...

室蘭工大におけるATF関連活動の概要 - OASIS

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

室蘭工大におけるATF関連活動の概要 - OASIS
室蘭工大におけるATF関連活動の概要
室蘭工業大学
岸本 弘立
H9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
平成14年
京都大学
香山研究グループ
NITEプロセス開発
H9-H14
CREST-ACE*1
H14-H17
IVNET*2
大学・国
R&D
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
平成21年
室蘭工業大学
FEEMA施設設立
(平成22年OASIS設立)
H17-H19
エネテック総研
室蘭事業所開設
高燃焼
燃料*3
H24-H27
SIRIUS*6
H24-H29
SCARLET*7
H17-H21
中間熱交換器*4
H18-H23
SIPSAM*5
H24-H29
INSPIRE*8
H26-H31
FIAT*9
基礎特性向上・近似成型・量産化技術の開発(1)
平成15年
エネテック総研
設立
企業による
実用化努力
香山研究グループ 量産化技術・装置開発(2)
平成19年
高結晶性SiC繊維
量産システム整備
平成22年
エネテック総研
グンゼの子会社化
平成21年
グンゼ資本参加
*1 :科学技術振興事業団 戦略的基礎研究CREST-ACE 「低環境負荷エネルギー用複合機能構造材料の開発」
*2 :文科省:革新的原子力システム技術開発事業、「高効率・環境調和型超高温ガス冷却高速炉炉心構造体の先進材料システム開発」
*3 :文科省:原子力システム研究開発事業、若手対象型研究開発、研究課題「ガス冷却高速炉用高燃焼度燃料の開発」
*4 :文科省:原子力システム研究開発事業、革新技術創出型研究開発、「先進複合材コンパクト中間熱交換器の技術開発」
*5 :経産省:「戦略的基盤技術高度化支援事業」(アルミダイカスト用ホットチャンバ法の鋳造技術開発)
*6 :(独)科学技術振興機構研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)シーズ育成タイプ
*7 :文科省: 「国家課題対応型研究開発推進事業 -原子力システム研究開発事業(安全基盤技術研究開発)-」
*8 :経産省: 「革新的実用原子力技術開発費補助事業」
*9 :経産省: 「発電用原子炉等安全対策高度化技術基盤整備事業」(事故耐性燃料の実用化評価研究)
30
31
構造材料としての炭化ケイ素(SiC)
Silicon Carbide (SiC)
SiC/SiC 複合材料
•
•
•
•
•
•
•
SiC繊維の隙間にSiCのマトリックスを詰
め込んだ複合材料にすることで割れ方を
制御し、材料全体として金属材料に近い
破壊特性(擬延性)を付与し、金属同様に
構造材料として使用を可能にしたSiC材
料
軽量
優れた耐熱性
高温強度
化学安定性
低熱膨張率
低放射化特性
低崩壊熱
モノリシックのSiCはクラック
がひとつ入ったら割れる
SiC/SiCは簡単に割れない
脆性なセラミックスであるSiCを鉄などの金属
と同じ用途(構造材料)で使いたい・・・・
原子力材料としてのSiC
原子力材料としては核反応で生じる中性子線に対する耐性が必要
①スウェリング特性
中性子線照射よる欠陥蓄積により元の位置からはじき出され、原子配列が
乱れて密度が下がり、体積が膨らむ。NITE材の結晶性β-SiCは立方晶であ
りスウェリングは等方的で、ボイドスウェリングを生じるのも1200℃以上であ
り、影響が少ない。
②照射脆化
金属材料は概ね中性子線照射により組織内部に照射欠陥蓄積により脆化
する。脆性なセラミックスであるSiCでは繊維/マトリックスの複合化により靭
性を確保しており、靭性は繊維配向と界面に大きく依存する。金属材料と靭
性発現メカニズムが異なり、照射によっても高結晶性SiC繊維を用いた
SiC/SiC複合材料の機械特性はあまり変らない。
③低放射化特性
材料は放射線を浴びると放射能を帯びて、長期間にわたって放射線を発し
続ける(=誘導放射能という)が、SiCは誘導放射能の減衰が極めて速い。
放射性廃棄物となった後の処分が容易で社会的コンセンサスが得やすい。
NITE(Nano‐Infiltration Transient‐Eutectic Phase) 法
高温高圧に耐える新しい高結晶化SiC繊維が開発
されたことで可能となった新製造技術。繊維束中
にSiCナノパウダーを含浸させて、高温高圧でSiC
を結晶成長させて焼き固める。
•
•
•
•
•
高純度・高結晶性のSiC/SiC複合材料
従来の製造技術と比較して高密度・高強度の構造
(cf. PIP, CVI, …)
気孔が少なく気密性が高い
比較的高い熱伝導度、化学安定性
高い寸法・形状自由度でニアネット成型が可能
PyC layer
Tyranno-SA
Matrix
SiC 繊維
ナノSiC粉末入りスラリー
含浸
乾燥
ホットプレッス
(複雑形状にはHIP法)
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
NITE法の優れた総合特性
化学気相蒸着(CVI)法
ポリマー含浸焼成(PIP)法
気相成長により繊
維間充填
樹脂を含浸させ
焼成させる
反応焼結(RS)法
NITE法
繊維間組織
C相にSiを含浸し SiCナノ粉末を用い
反応させる
る遷移液相焼結
結晶性
◎
×
△
○
純度
◎
△
△
○
気密性
×
×
◎
◎
強度特性
○
△
△
○
熱特性
△
△
○
○
耐摩耗性.
