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短期海外研修報告書 - 一橋大学 国際教育センター・国際課

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短期海外研修報告書 - 一橋大学 国際教育センター・国際課
短期海外研修報告書
韓国・西江大学
2 014 . 2 . 24 ∼ 3 . 2 2
■ はじめの一歩
国際教育センター 教授 太田 浩
グローバル化と知識基盤社会の進展を受け、産官学を挙げてグローバル人材の養成に向けた
取組みが行われている。そもそも、グローバル人材と何か?厚生労働省雇用政策研究会(2012)
が多くの企業に対してヒアリングを行った結果として、
「 未知の世界、時に非常に厳しい環境に、
『面白そうだ』
『 やってみたい』という気持ちで、積極的に飛び込んでいく前向きな気持ち、姿勢・
行動力を持っていること。そして、入社後に一皮、二皮剥けるため、
『最後までやり抜く』
『タフネスさ』
があること。しっかりと自分の頭で考え、課 題を解決しようとすること」とまとめている。これを
グローバル人材のあり方と解釈すれば、
「 国境をまたぐ能力」を身につけ、
「 アウェーで実力を発揮
できる自信」をつかむことを標 榜する本学の短期海 外 研 修は、それに向けての 第一歩 として
ふさわしいプログラムと言える。
西江大学(Sogang University)での短期研修は、韓国語と韓国文化を学びながら、西江大学
の学生と交流することにより、彼らとの絆を深める研修といえる。本研修に参加した学生は、隣人で
あるがゆえに見逃しがちな相違点を見つけ、それを尊重する寛容性を身につけると共に、隣人同士
だからこそ分かりあえる価値観を共有し、帰国したことと思う。そして、研修を通して経験したこと、
学んだことを本報告書の作成を通して内省化することにより、一人一人が自立した国際交流の礎を
築いたに違いない。本報告書の完成は、彼らにとって「終わり」ではなく、世界で学び、グローバル
に活躍するための「始まり」であることを願わずにはいられない。また、本報告書が彼らに続く学生
の一助となることを期待したい。
■ 短期海外研修(韓国)の実施に寄せて
大学院商学研究科・国際教育センター兼任 講師 渡部 由紀
5回目となる本研修に、学部生3名、大学院生2名が参加した。参加学生に共通した研修プログラム
への参加動 機は韓国語の習得で、特に話す能力の向上を目標としていた。西江大学の韓国語
プログラムは会話を重視した教授法を取っており、参加学生は韓国語でのコミュニケーション能力の
向上を実感することができたようである。研修報告書では、習得した外国語で交流できる喜びが
語られている。その一方で、より深く交流するための外国語能力の不足へのフラストレーションが述べ
られている。しかし、自分自身へのもどかしさや憤りが新しい目標を設定する原動力になっているのが
伺え、頼もしい。また短期とはいえ異国で暮らすことで体感した違和感から、彼らはその社会の在り方
をそこに所属する人の立場から考えようとするだけでなく、自分自身の視点や価値観も問い直して
いる。その前向きな姿勢と旺盛な探究心で、彼らの学生時代が多くの挑戦に満ちたものになるのでは
ないかと大いに期待している。最後に、本研修プログラムを実施いただいた西江大学の教職員・学生
の皆さん、またご支援・ご協力いただいたCIEE、如水会ソウル支部、一橋大学韓国総同窓会、韓国
文化院、韓日経済協会、
韓日産業・技術協力財団の方々に心より感謝を申し上げたい。
目 次
短期海外研修(韓国)授業概要 研修参加者
研修報告書
プログラム概要・参加費
韓国について
渡航前準備
宿泊先とその周辺 西江大学概要
韓国語学 韓国学
研修カレンダー
2
4
4
15
16
17
18
19
20
21
22
≪一橋大学独自プログラム≫
独立記念館
OB 訪問①(如水会ソウル支部)
デジタルメディアシティー
西大門刑務所歴史館
OB 訪問②(一橋大学韓国総同窓会)
板門店・DMZ(非武装地帯)見学
龍仁 MBC ドラミア
23
24
25
26
27
28
29
≪西江大学プログラム≫
ソウルシティーツアー
フィールドトリップ
研修参加者およびバディの紹介
研修日記 特集 : バディさんとの思い出
編集後記 30
31
32
34
38
40
1
短 期 海 外 研 修(韓国)授 業 概 要
〇 授業概要 (Course Overview) 短期海外研修(韓国 西江大学)では、約 4 週間韓国ソウルに滞在し、西江大学での韓国語・韓国
文化研修プログラム・文化交流プログラム等を通して、国際的な視野を広げ、文化の違いを体感しな
がら海外で実力を発揮できる自信を培うことを目的とする。
西江大学での研修以外に、一橋大学卒業生会組織(如水会ソウル支部・一橋大学韓国総同窓会)訪問、
渡航前の事前授業(韓国文化についての学習、事前研修等オリエンテーション)、研修後に実施される
事後報告会、および報告書作成(来年度の4∼8月に渡る)等も授業の一部である。
〇 学部・学年の指定 (Who Should Attend) 1. 単位取得を希望する場合、履修の『キャップ』に『2 単位分の余裕』を持たせておくこと。
2. 履修希望者はオリエンテーション後に履修希望を提出し、担当教員の面接の審査を経て、教員が履
修登録を行う。よって、教務課への履修登録は不要(但し、本研修での単位が必要な場合、2 単位分
の余裕を設けた申請を教務課に行うこと)
。
3. 2 年生が本研修に参加する場合、2 年生から 3 年生への進級判定が研修中になされるため、この科
目の単位を進級必要単位数(68 単位)に参入することはできない。但し、卒業に必要な単位として
参入することはできる。
4. 単位が付与される時期は研修終了後の次の学期(次年度の夏学期)のため、4 年生に単位を付加するこ
とはできない(単位が実際にカウントされるのは、研修が行われる春休みを含む年度の冬学期。これは、
成績を評価するコースワーク、例えば報告書の作成作業などが研修後の夏学期にまでかかるためである)
。
5. 研究生及び大学院生には、単位が付与されない(研修に参加することは妨げない)
。
〇 授業の目的・到達目標と方法 (Goals & Methodology) プログラムを通じて、多様な考え方や物の見方、文化の違いを体感し、その上でその違いを尊重し
つつ、相互コミュニケーション能力や協働する力を培うことを学習目標とする。
〇 授業の内容・計画 (Topics / Schedule)
10 月 2 日(水)と 9 日(水)
:授業ガイダンス(内容は両日とも同じ。どちらか都合の良い日に参加すること)
以下の説明会、応募、事前授業・研修日程は、変更になる場合がある。
11 月 27 日(水)と 12 月 4 日(水)
:プログラム説明会(内容は両日とも同じ)
12 月 11 日(水)
:願書提出締切日
12 月 18 日(水)
:研修参加者選考
1 月 8 日、15 日、22 日、2 月 5 日、12 日(すべて水曜日)
:事前研修とオリエンテーションなど(韓
国文化理解、異文化理解、渡航手続き、危機管理など)
※1 月・2 月の水曜日の午後のスケジュールを確保しておくこと(4 時限に限らず、
5、
6 時限も)
。但し、
1 月 22 日の事前授業だけは、英語プレイスメントテストのあと、午後 4 時 20 分から 6 時 20 分まで行う。
2
2 月下旬から 4 週間:本学独自研修(1週間:本学卒業生会訪問等) + 西江大学での韓国学と韓国語研
修(3 週間:67.5 時間、時間数は昨年度実績)
短
帰国後:研修報告会での発表と研修報告書の作成
期 海 外 研 修 ︵ 韓 国 ︶授 業 概 要
*詳細は授業ガイダンス時およびプログラム説明会にて伝えるので、必ず出席すること。
〇 テキスト・参考文献 (Textbooks / References) 2012 年度 短期海外研修報告書(韓国・西江大学)
:国際資料室(国際研究館1F)及び、海外留学・
留学生相談室にて無料配布中
〇 質問等の連絡先・オフィスアワー (Contact Information / Office Hours)
月曜日・金曜日 午前 10 時 - 午後 1 時 東キャンパス 国際研究館 2F 留学生相談室
〇 他の授業科目との関連・教育課程の中での位置付け (Relation with other Courses)
本研修を通して、海外、特に韓国文化に親しみ、経験を積むことで更なる長期の留学(一橋大学海
外派遣留学制度)へのステップとなることを期待する。
〇 成績評価の方法 (Requirements & Grading Allocation)
・渡航前 講義&オリエンテーション 20%
・派遣先 西江大学での研修の成績 30%
・報告会 発表内容 20%
・報告書作成貢献度 30%
本研修に参加する学生は、全ての事前研修・授業に参加しなければならない。出席に加え、各授業で
出される課題全てを提出することが韓国での研修に参加する最低条件となる。なお、妥当な理由がなく
渡航前の授業を欠席することは認めない。報告書作成に消極的な場合、大きく評価を下げることがある。
〇 成績評価基準の内容 (Grading Criteria)
A: 90-100、
B: 80-89、 C: 70-79、D: 60-69
受講生に対するメッセージ (Message to Students)
・特に語学力は問わない。研修に真摯に取り組める学生、報告書作成等、授業全体に積極的に関与出来
る学生を優先して選考する。
・本研修参加を申請する前に、必ず昨年度の報告書を読み、自身が研修で到達したい目標を明確にして
おくこと。
〇 その他 (Additional Information)
・10 月 2 日、10 月 9 日の 2 回の授業ガイダンスのうち、必ずどちらか一方に出席すること。
・11 月 27 日、12 月 4 日の 2 回の説明会のうち、必ずどちらか一方に出席すること。
・本学からは 6 名程度が本研修に参加できる見込み(本学での選考結果に基づき、西江大学が最終的な
受入れ人数を確定する)
。西江大学での研修には、東北大学、上智大学、九州大学、筑波大学などの
学生も参加する。
・研修参加費:17 万円程度(予定)
・西江大学のプログラムの詳細及び、参加メンバー
(6 名程度予定)が決定するのが 12 月末∼1 月初旬となる。
・選考方法:本研修に参加する動機やこの研修で学んだことをその後の大学生活にどのように活かすか
といった観点から申請書を作成してもらい、その申請書と面談から参加者を選抜する。研修先西江
大学の事情により、毎年受け入れ学生数に微増減がある。
3
研修参加者
商学部
1年
柄沢智子
法学部
1年
辰川貴大
法学部
1年
林英里奈
法学研究科 修士
2年
呉 暁飛
社会学研究科 修士
2年
田口吉孝
研修報告書
韓国研修で感じたこと
〇 はじめに
商学部 1 年 柄沢 智子
(1)韓国語の習得
私がこの研修に参加したきっかけは、非常に
私は韓国ドラマ好きのため、大学においても
単純なものだった。韓流ブームに乗っかり韓国
クラス語学では朝鮮語を選択し1年間勉強して
ドラマに夢中になっていたため、韓国という国
いた。しかし、授業では読み書きが中心であっ
をもっとよく知りたいと思ったからである。韓
たため、今回の研修では話す聞くということを
国研修に行くことが決まり、自分が何をしたい
たくさんできればと考えていた。
のか改めて考え直し、目標を大きく 3 つ設けた。
西江大学の授業は会話中心だとは聞いていた
1 つめは、韓国語の習得。2 つめは、韓国にお
が、実際 3 週間で日本での朝鮮語の授業の 1 年
ける日常生活を感じること。3 つめは、日韓関
分以上の量を話すことができたと思う。学んだ
係などの固い面と、文化交流などのソフトな面
内容としては、日本で学んだことのあるものが
との両方を感じてくることだ。この研修を終え
中心だったが、それらを口に出せるようになっ
てこれらの目標を振り返りつつ、新たに感じた
たことがとても良かった。
ことや、今後についてまとめる。
また普段の生活においても、韓国語だけで話
してみることで、自分が使える表現と使えない
〇 目標に対する実際の達成度
表現を知ることができたのも非常に大きな収穫
私は韓国に行く前に、今回の研修における 3
になった。その際、会話をしているその場です
つの目標を設定した。
(1)韓国語の習得、
(2)韓
ぐ質問をできる環境を作ってくれた韓国の学生
国の日常生活を感じる、
(3)日韓関係の問題につ
の存在は非常に大きかったと思う。
いて韓国の学生と話し考えることの 3 つである。
しかし韓国語習得のレベルとしては、まだま
以下、これらの目標に対する実際の達成度をひ
