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教育再生実行会議提言フォローアップ会合 第2回議事録

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教育再生実行会議提言フォローアップ会合 第2回議事録
教育再生実行会議提言フォローアップ会合
第2回議事録
教育再生実行会議担当室
1
第2回教育再生実行会議提言フォローアップ会合
議事次第
1.開
日
時:平成28年4月5日(火)17:15~18:17
場
所:総理官邸2階大ホール
会
2.これまでの提言の進捗状況に関する討議
3.閉
会
2
○鎌田座長
ただいまより第2回「教育再生実行会議提言フォローアップ会合」を開催い
たします。
皆様方には、御多忙の中御出席賜り、まことにありがとうございます。
初めに、安倍総理から御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣
本日は、大変お忙しい中お集まりをいただきまして、まことにあり
がとうございます。こうして再び皆様と久々にお目にかかれてうれしく思います。
安倍内閣では、教育再生実行会議の提言を受けて、既に多くの改革を実行に移してまい
りました。しかし、第1回会合でも申し上げましたように、最も肝心なのは、提言の意図
どおりに教育現場で成果を上げているか、形骸化していないか、不断に検証しながら改革
の実を上げていくことであります。その意味で、このフォローアップ会合は極めて重要で
あります。
今回は、教師の資質や学校の組織、地域の連携など、小・中・高等学校における改革、
ガバナンスや国際化、イノベーションの創出など、大学における改革を中心に御意見をい
ただきたいと思います。
教育再生は日本再生の柱であり、一億総活躍社会実現の基盤でもあります。有識者の皆
様には、引き続き忌憚のない御意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願
い申し上げます。
○鎌田座長
ありがとうございました。
プレスの方は、御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○鎌田座長
それでは、再開します。
本日、総理は御公務のため、17時35分ごろまで御出席いただける予定と伺っております。
次に、馳大臣より、これまでの提言の進捗状況のうち、「次世代の学校・地域」創生プ
ランと大学改革について御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
○馳文部科学大臣兼教育再生担当大臣
お疲れさまでございます。資料1-1をごらんい
ただき、見開きの2ページと3ページで説明いたします。
まず「次世代の学校・地域」創生プラン、通称「馳プラン」でありますが、提言をいた
だきました後、中教審の答申を3ついただきまして取りまとめをいたしました。左側が教
員改革、これは資質向上、真ん中が学校の組織運営改革、これをチーム学校と称しており
ます。一番右側が地域から学校改革・地域創生で連携・協働しましょうということでコミ
ュニティースクール。そして、赤字で書いておりますのが、これに関する法改正の準備を
しておるものであります。下のほうでいけば、免許法、教員センター法、教特法、学校教
育法、地教行法、社会教育法と大体7本ぐらい準備しています。
次のページをごらんください。大学改革について、4点申し上げます。
3
まず、左下から大学のガバナンス改革。これは昨年スタートいたしましたが、大学運営
における学長のリーダーシップの確立等のガバナンス改革をまずいたしまして、進め始め
ました。イノベーション創出のための環境整備として、今国会で指定国立大学法人制度の
創設、いよいよ国会で御審議をいただくところであります。そして、お隣が卓越大学院の
形成、これを進めていきたいと思っております。
下に参りまして、スーパーグローバル大学創成支援事業を開始いたしましたし、また運
営費交付金の機能強化の方向性に応じた、3つの重点支援の枠組みを新設しまして、平成
28年度から運営費交付金の配分に反映をいたしております。
まず、皆さん方からいただいた提言でこういうフォローアップの段階に入っておるとい
うことを冒頭申し上げます。
以上です。
○鎌田座長
ありがとうございました。
なお、これまでの8つの提言の進捗状況につきましては、資料1-2に取りまとめてお
配りいたしております。
それでは、議事に入ります。
教育再生実行会議では、近く、第九次提言をまとめる予定ですが、その際、提言フォロ
ーアップ会合での議論を反映させる必要があります。前回の会議での御意見等をもとに、
資料2をご覧いただければと思いますが、この資料2に当フォローアップ会合としての意
見の素案をお示しいたしました。ただいまの馳大臣の御説明なども踏まえながら、自由に
御意見をいただければと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。
それでは、貝ノ瀨委員、どうぞ。
○貝ノ瀨委員
ありがとうございます。
私、第八次提言の関連で、教育投資ということについて御意見申し上げたいと思います。
特に奨学金の問題です。今までずっと議論されてきて、所得連動返還型の奨学金について
は、もう既に具体的に検討に入っていると伺っておりますけれども、私もかつて奨学金を
受けたことがありまして、当時は卒後2年以内に教員になれば返さなくていいということ
だったのですが、私は4年後になったものですから40までかかってやっと返したのですが、
借りたものは返すというのは当たり前なのですけれども、返すというのはやはり相当しん
