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第15回(平成28年度)中部科学技術センター顕彰 受賞者、業績の名称

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第15回(平成28年度)中部科学技術センター顕彰 受賞者、業績の名称
第15回(平成28年度)中部科学技術センター顕彰
表彰式 平成28年12月5日(月) 場所 愛知県産業労働センター13階1302室
受賞者、業績の名称
中部科学技術センター大賞
株式会社小糸製作所
伊藤 昌康 氏
鈴木 哲也 氏
松本 昭則 氏
菊池 賢 氏
業績の名称「LED Compact-バイファンクション
業績の概要
井上 貴司 氏
ヘッドランプの開発」
LEDヘッドランプは、「点灯速度が速く発光色が白いため視認性に優れる」「寿命が長く消費電
力が低い」などの特長を持つ安全・環境に優れたランプであり、当社が2007年5月に世界で初めて
量産化に成功した。またLEDの高光束化や省電力化などの技術革新を進め、2013年にはLED1個で□
-ビームを実現、消費電力もディスチャージヘッドランプの半減(22W)を達成した。その結果、2014
年度のLEDヘッドランプの生産数は当社ヘッドランプ生産数の15%にまで拡大した。但し、この時点
では、ロービームとハイビーム機能に個別のLEDユニット(計2個)を使用していた。
そこで、安全・環境に優れたLEDヘッドランプを、より多くの車に搭載・普及させるため、ボリ
ュームゾーンである軽自動車から中級クラスに搭載可能な「小型LEDユニット」をコンセプトに開
発に取り組んだ。光源・光学系・回路・放熱構造の各要素を刷新すると共に、ユニット全体のコン
パクト化・一体化を図ることで、ロ一ビームとハイビーム機能を1つのLEDユニットで構成(パイフ
ァンクション)、サイズ70%減、重量60%減に成功した。更には、ディスチャージヘッドランプを超
える圧倒的な配光性能を実現し、2014年11月に世界初で量産化した。
この開発品を「小糸標準LEDユニット」として位置付け展開し、2016年度の本開発品の販売数量
は、217万個に達する見込みである。その結果、当社LEDヘッドランプの販売数量は2014年度に対し
て248万個増加の488万個(倍増)となり、増加分の88%を本開発品が占める。
LEDヘッドランプの普及促進を通して、夜間視界改善による安全性向上とCO2削減という地球環境
中部科学技術センター振興賞
の負担軽減に貢献できる。
日本メナード化粧品株式会社
山田 貴亮 氏
山口 剛 氏
業績の名称「色素幹細胞研究を応用した化粧品の開発及び新技術」
業績の概要
医療をはじめ幅広い研究分野での応用が期待される幹細胞は、近年の幹細胞化粧品ブームからも
美容分野における注目度の高さが窺える。皮層の色は、人々のQuality of Life(QOL)と密接に関与す
るものの、細胞の源である幹細胞との関連は不明であり、シミなどの色素異常に対するアプローチ
は対症療法的であり、より根本から改善する方法の開発が期待されていた。
このような中、弊社では、逸早く生体内に存在する「色素幹細胞」に着目し、皮膚の色素異常に対し
て根本からアプローチする技術の開発を目指してきた。そして、10年間の研究開発の末、色素幹細胞
研究の成果に基づいたまったく新しい化粧品「フェアルーセント薬用ホワイターエッセンス」の上市
に至った。シミの根本原因の解明という事実と優れたシミの解消効果が消費者に受け入れられ、最先
端の美白化粧品として大きな反響を生んだ。
現在、これまでに得られた知見をもとに、さらに色素異常症に対する医療技術の進歩に貢献すべく
産学官による共同研究を推進しており、さらなる進展が期待される。
中部科学技術センター振興賞
株式会社豊田自動織機
株式会社豊田中央研究所
槌田 大輔 氏
佐藤 江平 氏
山崎 才弘 氏
小島 直樹 氏
業績の名称「モザイクヤーン紡出装置の開発」
業績の概要
当社のRX型リング精紡機は、2005年より、サーボ技術を活用した「電子ドラフトシステム」をオ
プション装置に加え、様々な意匠糸(ファンシーヤーン)を紡出可能にしたことで、お客様より高い
評価をいただいてきた。今回、更にその機能を拡張し、これまで世の中になかった新しい構造をも
った糸「モザイクヤーン」の紡出装置を開発し、販売を開始した。