だというところで終わってしまった。簡単な会
とつずつ振り返っていく。
話はできるようになったが、まだ一人で、韓国
で生活することはできないレベルである。ただ、
4
であるとも感じられたため、それらを今後増や
人の間だけではなく、韓国人同士においても同
していくことで、上達できるということも分
様だと聞き、韓国にも様々な考えを持つ人がい
かった。
ることも知ることができた。ソフトな面では、
「や
(2)韓国の日常生活を感じる
修参加者
について話すことがタブーなのは日本人と韓国
研
絶対的な語彙と表現の少なさがその原因の一つ
はり政治的には問題もあるけど人が嫌いなわけ
たが、その時は 2 泊 3 日と短く「観光」しかで
てくれる学生がいて非常にうれしかった。日韓
きなかったため、今回は 1 か月でできる限り韓
関係の問題を解決するために、政治的問題を完
国の人の日常を見てみたいと思っていた。
全に解消しようとするよりは、対立してしまう固
なるべく韓国の学生のコミュニティの中に入
い面での感情と交流を望むソフトな面での感情
ろうと考えていたため、私は西江大学の剣道部
の距離を近づけていくことが、現実的でより有
の練習に3回ほど参加させてもらった。私たち
効的な日韓関係の改善方法だろうと思った。
修報告書
じゃないんだ、交流はしていきたいんだ」と言っ
研
今までに 1 度旅行で韓国に行ったことはあっ
が韓国で出会った学生の多くは日本語が話せた
が、ここでは日本語ができる韓国人学生はいな
〇 新しく感じたこと
かったため、とても良い経験になった。そこで
韓国に行く前には考えていなかったが、現地
は、
「もう少し韓国語ができればもっと良い交流
に行ったからこそ知ることができたものも多く
ができただろう」と感じた。当たり前ではある
あった。1 つめはデモとの遭遇、2 つめは人材
が、日常に溶け込むには、語学というものが必
活用での日韓交流である。それらについて、以
要になると身をもって感じられた。
下詳しくまとめる。
その他にも韓国での生活で非常に多くのこと
(1)デモ
を感じたが、ここでは書ききれないため、いく
韓国に着いて1週目に非常に大きなデモに遭
つかを箇条書きで挙げたいと思う。
遇した。日本では、反日デモが起こった時に限っ
・ 車庫証明がいらないため街中に車が非常に多
て韓国におけるデモを大きく報道するため、そ
い。
のような行動を起こさせるほど反日感情が強い
・ IT など発達しているところと、トイレや街中
ように感じていた。しかし今回遭遇したデモは
のきれいさなどまだ進んでいないところが混
労働条件に関するもので、またそのようなデモ
在している。
はよくあることだと聞き、反日デモが日本に関
・ カフェのブームがすごい。
係するために過激というわけではないと知るこ
・ 小学生から英語を学び、塾に行くのは当たり
とができた。むしろ反日デモで映る人々の数は、
前など、将来に向けての勉強に熱心。 ・ 蛍光色をファッションのどこかに取り入れる
のが流行っている。
(3)日韓関係の固い面とソフトな面
今回のデモに比べれば圧倒的に少なく、報道に
よる恣意的なものを感じた。
(2)人材登用
韓日経済協会を訪問した際に、日本の引退し
日韓関係については、バディの方と深く話せ
た熟練労働者を招いて韓国企業で技術指導をし
る機会があって非常に良かった。お互いの国で
ているということを聞いた。そこで人気を集め
の報道の違いや、韓国の歴史教育による影響の
るのは、鋳型など実際にものを作る場での技術
深さなどもあり、やはり解決することは非常に難
だそうである。韓国のパリパリ文化(パリとは
しいものだと感じた。ただ一方で、日韓の問題
韓国語で 早く の意味)と日本の基本を大事
5
にする文化の違いなどがありながらも、技術を
結果や速さを重視する点には危うさもあると思
学ぼうとする考えはとても素晴らしいと感じた。
うので、それらのことについてより詳しく学び
韓国の企業が目を向けるほど価値ある人材がい
たいと思っている。
るにも関わらず、なぜ日本では彼らをうまく活
さらに長期留学をしたいと思うようになった。
用できないのか疑問もわいてきた。引退後の人
日本語が通じず、韓国語では表現できず、どう
材活用について、もっと考えていく必要がある
しようもなくなった時にとっさに出てきたのは
のではないだろうか。
英語であった。私は今まで「英語話せる?」と
言われると「話せない」と答えてきていたが、
〇 終わりに
今回の経験で必要に迫られれば話せるというこ
韓国研修では非常に多くのものを感じ得るこ
とに自分で気付くことができた。そして韓国で
とができた。それらをもとに研修の感想と今後
も若者の間では英語が通じることもあり、英語
の目標について書きたいと思う。
の重要性を実感した。やはり長期留学をして、
まず、韓国語の勉強は続けていきたいと強く
英語を使わなければならない環境に身を置き、
思っている。語彙を増やせば、表現できること
英語を「話せる」というレベルになりたいと強
が増えるという確信を得ることができたのもこ
く思った。
の研修の成果であると思う。また韓国で出会っ
韓国での 1 か月は非常に充実したものであり、
た学生との交流を続けていきたい。
本当に多くを感じることができた。それらを忘
そして経営や労働の面からも韓国について学
れることのないように、常にチャレンジ精神を
びたいと思っている。意思決定の速さや人材の
もって、「知りたい・やりたい」ことに対して積
活用法は日本企業が見習うべき点がとても多い
極的に行動していきたいと思う。
と思う。一方で、基礎を大事にする日本に比べ、
研修で学んだことと、今後に向けて
6
法学部 1 年 辰川 貴大
〇 はじめに
〇 語学力の向上
韓国で過ごした 4 週間は、日本にいては決し
私がこのプログラムに参加した大きな理由と
て味わうことのできない、貴重で密度の濃い、
して韓国語を話せるようになりたいというのが
とても充実したものだった。韓国での生活、文化、
あった。日本で韓国語を 1 年間勉強したものの、
人との関わり、全てが新鮮で自分にとって意義
実際に使って話す機会はなく、韓国語がほとん
のあるものだった。出発前に私は「語学力の向
ど身についていなかった。そのため、実際に韓
上」
「韓国人との積極的な交流」
「日韓関係につい
国人と韓国語で話し、韓国語を身につけたいと
て韓国からの視点を知る」という大きく分けて
いう自分の中で強い願望があった。日本での授
3 つの目標を立てた。この報告書では、韓国で
業は単語・文法が中心だったが、西江大学の授
の生活・経験を振り返りながら、出発前に設定
業は日本とは異なり、会話練習が中心で韓国語
した自分の目標がどのくらい達成できたのか、
を話す機会がとても多かった。そのため、日に
そしてそこから何を学び今後どのように活かし
日に自分が使える韓国語の表現が増えるのを実
ていくのかを述べたいと思う。
感できた。また、韓国語の能力を上げるため、
るべく韓国語で会話をしたり、わからない単語
違和感を感じるものもあったが、日本について
があればその都度バディに尋ねたり、自分たち
彼らに指摘されて初めて気づくこともあり、新
で調べたりした。そうすることで実際に自分た
たな日本を発見することができた。また反対に
ちが会話のなかで頻繁に使う単語や表現を学ぶ
教科書には載っていない韓国の生活・文化につ
ことができた。
いて教えてもらったりと、日本で勉強している
こうした努力により、本当に簡単な日常会話
だけでは学ぶことのできない本当の韓国を学ぶ
程度ならできるようになった。そのような点で
ことができた。彼らの中には日本に留学経験の
は「語学力の向上」という当初の目標は十分達
ある人やこれから日本に留学する人もいて、彼
成できたように思える。そして何よりも韓国語
らとはこれからも連絡を取ったり、お互いの国
を話すことに自信を持てるようになり、もっと
に行ったときには手助けをしたりと、互いの文
韓国語を話したい、もっと韓国語を勉強したい
化をより学ぶことができるように協力していけ
という気持ちを持つようになれたことが一番良
たらと思う。
修報告書
したイメージの中には、日本人からすると若干
研
授業外でも、研修に参加した学生同士の中でな
かった。しかし、まだ自分の言いたいことの半
分も伝えられず、相手の言っていることもあま
〇 日韓関係について韓国からの視点を知る
り理解できないので、まだまだ学ぶべきことは
この目標は現在の日韓関係、特に政治問題(竹
たくさんある。今後も語学力向上のために韓国
島・独島の問題、慰安婦問題など)について、
語の授業の履修や韓国語能力試験の受験を考え
日本の視点だけでなく韓国からの視点を知るこ
ていて、今回西江大学で学んだことを活かして
とが、これらの問題を考える上で重要だと思い
いきたいと思っている。
設定した。この目標を達成するために現地で韓
国人学生と議論をしようと考えていたが、これ
〇 韓国人との積極的な交流
はそれほど簡単なことではなかった。
2 つ目の目標として挙げた「韓国人との積極
バディはとても親日的な人だったので、先ほ
的な交流」は十分達成できたと思う。私は韓国
ど例を挙げたような現在日本と韓国の間にある
に行く前は、現地で日本人ばかりで集まって韓
問題について我々と議論をしてくれたが、バ
国の人とあまり交流できないのではないかと恐
ディの話では、仲良くなった韓国人学生であっ
れていたので、そうならないために自分で積極
てもあまりこれらの話題については触れない方
的に交流することを目標に挙げた。いくら韓国
が賢明だという。というのも、韓国人の中には
で生活するとは言っても、現地の人と接しなけ
日本人は好きだけれども日本の政治や歴史認識
れば、その文化や価値観は学べないと思ったか
については反日という人が多くいるらしい。そ
らだ。実際現地での生活はバディとご飯を一緒
のため、安直にこの話題を出すのは友好関係を
に食べたり、少し遠くに出掛けたりと韓国の学
悪くする可能性があり、韓国人学生とはあまり
生と多くの時間を一緒に過ごすことができた。
深くは議論できなかった。
また、西江大学の学生が実際に受けている授
しかし、そのバディからは竹島・独島に対す
業に参加することもでき、授業内で日本につい
る韓国人の考え方や、韓国での歴史教育につい
て勉強している韓国人学生と話す機会が多く
て話を聞き、韓国人のこれらの問題に対する感
あった。彼らから韓国人が実際に抱いている日
覚のようなものを初めて感じることができた。そ
本のイメージについて聞くこともできた。そう
してやはり、日本と韓国では流されている情報に
7
若干の違いがあり、メディアで言われていること
他人の意見を聞くということが大切だというこ
を鵜呑みにするのはとても危険なことだと改め
とを学び、もちろん自分に対する自信や積極性
て感じた。当初考えていたようには議論すること
を持つことも重要だと改めて感じた。こうした
はできなかったが、新たな知識・情報・視点を
ことを学び、感じる中で、もっと異文化に触れ
得ることができたことは大きな成果だと思う。今
ることで自分を成長させ、将来グローバルな人
後は今までの知識と今回学んだことを合わせて
材として活躍できる人間になることが今後の目
もう一度考え直すことで、偏りのない客観的な
標であると思った。今後は機会があれば長期留
視点から現在の日韓関係を捉えていきたい。
学をして、この新たな目標を達成したいと考え
ている。今回の留学は自分の今後の人生にとっ
〇 終わりに
て、とても重要なものであったと思う。今回の
今回の研修では目標に掲げた以外にも本当に
経験をきっかけにしてこれからもより多くの経
多くのことを学ぶことができた。異文化に囲ま
験をし、もっと色々な視点から物事を見ること
れて暮らす中で、自己主張と同等かそれ以上に、
で自分の視野を広げていきたいと思う。
研修を終えて
法学部 1 年 林 英里奈
〇 はじめに
興味を持って、日韓関係について考え続けてい
私はこの研修に参加するにあたって 3 つの目
るのかを考える、ということである。私は、昔
標を立てた。この報告書では、韓国での経験を
から国際関係に興味を持ってきた。その中でも
踏まえ、この 3 つの目標の振り返りと達成につ
高校生の時から日韓関係について考える機会は
いて書いていきたい。
多かった。しかし、それはたまたま無料で海外
に行けると思って申し込んだキャンプが韓国と
8
〇 3 つの目標
のものだっただけであり、特に韓国自体に興味
1 つ目の目標は韓国語の習得である。私は高
があったわけではない。そして、韓国の友達と
校 2 年の夏に「日韓高校生交流キャンプ」に参
のつながりに引っ張られて、今まで日韓交流を
加して、それ以来韓国の高校生と交流する機会
してきた。しかし、今後進路を考えるにあたっ
を与えられてきたが、彼らとはほとんど日本語
て、このあたりで 1 回自分のしてきたことの意