どいものがありました。経済的に困難な家庭環境の子たちは、非常に厳しいものがあるだ
ろうと思うのです。そういう意味では、全ての学生にとは言いませんけれども、非常に困
難を抱える子供たち、特に児童養護施設ですとか、ひとり親家庭の子供たちです。そうい
う子たちについては、給付型の奨学金を創設する必要があるのではないかと思います。
新聞報道によりますと、安倍総理も念頭にあるというような報道をお聞きしましたので、
さらに踏み込んで御意見申し上げますと、この財源のことなのですけれども、例えば特定
扶養控除がありますが、大学生を持つ家庭の扶養家庭について貧富関係なく控除されてい
るわけですが、これを廃止する。つまり、上乗せ部分の廃止で900億ぐらいの増税が見込ま
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れるわけでありますが、児童養護施設、約3万人の子たちがいますし、ひとり親家庭は150
万世帯というように聞いておりますけれども、こういう子たちの必要額としては730億ぐら
いというような試算が出ておりますが、優に手当することは可能だということであります
ので、これは例えばでございますけれども、そういった形で国として給付型の奨学金を創
設すべきではないか。今、拝見しましたら、自民党も公明党も、給付型については提言を
出されているという中でございますので、やはりこれはぜひ実現をしていただければと思
っております。
以上でございます。
○鎌田座長
ありがとうございました。
では、漆委員、どうぞ。
○漆委員
私、教育現場におりまして、このたびの教育改革はまさに実行会議の「実行」
がついているだけあって、非常にスピーディーに現場におりてきているなという実感を持
っております。その中の1つ「トビタテ!留学JAPAN」の成功をヒントにしまして、民の力
を教育にという点で意見を申し上げたいと思います。
「トビタテ!留学JAPAN」、何がすばらしいかというと、スピードです。PDCAが回ってい
ることを感じております。立ち上って当初は、大学生が募集されましたけれども、翌年か
らは高校生も募集されています。大学で留学に行く子というのは高校で行っている場合が
多いというデータもあります。そういうことを踏まえ、すぐ高校に広がりました。なおか
つ、2週間という短期も加わりました。私はほんの数週間でも、修学旅行でも、海外へ行
くと、それがきっかけになり、視野が開けるという実感を持っていたので、素早い回り方
だと思いました。
実際に民間の方が事務局に入ってらっしゃるのですけれども、民の力を入れることは効
果的です。それから、今、貝ノ瀨先生からお話がありましたように、今後、税制面にも工
夫をして、民の資金も入れる工夫をしていただくことが今後のモデルケースになるのでは
ないかと感じております。
その中で、人材を入れるためには教員免許制度をさらに柔軟に考えていく必要があと考
えております。特別免許状がかなり今、柔軟になっておりまして10年単位で認められるの
ですが、まだこういうケースがあるのです。グローバルな世界でずっと活躍してきた人が、
学校の先生になろうと思って英語科の特別免許状を申請したときに、大学では社会科の免
許を取っていたため英語がおりないというようなことです。現在教科横断的に総合的な力
をつけていくということで教育改革も進んでいますので、既存のルールを見直し、壁を取
り払って社会のいろいろな人材の力がもっともっと教育界に入るような仕組みをつくって
いってほしいなと思っております。
例えば教育のICT化に向けた環境整備のための地方財政措置が約1500億ついております
けれども、こういう世界は非常に進歩が速いので、実際に社会の一線で活躍している、そ
ういった方々がもっともっと学校の中に入って来やすいような環境づくりが必要だと思う
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のです。例えば教員が教案をつくって監修をすれば、各クラスには免許がなくても専門の
方が入って授業を担当できるというような柔軟性があると、もっと費用対効果が高まりま
す。免許の教科間の壁、免許制度の壁を取り払うルールを見直していただきたいというこ
とです。
最後が、これは何度も申し上げているのですが、校長です。校長のリーダーシップが学
校を素早く変えます。私どもの学校は私立ですが、一時、非常に生徒募集に苦しみまして、
それが7年間の改革で応募者数が60倍になりました。なぜこれができたのかと振り返りま
すと、やはり校長として、予算を配分できたことと、人事で、みんなが協力し合えるよう
な体制、適材適所をつくれた、この2点が大きかったと思います。
今、私も民間人校長たちといろいろな情報交換をしているのですが、みなさん口をそろ
えて言うのが、「民間であれば人事と予算はトップにあって素早く改革していけるけれど
も、それがないことが大変な足かせになる」ということです。限られた教育予算で最大の
効果を上げるためには、まずこういったところから制度を見直して、改革の理念が現場に
おりてくるようルールを見直すことが必要なのではないかなと思っております。
以上です。
○鎌田座長
ありがとうございました。
加戸委員、どうぞ。
○加戸委員
ありがとうございます。
提言が着々と実行に移っているのは大変うれしく思っております。その中で、今回「馳
プラン」の冒頭に教員の資質向上を取り上げていただいているのは感謝申し上げますが、
この中の一番コアとなりますのは何かというと、30年前に内閣直属の臨時教育審議会で提
案された初任者研修制度でありまして、これは当時、司法修習生の制度あるいは医師の臨