モザイクヤーン(登録商標MOSAIC)の最大の特徴は、1本の糸の中で2種類の原料の配合比率を自在
に変化させ、これまで出来なかった交互の完全な切換えまでも可能にしたことにある。
この「2つの原料を完全に切断して繋ぎ合せる」糸はこれまでの紡績糸にはない構造で、原料や色
の組合せを変えれば、様々なデザインの糸を演出できる。これが素材を寄せ合わせて表現するいわ
ゆるモザイク装飾を連想させることから、名付けの由来となった。
2015年ミラノで開催されたITMA(世界最大の繊維機械国際展示会)でも、特にヨーロッパ向け主要
紡績国であるトルコのお客様からの反響が大きく、多くの引き合いをいただいた。また競合装置メ
ーカからライセンス供与の申し入れも受けるなど大きな注目を集めている。
中部科学技術センター奨励賞
浅野撚糸株式会社
浅野 雅己 氏
業績の名称「糊付撚糸膨化技術を活かしたビューティタオルの開発」
業績の概要
タオル分野においては、産地間競争、付加価値タオルの価格競争や類似商品が氾濫し、国内タオ
ル市場の新たなブランドによる新参入は困難であることから、タオルの新しい市場の創出が必要で
あると判断した。その中で、ビューティ・コスメ分野においてタオルは、化粧水、乳液等コスメア
イテムのようには重要視されていないが、実は肌や髪に触れる頻度は高く、柔らかくて吸水性の高
いタオルを使用することで、肌を傷つけず、髪を傷めないことが必要な要素であることに着目した。
当社が開発した「糊付膨化工法」は、繊維が柔らかくなり、吸水性がよく、速乾性に優れ、毛羽
が落ちにくいという特性を持ち、この「糊付撚糸技術」で世界の女性を美しくするという新発想で
の新しいタオルを開発した。
また、アパレル分野にいては、ニット製品、横編みセーター、靴下製品、ジーンズ、ガーゼ製品
等60社以上の製造メーカーとアパレル製品の開発を行い、ユーザーが要求する高水準の機能性価値
や感性価値を付与したアパレル商品を提案している。
。
中部科学技術センター奨励賞
株式会社くればぁ
中河原
毅 氏
業績の名称「隙間の無い PM2.5 や抗菌効果を有した、洗って再利用できる高性能
マスク」
業績の概要
【本業の変化】
先代から受け継いだ下請け縫製業から、高精度な濾過を目的とする元請けメッシュフィルターの
製造販売業へ企業体質を変え、事業を伸ばし雇用を増やした。
【メッシュフィルターを使ったマスクの事業化】
事業の拡大、売上拡大を目指し、極細な洗える糸と自社で開発した超高密度な筬(おさ)を応用し
て、世界一細かいメッシュフィルターの製造技術を固有技術に、「洗って再利用できるマスク」の
製造販売を始めた。
使用者の顔に合わせて作るオーダーメイドとする事で、市販品のマスクに必ず生じていた「隙間」
を無くし、有害物質の侵入を抑え、表面に固着したウイルスも不活性化するマスクを開発し事業化
を成功させた。
マスクは本業である産業用メッシュフィルターに続く、重要な柱となり事業が円滑に伸びてい
る。また、世界一細かいメッシュフィルターの特徴を活かし、市場ニーズに沿った、新たな機能を
発揮するマスクの開発を進め、事業の拡大を図っていく。
中部科学技術センター奨励賞
大同特殊鋼株式会社
伊藤 英樹 氏
神谷 祐樹 氏
業績の名称「新型省エネ燃焼システムの開発」
業績の概要
新型省エネ燃焼システムを開発した。
この燃焼システムは、熱伝導率の高い炭化ケイ素を材料とし、これまで製作できなかった複雑
な形状を3Dプリンティング技術を用いて実現した高効率熱交換器と、同じく炭化ケイ素を材料と
する高輻射材をバーナーシステムに採用することで、バーナーの燃焼エネルギーを効率的に設備
に伝達し、かつ排ガス顕熱を効率的に回収することができ、従来の金属製熱交換器の性能を上回
り、省エネに大きく寄与するものである。その省エネ性能は、工業炉業界において現在最高の省
エネ性能を有するとされるリジェネレイティブバーナーシステムとほぼ同等で、なおかつ従来の
熱交換器システムと変わらないシンプルな構造と良好なメンテナンス性を有している。また従来
の燃焼システムとの互換性が高く、従来システムからの置き換えも容易である。この燃焼システ
ムの導入により、ユーザーは10[%]程度の燃料ガス使用量削減効果を得ることができる。また燃
料ガス使用量の削減に伴い、設備の排出CO2量を10[%]程度削減できる。
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