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国際政治学 - 教員用WWWサービス

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国際政治学 - 教員用WWWサービス
早稲田大学政治経済学部
2016 年度春学期
国際政治学
日時:木曜日 3 時限
金曜日 2 時限
担当教員: 栗崎周平
http://www.f.waseda.jp/kurizaki
教室:3-302
最終改訂: 2016 年 5 月 26 日 (オフィスアワーの情報を追加しました)
講義内容
この講義では学部生を対象とし国際政治学の系統的なサーベイを行なう。現代の国際政治では、安
全保障、国際経済、貿易、金融、開発、環境問題といった重要な問題が多方面で山積している。そ
れを反映し、研究者たちが取り組む課題やそのアプローチも多岐にわたる。この講義では、近年の
理論モデルや実証的な知見に基づき、最近の国際政治学研究においてなかでも最重要とされる諸
問題を取り上げ、その原因、メカニズム、解決策、さらには政策論的含意などを考察する。従前の現
実主義、リベラル主義、構築主義といった大雑把な理論枠組みだけではこれら問題の因果メカニズ
ムやそれらを取り巻く環境に接近することは困難である。よって、この講義では、戦争はなぜ起こるの
か、大量虐殺や環境破壊などに対する国際協力はなぜ困難なのか、国家間の不平等はなぜ再生
産されるのかなどといった具体的な問題や課題を順次取り上げていく。毎回の授業では、それぞれ
のテーマにとって重要なパズルとは何かを考えることから始め、そのパズルを解いていく過程で、現
代国際政治を理解する上で必要な基礎的知識と分析道具を提示する。さらに、この講義では国際
政治の理論と歴史に関する基礎知識の習得と同等に、実際の政治問題を扱う中で、問いを問う力、
パズルを立てる力といった問題設定能力や、実際のパズル解く分析的思考力、問いの立て方がどの
ように結論を変えるのか見極める批判の力などを養うことを主眼にしている。
学習目標


