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干渉SAR と 航空レーザー測量データ を用いた微地形判読(CS立体図)

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干渉SAR と 航空レーザー測量データ を用いた微地形判読(CS立体図)
干渉SAR と 航空レーザー測量データ
を用いた微地形判読(CS立体図)
長野県林業総合センター
戸田 堅一郎
2015.7.9
この発表は、下記研究課題成果の一部を使用しています。
・科学研究費補助金
課題名:「干渉SARとレーザー測量による深層崩壊危険斜面ピンポイント検出技術」
実施年度:H25-26
共同研究機関:森林総合研究所、国土地理院
・農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業
課題名:「安全な路網計画のための崩壊危険地ピンポイント抽出技術」
実施年度:H26-28
共同研究機関:森林総合研究所、鳥取県林業試験場、岐阜県森林研究所、信州大学
自己紹介
戸田堅一郎
【所属】 長野県林業総合センター
【経歴】
平成9年~ 長野県林務部職員
(業務内容) 林道・治山事業の計画、測量、設計など
平成21年~ 長野県林業総合センターに配属
(課題) ・山地災害危険地の抽出技術の開発
・航空レーザー測量データを用いた立体地形図の開発
・崩壊危険地を考慮した森林路網計画方法の確立
はじめに
【現状と課題】
・近年、豪雨や地震により全国で深層崩壊が多数発生
・深層崩壊や地すべりの発生する場所を予測することは難しい
・行政は、崩壊発生後または地形変状が顕在化した後に対応
(対応が後手)
・深層崩壊発生危険地をピンポイントに予測
・適切な位置に適切な対策工を施工 (→コスト縮減)
・住民には事前に情報を提供 (→迅速な避難)
方 法
干渉SAR解析
微地形判読
0
0.5
1
2 km
ENVI SARscapeにより解析
・微地形判読を容易にするCS立体図
を開発(長野県林業総合センター)
・地すべり跡地形、線状凹地形などの
深層崩壊危険地形を判読可能
・地形の変動を数mm単位で計測可能
短所:
・現在滑動しているかを判断すること
は困難
短所:
・様々なノイズを含む
・変動の原因は不明
Step1 机上調査
干渉SAR解析
微地形判読
0
Step2 現地調査
ハンディGPSを用いて、Step1で
検出した場所にナビゲーション
0.5
1
2 km
CS立体図を用いた微地形判読
CS立体図とは
従来の地形図
CS立体図
従来の地形図から判読できる3つの情報
①標高
②傾斜
③曲率(凹凸)
(尾根、谷)
急:
等高線間隔が密
(遷急線、遷緩線)
(緩)
緩:
等高線間隔が疎
(急)
CS立体図 の仕組み
① 標高
【Elevation】
+
② 傾斜
【Slope】
+
③ 曲率
【Curvature】
3つの情報を異なる色調で彩色して透過処理
・異なる情報を同時に認識可能
・視覚情報から直感的に情報を認識可能
・等高線では表現が困難な情報も認識可能
※)CSとは曲率(Curvature)と傾斜(Slope)の頭文字
航空レーザ測量による細密な標高データ(DEM)
0.5m
航空レーザ測量
樹木下の微地形を
計測可能
0.5m
長野県では、H25年~H26年に航空レーザ測量を実施し、全県
(民有林)の0.5mメッシュ標高データ(DEM)を作成
10
立体図の作製
立体的に見え
る図を作る
茶:急
傾斜レイヤ 白:緩
(ア)立体図
曲率レイヤ
白:凸
標高レイヤ
白:高
紺:凹
傾斜レイヤ
黒:低
透過処理
11
曲率図の作製
地形判読を行いやすくす
るために、曲率を強調
黒:急
白:緩
傾斜レイヤ
曲率レイヤ
赤:凸
(イ)曲率図
傾斜レイヤ
青:凹
透過処理
12
CS立体図完成
・透過処理により標高、傾斜、曲率を重ねる
⇒立体的で、地形判読しやすい図になる
CS立体図の作製方法は下記で公開しています。
・砂防学会誌
「航空レーザ測量データを用いた微地形図の作成」,戸田堅一
郎,砂防学会誌 65(2),51-55(2012)
・長野県林業総合センターのホームページ
URL:https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/
seika/documents/bichikei.pdf
「長野県」「微地形図」で検索!