×
×
○
◎
NITE法は工業化技術(経済性、量産性、大型化等)として
多くの先進エネルギーシステムに利用できると考えられる唯一の製法
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
様々な形状のNITE材
Thick Block: 97 x 97 x 70mm
Thin Plate: 195 x 195 x 2.0mm
Combustor Liner
Tube : Φ194-200*80 mm
Tube : Φ31-33*60 mm
Tube : Φ10-12*50 mm
H9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
平成14年~
京都大学 香山研究グループ
NITEプロセス開発
H9‐H14
CREST‐ACE*1
H14‐H17
IVNET*2
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
平成21年
室蘭工業大学 FEEMA施設設立
(平成22年OASIS設立)
H17‐H19
エネテック総研
室蘭事業所開設
高燃焼
燃料*3
H24‐H29
SCARLET*7
H17‐H21
中間熱交換器*4
SiC
R&D
H24‐H27
SIRIUS*6
H18‐H23
SIPSAM*5
H24‐H29
INSPIRE*8
H26‐H31
FIAT*9
基礎特性向上・近似成型・量産化技術の開発(1)
平成15年
エネテック総研
設立
香山研究グループ 量産化技術・装置開発(2)
平成19年
高結晶性SiC繊維
量産システム整備
京都大学
室蘭工業大学
量産化技術構築
NITE法の可能性を示す段階
○高結晶性SiC繊維供給体制確立
中間素材製造技術
開発段階
【技術の壁】
製造技術
進歩の停滞
○グリーンシート製造装置
○プリプレグシート製造装置
○被覆管プリフォーム製造
複雑形状成形技術
○量産型被覆管(第一世代)
○量産型被覆管(第二世代)
30
31
NITE法SiC/SiCの量産化技術(H21~)
- 湿式法から乾式法への転換 従来のNITE法(湿式法) から量産化NITE法(乾式法)への転換
乾式の中間素材の使用が特徴。→OASISに製造設備を導入
 乾燥により多数のクラッ
クが発生
 ハンドリングが困難。





グリーンシート
プリプレグシート
ハンドリング性に優れる。
素材の量産化が可能。
製品の質の安定
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
室工大OASISにおけるSiC/SiC製造インフラ整備
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
原子力安全分野におけるSiC/SiC研究活動
 核融合炉材料としての長いSiCの照射下物性研究の成果
 SiCの照射下スウェリングのアウトラインの解明
⇒高温までのスウェリングメカニズムの解明
 照射下での強度特性維持のための要素研究
⇒高純度・高結晶性SiC利用の必要性の確認
 微細組織レベルでの高い耐照射性の確認
⇒SiCにおける欠陥成長の抑止
NITE法をはじめとする各種SiC/SiC複合材料の製造技術
 高結晶性SiC強化繊維の製造インフラの確立
 室蘭工大におけるNITE-SiC/SiCの工業的な生産技術研究
原子力システム研究開発事業への提案を通した、技術課題のブラッシュアップ
 H22年度「先進セラミックス材料を用いた先進ガス炉炉心の開発と機能実証」
 H23年度「高い安全性を有するNa冷却型FBR用蒸気発生器の研究開発」
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
原子力安全にむけたセラミックスの応用
‐シビアアクシデント対応での尤度確保に向けたSiC/SiCの利用 ー
文部科学省 平成24年度原子力システム研究開発事業
「高度な安全性を有する炉心用シリコンカーバイト燃料被覆管等の製造
基盤技術に関する研究開発」(SCARLET計画)
経済産業省 平成24年度革新的実用原子力技術開発補助事業
「革新的安全性向上を実現させるセラミック複合材料の燃料集合体への
適用技術開発」(INSPIRE計画)
文部科学省
原子力システム研究開発事業
高度な安全性を有する炉心用シリコンカーバイト
燃料被覆管等の製造基盤技術に関する研究開発
(SCARLET計画)
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
研究開発提案の概要
我が国独自の安全性付与技術としてのセラミック燃料被覆管製
造及び、セラミック燃料ピンの製造の実用化へ向けた基盤技術を確
立させ、早期実用化可能な技術オプションとする事を目指す。
現行の軽水炉燃料被覆管と同一の寸法で、要求される仕様
を満たすことが可能であることを実証する
