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ユーザーオリエンテッドのDDC向け プログラミング言語と保守ツール

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ユーザーオリエンテッドのDDC向け プログラミング言語と保守ツール
小特集
火力発電所最新ディジタル制御システム
∪.D.C.〔800.92:る81.323:る81.5〕+〔681・327・13・015
占81.32.0る〕
ユーザーオリエンテッドのDDC向け
プログラミング言語と保守ツール
Programming
User-Oriented
Direct
DigitalControl
Language
Maintenance
and
TooIsfor
火力発電プラント最新形監視制御システムHIACS-3000のポイラ,タービン,バー
宮垣久典*
助〟タブ0わ〟細々才
ナなど異なる制御対象のDDCプログラムを,共通手法で記述作成できるようにした
皆川武司*
丁誠g5ぁざ〟g乃〟勉∼√・〟
DDC向けシンボリック言語と,上記の制御対象を共通の方法で,しかも統括的に保
下山和彦*
舷∼`ゐgんo
SんJ椚叩α7乃α
守できるようにしたエンジニアコンソールを完成Lた。
前者のシンボリック言語は,DDCプログラムをプラントエンジニアに親しみやす
い制御ロジック図と1対1に対応したマクロ命令で記述でき,しかも高速演算が実
現できるようにしたシステム統一言語である。後者のエンジニアコンソールは,上
記言吉吾を用いたDDCプログラムの作成・変更や伝送ネットワークを介したシステム
のオンライン調整・制御信号やプロセス量のモニタなどの広範囲の機能によってシ
ステムを構成するコントローラHISEC
O4-M/L,HISEC
O4-M/Fのいずれにも共通
して使用できるようにした統一保守ツールである。この保守ツールは,誤操作やプ
ラントに影響を与える変更を阻止する機能ももつので,プラントエンジニアでも容
易に,かつ安全に変更作業が行なえる。本論文では,上記言語とツールの機能,実
現手段及び開発思想について述べる。
山
緒
言
日立製作所では,火力発電所を取り巻く新しいニーズに対
開発課題
対
応
策
して,ディジタル式ボイラ自動制御装置HIACS-20001),ター
プラントエンジニアに
よるプログラミング
ビン自動制御装置HITASS2卜5),ディジタル式電子油圧式ガバ
ナD-EHG5ト6),ディジタル式自動バーナ制御装置や補機シー
作
ソ
成7
ィ妄王
寺ア
ケンス制御装置など,最新のマイクロエレクトロニクス技術
とシステム制御技術を駆使した装置を開発することによ-)こ
たえてきた。しかし,これらの装置は,ポイラ,タービン,
DDC向けシンボリック言語
制御ロジック図対応の
高効率プログラミング
直接実行方式の高速演
算実行
高
バーナなど異なる制御対象向け,もしくは異なる時期に開発
効
率
保
守
ドキュメントとの1対1
対応
され発展してきたこともあr),コントローラのハードウェア
やソフトウェア又は保守ツールの面で必ずしも統一されてい
制
るとは言えない点があった。
今回開発した新監視制御システムHIACS-3000では,本シス
テムを構成する高機能形コントローラHISEC
HISEC
高機能言語
御
O4-M/L,
命令豊富で高レベルの
プログラミング言語
エンジニアコンソール
高速・多機能処理
制御ロジック図による
プログラミング
O4-M/Fのアプリケーションソフトウェア〔以下,DDC
(DirectDigitalControl)ソフトウェアと呼ぶ。〕を,両方に共
容易な調整と言呉操作防止
調
通のDDC向けプログラミング言語「DDC向けシンボリック言
語+とその言語構造を基にしたDDC保守用コンソール「エン
整
ジニアコンソール+とを用いて,統一的に作成・調整・保守
ネットワーク結合形
保守ツール
オンライン動作確認
オンラインチューニング・