床研修をパターンとして教員の世界に取り入れたものでありまして、今回の資料1-2の
31ページに、昨年12月の中教審答申のポイントが載っておりますけれども、左から3つ目
「優れた人材の獲得」の右の欄に「初任者研修及び十年経験者研修改革」とございます。
どうも初任者研修の改革は2年目、3年目の職員にも広げていって弾力的に運用しようと
いう趣旨のようでありますけれども、それはそれで結構なのですが、基本的に鉄は熱いう
ちに鍛えよということで、初任者研修の1年間で例えば指導教官をつけて60日間の校内研
修とか、30日間の校外研修とか、密度ある研修によって資質向上を図ろうとした制度であ
りますので、2年目、3年目、その他の応用動作も結構ですけれども、コアとなる肝心か
なめのものは骨抜きにならないように、これは一番研修のかなめだということだけは認識
した上での対応をお願いしたいと思っております。
○鎌田座長
ありがとうございました。
もう総理が次の御公務に移られる時間が近づいてきました。その前に総理、一言御感想
をいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣
先ほど給付型の奨学金について、児童養護施設等についてというお
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話があったのですが、平成27年度の補正予算で、これは奨学金とは違うのですけれども、
厚労省の予算で、里親あるいは児童養護施設から大学に行くお子さんについては、生活費
月5万円プラス家賃も5万円近く高いところでは出ますから、あわせて10万円近く出まし
て、5年間仕事をすればこれは返さなくていいという制度がスタートします。対象は里親
あるいは児童養護施設両方なのですが、また犯罪被害者のお子さんたちにも給付型の支援
制度が導入されます。児童養護施設などのお子さんへの支援の予算は厚労省ですから、奨
学金制度とは違うのですが、将来、これをいわば奨学金制度としていくということであれ
ば、これは予算が厚労省から文科省にかわるということと、5年間働かなければいけない
要件をどうするかということだと思います。
いずれにせよ、無利子の奨学金を大幅にふやしたのですが、昨日、与党から提言も受け
まして、給付型の導入と無利子の拡大等について提言をいただいておりますので、また馳
大臣のもとで考えて、財源もあるので、よく考えていきたいと思っております。
所得連動返還型のものについては、来年度から導入で、もう今年からシステムについて
は予算が相当出ているということであります。
いずれにせよ、有識者の会議はたくさんあるのですけれども、有識者の皆さんにフォロ
ーアップの会議をそのままやっていただくというのはこれが初めてのケースではないのか
なと思います。最初に申し上げましたように、政策を立案したときの意思と結果が随分変
わる場合がありまして、例えば先般も申し上げましたが、ゆとり教育というのは、発想は
よかったのですけれども、結果が大分違う方向になってしまった。政策というのは、政策
立案者の意図と行政において結果がどのように変わっていくかということは、よく見てい
かないといけないものでありますから、ぜひ皆さんにも今後、このフォローアップ会合で
しっかりと見ていっていただきたいと思いますし、まだ進んでいないところがあれば、む
ちを入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○鎌田座長
ありがとうございました。大変ありがたいお言葉を頂戴しました。
総理はここで退室されます。お忙しい中、まことにありがとうございました。
(安倍内閣総理大臣退室)
○鎌田座長
それでは、会議を続けたいと思います。引き続き御発言をお願いいたします。
佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員
3月に京都大学主催で全国の大学の関係者、主に教授の先生たち600人にア
クティブ・ラーニングに関することと大学入試改革について、教育再生実行会議のメンバ
ーの立場から話を聞かせてくれということでお話をさせていただいたり、東京の実践女子
大で、小中高の700人ぐらいの先生方に具体的なアクティブ・ラーニングの実践事例につい
て、丸々8時間ぐらい、7人の先生たちの報告会に私も呼ばれて話をさせていただいたり、
あとは私立の小中高の学校長のみなさんに対して、5回に分けて300校ぐらいになりますが、
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大学入試改革のことについてお話をさせていただく機会がございまして、その中で感じた
ことをお伝えさせていただきます。
感じたことは、なぜ大学の入試改革や大学の教育改革をしなければならないのかという、
その大きな背景や目的に関して、御存じでない先生方がこんなに多いのかということです。
そのときアクティブ・ラーニングの実践事例の発表の場では、ではお隣同士話し合ってく
ださいと言ってやってその状況を見たり、また感想や御意見を全部アンケート用紙に書い
ていただいているのですが、そういうものを読むと、大学入試制度改革の背景や目的につ
いて理解をされているのは、だいたい2割ぐらいかなと思います。私はパワーポイントの
スライドを使って文科省や教育再生実行会議で出てきた様々な資料をもとに1時間ぐらい、
枚数にして50~60枚ぐらいの資料をお渡して説明するのですが、そうすると、なるほど、
そういうことなのかと納得していただいているように感じます。
例えばグローバル化社会のことについては科学技術の爆発的な発達に関することやAIの
こと、また国内に関して、人口の減少だとか、現役世代の割合の減少とか、そこを受けて
