像が得られます。外部ト
リガ機能により、画像の取り込みを瞬間
的な事象に同期させることもできます。
IRランプで皮膚に熱刺激を与えた後、サーモグラフ
ィFLIR SC5000で体温調節反応を記録する。
こではないと言います。
「私たちは他の
疾患の検査にも使用できるシステムを
開発したいと考えています。そのために
は、装置をそれぞれの疾患ごとに試験す
る必要がありますが、少なくとも火傷、
リ
ウマチ疾患、皮膚弁の血管新生、皮膚癌
などには応用可能ではないかと考えて
「フリアーシステムズは万全のサポート います。」
体制を提供してくれています」
とWu氏。
「FLIR SC5000のおかげで、極めて精 有望な技術
密なデータを得ることができています。 Niehof氏はサーマルイメージング技術
「
また、FLIRシステムズの全面的なサポー の医療応用は有望だと考えています。
トのおかげで、FLIR SC5000を問題な サーマルイメージング技術の医療分野
での応用実績はまだ限られています。こ
く装置に統合できました。」
れはサーモグラフィデータの記録方法
に関する標準化がすすんでいないこと
患者を対象とした試験
システム開発の次の段階として、実際の やサーモグラフィの基本原則の理解不
患者を対象として試験的検査を行った 足により温度誤差が生じやすい点などが
こうしたギャッ
とNiehof氏は説明します。
「この段階で 原因です。私達の研究が、
は、健康な被験者と小神経線維機能障 プを少しでも解消し、将来的には医療技
害患者の両方を対象に、新たに開発した 術としてサーマルイメージング技術が
装置で検査を行い、現行の標準的な皮 普及する一助になることを期待していま
す。」
膚生検と結果を比較しました。」
この研究がうまくいけば、
この装置が小 免責条項：このアプリケーションストーリ
神経線維機能障害の新たな診断方法と ーに記載された内容はすべて上記の研
して採用されると期待されています。
し 究に基づいています。フリアーシステム
かし、Niehof氏は研究の最終目標はそ ズは医療現場でのサーモグラフィの使
用または誤用に何ら責任を負いません。
※ご購入は下記代理店からお願いします。
※ご購入は下記代理店からお願いします。
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お問い合わせは
事業企画部まで
2013年4月1日、アズビル商事株式会社とアズビル ロイヤルコントロールズ株式会社は合併し、
新 潟 営 業 所 (025)364-2726
東
京 本 店 (03)5961-2180
社名をアズビルトレーディング株式会社に変更いたしました。
静 岡 営 業 所 (054)272-5300
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株式会社山武商会から社名変更いたしました。
本社 〒１7０-８462 東京都豊島区北大塚1-14-3 大塚浅見ビル
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上の画像は健康被験者の熱刺激に対する正常な体温調節反応を示す。下の画像は小神経線維機能障害の
ある手の中指で体温調節機構が適切に機能していないことが分かる。
フリアーシステムズジャパン株式会社
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