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商務部、2012 年中国対外直接投資統計公報を公表

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商務部、2012 年中国対外直接投資統計公報を公表
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
商務部、2012 年中国対外直接投資統計公報を公表
~中国は初めて世界三大対外投資国に
トランザクションバンキング部
中国調査室
メイントピックス...................................................................................................................... 2
商務部、2012 年中国対外直接投資統計公報を発表 ~中国は初めて世界三大対外投資国に .......................2
人民元市場動向 『人民元は基準値が高値更新後反落、日中取引は元じり高』................................. 6
人民元為替・資金市場 ........................................................................................................................................6
全国情報 ............................................................................................................................. 7
【マクロ経済】 .............................................................................................................................................................7
9 月のPMI指数は 51.1=小幅上昇傾向が続く ..................................................................................................7
国慶節期間中の消費、約 8,700 億元に .............................................................................................................7
世銀等、中国経済成長率予測を下方修正 ........................................................................................................7
9 月末時点の全国保障性住宅着工率は 98%...................................................................................................7
【金融】.......................................................................................................................................................................8
人民元、世界 8 位の決済通貨に=SWIFT報告 ................................................................................................8
欧州中央銀行と 3,500 億元の通貨スワップを締結 ............................................................................................8
人民銀、域内投資者の域内金融機関への人民元投資を承認 .........................................................................8
【産業】.......................................................................................................................................................................8
【不動産】9 月の 100 都市住宅平均価格、前月比+1.07%=16 ヶ月連続で上昇 ............................................8