・長野県森林整備加速化・林業再生協議会 路網部会のホーム
ページ
URL:http://www.rincon.or.jp/sinrinseibikasokukaringyosaiseikyog
ikai/
「長野県」 「路網部会」 「CS立体図」で検索!
長野県におけるCS立体図(0.5mメッシュ)の作製状況
・長野県森林情報資産として
公開中
・誰でも入手可能
(使用目的が森林整備の場合に限る)
問合せ先:長野県庁森林計画係
H25-H26年度データによる
CS立体図作製済み
DEMデータなし
(国有林、市街地などのため)
地すべり地形の判読
地すべり:斜面の一部あるいは全部が重
力によって斜面下方に(ゆっくりと)移動
する現象
豪雨等をきっかけに高速で移動すると、
深層崩壊
((独) 防災科学技術研究所 Webサイトより)
従来の地形図
地すべり
崩壊地
深層崩壊跡
CS立体図
地すべり
崩壊地
深層崩壊跡
地すべり地形、深層崩壊跡地形などの判読が容易
Google earth を利用した立体表示
滑落崖
平坦地
押し出し
線状凹地形
押し出し(表層崩壊)
線状凹地形(後方崖)
地震や大雨の時に少しだけ動いて止まった
深層崩壊の予備軍
Google earth を利用した立体表示
深層崩壊
土砂ダム
後方崖
Google earth を利用した立体表示
深層崩壊
土砂ダム
後方崖
崩壊危険度を評価することはできない
干渉SARと組み合わせ
干渉SAR解析
干渉SARとは
(国土地理院Webサイトより)
人工衛星等から発せられるマイクロ波の反射波を解析し、2
時期の波形の位相差から地盤の変動を数mm単位で計測する
ことが可能な技術
使用データと解析ソフト
・使用データ
地球観測衛星「だいち」(ALOS)
(価格:5,000円/シーン)
マスター観測日:2008/07/20
スレーブ観測日:2009/09/07
オフナディア角:34.3°
昇降モード
:アセンディング
・ 解析ソフト
ENVI SARscape5.1
(ENVI SARscapeのWorkflowに従って解析)
ENVI の解析画面
Toolboxの
SARscape-Interferometry –D InSAR Displasement Workflowを選択
26
SARscape DInSAR Displacement ワークフロー
ワークフローに従って作業
27
µ
結果
長野県
長野市
<現地調査>
松本市
大鹿村小塩
飯田市
凡例
飯田市地蔵峠
kekka.tif
値
(m)
高 : 0.279624
低 : -0.219759
0
50
100 km
長野県大鹿村小塩の事例
干渉SAR解析+微地形判読
kekka.tif
干渉SAR解析
値
(m)
高 : 0.279624
低 : -0.219759
微地形判読による地すべりブロック
0
0.5
1
2 km
観測日:2008/7/20 - 2009/9/7
場所:長野県大鹿村 鹿塩小塩
Google earth を利用した立体表示
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県大鹿村 鹿塩小塩
写真撮影位置
ハンディGPSの背景図に
設定し、ナビゲート
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県大鹿村 鹿塩小塩
岩の亀裂
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県大鹿村 鹿塩小塩
地面に亀裂(幅50cm)
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県大鹿村 鹿塩小塩
根元が裂けた立木
長野県飯田市地蔵峠の事例
干渉SAR解析+CS立体図
0
0.5
1
2 km
観測日:2008/7/20 - 2009/9/7
場所:長野県飯田市 地蔵峠
Google earth を利用した立体表示
赤色が最も濃い
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
39
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
道路側溝の変状
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
ブロック積みの亀裂
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
浮きあがった山腹工水路
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
斜面にできた段差地形
現地調査
現地調査日:2015/6/10
場所:長野県飯田市 地蔵峠
根元が裂けた立木
<まとめ>
調査した箇所では
・干渉SAR(2008-2009年データ) ・・・ 変動検出
・微地形判読
・・・ 地すべり地形
・現地調査(2015年) ・・・ 地形や構造物に変形
干渉SAR とCS立体図による微地形判読で
滑動中の地すべり地を検出
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