 NITE法1)に基づくSiC/SiC複合材料製燃料被覆管の、量
産化・大型化へ向けた基礎的製造インフラを整える。
 照射実験用の模擬燃料ピンを製作する。
 SiC/SiC複合材料素材、燃料被覆管、模擬燃料ピンの基
礎特性・軽水炉環境下特性・耐中性子照射特性等を評価
する事を実施する。
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
事故時の炉心温度の影響
3000
℃
2847
2730
2687
UO2の融点
SiC融点
ZrO2の融点
2000
1000
水の熱分解
2H2O →2H2+O2
ジルカロイ/水蒸気反応
○発熱反応なので温度上昇加速
○Zr + 2H2O → ZrO2 + 2H2
1972
1897
1757
α-Zr(O)の融点
α-Zr(O)/UO2の共晶温度
ジルカロイの融点
1447
1327
1127
927
ステンレス鋼の融点
インコネルの融点
1204 ジルカロイ使用上限2200F
UO2/ジルカロイ反応による液相U
崩壊熱による温度上昇
の形成
Ni/Zr系、Fe/Zr系共晶温度
287
227
燃料被覆材温度
原子炉冷却材温度
米国エネル
ギー省
原子力エネルギー
セラミック(SiC)
燃料被覆管開発
アイダホ国立研、電力研究所、ウェスチングハウス、マサチューセッツ工科大、
オークリッジ国立研との共同事業
(オークリッジ)HFIR原子炉でセ
ラミックマトリックス燃料被覆管
にUO2およびにUNベースの
MOX燃料による燃料装荷照射
実験を推進中
アイダホ試験炉で燃料非装荷・
燃料装荷の実験を2011年度に
予定
ハルデン炉における照射実験
を2011年度に計画中
MIT PWR炉での実験を2011
年度に計画中
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
SiC/SiC燃料被覆管
外径12mm、肉厚1.0mm、長さ50mm級 SiC/SiC管
1m長尺SiC/SiC管 プリフォーム(作成途中)
SCARLET計画では(1)SiC/SiC燃料被覆管の製造と性能評
価、(2)SiC/SiC燃料被覆管のアッセンブリ技術開発、
(3)SiC/SiC燃料被覆管の耐環境性影響評価、(4)工学・
安全設計、の4つの技術タスクを実施する。
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
研究組織と研究分担
(1)研究期間:2012年10月~ 2017年 3月( 5 年間)
(2)研究開発費総額: 455.455 百万円
(3)研究組織
室蘭工業大学環境・エネルギーシステム材料研究機構(OASIS)、北海道
大学、大阪大学、東北大学、日本原子力研究開発機構
業務項目
実施機関
(1)SiC/SiC燃料被覆管の
製造と性能評価
①SiC/SiC被覆管製造
室蘭工業大学環境・エネルギーシステム材料研究機構
②SiC/SiC管性能評価
室蘭工業大学もの創造系領域
(2)SiC/SiC燃料被覆管の
アッセンブリ技術開発
①アッセンブリ技術
北海道大学大学院工学研究院
②アッセンブリ評価技術
大阪大学接合科学研究所
(3)SiC/SiC燃料被覆管の
耐環境性影響評価
①冷却材共存性評価
大阪大学大学院工学研究科
②中性子
照射影響
評価
ⅰ)ハルデン原子炉
照射実験
室蘭工業大学環境・エネルギーシステム材料研究機構
ⅱ) BR2原子炉照射
実験
東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科
学国際研究センター
(4)工学・安全設計
(5)委員会
①安全設計
原子力機構大洗研究開発センター
②加圧水環境下安定性
原子力機構大洗研究開発センター
室蘭工業大学環境・エネルギーシステム材料研究機構
“SCARLET ” 年度別計画 (part 1)
R&D Item
SiC/SiC燃料被覆管
の製造と性能評価
2012
2014
SiC/SiC被覆管製造技術開
発
SiC/SiC燃
料被覆管製
造技術
SiC/SiC燃
料被覆管評
価技術
2013
2015
長尺SiC/SiC被覆管製造技術開発
2016
品質管理技術
成果物
SiC/SiC被
覆管製造
擬燃料ピン用
SiC/SiC管の製造
オープンエンド
オープンエンドバースト試
バースト試験技
験
術
応力変形解析
高温酸化試験
高温オープンエンドバー
スト試験
耐環境性試験用
模擬試料解析
振動試験と
耐震性評価
熱伝導評価技術
SiC/SiC燃料被覆管
のアッセンブリ技術
開発
アッセンブリー
製造技術
アッセンブリー
評価技術
端栓処理技術
試作と開発
模擬燃料ピンの製作
AE計測データ処理・解析装置
試作と破壊解析信号解析技術
燃料被覆管SiC/SiCセグ 長尺管用端栓処理技術
メントの製造
開発
SiC/SiC被覆管
集合体モジュール製作
長尺管用AE計測データ
処理・解析装置の開発
SiC/SiC燃料被覆管集合
