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3.ICカード導入の課題整理等

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3.ICカード導入の課題整理等
3.ICカード導入の課題整理等
3-1. ICカードの利用拡大等の動き
(1)四国で広がるICカードの利用
四国運輸局では、平成 20 年度の「松山離島航路へのICカード導入等による離島の活性化」
において、松山市島嶼部及び松山港を起終点とする高速船やフェリーにも、ICい~カードの
利用を拡大し、船と電車・バスとの乗継ぎのシームレス化により、利用者の利便性向上を図る
と共に、特産品を使った活性化の取組等、島の交流人口の拡大を目的とする検討を行った。
(資料:四国運輸局ホームページ)
松山市の伊予鉄道「い~カード」では、平成21年10月1日(木)より、松山市と中島地区を
結ぶ中島汽船の航路で、さらに10月31日(土)より、松山~呉~広島を結ぶ石崎汽船の航路で、
ICカードが利用できるサービスを開始している。
(資料:(株)e-カードホームページ)
20
平成 21 年 10 月 1 日(木)始発便より、中島汽船で IC い~カード・ローズカード(IC 機能付)がご利用できます。
また、中島大浦港では、IC い~カードへのチャージができます。(その他の港では取扱いしておりません。)
IC い~カードを使うと、約 5%割引でお得!
例)大浦⇔高浜間 通常:870 円 ICい~カード割引:830 円
詳細は、中島汽船ホームページをご覧ください。
中島汽船ホームページ
(資料:(株)e-カードホームページ)
IC い~カードが松山~呉~広島航路で利用できます
2009.10.28
~スムーズな乗り継ぎが可能に~
10 月 31 日(土)より、石崎汽船株式会社・瀬戸内海汽船株式会社が運行する松山~呉~広島
航路のスーパージェット・フェリーの運賃を、IC い~カードの電子マネーにてお支払いできるサ
ービスを開始いたします。IC い~カードのご利用で、船と電車・バスのスムーズな乗り継ぎが可
能に。広島へお出かけの際には、ますます便利になった IC い~カードをぜひご利用ください。
提携の概要
1. 実施日
平成 21 年 10 月 31 日(土)
2. 対象
「IC い~カード」もしくは「IC 機能付ローズカード」
を保有しているお客様。
※広島県交通系 IC カード「PASPY」もご利用いた
だけます。
2種類の端末で対応
3. サービス内容
松山~呉~広島航路の運賃を IC い~カードの電子マネーもしくは IC 機能付ローズカードの
後払い機能で決済できます。
•
•
IC い~カード、IC 機能付ローズカードのご利用限度額は上限 3 万円です。
カードと現金の併用はご利用いただけません。
4. 航路について
航路等の詳細については、石崎汽船ホームページでご確認ください。
http://www.ishizakikisen.co.jp/
(資料:伊予鉄道(株)ホームページ)
松山都市圏においては、都市圏でスタートした交通ICカードが電子マネーとして利用が進
み、更に合併で松山市となった旧中島町との離島航路や、瀬戸内海を挟んで隣接する広島都市
圏の交通ICカードとの相互利用を開始するなど、利用範囲が拡大している。
21
(2)香川県内で広がる IruCa の利用
■高松都市圏では、ことでんが平成17年2月に四国で初めてとなる交通 IC カード IruCa を導
入した。これまでに、40万人規模の高松都市圏に置いて15万枚を越えるカードを販売した。
IruCa の利用率は79.2%に達している。
Confidential
■IruCa発売・利用実績
平成21年12月31日現在
1)サービス開始
平成17年2月2日
2)利用範囲
ことでん全線51
駅・ことでんバス全路線83
83両
両
ことでん全線51駅・ことでんバス全路線
3)カードタイプ
交通系タイプC
交通系タイプC (SONY FeliCa)
FeliCa)
定期, 40,257,
26%
グリーン,
3,495, 2%
サイバネ規格 (鉄道共通規格)
4)カード決済方式
プリペイド決済のみ (カード内上限2万円)
5)発売枚数
6)券種別内訳
約 14,000 件
8)市内3
市内3駅 IruCa乗降客数(平日)
◆高松築港駅
4,200人
4,200人
4,200人
4,200人
12,000人
12,000人
160,000
150,000
140,000
130,000
120,000
110,000
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
9)一日平均電車バス乗継件数
※
約 535 件
IruCa利用率
平成21年12月
フリー, 79,928,
51%
スクール,
16,691, 11%
40,257 枚
7)一日(平日)
当りSF利用件数
)一日(平日)当りSF利用件数
◆片原町駅
シニア,
12,624, 8%
SFカード 116,018 枚
定期券
◆瓦町駅
キッズ, 3,280,
2%
156,275枚
156,275枚
79.2%
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H17.2
H17.6 H17.10 H18.2
H18.6 H18.10 H19.2
フリー