で意思疎通をとってしまっていた。韓国の高校
味を考えるべきではないかと思ったのである。
生、特にいわゆる外国語高校に通う高校生たち
3 つ目に、長期留学の意義を見つけ、目標を設
は本当に日本語が堪能なのだ。今までそんな状
定することである。私は、幼少時から「留学」と
況を申し訳なく思いながらも、ずっと甘えてし
いうものにあこがれを持ってきた。一橋大学を志
まっていた。しかし、彼らが日本語を学んで、
望したのも、一つには如水会留学制度の存在が
使ってくれることはうれしいことであり、逆に、
ある。しかし、
「なぜ留学したいのか、留学先で何
私が韓国語を学ぶことで彼らに喜んでもらえる
を学びたいのか」と聞かれると正直明確な答え
のではないか、もっと仲良くなれるのではない
を出せなかった。そこで、1 か月ではあるが、留
か、と考えたのである。
学というものを体験することで、長期留学に向け
2 つ目の目標は私がなぜ外国の中でも韓国に
ての目標を見つけられたらと思ったのである。
次に、上記 3 つの目標は達成できたのか、と
韓関係が他の国際関係と違う点は両国の地理的
いう話に移りたい。まず、1 つ目の目標、韓国語
な近さにあると思う」とおっしゃっていた。次
の習得については、正直1か月では、韓国語が
に如水会の OB の方は 2 つ目の質問に対して、
習得できたと言えるレベルには達していないと
「確かに、韓国の人口は商売をするには少ない。
私は考えている。確かに日本で 1 年間習ってき
しかし、日本企業は韓国に拠点を置いて、中国
た文法を会話に活用できるようにはなったと思
やモンゴルにも進出している。また、韓国は金
う。街に出たら、韓国語で店員さんや周りの人
融があまり強くないので、韓国企業の海外進出
に話しかけるということも研修の最後には出来
などで多額の外資が必要になった際には、日本
るようになった。しかし、自分の質問に対して
の銀行が韓国の銀行に融資をして、そのお金で
韓国語で回答されると、もう何を言っているの
韓国の銀行が融資を行うこともある。」とおっ
かわからない。とても悔しい思いを何度もした。
しゃっていた。
日常会話でさえ習得したとは言い難いというの
こうした話を聞いて私が出した結論は、「日韓
が正直な感想だ。しかし、逆に言語が通じない
関係の特異性は両国の距離の近さだ。
」というこ
環境におかれることで、自分が普段の生活にお
とだ。これはある意味当たり前のことで研修前
いてどれほど言語から情報を得ているかを実感
から薄々感じていたことではあるが、実際の社
することになった。例えば、先の話で言うと、
会で活躍されている先輩から実感のこもった話
店員と会話ができないと、満足のいく買い物は
を聞くことで、確信を持つことができた。時は
できない。人間関係の円滑さやその規模も現地
国際化の時代である。今後世界中の国々と関係
の言葉の習熟度によって変わってくるのだと、
を築いていく際に、別々の国として動くのでは
周りの参加者や留学生を見て思った。私は英語
なく、距離の近さやお互いのアドヴァンテージ
を多少は話すことができるので、今まで英語圏
を生かし協力していけるのが日本と韓国なのだ
以外の国に旅行に行ってもなんでも英語で用事
と私は考える。自分なりの日韓関係の意義を見
を済ませてしまっていた。しかし、これからは
つけることができたことで、今まで自分が韓国
現地語を覚え使う努力をしていこうと反省した。
の学生と交流を続けてきたことが将来につなが
2 つ目の目標は私がなぜ外国の中でも韓国に
る意味のあるものだと改めて認識できた。これ
興味を持って、日韓関係について考え続けてい
からも今まで築いてきた交流を絶やさずにして
るのかを考える、ということだった。この目標
いきたいと思う。
に関しては研修期間中に十分に考えることがで
最後の目標は長期留学の意義と目標をみつけ
きたので、達成できたと考える。私はまず、研
ることだった。これについては明確な 2 つの意
修 1 週目の一橋独自プログラムで、如水会や韓
義を見つけることができた。留学は①自分自身
国総同窓会の方々にそれぞれ、「国際関係の中で
について見つめなおす機会、②日本について見
も特に日韓関係が重視されるのはなぜか。」
「韓国
つめなおす機会だと言えるのではないか。私が
の人口は5000万人で韓国企業でさえ国内需
このことを実感したのは、ある日、韓国人の友
要だけでは経営が成り立たないと、海外進出を
達と 2 人で夕ご飯を食べていた時のことである。
進めている。それなのになぜ日本企業が韓国に
女子同士のたわいもない話をしていたのだが、
進出するのか。
」という質問をした。それに対
ふとした瞬間に友達が「えりなって日本人らし
する回答は次のようなものだった。まず、韓国
い性格だよね。」と言ったのだ。この言葉は、私
修報告書
総同窓会のキム会長は最初の質問に対して「日
研
〇 目標の振り返りと達成
9
にいろいろなことを考えさせた。
「 日本人らしい
まだ分からない。しかし、この先自分がどんな
性格って何なのだろう?」「私ってほかの人から
人間なのか、何に興味があるのかをしっかり把
どう見えているのだろう?」「日本人からと韓国
握しなくてはいけないと思う。例えばそのよう
人からでは私の見え方って違うのかな?」など。
な深い自己理解が必要となってくるのは直近で
一般的に日韓の人の気質を比べると、韓国人
いうと就職活動である。長期留学によっていろ
は直接的であり、日本人は間接的であまり自分
いろな人と交流し、様々な物差しで自分を見る
の意見を主張しないといわれる。彼女にとって
ことで自分という人間をしっかりと把握して、今
も日本人とは控えめな性格のイメージで、私も
までの人生のまとめを一回行い、これからに生
それに当てはまったのであろうか。日本人らし
かしていきたいと思うようになった。また、留学
い性格だと言われたのは初めてで、最初は少し
先での友達とのかかわりから自分を見つめ直す
戸惑った。しかし、今まで日本人のコミュニティ
というアプローチは、日本人としての自分を考
の中でずっと生きてきた私にとって、それはい
えるということでもあり、日本自体について考え
つもとは全く違う物差しで自分がみられている
る機会にもなるのではないかと考え、留学の意
ということでとても新鮮な気分だった。考えて
義は「自分自身、日本について考えることがで
みると彼女の指摘は確かに当を得ていて、私は
きること」という結論を出したのである。
ふとした場面で遠慮したりするところがある。彼
女の言葉から、私は自分について 1 つ深く知る
〇 終わりに
ことができたように感じた。同時に長期留学を
今回の研修は 1 か月という限られた時間では
してもっといろいろな人に出会えたら、より多く
あったが、自分の今までの活動を振り返り、今
の側面から自分を見ることができるのではない
後の長期留学さらにはそのあとのキャリアを考
かと思った。先にも述べたように私は、今まで
える良い機会となった。このような機会を与え
なんとなく自分がやりたいこと、なんとなくやっ
てくださった大学の方々、如水会の方々、そし
ていて楽しいことを選んで人生を進めてきて、
て一緒に過ごしてくれた仲間に感謝の気持ちを
自分の本当の興味、軸になるものは何なのかが
伝えたい。
研修報告書
法学研究科 修士 2 年 呉 暁飛
〇 はじめに
研修前に私は 4 つの目標を設定した。
(1)韓
韓国で4週間、非常に有意義な時間を過ごし
国語をしっかり勉強する、
(2)韓国の文化などを
た。西江大学のプログラムは 3 週間であったが、
理解する、
(3)韓国人の友達を多く作る、
(4)自
一橋大学の学生は一橋独自プログラムのため 1
分の視野を広げる、の 4 つである。これらの目
週間前にソウルに到着した。そのプログラムで
標がどの程度達成されたか、そして何を学び、
は、様々な施設や観光名所を見学したり、OB・
何を得たかを報告する。
OG を訪問したりすることができた。たまに寝不
足になったり疲れたりしたこともあったが、今
振り返ってみればいろいろなことを体験するこ
とができ、充実していた。
10
〇 目標に対する振り返り
(1)韓国語をしっかり勉強する
就職活動で韓国企業の内定をいただいたこと
をきっかけに、韓国語の勉強を考え始めた。韓
(2)韓国の文化などを理解する
西江大学での 3 週間は、韓国語の授業のみな
も話せるようになるという目標を実現するため、
らず、韓国学の授業も毎週受けた。この韓国学
現地で勉強するチャンスを得ようと考え、この
の授業によって、韓国の文化や社会についての
研修に参加した。
理解が非常に深まった。具体的に、主に歴史、
西江大学の韓国語の授業は、会話中心であっ
法律、韓国語学、経済、政治などに関する講座
たため、初心者の私も、3 週間で聞き取りと会
を受けた。
話力はかなり上達した気がする。これも、分か
韓国の歴史の授業では、2000 年に渡る韓国
りやすく、楽しい授業をしてくれた西江大学の
の歴史の概要を学ぶことができた。韓国文化の
先生方、ともに学んだ友人たちのおかげであり、
授業では、韓国人の過去と現在の居住状況、食
感謝している。
べ物、服装について分かりやすく教えて頂き、
しかし、授業以外の環境では、自分の思うよ
多くのことを学んだ。韓国の法律の授業では、
うに会話ができず、やはりもどかしく、悔しい思
「韓国と日本司法制度の相違」
、
「立法・司法・行
いを何度もした。そのたびに、自分の能力は「韓
政関連の意識」などを比較して理解することが
国語初級者」レベルにも全く届かないと実感し
できた。韓国語学の授業では、「韓国語と日本語
た。これからもっと韓国語学を学びたいと思う。
の類似点と相違点」と「言語に見られる文化の
今回私たちは西江大学の学生と同じホテルに
影響」について、勉強になった。特に、世の中
泊まることができたにもかかわらず、彼らが日
の 40% の人が使っている言語が日本語・韓国語
本語を上手に話せたため、会話はいつも日本語
と同じような SOV 型の言語であることには驚い
だった。これが今回の研修において最大の反省
た。これは私が想像していたより遥かに多いと
点である。途中からは、少しでも韓国語で会話
感じた。韓国経済の授業では、韓国経済の概要
をしようと試みたが、知っている単語や文法が
を知ることができた。そして、韓国経済と日本
あまりにも少なく、全く会話にならなかった。
経済の比較についても、「先進国の市場における
自分の語学力のなさを痛感するとともに、非常
日系企業の強み」及び「新興国の市場における
に悔しく思った。幸いに、授業では、勉強した
韓国企業のビジネスの仕方」を分かりやすく勉
単語などを繰り返しているうちに、自然に覚え
強することができた。
るようになったこともある。今後も、韓国語で
また、様々な歴史的文化的施設の見学や体験
会話をする機会があれば、積極的に自分から会
によって、韓国の文化や歴史を身近に感じること
話を試みたい。
ができた。ソウルツアーでは、故宮の見学、キ
「韓国語をしっかり勉強する」という目標は、
ムチ作り、マッコリ試食など、色々な文化体験
思ったほどの会話力は身につかなかったものの、
をした。遠足では、手に汗握る網渡り、迫力溢
毎日授業を受けるのみならず、ホテルに帰って
れる馬上武芸、韓国式結婚式などの伝統文化公
からもよく復習するなど、努力を怠らなかった
演を見たり、乗馬も体験した。またエバーランド
ので、全体的に達成されたと思う。しかし、私
というサムスンが経営するテーマパークも訪れ
がこれから働く環境では、ビジネス会話レベル
た。そして、最初の週に、一橋プログラムとして、
の韓国語能力は必要不可欠であるため、今回の
独立記念館、龍仁 MBC ドラミアなども見学した。
研修で学んだものを踏まえて、これからも引き
本当に韓国のすべてを体験した気がした。
修報告書
るだけ効率的に勉強し、入社するまでに少しで
研
国語を学んだ経験が全くない私にとって、でき
続き頑張りたい。
11
(3)韓国人の友達を多く作る
館を見学して感じたのは、領土・歴史問題は自
友 達 作 り は、 一 橋 大 学 OB の 訪 問 お よ び 西
分のルーツに関わる感情的な問題で、韓国人が
江大学生とのコミュニケーションから始まっ
持っているこれらの問題に関する意識は非常に
た。一橋大学 OB の方々、西江大学の学生やバ
強く、冷静に議論することが大変困難だという
ディとの交流、大学の講義、そして韓国での生
ことであった。故宮見学の際にも突然、知らな
活を通して、韓国の生活習慣、歴史認識および
い韓国人に「日本に帰ったら、独島が韓国の領
社会問題を知ることができた。そして、韓国人
土だと日本人に伝えてください」と言われた。
の友達を作るという目標は十分達成されたと思
国際理解の本質的な難しさを実感した。
う。授業への参加や、日本語を勉強している韓