体モジュール用AE計測データ
処理・解析装置の開発
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
“SCARLET” 年度計画 (part 2)
R&D Item
2012
2013
Na浸漬装置設
計及び製作
Na流動浸漬試験装置
製作
2014
2015
2016
SiC/SiC燃料被覆
管の耐環境性影響
評価.
冷却材相互作用
SiC/SiC 燃料被覆管のNa共存性
動的Na共存性試験
SiC/SiC 静的浸漬試験
中性子照射影響評 BR2用サブキャプセ BR2照射用サブキャプセ
価 ルの試作と製作
ルの製作
ハルデン炉照射用キャ
プセルの設計
BR2 炉照射
ハルデン炉照射
BR2照射後試験
(in Oarai)
ハルデン炉照射後試験
工学・安全設計
適用性評価
加圧水環境下試験
燃料被覆管の
熱・構造解析
安全設計検討
飽和温度キャプセル 炉外実験用装置設計・製作
詳細設計
LOCA模擬予備試験
炉外実験
照射後試験
LOCA模擬試験と水素評価
まとめ
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
SiC/SiC複合材料製燃料被覆管
直径8mm
肉厚0.8mm
燃料被覆管
2010年の仏・原子力
庁のGFR用燃料被
覆管としての評価試
験では気密性・強度
などを含め製品要求
仕様を満たした唯一
の材料。
肉厚部微細組織
肉厚部破面
手作りとしてはこれ
までに最長30cmの
被覆管の製造に成
功している。
(最終成形はHIP法)
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
SCARLET計画のNITE法製造プロセスの概要
 最終成型体の形状柔軟性に加え、量産化を目指した製造プロセス
→作製部材に合わせ、プロセス選択の自由度が高い
 プリコンポジットリボン、ホットローラープレスフォーミングはSCARLET計画
のために開発された新たな技術(青線囲み)
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
平成25年度までの研究進捗状況
(1)SiC/SiC燃料被覆管の製造と性能評価 業務計画
①SiC/SiC管製造
外径9.5㎜、肉厚0.8㎜、長さ50㎜程度のSiC/SiC管を製造する。また1メート
ルの長尺SiC/SiC管のプリフォームを製造する。このための中間成形・処理設
備として高密度化処理用の長尺管用加圧チャンバーを製作する。米国カリフォ
ルニア州サンディエゴで開催されるPacRim13において、本事業の成果発表
及びSiC/SiC燃料被覆管の情報収集を行う。
状 況
(H25年11月現在)
外径12mm、肉厚1.0mm、長さ50mm程度のSiC/SiC管の製造を行った。中
間成形・処理設備として高密度化処理用の長尺管加圧チャンバーを製作し、
これを用いて1メートルの長尺SiC/SiC管プリフォームを作成中である。
米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたPacRimにおいて、本事業の3
件の成果発表及び関連技術情報の収集を行った。
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
Filament Winding
Mechanical Densification
Isostatic Densification
Hot Roller Press Forming(HRPF)
Warm Isostatic Pressing (WIP)
Hot-roller
Preform
Hot-roller
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
Use of PCR makes
possible to
control the fiber
orientation
1 mm
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
SiC/SiC燃料被覆管の製造の現状
外径12mm、肉厚1.0mm、長さ50mm級 SiC/SiC管
1m長尺SiC/SiC管 プリフォーム(作成途中)
高密度化処理用の長尺
管用加圧チャンバー
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
成形後の断面構造
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
SiC/SiC管性能評価
Hoop Stress (MPa)
内圧負荷試験装置および試料装荷時の外観
200
150
100
50
0
0.000
0.020
Strain (%)
0.040
0.060
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
