...

遅発性筋肉痛および筋疲労感に対する 鶏胸肉抽出物(CBEX)摂 取の影響

by user

on
Category: Documents
22

views

Report

Comments

Transcript

遅発性筋肉痛および筋疲労感に対する 鶏胸肉抽出物(CBEX)摂 取の影響
遅 発 性筋 肉痛 お よび筋疲 労 感 に対 す る
鶏 胸 肉抽 出物(CBEX)摂
Effects
of Chicken
on Delayed
Onset
Breast
取 の影響
Muscle
Extract
Soreness
(CBEX)
Ingestion
and Muscle
Tiredness
体育学部体育学科
前村 公彦
MAEMURA,
Department
Faculty
Hirohiko
of Physical
Education
of Physical
Education
日本 ハ ム(株)中
央研 究所
佐藤 三 佳 子
SATO,
R & D Center,
Nippon
Meat
Mikako
Packers,
日本 ハ ム(株)中
央研 究所
森松 文毅
MORIMATSU,
R & D Center,
Nippon
Meat
Inc .
Fumiki
Packers,
Inc .
筑波大学
高松
薫
TAKAMATSU,
University
キ ー ワ ー ド:カ
ル ノ シ ン/ア ン セ リ ン,遅
発 性 筋 肉 痛,筋
Kaoru
of Tsukuba
機能
Abstract : The purpose of this study was to examine the effects of consecutive
chicken
breast extract (CBEX) ingestion on delayed onset muscle soreness and muscle tiredness
induced by squat exercise in human. Ten healthy male subjects performed two experimental
trials (CBEX and placebo treatment) . Squat exercise consisted of 10 sets of 20 squats / set,
with 1- min intervals between each set. The subjects were given 100m1 of experimental drink
containing either 20g of CBEX or no CBEX 30 - min before, immediately after, 1, 2, 3 and 4days
after squat exercise. The results obtained showed that consecutive CBEX ingestion decreased
DOMS and muscle tiredness occurring for a few days after squat exercise . These results
suggest that CBEX may be useful for muscle function recovery following exercise.
Keywords
: Carnosine
/ Anserine,
DOMS,
muscle
function
近 年,サプ
肉痛 を 誘 発 す る 運 動,サ
遅 発 性 筋 肉 痛(Delayed
DOMS)は,運
Onset
Muscle
生 じ る メ カ ニ ズ ム に つ い て は,様
な 要 因 が 考 え ら れ る が,筋
プ リメ ン トの 種 類,摂
取す る
量 や タイ ミン グ な ど,研 究 に よっ て様 々 で あ る た め に,
Soreness:
動 後 数 時 間 か ら1日 程 度 経 過 し て か ら発
現 す る 。DOMSが
対す る効果 に
つ い て検 討 され て き て い る6・7・8・9・10)。しか し,筋
言
1.緒
リメ ン ト摂 取 に よ るDOMSに
々
活 動 に伴 っ て 生 じ る筋 お よ
そ の 効 果 につ い て は 一 致 した 見 解 が 得 られ て い な い 。
一 方 ,鶏 肉 は,高 タ ン パ ク質,低 脂 肪,低 カ ロ リー
で あ る た め に,ト
ップ ア ス リー トか らス ポ ー ツ 愛 好 家
び 結 合 組 織 の 損 傷 と炎 症 反 応 が 主 要 な 要 因 と され て い
