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ビジュアルコミュニケーションツールへと進化する映像会議システム

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ビジュアルコミュニケーションツールへと進化する映像会議システム
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
ビジュアル
コミュニケーションツールへと
進化する
映像会議システム
各社の取組み
NTTアドバンステクノロジ
豊富な製品ラインナップと経験・ノウハウを活かして
次世代コミュニケーション「映像×ネットワーク」を展開
OKI
専用端末との互換性を確保してビジネスの生産性を
向上させるビデオ会議システム「Visual Nexus」
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
ビジュアルコミュニケーションビジネスを支えながら
次世代のワークスタイルを確立させていく
としたもので、基本的に映像や音声
H.264/AVC などがある。また、
は専用端末で処理されるが、PC と
DVD クラスの高画質を効率よく伝
接続してデータ共有を行うことも可
送できる H.264 や、H.264 を拡張し
ビデオ会議システムや Web 会議
能だ。また、多くの拠点と接続する
た H.264/SVC に対応した製品も登
システム等の「映像会議システム」
場合は、多地点接続の機能を提供す
場している。
は、“人”が移動せずに、ネットワ
る MCU( Multipoint Control
その他のトレンドとして、相互接
ーク上で“情報”をやり取りするこ
Unit :多地点制御装置)が必要に
続対象の拡大(異機種間相互接続や
とで、業務の効率化や情報共有、迅
なる。一方の Web カンファレンス
NGN接続等の拡大)や、H.264/SVC
速な意思決定を可能にし、また、拠
システムは、PC 上で映像や音声を
等の革新的なアーキテクチャの登場
点間を結ぶことで経費と時間を低減
処理するので、PC のスペックで処
などがある。また、映像会議システ
できることから、利用する企業、自
理能力に差が出るが、データ共有が
ムの利用回線網は、ブロードバンド
治体が増えている。また、IP ネッ
容易で、専用端末タイプに比べて安
ネットワークの普及により、そのほ
トワークのブロードバンド化によ
価に利用できるのが特長だ。この2
とんどが IP 接続になりつつある。
り、高画質・高音質データの伝送に
つ以外にも、大型ディスプレイを使
映像会議システムは、接続端末の
も耐えられるような環境が整備され
用して、高品質の映像と音声等で等
多様化により、利用用途が会議以外
てきたことや、HD(High
身大の人物の映像とリアルタイムに
に拡大して「1 対 n(多数)」や「n
Definition :高精細/高画質)対応
コミュニケーションを取ることがで
対 n」接続によるビジュアルコミュ
製品の低価格化なども、その要因と
きる「テレプレゼンス」などがあ
ニケーションツールへと進化してい
してあげられる。
る。
る。その動きの中で、映像会議シス
業務の効率化や情報共有、
迅速な意思決定をサポート
映像会議システムとは、音声や映
像をネットワーク経由で送り、遠隔
地の相手との会議をリアルタイムに
実施できるシステムの総称である。
テムは「映像系プラットフォームの
拡大する映像コミュニケーション
ビジネスを支えるツールに
映像会議システムのトレンドとし
普及」、「接続対象機器やネットワー
クの多様化や統合サービス化が進
化」、
「グローバル化への対応が加速」
その形態から、カメラと集音マイク
て、HD 対応製品の普及があげられ
といった取組みを進めながら、次世
が内蔵された専用端末を利用するタ
る。その背景には、大量の情報を高
代のワークスタイルを支えものにな
イプと、PC と小型カメラを組み合
速にコーデックできる技術の進歩が
っていくだろう。
わせて会議を行なう Web カンファ
ある。コーデックの方式は、メーカ
レンスシステムの 2 つに分けること
ーや機種が異なっても互換性が保た
ができる。専用端末タイプは、テレ
れるよう標準化されている。映像の
●取材協力
ビやプロジェクターと組み合わせて