【衛星ナビゲーション】4,000 億元の中長期発展目標を確定 .............................................................................9
【モバイル通信】ウェアラブル端末市場、2015 年までに 100 億元突破か .........................................................9
【自動車】9 月の自動車販売台数が前年同月比+19.7%の 193.58 万台 ..........................................................9
地方情報 ........................................................................................................................... 10
【北京】分譲住宅在庫は 6 万軒を割る ..............................................................................................................10
【上海】国慶節連休中の商業売上高は 68 億元超、入出国人数は延べ 57 万人...........................................10
【大連】国慶節連休の観光収入は前年同期比+20.9%の 23.85 億元..............................................................10
【天津】1-8 月の工業投資は 17.9%増の 2912.2 億元......................................................................................10
【四川】都市商業銀行の上場を支援 国有持株 20%以内..............................................................................10
【青島】自由貿易試験区建設計画が発表.........................................................................................................10
BTMUの中国調査レポート(2013 年 10 月) ........................................................................... 11
1
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
メイントピックス
商務部、2012 年中国対外直接投資統計公報を発表 ~中国は初めて世界三大対外投資国に
9 月 9 日に、商務部、国家統計局及び国家外貨管理局は共同で「2012 年中国対外直接投資統計公報」を発
表した。同公報は中国対外直接投資の概況、特徴、中国の主要経済体に対する直接投資状況、中国域内
投資者の構成、対外直接投資企業の分布、総合統計データなど六つの観点から中国対外直接投資を説明
した。
本稿は同公報の主要内容を纏めた上で、中国対外直接投資の特徴及び今後の見通しについて説明する。
Ⅰ.中国対外直接投資の主な特徴
中国からの直接投資が増加
同公報によると、2012 年通年の中国対外直接投資額は前年比+17.6%の 878 億米ドルと史上最高水準となり、
米国と日本に次いで、初めて世界三大対外投資国の一つになった。2012 年末時点、海外(域外)における中
資系企業は 2.2 万社弱、対外直接累計額は 5,000 億米ドルを突破、資産総額は 2 兆 3,000 億米ドルを超え
た。
国連貿易・発展会議(UNCTAD)の「2013 世界投資報告—グローバル・バリュー・チェーン:発展を促進する
投資と貿易」によると、2012 年、グローバルの外国直接投資流出量は 1 兆 3,900 億米ドル、年末の累計額は
23 兆 5,900 億米ドル。これを基に計算すると、2012 年の中国対外直接投資は同年の世界直接投資額の
6.3%、世界 3 位を占めるようになった。2012 年末までの累計ベースでは、中国の対外直接投資額は世界全
体の 2.3%、世界 13 位となっている。
2012 年、金融類 1 の対外直接投資額は 100.7 億米ドル、うち、貨幣金融サービス類(銀行業)の対外直接投資
は 65.4 億米ドルと全体の 64.9%を占めている。2012 年末時点、中国国有商業銀行はアメリカ、日本、イギリス
など 35 ヶ国・地域で 66 社の支店、36 社の付属拠点を開設、海外拠点の従業員総数は 3.7 万人で、うち、外
国籍の従業員数は 3.6 万人となった。また、域外で設立した保険機関は 8 社となっている。
2012 年、非金融類 2 の対外直接投資は前年比+13.3%の 777.3 億米ドル、域外企業の売上高は同+19.3%の
1 兆 2,462 億米ドルとなり、域外企業による輸出入額は同+102.3%の 3,733 億米ドルで、うち、輸入額は同