日本のGDPが大幅に減少するということについて、実際のデータ、図表などをお見せしてき
ちんとご説明させていただくと、なるほど確かに大学入試制度を、教育を変えていかない
といけないですねと理解していただいているように感じます。ですがこの背景や目的が理
解や納得をされずに、現象面だけで捉えてしまって、例えば高校の先生方からは基礎テス
トの件で言えば、高校の行事の実施に大きく影響が出るとか、面接試験をすると公平性が
なくなるとか、それは現象としてはそうかも分かりませんけれども、これからの日本の危
機感というか、大きな背景の部分が余りにも知られていなさ過ぎるなというのが、多くの
教育関係者の方々に講演したりワークショップをして得た実感です。また保護者に至って
は、民間の調査会社に依頼して、近畿圏ですが、小学生の子供を持つ保護者1,500人に大学
入試制度改革に関する専門的な言葉、例えばTOEIC、TOEFLですとか、反転授業だとか、ア
クティブラーニングだとか20項目ぐらいあるのですが、90%ぐらいは何のことか分からな
いという結果が出ました。保護者は分かっていない、というか知らない。その一方で、学
校関係者は分かってはいますが、その背景や目的が分かっていない。それが今の現状だと
思います。
先だって、インターネットで非常におもしろい記事があったので、これを最後に御紹介
だけさせてください。公平な試験と不公平な試験というテーマの、有名な風刺画がありま
して、犬、猿、象、鳥、魚など、多様な動物に対して公平な選考のために、同じ課題に取
り組んでもらいますと。では皆さん、あの木に登ってくださいと語りかける試験官を描い
たものです。この絵はアインシュタインの言葉がもとになっているらしいのですが、人は
皆、それぞれの才能を持っている。しかし、選考方法が1つしかなくて、魚を木登りの才
能がないと評価したら、魚は自分のことを無能だと思って一生を過ごすことになるだろう
という、公平性を追い求める教育が一人一人の個性を失わせてしまうのではないかという
危険性を指摘した風刺画です。
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学校の特に中学の先生は余り大学の入試制度改革については、私たちはまだ少し先かな、
まだ関係ないかな、みたいな雰囲気を感じますし、高校の先生たちは公平性の担保を理由
にして、踏み出していけていない。
本当に独創的なこと、創造的なこと、そこに対して挑んでいこうというのがないと、こ
れからの日本の国力やイノベーションの創出に大きな影響が出ると思いますので、私も微
力ですけれども、いろいろな機会で、講演で、データに基づいて背景や目的のお話をさせ
ていただきますが、圧倒的にその事実に基づいたものや背景や目的についての内容、情報
が余りにも欠落して、この間の高大接続システムの報告の中でもマスコミでもぐらつきが
あって、あれを見ていたら皆さん不安にしか思わないと思うのです。この場に今、総理は
おられませんが、これはぜひ総理や馳大臣のリーダーシップでばしっとやっていただくの
が最も大切だと思いますので、ひとつ期待しておりますので、よろしくお願いします。
以上です。
○鎌田座長
ありがとうございました。
余談になるかもしれませんが、つい最近の日経新聞で私の談話として、
「早稲田大学は、
東大との併願者は要らないと」書かれたのですけれども、あれのウェブ版を見ていただけ
れば分かるように、東大の入試に落ちて早稲田に来たからといって斜に構えてしまうよう
な子は要らないのだと申し上げたのですけれども、「早稲田は、東大併願者は要らない」
と書くほうがアピール力があるということでああいう記事になったのかもしれないですが、
それが教育再生実行会議と絡めて掲載されていますので、そういう考え方で実行会議の提
言がされているというような誤解に基づいて、国立大学の反発を買ったり、受験生の親御
さんの反感を買ったりするのではないかということを大変懸念しておりまして、何とか打
ち消したいと考えておりますので、この際、コメントをさせていただきます。
済みません。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
今回、久しぶりに『サンデー毎日』を買ったのです。全国の国立大学に何名
どこから入ったと書いているもの。東大については、最後の1人まで出身校まで書いてい
る、個人の名前まで出しているという形で出ているわけです。相変わらず受験戦争という
のはなかなかなくならないのだなと思いながら見ておったわけですけれども、教育再生の
目標というのはそこではないわけです。東大に何人入れるかというのではない。ただ、東
大にも推薦で入った子がいる。京都大学も特色入試で入った子もいるというわけですから、
それが今後どういうように生かされていくのかということをしっかり見ていかなければだ
めだと思うのです。フォローアップ会合としては、その現場の変化の状況を、提言は提言
として、今度はその現場を見ていく。特に見なければだめなのは、大学と高等学校の教育
の現場です。やはり教員がまだ物を言わないながらも激しい形で強い抵抗をしているとい
うことは当然あると思いますから、それを破る上でも、やはり我々のような、提言をした
実行会議のメンバーであるとか、有識者会議の人たちとか、それが学校現場に非常にきめ
細かく入っていってお尻をたたいていく。国の方策は全然動かないのだよと、何をやって
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でもどんどんやりなさい、もし新しいすぐれた取り組みをやっているところ、成果を上げ
ているところがあればそれを顕彰してあげるということをやっていく必要があると思うの