しかし、OB・OG 訪問や企業訪問では、日韓
国人の学生とお互いに言葉を教え合う語学交換
が経済的に深く繋がっていることを実感した。
プログラムによって、たくさんの友人と様々な
色々な問題について、お互いに意見が合わない
話をすることができた。彼らは日本語が非常に
日本と韓国が、自国の発展のために、経済的な
堪能で、日本に大変興味を持っている人ばかり
協力をしっかりしているのも現実である。その
であった。彼らから話を聞いて、社会習慣の違
ため、それなりの寛容または広い心が不可欠で
いを実感したり、彼らから見た日本の不思議な
ある。似たような課題に日中また中韓も直面す
ところを指摘されるのは大変面白かった。その
る可能性はある。私たち若者は前向きに、また
中には、日本人ではない私にとって、
「なるほど」
心をオープンにすべきだと思う。
と思うこともたくさんあった。
日本での留学生活の 2 年間は、勉強に忙し
〇 おわりに
い上に、言葉や習慣上の壁もあるため、一人で
この研修では、韓国語を勉強しただけではな
活動することが多く、このように多くの人と出
く、自分の世界を広げることができ、韓国に対
会って友達を作り、コミュニケーションする
する新たな理解を持てたと思う。学生時代最後
チャンスはなかなか無かった。これからも自分
の 1ヶ月間をこんな風に暮らすことができたこ
と同じように日本に興味を持っている韓国人の
とを嬉しく思う。社会人になっても、今回の経
学生と友人関係を継続していきたい。
験を周りの人に伝えながら、学んだものを活か
(4)自分の視野を広げる
していきたい。最後に、このような充実した研
日韓の間には、領土や歴史認識にまつわる問
修生活を支えてくださったすべての方に感謝の
題がある。韓国の人々、韓国で働く日本の人々
意を表したい。
から様々な話を聞き、さらに韓国の独立記念
留学でしか経験できない学び:
言語の習得と韓国社会についての学び
12
社会学研究科 修士 2 年 田口 吉孝
博士課程へ進学するにあたって韓国を今後の
鮮で多くの学びにあふれる充実した期間となっ
中心的なフィールドにしていく私は、語学と文
た。
化の学習を短期海外研修の目的の中心に据えて
本報告ではこの度の研修で掲げた目標である
いた。また、海外留学自体が初めてであった私
①韓国語の習得と②韓国の文化 / 歴史の理解に
にとって、韓国での 1ヶ月間の生活は非常に新
ついて述べ、最後に研修での学びを今後へと活
かす目標を記していきたい。
〇 韓国の文化 / 歴史の理解
その子ども」について研究テーマを設定してい
今後の大学院の研究において韓国に暮らす
るため、その素地として韓国の文化や歴史を学
人々にインタビューをお願いすることを計画し
ぶことも非常に大きな目標であった。
ている私にとって、語学の習得はこの研修の大
短期研修では教科書で学ぶことのできない韓
きな目標の 1 つであった。学部時代には他大学
国の人々の歴史に対する意識や、韓国社会の文
の朝鮮語専攻に所属していたため、2 年間の朝
化的側面について多くの知識を得ることができ
鮮語の学習経験があったが、その際の学習内容
た。
はやはり読み・書きが中心で会話を訓練する機
(1)歴史認識
会が非常に少なかった。インタビューにおいて
本研修では「一橋プログラム」と呼ばれる独
は、教科書で習うことのないような相槌表現や
自のプログラムが開講されている。北朝鮮との
短縮表現、聞き取りの力なども試されるので、
国境沿いにある DMZ(非武装地域)や独立記念
韓国で実際に生活する中で習得していく必要が
館、近代的な商業施設の中心となる DMC(デジ
あった。
タルメディアシティ)
、西大門刑務所の見学など
西江大学の授業は会話中心のプログラムが特
である。
徴的で文法のみを習うということはなく、すぐ
ここでは特に印象の深い西大門刑務所と独立
にその文法を使用した会話の練習を行う。また
記念館について取り上げていきたい。それぞれ
レベル別の授業であるため、クラス内の友達と
の施設の説明は本報告書の後半に掲載されてい
の練習も非常に効率的である。また、例文の内
るので割愛する。
容は「タクシーの乗り方」や「買い物の仕方」
、
まず西大門刑務所はかつての日本の植民地時
「電話で明日の予定をきめる」など、日常生活に
修報告書
〇 韓国語の習得
研
大学院の研究では「韓国における国際結婚と
代に日本軍によって建設されたもので、古い煉
非常に密接するもので、授業で習ったその日に、
瓦やそこに残る銃弾の痕跡はその時代を彷彿と
お店やレストランでその表現を使用する経験も
させた。扉を閉めると暗闇に閉ざされる地下監
できた。留学の当初は、レジの店員の言葉が早
獄や、実際に死刑が執行された場所、収監され
すぎて聞き取ることができず、またとっさに返
た人々を隔離した運動場などを見たが、歴史の
事をすることができないという状態であったが、
重みや戦争の責任について非常に考えさせられ
学習を進め、日常生活で繰り返し練習すること
た。
「 歴史」というものそれ自体を知識として
によって、次第に言語に慣れ、レジでスムーズ
知っているレベルと、実感として知っていると
なやりとりができるようになっていった。お店
いうレベルは異なっているという事が見学を通
だけではなく、一緒に留学した同期メンバーや
してわかった。反日デモについて考える際も、
西江大学の学生であるバディとの会話も積極的
単なる感情論だけで問題を捉えてしまうのでは
に韓国語で行う努力をした。たどたどしい会話
なく、問題の根底にこのような歴史的経験の蓄
も少しずつではあるが改善されていった。
積があるということを日本から来た者として忘
「言葉は生き物」と言われるように、このよう
れてはならないと強く感じた。
な実生活で韓国語を使用する経験は言語習得の
次に独立記念館の見学の際に、韓国の人々の
上で非常に重要なものであった。
歴史認識について学ぶことができた。
「三・一独
立運動」を中心に据えた展示もさることながら、
13
私たちと同じ時間に展示を見学に来ていた韓国
ているということがわかった。受験に対する競
の一般の人々が特に印象的であった。平日にも
争が激化する中で、富の有無と教育機会の質が
かかわらず、独立記念館には多くの人々が見学
直接的に関連し、格差の構造が再生産もしくは
に来ており、しかも高齢者や軍人だけではなく、
強化されていくという状況が広がっている。こ
小さい子どもを連れた親子連れや高校生・中学
れは私の研究テーマと関連する、外国人労働者
生のグループも多かった。特に、私たちと平行
の移民受け入れの問題や「多文化家族」に関連
して展示を見学していた親子については、それ
する一連の問題群を韓国に引き起こす要因のひ
ぞれの展示のたびに親が子どもにパネルを読み
とつになっていると考えることができる。
ながら熱心に歴史的な問題について教えている
これらの社会的な構造の側面や歴史的な側面
姿が非常に心に残った。日本と韓国の差異とし
は、韓国という国に直接生活したことで実感的
て歴史認識の問題が取り上げられるが、その際
に学ぶことができ、非常に価値のある経験と
は学校教育について触れられていることが多い。
なった。
しかしながら、この見学の経験のように、実際
には家庭内でも歴史の教育というものが続いて
〇 今後にむけて
おり、小学生のような幼い時期から「帝国主義」
短期海外研修プログラムは単に留学して終わ
や「領土」などについて学んでいることがわか
りなのではなく、その後の生活や将来にどのよ
り、そのような経験自体が日韓の歴史認識の差
うに経験を活かしていくのかという観点が重要
異につながっているという事を実感した。
となってくる。
(2)韓国の社会について
本研修では言語や文化、慣習的行為、政治体
として学んだ事、また実感として学んだ事をも
制、法律など韓国社会の幅広い側面から韓国の
とに、自らの研究を発展させていきたい。さら
社会について学ぶことができた。授業ではもちろ
に、留学というひとつの経験を経ることで、来
んのこと、日常生活のあらゆる側面(学生同士の
年度に長期の留学をするという次なる目標を持
何気ない会話、新聞の一面記事、食事のマナー、
つことができた。現在考えているのはアメリカ
コミュニケーションの作法)で感じられた。
への留学だが、異なる言語・異なる文化の国で
経験的に得られた知識の中でも特に印象的で
生活したという本研修での経験を留学先の地で
あったのが、2 月 26 日にソウル市庁舎前を多く
十分に活かしていきたい。
の労働者が占拠したデモを目撃したことである。
異なる文化や言語の土地であるという条件に
韓国は現在、日本を追い越すほどの急激な高齢
よって、留学期間中は自分自身の意見を率直に
化と少子化を経験していると同時に、格差社会
相手に伝え、また相手の意見に耳を傾け、なぜ
が深刻化しているということが指摘されている。
そのように考えるのかを相手の立場に立って考
デモでは賃金引き上げや労働条件改善などを掲
えるというコミュニケーションの基礎とも言う
げる旗が立ち上り、多くの人々が各地から集
べき態度をあらためて学び直すことにもなった。
まっている様子で、それを取り囲む警官隊の数
この経験は単に研究の世界や次の留学というレ
も非常に多く、日本ではあまり感じられないよ
ベルに留まらず、今後の人生の中でも他者との
うな非日常的空間が目の前に広がっていた。韓
コミュニケーションをとる上で活かしていきた
国の学生やバディと話す中で、この社会的な階
い。
層格差が教育の機会の不平等化にも影響を与え
14
すでに博士課程に進学した現在、韓国で勉学
研
プログラム 概 要・参 加 費
修報告書
プログラム概要
本プログラムは西江大学の協定校(一橋大学・上智大学・明治大学・立教大学)の韓国語を学びた
い学生や韓国に関心のある学生を対象とし、3 週間にわたり西江大学において西江大学とその協定校の
プ
相互協力および交流を促進するために設けられた特別短期プログラムです。
ログラム概要・参加費
西江大学でのプログラムは主に、韓国語講座・韓国学・文化研修とその他の活動から構成されてい
ます。韓国語講座は語学のレベルによりクラス分けを行い、丁寧な指導のもと少人数の授業が行われ
ます。
韓国学は、韓国の文化や歴史、経済など幅広い一般教養を日本語で受講する授業です。単なる語学
だけでなく、韓国を包括的に理解するために用意された授業群で、現地の生活とともに韓国をより知
ることができる授業です。
これらに加え、日本への留学を考えている学生がバディとして私たちの面倒を見てくれる他、日本
語を勉強している学生の授業に参加して交流を図るプログラムや西江大学が企画してくれるトリップ
ツアーなども準備されています。
また西江大学でのプログラムが始まる前に、私たち一橋大学は 1 週間韓国文化体験、DMZ・板門店
見学、企業訪問、OB 訪問などの本学独自プログラムを行いました。
2013 年度における 4 週間のプログラム全日程の費用を参考として載せておきます。
参加費
宿泊費(ホテル滞在:2 人部屋、食事なし) …… ¥73,032
成田空港−仁川空港間の往復航空券代金 ………… ¥45,000
燃料サーチャージ代 ………………………………… ¥4,600
成田空港施設利用料、現地空港税額 ……………… ¥5,260
現地地上手配費用 …………………………………… ¥37,000
海外旅行保険料 ……………………………………… ¥17,470
手続代行料 …………………………………………… ¥35,000
合計 ………………………………………………… ¥217,362
*一橋大学より奨学金として 5 万円
この他に、韓国での生活費(食費・土産代など)が約 5∼8 万円(渡航前準備参照)
15
韓 国 につ いて
国 名
大韓民国
面 積
韓半島全体 223,170 km2 韓国 100,032 km2
首 都
ソウル
人 口
約 5,000 万人
政治体制
大統領制 現大統領 朴槿惠(西江大学電子工学科卒)
通 貨
ウォン
言 語
韓国語(ハングル文字)
1443 年に朝鮮時代の第四代国王の世宗大王と当時の学者によって考案された。
伝統衣装:韓服(ハンボク)
現在も結婚式、還暦、正月(ソルラル)やお盆(チュソク)
などで用いられます。上着はチョゴリで、男性はパジ(ズボ
ン)
、女性はチマ(スカート)を着用します。
憲法と政府:
1948 年 7 月 17 日に大韓民国憲法が制定されました。大統領
制の下、一院制国会の立法府、地方 / 高等裁判所・大法院(最
高裁判所)で構成される司法院、行政府の三部によって国家
機関が構成されています。
首都:ソウル
朝鮮王朝時代から 600 年以上首都となっています。人口
1,000 万人を越え、漢江(ハンガン)が中心を流れてい
ます。明洞や東大門市場などの大規模な商業地域や江南
などのオフィス街、最新の産業地である DMC(デジタ