+134.2%の 2,944 億米ドル、輸出額は同+34.2%の 789 億米ドルとなった。
非金融類域外企業の経営状況をみると、2012 年、黒字または横ばいの企業は 79.2%を占め、赤字企業は
20.8%となっている。中央企業(中央政府が監督管理する国有企業)が設立した 2,700 社余りの域外企業のう
ち、黒字または横ばいの企業は 80%を占め、赤字企業は 20%となっている。
(1) 2012 年の中国対外直接投資の特徴
9
投資額は史上最高に。2012 年、世界の外国直接投資(フローベース)が前年比▲17%低下した中で、
中国の対外直接投資は前年比+17.6%の 878 億米ドルと史上最高水準となり、中国は初めて世界三大
対外投資国の一つとなった。
9
投資累計額は 5,000 億米ドルを突破。2012 年末時点、中国の対外直接投資累計額は 5,319.4 億米ドル
で、世界 13 位となったが、同金額は米国の 10.2%、英国の 29.4%、ドイツの 34.4%、日本の 50.4%に止
1
金融類:業種別に銀行業、保険業、証券業、その他金融活動が含まれる。
非金融類:業種別にリース業と商務サービス業、採鉱業、卸売と小売業、製造業、交通運輸業・倉庫と郵政業、建築業などが含ま
れる。
2
2
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
まっている。
9
投資先は世界 8 割弱の国・地域に分布、ばらつきが大きい。2012 年末時点、中国 1.6 万社の域内投資
者は海外(域外)で 2.2 万社弱の対外直接投資企業を設立し、世界 179 ヶ国(地域)に分布しており、カ
バー率が 76.8%に達している。うち、アジア、欧州、アフリカにおける同カバー率はそれぞれ 95.7%、
85.7%、85%となっている。中国の対外直接投資累計額の上位 20 ヶ国・地域の合計額は 4,750.93 億米
ドルと、全体の 89.3%を占めている(表 1)。
9
投資業種の分布が集中。2012 年末現在、中国の対外直接投資累計額が 100 億米ドル超の業種はリー
ス業と商務サービス業 3 、金融業、採鉱業、卸売と小売業、製造業、交通運輸業・倉庫と郵政業、建築業
など七つの分野に集中しており、この 7 業種の投資累計額は 4,913 億米ドルと、中国の対外直接投資累
計総額の 92.4%を占めている(表 2)。
【表 1】2012 年末国・地域別の中国対外直接投資累計額
北米5%
【表 2】2012 年末業種別の中国対外直接投資累計額
オセアニア
3%
金融業
20%
採鉱業
15%
南米13%
卸売と小
売業14%
欧州7%
建築業3%
アフリカ4%
リース業
と商務サ
ービス業
35%
(出所)Wind を基に当行中国調査室作成
交通運輸
業・倉庫と
郵政業6%
アジア68%
(出所)Wind を基に当行中国調査室作成
製造業7%
9
M&A の分野が広く、取引高が大きい。2012 年、中国企業による対外投資 M&A プロジェクトは 457 件、
実行取引高は 434 億米ドルで、いずれも史上最高水準を記録した。うち、直接投資は 276 億米ドルと
63.6%を占めており、域外での資金調達は 158 億米ドルと 36.4%を占めている。
9
対米投資の伸び率が高い。2012 年、米国への投資額は前年比+124%の 40.5 億米ドルと大きく伸び、香
港に次いで第 2 位の投資先となった。一方、イギリス領ヴァージン諸島およびケイマン諸島への投資額は
減少し、2012 年は前年比▲72.5%の 30.67 億米ドルに止まった。
9
域外企業が投資所在国の税収や就業に対する貢献度が高い。2012 年、域外企業が投資所在国に納
めた税金総額は 221.6 億米ドルとなった。2012 年末時点の域外拠点の従業員総数は 149.3 万人、うち、
外国籍の従業員数は 70.9 万人で、先進国からの従業員は 8.9 万人となっている。
(2) 中国対外投資増加の要因
対外投資の増加について、商務部の瀋丹陽スポークスマンは、投資所在国政府の政策指向および投資環境
の改善が重要な役割を果たしたが、市場の需要および企業のイニシアティブが主因であると指摘した。過去
には国有企業、特に中央企業が中国対外投資の主体であり、地方企業が少なく、投資分野が単一であった
が、現在では地方企業の投資の伸びが大きく、中小企業等の民営企業の海外投資が活性化している。
中国人民銀行副行長・国家外貨管理局局長の易綱氏は、産業の高度化および構造転換の発展に伴い、中
3
商務サービス業:企業管理サービス、法律サービス、コンサルティング、広告業、職業仲介などの業種が含まれる。
3
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2013 年 10 月 18 日 第 175 期
国企業の海外 M&A は先進技術・ブランド・市場の取得および産業チェーンの整合に注力し、海外進出は資
源需要だけでなく、多元的な目標へ転換していくとの見方を示した。
Ⅱ.今後の展望
中国の対外直接投資の高成長ぶりは持続可能
前年の同統計公報によると、2011 年通年の中国対外直接投資額は 746.5 億米ドルと、世界 6 位を占める一
方、10 年前、商務部が同指標を公表し始めた際の中国対外直接投資額は僅か約 27 億米ドルであり、2011