です。
これは高校や大学ですけれども、数日前の新聞にも、大学の先生方に言わせれば、高等
学校は一体どうなっているのだと、何をやっているのだと言うけれども、高校はよく見て
いますから、大学が変わらない限りは、高校におまえたち変われ変われといってもなかな
か変われない。特定の高校だけが進学に向けて必死になって数を稼ごうとしているぐらい
のことですから、本当の教育とは違うということです。ですから、私たちはここでは現場
にいつでも赴いて、このメンバーで見る。これまで同志社と東工大を見て、非常に感激し
たわけですけれども、もっと生々しい現場に入っていって見ていきたい。早稲田も見まし
た。慶應も見ました。
もう一つだけ、よろしいでしょうか。教師の待遇改善というのは、加戸委員から何回も
言われていてもなかなか実現しないのですけれども、やはり教師に対する待遇がそれなり
に安定して、それなりに悪い待遇ではないということが逆にどこか世間では定着している
のかなという感じがするのです。ですから、その辺を打ち破って、教員はこういう理由で
しっかり手当していかなければだめなのだということをもっと声高に言っていく必要があ
る。
例えば保育士の待遇が低いから人が集まらないのだと、確保できないのだと言っていま
すけれども、では、待遇を1万5,000円上げた介護の現場で介護士がどれだけ集まっている
かというと、全然実態が変わらない。確かに収入は一部の人はふえたけれども、変わらな
いです。介護士が集まらなくて一体どうするのだろうと、新しい施設をつくれないという
わけでしょう。
そういうようなことがあるわけですから、私はやはり日本でやるべきことは一体何かと
いったときに、教師だからかもしれませんけれども、教育の現場で日本の初等教育、中等
教育をしっかりと積み上げていけば、大学にもいい影響が及ぶかなと思って見ているとこ
ろなのです。
以上でございます。
○鎌田座長
八木委員、どうぞ。
○八木委員
3点述べたいと思います。
前回、総合教育会議は形骸化しているという発言をしまして、少々話題にしていただき
ましたが、どうも制度の趣旨が伝わっていないというところがあるように思います。典型
なのですけれども、総合教育会議の事務局が教育委員会の事務局に置かれているというと
ころが非常に多い。すなわち教育委員会事務局が結局コントロールしているという部分な
のです。
これと関連いたしますが、先般、教科書謝礼事件なるものが続発しているということが
わかりました。教科書採択に当たって、教科書会社が現場の教員に金品を配ったというこ
10
とですけれども、では、なぜそういうことが起きているのかというと、本来、教科書の採
択権者は教育委員会であるわけです。教育委員が合議で決めるということなのですけれど
も、実際には教育委員はお飾りであって、採択の権限を持っているのは現場の教員だとい
う認識が教科書会社にあるということです。昨年4月に文部科学省から教科書採択、ちゃ
んと教育委員でやってくれという通知が出ましたけれども、どうもこれは私の知っている
ところでは、教育委員会事務局に握り潰されている。すなわち、従来どおり、現場の先生
たちの意向で決めてしまっているということがあるようです。つまりは、この総合教育会
議あるいは教育委員会制度自体の制度趣旨を徹底させる必要がある。言いかえますと、教
育委員会のレイマン・コントロールを徹底させてほしいということが1つです。
もう一つは、今、幼稚園をこども園だとか保育所に移行させようという動きが現場では
非常に強くなっていると聞いております。すぐれた幼児教育は個人の人生のみならず国益
にもつながるのだということは、アメリカのペリー就学前計画でも明らかになっています
が、どうも保育所を所管している厚生労働省、こども園を所管している内閣府と文部科学
省との間の政策のミスマッチがあるのではないのかと思います。いずれにしても、幼児教
育の質を上げていくということが非常に重要なのではないかと思います。
3点目は、奨学金の話が出ていますが、これに関係して、国立大学の存在意義が問われ
ているのだろうと思います。国立大学は、授業料が私立に比べて安い。すなわち、これは
事実上の給付型奨学金です。しかし、かつては余り豊かでない家庭の子供が国立大学に進
学するというパターンでしたが、現在は必ずしもそうではありません。国立大学を特別に
優遇する必要があるのかどうかということも考えなければなりません。これは文部科学省
の方に聞いた話ですが、関西のある教員養成系の大学、国立ですが、この大学では教員採
用試験の合格者数が同じエリアの中にある私立大学、私は名前を知らなかった大学でした
が、そこに劣っているということも明らかになっております。国立大学の中には卒業式、
入学式で国旗掲揚、国歌斉唱をしないことを公言するところもあるようですけれども、い
ずれにしても、国立大学の存在意義を考え直してみるということも必要ではないかと思い
ます。
以上です。
○鎌田座長
ありがとうございました。
佃副座長、どうぞお願いします。
○佃副座長
資料2の2ページ目の高大接続改革、大学入試改革は、大変重い課題であり、
この行の一番下に書いてあります速やかな実現に向け準備を進めることは、現場からは大
変反対も多いと思いますけれども、速やかに趣旨を見失うことがないように進めることは
必要であろう、このとおりだと思います。
さらにこれにつけ加えて言えば、私、制度設計をするときには、パーフェクトというの
は時としてグッドに及ばないとよく言われます。パーフェクトを求め続けると結局できな
いということで、例えばこの中で恐らく現場から反対が多いであろうと予想されるのは、
11
記述式をコンピューターで処理しなければいけないが統一試験にどう入れ込むのか。これ