アッセンブリ技術
SiC/SiC管
ろう材部
ジルカロイ管
ヘリウムリーク:4x10-7Pa・m3/s
より高気密性を目指すため、ネジ加工を
行った試料による接合を実施中
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
アッセンブリ評価技術
一方向強化
(UD)
二方向強化
(CP)
試験方向
0°
90°
比例限界応力前後でのAEシグナルの
ウェーブレット解析結果
0+90°
積層材における負荷応力と引張ひずみ
およびAEエネルギー蓄積の関係
(a) UD-90材の比例限界応力前での解析結果(b) CP材の比例限界応力前での解析結果
① 比例限界応力(PLS) 直前に小さなシグナル
② 最大荷重点(UTS)まで、直線的に荷重が増加
しながら、AEシグナルも急激に増加
(c) UD-90材の比例限界応力後の解析結果
(d) CP材の比例限界応力後の解析結果
UD-90・CPの間で、両者に大きな差は認められず
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
冷却材共存性評価
購入予定のグローブボックス
(1月納品予定)
項目
設計温度
運転温度
容器材質
容器サイズ
モーター仕様
仕様
600℃
550℃
SUS316
内径60mm×内高さ70mm
トルク0.3N*m、3000rpm
作製中のNa浸漬流動試験装置
(1月納品予定)
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
研究進捗状況
(1)SiC/SiC燃料被覆管の製造と性能評価 業務計画
②中性子照射影響評価
ⅰ)ハルデン原子炉照射実験
ハルデン原子炉で照射用のサブキャプセルの仕様と中性子照射実験につい
ての打ち合わせと中性子照射実験の準備をするためノルウェーへ出張する。
また原子炉照射用冶具の設計と冶具部品の製作を行う。
状 況(H25年11月現在)
10月にハルデン原子炉で、実験の打ち合わせを行い、キャプセルの仕様、照
射試料の寸法及びテストマトリックスを決定した。
原子炉照射用治具の設計と治具部品の作製を完了した。
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
“SCARLET” Project Irradiation Test
Under PWR Condition in the Halden reactor
試験片ロッド
(~750mm)
SiC/SiC模擬被覆管×5
各模擬被覆管には破壊検出用のコラプシブルベ
ローズを組み込んだ金属端栓を接合
試験リグ
核燃料非装荷SiC/SiC管試験ロッド×3
核燃料装荷ジルカロイ被覆管ロッド×3
運転条件
PWR条件
温度:290℃、圧力15.5MPa
期間
2ハルデン炉サイクル(全力運転80-100日)
2014、2015年度に実施予定
材料照射条件
中性子フラックス(予定) 5×1017 n/m2/s
期間中の推定フルエンス 3.4-4.3×1024 n/m2
SiC/SiCの推定損傷量 0.3-0.4 dpa
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
テストマトリックス
 SiC/SiC管のサンプルバリエーション;
• 繊維構造:Inter-woven
Cross-Plied
• 繊維配向角度:±30o
±60o
ID
繊維構造
繊維配向角度
A
Inter‐woven
±60o
B
Inter‐woven
±30o
C
Cross‐Plied
±30o
 テストマトリックス
775-1
775-2
775-3
775-4
775-5
775-6
被覆管作製担当
Muroran
Halden
Muroran
Halden
Muroran
Halden
5 Zircaloy
A
B
4
B
C
A
各セグメントのサンプル
3
A
A
B
2
B
Zircaloy
C
1
A
B
C
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
SiCセグメントの基本図面
【SCARLET】SiCセグメント(各要素分割)
C
B
A
B
C
【SCARLET】SiCセグメント(各要素分割-断面図)
【SCARLET】SiCセグメント(組立後)
SiCセグメント構成要素
A:SiC/SiC管(担当:室蘭工業大学)
B:ジルカロイ管(担当:室蘭工業大学)
C:端栓部(担当:Halden)
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
BR2における照射
BR2材料照射条件
(2013)
(BAMI) 水中100℃
中性子フルエンス 2×1024 n/m2
SiC/SiCの推定損傷量 0.2 dpa
供試材:SiC/SiC複合材料(CP±30°)
照射後試料の破断面