年の 3.6%に相当するのみである。
商務部が 9 月 17 日に発表したデータによると、2013 年 1-8 月、中国域内投資者は世界 156 ヶ国・地域の
3,583 社の域外企業に直接投資を行い、非金融類直接投資累計額は前年同期比+18.5%の 565 億米ドルと
なった。同部は、今年の対外投資は依然として安定的に増加し、通年の伸び率は 15%となると予測してい
る。
中国の対外投資の持続増加について、商務部の瀋丹陽スポークスマンは二つの要因を挙げている。第一に、
企業自身に海外進出の意欲があり、国際市場の需要の要求もあること。第二に、中国政府は企業の海外進
出を積極的に支援・奨励し、中央政府から地方政府まで一連の奨励策を打ち出しており、これらの政策措置
の効果が顕在化していること。瀋丹陽スポークスマンは、今後の中国企業の海外進出を楽観視しており、中
国の対外投資額はそのうち対内投資額を超えるとの見通しを示している。
統計によると、1992 年から中国の実行ベース対内直
接投資額(FDI)の伸びが高く、対外直接投資額
(ODI)の伸びが鈍化しており、両者の差が拡大してい
る一方、2003 年以降、FDI と ODI はいずれも高い伸
びを示しているが、、両者の差は縮小しつつある(表
3)。中国は資本輸入大国から資本輸出大国へ転換し
ている。
対外直接投資の増加は中国にとって、海外の市場を
通して製品の付加価値の向上が図られ、低コストで先
進的な技術を取得することができ、且つ貿易に関する
障壁を避けて輸出の増加を促進することができると見
られている。
【表3】対内直接投資額と対外直接投資額の推移
億米ドル
1,4 00.0000
1,2 00.0000
1,0 00.0000
8 00.0000
6 00.0000
4 00.0000
実 行 ベー ス対 内 直接
投資額
2 00.0000
対 外 直接 投資 額
20
02
年
20
03
年
20
04
年
20
05
年
20
06
年
20
07
年
20
08
年
20
09
年
20
10
年
20
11
年
20
12
年
0.0000
(出所)商務部の統計を基に当行中国調査室作成
中国の対外直接投資の課題
(投資分野と投資者構成の更なる改善を期待)
統計によると、2012 年、中国の採鉱業の対外直接投資額は 135.4 億米ドル、非金融類企業の対外投資の
17.4%を占めている。エネルギー・資源関連の電力・光熱・ガスおよび水道事業、農林水産業の対外直接投
資額はいずれも 10 億米ドルを超えている。金融業を除く域外企業の資産総額の上位 3 位はそれぞれ中国石
油化工集団、中国石油天然ガス集団および華潤(集団)と、いずれも国有企業である。
この様な状況の中、中国の業界関係者は、オーストラリアなどは完全な民営主導の国であり、政府は原則とし
て如何なる投資にも反対しない。中国民営企業はもっと海外へ進出すべきで、海外のエネルギー関連事業
の投資は民営企業がイニシアティブを持っており、中国民営企業もこの分野での海外進出は勝機があるとコ
メントした。
(技術のグレードアップを重視すべき)
工業情報化部元部長の李毅中氏は、紡績、服装、家電、食品加工等の製造業は中国の強みで、発展途上
国の需要もあり、これらの発展途上国の労働集約型産業向けの投資を強化すべきと指摘している。また、製
4
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
造業の対外投資は先進技術の導入を重視すべく、域外での製品開発を通して国内製品のグレードアップを
推進すべきと指摘した。
(グローバル・バリュー・チェーンのハイエンドへ)
国際金融危機後、各国はイノベーションの牽引による経済発展をより重視しており、国際分業化が進み、設計
と研究開発のグローバル化の趨勢が形成され、グローバル・バリュー・チェーン 4 の再編成が始まった。中国に
とって、グローバル・バリュー・チェーン再編成への参加は、産業高度化および技術進歩を実現させる重要な
ルートだと見られている。
UNCTAD が発表した「2013 世界投資報告—グローバル・バリュー・チェーン:発展を促進する投資と貿易」
報告によると、発展途上国のグローバル付加価値ベース貿易額におけるシェアは 1990 年の 20%から 2000
年の 30%に増加しており、現在は 40%を超えている。また、中国のグローバル・バリュー・チェーンの参加率
は 59%と世界 12 位であるが、グローバル・バリュー・チェーンのローエンドにある加工貿易が中心であったた
め、グローバル・バリュー・チェーンから獲得した価値が相対的に低く、国内付加価値の輸出総額に占める割
合は 70%で、世界上位 25 の輸出型経済国で第 12 位を占めている。
「第 12 次 5 ヶ年計画」期間中、中国は①「走出去」(海外進出)戦略の実施を加速し、サービス業の発展を重
視、省エネ・排出削減を強化し、グローバル・バリュー・チェーンのハイエンドへレベルアップしていくための競
争力を育成、③イノベーション戦略を実施し、省エネ・環境保護・次世代情報技術、バイオ、ハイレベル設備
製造業、新エネルギー、新材料等の産業を育成・発展する、などの方針を打ち出している。生産加工基地と
する「中国製造」の地位を固めると同時に、「チャイナクリエイティブ」を推進することを目指している。