パラメータグラフィック表示
ができるようにした。
本論文では,上記DDC向けシンボリック言語,及びDDC月]
保信
保守ツールの技術内容と機能を中心に報告する。
全輪
O4-M/L,HISEC
オンラインモニタ
(トレンド,数胤信号操表示色)
オンラインプログラム
性性
臣l統一言語及び保守ツールの開発課題と対応策
図1に高機能形コントローラHISEC
システム異常の可視化
システムの迅速な復旧
ローディング
O4-
M/Fの統一言語,及び保守ツールの開発課題と対応・策を示す。
まず,ソフトウェアの作成と保守の面で,DDCソフトウェ
図l
統一言語及び保守ツールの開発課題と対応策
プラントエン
ジニアに扱え,高遠かつ多機能のDDC向けシンボリック言語と,本言語による
アは,その性格上計算機ソフトウェアの知識がなくても容易
作成・保守及びオンライン調整保守をネットワーク結合により行なうエンジニ
に取り扱え,かつプログラムが効率よく生産,保′手できるも
アコンソールにより.システムの統一言語による構築・イ呆守が可能となる.-J
*日立製作所人みか丁場
21
458
日立評論
VOL.68
No.6(J986-6)
のでなければならない。
記述させても制御のi充れが分かりやすい,制御ロジック図と
次に制御の面で,高度又は多種多様なロジックが簡単にプ
1対1に対応したシンボルでプログラミングができるなどグ)
ログラミングできる豊富な命令語をもった高レベルプログラ
点に着目し,(1)の方式を採用した。すなわち,図2に示すよ
ム記述言語とともに,DDCプログラムをコントローラで高速
うなDDC向けシンボリック言語を開発し,制御ロジックを制
処理するための言語構造と実行処理構造が必要である。
御ブロック図で記述できるようにした。本言語は同図に示す
ように,論理i寅算,四則演算などハードウェアに例えればリ
一方,制御特性の調整の面で,制御パラメータがコントロ
レーのような機能を実行する′トレペルの命令から,音寅算モジ
ーラのオンライン動作中に,簡単な操作で誤りなく設定でき,
調整の結果が迅速かつ経時的に確認できなければならない。
最後に,システムの信頼性,保全性の面では,コントロー
ュールや計器の機能に対応する中レベルの命令,更に入出力
診断などハードウェアでは実現困難な大レベルの命令まて、幅
ラの演算渋滞などのシステム異常の可視化やDDCプログラム
広いレパートリーをもち,簡単なロジックから複雑,高度な
の変更,復旧が迅速かつ安全に行なえることが重要な課題で
ロジックまでをフレキシブルに実現することができる。以下
ある。
では,上記小レベルから大レベルまでの命令を総称してマク
以上述べた課題をHIACS-3000システムではDDC向けシン
ロ命令と呼ぶ。今回はまずこの中レベル命令のレパートリー
ボリック言語とエンジニアコンソールによって解ブ失した。
を拡充しポイラ,タービン,補機と広範囲の制御が実現でき
田
るようにする一方,プロセス入力信号や操作出力信号の診断,
DDCプログラムの記述言語とソフトウェア構造
手動・自動切換インタロック用の高機能標準マクロ命令を用
3.1DDCプログラム記述言語
意した。また,このほかに上述のマクロ命令を組み合わせた
DDCプログラムを記述する方式とLては,(1)機能ブロック
プログラムをサブルーチン化するマクロ命令(ADS)を支援し,
シンボルによるデータフロー方式,(2)ラグーンンボルによる
共通のロジックによって異なる操作端を駆動するバーナ制御
ラダー方式,(3)ビットパターンによるテーブル方式が代表と
などのDDCプログラムをコンパクトに構成できるようにした。
して挙げられるが,調整利子卸とシーケンス利子卸をi昆在させて
3.2
DDCプログラムのプログラミング
DDCプログラムを図3(a)に示すようにDDCシンボリック言
語を用いてエンジニアコンソール(以下,コンソールと略す。)
制御ブロック図の例
AO12
AOlO
S〕B
AOll
Ol
AO15
AO17
PIF
DGl