ま で 幅広 い 層 の 人 々 に重 要 な 栄 養 源 と して 利 用 され て
る1・2)。 ま た,そ
い る。 特 に,ウ エ イ トリフ タ ーや ボ デ ィ ー ビル ダ ー は,
レ ッ チ4),抗
の 予 防 策 と し て マ ッ サ ー ジ3)や
炎 症 薬5)な
ス ト
ど の 効 果 が 報 告 さ れ て い る が,
トレー ニ ン グ に よ って 微 小 な 損 傷 を 受 けた 筋 線 維 内 の
タ ンパ ク合 成 の た め に 鶏 肉 を毎 日の 食 事 に積 極 的 に取
り入 れ て い る。 ま た,鶏 肉 には,ア
ミノ酸 や ペ プチ ド,
ミネ ラル な どの栄 養源 を豊 富 に含 む こ と もわ か って い る。
我 々 は これ ま で に,鶏 胸 肉 か ら ヒス チ ジ ン含 有 の ジ
3.実
験デザ イ ン
本 研 究 は,ダ
ブ ル ブ ラ イ ン ド ・ク ロス オ ー バ ー 法 を
用 い て 行 っ た。 第1回 目の 実 験 で は,約 半 数 の 被 検 者 は
CBEX含
有 飲 料 を,そ の他 の被 検 者 はPlacebo飲 料 を摂
ペ フ.チドで あ るカ ル ノ シ ン とア ン セ リン を 豊 富 に含 む
取 した 。 実 験 期 間 を通 して どち ら の飲 料 を摂 取 して い
エ キス(ChickenBrestExtract:CBEX)を
るか は,被 検 者 お よ び実 験 協 力者 は 知 ら され な か っ た 。
抽 出 す る こ と に成 功 し,ラ
15)にCBEXを
効率 よく
ッ ト11・12)および ヒ ト13・14・
摂 取 させ る こ とに よ り,運 動 性 の筋 疲 労
が 軽 減 す る こ と を報 告 して い る 。
そ こで 本 研 究 で は,運 動 後4日 間 に わ た る継 続 的 な鶏
胸 肉抽 出物(CBEX)の
摂 取 が,運 動 後 に発 生 す る遅発
性 筋 肉痛 お よび 筋 疲 労 感 に及 ぼ す 影 響 につ い て 検 討 す
る こ と を 目的 と し た。
そ の約8週
間後 の 第2回
検 者 は第1回 目 とは 異 な る飲 料 を摂 取 した 。 な お,試 験
飲 料 は,運 動 開始30分 前,運
動 直 後 お よび 運 動 翌 日か
ら4日 間 各1本
摂 取 させ た 。
(1)運
ず つ の計6本
動 プ ロ トコル
筋 肉 痛 お よび 筋 疲 労 感 を誘 発 させ るた め の 運 動
に は,自
重 負 荷 に よ る ス ク ワ ッ ト運 動 を用 い た 。
被 検 者 に は,手
皿.実
目の 実 験 で は,そ れ ぞ れ の 被
を腰 に 当 て た 姿 勢 で2秒
ペ ー ス で 行 うよ うに指 示 し,20回
験 方 法
を1セ
て 合 計10セ ッ ト行 わ せ た 。 な お,セ
1.被
検
者
は1分
被 検 者 に は,定 期 的 な トレ ー ニ ン グ を行 っ て い な い
健 常 な 男 子 大 学 生 お よび 大 学 院 生10名(年
3.1歳,身
長:174.8±5.9cm,体
脂 肪:20.6±3.1%)を
齢:25.0±
ッ ト間 の 休 息
間 と し,動 作 の テ ンポ は メ トロ ノ ー ム の 音
定 項 目お よび 測 定 方 法
ス ク ワ ッ ト運 動 前(Pre),ス
用 い た。 本 研 究 は,ヘ ル シ ン キ
ッ トと し
に よ って 規 定 した 。
(2)測
重:70.7±8.Okg,体
に1回 の
48,72,96時
ク ワ ッ ト運 動24,
間 後 に筋 肉 痛 お よび 筋 疲 労 感 の程 度,
宣 言 の 精 神 に則 り実 施 され,被 検 者 に は あ らか じ め本
ス ク ワ ッ トジ ャン プ(squatjump:SJ)に
研 究 の 目 的,方 法 につ い て 詳 細 に 説 明 し,文 章 に よ る
跳 躍 高 お よび血 清 ク レア チ ン キナ ーゼ(CK)活
参 加 の 同意 を 得 た 。 ま た,本 研 究 は 日本 ハ ム 株 式 会 社
を測 定 した 。
ヒ ト試 験 に 関 す る倫 理 委 員 会 の 審 議 を受 け,承 認 を得
た 上 で 実 施 した 。
おける
性
筋 肉 痛 お よ び筋 疲 労 感 の程 度 は,visualanalog
scale(VAS)法
を用 い て測 定 した。 この測 定 では,
10cmの 直 線 に メモ リを 付 し,無 痛 も し くは 疲 労 感
2.試
験飲 料の製造
鶏 胸 肉 よ りカ ル ノ シ ン と ア ン セ リン を豊 富 に含 む エ
