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開院 25 周年を迎えて

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開院 25 周年を迎えて
第38号
平成24年7月12日発行
現在の洞爺温泉病院全景
開院当時(昭和 62 年)の洞爺温泉病院
開院 25 周年を迎えて
北海道でも今年は既に真夏日を記録して、短い夏が
一足早く訪れたように思います。四季の自然は毎年同
じような移ろいを繰り返しております。一方、めまぐ
るしく変化を続ける人間社会は、平成と年号が改めら
れてからはその速度も加速し、社会や経済などの環境
の変化が先行して追いついて行けないのが実情です。
もちろん医療を取り巻く環境も例外ではなく、地域医
療の体制もこの四半世紀で大きく変貌しました。
さて、当院は本年の 7 月 15 日をもちまして開院 25
周年を迎えます。これも地域の皆様のご支援とご指導
の賜物であり、心より深く御礼申し上げます。簡単に
当院の沿革を紹介致します。決して利便性が良いとは
言えない洞爺湖の北湖畔に、小池鎮穆(やすよし)初代
理事長が昭和 62 年に当院を開設しました。地元自治
体(旧洞爺村)からの再三の病院建設の要請を受ける
うちに、「これから高齢化が進み、入院を必要とする
高齢者が増える。その人たちが安心して医療を受けら
れる場所が不足する。
」と考え、病床規制の直前に 216
床の病院建設を決断されました。
当院が開設後に老人医療制度の見直しが行われ、高
齢者の特性に合わせた療養型病床が創設されました。
平成 12 年には介護保険制度がスタートして、医療と
介護の棲み分けが進みました。当院も医療制度の改革
に沿うように、障害者病棟、医療療養病棟、特殊疾患
病棟および介護保険病棟を設置し、急性期治療を終え
ても引き続き入院医療が必要な方の後方病院として、
病態に応じて入院適応となる病棟を選択しておりま
す。一方では 24 時間救急告示医療機関として、在宅
あるいは施設で発症された中等症程度の救急患者の
受け入れも行っており、最近は当院外来からの直接入
院や緊急入院の比率が高まっています。
また、日本人の死亡原因の第一位は悪性新生物であ
り、現在は 3 人に 1 人ががんで亡くなる時代です。平
成 16 年に緩和ケア病棟が稼働し、がんにより身体的・
精神的に苦しんでいる方々に、自分らしく生きぬいて
頂くためのプロセスを尊重したケアに取り組んでお
ります。
さらに、ホスピタリティーの基本
となる看護部門においても、継続し
たかかわりによる成果が出ています。
「意図的かかわりで、患者の満足と
院 長 中谷 玲 二
信頼を得、看護の喜びを実感しよ
う!」をモットーに、その人のどの部分に、どのよう
に手を差し伸べることが自立を促し、支えることに繋
がるのかを常に考える姿勢を持ち、“生活の質”の向
上に日々努力しております。
また、忘れてならないのは「心が動けば体も動く」
をモットーとしたリハビリテーション課の働きです。
当院では亜急性期~慢性期を中心としたリハビリを
行っており、個別性に合わせて在宅復帰までの時間を
かけたリハビリや、在宅高齢者の ADL 低下予防を目的
としたデイケアや訪問リハビリも実施しています。ま
た、がん終末期に於いては自律性の低下が生きる意味
を失うことに繋がります。そこで緩和ケア病棟に於い
ても、ADL の維持だけではなく心を支えるケアの一つ
として積極的にリハビリを導入しています。
最近、「最善の医療」について学会やメディアも取
り上げています。日本老年医学会は「立場表明」に於
いて、
「“最善の医療およびケア”とは、必ずしも最新
もしくは高度の医療やケアの技術のすべてを注ぎ込
むことを意味するものではない。・・・中略・・・過少でも
過剰でもない適切な医療、および残された期間の生活
の質(QOL)を大切にする医療およびケアが“最善の
医療およびケア”であると考えられる。」と記されて
います。今後の日本における医療の在り方を示す重要
な指針と考えます。
当院はこれから新たな四半世紀に向けて踏み出す