からのキー操作によってCRT(CathodeRayTube)画面上に
AO17
大
レ
ベ
制御ブロック図を表示させながら対話形式で作成,修正でき
ル
D201
0
D202
AO13
くコ
るようにした。また,マクロ命令のブロックシンボルの配置
診断1
Ao14
O3
AO16
D200
DGl
〝
2
DG2
〝
3
DG3
〝
4
DG4
A/Mインタロック
〝
㌔
や信号線の結線ルートが同図(b)に示すように特に指定しなく
ても同図(a)に示すようなキー操作7ごけで自動的に決定される
ようにした。
M11
M12
上述のようなプログラミング方式を実現するため,マクロ
ADS
アドレスシフト
命令を1個ずつコントローラが実行できる目的プログラムに
中
レ
ベ
変換するコンパイラ(逐次形コンパイラと呼ぶ。)と,この目的
ル
プログラム7)を利子卸ブロック図に変換し,CRTに表示する制御
P
比例・鮒(先行信号付き)
F
アナログメモリ
A
R
変化率制限
ベ
ラムファイルとして目的プログラムの形でハ】ドディスクに
変化率
G
D
進み遅れ
時系列データ平均
むだ時間
L
F
P
L
T
ほか
レ
上述のDDCプログラムは,コントローラごとのDDCプログ
L
一次遅れ
小
ブロック図表示処理プログラムをコンソールに内蔵させた。
肝GMLGRDLD
関数発生
記憶させ集中管理できるようにした。そLて,プログラムの
追加・修正時にはまず該当コントローラのDDCプログラムを
28種
ファイルからコンソールのメモリ上に読み出して,シートと
ル
いう分割単位で制御ブロック図として表示させて追加,修正
高
A
S
M
RDD㈹いⅣ
A
/
機
能
計器
パッケージ
/
D重
モジュ_ル后
♂〆
dr+レ
部品
国
その結果をDDCプログラムファイルに書き込んだ後,該当
コントローラのプログラムをネットワーク経由で書き換える
方式とし,常にハードディスクにコントローラの最新のプロ
グラムが保存されるようにした。
3.3
DDCプログラムのソフトウェア構造
DDCプログラムがコントローラで高速処理でき,かつそれ
がコンソールで迅速に制御ブロック図として表示できるよう
にするため,その言語構造とi寅算実行処理構造をi欠のように
dr+レ
して決定した。
(1)マクロ命令実行処理の高速化
DDCプログラムをコントローラに実行させる方式としては,
注:制御ブロック図で,
1.AXXX‥‥‥アナログ点番号(アナログ信号の番号)
2.DXXX…・・・ディジタル点番号(論理又はディジタル信号の番号)
3.マクロ命令シンボルの中の番号は∴寅算実行の順序を示す。
図2
する。
ソフトウェア
(×U
ま
O
・{〃
積和也昇算せ昇算
T+J
論論加減乗除
罷王甲二
王
DDC向けシンボリック言語
直接実行方式とインタプリタ7)方式がある。前者は実行処理対
象である目的プログラムが機械語のもので,そのため高速演
算が可能であるが,原始言語(ここではマクロ命令)を機械語
調整制御及びシーケンス制御及び
簡単なロジックから複雑高度なロジックまで,機能対応の小レ/くルから大レベ
に翻訳するプログラム(コンパイラ)が複雑になるという欠点
ルのマクロ命令を用いて,フレキシブルに構築できる。
がある。これに対して後者は,原始言語と機械語の中間に位
22
459
ユーザーオリエンテッドのDDC向けプログラミング言語と保守ツール
制御ロジック図
制
御
ブロック図
qミ)メモリ
時
コンパイラ
70ログラムライト
コントローラ2
コントローラ1
プログラム照合
シート
も
(a)プログラミング操作
キー操作
`ク
空夢
(ハードディスク)
マクロ名〔回□回[垂]
匡]ロ 回 匝]
回 [] 匝][∃
入
力
S3
01
S2
H-04-M/L
コントローラ八r
⇔
H-04-M/F
基
プログラミング(修正)
プログラミング(追加)
sI
⇔
(プリンタ)
(b)制御ブロック図表示
CRT表示
ハードコピー
竿も
(完昆?認
良∠_∨
入
挿
02
書
S3
slS2
s4
s4
02
01
換
sI