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スクール
H19.6 H19.10 H20.2 H20.6 H20.10 H21.2 H21.6 H21.10
シニア
キッズ
グリーン
定期
※ことでんバス・電車利用者に占める IruCa 利用者の割合
■平成20年11月に香川大学の学生証、平成22年1月には高松市役所の職員証に IruCa が搭載
された。
Confidential
■香川大学・高松市との提携
平成21年11月
高松市役所の市民課・納税課で
証明書発行手数料支払いにIruCa利用開始
平成22年1月高松市職員証にIruCa搭載
平成20年11月6日(木) 瓦町駅にて
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■IruCa はエコポイントの活用によるグリーン家電普及事業に参画し、現在、1,333件/
5,993千円の申請がなされている。
Confidential
■エコポイント交換商品申請状況
平成21
年7月24日~平成
22年
年1月25日
平成21年
24日~平成22
25日 申請状況
名称
ポイント数
件数
金額
限定
ecoIruCa
10,000点
(一万円)
207件
2,070千円
フリー
IruCa
5,000点
(五千円)
108件
940千円
1,018件
2,983千円
チャージ券
現在 計1,
計1,333件/5
333件/5,,993千円の申請を頂いております。
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■IruCa は地域総合健康サービス産業創出事業にも参画し、平成20年11月から平成21年2月
に、四国八十八ヶ所バーチャル歩き遍路というプロジェクトを実施した。
Confidential
■地域総合健康サービス産業創出事業
四国八十八ヶ所 バーチャル歩き遍路
歩数計をつけてウォーキングすることで、
ポイントがたまります。
ポイントはIruCaにチャージ可能
体組成測定会
の様子
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■地域健康データ管理システムに IruCa による電子認証を組み込む実証実験を実施している。
Confidential
■健康情報活用基盤の為の実証実験
ICカード発行サービス(交通機関ICカード)による生活に密着した利便性の提供
地域健康データ管理システムには地元交通機関のICカード「IruCa」による電子認証に組み込む。 現在、「IruCa」を用いて中
央商店街を中心とした電子マネーサービスを展開しており、本事業にて「IruCa」を利用することにより交通機関・中心市街地・
医療機関を結ぶ強力なツールとなりえる。 交通系カードから地域カードへと、より生活に密着した利便性の高い生活インフラ
として発展を目指す。
医療機関
電子認証
「eヘルスケアバンク」
データセンター
診察券・個人データの開示
自宅
企業健保
フィットネスクラブ
調剤薬局
PC及び携帯電話で個人のデータの参照・入力
専門医からのアドバイスの閲覧
コンソーシアム参加団体:㈱ST-NET 香川大学 ㈱ミトラ 四国旅客鉄道㈱ JR四国バス 高松琴平電気鉄道㈱
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■社会保障カード(仮称)プラットフォームを構築し、利用者の個人情報管理の効率化のしくみ
づくりを目指している。
Confidential
■社会保障カード実証実験の実施イメージ
高松琴平電気鉄道(ことでん)が発行する交通系FeliCaカードに、住民基本台帳カードと遜色のない信頼性を確
保し、社会保障カード(仮称)プラットフォームを構築し、利用者に対してワンストップサービスを実現します。
利用者にとっては、安心・安全な環境下で、様々な機関に点在する利用者自身の情報を自宅にいながらパソコン
で容易に確認できる仕組みづくりを目指します。
年金情報
利用者
健保情報
医療情報
社会保障サービスの
オンラインによる照会
レセプト
保険者
運動情報
食事情報
健診情報
国民健康保
険
処方情報
企業健保
(自宅PC)
社会保障カード (仮称)
プラットフォーム
個人に関するデータ
そのものは、各機関
で個別に管理
医療機関
調剤薬局
協会健保
ポータルサイト
医療機関
中継データベース
カード発行
医療保険
資格情報
自治体の信頼性
オンラインによる
医療保険資格情報の確
認
健診機関
PHRシステム
健康・医療情
報
社会保険庁
健康サービス
事業者
スポーツジム
※厚生労働省で検討中
年金情報
K-MIX
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■下図に示すように、IruCa も交通ICカードとしてスタートしたが、これまでに電子マネー、
学生証、職員証に展開を図ってきた。
今後も様々な実証実験を実施しながら広く地域カードへの展開を図っていく予定である。
Confidential
■IruCa今後の展開 ~交通系カードから地域カードへ~
21年度実証実験
電子マネー
医療機関の診察券や支払に
17/2~
18/11~
20/11~
駐車場
社員証・学生証等に
公共施設
20/3~
18/12~
その他の交通機関
20/1~
20/3~
観光地
タクシー
子供たちの安全を
19/12~