三菱東京 UFJ 銀行(中国)トランザクションバンキング部
中国調査室 孫元捷
4
グローバル・バリュー・チェーン(GVC, Global Value Chain)とは、製造業などにおける生産工程が内外に分散していく国際的な
分業体制のことです。
5
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
人民元市場動向
『人民元は基準値が高値更新後反落、日中取引は元じり高』
【図 1】人民元中間値とドルインデックス
人民元為替・資金市場
国慶節連休明け最初の取引となった先週の人民元は、
基準値が週初高値を更新後反落した一方、日中取引は
じり高推移となった。
每天 QCNY=CFXS, Q=USD
2013-6-21 - 2013-10-17 (PEK)
价格
价格
85
6.24
84.5
6.22
84
83.5
国慶節中、米国では暫定予算不成立により一部政府
機関が閉鎖され、長期化に伴う実体経済への影響拡大
懸念の台頭、更にルー米財務長官が 10/17 を最終期限
として警鐘を鳴らす債務上限引上げ法案の交渉難航、を
背景としたリスクオフの動きの強まりから、海外市場では
米ドルが軟調に推移した。
米ドルインデックスの低下を受け、国慶節連休明け後
最初の取引となった 8 日の基準値は 6.1415 に設定され、
基準値としての元の高値を更新した(従来高値 6.1475)。
その後は米国財政協議の進展期待から米ドルの買戻し
も入り、米ドルインデックスの上昇に連れて基準値も元じ
り安の展開となった。
6.2
83
6.18
82.5
82
6.16
81.5
6.14
81
80.5
6.12
80
.123
.1234
24
01
08
15
22
29
05
2013 七 月
12
19
26
02
09
2013 八 月
16 23
30
14
2013 九 月
— 人民元ドル中間値(右側) — ドル index 時間線(左側)
(出所)ロイター
【表 1】為替市場変動幅:一週間の変動幅
日付
10/7
10/8
10/9
10/10
10/11
USDCNY 基準値
国
6.1415
6.1430
6.1452
6.1458
USDCNY 始値
慶
6.1180
6.1202
6.1204
6.1158
USDCNY 高値
節
6.1214
6.1215
6.1209
6.1206
一方、日中取引は週後半にかけて元買いの動きが強
USDCNY 安値
休
6.1179 6.1186 6.1155 6.1113
まり上昇、8 月下旬以降 6.12 を中心として永らく膠着状態 USDCNY 終値
暇
6.1211 6.1211 6.1158 6.1206
にあった人民元は、11 日には一時 6.1113 まで上昇、依 USD index1
80.122 79.941 80.060 80.376 80.417
然小幅ではあるものの久々に動意を見せる動きとなった。 (注)1. 前日の NYK 終値
但し、同日の終値は結局 6.12 近辺まで戻しており、方向
【図 2】O/N Shibor と 7 日間債券レポ利回り
感は依然として乏しい状況といえよう。
每天 QCN7DRP=CFXS, QSHICNYOND=
2013-6-24 - 2013-10-17 (GMT)
价格
IMF(国際通貨基金)は 8 日、最新の世界経済見通し
を発表した。その中で中国については、2013 年の成長
率見通しを前回の 7.8%から 7.6%に、2014 年を 7.7%か
ら 7.3%へ引き下げている。経済成長の牽引役が投資か
ら消費へ移行する構造転換を推進する中、中期的成長
の減速が見込まれるとしている。
資金市場では、人民銀行が 8 日・10 日の公開市場操
作でリバースレポを実施(1 週間物 650 億元・金利 3.9%
/2 週間物 480 億元・金利 4.1%)、ネットで 330 億元の
資金供給を行った。斯かる人民銀行の流動性供給姿勢
を受け、短期金利は落ち着いた動きとなった。
CNY
7.5
7
6.5
6
5.5
5
4.5
4
3.5
3
2.5
.1234
24
01
08
15
29
05
12
2013 七 月
26
02
2013 八 月
09
16 23
30
14
2013 九 月
(出所)ロイター
【表 2】金利市場変動幅:一週間の変動幅(%)
10/7
10/8
10/9
10/10
10/11
1 日間レポ 1
国
3.0990
3.2882
3.3382
3.0898
7 日間レポ 1
慶
4.4106
4.5345
4.4917
4.2533
O/N Shibor
節
3.0520
3.2320
3.3280
3.1000
3 ヶ月 Shibor
休暇
4.6685
4.6682
4.6681
4.6679
(注)1. 加重平均レポ利回り
6
19
— 7 日間債券レポ利回り — Over Night Shibor 金利
日付
(環球金融市場部市場営業グループ)
22
BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
全国情報
【マクロ経済】
9 月の PMI 指数は 51.1=小幅上昇傾向が続く
中国物流・購買連合会が 10 月 1 日に発表した統計によると、9 月の製造業購買担当者指数(PMI)は 51.1 と、