S2
S3
01
s4
02
④凰
⑧
(み
除
削
…呈。1S3。2S4
④⑧
壇)⑧
■r
く〉MACRO
匡】
□ 匝][司
PIF
[司[∃[可[司
X
AlOO
Z
F
Y
SW
AlO3
ご三三竺1 子空d_「
声望a
S3
S3
S4
SI
S(う
…呈召S3
喜去01④02芸
S201④慧
S2蓋02霊
AlOI
AlO2
D200
S5
く〉
プログラミング操作及び処理内容
ヱ嘩+′
+______+
S3
SI
削除指定
し軍至芸 圭…gロ芸萱
AlO小一0小200
崇番喜〔回□回回
図3
コントローラ八・'
固
形
データ伝送ネットワーク
議
嶺. 篭
逐
≠宅[
ク短]
目的プログラム
目的プログラム
頂⊥二ご、
コントローラ1
ピーチイスク)
表示処理
[軍司
コントローラ群
DDCプログラムファイル
二≦璽戸;
点番号
DDCプログラムファイル
エンジニアコンソールの処理内容
03
S5
s4
03
⑥
④
S5
⑧
エンジニアコンソールを用いて,DDCプログラムを制御ブロック図イメージで確認Lながらプログラミングできる。〕
DDCプログラム(機械語)
置する中間言吾を実行する方式であI),中間語を制御ブロック
区l表示に都合のよい形態にしやすく,かつコンパイラが簡単
ループ01
に構成できるなどの長所をもっているが,コントローラにイ
シートNo.0101
実行管理タスク
ンタプリタという中間語を解釈実行するプログラムが必要と
周期タイマ
なり,実行処理速度が遅くなるという欠点がある。そこで,
高速から低速まで広範囲の制御演算を同一のソフトウェア構
造で実現できることから直接実行処理方式を採用した。これ
DDC
{}
演算実行処理
マクロ命令
ループ02
ライブラり
プログラム
(機械語)
し⊆=ご=
シートNo.0201
了?参照
に伴い,コンパイラはマクロ命令を機械言吾に直接変換する方式
実行管理
とし,容量が大きくなることからコンソールに内蔵させた。
テーブル
(2)制御ブロック図表示の高速化
シートNo_0202
(芸表芸)
マクロ命令すべてについて機1戒語に展開した形を標準化し,
コンソールにマクロ命令の機械語パターン認識用のテーブル
シートNo.0203
をもたせて制御ブロック図表示の高速化を図った。
マクロ01
(3)DDCフ0ログラム実行処理の高速化
(S〕B)
制御ロジック
DDCプログラムは,・一般に論理演算のような高速処理が必
/へ瓜り
要な部分と比例積分演算のように必ずしもその必要のない部
シート帖=0203
ロ
マクロ02
分とから構成されているので,DDCプログラムをループとい
マクロ1
う実行単位に分割し,各々を指定周期又はトリガ信号で起動
SU[∼
01
できる実行処理構造とし,計算機負荷率の平均化が図れるよ
(PIF)
マクロ2
凸
PIF
O2
うにした。なお,前述したシートという区分単位に対しては,
各ループ内で個別に番号をとr),ループNo,とこの番号を組み
[V・-
合わせたシートNo.コードによりコンソールでは管理すること
とLた。
;
注:こ(演算実行の加を示すc)i
壬
図4に以上の検討結果に基づいて実現させたコントローラ
+__________+
のソフトウェア構造を示す。同区=ま特にループ02に属するシ
図4
ートNo.0203グ)DDCプログラムの実行処理フローを拡大したも
ので,各ループを各々の起動条件に応じてシートNo.の川軋
シ
コントローラのソフトウェア構造
実行管理タスクの演算実行
処理プログラムは,周期タイマによって起動され,実行管理テーブルを参照Lて,
DDCプログラムを起動条件下にあるループニとに実行する。DDCプログラムを機
ート内ではマクロ命令の順に実行管理タスクにより高速処理
械語に展開することにより高速化を回り,シートNo.コードに区分することでコ
させる。
ンソールによるファイル管王里を容易化している。
23
460
日立評論
VOL.68
No.6‥986-6)
シ
モード
テ
ス
標準タイプ
ム
成
構
項
No.