キ ス(ChickenBreastMeatExtract:CBEX)を
出 した 。CBEXは
な し を"0"と
"10"と した
し,最 高 の 痛 み も し くは疲 労 感 を
。
抽
SJの 測 定 は,被 検 者 に手 を腰 に 当て た 姿勢 を と
独特 の強 い うま み と香 りを有 して お り,
らせ,膝 関 節 角 度 を90。に規 定 した 状 態 か ら反 動 動
そ の ま ま 摂 取 させ る には 困 難 で あ った た め,1本(100
作 を用 い ず に全 力 で 上 方 に跳 躍 させ た 。 この 際 の
ml)に
滞 空 時 間 をマ ッ トス イ ッチ(CT-916,武
約20gのCBEXを
配合 した飲 料 を製 造 し,こ れ を
試験 飲料 としたla14・15)。ま た,Placebo飲
料 は,CBEX
以外 の成 分 は ほ ぼ 同様 に し,味 を 出来 る限 りCBEX含
飲 料 と 同様 に調 整 した(表1)。
井機器社
製)を 用 い て 測 定 し,跳 躍 高 を 以 下 の 式 よ り算 出
有
した 。
跳 躍 高 二1/8・
採 血 は,CK活
滞 空 時 間2・ 重 力加 速 度
性 の 日内変 動 お よび 直 前 の食 事 の影 響
を避 け る た め に,測 定 前 日 よ り約12時 間 の夜 間絶 食 後,
常 に 同 一 時 間(午 前9時)に
4℃,3000rpmに
行 っ た 。 採 血 後,血
液は
て15分 間 遠 心 分 離 し,血 清 を 得 た 。
これ らは,そ の後 の測 定 ま で 一800Cに て 凍結 保 存 した 。
後 日,こ れ らの サ ン プル か らUV法
性 を 測 定 し た。
を用 い て血 清CK活
4.統
計 処理
図3に,SJの
すべ て の測 定 値 は 平 均 値 ±標 準 誤 差(SE)で
示 した。
跳 躍 高 の 運 動 開始 前 に対 す る 相 対 値 の
経時 変 化 を示 した 。SJの 跳 躍 高 は,筋 肉 痛 お よび 筋 疲
測 定 値 の 時 間 経 過 に伴 う平 均 値 の 差 の検 定 には,反 復
労感 に伴 い両 条 件 と も に低 下 した が,CBEX含
測定 に よる二元 配置 の分 散 分析 を用 い,F値
取時 で はPlacebo飲
た 場 合 に は,Fisher'sPLSD法
が有 意 で あっ
に よ り多 重 比 較 検 定 を
有飲料摂
料 摂 取 時 と比 較 して 運動 後24,48時
間後 にお い て有 意 に高 値 を 示 し た。
行 っ た。 な お,有 意 性 の 検 定 には,い ず れ も危 険 率5%
以 下 を採 用 し,す べ て の統 計 処 理 は,StatView5.0
(SASInstituteInc.)を
用 いて行 った。
皿.実
図1に,運
験 結 果
動 開 始 前 お よ び運 動24,48,72,96時
間後
の筋 肉 痛 の経 時的変 化 お よびそ の 曲線 の曲線 下 面積
(Areaunderthecurve:AUC)を
そ れ ぞ れ 示 した。
筋 肉 痛 の経 時 変 化 で は,両 条 件 と も に運 動 翌 日 に ピー
クを示 し,運 動 翌 日か ら漸 減 した が,CBEX含
取時 で は,Placebo飲
有 飲料 摂
料摂 取 時 と比 較 して運 動後48,72,
96時 間 後 に有 意 に低 値 を示 した。 ま た,AUCに
もCBEX摂
おいて
取 時 に お い て 有 意 に低 値 を示 した 。
図2に,運
動 開 始 前 お よ び運 動24,48,72,96時
の筋 疲 労 感 の 経 時 的変 化 お よびAUCを
筋 疲 労 感 の 経 時 変 化 で は,筋
AUCに
低 値 を示 した 。
性 の 経 時 的 変 化 を 示 した 。血 清CK活
運 動 に よる有 意 な 変 動 は認 め られ ず,CBEX含
性 は,
有飲料摂
取 時 とPlacebo飲 料 摂 取 時 の2条 件 問 で の 有意 差 も認 め
間後
そ れ ぞ れ 示 した。
料 摂 取 時 と比較
間 後 に有 意 に低 値 を示 した 。 ま た,
お い て もCBEX含
間後
N.考
察
肉 痛 と 同様 に 両 条 件 と も
有 飲料 摂 取 時 で は,Placebo飲
して 運 動 後72,96時
の血 清CK活
動 開 始 前 お よび 運 動24,48,72,96時
られ な か っ た。
に運 動 翌 日 に ピー ク を示 し,運 動 翌 日か ら漸 減 し た が,
CBEX含
図4に,運