前月比 0.1 ポイント上昇し、3 ヶ月連続の上昇となった。
項目別では、国内外市場の需要を反映する新規受注指数と新規輸出受注指数はそれぞれ 52.8 と 50.7 で、
前月比それぞれ 0.4 ポイント、0.5 ポイント上昇し、いずれも 3 ヶ月連続で回復した。また、生産指数(52.9)、輸
入指数(50.4)、購買数量(52.5)、主要原材料仕入価格(54.5)はそれぞれ前月比 0.3 ポイント、0.4 ポイント、
0.5 ポイント、1.3 ポイント上昇した。企業規模別にみると、大企業は 52.1 と 0.3 ポイント上昇した一方、中規模と
小規模企業は 49.7 と 48.8、依然として好況・不況の節目である 50 を下回っている。
国家統計局サービス業調査センターの趙慶河エコノミストは、7 月以来の成長安定策を受け、企業の信頼感
が改善し、また、第 3 四半期以来のグローバル経済の回復等プラス要因が、中国の製造業の回復を促したと
コメントした。
(10 月 4 日 新華網)
国慶節期間中の消費、約 8,700 億元に
7 日に発表された商務部の統計によると、国慶節期間中(10 月 1 日~10 月 7 日)の全国の小売と外食企業に
よる売上高は、前年同期比+13.6%の 8,700 億元となった。また、全国休日観光部際協調会議弁公室の発表
によると、全国の観光客は同+15.1%の延べ 4.28 億人で、観光消費は同+21.2%の 2,233 億元となった。交通
部の発表によると、国慶節期間中の全国道路水路の旅客輸送量は同+6%の延べ 6.15 億人で、うち、道路の
旅客輸送量は延べ 6.01 億人、水路の旅客輸送量は延べ 1,372 万人となった。
(10 月 8 日付「金融時報」ほか)
世銀等、中国経済成長率予測を下方修正
世界銀行が 7 日に発表した「東アジア太平洋経済報告」では、中国の 2013 年、2014 年の経済成長率予測値
をそれぞれ 4 月の 8.3%から 7.5%、8%から 7.7%に下方修正した。その要因について、地方債務規模の上昇、
投資の貸出への過度の依存、および経済構造転換に伴うリスクなどを指摘した。
また、国際通貨基金(IMF)が発表した「世界経済見通し」では、中国の 2013 年、2014 年の経済成長率予測
値をそれぞれ 7.6%、7.3%に下方修正した。
アジア開発銀行が 2 日に発表した「アジア発展見通し 2013」報告では、国内需要低迷の影響を受け、中国の
2013 年、2014 年の経済成長率予測値をそれぞれ 7.6%、7.4%に下方修正した。中国経済の成長鈍化は構
造調整の代償で、当面の成長鈍化は中国経済が長期的持続可能な成長軌道に乗ることに有効であるとコメ
ントした。
(10 月 8 日付「中国証券報」ほか)
9 月末時点の全国保障性住宅着工率は 98%
住房城郷建設部の統計データによると、1-9 月の全国の新規着工都市部保障性住宅は 620 万軒、竣工件数
は 410 万軒で、それぞれ年度目標(630 万軒、470 万軒)の 98%、87%を達成、投資完了額は 8,200 億元と
なった。当面の建設ペースが維持されれば、今年の目標達成は問題がないと見られ、一部地域では建設目
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BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
標を超過すると見込まれる。今後、不動産市場の供給構成には、保障性住宅の割合が増加すると見込まれ
ている。
(10 月 12 日付「中国証券報」)
【金融】
人民元、世界 8 位の決済通貨に=SWIFT 報告
国際銀行間金融通信協会(SWIFT)は 8 日、8 月に人民元がスウェーデン・クローナ、韓国ウォン、ロシア・
ルーブルを抜き、グローバル第 8 位の決済通貨となり、市場シェアは 1.49%に拡大したことを明らかにした。
同機関の統計によると、人民元は 2012 年 1 月時点では第 11 位、市場シェアは 0.92%だったが、2012 年 1
月から今年 8 月までの人民元外貨取引量が 113%増加した。中国大陸および香港を除き、60%の人民元外
貨取引はイギリスで行われ、米国とフランスがそれに次いでいる。
(10 月 9 日付「環球時報」)
欧州中央銀行と 3,500 億元の通貨スワップを締結
10 月 9 日、中国人民銀行は欧州中央銀行と 3,500 億元(450 億ユーロ)の通貨スワップ協定を締結したと発表
した。協定期間は 3 年で、双方の合意により延長することが可能。これは、今年 6 月に人民銀行がイギリス中
央銀行と通貨スワップを締結したことに続く欧州主要市場への進出である。ユーロ圏における人民元市場の
更なる発展のために流動性を供給し、人民元の海外市場での利用を促進するほか、双方の貿易や投資を促
進し、地域の金融安定を強化することに有効であるという。
(10 月 11 日付「金融時報」)
人民銀、域内投資者の域内金融機関への人民元投資を承認
中国人民銀行は 10 日、「域外投資者の域内金融機関投資の人民元決済に関する通知」を公布し、域内投資
者が人民元建てで域内金融機関へ投資することが可能となる方針を明らかにした。具体的に、新設、増資、
合併・買収、資本参加、エクイティ譲渡、利益分配、清算、減資、持分減少および投資の先行回収などが含ま