ル・メディア・センター)などとともに、朝鮮時代の王
宮であった景福宮や昌徳宮なども存在し、南山からはソ
ウルを一望することができるエヌ・タワー(ナムサンタ
ワー/ ソウルタワー)があります。
16
コンセントの変換プラグ
: 日本と韓国ではコンセントの形が違うので注意。
電圧も違う(日本 110V、韓国 220V)が、たいて
いのパソコン、スマートフォンは 250V ぐらいま
では使えるので、変圧器はなくても問題なかった。
薬
: 胃薬や便秘薬、痛み止めなど風邪薬以外にも
持っておくと安心。
着替え
: 韓国でも買えるため、また買うのも楽しいので
あまり多くはいらない。
防寒具
: 今年は比較的暖かかったが、それでも 3 月で最
高気温 1 ケタが普通。また乾燥しているので日本
よりも体感温度は低い。マフラー・手袋は必要。
名刺
: OB 訪問の際に使う。先輩方も名刺をくださる
のでお返しできた方が良い。
歩きやすい靴
: 歩くことが多く、西江大学内もアップダウンが激
しいため、歩きやすい靴が 1足はあった方が良い。
◇あると良いもの(必要度○)
韓国語の参考書
観光のガイドブック
: 日本語で書いてある本があると安心。
◇韓国にあるもの(必要度 ×)
バスタオル
:頼まずとも 2 日に 1 回は交換してもらえる。フ
ロントで頼めば毎日でも。
ドライヤー
: どちらもカサビルについている。ただしシャン
プー・リンスはない。でもそれらも 2、3 日分
あれば、あとは韓国で大きいサイズを買えるの
で問題ない。
携帯レンタル
: カサビルでは wifi が使える。街中やお店でも使え
るところが多い。私たちは、レンタルなどはせず
に、無料 wifi を頼りに生活していて大きな問題は
なく過ごせた。ただしこれはメンバーと要相談。
航前準備
2.持ち物
◇必ず持っていくべきもの(必要度◎)
洗濯用のハンガー・洗濯紐・洗濯ネット
買い物袋
: 韓国はレジ袋は有料。エコバッグなどがあると
便利。
渡
歴史の勉強
: 独立記念館や DMZ など歴史に関わる場所に多
く行くので歴史を少しでも知っているとより理
解が深まる。特に受験で世界史選択ではなかっ
た人は勉強しておくと良い。
日韓関係の話
: 日韓の間では歴史認識問題や竹島問題など多く
の問題がある。それぞれの立場や意見を勉強し
ておいた方が、韓国の学生と話す機会を得られ
た時たくさん話せるので良いだろう。
ハングルの学習
: 意味は分からずとも、読み方の基本を知ってい
れば町中の文字を読んでみたりできるので、楽
しく過ごせる。
国について
1.渡航の事前準備
韓
渡航前準備
3.費用の目安(1 ウォン=約 10 円)
食費
:3 万円弱、安い食べ物もあるので節約可能。朝
とお昼は軽めに食べ、夜お店でたくさん食べて
も 1 日 1,000 円ぐらいで大丈夫。
雑費
: 1 万円(交通費、遊び代、ホテルで使うもの代
など含む)
お土産代 :人それぞれ。2 万円ぐらい。
4.危機管理について
緊急連絡先の用意
: 携帯に登録し、さらに紙にも書いて財布に入れ
ておいた方が良い。
パスポートや現金の管理
: カサビルには金庫がないので、フロントに預け
てしまうか、スーツケースに入れて、鍵をかけ
るなどして、きちんと管理しよう。
現地で事件・事故に巻き込まれないために
: 韓国の方は非常に義理人情に厚く、困っている
と全く知らない人でも、片言の日本語や英語で
話しかけてきてくれることもある。ただし絶対
に良い人という保証はないので、むやみに人を
信用しないようにするべき。
17
宿 泊 先とそ の周 辺
研修中は新村のカサビル・レジデンス・ホテ
ヒーなども飲むことができました。また 2 階に
ルに滞在しました。西江大学までは徒歩 10 分程
はコインランドリーがあり、洗濯機が約 100 円、
度であり、梨大・弘大といった活気のある学生
使い捨て洗剤は約 50 円で利用できます。そし
街にも歩いていける場所にあります。また、ソ
て、各階にウォーターサーバーがあり、飲料水
ウルメトロ 2 号線新村駅がすぐ近くにあるため、
としてはもちろんのこと、お湯を調理に利用す
地下鉄移動にも非常に便利です。
ることもできます。各部屋では wifi に接続する
ホテルでは、基本的に 2 人で 1 部屋を利用し
ことができるので、ホテルにいる間はパソコン
て 共 同 生 活 を 送 り ま す。 シ ャ
もスマートフォンもとても快適に使うことがで
ワー、トイレは
きます。
も ち ろ ん、 小 さ
ホテルの隣にはスーパー(グランドマート)が
なキッチンもあ
あるため、食料・生活必需品の買い物に非常に
り ま す。 ド ア は
便利です。またコンビニと薬局が建物を出てす
オ ート ロ ッ ク で、
ぐ右にあります。飲食店もたくさん並んでいて、
カ ー ド キ ー で す。
韓国料理はもちろん、日本料理、中華料理もあ
カードキーはフロ
ります。ホテルの前にはホットクやトッポッキ、
ントで デ ポ ジ ット
キンパなどの屋台が立ち並んでいるため、韓国
金を前払いすれば
の屋台の味を楽しんでみるのも良いでしょう。
合鍵を作ることがで
きます。週 2∼3 回
部屋にあるもの:シャワー・トイレ・洗面台(ユ
掃除に来てもらえるので 衛生面の問題はあり
ニット式)
、ドライヤー、小さい石鹸、タオル、
ませんでした。部屋は床暖房が効いているので
キッチン、冷蔵庫・冷凍庫、電子レンジ、フラ
非常に暖かいです。ただし、温度調節が部屋ご
イパン、食器、カトラリー類、テレビ、WiFi、
とにできないため、暑いときは部屋の窓を開け
収納(壁・ベッド)
、ソファー、机、椅子、下駄
るなどして対応しました。
箱、傘
ホテルの設備についてですが、ロビーは 15
部屋にないもの:シャンプー、ボディーウォッ
階にあり、チェックイン・チェックアウトはこ
シュ、歯ブラシ、ハンガー(足りない)
、照明器
こで行います。無料でコー
具(備えつけの物は暗
く、読書は難しい)
18
宿
西江大学概要
泊先とその周辺
西江大学(Sogang University)は 1960 年、イエズス会の教育理念により
カトリック系の大学として創立されました。ソウル大学、延世大学、高麗大
学などと並んで名門大学として称される大学です。現在(2014 年 6 月)の
韓国第 18 代大統領、朴槿恵も西江大学の出身です。規模は学部・大学院を
合わせて学生数が 1 万人程度で、文学部、社会学部、コミュニケーション学
西
部、法学部、教養学部、経済学部、経営学部、自然科学部、工学部、他に副
江大学概要
専攻の学科もあります。ソウル北西部の新村に位置し、延世大学、梨花女子
大学も近くにあり、近辺は学生街らしい雰囲気です。
西江大学は、入試においては経営学部の難易度が一番高く、またビジネススクールを有しているな
ど経営学が強い大学です。他の大学に比べると規模が小さく、レベルの割には知名度が低いなど、一
橋と似ている部分が多いようです。
19
韓国語学
今回の研修の最大の目的の一つである韓国語の授業。研修の中で一番ためになったとともに一番楽
しかったプログラムでもあります。授業は 2 人の韓国人の先生が担当し、全て韓国語で行われます。
もちろん始めは先生の言っていることが 10%も理解できませんが、授業を重ねるごとに段々と言って
いる意味が分かるようになるので大丈夫です。最終的には言っていることの 80%ぐらいは理解できる
ようになりました。
〇 授業内容
〇 レベル別授業
授業の内容としてはスピーキング、リーディ
授業は韓国語の能力に応じてレベル別にクラ
ング、リスニング、ライティングの時間があり
ス分けされるので、自分に合ったレベルで学ぶ
ますが、特にスピーキングの時間が多く、韓国
ことができます。西江大学の語学の授業は評判
語を話す機会がとても多かったです。授業内で
に聞いていた通りとても質が高く、特に会話力
ももちろん決まったフレーズや会話などを先生
はここで授業を受ければ間違いなく格段に上達
とまたは生徒同士で繰り返し練習しますが、授
すると思います。韓国語を全く話せない人も 3
業後の先生とのフリートークの時間も会話力向
週間西江で勉強すれば間違いなく日常会話ぐら
上の要因だと思います。フリートークの時間は
いはできるようになります。今回参加した人も、
前日の夜ご飯の話や好きな音楽の話など本当に
お互いに韓国語で簡単に会話できる程になりま
他愛もない内容でしたが、それこそ実際の会話
した。
でよく使われる単語や表現がたくさん使われて、
生きた韓国語を学べたように思います。
参考として授業の時間割を下に載せておきま
す。
20
授業時間
科 目
1
1:30∼2:20
スピーキング
2
2:30∼3:20
スピーキング
3
3:30∼4:20
スピーキング・リーディング・
リスニング
4
4:30∼5:20
スピーキング・リーディング・
リスニング
韓
韓国学
国語学
きく関係しています。日本は議院内閣制のため、
研修中は午前中に週 2 回文化、経済、歴
のスケジュールは以下の表のとおりです。
韓国の経済の授業を紹介しようと思います。
い上げ、国会でも議題となります。しかし、韓
国は大統領制のため大統領の意思が国の政策に
国学
ここではその中でも、私が特に心に残った
地方出身の国会議員がその地方の農家の声を吸
韓
史などの韓国学の授業を受けました。授業
大きく反映され、地方農家の保護はあまり重視
されないのです。
次に韓国の経済の特徴のひとつに財閥の大き
〇 韓国学スケジュール
な影響力があげられます。財閥は単なる既存の
3 月 4 日(火)
韓国の歴史
事業規模の拡大だけでなくグループの系列企業
3 月 6 日(木)
韓国の文化
数を現在でも増加させ続けています。中小企業
3 月 10 日(月) 韓国の法律
を興しても、最終的には財閥の傘下に収まって
3 月 13 日(木) 韓国の政治
しまうことは韓国ではよくあることのようです。
3 月 18 日(火) 韓国の経済
3 月 20 日(木) 日韓関係
また、財閥系企業に勤める人とその他の人との
給料格差も問題となっています。しかし、朴槿
惠大統領の就任後は財閥の力を抑える政策がな
され、いわゆる財閥に対する逆差別も行われて
〇 韓国の経済
いるようです。
韓国経済は朝鮮戦争による内戦でインフラが
また、韓国の人口は 5 千万人程度のため、国
壊滅したことで大きく立ち後れていましたが、
内市場のみでは会社は経営を維持していくこと
いわゆる漢江の奇跡と呼ばれる経済発展以降は
が困難です。
( 一般的には 2 億人程度の人口が必
成長を続け、現在では OECD 諸国の一つでもあ
要だそうです。)そのため、韓国企業の多くは海
ります。授業の中では①政治制度との関係②財
外進出に目を向けており、実際に韓国の貿易依
閥の強さ③輸出依存という韓国経済の 3 つの特
存度は 96%となっています。
(日本は 27%、アメ
徴の説明を主に受けました。
リカは 25%、中国は 40%、ドイツは 60%)
韓国の経済は政治制度と大きく結びついてい
この授業は、事前研修で見た竹島についての
ます。例えば、韓国は FTA 協定を多くの国と結
NHK のテレビ番組に出演されていた教授による
んでいますが、日本の農家が TPP に反対してい
講義で、そのような研究の最前線に立っている
るような抵抗の動きはあまり大きく取り上げら
方の講義を聴く機会を与えられたことをとても
れていません。この違いは政治制度の違いが大
ありがたく思いました。
21
研 修 カレンダー
February 24 - March 22 2014
Sun
23
Mon
Tue
Wed
Thu
Fri
24
25
26
27
28
到着
独立記念館
OB 訪問①
デジタル
メディアシティ
西大門刑務所
OB 訪問②
板門店・
DMZ 見学
龍仁
MBC ドラミア
P.23∼24
Sat
3/1
P.29
P.28
P.25∼27
2
3
西江大学で
オリエン
テーション
4
5
韓国学
(歴史)
6
7
韓国学
(文化)
8
ソウルシティ
ツアー
P.30
韓国語授業(13:30∼17:30)
9
10
ムンさん
プレゼンツ
小旅行①
韓国学(法律)
11
12
class
participation
(日韓関係)
13
14
韓国学(政治) class
フィールド
日本文化
participation トリップ
学科の学生 (日本社会) (民俗村と
エバーランド)
と懇親会
韓国語授業(13:30∼17:30)
16
ムンさん
プレゼンツ
小旅行②
17
class
participation
(日本史)
18
韓国学(経済)
class
participation
(日本語会話)
19
20
韓国学
(日韓関係)
最終テスト
韓国語授業(13:30∼17:30)
22
15
P.31
21
22
修了式
帰国
一橋大学
独自プログラム
研
独立記念館