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
BR2における照射
BR2材料照射条件
(2013)
(BAMI) 水中100℃
中性子フルエンス 2×1024 n/m2
SiC/SiCの推定損傷量 0.2 dpa
供試材:三層構造SiC/SiC複合材料(表面にモノリシックSiC層を被覆した試料)
照射後試料の破断面
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/Material
Muroran Institute of Technology
加圧水環境下安定性
高温水蒸気酸化の予備試験結果
・700℃から重量増加が開始し、960℃で増加速度が急激に上昇
その際にCO2の発生を確認
・1400℃付近で重量増加が著しく鈍化
・高温試験後はSiCに加えてSiO2のピークが確認された
⇒SiCの表面にSiO2膜が形成されることでSiC内部の酸化が
抑制されるものと推定される
A. Kohyama: Organization of Advanced Sustainability Initiative for Energy System/ Material, Muroran Institute of Technology
経済産業省
平成24年度革新的実用原子力技術開発補助事業
「革新的安全性向上を実現させるセラミック複合材
料の燃料集合体への適用技術開発」
(INSPIRE計画)
室蘭工業大学
環境・エネルギーシステム材料研究機構
(OASIS)
背景
 福島第一原子力発電所の事故以降、軽水炉の安全性を向上させる革新的な
技術開発が強く求められています。
 安全性の画期的な向上を目指す提案として、燃料被覆管素材をZr合金(ジル
カロイ)からセラミック複合材料(SiC/SiC)に変更する概念が近い将来の重要
な選択肢として重要視されています。
 SiC/SiC燃料被覆管開発の一例:
欧米ではCVI法により作製するSiC/SiC燃料被覆管の研究開発
→CVI法は緻密性、大型成型性、経済性に課題
→SiC/SiC単体の被覆管ではなく、金属管とSiC/SiC管を組み合わ
せたハイブリット構造を検討
 NITE法
緻密なマトリックス形成、大型成型性、経済性等に優れる
→構造用複合材料製造技術として実用化が期待されており、SiC/SiC単体の燃
料被覆管作製技術としても有力。
 NITE法により作製したSiC/SiC管の燃料被覆管への適用性検討が必要
 特に燃料装荷したSiC/SiC被覆管の原子炉環境下での中性子照射試験
による耐環境評価が重要
→INSPIRE計画での最重要課題
INSPIRE計画とSCARLET計画の比較
第一世代(Gen. I)
第二世代(Gen. II)
プロジェクト
INSPIRE
SCARLET
主目的
SiC/SiC燃料被覆管の
中性子照射効果研究
SiC/SiC燃料被覆管の
量産基盤技術開発
中間素材
プリプレグシート
プリコンポジットリボン
(PCR)
プリフォーム作製
ハンドメイド
巻取装置を使用した
フィラメントワインディング
構造
SiC/SiC複合材料の
単層構造
内側/外側をSiCとし中心部は
SiC/SiC複合材料とする
3層構造
照射試験時の被覆管中の
燃料装荷の有無
燃料装荷
燃料非装荷
対象とする炉型
BWR
PWR
INSPIRE計画の概要
 経済産業省
平成24年度革新的実用原子力技術開発補助事業
「革新的安全性向上を実現させるセラミック複合
材料の燃料集合体への適用技術開発」
INSPIRE計画
(Innovative SiC Fuel‐Pin Resarch)
 実施期間:平成24年度~平成28年度 (5年計画)
 予算:4.5億円
 プロジェクト代表:香山 晃
開発課題
1:寸法精度
プロセス最適化により最終加工の要求仕様を緩和し、コストの低減と大量生産に適
合する技術統合を目指します。
2:気密特性
プロセス最適化により炉内装荷のための要求仕様を満たし、コストの低減と大量生
産に適合する技術統合を目指します。
3:基本強度特性
プロセス最適化を通して過剰特性値を排除し、コストの低減と大量生産に適合する
技術統合を目指します。
4:耐環境特性
最外層構造の最適化を通して耐酸化性やLOCA耐性の仕様を満たすプロセスの改
善を行います。
燃料装荷した燃料ピン要素部材を用い、ハルデン炉における照射試験により原子
炉運転中に燃料棒内で生じる現象の確認を行います。
(本計画は10GWd/t程度の燃焼度まで)
原子炉運転中に燃料棒内で生じる現象
ジルカロイ被覆管の場合
中村仁一氏(JAEA)資料による
燃料未装荷被覆管の照射:
被覆管の照射効果
被覆管の冷却水共存性
被覆管のクリープ特性
etc.
燃料装荷被覆管の照射:
被覆管の照射効果
被覆管の冷却水共存性
被覆管のクリープ特性
燃料の照射効果
FPガスの放出による内圧変化
熱伝達変化
ペレット/被覆管の相互作用
etc.