国i
標準タイプ
目
「言蒜告詣1;□ ̄ ̄ ̄ ̄- ̄ ̄ ̄ ̄「
機
1
高機能タイプ
マイクロ
種
スーパーマイクロ
コンピュータ
コンピュータ
(B16/EX)
 ̄喜㌘「叢.書ロシ州
2
リ
-
〟-∑NETWORK
伝送速度
L________■_三三_と_+
モ
3
4.8kピット/秒 1Mビット/秒
サイズ
14jn
20in
表示色
7色
15色
CRT
表示
6-15個
システムキャビネット
システムキャビネット
卜
l
l
4
ノ■ ̄ ̄ ̄-■司
ネットワーク
構
cv-「石jよ㍍7こ丁ノいADTアダプタ
cv-「誌三読訓。A。,アダプタ
NETWORK+---l一--ノ
NETWORK+---r--γ
l
成
/上-∑NETWORK用 〃一∑NETWORK用
C〉-NETWORK用 のみ。
の2種あり。
l
5
′-L--1ドニ二土÷可
運転監視
機
能
な
仁品二試トーーー;H一。。-M/Fり
応諾ト___仲M′F:ノ
ドニヒ刀
+_.____J
+__.____...′
準
タ
イ
+
L-___-.′
プ
高
エンジニアコンソール本体
ロ
20-30佃
標準タイプ国占B16′EX標準タイプ国♭B16/EX
マクロ数
l
標
(〉gOシリーズ)
機
能
タ
_
あ
し
り
______J′
イ
プ
エンジニアコンソール本体
芸∩
lMFUl3苧白部バス?1・㌶法卜;
ヰよ部バ弊l遥詣ユゝ
注:略語説明
】
lィン管フ彗コ
力
ノレ
l
H-04-M/L(HISECO4-M/+形コントローラ)
H-04-M/F(HISECO4-M/F形コントローラ)
Processing
MPU(Micro
Unit)
Ray Tube)
CRT(Cathode
lp可レ窪スl
l
l
BPU(Basic
Processlng
CRTタイプライタは㌔フ㌔セス′+J∑N汁
Pl/0(Processlnput
卜叫キーボード
李聖書WORK
Unit)
Output)
CV-NETWORK(系統ネットワーク)
and
卜芸(オ三≡…テドプリンタぎ邦吉タ
.〟-∑NETWORK(ユニットネットワーク)
図5
エンジニアコンソールのシステム構成と主仕様
エンジニアコンソールには,標準タイプと高機能タイプの2種顆があり,リモートモードでは,
接続Lたネットワーク及びその下流のネットワークのコントローラをオンライン保守できるし.ローカルモードでは,ハードディスクベースでのプログラミング機能
などオフライン保守が行なえる。
エンジニアコンソール
フロッピー
主な機能プログラム
DDCプログラムファイル
ディ
コントローラB
スク
システム構成表示
コントローラB
システム構成図表示
コントローラA
ブ
ロ
ク
ッ
図
表
示
DDCプログラム
団
コントローラA
DDCプログラム
70ログラムメンテナンス
プ
ロ
プ
ロ
プ
ロ
プ
ロ
チ
グ
グ
ラ
ラ
ュ
ムリ
ド
ー
照
ム
合
グ
ン
ニ
ー
グ
ラ イト書
ム
ラ
グ
ン
ミ
ラ
ブロックパラメータ表示・設定
パラメータリスト表示・印字
共通ファイル
トレンド項目表示・設定
トレンド項目
フ
ァ
タ
モ
イ
ル
トレンドデータ
収録ファイル
データ伝送ネットワーク
制御パラメータ
グ
オンライントレンド表示
演
ヒストリカルトレンド表示
オ
ン
ラ
イ
ン
モ
制御パラメータ
ニ
算
結
果
プロセスデータ
タ
オンラインモニタ
項目ファイル
コントローラステータス制御*
ラン・スタンバイ制御
注:く>(ローカルモードのデータの流れ).一・・(リモートモードのデータの流れ),*(′′′-∑NETWORK接続時は未支援)
図6
エンジニアコンソールの主な機能
DDCプログラムの検索表示を行なうシステム構成表示,DDCプログラムの作成・修正や書込み,読出しなどを行
なうプログラムメンテナンス,制御パラメ▼タの設定を行なうチューニング.コントローラの演算結果などのオンライントレンドや収釜責データのヒストリカルトレ
ンドを行なうモニタなど,多種多様な機能をもっている。
24
ユーザーオリエンテッドのDDC向けプログラミング言語と保守ツール
オペレーション
田
C
R
T
表
461
示
DDC用保守ツール
4.1
システム構成
図5に,HIACS-3000システムのDDC用保守ツールである