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

国際政治を理解する上で求められる概念や用語の習得
国際政治における重要な出来事、歴史的背景、主要な行為体などに関する事実関係の理解
国際政治における紛争と協調の原因ないし条件に関する適切な説明
国際政治の諸問題に関する様々な言説・主張を証拠に基づき、評価・相対化する力の習得
上記に掲げた問題設定能力、分析的思考力、批判力などに基づき、現代国際政治の現実問題
を主体的に考える能力の獲得。
教員・教務補助(TA)
 教員:栗崎周平 政治経済学術院 准教授
 TA: 浅野塁 政治学研究科 修士課程 2 年
時海萌 政治学研究科 修士課程 1 年
e-mail: [email protected]
e-mail: [email protected]
e-mail: [email protected]
オフィスアワー
毎週木曜日 2:45-4:15 はアポイントメント不要。オフィスアワー以外での面会も歓迎します。事前の
アポイントメントが必要。研究室: 3 号館 12 階、1217 室
Facebookページ
「早稲田大学政経学部: 国際政治学」
1
教科書
Jeffry A. Frieden, David A. Lake, and Kenneth A. Schultz. 2011. World Politics: Interests,
Interactions, and Institutions. 2nd Edition. New York: W. W. Norton.
参考文献
篠田英朗『国際社会の秩序』(シリーズ国際関係論)東京大学出版会
鈴木基史『平和と安全保障』(シリーズ国際関係論)東京大学出版会
飯田敬輔『国際政治経済』(シリーズ国際関係論)東京大学出版会
評価基準
評価は3つの課題に基づく:期末試験 (40%) 、相互採点エッセイ(30%)、政策分析(30%)。
 相互採点エッセイを5月から6月にかけて(予定)に4回提出。4つのエッセイはいずれもオン
デマンド講義として提供される授業内容に関しての論述試験で、800字を最低とし、1000字を最
大とする。各エッセイは、他の受講生二人により採点される。したがって、各受講生は一回のエッ
セイ提出ごとに他の受講生による二つのエッセイを採点します。採点は担当教員が配布する採点
基準に基づき、評価点を与えるものとする。採点者は自らの評価点に対して説明責任を負うため、
その評価点を与えた理由のコメントを添えることが求められる。一つの答案につき、受講生二名が
採点するが、二つの点数に開きがある場合は、担当教員またはTAが採点内容を確認する。各受
講生は、エッセイ筆者の立場から、自らのエッセイの採点者に対しても評価点を与える。採点者を
評価する際、与えられ評価点のコメントとの一貫性、コメントの講義内容との一貫性、コメントの有
用性などを基準とする。エッセイに対する評価点と採点者としての評価点は独立し、成績算出に
おいて相関することはない。なお、この相互採点は筆者・採点者ともに匿名で行われる。この相互
採点エッセイでは、エッセイの筆者としての評価点15%と、エッセイの採点者としての評価点15%
がこの授業の成績に算入される。各受講生は4回のエッセイを通して合計8つの評価点を得ること
になるが、このうち2つの最低評価点を切り捨て、6つの評価点が成績に反映される。同様に、採
点者としても8つの評価点を得ることになるが、成績判定に反映されるのは上位6つの評価点のみ
とする。エッセイの提出あるいは相互採点の期限内の提出を怠った場合は、当該エッセイに関し
てエッセイ筆者としても採点者としても評価点を0(ゼロ)点とする。
 政策分析を7月初旬に提出。Foreign AffairsないしForeign Policyに過去10年以内に発表された
研究者・ジャーナリスト・実務者による国際政治に関する時事評論を各自選定し、それまでの授業
で考察した概念、理論モデル、実証的知見を駆使して論評対象となっている時事問題のメカニズ
ムについてミクロ的基礎を提示し政策的含意を提示する。文献の選定は各自で行い、選択した文
献と扱う国際政治学のテーマとの一貫性および妥当性も評価の対象となる(A4用紙二枚以内)。
また政策分析エッセイの採点も、相互採点の実施を予定しています。
 期末試験は講義内容(下記)に関して、上記に掲げた学習目標の達成度を評価するものであり、
学期末に一回実施する。なお、試験は講義および教科書から出題される。
相互採点ついての方針説明などの補足シラバス(動画)
http://cnt.waseda.jp/ncontents/open/11/2015/2015110100449001/20151101004490
01_kurizaki_shuhei_01_2015/start.html
授業計画 (各週の講義スケジュールは、進捗具合により、変更の可能性があります。また講義の順
序にも変更がありえます)
2
【*】オンデマンド講義: JMOOC の講義として 2014 年初夏に NTT ノレッジスクエアから提供された
収録講義を各自がコースナビ上でオンデマンドで視聴し、週に一回の反転授業を教室で行う。
http://web.waseda.jp/ches/?page_id=1418
https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga003/2014_06/about?dcmancr=1f3314635e6da603.1428
386582810.5145.1428386588972
4月7日
第 1 回 イントロダクション
4月8日
第 2 回 国際システムとその歴史的成り立ち
&
第 3 回 国際システムと戦争と平和の長期サイクル
4 月 14 日
第 4 回 知的遺産 (現実主義、自由主義、構築主義) からの脱却と統合
4 月 15 日
第 5 回 紛争と協調に関するミクロ的基礎 (選好、戦略、制度)
4 月 21 日
第 6 回 国際システムの構造(アナーキーという間主観と均衡、国際社会の秩序)
4 月 22 日
第 7 回 安全保障のジレンマ
4 月 28 日
第 7 回 安全保障のジレンマ<続>
【オンデマンド講義 1】
4 月 29 日
大学休業
5月5日
大学休業
5月6日
相互採点エッセイ説明<30 分ほど>
5 月 12-13 日
第 7 回 安全保障のジレンマ<続>
5 月 19 日
【オンデマンド講義 1】
第 8 回戦争発生のパズル【*】
第 9 回 戦争原因の 3 つのモデル【*】
5 月 20 日
【相互採点エッセイ 1 回目締め切り+相互採点開始】
5 月 26 日
【反転授業】
戦争と平和について考える: ドキュメンタリーフィルム鑑賞
&
第 1 回相互採点エッセイのフィードバック
【オンデマンド講義 2】
第 10 回 国内政治と国際政治(2 レベル・ゲーム、政治家、政治体制)【*】
第 11 回 国内政治、戦争、平和【*】
5 月 27 日
【相互採点エッセイ 2 回目締め切り+相互採点開始】
3
6月2日
【反転授業】 第 2 回相互採点エッセイのフィードバック
【オンデマンド講義】
第 12 回 通常抑止と核抑止【*】
6月3日
【相互採点エッセイ 3 回目締め切り】
6月9日
【反転授業】第 3 回相互採点エッセイのフィードバック
【オンデマンド講義 4】
第 13 回 国際制度と安全保障(同盟)【*】
6 月 10 日
【相互採点エッセイ 4 回目締め切り+相互採点開始】
第 13 回 国際制度と安全保障(同盟)【*】
6 月 16 日
【反転授業】第 4 回相互採点エッセイのフィードバック
日本の安全保障、東アジアの安全保障環境、沖縄を考える
6 月 17 日
第 14 回 核兵器(大量破壊兵器)不拡散(核共有、核の傘、強制外交)
6 月 23 日
第 15 回 国際制度と安全保障(集団安全保障)
6 月 24 日
第 16 回 内戦・民族紛争
&
第 17 回 内戦・民族紛争、そして平和構築
6 月 30 日
第 18 回 テロリズムの国際政治学
7月1日
第 19 回 テロリズム、ISIS、日本の安全保障
【政策分析エッセイ提出期限+相互採点開始】
7月7日
第 20 回 国際組織と国際政治
7月8日
第 21 回 国際システムと戦争(構造、力の分布、力の変遷)
7 月 14 日
第 22 回 経済制裁の政治学
7 月 15 日
第 23 回 世界経済と戦争(経済相互依存)
&
第 24 回 世界経済と戦争(景気循環)
7 月 21 日
第 25 回
第 26 回
第 27 回
第 28 回
第 29 回
民主化と国際政治
人権の国際政治学
貿易の国際政治学
金融の国際政治学
通貨の国際政治学
4
第 30 回 開発と貧困の政治学
第 31 回 環境保護と破壊の政治学
第 32 回 NGO と越境政治
7 月 22 日
第 30 回 期末試験
5
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