修カレンダー
ニュースや授業などにおいて、韓国と日
本の文化の違いの 1 つとして取り上げられ
るのが歴史認識の問題です。一橋大学プロ
グラム第 1 日目のスケジュールとして訪問
独
した独立記念館では、この日韓の歴史認識
の違いについて、すでに学んでいた知識を
立記念館
深く再考させられる経験となりました。
訪問の日程が「三・一独立運動」の記念式典に近かったため、独立記念館の様子は普段とは異なり韓国の国
旗が多く掲げられ、親子連れや軍隊の人々、高校生の集団など平日であるにもかかわらず多くの見学者がいる
ことに驚かされました。
独立記念館は「キョレの家」という伝統的な建築様式の建物を中心として、8 つの博物館・体験施設が円を
なして建ち並んでいます。第 1 館は韓民族のルーツに関する展示で、高句麗・新羅・百済の三国時代から高麗
時代、朝鮮王朝時代を経て歴史をたどります。第 2 館では韓民族の試練として、日本帝国主義による日韓併合
の歴史や慰安婦問題が取り上げられています。第 3 館では愛国啓蒙運動や国債補償運動など、国家としての主
権を取り戻す歩みが展示されており、第 4 館では国家の指導的人物や学生・民衆が一同に立ち上がり日本帝国
主義に独立を宣言した「三・一独立運動」に関する展示があります。三・一運動によって独立は達成されませ
んでしたが、この運動は全国に大きな影響を与え、日本帝国主義の武断統治を文化統治へと転換させる結果に
なりました。第 5 館では韓国人の移住地である間島(現在の中国吉林省の一部)での日本軍との激しい戦争の
様子、第 6 館では光州学生運動や農民運動、そして大韓民国政府樹立までを描いています。残りの施設が文化
体験施設・映像館となっていることからも分かるとおり、独立をめぐる運動が展示の中心となっています。
独立記念館を見学する中で非常に多くの事を学ぶことができましたが、ここではその中でも大きな 2 つの点
について取り上げたいと思います。1 点目は歴史認識と教育の関連性について、2 点目は歴史を学ぶことの意
味についてです。
韓国人の見学者の中には親子連れが多く、親が子供に熱心に展示の内容を説明する光景がよく見られまし
た。展示の中には戦争の悲惨さを表現する展示も多くありますが、むしろ子どもに韓民族の誇りを伝えるため
の教育の場として記念館を利用しているように見えました。韓国では小学校の時から領土問題や歴史問題を学
びますが、学校だけではなく、このように家庭内の親子間においても歴史の教育がなされているという点は見
学している中で非常に印象的であり、このような教育によって日本と韓国の歴史に対する認識の差や愛国心の
差が現れるということが分かりました。
第 2 点目は歴史を学ぶことの意味に関するものです。独立記念館を見学する中で、やはり日本から来た者と
して、かつて日本帝国が起こした悲惨な戦争や支配の歴史を学ぶことは力のいる作業となりました。また、強
い愛国心の教育はやはり反日感情につながってしまうのではという感覚も抱きました。しかし、展示の文字を
注視すると、
「韓民族」対「日本民族」として説明されているわけではなく、
「韓民族」対「日本帝国主義」とし
23
て書かれていることに気づきます。日韓の歴史問題や
領土問題に向き合うとき、ニュースや各種メディアに
よって造成された「韓国人」と「日本人」が対立する
イメージによって、つい感情論によって問題を考えて
しまいがちです。しかしながら、問題の諸相を相対的
に見つめていくと、植民地主義という日本の過去の帝
国主義もしくはナショナリズムの問題に向き合うこと
ができます。今回の独立記念館訪問においても私たち
は教科書だけでは知ることのできなかった多くの事実
を学びました。過去の歴史を知ることは力のいる作業ではありますが、感情論に流されず、歴史に向き合うこ
とが非常に大切であると感じ、またそのような地道な作業によって日韓問題も前進するのではと考えさせられ
る経験をすることができました。
一橋大学
独自プログラム
O B 訪 問 ①(如水会ソウル支部)
KDDI 韓国を訪問させていただき、現在韓国で働
いている如水会の方々から仕事のお話を伺いまし
た。固い雰囲気になるかと思っていましたが、非
常にわかりやすくお話しいただき質問などもしやす
く、とても有意義な時間となりました。先輩方は銀
行や商社、テレビ局など、様々な分野で活躍されて
いますが、今回は仕事の内容だけでなく、
「韓国の経
済状況」
「韓国での職場の上下関係」
「韓国と日本のテ
レビ番組の違い」「仕事で英語や韓国語など外国語を使うことへの適応」などたくさんのことを教えて
いただきました。まだ働くことについてのイメージがつかめていない私にとっては、大学卒業後に「働
く」イメージが沸き、さらに海外で働かれている先輩方の仕事への意識なども感じることができ、大
変貴重な経験となりました。
KDDI 韓国でお話を伺ったあとには場所を移して
懇親会が行われ、サムギョプサルをご馳走になり
ました。そこでは今韓国で流行っているドラマや
韓国での生活のことなど、和やかな雰囲気でお話
させていただくことができました。韓国で働くこ
とに誇りをもたれていると同時に、韓国での生活
も楽しまれている先輩方の姿がとても印象的でし
た。
24
一橋大学
独自プログラム
О
デジタルメディアシティー
B訪 問 ①
DMC はデジタルメディアシティー(Digital Media
City)の略字で、ソウル西北圏の上岩地区に約 57 万㎡
規模で造成している先端デジタルメディア & エンター
デ
テイメントクラスターです。ソウル市は 2015 年まで
ジタルメディアシティー
に建設を完了させる予定です。 実際に訪れてみると高
層ビルの建設が行われているところも多くみられまし
たが、ガイドさんによると今年中(2014 年)には完成
するとのことで、韓国のパリパリ(韓国語で速くの意
味)文化を感じました。
DMC はその高度な IT 人材とエンターテイメント機能を介
して、21 世紀の知識基盤市場における韓国のポジショニン
グに貢献することを目的に建設されましたが、それだけで
はなく、最先端のデジタル技術と自然環境が共存する世界
で最初の地区を目指しているそうです。実際に DMC 内には
優秀で豊富な韓国の最先端 IT 技術および人的資源、そして
韓流ブームの震源地である文化エンターテイメント産業が
結集される予定ですが、それだけではなくワールドカップ
競技場、ワールドカップ公園、エコビレッジワールドカッ
プ競技場と各種の公園、環境にやさしい住宅団地などが
形成されます。
(ちなみに私の韓国語の先生は DMC 内の団地に
住んでいるとおっしゃっていました。
)また独立したブロードバンド光通信ネットワークを構築し、無線や衛星
通信サービスが提供され訪問者は無料でインターネットにアクセスすることができます。
ここで DMC の代表的な建物についてご紹介します。これはランドマー
ク タワ ー。 高 さ は 640m に な る 予 定 で
ショッピングセンター、ホテル、展望台に
使われる予定です。2015 年に完成予定と
のことで私たちは見ることができませんで
した。
二つ目の写真は DMC の先端技術を体験
できる施設のものです。壁に写されたス
クリーンの上に手を滑らせるだけで操作が
できる不思議な機械です。このほかにも
映画を見る人の心拍数や動きを測定し、その人の性格診断をする装置など興味
深いものがたくさんありました。
25
一橋大学
独自プログラム
西大門刑務所歴史館
1908 年 10 月 21 日に、
「京城監獄」の名称で、
当時の朝鮮半島では初めての近代的刑務所とし
て設立され、日本統治下の朝鮮で主に独立運動
参加者の収容に使われました。独立後は韓国政
府に収監され、1987 年まで刑務所としての役目
を果たしました。1995 年には、
「西大門刑務所歴
史館」の建設工事が開始され、1998 年から、一
般公開されるようになりました。
刑務所では監獄の様子がそのままに再現されて
いました。例えば、右の写真は収監されていた
人たちが運動する場所です。お互いに意思疎通ができないように人と人の間には壁が作られています。
その他にも、拷問の様子が人形とともに生々しく再現されてもいました。
西大門刑務所には日本統治の進行とともに多
くの人が収監され、寝るスペースも十分に取れ
ない状況だったそうです。また、衛生状態も悪
く、多くの人が亡くなりました。
私がここを訪れて印象に残ったことは、2 つ
あります。1 つ目にやはり、刑務所内での収監
者の待遇のひどさです。拷問を体験された方の
証言や、実際の拷問の道具などが置いてあり痛々
しい気持ちになりました。案内をしてくれたガ
イドさんもおじさんがこの刑務所でなくなったそ
うです。韓国人の中には、このように身内が亡く
上のことを感じるのだろうなと思いました。
2 つ目には、子供の見学者が多かったこ
と、またガイドさんではなく親が直接子供
に説明をしている姿が多くみられたことで
す。韓国の歴史教育の様子を少し垣間見た気
がしました。また、自分がもし子供がいたと
しても日本の歴史について説明できるとは思
えず、韓国人の歴史知識の強さを改めて認識
しました。
26
なった方も多いでしょうし、私が感じた気持ち以
一橋大学
独自プログラム
西
O B 訪 問 ②(一橋大学韓国総同窓会)
大門刑務所歴史館
ソウル中心部を流れる漢江の南側地域である江
南の近くにある韓日産業・技術協力財団のオフィ
スで、韓国から一橋大学に留学された経験を持つ
OBOG の集まりである一橋大学韓国総同窓会の方々
とお会いしました。
O
韓日産業・技術協力財団のオフィスでは、社団法
B訪 問 ②
人韓日経済協会及び韓日産業・技術協力財団で活躍
する OBOG や職員の方々から、協会と財団について
の説明や、日韓経済の関係についての講義を受けました。日本には、韓日産業・技術協力財団のカウン
ターパートである財団法人日韓産業技術協力財団が存在し、関連組織と情報などを共有しています。
質疑応答では、韓国経済に関する具体的な問題点を教えて頂きました。
・ 韓国の内需の規模は日本より小さく、韓国企業は中小企業であっても海外に進出しなければならない
・ 世の中の変化が激しいにもかかわらず、日韓の間における地理的な近さや、類似した国民のライフ
スタイルは安定しており、共同協力可能な環境を
提供している。
・韓国人は必要なものを早く直接的に学びたいと
いう傾向があるが、日本では基礎知識から段階的
に教えるというやり方が主流である。日本の技術
者が韓国企業で技術提供をし始めたころは、考え
方の摩擦が発生したが、日本人の指導に従い良い
結果を得た韓国人は日本人に感謝している。
日本と韓国は「近くて遠い国」と言われること
もありますが、今後両国が発展していくためには、日韓関係の強化は必要
不可欠なものだと感じました。今まであまり考えたことのなかった経済面
での交流にももっと注目していきたいと思いました。
オフィスでお話を伺った後には、一橋大学韓国総同窓会の OBOG の先輩
方もさらに加わり、韓定食をご馳走になりました。テーブルに乗り切らな
いほどたくさんのおかずがあり、どれから食べようかと迷ってしまうほど
でした。本当にどれもおいしく、ご飯がすすむものばかりでした。先輩方
とも同じご飯をつつきあいながらの食事は、自然と距離も縮まり、会話
も弾みました。日本を離れられてから長い先輩もいらっしゃるにも関わ
らず、みなさん日本語がお上手で、とても尊敬してしまいました。
27
一橋大学
独自プログラム
板 門 店・DMZ(非武装地帯)見学
今回のプログラムではまず臨津閣(自由の橋)を訪
れました。ここは、1953 年の休戦協定締結後 1 万人
以上の捕虜がこの橋を渡り自由の身になったことでそ
う呼ばれ、橋には統一を願う韓国人のメッセージがた
くさん飾ってありました。
次に訪れた都羅山駅は民間人統制区域内にある最北
端の駅で、唯一平壌へと続く線路が通っていて、駅内
では記念スタンプを押したり、入場料を払えばホームに入ることもできます。この路線がつながれば
釜山からロンドンまで線路がつながることになり、それを願う韓国の方の声も聞かれました。
また、駅の近くにある都羅展望台では北朝鮮の風景や非武装地帯を眺めることができ、ここでは韓
国兵士の方と記念撮影することができます。私たちと一緒に撮ってくれた兵士の方は近々日本に留学
するとのことでした。
第三トンネルは休戦協定後北朝鮮軍がソウルを攻めるために掘ったとみられるトンネルの一つで、
現在は 4 つのトンネルが見つかっていて、まだ他にもこのようなトンネルが存在するとみられていま
す。第三トンネルの中へはヘルメットをかぶりモノレールに乗ってゆっくりと下って行きます。トン
ネルの中は狭くじめっとしていて、トンネルを作るときに使用されたダイナマイトの差し込み穴の目
印も残っています。