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このように、交通系ICカードとして導入された IruCa は、電子マネー機能や電子認証機能
を活かした学生証・職員証など利用範囲が広がっている。更に今後は、医療情報をはじめとする
様々な個人情報の管理など、地域カードとしての利用拡大が期待されている。
25
(3)全国的に広がる交通系ICカードの相互利用
北部九州を中心に導入された『SUGOCA』
『nimoca』『はやかけん』は、互いの都市圏の
公共交通の利便性を目指し、首都圏で広く普及している『Suica』と相互利用サービスを予定
している。
(資料:JR 東日本、JR 九州、西日本鉄道、福岡市交通局など
26
プレスリリースより)
首都圏エリア、仙台エリア、新潟エリア、北部九州エリアでは、平成 22 年 3 月から、交通
ICカードの乗車券の相互利用サービスや電子マネーの相互サービスを提供する予定となって
いる。
27
■交通系ICカードの相互利用一覧
全国に普及が広まっている交通系ICカードは、JR 東日本の「Suica」を中心に相互利用
の動きが広まってきている。
○交通・電子マネー
△交通のみ
JR北海道
JR東日本
関東各社局
JR東海
JR西日本
関西各社局
広島各社局
名古屋各社局
JR九州
西日本鉄道
2008.10.25
2001.11.18
2007.3.18
2006.11.25
2003.11.1
2004.08.01
2008.01.26
2011
2009.3.1
2008.5.18
2009.3.7
Kitaca
Suica
PASOMO
TOICA
ICOCA
PiTaPa
PASPY
SUGOCA
nimoca
はやかけん
○
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
△
●2010.3.13
×
×
●2012予定
×
×
×
△
○
片側利用
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
●交通・電子予定
Kitaca
○
△
△
●2010.3.13 ●2010.3.13
×
Suica
○
PASOMO
×
○
TOICA
×
△
●2010.3.13
ICOCA
×
△
●2010.3.13
×
△
●2010.3.13
PiTaPa
×
×
×
×
△
PASPY
×
×
×
×
×
×
名古屋地区
×
●2012予定
×
●2012予定
×
×
×
SUGOCA
×
●2010.3.13
×
●2011予定
×
×
×
×
nimoca
×
●2010.3.13
×
×
×
×
×
×
●2010.3.13
はやかけん
×
●2010.3.13
×
×
×
×
×
×
●2010.3.13 ●2010.3.13
×
×
福岡市交通局
●2012予定 ●2010.3.13 ●2010.3.13 ●2010.3.13
●2010.3.13 ●2010.3.13
●2010.3.13
■主なICカードの発行枚数
発行枚数
電子マネー
加盟店舗数
開始日
約 3,037 万枚
平成21年11月末時点
平成13年 11月 18日
約 55,520
ICOCA
約 502 万枚
平成21年11月末時点
平成15年 11月
約 11,460
TOICA
約 83 万枚
平成21年11月末時点
平成18年 11月 25日
IruCa
約 15 万枚
平成21年時点
平成17年
2月
PASPY
約 15 万枚
平成21年8月末時点
平成20年
1月 26日
Suica
1日
約 250(予定)
2日
約 200
■Suica との相互利用のメリット・デメリット
JR 東日本で展開している Suica と相互利用を行うにあたっては、サイバネ規格に準拠する
必要があり、導入・運用上のメリット・デメリットは以下の通りである。
メリット
・相互利用により、Suica 所持者が新規購入せずに乗車が可能。
・市場が広い。
制約・
デメリット
・セキュリティの問題から、高度な規格・仕様にする必要があることから、
JR の供給する機器(リーダ・ライタ)の利用が必要(コスト高)
。
・Suica 利用時に問題が発生しないか、JR 試験場での検査確認が必要。
・上記から、導入までに時間を要する(3年程度)
。
その他
・Suica ではバリューは等価(100 円=100 円)であり、従来の磁気カー
ドなどで採用されているプレミア(5000 円→5500 円)といったサービ
スが困難なことから、相互利用の場合は、ポイント制(利用額に応じたポ
イント付与)方式に変更する必要がある。
IruCa は Suica と同じ規格を採用しており、
IruCa の地域カードとしての特色を生かしつつ、
いかに全国の主要なICカードと共通化していけるかを検討する必要性が考えられる。
28
(4)電子マネー利用の拡大
交通ICカードとしてスタートした『Suica』と『PASUMO』は、電子マネー機能の利用が
拡大し、平成 21 年 7 月には 1 ヶ月あたり 4,000 万件を超えた。
(資料:PASMO
29
プレスリリースより)
(5)異業種連携の拡大
広島都市圏では平成 20 年 1 月に『PASPY』が導入されたが、平成 21 年 4 月には利便性
の向上のため、交通事業者・銀行・マスコミ企業が提携し、銀行の ATM でチャージが可能な
『<ひろぎん>PASPY』を発行した。
全国初
銀行のATMで
チャージができる!!