はいろいろな課題を一掃する対応案がないから不可能だという意見が出てくるのではない
かと思いますが、これはパーフェクトでなくても論理展開能力を例えばキーワードの組み
合わせ等である程度推し測れるようにするというような次善の策でもいいですから、推し
進めるべきと考えます。
あとは各大学のAO試験等々の自由度に最終的には任せるなど、かなりフレキシブルな制
度設計をしていかないと、なかなかハードルの高い四次提言を速やかに実現させることが
難しいのではないか、余り制度設計のパーフェクトさを求め過ぎないように、最終的には
大学の独自の判断に任せる部分があっていいのではないか。世の中に若干の不公平という
のは致し方なく、それをむしろ許容する社会というのも必要なのではないかというように
思います。ぜひそのあたりも提言に入れ込む、どこまで入れ込むかというのは難しいと思
いますが、そういうことも配慮いただければという気がいたします。
以上でございます。
○鎌田座長
もう少し時間がございますので、一度御発言された方でもまだ発言の追加が
ございましたら、御発言いただければと思います。
では、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員
お時間があるということなので、あえてほんの数分です。
ちょうどGDPの70%近くがサービス産業ということで、オリコンという音楽のランキング、
あそこが130業種の顧客満足度調査をやっておりまして、実は私、このデータをもらったの
が昨年末なのですけれども、今の学校に対してどれほど満足していますかという、これは
近畿圏の1,500の小学生を持つ保護者が答えているのです。何と「非常に満足」が0.1%、
「満足」が1.9%、「やや満足」が31.9%、それ以外については「不満足」ということで、
これを見てびっくりしました。「非常に満足」、「満足」が2%しかない。これは小学生
を持つ保護者。
たまたま私、これはトヨタ自動車の出典なのですが、トヨタが満足度調査で5つの評価
軸で、「満足している」と「やや満足」、「どちらでもない」、「やや不満」、「不満」
があって、「満足」だと言ってトヨタを持って運転している人にもう一度トヨタの車を買
いますかというと80%が「満足」の人は買うのです。これは「やや満足」になると34%に
落ちて、「どちらでもない」と13%近く、「やや不満」は6%で、「不満」は0%、全く
トヨタの車を買わない。
これはトヨタの「カイゼン」、これはトヨタだけではなくて日本のものづくりの会社の
改善ですけれども、トヨタの75年史がありまして、トヨタがどれだけのカイゼン提案を出
したのかをグラフ化されたのがありまして、これは電卓をたたいて入れてみると、1970年
から2011年の40年間、4,100万件、カイゼン提案が出されているのです。昨年度の2015年度
のアメリカのコンシューマー・レポートで、ブランド評価ランキングでレクサスが世界で
1位、2位がマツダ、3位がトヨタ、4位がアウディ、同じく4位はスバル、6位がポル
12
シェ。日本の車が上位6社のうち4社を占めている。でも、その背景にはこれだけの膨大
な改善がある。例えば40年前のカローラと今のカローラは全然違うわけです。
では教育現場、これを学校の先生に全部見せて、私立学校の校長先生たちに言いました。
では、40年前の教育現場と今と爆発的に進化していますか。そうしたらみんな下を向かざ
るを得ない。改革する余地、改善する余地はいっぱいあります。先生同士がお互いフィー
ドバックしたり、マーケティングしてどう学校をよくするかとか、コミュニティスクール、
開かれた学校であれば、これは大事なことだと思います。だけれども、先生たちのさまざ
まな授業改善だとかノウハウが可視化されてICTでデータのやりとりができるわけですか
ら、自分のすばらしい技術をホールドするのではなくてみんなオープンにして、若手の先
生たちで教育の技術や手法論に不十分さがあったらどんどんそこから学んでいける、何ぼ
でもやれるわけで、そこはタコつぼのように教育現場というのは一旦教壇に入ったら授業
は見せないみたいな、そこが一番ブレーキになっているところですから、ぜひコミュニテ
ィスクール構想と合わせて、どんどん今のICTを使って授業や学校のさまざまな改善、改革
をやれるようなことを、日本のメーカーはすばらしいのをやってきているというのをこの
間から学校の先生に言うと、なるほどな、旧態依然としているなということで、もうほと
んどの先生がそれはそうだと納得されるので、そういうことです。
○鎌田座長
ありがとうございました。
先ほど来、給付型奨学金のお話が出ているのですけれども、今般、日本私立大学連盟、
これは600ぐらいある私立大学のうちの121大学で構成しているのですが、ここで加盟大学
独自の給付型奨学金をどれぐらいつくっているかというアンケートをしました。この121
大学で平成26年度には学部260億円、大学院72億円、合計332億円の給付型奨学金を独自に
出しています。授業料減免については国の補助が入っているのですが、平成26年度の国の
私立大学の授業料減免に対する補助金は600余りの私立大学全体に対するものの総額82億
ですから、私立大学連盟加盟校に対するものはそれよりも少ないということで言えば、独
自の努力でかなりやっている。これを何とかエンカレッジしていくというようなことも1
つの方向かなと思います。
八木委員から御指摘があった点にも関連するのですけれども、給付型奨学金は個人に対
する奨学金の形をとっていくのですが、今、機関に対する補助の形で、平成25年度の実績
でいうと、国立大学には授業料減免のために国費が393億円支出されていて、国立大学生の