DMZ とは朝鮮戦争の休戦協定により設けられた韓国と北朝鮮の軍事境界線から南北 2km(合計
4km)に広がる非武装中立地帯のことで、ここでは軍隊の駐屯や軍事施設の設置、その他の軍事行動
は一切禁止されています。
その中でも軍事境界線上に位置する板門店には共同警備区域があり現在も両国の兵士が対峙してい
ます。そしてその中心にある軍備停戦委員会本会議場は、教科書にもあるようにテーブルの中央を通
る軍事境界線を境に国連側と北朝鮮側が向かい合い話し合いを行います。この中には入ることができ、
境界線を越えて北朝鮮側に入ることもできます。さらには中にいる連合国軍の兵士と写真を撮ること
もできますが彼らより後ろに立ってはいけません。
板門店に入る前には中で怪我をしたり死亡したりしても一切責任を問わないという誓約書を書かさ
れるのですが、さすがにここにサインするときは身
震いがしました。この誓約書はツアー後にお土産と
して持ち帰ることができます。
このプログラムでは朝鮮戦争は停戦中であり、ま
だ戦争は終わってないのだということを実感させら
れるとともに、戦争が身近に存在しない日本という
平和な国に自分たちが住んでいる幸せを改めて感じ
させられるものでした。
28
一橋大学
独自プログラム
板
龍 仁 MB C ドラミア
門 店 ・ D M Z見 学
〇 場所概要
ソウルから車で約 1 時間半の距離に位置す
る京畿道龍仁市に 2011 年 6 月にオープンした
MBC ドラミアは、韓国のテレビ局 MBC が時代
劇の撮影用に作り上げた巨大なセット場です。
龍
日本でいうところの太秦や江戸村に似たとこ
仁MBCドラミア
ろです。ここの敷地は約 43 万坪もあり、この
中に三国時代(高句麗、百済、新羅)、高麗時
代(918∼1392)
、朝鮮時代(1392∼1897)の
撮影可能なセットがあります。王宮だけでは
なく、市場や民家や監獄までも実物の様に再現されていて、様々な建物の姿を見ることができます。
「チャングムの誓い」、「 朱蒙 」、「 イ・サン 」、「 善徳女王 」、
「トンイ」、
「太陽を抱く月」など数多くの
人気大河ドラマがこちらのセットで撮影されました。
〇 訪問の感想
今回の訪問では渋滞のため行きに約 2 時間かかってしまいました。また 2 つのドラマが実際に撮影
中だったため入れない場所もあり残念ではあり
ましたが、役者の方々が衣装を着て歩いている
姿を見ることができたため楽しむことができま
した。ドラマ好きの私としては、ドラマで何度
も見た景色を直接見ることができて感動し、ほ
とんど小走りで見学し続けていました。一方で、
ここはあくまでセットであるため、ドラマ中で
はとてもきらびやかに映っていたところが、実
際は大雑把な造りだったり、セットの小道具が
放置されていたりなどドラマの裏側を見ること
もできました。
古い時代の韓国の様々な種類の建物の雰囲気
を味わえるのと同時に、ドラマの中の世界に入
り込んだような気持ちになることができ、とて
も楽しむことができました。
29
西江大学プログラム
ム
ソウルシティーツアー
テ
西江大学の学生に景福宮という朝鮮時代の王宮や、韓国の北村にあるソウル伝統文化体験館に連れて
行ってもらい、キムチ作りと韓服の衣装体験を楽しみました。
景福宮には多くの観光客がいました。ちょうど兵隊が
交
交代するパフォーマンスが行われていたので見学しまし
た
た。音楽とともに、多くの兵隊がきれいに移動するのは
とても見ごたえがありました。
キムチ作りでは、今回は時間の関係もあり、材料はす
で
でに下準備が済んでいたのですが、キムチといっても想
像
像以上に多くの材料が使われ、また下準備も手間と時間
の
のかかるもので、各家庭で作るのは大変なことなのだと
知
知ることができました。私たちは白菜を切って、混ぜて、
キムチのタレを白菜に塗ってという作業をしま
直
キムチのタレを白菜に塗ってという作業をしました。手で直
の
接力強く混ぜることや、根元の方から均等に白菜にキムチの
。
タレをつけていくことは思っていたよりも難しかったです。
。
作ったキムチは密閉してもらい、持ち帰ることができます。
0
私は宿泊先の冷蔵庫に入れておいたのですが、作ってから 10
、
日後ぐらいに発酵が進んで、密閉していたラップに穴が開き、
ど
冷蔵庫の外にもキムチの匂いが漏れ出してきました。服など
く
の衣類のそばに置くと匂いがついてしまうので気をつけてく
ださい。
文化体験の後半は韓国伝統衣装体験で
す。韓国式のあいさつの仕方も教えて頂
きました。ソウル伝統文化体験館では、
女性用の韓服チマチョゴリから、朝鮮時
代の官僚の服や王様の服まで色々な韓服
が並んでいます。そして、道具も非常に
きれいです。私たちは衣装にあった小物
を選んで着替え、上智・明治・立教大学
の方々と一緒にたくさんの写真を撮って
はしゃぎ回り、とても楽しかったです。
30
ᮞ‫ۋ‬ᡀᇴᠡ
CC(キャンパス・カップル)
牛乳の値段が日本に比べて高い
、CCC(キャンパス・カップル・カッター)
西江大学プログラム
ム
民 俗 村&エ バ ー ランド
全
フィールドトリップ
フィールドトリップ
州一泊旅行プログラム
韓国民俗村
この日は午前中からホテルに集合し、みんなでバスで
移動して龍仁市にある韓国民俗村に向かいました。韓国民
俗村は韓国の伝統文化や娯楽を楽しむことができる 87 の
施設を有する場所です。韓国の古い時代の建築物が立ち並
んでおり、伝統的な食べ物を売る屋台や、遊園地のよう
な子供用の施設までたくさんありました。とくに中央の農
楽公演場ではサムルノリ
(四種類の伝統楽器を使った演奏)
や騎馬隊の演舞、綱渡りなどの演技を見ることができ、と
ました。
ても迫力がありました。
また、乗馬体験コーナーもあり、一人 500 円で乗馬を
体 験 す る こ と が で き ま す。と く に 私 に と っ て 乗 馬 は 人 生
初体験!となり、とてもおもしろかったです。モンゴル系の
お兄さんが前にのって馬を操ってくれました。ものす ご い
早さで加速したため大変驚きましたがとてもよい思い出に
残っています。
ても美味しい
娯楽村にあるダルコム・アイスクリームではとても美味しい
シャーベットが食べれるのでおすすめです!
エバーランド
で絶叫 シ ンなど
14 時ぐらいにエバーランドにつき、みんなで絶叫マシーンなど
に乗り遊びました。エバーランドはディズニーランドに似ており、
様々なアトラクションがある遊園地です。時間の関係で乗り物に
は2つしか乗ることができませんでしたが、韓国語を使用しなが
ら遊園地を回り、とても楽しむことができました。
ᮞ‫ۋ‬ᡀᇴᠡ
カップラーメンが総じて辛い
おばさんのパーマ率の高さ
31
韓国短期研修 2014 メンバー!!(5)
柄沢智子
ニックネーム:のぶ 恐ろしい武器:女の勘
剣道に一途で、なんと西江大学の剣道部にも飛び入りで
短期入部するという大胆行動をとったのは本当に
驚き!さすが、のぶ!
韓 国 語 の 学 習 も 積 極 的 で 、 お 部 屋 の ト ラ ン プゲームの
時はみんなの恋愛事情を聞き出すなど大活躍!
13:45
辰川貴大
ニックネーム:たつ、たっつー、たっつん 女子力:1500000
13:59
持ち前のコミュニケーション力で一橋に限らず他大の
メ ン バ ー と も と っ て も 仲 良 し に!!韓 国 男 子 に な り
きろうと東大門市場で大量の服を買っていたことは記憶
に新しい。他大の 韓 国 研 修 メ ン バ ー を、帰 国 後 狙 い 撃
ちしたとか・・・?
林英里奈
自由度:63000000000000 日本が誇るフリーダム美少女。韓国でも自由人ぶりを発揮
し、グループを離れ一人でどこかへ(笑) 周囲が 心 配 を
し て い る と 何 だ か ん だ で き ち ん と 帰 っ て くる。韓国に
大 量 の イ ン ス タ ン ト 味 噌 汁 を 持 っ て 行 っ た ことは伝説
になるだろう。
14:12
呉暁飛
ニックネーム:うーさん、ジュリアン
特技:女性の落とし方についての考察をすること
14:21
日、中、英の三カ国語、そして初学であった韓国語も研
修後半には自在に繰り、その甘い言葉で女性陣をメロメ
ロにさせたジェントルマン。しかし、共同利用のホテル
の洗濯機を使えないなど、潔癖で繊細な一面も見せた。
田口吉孝
ニックネーム:ぐっちーさん、よっしーさん 弱点:期限の近いレポート、お腹の調子
見た目にはわからないけれど、実は26歳のお兄さん!
つ ま ら な い ギ ャ グ を 入 れ て く る 以 外 は、本 当 に 頼 り に
なるお兄さんです。
年下の私たちの目線に合わせてくれる気遣いもできたり、
院 生 ら し く と て も 深 い 考 え を 持 っ て い た り と、す ご く
優秀ないい人。尊敬につぐ尊敬です m(_ _)m
32
ᮞ‫ۋ‬ᡀᇴᠡ
14:26
キンパ(海苔巻き)
LINE よりもカカオトークが主流
は辛いのと辛くないのがある
バディの紹介
研
修参加者およびバディの紹介
ムン・ボンジュ
愛称:ムンさん、ボンジュ、中山まさや
特徴:女子からオッパと呼ばれると照れる。
しかし、かわいい子以外にはあたりが厳しい。
韓国で1か月私たちの面倒を見てくれていたバディのムンさん。韓国の会計士
の 資 格 を 持 ち、日 本 語 も ペ ラ ペ ラ、パ ラ グ ラ イ ダ ー で 空 を 飛 べ た り、
TOEIC900点を目指し今も勉強していたりと実はハイスペックなムンさん。
でもダメ男の面も多すぎて(笑)
、
どちらが本当のムンさんなのかわからない…。
ただ一つ確実にわかることは、ムンさん無くして、私たちの最高に楽しい韓国
生活はありえなかったこと。おいしいご飯に連れていってくれたり、ゲーム
しながら恋バナしたり、ソウルの外に連れ出してくれたり、時には真面目に
日韓関係について話したり…本当にありがとう!こんな風に書くとあんまり
会えないみたいだけど、月1ぐらいで国立に出没しているとか…?これからも
よろしくお願いします!またチュキン作ってね!ムンさん、大好きだー! !
パク・チェヨン
西江大学日本文化学部の 3 年生で 2014 年 4 月から一橋大学に留学中。
皆からはチェヨンさん・チェヨンオンニと呼ばれる。日本語と英語を使い
こなすハイスペック姉さん。自称人見知り?だが愛嬌たっぷりの人懐っこい
効果を持つ。ただし男は油断をすると簡単に恋に落ちてしまうので注意が必要。
またいつもは眼鏡をかけているが写真を撮るときは必ず眼鏡を外すという謎の
こだわりも。チェヨンさんの眼鏡写真は国宝ぶりの希少価値を持つ。カラオケ
ではみんながチェヨンさんの歌声に酔いしれた。特に Let it go は本家を上回る
ほどの圧倒的歌唱力。
パク・ヘウォン
ヘウォンさんは快活で行動力抜群の存在でした!話が面白くて、一緒に過ご
した時間は終始、笑顔になりました!日本語が上手なのはもちろん英語も
話せるといった語学力だけではなく、ブラジリアン柔術の部活に入っている
などとても多才です!
そしてなにより音楽の趣味がすばらしく、歌がとても上手です!ヘウォンさん
の歌うラップは本当にかっこいい!!!
ヘウォンさんのおすすめ曲はこちらです↓
・歌手名 범키(Bumkey) 曲名 갖고놀래
(Attraction)
・歌手名 스윗소로우
(Sweet sorrow) 曲名 첫데이트
(First Date)
・歌手名 악동뮤지션
(AKMU) 曲名 200%
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エスカレーターでは右に立つ
卵が 30 個入りで売っている
33
研修日記
ここでは、参加者たちの日々の過ごし方を少し紹介します。
3 月 1 日 ( 土 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初の週末。滞在中珍しく予定がない日だったので、西江大学を見学しました。そのあとは、東大門
市場へ移動しました。出店がずらっと並び、人でごった返す中でチヂミを食べ、さらにタッカンマリ
を食べ、どれもおいしいものばかりで幸せでした。ご飯の後は、せっかく韓国にいるのだから、
韓国の学生になりきりたいと色々なファッションアイテムをそろえました。
2/24
2/25
2/26
2/27
2/28
3/1
3/2
月
火
水
木
金
土
日
到着
独立記念館
OB訪問①
デジタルメディア
シティ
西大門刑務所
OB訪問②
板門店・DMZ
見学
龍仁MBC
ドラミア
1st Week
・・・・・・・・・・・・2 月 24 日 ( 月 )
いよいよ、出発の日です。
かの世界的ヒット曲江南スタイルで有名な江南へ!
羽田空港から韓国の仁川空港までは2時間ほど。宿で
しかし、お目当てのモールが残念ながら工事中でした。
チェックインを済ませた後、新村の町でレストラン探し!
