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西日本農業研究センター
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター Western Region Agricultural Research Center, National Agriculture and Food Research Organization 西日本農業研究センターでは、近畿中国四国地域の特徴である、中山間地および傾斜地ならびに 都市近郊における多様な農業の課題解決と地域の活性化のために、6つの研究領域が相互に連携 して、4つの持続型営農システム(広域水田営農システム、省力・高収益果樹生産システム、高 収益園芸システム、地域資源を活用した黒毛和種の中小規模生産システム)の実現に向けた個別 技術の開発とそれら個別技術の体系化を目指します。 ◆営農生産体系研究領域 ◎大豆や麦類を対象に、水田転換畑における湿害などの問題を克服し、水田作への導入を想定する野菜生産との 作業競合を回避しつつ、安定して多収をねらえる栽培技術を開発します。 ◎中山間地域の水田営農に適した省力的で低コストを実現する機械作業技術を 開発するとともに、ICT などを活用して 小区画多筆圃場における効率的な作業・ 生産管理を支援する技術を開発します。 ◎新たな開発技術の集落営農法人などへの 導入効果を経営的に評価するとともに、 中山間地域に適し、水田作に野菜や畜産 などを組み込んだ高収益な営農モデルの 策定に取り組みます。 大豆の難防除雑草に対応する 栽培管理技術 スマートフォン用作業記録作成アプリ ◆水田作研究領域 ◎西日本の温暖な気候に適した、多収、良食味、耐暑性などの特性を もった加工・業務用、主食用、飼料用の水稲品種を育成します。 ◎西日本の温暖な気候に適した、パン用やめん用の高品質の小麦品種 に加え、パスタ用のデュラム小麦品種などを育成します。 ◎水稲の省力・低コスト・多収栽培技術や高温での品質低下軽減技術、 効率的な雑草管理技術、 畦畔法面でシバの植栽が容易な「シバ二重ネット工法」 ならびに中山間地域に 多い畦畔の省力管理技 術を開発します。 ※高温年でも白濁がみられません。 (左:恋の予感、右:ヒノヒカリ) 多収で高品質のパン用小麦「せときらら」 夏の暑さに強く良食味の水稲「恋の予感」 ◆生産環境研究領域 ◎西日本の地形的・気象的特性に応じた持続的な土壌管理技術の開発や周辺環境への影響を 評価する手法の開発に取り組み、環境保全・省資源型の作物生産を目指します。 ◎西日本の水田転換畑で問題となる病害の発生生態の解明や発生予察技術の開発、ならびに 野菜の土壌病害防除のための地域有機資源を活用した生物的土壌消毒技術の開発に取り組 み、環境保全型の病害防除の実現を目指します。 ◎天敵温存植物などの利用による放飼天敵や土着天敵の増殖と定着を促進する技術を開発し、 環境保全型の害虫防除技術の実現を目指します。 灌水・施肥の省力化につながる拍動灌水装置 (写真:アスパラガス栽培圃場) カラシナの鋤き込みによる 土壌病害の防除 アブラムシの天敵「飛ばないナミテントウ」 (上)と 天敵の維持・増殖に効果のある天敵温存植物「スカエボラ」 (下) ◆作物開発利用研究領域 ◎実需者などのニーズに応じた大豆および裸麦品種を育成します。 ◎地域特産野菜の生育促進・品質向上および病害虫の抑制を可能とする光 環境や温度条件、微生物相などを明らかにするとともに、それらを低コ ストで制御、利用する技術を開発します。 ◎地域特産農作物の栄養・健康機能性の科学的解明とそれらの有効利用技 味噌用ダイズ品種「あきまろ」 術を開発します。 食物繊維(β - グルカン)含有量が多く、 炊飯しても褐変しにくい モチ性裸麦 「キラリモチ」(写真左) ホウレンソウの高温期における 安定生産のための遮光制御 ◆傾斜地園芸研究領域 ◎団地型マルドリ方式の施設の高度化と運営管理手法、果実品質や樹の生育に適した養水分管理技術、高品質果実 生産のための早期園地確立技術を開発します。 ◎中山間地域資源・自然エネルギーを利用した低コスト施設内環境改善・省エネ技術、多品目栽培のための地域特 産野菜、薬用作物などの安定生産技術を開発します。 ◎園地・園芸施設生産に活用できるセンシング・モニタリングシステム、共有化・栽培支援ツール、栽培環境予測 モデルおよび傾斜地における省力作業技術を開発します。 通風シェルター 電源ボックス マルドリ方式栽培園地 気温データ自動収集装置 布団資材で保温性を高め、ダブルアーチで 構造強化したパイプハウス ◆畜産・鳥獣害研究領域 ◎黒毛和種の繁殖性や発育性を向上させるため、繁殖牛、育成牛への 地域飼料資源の給与技術を開発します。 ◎黒毛和種の品種特性を活かし、地域飼料資源の多給による低コスト 肥育技術を開発します。 ◎農村地域を活性化し鳥獣害を減少させるため、農村環境に配慮した 総合的な鳥獣害対策技術を開発します。 稲ホールクロップサイレージの給与 地域の飼料資源を活用して 生産した牛肉 地域住民が一体となって 取り組む鳥獣害対策 ■西日本農業研究センターの組織 所 長 企 画 部 総 務 部 リ ス ク 管 理 室 技術支援センター 営農生産体系研究領域【福山】 農業経営グループ 機械作業・情報グループ 転換畑多収栽培グループ 水田作研究領域【福山】 水稲育種グループ 麦類育種グループ 栽培管理グループ 生産環境研究領域【福山】 土壌管理グループ 病害管理グループ 虫害管理グループ 作物開発利用研究領域【四国・綾部】 畑作物育種グループ【四国】 環境保全型野菜生産グループ【綾部】 特産作物利用グループ【四国】 傾斜地園芸研究領域【四国】 カンキツ生産グループ 傾斜地野菜生産グループ 園芸環境工学グループ 畜産・鳥獣害研究領域【大田】 繁殖技術グループ 肥育技術グループ 鳥獣害対策技術グループ 四国農業研究監 綾部研究調整監 ■西日本農業研究センターの研究拠点 大田研究拠点 綾部研究拠点 〒 694-0013 島根県大田市川合町吉永 60 Tel. 0854-82-0144(代表) 最寄駅:JR 山陰本線「大田市駅」 本 所 〒 623-0035 京都府綾部市上野町上野 200 Tel. 0773-42-0109(代表) 最寄駅:JR 山陰本線「綾部駅」 四国研究拠点 〒 721-8514 広島県福山市西深津町 6-12-1 Tel. 084-923-4100(代表) 最寄駅:JR 山陽本線、JR 山陽新幹線、JR 福塩線「福山駅」 〒 765-8508 香川県善通寺市仙遊町 1-3-1 Tel. 0877-62-0800(代表) 最寄駅:JR 土讃線「善通寺駅」 農研機構西日本農業研究センターの研究成果、イベントなどの情報提供、パンフレットや 技術マニュアルなどの出版物は、ホームページでご覧いただけます。 是非、ご利用下さい。 西日本農業 検 索 http://www.naro.affrc.go.jp/warc/ 発行:2016(平成 28)年4月 表紙写真:遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑(提供 尾関秀樹 氏) 201604_4000 「農研機構」は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)です。