ことになりますが、「当院が行い得る最善の医療」を
目指し、地域の医療機関、介護・福祉施設、行政の皆
様と連携させて頂きながら、一歩一歩前に進んで参り
たいと思います。今後とも皆様のご支援・ご指導を
何卒宜しくお願い申し上げます。
平成 24 年 7 月 12 日
院 長
地域健康セミナー実施報告・副院長就任のご挨拶
担当 : 岸 副院長
去る5月28日、“ かしこく食べて、すこやかに ”と題しまして、メ
タボリック症候群・生活習慣病の予防について洞爺ふれ愛センターでお話
しさせて頂きました。たくさんの方々に来て頂きまして御礼を申し上げま
す。栄養の過剰摂取や運動不足がどのように健康を害し疾病につながるか
をお話しし、地場野菜を積極的に摂って健康につなげようという主旨でお
話をまとめました。また、同じ節制をしていても体質的に避けられない疾
病もありますので、合併症(脳梗塞・心筋梗塞など)を予防するため服薬
を含めた医学的管理が不可欠な場合もあるとお話ししました。概ね好評を
頂いたようで、当院としては定期的にこのような健康セミナーを開催した
いと思っております。
このセミナーを開くに当たって当院の副院長に推され、五月一
日付で拝命いたしました。院長からは地域医療に携わってきた経
験を評価され、さらに責任ある立場でより良い医療を提供できる
よう努力を続けて欲しいとお言葉がありました。洞爺診療所に赴
任してから十余年、多くの患者さんと接してきました。学校医と
しての活動をふくめ3~4代にわたり関わらせて頂いているご家
族もおられます。これからも地域に根ざした、より良い医療を目
洞爺ふれ愛センター会場の様子
指して参りますので、宜しくお願いいたします。
第 13 回 日本言語聴覚学会参加報告
担当 : 鈴木言語聴覚士
6 月 16 日、17 日に「言語聴覚療法の専門性を追求する」というテーマで
第 13 回日本言語聴覚学会が福岡市で開催され、「CONUT 法による栄養不良
のレベルと発声発語器官の運動機能の関係」という内容でポスター発表を
行ってまいりました。これまでに道内の学会で発表を行ったことはありま
したが、全国規模での発表は今回が初めてであり、実際にポスターの前に
立ち発表する時にはやはり緊張しましたが、院内での予行練習の成果もあ
り無事に発表を終えることができました。学会は、講演 3 題、シンポジウ
ム 4 題、一般演題 277 題により構成され全国各地の言語聴覚士が参加して
おり、聴講した発表はどれも今後の業務を行う上で大変参考になるもので
会場にて : 筆者
した。学会期間中は梅雨のため雨続きでしたが、福岡の味覚も堪能し大変有意義な時間を過ごすこ
とができました。今後も学会や研修会に参加し、患者さんの力になれるよう知識、技術向上に努め
てまいります。
-2-
~
あなたがうれしいと私もうれしい ~
皆さん、こんにちは!
この通信が発行される頃、洞爺温泉病院は創
立から 25 周年を迎えます。
人間で 25 歳といえばもう立派な社会人、リハ
ビリテーション課もいまや理学療法士、作業療法
士、言語聴覚士合わせて 14 人のセラピスト集団、
またリハビリテーション室も増築により今のよう
なオープンスペースとなり、私が就職した平成 10
年当時、東病棟の 5 階の一角にやっと 2 人の理学
療法士しかいなかったことを思えば隔世の感が
あります。
リハビリテーション課という器が大きくなった
今、5 年 10 年先を見据えて組織やスタッフのレベ
ルを向上、中身を成熟させていくためには、皆で
取り組まなくてはいけないことがまだまだたくさ
んあると考えています。
先日、山元加津子さんという特別支援学校の
教諭をしている方の著書の中で、素敵な言葉を見
つけました。
(連載34回目)
「あなたが痛いと、私も痛
い。あなたがうれしいと私も
うれしい。」
素朴で暖かな言葉に心が 担当:リハビリテーション課
植田課長
ほっこりして、同時に普段の
自分はそのように考え行動できているか思わず考
えてしまいました。
取り組まなくてはいけないことはたくさんあり
ますが、患者さんの痛みや辛さを人として感じる