30%は授業料の減免を受けています。これは機関を通していくものなのですけれども、こ
ういう構造が今後も維持できるのかどうか。あるいは、個人補助の奨学金と、学費減免に
対する機関補助と、どちらの方式をとるのがいいのかということも政策論としては議論し
ていかなければいけないと思いますので、ぜひよろしく御検討のほどをお願いいたします。
残りの時間があと10分程度になりましたが、渡海議員、富田議員からそれぞれ御発言を
お願いいたします。
○渡海衆議院議員
本日もさまざまな御提言、ありがとうございました。またいろいろ参
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考にさせていただきたいと思います。かなりいろいろありましたので、一々これに言及は
いたしませんが、1つ言えることは、高大接続改革の話が随分出ていたと思います。これ
はかなり進んでおりまして、しかも途中の議論で、今日、現場の声というような御指摘も
いただきましたが、そのこともある程度考慮をしながら、現実には少し走りながら考える
という部分も残しながらこれからやっていく。大臣が後から言及していただいてもいいの
ですが、私はそういうことだと捉えております。
その1つの例が、32年までは一切大学は基礎学力テストの結果を入試に使ってはいけな
いということもはっきりさせているわけでありますし、その時点でも、それから先、どう
するかということについては、言明はいたしておりません。やってみなければわからない
部分も随分あるなというのが率直な私どもの意見でございまして、途中、下村大臣を中心
に、何人かコアメンバーも集まって議論をさせていただきました。その中で、今日出たよ
うな現場の意見も随分考慮をした上で、今の制度設計は行われている。我が党内の手続は
ほぼ終了いたしまして、中教審の案に少し注文をつけて、進もうとしているということを
御報告させていただきたいと思います。
奨学金の問題は後でお話をしたいと思っておりますが、今日、実は参考資料という公明
党さんのものもありますが、資料1に第六次提言ということで、これは我が党の教育再生
実行本部の提言を昨日官邸にお届けをいたしました。再生本部というのは、組織上は総裁
の諮問機関ということになっております。党則79条というのがありまして、ですから、政
調というよりも総裁に意見を申し上げるという会でございまして、昨日、そこに書いてあ
ります4つの部会、格差克服、教育環境整備、高等教育、特別支援教育、の提言を出させ
ていただきました。一々言及はいたしませんが、このことをまず御報告させていただきた
い。そして、1の格差克服のための教育部会、では2番目に経済負担の軽減ということで
給付型奨学金の創設ということも提言をさせていただいております。
4つ目にあります、子供支援窓口ですが、厚労省あたりはかなり一本に絞ろうというこ
とを既にもう始めておりますが、そこにちゃんと教育委員会も加えて、保護者にとって非
常に相談に乗りやすい体制をつくれるということも非常に大事だと思っておりますので、
あえて書かせていただいたところであります。
環境整備部会ですが、環境整備というと例えば教員の問題だって環境整備と言えるでは
ないかと、こんな議論もあるわけでありますが、2つに絞ってやっております。学校施設
の整備ということで耐震は進みましたが、かなり老朽化が進んでおります。今後5年後ぐら
いから30年間に改築、そして老朽化の解消も含めると38兆円ぐらいの予算が必要と予想さ
れておりますから、これをどのようにロードマップを書いてやっていくかというようなこ
と、こういったことについても提言をさせていただいておりますし、これは今の実行会議
の一つのテーマでもありますが、ICTの活用ということについて、現場の視察も含めて提言
させていただいているということであります。
高等教育部会、ここはかなり絞ってやっておりまして、いわゆる成長戦略のための部会
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ということで、先ほど70%はサービス産業という話がありましたが、この効率が非常に日
本は悪い。やはりビジネススクールのあり方が随分問題があるのではないかという視点か
ら、新しいビジネススクール、また専門職大学院のあり方について提言をさせていただい
たところであります。
最後の特別支援教育部会というのは、多様な個が尊重される社会の実現というのが今回
の再生実行会議のテーマでもありまして、それに即した提言、加えて従来からやっており
ます発達障害とか、いわゆる特別支援教育、それに関する議論を重ねておりましたので、
その取りまとめをさせていただいた御報告をさせていただいております。
「第一次提言」と書いてありますのは、第六次提言の中の1回目の提言という意味です。
まだこれでやめるつもりはありませんが、実行会議がそろそろ提言のまとめに入られると
いうことでありますので、その前に中間報告も兼ねて提言をさせていただきました。
最後に1点だけ。昨日、4つの提言を総理に御報告をしたわけでございますが、加えて、
給付型奨学金についても提言をさせていただいております。これは補正予算をやるならば
こういうこともやってほしいということで、当面は基金を積んで、一言で申し上げますと、
今日話題になっておりました範囲に加えて、非課税世帯とか生活保護世帯の経済困難者、
年収300万円以下というのは11万7,000人いらっしゃいます。これは高校の対象生徒の数で
す。大学進学の相対的貧困といえる年収400万円以下、これは年収300万円以下を除いたら
5万5,000人ぐらいいらっしゃいます。こういう方々にどういう手当をするかということを