れる。また、域外の人民元投資資金を域内に送金する際、当局の審査・承認が必要であると規定した。
外貨管理局の統計によると、2013 年第 2 四半期、域外投資者の中国域内金融機関へのネット流入額は 4.42
億米ドル。
(10 月 11 日付「上海証券報」)
【産業】
【不動産】9 月の 100 都市住宅平均価格、前月比+1.07%=16 ヶ月連続で上昇
中国指数研究院が 8 日に発表した全国 100 都市新築住宅の価格サンプル調査結果によると、9 月の 100 都
市の住宅平均価格は前月比+1.07%の 10,554 元/㎡となり、伸び率が 8 月より 0.15 ポイント拡大し、昨年 6 月
以来 16 ヶ月連続の前月比上昇となり、上昇幅が 2013 年 5 月以来再び 1%を突破した。うち、79 都市の住宅
価格が前月比上昇、8 月より 8 都市増加、上昇幅が 1%以上の都市は 34 都市、8 月より 3 都市増加。都市別
の上昇幅をみると、北京と山東省荷澤市は 3.5%を超え、上昇幅が最も高い。前年同月比では、100 都市の
住宅平均価格は同+9.48%と、伸び率は 8 月より 0.87 ポイント拡大した。
(10 月 9 日付「上海証券報」)
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BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
【衛星ナビゲーション】4,000 億元の中長期発展目標を確定
国務院は 9 日、「国家衛星ナビゲーション産業の中長期発展計画」を公布し、2020 年までに衛星ナビゲー
ション産業の応用規模と国際化水準を大幅に向上させること、産業規模は 4,000 億元を超える目標を明らか
にした。北斗衛星ナビゲーションシステムおよび関連製品が国民経済の重要な産業および分野で広く応用さ
れ、大衆消費市場で逐次普及しており、国内衛星ナビゲーション市場への生産高の寄与率は 60%、重要な
応用分野で 80%に達し、グローバル市場で強い国際競争力を持つ目標を示した。
因みに、2012 年の中国の衛星ナビゲーション・位置サービス産業の生産高は前年比+15.7%の 810 億元、
2012 年末時点の北斗関連生産高は 40 億元近くとなっている。
(10 月 10 日付「中国証券報」)
【モバイル通信】ウェアラブル端末市場、2015 年までに 100 億元突破か
発展改革委が 8 日に発表した「2013 年モバイルインターネットおよび 4G 産業化特別プロジェクトの実施に関
する通知」では、第 4 世代移動通信規格(4G)などの注目分野に対して多数の促進措置を提起しており、特
にスマート端末「ウェアラブル端末」は注目されている。
アナリストは、モバイルインターネットの発展に伴い、スマート端末の今後の注目点であるウェアラブル端末の
応用が一層広がる見込みを示し、4G の普及により、ウェアラブル端末はより多くの分野で活用されることが期
待でき、スマート端末産業チェーンは更なる拡大が見込まれるとの見方を示した。
調査会社・艾媒咨詢が発表した「2013 中国ウェアラブル端末市場研究報告」によると、2012 年の中国のウェ
アラブル端末市場の規模は 6.1 億元、2015 年までに 100 億元を超え、114.9 億元に達する見通し。現在、中
国のウェアラブル端末市場はまだ初歩的な段階にあり、運動および医療が最も注目される分野と見られてい
る。
(10 月 10 日付「中国証券報」)
【自動車】9 月の自動車販売台数が前年同月比+19.7%の 193.58 万台
中国自動車工業協会が 11 日公表したところによると、9 月の自動車生産・販売台数はそれぞれ前年同月比
+16%の 192.66 万台、+19.7%の 193.58 万台となった。内訳は、乗用車の販売台数は同+21.1%の 159.35 万
台、商用車は同+13.3%の 34.23 万台。ブランド別では、地場系乗用車の販売台数は同+8.3%の 60.86 万台と
なり、乗用車販売台数全体に占めるシェアは 38.2%と、8 月対比で 0.2 ポイント上昇した。外資系ではドイツ系
のシェアが 19.3%とトップで、日系、アメリカ系、韓国系、フランス系はそれぞれ 17.5%、13%、8.5%、2.9%を
占め、前年同月対比で日系は 5.3 ポイントの持ち直しとなった。
(10 月 11 日 中国自動車工業協会)
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BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
地方情報
【北京】分譲住宅在庫は 6 万軒を割る
【上海】国慶節連休中の商業売上高は 68 億元
超、入出国人数は延べ 57 万人
北京不動産交易管理網の統計データによると、10
月 9 日時点、北京市の販売可能な分譲住宅在庫は
年初の 80,038 軒から 59,921 軒に下落し、初めて 6
万軒を割り、年内最低水準を記録した。都市部販
売可能な分譲住宅の消化周期は通常 12 ヶ月、6 ヶ
月は警戒線で、6 ヶ月以下は供給不足を反映して
いる。アナリストは、同市の在庫は既に警戒線を割
り、今後の数ヶ月に住宅価格の上昇率が再度加速