心、患者さんの喜びを自分の喜びとして感じる心、
根本を忘れてはリハビリテーション課の成長には
繋がらないでしょう。課のモットーである、「心が
動けば体も動く」を今まで以上に大切に、患者さ
んやご家族の思いに応えられる、寄り添えるリハ
ビリテーション課であるよう、初心に戻って前進し
ていきたいと思います。
皆さん、これからもどうぞよろしくお願いいたし
ます。
「今夏の電力需要対策」における当院の対応について
厚生労働省ならびに北海道より、北海道電力管内における節電目標、節電期間及び時間帯(下記表参照)
が設定され、目標達成に努めるよう依頼がきています。
当院では、まずできることから始めていきたいと考えており、日中のロビーや病棟の廊下の電灯を、業務
に支障のない範囲で、控えめにしてまいります。
また、夜間でも、蛍光灯の間引き等による対応を考えております。患者さんやご家族の方には、多少のご
不便をお掛けするかと存じますが、電力需給の対応にご協力・ご理解賜りますよう、お願いいたします。
なお、電球については、随時ならびに場所を特定して、LED 電球への切り替えを実施する予定です。
電灯類だけではなく、どのような節電方法が患者さんやご家族に負担を掛けないで実施できるのかも、
今後も十分に検討して参ります。
地域
節電目標(対一昨年比)
節電期間及び時間帯
7/23(月)~9/14(金)の平日
北海道電力管内
▲7%以上
(8/13~15 を除く。)
9:00~20:00 [7/23(月)~9/7(金)]
17:00~20:00 [9/10(月)~9/14(金)]
なお、当院は「計画停電」が実施された場合でも、その対象から除外となっています。更に、突発的な停
電につきましては、自家発電装置を有しており、必要な電気量は確保できますので、この点につきましては、
ご安心ください。(事務部長)
-3-
栄養課より お知らせ
【カフェ リゼット】がオープンして約半年が経過しました。沢山の皆様にご利用
いただき、ありがとうございます。今後も皆様に継続してご利用いただけるように、
7 月よりメニューのリニューアルを行いました。冷たい麺類や、オムライス、親子丼
などの人気メニューを週替わりで提供する【週替りアラカルトメニュー・月~木曜
日限定】、クレープやアイスなどカフェメニューの変更も行い、夏らしい新メニュー
上杉栄養課主任
が完成しました。【カフェ リゼット】からは、初夏の美しい洞爺湖が一望できます。
お食事だけではなく、カフェタイムの休憩場所としてもどうぞお気軽にご利用下さい。
冷やし天ぷらうどん
冷やし天ぷらそば
この他にも
山菜うどん(そば)
ラーメン(醤油・味噌)
チャーハン、牛丼
をご用意しています。
カレーライス
※新 『週替りメニュー・月~木限定』
白玉入り
和風ミニパフェ
→
や
アイス
(バニラ・チョコ・抹茶)
夏 祭 り実 施 のお知 らせ !
○ 個別性を尊重した医療の提 供
○ 信頼されるチーム医療の実践
クレープ(チョコバナナ)
休診のお知らせ
お盆期間中の8月15日
(水)、16日(木)は外来
診療が休診となります。
ご了承ください。
平成 24 年 7 月 26 日(木)14:00 より夏祭りを
実施いたします。例年通り焼き鳥やかき氷など
の屋台や、YOSAKOI ソーランなど楽しい企画がた
くさんありますので、ぜひお越しください。
洞爺温泉病院の理念
などを週替り
企画・編集
医療法人社団洞仁会洞爺温泉病院 広報図書委員会
〒049-5892
虻田郡洞爺湖町洞爺町54-41
編 集 後 記 気がつくと今年に入って一年の半分が過ぎ
ましたね。これから、病院の夏祭りも予定していますしますま
す暑くなる日が続きそうです。夏風邪には注意しながら、今
後も元気いっぱい短い夏を楽しみましょう!(H.A)
TEL 0142-87-2311
ホームページ
元旦にとてもきれいな初日の出を見ることができ、気持ちが明るく-4-
FAX 0142-87-2260
http://www.toya-onsen-hospital.or.jp
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