→新たな素材の燃料被覆管へ
の適用性を検討するためには、
燃料を装荷した照射試験が必
要不可欠
燃料入り被覆管照射の位置付け
本計画の目標
0.1
ペレットに
起こる変化
割れ
PCMI
燃 焼 度
0.5
1.0
(GWd/t)
5.0
10
50
Swelling
焼きしまり
FPガス放出
結晶組織変化
リム組織
曲がり・バネ力低下
被覆管、
その他の
部材に
起こる変化
クリープダウン
ギャップ閉塞
ボンディング
酸化・脆化
燃料破損
水分破損
コラプス
出力急昇PCMI
寿命限界☆
中村仁一氏(JAEA)資料による
INSPIRE計画の目的
目的;
軽水炉に革新的な安全性向上をもたらすセラミック複合材料の燃料集合体
への適用技術開発を行うことです。
1. これまでに構築されてきたNITE法による燃料被覆管の製造技術を基
礎として、BWR用の燃料集合体やチャンネルボックスを作成するため
の技術統合を行います。この技術によって製作された燃料入りの燃料
ピン要素(実用寸法よりは短いもの)がBWR水環境下での中性子照射
において健全性を維持していることを確認し、将来のシビアアクシデント
を含む実用シナリオにおいても十分な安全性を担保できることを明らか
にします。
2. この為に、現状で最も短期間に信頼性の高い研究を遂行できるノル
ウェーのハルデン炉とベルギーのBR2炉で中性子照射研究を行うこと
を中核とします。
 セラミック燃料ピン要素の製造技術開発と技術統合
 セラミック燃料ピン要素の中性子照射下健全性
 セラミックス燃料ピン素材の中性子照射効果
実施体制
(外注)
室蘭工業大学
セラミック燃料ピン要素の製造技術
開発と技術統合
セラミック燃料ピン要素の中性子照
射下健全性
• 照射後試験(於ハルデン)
セラミック燃料ピン素材の中性子照
射効果
• 照射後試験(於東北大学)
ハルデン原子炉
セラミック燃料ピン要素の中性子照射下健全性
• キャプセル仕様
• キャプセル装荷
• 中性子照射
• 照射後試験(於ハルデン)
東北大学
セラミック燃料ピン要素の中性子照射下健全性
• 端栓溶接技術検討
セラミック燃料ピン素材の中性子照射効果
• 照射試験準備
(外注)
NFD
セラミック燃料ピン要素の中性子照射下健全性
今年度は外注中止
• 照射後試験
(外注)
ZRT
セラミック燃料ピン要素の中性子照射下健全性
• 照射試験準備
(外注)
実施スケジュール
技術課題
(1) セラ ミック燃料
ピ ン 要素 の製造 技
術開発と技術統合
平成24年度
平成25年度
平成26年度
被覆管製作
被覆管製作
被覆管製作
被覆管製作
平成28年度
燃料被覆管製作
照射材PIE
被覆管予備
評価試験
BR2炉用試料製作
(2) セラ ミック燃料
ピ ン 要 素の中性 子
照射下健全性
平成27年度
仕様策定
キャプセル設計
被覆管予備
評価試験
被覆管予備
評価試験
BR2炉用試料作製
非照射材試験用
試験片製作
非照射材評価
ロッド製作
水蒸気反応
評価装置製作
水蒸気反応評価
キャプセル製作
ハルデン炉
照射実験
ハルデン炉
照射実験 照射材
輸送
照射材PIE
(3) セラ ミック燃料
ピ ン 素 材の中性 子
照射効果
BR2 照射
キャプセル製作
BR2 照射
キャプセル製作
BR2炉照射材評価
照射材輸送
(BR2 照射)
照射材輸送
(BR2 照射)
照射材PIE
研究
まとめ
本計画で用いるNITE法の概要
ブロック
高結晶性SiC繊維
プリプレグシート
最終成型
ホットプレス
/ HIP
/ 疑似-HIP
チューブ
SiC繊維 / 織物
プリフォーム
板
SiCナノ粉末
(粒径:~30 nm)
グリーンシート
SiCスラリー
チューブ
シリンダー
 量産化に向け開発した乾式の中間素材(グリーンシート、プリプレグシート)の
使用が特徴
SiC/SiC燃料被覆管
2.0mm
20mm
内径10mm x 肉厚1.0mm x 長さ200mm SiC/SiC管
 実用化されているジルカロイ管のASTM B 353-91規格を基本とする寸法精度、
および原子炉内装荷のためのHeリーク特性を満たすSiC/SiC管を作製中です。
寸法精度:
外径・内径:±0.05mm 真直性:1/1200 肉厚: ±10% 真円度: 1/2000
Heリーク特性:
1×10-8 Pa・m3/s
Halden炉照射の概要(INSPIRE)
試験リグ
核燃料装荷SiC/SiCロッド×4
核燃料装荷ジルカロイロッド×1
核燃料非装荷SiC/SiCロッド×1
試験ロッド
両端封止SiC/SiC管
端栓、材質などの異なるものを用意
UO2燃料を装荷
延び計(on‐lineでPCMI測定および被覆管変
形量測定)
運転条件
BWR条件
温度:286℃、圧力:7 MPa
期間
3ハルデン炉サイクル(全出力運転120‐150
日)
燃焼度
10 GWd/t(予定)
進行状況;
 SiC試験ロッドの基本設計及びテストマ
トリックスを決定(2013年11月)
 照射キャプセルの設計・作製中
 SiC試験ロッド作製のための技術検討
INSPIRE計画のこれまでの成果
寸法精度:
外径・内径:±0.05mm 真直性:1/1200 肉厚: ±10% 真円度: 1/2000
特注品の精密加工用ダイスの使用により実現
より簡易な加工での目標値の達成か要求性能の緩和による目標達成の検討
気密特性:
Heリーク特性:1×10-8 Pa・m3/s (ハルデン炉装荷のための要求値)
SiC/SiC管のHeリーク特性:1×10-11 Pa・m3/s(一部の試料)
SiC/SiC管/ジルカロイ管接合部試作管のHeリーク特性: 1×10-7 Pa・m3/s
要求値より低いHeリーク特性を有する管を作製
要求値を満たす管を安定して作製可能な技術の検討
接合部の気密性を向上させる接合技術の検討
INSPIRE計画のこれまでの成果
基本強度特性:
軸方向引張強度:300MPa
フープ強度:100MPa(圧縮)、300MPa(引っ張り)
事故時における破損:貫通性損傷が系統的に生じないこと(0.2%の擬延性)
同等の板材での試験では目標値を達成。
被覆管を用いるOEB試験やその他の強度評価による特性確認
耐環境特性:
炉外酸化試験、LOCA模擬試験:ジルカロイ管同等以上の特性
耐中性子照射特性:
1)Halden炉での燃料入り密封被覆管試料照射での健全性確認
ジルカロイ端栓での封止技術の基礎検討を完了。
ハルデン炉用の燃料ピン要素部材作製のための技術検討
2)BR2炉での中性子照射による特性変化の確認(±5%以内)
照射後においても照射前と同様の強度を有していることを確認
まとめ
 INSPIRE計画は燃料を装荷した燃料ピン要素部材の中性子
照射研究を中核とすることで、SiC/SiC燃料棒の振舞いや、
ジルカロイとの挙動の違いを現実に近い形で洗い出し、SiC
を使って近い将来の原子力の安全性向上に寄与しうる条件
を整える計画です。
 計画は概ね順調に進んでおり、来年度予定しているハルデ
ン炉での照射に向けて、炉内へ装荷するための要求項目を
満たすような燃料ピン要素部材作製に向けた技術検討を進
めています。
 OASISではSCARLET計画およびINSPIRE計画により軽水
炉環境下でのSiC/SiC複合材料の照射効果、およびに燃料
ピンとしたときのSiC/SiCの挙動情報を直接的な実験により
収集し、原子力安全に寄与するためのSiC/SiC材料のデー
ター蓄積を急ピッチで進めています。
室蘭工業大学におけるSiC製造インフラ
装置名
スラリー製造
中間素材
プリフォーム
CVI連続炉
成形装置
用途
自転/公転真空ミキサー
スラリー製造
遊星ボールミル
スラリー製造
PD塗工機
グリーンシート製造
プリプレグシート製造装置
プリプレグ装置製造
温感等方加圧装置(WIP)
NITE
ホットローラープレスフォーミング
SiC/SiC被覆管プリフォーム製作
プリコンポジットリボン巻き取り装置
SiC/SiC被覆管プリフォーム製作
UNIT‐A
高結晶化SiC繊維の連続炭素被覆
UNIT‐B
炭素用CVD装置と一軸加圧焼成
UNIT‐C
SiC用CVD装置。被覆管の表面へ
のSiC形成が可能
ホットプレス装置
NITE‐SiC/SiCの焼成
熱間等方加圧装置(HIP)
NITE‐SiC/SiCの焼成
プリフォーム製作
Fly UP