有 飲 料 摂 取 時 にお い て 有 意 に
本 研 究 に お け る最 も重要 な知 見 は,CBEX含
取 時 で はPlacebo飲
有飲料摂
料 摂取 時 と比 較 して,ス ク ワ ッ ト運
動 後 に お け る筋 肉 痛 お よ び 筋 疲 労 感 が 運 動 後24,48,
96時 間 後 に有 意 に 低 値 を示 した こ と,お
高 が運 動 後24,48時
間 後 に お い て 有 意 に高 値 を 示 した
こ とで あ る。 こ の こ とは,CBEX含
取 は,ス
よびSJの 跳 躍
有 飲 料 の継 続 的 な摂
減 させ,そ
ク ワ ッ ト運 動 後 の 筋 肉痛 お よび 筋 疲 労 感 を 軽
の結 果,筋 機 能 の 速 や か な 回 復 に 貢 献 す る
可 能 性 を示 唆 す る もの で あ る。
近 年,サ
プ リメ ン ト摂 取 に よ るDOMSに
対する効果
につ い て検 討 され て き て い る が6・7・8・9・10),筋 肉 痛
を誘 発 す る運 動,サ
プ リ メ ン トの種 類,摂 取 す る 量 や
タ イ ミ ン グ な ど,研 究 に よっ て 様 々 で あ るた め に,そ
の効 果 につ い て は 一 致 した 見 解 が得 られ て い な い 。 ま
た,DOMSは,収
縮 して い る筋 が伸 ば され る伸張 性(エ
て い る18・19・20)。
一 方,カ ル ノ シ ン とア ンセ リン は,膜
キ セ ン トリ ッ ク)筋 活 動 を伴 う運 動 に よ っ て 生 じや す
脂 質 の酸 化 を抑 制 す る こ とが報 告 され て い る21)。これ ら
い た め に1),ダ ウ ン ヒル ラ ンニ ン グ6)や エ キ セ ン トリッ
の こ とを考慮 す る と,CBEX含
ク7・8・9)な 筋 収 縮 を伴 う運 動 形 態 を用 い てサ プ リメン
ト運 動 後 のDOMSの
ト摂 取 に よ るDOMSへ
の 影 響 につ い て 検 討 して い る。
有飲 料摂 取 に よるス クワ ッ
軽 減 に は,CBEX中
に含 ま れ るカ
ル ノ シ ン とア ン セ リン が 持 つROS消
去 作 用 に よ っ て,
しか し,こ れ らの 研 究 の 多 くは,筋 損 傷 の指 標 で あ る
筋 お よ び結 合 組 織 の損 傷 を低 減 した結 果 と推 察 され る 。
血清CK活 性 に対す る効 果 は示 されて い るもの の,DOMS
ま た,鶏 胸 肉 中 には,カ
に対 す る効 果 は 示 され て い な い 。 こ の 理 由 と し て は,
成 分 も含 まれ て い る。 以前,我 々 はCBEXの
これ らの 運 動 様 式 は 筋 に対 す る負 荷 が 高 す ぎ るた め に,
い て,固 形 分 中の80%が タ ンパ ク 質 や ア ミノ酸 等 の窒 素
DOMSの
程 度 が各 種 サ プ リメ ン トの効 果 が 生 じ る範 囲
化 合 物 で あ る こ と,お よ び そ の 他 の成 分 と し て タ ウ リ
を 上 回 っ て い る可 能 性 が 考 え られ る。 この こ と に 関 し
ン,ク レアチ ンな どを含 む こ と を報告 して い る11)。した
て,Shimomuraetal.は10),分
が っ て,こ れ らの 成 分 が複 合 的 に筋 の タ ンパ ク 合 成 の
岐鎖 ア ミノ酸(Branched-
chainaminoacids:BCAA)摂
取 に よ るDOMSの
効
果 につ い て,運 動 負 荷 が 緩 や か な 自重 負 荷 に よ る ス ク
軽 減作用 を
も た ら した 可 能 性 も考 え られ る。
しか しな が ら,CBEX含
軽 減 され た こ とを
分析 値 につ
促 進 お よび 分 解 の 抑 制 に 関 与 し,DOMSの
ワ ッ ト運 動 を 用 い て 検 討 して お り,運 動 前 のBCAAの
摂 取 で ス ク ワ ッ ト運 動 後 のDOMSが
ル ノ シ ン とア ンセ リン 以 外 の
有 飲 料 摂 取 に よ るDOMS軽
減 作 用 の 作 用 機 序 につ い て は,現 時 点 で は 不 明 な 点 が
報告 してい る。す なわ ち,サ プ リメン ト摂取 に よるDOMS
多 く,明 確 なデ ー タ に よ る立 証 は 行 え て い な い 。 ま た,
へ の 効 果 に は,運 動 負 荷 の 程 度 が 関 与 して お り,筋 損
摂 取 す る タイ ミ ン グや 量 に よ って も効 果 は 異 な る こ と