そこで高級店の並ぶアックジョンに行先を変更し見学を
韓国初のお食事はスンドゥブにしようということになり、
楽しみました。夜はソウルタワーに上りました。ソウル
皆でおいしくいただきました。新村の
タワーは高台にあるからなのか、とても寒かったですが
レストランは24時間営業のところ
夜景は最高でした。さすがはデートスポットで、カップル
も多く、文化の違いを感じました。
34
・・・・・・・・・・・・3 月 2 日 ( 日 )
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がたくさんいました。
エレベーターの使えなさが異常
iPhone より GALAXY
今週から西江大学での授業が始まります。今日は
授業初日。4時間の韓国語もあっという間でした。授業の後
プログラムの開講式が行われ、日本の他大学からの
は、西江大学の学生御用達のお店で夕ご飯を食べ、さらには
参加者とも初めて顔合わせをしました。クラスも発表
韓国のカラオケも初体験しました。韓国のカラオケの料金制度
され少し緊張。式の後には、
ビュッフェ形式のレストラン
は一人ずつ料金を払う日本と違い一部屋当たりの料金です。
でプログラムメンバーとバディさんとの食事会が行われ、
そのため、飲み会の後などにとりあえず、訪れることも多い
お互いに親睦を深めました。明日から頑張ろう。
そうです。
3/3
3/4
3/5
3/6
3/7
3/8
3/9
月
火
水
木
金
土
日
ソウルシティ
ツアー
ムンさん
プレゼンツ
小旅行①
西江大学で
オリエン
テーション
韓国学
(歴史)
韓国学
(文化)
修日記
3 月 4 日 ( 火 )・・・・・・・・・・・・
研
3 月 3 日 ( 月 )・・・・・・・・・・・・
2nd Week
3 月 5 日 ( 水 )・・・・・・・・・・・・
3 月 9 日 ( 日 )・・・・・・・・・・・・
この日は授業のない午前中に近くにある延世大学と
この日は少し遠出をして、仁川(インチョン)までムンさん
梨花女子大学に行きました。梨花女子大では有名な
が遊びに連れていってくれました。仁川はジャージャー麺発祥
梨花大キンパプ(韓国海苔巻)を食べました!男性も
の地ということで、おいしくいただき、横浜のような中華街で
自由に出入りできます。梨花大学のキンパプはツナが
食べ歩きしました。さらに月尾島(ウォルミド)にある遊園地で、
たくさん入っていることで有名で、マヨネーズもたく
ぐるぐる回りながら跳ねるディスコ・ジャンプという乗り物に
さんかけるのですが、ボリューミーでおいしかったです。
乗りました!日本ではありえないような激しい乗り物で、とても
建物の雰囲気も素晴らしく、さすが女子大!という感じ
楽しかったです。
でした。
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バスを降りる時は一つ前の停留所からスタンバイ
プルコギバーガーが人気
35
3 月 13 日 ( 木 )・・・・・・・・・・・
3 月 15 日 ( 土 )・・・・・・・・・・・・・
今日は授業を受けた後、西江大学の日本文化学科の
バスでみんなで移動して韓国民俗村やエバーランドに
学生と一緒にサムギョプサルを食べに行きました。入学
行ったせいか、韓国の学生や上智などの他大学生ととても
したての一年生の方もいるのに、中高で第二外国語と
仲良くなれたスケジュールでした。帰りのバスでは将来の
して日本語を学んできていたり、漫画好きから進んで
進路の話などいろいろな話ができて、そういう何気ない
独学で学んでいたりするため、みなさん日本語ができて
一場面も思い出に残っています
本当に驚きました。飲んで食べてゲームして非常に楽し
かったです。そのあと、仲良くなった方たちとチキンを
食べに行きましたが、そのオッパ(韓国語でお兄さん)
は1週間後から軍隊に行ってしまうらしく、大学生活
の途中に兵役にいく
こ と を 身近に感じて、
さみしさと同時に複雑
な気持ちになりました。
軍隊でも元気にやって
いるといいなあ。
3/10
3/11
3/12
3/13
3/14
3/15
3/16
月
火
水
木
金
土
日
韓国学
(政治)
日本文化
学科の学生と
懇親会
class
participation
韓国学
(法律)
class
participation
(日韓関係)
(日本社会)
フィールド
トリップ
(民俗村と
エバーランド)
3rd Week
3 月 16 日 ( 日 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は ITX という汽車に乗って、春川(チュンチョン)まで名物のタッカルビ(鶏カルビ)を
食べに行きました。日本では新幹線で駅弁を食べるように、韓国では汽車でゆでたまごにサイダー
が定番らしいです。思ったよりは合う。タッカルビは辛いけど野菜もいっぱいで美味しかったです。
さすが名物と言われるだけある!!街は軽井沢のような雰囲気で、落ち着いているけれどお店も
い っ ぱ い 。そ の あ と 、船 に 乗 っ て 、冬 の ソ ナ タ の ロ ケ 地 で あ る 南 怡 島(ナ
ミソム)へ。有名な並木道があり、多くの観光客で賑わっていて、とても楽
しかったです。夜は韓国風納豆チゲを食べました。本当に納豆のに お い が
す ご い ! 納 豆 を 鍋 に 入 れ て い る 状 態 な の で 見 た 目 は イ マ イ チ でしたが、
安心できる味でした。
36
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カラオケ1時間半に対してサービスタイムが2時間ぐらいつく
日本車をあまり見かけない
ムンさん
プレゼンツ
小旅行②
3 月 18 日 ( 木 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は午前中に、日本会話のクラスに参加させていただいて、いじめ問題について
研
話し合いました。韓国は兵役制度の影響もあって、集団において立場の弱い人がいる
のは仕方がないなど、日本では出てこないような意見を聞くこともできて非常に興味
修日記
深かったです。
バディとしてずっと私たちのサポートをしてくれて
いたムンさんが、一橋将棋部の卒コンに参加するため
日本に行くので、今日でお別れしなければなりません
でした。そこで夜はカサビルでパーティーをしました。
ムンさんに寄せ書きをした T シャツやケーキをプレゼントしました。ご飯はムンさんが作ってく
れたタットリタン(鶏肉の甘辛炒め)とケランチム(卵を蒸したもの)をみんなで食べました。
ムンさん初料理だったらしい
ですが、とてもおいしかった
です!ありがとう!
3/17
3/18
3/19
3/20
3/21
3/22
月
火
水
木
金
土
class
participation
韓国学
(経済)
class
participation
韓国学
修了式
帰国
(日本史)
日
(日韓関係)
最終テスト
(日本語会話)
4th Week
3 月 21 日 ( 金 )・・・・・・・・・・・・・・
今日は西江大学での最後の授業の日でした。韓国語の授業は
なく、映画に遊びと「楽しむ」日でした。まず「7番部屋の贈り物」
という韓国映画を見て号泣した後は、みんなでコンギノリや
ユンノリなど韓国の伝統的な子供遊びをしました。これはクラス
対抗試合になったので、とても燃えました。その後、昨日受けた
テストの結果が返ってきました。スピーキングのテストはすごく
緊張したけれど、結構いい評価がもらえていて安心!この3週間
で、自分でもすごく韓国語が上達したなあと感じます。先生と
会えるのが最後だと思うとさみしい
けれど、日本でも勉強を頑張ろう
と思わせてくれた先生にとても
感謝しています。
カムサハムニダ!
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ヒトカラ
日本食よりも洋食
(一人カラオケ)
(パンやパスタ)
文化やぼっち飯はありえない
が恋しくなる
37
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カラオケ㽈
韓国小旅行part1 春川!
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韓国小旅行part2 仁川!
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39
編集後記
商学部 1 年 柄沢 智子
韓国ドラマが好きで、韓国に行きたい ! という単純な気持ちから参加した研修でしたが、自分の想像し
ていた以上に多くのものを得られた 1 か月でした。一緒にいったメンバーとは本当に色々なことを語
れる仲になれて良かったです。タッカンマリ、また食べに行きましょう !
法学部 1 年 辰川 貴大
編集作業は思っていたよりも大変な作業でしたが、学んだことを言葉・文字にすることの大切さを感
じることができました。何よりもみんなに会えることが嬉しかったです。今度みんなで新大久保行き
たいです。
法学部 1 年 林 英里奈
帰ってきた後も報告書を作り続けるのは大変でしたが、研修を振り返る良い機会になりました。また、
みなで集まりましょう !
法学研究科修士課程 2 年 呉 暁飛
私情で、4 月 1 日から報告書に専念する時間はあまりなく、3 月中に慌てて書きました。また、日本語
のチェックをお願いした渡部先生や、林さんに感謝します。振り返ってみるととても充実した 1ヶ月間
でした。そして、文書で記録することは有意義なことだと感じました。
社会学研究科修士課程 2 年 田口 吉孝
報告書の文章を書いたり、写真を見返したりしていると、留学中のことがほんとに懐かしくなりました !!「ま
た行きたい !」と心から思える経験ができたと何度も思いました。
一橋大学短期海外研修報告書
韓国・西江大学(2014 年 9 月)
つつ2014 年 9 月 発行
発行者
一橋大学国際教育センター
〒 186-8601 東京都国立市中 2-1
TEL:042-580-9001(国際教育センター)
印 刷
株式会社 インフォテック
〒 206-0033 東京都多摩市落合 2-6-1
TEL:042-311-3355
海 外 へ の 留 学
プログラムマップ(2014 年度)
Study Abroad Program(for Hitotsubashi students)
●全学プログラム
主な対象者
プログラム名
条件等
●GPA2.7 以上
●派遣先により異なる語学要件有
3 ∼ 4 年生
グローバルリーダー育成海外留学制度
(1 年間以内・4 名/年・単位互換可)
●派遣先により異なる成績・語学要件有
大学院生海外派遣奨学金
(6 か月以上 12 ヵ月以内・若干名/年)
●派遣期間中は休学も可能
1 ∼ 3 年生
海外語学留学制度(試行)
(アメリカ、英国、オーストラリア等教育機関・夏休み・200 名)
●単位認定は行わない
●休学者の参加は不可
1 ∼ 4 年生
海外語学研修@Stanford
(アメリカ・夏休み 4 週間・15 名程度・2 単位)
海外語学研修@UC Davis
(アメリカ・夏休み 4 週間・20 名程度・2 単位)
●海外語学研修@Stanford 及び @UC Davis には
TOEFL スコア (ITP 可 ) の提出が必須
海外語学研修@Aachen
(ドイツ・アーヘン語学アカデミー・夏休み 4 週間・20 名程度・2 単位)
※海外語学研修 @Aachen は、
大学院生も参加可能
短期海外研修(スペイン企業派遣)
(Berge 社・春休み 5 週間・6 名・学部 2 単位)
●TOEFL79(iBT), 550(PBT), TOEIC730,
IELTS6.5 程度
(スペイン語能力 (DELE中級以上 )
保持者は優遇)
短期海外研修(オーストラリア)
(モナシュ大学・春休み 4 週間・30 名程度・2 単位)
短期海外研修(中国)
(北京大学・春休み 4 週間・15 名程度・2 単位)
短期海外研修(韓国)
(西江大学・春休み 4 週間・6 名・2 単位)
●※4 年生・大学院生も参加可能だが、単位は
付与されない
大学院生
1 ∼ 4 年生※
1 ∼ 4 年生
1 ∼ 4 年生※
一橋大学海外派遣留学制度
(1 年間以内・約 90 名/年・単位互換可)
●商学部・経済学部グローバル・リーダーズ・プログラム
主な対象者
プログラム名
条件等
1 ∼ 4 年生
経済学部 中国短期海外調査
(1 週間程度・10 名程度・2 単位)
●関連基礎ゼミとセットで履修のこと
●グローバル・リーダーズ選抜クラスの学生を優先する
1 ∼ 4 年生
経済学部 ドイツ・デンマーク短期海外調査
(1 週間程度・10 名程度・2 単位)
●関連基礎ゼミとセットで履修のこと
●グローバル・リーダーズ選抜クラスの学生を優先する
2 ∼ 4 年生
商学部 短期研修 ( 豪:ビジネス・エマージョン・プログラム )
(モナシュ大学・夏休み 4 週間・15 名程度・2 単位)
●TOEFL71(iBT)、IELTS5.5 程度を有すること
●TOEFL(ITP)のスコア(530 程度)も可能
●日本学生支援機構(JASSO)
主な対象者
プログラム名
条件等
学部生・
大学院生
日本学生支援機構(JASSO)
官民協働海外留学支援制度
∼トビタテ!留学 JAPAN 日本代表プログラム∼
●日本国籍を有する者又は日本永住者
●留学終了後、在籍大学にて学業継続者又は学位
取得学生
大学院生
日本学生支援機構(JASSO)
海外留学支援制度 ( 長期派遣 )
( 修士:2 年以内:博士課程:原則 3 年以内 )
●外国の大学での修士又は博士の学位を取得する者
お問合せ先等
■一橋大学海外派遣留学制度、グローバルリーダー育成海外留学制度、短期海外研修、日本学生支援機構ほか
国際教育センター留学生・海外留学相談室
042-580-8168 http://international.hit-u.ac.jp/jp/cge/advising/index.html
国際課
042-580-8764 [email protected]
■海外語学留学制度(試行)
グローバル・スキルズ・コーディネーター室
042-580-8175 [email protected]
■海外語学研修
教務課(履修登録について)
042-580-8112 [email protected]
国際課(諸手続について)
042-580-8764 [email protected]
英語学習支援ホームページ
http://www.rdche.hit-u.ac.jp/~engdept/
海外語学研修@Aachen ホームページ
http://sites.google.com/site/gogakukenshu/
■グローバル・リーダーズ・プログラム
経済学部の取り組み紹介ホームページ
http://glp.hit-u.ac.jp/glp/ecm.html
商学部の取り組み紹介ホームページ
http://glp.hit-u.ac.jp/glp/fcm.html
3 ∼ 4 年生
大学院生
Fly UP