すると予測している。
上海市商務委員会の公表によると、国慶節ゴー
ルデンウィーク期間、同市における 436 社大中
型商業企業に属する 5,000 店舗による経営収入
は前年同期比+11.8%の 68.67 億元、伸び率は
春節対比 1.6 ポイントの上昇。一方、上海国境
検査・検疫総局によれば、国慶節期間の上海の
入出国者数は同+12%の延べ 57 万人。内訳を
見ると、入国者数は同+11%の延べ 30 万人、出
国者数は同+13.2%の延べ 27 万人となった。
(10 月 11 日付 「経済参考報」)
(10 月 8 日付 「文匯報」)
【大連】国慶節連休の観光収入は前年同期比+20.9%
の 23.85 億元
【天津】1-8 月の工業投資は 17.9%増の 2912.2
億元
国慶節連休に大連市を訪れた観光客は前年同期
比+13.8%の延べ 204.45 万人、観光収入は同
+20.9%の 23.85 億元となった。マイカーでの観光客
が急増し、台数は同+20.22%の 27.35 万台となっ
た。歴史文化の名所は新しい観光スポットとなって
おり、中国近代史の半分を有すると言われる「旅順
口」は観光客必至の観光地であるほか、金石国家
地質公園の観光客数は延べ 2.5 万人、大連現代博
物館の一日平均の受け入れ観光客数は延べ 1.1 万
人となった。
天津市経済・情報化委員会が発表したデータに
よると、1-8 月の同市の工業投資は 17.9%増の
2,912.2 億元で、投資額は直轄 4 市でトップと
なった。現在、実施中の工業プロジェクトは 856
件、年内完成のプロジェクトは 360 件、通年の工
業投資完成額は 4,500 億元、工業総生産高は
3,000 億元純増の 2 兆 7,000 億元、付加価値
ベース工業生産高の伸び率は 12.5%以上とな
ると見込まれる。
(10 月 8 日付 「大連日報」)
(10 月 8 日 天津市経済情報化委員会)
【四川】都市商業銀行の上場を支援 国有持株 20%
以内
【青島】自由貿易試験区建設計画が発表
四川省政府はこのほど「都市商業銀行の改革および
発展を推進する意見」を公布し、5 年間で、都市商業
銀行をコア資本 1,000 億元超、資産規模 15 兆元超、
監督管理ランク 3B およびそれ以上に達する現代商業
銀行に発展させる方針を打ち出した。目標達成に向
けて、総合力の強い都市商業銀行の域内外での上場
を支援しながら、戦略的投資者を誘致する。株式構成
の最適化、国有持株の削減に注力し、国有持株を全
体の 20%以内に抑制することとした。
青島市政府は「青島市国際貿易中心都市建設
綱要(2013~2020)」を正式に公布し、2020 年ま
でに青島市を東北アジアにおける地域的な貿
易中心都市に設立する計画を明らかにした。
同市の対外開放策の一環として、国際仲介貿
易を発展させる為、西海岸の税関特別監管区
の自由貿易試験区への転換を推進、国家のパ
イロット政策を積極的に引き入れ、前湾保税港の
自由貿易園区への転換を推進し、自由港政策
を積極的に推進するとしている。
(10 月 9 日付 「四川日報」)
(10 月 9 日付 「青島日報」)
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BTMU(China)経済週報
2013 年 10 月 18 日 第 175 期
BTMU の中国調査レポート(2013 年 10 月)
„
海外経済フラッシュ
中国~2013 年 7-9 月期 GDP は前年比+7.8%へ加速
https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/131018_01.pdf
経済調査室
„
産業トピックス
市場の拡大が見込まれる医療機器業界
https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/131008_01.pdf
企業調査部
„
産業トピックス
高齢化の進展を背景に拡大が続く在宅・施設介護サービス
https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/131008_02.pdf
企業調査部
„
海外駐在情報 China Economic TOPICS No. 51
中国における農民工の収入増加と消費拡大
https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/131008_03.pdf
経済調査室(香港)
„
経済マンスリー
景気は幾分持ち直し、一方的な悪化はひとまず回避
http://www.bk.mufg.jp/report/ecomon2013/monthly_ch20130920.pdf
経済調査室
„
BTMU 中国月報第 93 号(2013 年 10 月)
http://www.bk.mufg.jp/link/murc_china.html
国際業務部
以上
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三菱東京 UFJ 銀行(中国)有限公司トランザクションバンキング部 中国調査室
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