コンソールのシステム構成と主な仕様を示す。コンソールと
して保守専用の標準タイプとプラントの運転監視機能ももつ
高機能タイプの2種類を用意した。いずれもネットワークに
接続して,コントローラのオンライン調整・保守機能を実行
するためのリモーートモードと,コンソⅦル単体でプログラミ
ングなどの機能を実行するローカルモードのことおりの使用
方法がとれるようにした。
リモートモードとしては両タイプ共に〃-∑NETWORKに接
続し,〟-∑NETWORK及びCV-NETWORKを介Lてすべて
のコントローラをコンソールとの1対∧rデータ伝送により集中
オンライン保守ができるようにした。また,標準タイプのも
のは,CV-NErrWORKに接続L,該当したCV-NETWORK
上のコントローラとの1対Ⅳデータ伝送によりオンラインイ呆守
ができるようにLた。本構成により,異なるCV-NETWORK
ごとにコンソールを接続してシステムの二蔽列保守が行なえ,
特にプラ_ントの定期点検や試運転期間を短縮できる効果は大
きい。このほか,標準タイプではコントローラと直結した1
、甘ループ帖(06)選択
対1の保守も可能とした。
機能及び特長
4.2
図6にコンソールの主な機能を,コントローラとのデータ
のラ売れが分かる形で示した。以下,本国と具体例を基に主な
機能と特長について説明する。
(1)システム構成表ホ
図7に示すように手元に[司曲がない場合でも,コントロー
ラ間の階層構成の表示内容からコントローラNo.を知り,その
DDCプログラムの内容を制御プロ、ソク図のレベルまで答易に
検索することができるシステム構成図表示,コントローラNo.
きるブロック図表示の二つの機能を用意した。
(2)プログラムメンテナンス
3.2節で説明したプログラミング機能,DDCプログラムファ
イルの内容をコントローラのメモリに書き込むプログラムラ
甘シート帖(0604)選択
とシートNo.をもとに制御ブロック間を直接検索することがで
+
イト,書き込み後に双方のプログラムの照合を行なうプログ
ラム照合の外に,フロッピーディ
スクをDDCプログラムファ
イルとする上述と同様の機能ももたせた。なお,プログラミ
ング機能では,マクロ命令の人力時に.その人出力点番号の
種別,出力点番号の重複,プログラム用メモリ容量のチェ・ソ
クなどを行ない, ̄文法上の誤りが作り込まれるのを未然に防
止するようにした。また,安全グ)ためDDCプログラムが動作
区17
中はプログラムライトができないようにした。
ファイルを読み出して,コントローラ相互間のシステム構成.指定したコントロ
(3)チューニング
ーラのループ情報,シート情執
がなくても迅速な情幸艮検索ができるこ
システム構成図表示例
エンジニアコンソールのDDCプログラム
制御ブロック図を順次階層的に表示させ,図面
コントローラの制御パラメータを,マクロ命令単位にオン
ラインで設定変更するブロックパラメータ表示・設窟,DDC
プログラムファイルの制御パラメータを,マクロ命令の種別
のものをトレンド項目として選択するためのトレンド項目表
ごと又はループ別にリスト表示あるいはプリントアウトする
示・設定,(b)選択データを図9に示すようにカラートレンド
パラメータリスト表示・印字の機能を用意した。パラメータ
グラフで実時間表示するオンライントレンド表示,(C)この表
変更操作に対しては,入力データの合理性チェックや現在値
示データをトレンドデータファイルに収録L,後で必要な部
との比較表示を行なうなどの誤設定防止策を講ずる一方,変
分をトレンドグラフ表示するヒストリカルトレンド表示,(d)
更前後の値を自動的にプリントアウトし,変更来歴として残
図10に示すように制御プロ、ソク凶と実時間データ表示を同時
せるようにした。区18に,ブロックパラメータ表示・設定に
に行なうオンラインモニタの四つの機能を設けた。オンライ
よる関数発生マクロ命令のパラメータ変更時の表示例を示す。
ントレンド表示では図9に示すように複数台のコントローラ
(4)モ
の信号(点番号)を一一画面に6′在までアナログ信号とディジタ
ニ
タ
(a)コントローラの演算結果やプロセスデータの中から任意
ル信号を混在させて表示できるようにするとともに,制御パ
25
462
日立評論
図8
関数発生マクロ命令のパラメータ表示例
VOし.68