(資料:PASPY
プレスリリースより)
このように、全国の交通系ICカードは、異なる企業体による遠い距離を隔てた相互利用の
動きが活発化している。また、電子マネーとしての利用が急激に拡大し、異業種連携による端
末機の増設など、ICカードを利用した利便性の向上が一層進んできている。
30
近年、ソニーが提案している「Felica ポケット」と呼ばれるアプリケーションフォーマット
を導入することで、1 枚のカードのメモリ領域を分割し、複数のサービス(会員証・ポイント・
スタンプラリーなど)を利用することが可能となっている。
【YOKOSO!
実 施 期
Japan
Card】
間:2008年7月19日~9月30日
カード配布対象:アシアナ航空(韓国)とエバー航空(台湾)を利用し、個人向けパッケージ
旅行商品で日本を訪れる観光客1万人
配 布 カ ー ド:Suica タイプ1000枚と nanaco タイプ9000枚(合計1万枚を無料配布)
デポジット料金は無料で、自分でチャージを行って利用する(ただし、Suica
タイプには1500円分があらかじめ入っている)
。
カ ー ド の 機 能:
①電子マネー機能:nanaco または Suica で買い物ができる
②IC 乗車券:Suica を利用して乗車できる(nanaco タイプは非対応)
③ポイントラリー:FeliCa ポケットの機能を利用
東京都内及び近郊の観光地・商業施設等に約 100 カ所の端末を設置し、その端末にカ
ードをかざすことによりポイントが蓄積される、帰国時に成田・羽田空港で集めたポイン
トに応じて抽選に参加。またカードを提示すると、一部店舗では割引を受けられるサービ
スもある。
④医療補助サービス:NPO 法人 AMDA 国際医療情報センターが紹介する約 20 の医療機
関で治療を受けることができる。医療機関の紹介を旅行客の母国語で
行うほか、初診時に自費で 1000 円を支払えば、治療にかかった実
費を実行委員会が見舞金として負担(上限 1 万 3000 円程度。これ
以上かかった場合は、差額を旅行者が医療機関で支払う)
。
〔狙い〕
■外国人旅行者の利便性向上
□IC カードで、旅行中の移動・買い物がスムースで便利に
□旅行中のケガや病気時の母国語による医療機関の紹介及び一定金額の見舞金サービス
■ポイントラリー参加者による来店増、地域経済効果に寄与
□台湾、韓国の1万人の旅行者がポイントラリーに参加
□その他サービス提供により、購買意欲の促進
〔検証のポイント〕
■外国人旅行者全体の行動分析
□ポイントラリー参加者に、首都圏各箇所に設置した端末にタッチしてもらうことによ
り、回遊経路、国、年代、性別ごとの志向・傾向を把握する。
□これらのデータを収集し、観光客全体の回遊分析を行い、新たな観光戦略の立案、訪
日旅行の魅力向上につなげる。
□利用者に対し、アンケート調査を実施し、検証を行う。
類似の取組:てくてくさぬき
における てくてくカード
31
【その他:Suica を活用した情報提供(SuiPo)
】
Suica を読み取り部にかざすことにより、事前に登録した携帯電話に地図や周辺の情報を提
供するサービスも行われている。
ICカードは、単に乗車券としての活用から、公共交通機関を含む移動の支援や、地域の活
性化等への幅広い分野に展開が広がっている。
32
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