傷 の 激 しい 条 件 下 で は 期 待 す る 効 果 が 得 られ な い 可 能
が 予 想 され る。 さ ら に,日 常 で の食 事 や 体 格,性
性 が 考 え られ る。 実 際,本 研 究 に お い て,筋 損 傷 の指
どDOMSに
標 で あ る血 清CK活
わ れ る 。 これ らの 可 能 性 に つ い て は,今 後 さ らな る検
性 は,ス ク ワ ッ ト運 動 に よる 上 昇 は
観察 され なか っ た(図4)こ
とか も支 持 され るで あ ろ う。
差な
対 す る効 果 に影 響 を 与 え る要 因 に な る と思
討 が 必 要 で あ ろ う。
また,サ プ リメン トを摂取 す る タイ ミング と量 もDOMS
を 軽 減 させ る 重 要 な要 因 と な る もの と考 え られ る。 野
坂 は7),混
合 ア ミノ 酸 摂 取 に よ るDOMSに
対 す る効 果
につ い て,摂 取 す る タ イ ミン グ と量 の 観 点 か ら検 討 し
て お り,運 動30分 前 と運動 直 後 に摂 取 した際 にはDOMS
軽 減 作 用 は 認 め られ な か っ た の に 対 して,運
1) Armstrong RB (1984) Mechanisms
-induced
delayed onset muscular
Med Sci Sports
動 後4日
間 にわ た る継 続 的 な 摂 取 にお い て は,DOMSの
用 が 認 め られ た こ とを 報 告 して い る 。DOMSは,運
軽減作
2) Maclntyre
Delayed
負 荷 後 に起 こ る筋 お よび 組 織 の 炎 症 反 応 が 原 因 と され
response
て い る こ とか ら,DOMSの
implications.
メ ン ト摂 取 に よ る筋 の 炎 症 反 応 を 緩 和 させ る こ とが 重
て,ス
の 一つ にCBEX含
くつ か の要 因 が 考 え られ るが,そ
セ リン が 持 つ 活 性 酸 素(ROS)消
Sports
harmful
The inflammatory
injury
and
its clinical
Med 20, 24-40.
JB, Steenbeek
Int J Sports
D, Schiereck
stretching
P, Bar
and massage
effects of eccentric
exercise.
Med 15 (7) 414-419.
4) Lund H, Vestergaard-Poulsen
P, Kanstrup
IL,
Sejrsen P (1998) The effect of passive stretching
去 作用16)が あ げ られ
on delayed
onset
発 生 は,筋 お よび 結 合 組 織 の損
detrimental
effects following eccentric exercise.
傷 とそ の後 の 炎症 反 応 に深 く関与 す るた め に17),運 動 後
に起 こるDOMSの
to muscle
diminish
有飲 料 の継続 的 な摂取 によっ
有 飲 料 中 に含 まれ るカル ノ シ ン とア ン
る 。 運 動 に よ るROSの
soreness.
PR (1994) Warm-up,
ク ワ ッ ト運 動 後 の 筋 肉痛 お よび 筋 疲 労 感 が 軽 減
され た 理 由 には,い
muscle
3) Rodenburg
要 で あ る と推 察 され る 。
本研 究 にお いて,CBEX含
Exerc 16, 529-538.
DL, Reid WD, Mckenzie DC (1995)
動
軽 減 に は,継 続 的 なサ プ リ
of exercise
soreness .
程 度 に も関 係 す る もの と考 え られ る。
先 行 研 究 に よ る と,脂 質 膜 がROSに
Scand
J Med Sci Sports
soreness,
and other
8 (4) 216-221.
5) Francis KT, Hoobler T (1987) Effects of asprin
on delayed
よっ て 酸 化 され る
と膜 の 流 動 性 が 低 下 し,イ オ ン 勾 配 が 維 持 で きず,細
胞 の 膨 脹 お よび 炎 症 が 引 き起 こ され る こ とが 報 告 され
muscle
Phys Fitness
6)
Miller
muscle
soreness
. J Sports
Med
27 (3) 333-337.