コーデック方式としては、ITU-T で
遠隔地と会議を行うことを主な目的
標準化された H.261 や H.263、
NTT アドバンステクノロジ㈱
沖電気工業㈱
ビジネスコミュニケーション
2011 Vol.48 No.3
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エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
ビジュアルコミュニケーションツールへと
進化する映像会議システム
豊富な製品ラインナップと経験・ノウハウを活かして
次世代コミュニケーション「映像×ネットワーク」を展開
次世代に向けた取組みをスタート
NTTアドバンステクノロジ(以下、
NTT-AT)は、NTT研究所の技術成果
HD 対応端末の急速な普及や H.264/
定させるビデオ・音声FEC(Forward
SVC 等の革新的なアーキテクチャ、
Error Correction:前方誤り訂正)機
Web会議やNGNといった相互接続対
能等が追加されている。これを使用
象の拡大といったトレンドを踏まえた
することで、HD関連の開発やコスト
取組みを展開している。
を大幅に削減することができる。
をベースとしたオリジナル製品と、世
NTT-AT は、映像系 SI ビジネス
また、BEEシリーズ以外にも、米
界中から厳選した最先端のベンダー製
の強化を図るため、これまでの映像
国で鉄道会社や軍、警察、セキュリ
品で構成された製品ラインナップ(図
コミュニケーション事業を刷新し、
ティ会社、ガスプラント等の遠隔地
1参照)のもと、豊富な経験とノウハ
「始まる、次世代コミュニケーショ
の現場検証・分析や監視現場で利用
ウを活かしたSE、SI、保守までの一
ン。映像×ネットワーク」をキャッ
されている情報統括ソリューション
貫したサポート体制で最新の映像系ソ
チフレーズとした映像事業戦略を発
の日本市場への展開も準備している。
リューションを提供している。例えば、
表し、全社一体となって映像系ソリ
これは、司令塔(統括者)となる端
ビデオ会議システムについては、
ューションに関する企画・提案を行
末から任意に閲覧映像(保存映像、
Cisco(TANDBERG)社、SONY社、
う体制を整えるなど、関連ビジネス
定点カメラ、PCカメラ等の映像)を
Polycom社の製品を中心に、HD(高
を加速している。
選択できることや、司令塔から各メ
ンバー(PCやスマートフォン等の各
画質)対応や高品質、省スペース、多
地点&高機能といった利用シーンに対
応した製品を提供している。また、
HD 関連の開発期間や
コストを削減
端末)に指定映像を送信するなど、
PCとモバイル端末間の映像共有を円
NTT-ATは、HDビデオ会議システ
テレプレゼンス
Cisco(TANDBERG)/Polycom
シ
ス
テ
ム
信機器開発プラットフォーム(PF)
体制の強化とともに、NTT グルー
の最新版「BEEHD for Desktop
プ各社との営業・ソリューション連
NTT-AT
v2.2」の販売を 2011 年2月に開始し
携を積極的に推進しながら、NTT
ペーパーレス会議システム
「MeetingPerfe」シリーズ
た。これは RADVISION 社の組込み
グループの映像コミュニケーション
デバイス向け HD ビデオ通信機器開
の発展にも貢献している。
ビデオ会議システム
非圧縮HDビデオ-IP Gateway「XG-2」
映像アプリ開発PF「Surfボード」
Surf Communication Solutions
発 PF「BEE シリーズ」の PC 版で
HD通品機器開発PF「BEEHD」
ある。本製品には、市販ビデオ会議
RADVISION
エコーキャンセラ「RealTalk」
NTT-AT
リアルタイムコーデック「JPEG2000」
NTT-AT
お問い合わせ先
システムで広く採用されている
NTT アドバンステクノロジ㈱
H.323 通信プロトコルへの対応や、
商品お問い合わせセンタ
TEL(フリーダイヤル):0120-057-601
映 像 の 符号化技術の国際標準規格
H.264/SVCの実装、そして、不安定な
図 1 NTT-AT の製品ラインナップ
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その他にも、NTT-AT では、社内