給付型という形で実現してほしい。そういった範囲を対象に広げていく必要があるだろう
ということを提言させていただいております。
加えて、オリンピックに向けて何をやるとか、補正予算に関する提言ということで、希
望する教育を受けることを阻む制約、こういうものの克服に必要な予算というものをぜひ
補正予算でも実現していただきたい。その他、細かいものもありますけれども、そんな提
言をさせていただいたということであります。
最後に財源が出ておりました。特定扶養控除。これから税の話に入ってくるのだと思う
のですが、控除制度そのものを全てひっくるめてどういうようにしていくかという議論を
政治の場ではこれから始めようというところでございまして、そういうもので出た財源を
基本的には子供に使う。子供というのは端的に言うと社会保障と教育に使うというような
方向でやれないかなということを今、申し上げているところであります。
以上、時間が限られておりますので。
○鎌田座長
ありがとうございました。
それでは、次に富田議員、お願いいたします。
○富田衆議院議員
参考資料2として、昨日の提言のコピーを3枚つづりで配らせていた
だきました。これは今、教育再生実行会議が「多様な個性が長所として肯定され活かされ
る教育」の実現に向けてということで、第九次提言に向けて議論しておりますので、それ
に向けての公明党としての考え方ということで冒頭書かせていただきまして、それぞれの
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論点についての提言をさせていただきました。
特に奨学金については、総理はまず無利子奨学金から拡大していくのだというように昨
日、大分強調されておりまして、もうそれはそのとおりだと思いますので、来年度から予
定されています所得連動返還型奨学金制度について、これをできれば既卒者にも検討して
もらいたい。今、3カ月以上奨学金の返還を滞納している方が17万人以上いらっしゃると
いうことですので、ぜひその方たちへの配慮も今後検討していただきたいということで申
し入れをさせていだきました。
給付型奨学金につきまして、今日公明党内にこれまで文部科学部会とか教育再生改革推
進本部で議論したのですが、新たにPTを立ち上げまして、給付型奨学金推進PTということ
で、今月中にぜひ提言を出したいということで、これまで公明党は99年に自公連立のとき
に奨学金の拡大を議論して以来、ずっとためてきた知恵等もありますので、ぜひ今月中に
出していきたい。
先ほど貝ノ瀨委員から特定扶養控除の廃止ということを財源にとありましたけれども、
これは民主党政権下で特定扶養控除を縮減して、実は通信制とか定時制のお子さんたちの
負担増になったのです。私、3年間、民主党政権をずっとこれで追及していて、その子た
ちへの手当が結局民主党政権でできなかった。財源的に考えたら一番とりやすいという部
分もあるので、そのときの反省も踏まえて財源論は考えていかなければいけないなという
ように、今、先生の提案をいただいて思いました。
もう一つは、先ほど佐々木委員が、公平性を求める教育は人の才能を失わせてしまう可
能性があるとおっしゃったのは、給付型奨学金で財源支給対象、支給のあり方とやったと
きに、高校を出て就職する子がいるのに何で大学に行く子だけ給付するのだというような
議論がありますので、先ほどの佐々木委員の提言というのは非常に参考になるなと思いま
したので、党内でもしっかり議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございま
した。
○鎌田座長
ありがとうございました。
最後になりましたけれども、馳大臣から一言お願いいたします。
○馳文部科学大臣兼教育再生担当大臣
どうも今日はありがとうございました。では、私
も一言。
高大接続改革プログラムの方向性が出てきた時代背景と未来への見通しといったもの、
それが制度設計にはつながって来ているわけですから、次元の違う話をしないで、実務上
の困難な部分はみんなで詰めて努力しますが、これをやらないと我が国にとってプラスに
ならない、よりよくしていくためにはこの改革は絶対必要だということの意味で、さらに
実務上の詰めはした上で、何としても平成30年、スケジュールどおりに進めていきたいと
思っていますので、御協力、よろしくお願いいたします。
○鎌田座長
ありがとうございました。
提言フォローアップ会合としての意見につきましては、先ほど御紹介しました資料2を
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もとに、さらにそこに本日いただいた御意見を踏まえて、第九次提言に反映させたいと考
えております。なお、さらに追加すべき、あるいは修正すべきであるというような御意見
がございましたら、できるだけ早く書面等で担当室にお届けいただければそれもまた加味
させていただきますので、よろしくお願いいたします。
最終的な文案につきましては、まことに恐縮でございますけれども、この会合をもう一
度開く時間的な余裕がなかなか見つかりませんので、座長の私に御一任いただければと思
いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鎌田座長
ありがとうございます。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
次回の日程は調整の上、また改めてお知らせいたします。どうもありがとうございまし
た。
○馳文部科学大臣兼教育再生担当大臣
ありがとうございました。
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