No.6=986-6)
関数発生マクロ命
図10
オンラインモニタ表示例
選択表示Lた制御ブロック図のディジ
令のパラメータ設定時のCRT表示画面の例を示す。実線が現状の設定カーブ,破
タル信号については,論理値l,0に対応して数値を信号線近傍に表示するとと
線が入力データの確認表示カーブを示す。設定指令を入力することにより,パラ
もに,信号線の亀をそれぞれ黄.緑で色別表示する。また,最大9点の信号を,
メータが実際に書き替えられる。
二の表示と平行Lて画面下方に数値で更新表示することができる。
(5)コントローラステータス制御
DDCプログラムを,プログラムライト機能でコントローラ
のメモリに書き込む場合などに,コントローラのスイ・・ノチを
直接操作しなくてもリモートモードでスタンバイ(停止)にし
たり,書き込み完了後にラン(動作)させたりすることができ
るように本機能を設けた。
b
結
言
新監視制御システムHIACS-3000を構成する高機能形コン
トローラによる制御を統一言語と保守ツールを用いて構築・
保守できるようにすることを目的として開発したDDC向けシ
ンボリック言語とエンジニアコンソールの機能,実現手段及
び開発思想について述べた。本開発の結果,火力発電制御シ
ステムの(1)低速制御から高速利子卸,(2)調整利子卸とシーケンス
制御,(3)異なる利子卸対象の制御のすべてを,統一言語を用い
てプラントエンジニアでも容易に構築可能となるとともに,
注:*1CTし.No.(コントローラNo.)
*2
PT.No.(点番号)
NAME(信号名称)
*4
VALUE(現在値)
*3
画
仕様
図9
面
これら利子卸を行なうコントローラ群を統
ることにより,システムのMTTR(Mean
数(6ページ)
一保守ツールを用い
Time
トレンド点数〔ページ当たり6点(6色)〕
画面当たり表示時間(6分,12分,30分,1時間,6時間から選択1
画面スクロール(全画面左方向,÷画面左方向,÷画面左方向から選択)
規ニーズを反映してより使いやすいものとするため,機能及
表示スケール(各点につきゲイン,オフセット値可変)
び性能の充実を図っていく考えである。
オンライントレンド表示例
あらかじめトレンド項目設定機能で指定された点番号のデータを,lページ当た
り最大6点(6色)までトレンドグラフで表示する。各点の現在値も数値更新表示
する。また,この機能の中で,マクロ命令の制御パラメータのチューニングが行
参考文献
1)
ラメータの調整をトレンドグラフと同一画面上で芦別御応答を
見ながら行なえるようにした。ヒストリカルトレンド表示で
2)天日,外:ロータ熱応力制御によるタービン自動制御装置,火
力原子力発電,29,No.5,473∼482(昭53-3)
3)
の動作状態やシーケンスの渋滞状況をチェックしやすいよう
4)
本臥
5)
∼202(昭54-3)
本田,外:大容量タービンディジタル制御システム,日立評論,
に,最大9点の信号の数値表示と制御ブロック図のディジタ
ル信号線の色変更を行なわせるようにした。また,オンライ
26
外:蒸気タービン自動制御装置、日立評論,61,3,199
65,9,625∼628(昭58-9)
6)
ンモニタの中で制御ブロック図中のマクロ命令の制御パラメ
ータをカーソル指定により容易に変更できるようにした。
松本,外:ロータ熱応力予測タービン音別御システム,計測自動
制御学会論文集,第16巻,第6号,905∼912(昭55▼12)
して最大30点のデータを8時間分収録できるようにした。i欠
に,オンラインモニタでは,図川に示すように利子卸ロジック
中野,外:ディジタル式ボイラ自動制御装置,火力原子力発
電,3l,No.6.609∼621(昭55-6)
は,試運転記三録の整理や異常現象の解析などの用途を想定し,
トレンドデータファイルはデータサンプリング周期を2秒と
Repair)
を従来のナにすることができるようになった。今後とも,新
ページNo.を指定することにより,
なえる。
to
東,外:蒸気タービン用ディジタ′レ式電子油圧式ゲバナ,日立
評論、59,5,403∼408(昭52-5)
7)
中田:コンパイラ,産業図書(昭56-9)
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