ムの開発を強力にサポートするHD通
Cisco(TANDBERG)/SONY/Polycom
NTT-AT
コ
ア
技
術
滑に行うソリューションである。
ネットワークでも映像・音声品質を安
(土、日/祝日/年末年始を除く平日 9:00 ∼ 17:00)
E-mail : [email protected]
URL : http://www.ntt-at.co.jp/
ビジネスコミュニケーション
2011 Vol.48 No.3
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
専用端末との互換性を確保してビジネスの生産性を
向上させるビデオ会議システム「Visual Nexus」
端末が異なる拠点間でも接続が可能
それぞれの端末の解像度に応じた画
イド画面(16:9)の HD に対応し、
像品質を提供することができる。
解 像 度 は 7 2 0 P ( 1 2 8 0 × 7 2 0 )、
1080P(1920 × 1080)の 2 種類をサ
OKI が提供している「Visual
1 対 n のコミュニケーションを実現
Nexus(ビジュアルネクサス)」は、
ポート。世界最高水準の映像品質で
臨場感のある会議が可能に。
PC のデスクトップ上で高品位な音
端末が異なる各拠点を同時に接続
・会議室予約システムを標準搭載:
声・映像・データを使ったIPコミュ
する Visual Nexus には、オンライ
テンプレートをもとに、スケジュー
ニケーションを実現するビデオ会議
ンミーティングをスムーズに行える
ル・件名・参加者を決めて会議を予
システムである。ビデオ会議の国際
ようにする、次のような機能が用意
約し、その内容を参加者にメール通
標準規格である H.323 に準拠してい
されている。
知することができる。
るので、Polycom、SONY、
・プレゼンス機能: Polycom、
・セミナーや講義をスムーズに運営
TANDBERG 等の H.323 専用端末と
SONY、TANDBERG等のビデオ会
する「レクチャーモード」:拠点間
の互換性を確保。異なるメーカーの
議専用端末のプレゼンスをリアルタ
等でセミナーや講義を実施する際
端末が混在している環境でも、各拠
イムに把握して、オンライン中の端
に、最適な画面レイアウトと質疑セ
点を相互接続することができる。ま
末をすぐに呼び出すことができる。
ッションを実現する「レクチャーモ
た、解像度・帯域変換機能を搭載し、
・データ共有: PC 端末間でのパワ
ード」を搭載して、1 対 n の講義型
従来のSD(Standard Definition)の
ーポイントやアプリケーションの共
コミュニケーションをビデオ会議で
解像度であるCIFと4CIFをサポート
有と、PC端末/汎用ビデオ会議専用
可能にした(図1参照)
。
できるので、SD と HD(High
端末間でのコンテンツ共有を行える。
Definition)端末が混在する環境でも、
・ HD に対応して高画質を実現:ワ
発表者が見る映像
同時接続するビデオ会議環境を構築
するVisual Nexusは、様々な企業や
【プレゼンテーション中(発表者のみ発言可)】
発表者
多くの機能を持ち、複数の拠点を
拠点
拠点
拠点側が見える映像
拠点
自治体で利用が進んでいる。例えば、
アジアを中心とした海外事業の拡大
を進める企業では、海外 4 拠点と国
拠点
各拠点の様子を分割画面で見な
がら話を進めることができます
ネットワーク
発表者が見る映像
拠点
拠点
拠点側が見える映像
拠点
内4拠点をVisual Nexusで結び、高
品位な映像・音声と安定した品質の
発言許可で自動遷移
【質疑応答中(発表者が拠点に発言許可)】
発表者
発表者だけが画面に
大きく表示されます
多地点ビデオ会議を実現した。
お問い合わせ先
沖電気工業㈱
拠点
ネットワーク
発表者+発言許可された
拠点が画面に表示されます
図 1 「レクチャーモード」の利用イメージ
ビジネスコミュニケーション
2011 Vol.48 No.3
OKI ビジネスセンター
E-mail : [email protected]
URL : http://www.oki.com.jp/
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