PC, Bailey
SP, Barnes
ME, Derr SJ,
Hall EE (2004)The supPlementation and on skeletal DOMS following JSports 7)野
effects of protease
muscle downhill endurance function
Heal running.
サ プ リ メ ン ト の 効 果.臨
床 ス ポ ー ツ 医 学22(7):
GL, Ashton C,McArdle T, Cable F, MacLaren of dietary muscle soreness JSports Med 9)Close reactive induced Ashton C, post-exercise T, Doran D,
MacLaren DP
following muscle-damaging may the recovery process. but
Brt J Nutr
J,Murakami T, Shimomura K muscle. amino 口 靖 希,浦
島 浩 司,佐
松 文 毅(2002)ト
ン エ キ ス)の
藤 三 佳 子,大
文 毅(2002)カ
藤 三 佳 子,大
森 丘,森
松
・食 糧 学 会 誌55(4)209-214.
木 康 弘,森
松 文 毅,高
ト リ 胸 肉 抽 出 物(CBEXTM)長
松 薫 (2003)
期 摂 取 が骨 格 筋 カ ル
ノ シ ン 濃 度 と 短 時 間 高 強 度 運 動 パ フ ォ ー マ ン ス に 及
ぼ す 影 響.体
14)鈴
木 康 弘,佐
力 科 学52,255-264.
藤 三 佳 子,森
松 文i毅,高
ト リ 胸 肉 抽 出 物(CBEXTM)の
松 薫(2004)
経 口摂取 が高 強 度 間
欠 的 運 動 パ フ ォ ー マ ン ス に 及 ぼ す 影 響.体
育 学研 究
49,159-169.
15)Maemura Takahata (2006) H, Goto K, Yoshioka Y, Morimatsu Effects supPlementation T, Sato M,
F, Takamatsu of carnosine on relatively RP(1983)
damage induced in human by
red cell
10;258(5)3107-
M, Lunec damage human Am to lipids joint provides DR
within
evidence
hypoxic-reperfusion
J CIin Nutr AA, J, Blake Dupin MA, Sererin properties natural histidine Biochem Int 15(6)1105-1113.
53,362-369.
AM, Bunin AYa,
SE(1987)The
of containing carnosine, dipeptide.
(平 成19年11月28日
マ ウ ス 遊 泳 疲 労 回 復 力 に 対 す る 効 果.
藤 三 佳 子,鈴
52,302-310.
キ
ル ノ シ ン お よ び ト リ 胸 肉 抽 出 物(チ
キ ン エ キ ス)の
of
lipid
P, Garay radical-mediated antioxidative ・食 糧 学 会 誌55(2)73-78.
島 浩 司,佐
Oxidative Babizhaev マ ウ ス 遊 泳 持 久 力 に 対 す る 効 果.日
田 理 恵,浦
日 本 栄 養
(1991) of
skeletal
リ 胸 肉 抽 出 物(チ
Role in exercise.
Enzymol radicals P, Grootveld injury. J Nutr.136(2)529-532.
田 理 恵,田
森 丘,森
13)佐
on 15,
(1978)Microsomal J Biol Chem 21)Boldyrev effects acids free H,
N, Kobayashi SD K+transport the inflamed G, Sato
(2006)Nutraceutical branched-chain 本 栄 養
Y, Bajotto (2001) stress I, Braquet oxygen of Y, Yamamoto Mawatari 19)Maridonneau 20)Merry 95 (5)976-981.
10)Shimomura Metab 3113.
soreness
exercise JB Methods membranes. dose
muscle Exerc oxidative JA, Aust peroxidation. Br
acid supplementation not attenuate in contracting
17,809-814.
Na+and F, Nutr Blumberg E and 18)Buege species
damage. T, Cable M(2005)
role of carnosine JM, Nutrition onset
oxygen muscle McArdle (2006)Ascorbic delay delayed A, Leveritt Int J Sport vitamin (2005)Effects
on and D, Noyes
39(12):948-953.
GL, Holloway T, Doran DP carbohydrate after contraction 12)原
muscle. 17)Sacheck 8)Close and
493-514.
829-835.
11)原
G, Cunliffe Physiological 発 性 筋 肉 痛 に対 す る ア ミノ酸
Int J Sport Sci 4,86-94.
16)Begum Sci 22(4)365-372.
坂 和 則(2005)遅
performance. and anserine
high intensity
K
受 理)
a
Fly UP