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日本建築において、白や金に代表される反射性を持つ
日本建築において、白や金に代表される反射性を持つ素材は光を 反射させるリフレクターの意味をもち、環境装置として利用されて きた。社寺建築に見られる北側の白壁や庭の白砂利は自然光を反射 させ、室内に光をとり込む役割を果たしている。現在においても技 術や素材の発達とともにリフレクションは多くの場面で用いられて いる。ライトシェルフや日照鏡は代表的な例である。このように自 然光を室内に導くための手法として様々な形でリフレクションが利 用されている。 実際の建築空間においてリフレクションの効果は環境的な意味合 いとともに、視覚的な側面を強くもつ。リフレクションは反射され る要素を可視化し、知覚可能なものとする。内部空間に外部環境を 反映させ、とり込むというリフレクションは建築の内部/外部の関 係性をつくり出すものといえる。 内部と外部の関係性は床面の連続/不連続のように物理的なもの だけではなく、見える/見えないといった視覚的な側面による部分 が強い。都市部では建物の高層化にともなって様々なレベルで視線 の交差や抜け、風景の広がりが展開されている。そのような中では 内外の関係性は平面的なものというよりは立体的なものとして捉え る必要がある。高密度に集積された都心部に立地する建物の設計に おいては内外の関係性への配慮が重要であり、リフレクションの活 用がそこに1つの解を与えられると考える。 本研究では、リフレクションにみられる反射光の分類や反射面の 位置、建築的操作の関係性から、外部環境を内部にとり込む手法に ついて分析を行う。そして、それらの手法についての傾向を明らか にするとともに、リフレクションを活用して都心部の敷地を対象と した積層建築の設計提案を行うことを目的としている。 分析対象となる事例として、近年、雑誌(GA、a+u、elcroquis、 住宅特集など)に掲載された建築作品から、リフレクションを利用 して外部環境を効果的にとり込んでいると考えられるものを抽出する。 そして、これらの事例について、掲載された図面や写真等から分析 を行い、手法の分類と建築的操作の考察から設計提案につなげている。 matrix リフレクションによる可視表現 反射光 Spread 建築的 操作 Sharp 虚像型 ・横軸に反射光の4分類を左から右へ 反射率が高くなるように並べた。 ・縦軸には建築的操作の3分類をしている。 ・各タイプに特徴的な作品の写真を示している。 tm Diffuse Dim PLAZA Y EDIFICIO FORUM les cols restaurant in colt five business passages in minich 漫画博物館 武庫之荘F邸 飯田高羽合同庁舎 折本邸 分解型 濃淡型 光彩型 ウィークエンドハウス アシタノイエ BORZOI カレスピラル introspective void + H.M.P ちっちゃな家7 フェラーリリサーチセンター fukuoka hausing device#9 アブストラクトの家 上海住宅 調布の集合住宅A ナチュラルエリップス galeries lafayette studio d &tm' gasholder housing POLA美術館 リフレクションは様々 な視覚効果を空間に及 ぼしている。反射光と 建築的操作の分類を統 合することによって、 視覚効果において可視 化される現象について の分析を行った。 その分析から可視現 象についての特徴的な ものとして左記のタイ プを得た。 54. ソーラーライトパイプ 15. シモンズホール学生宿舎 28. 鶴見のハウス 白い箱の家 かさねの家 ガエハウス studium600 金沢21C美術館 保土ヶ谷の住宅 天沼の住宅 ダスハウス 巣鴨の住宅 ドイツ新議事堂 群馬県立館林美術館 紙の資料館 25. building S p MESH judical centre ॠമܥࢾպ ノバルティス製薬新社屋 ヴィトン表参道 shop ENDENEU 青い家 storefront gallery 前原の若い桜 高橋内科クリニック house MOK 色彩型 sarphatistraat office 軽井沢の別荘 葉山の別荘 double square 材木座の住宅 高松町ガレージ バルセロナタワー 1. リフレクション手法分類 反射光 Spread 反射面 C Diffuse Dim Sharp ・横軸に反射光の4分類を左から右へ 反射率が高くなるように並べた。 ・縦軸には反射面の3分類をしている。 ・各タイプにダイアグラムを示している。 水平拡大型 building S バルセロナタワー 金沢21C美術館 ヴィトン表参道 前原の若い桜 青い家 shop ENDENEU ウィークエンドハウス 上海住宅 MESH les cols restaurant in colt かさねの家 device#9 変換型 F ノバルティス製薬新社屋 紙の資料館 judical centre BORZOI ナチュラルエリップス フェラーリリサーチセンター アシタノイエ 武庫之荘F邸 アブストラクトの家 型 映像化型 群馬県立館林美術館 studium600 sarphatistraat office 調布の集合住宅A カレスピラル 高橋内科クリニック W リフレクションは可 視現象とともに外部環 境と内部空間の関係性 をつくり出している。 内外の関係性を生み出 すリフレクション手法 について反射光と反射 面の分類を統合するこ とで分析を行った。 その分析からリフレ クションによって外部 環境をとり込む手法と して左記のタイプを得た。 fukuoka hausing シモンズホール学生宿舎 天沼の住宅 ソーラーライトパイプ 保土ヶ谷の住宅 POLA美術館 巣鴨の住宅 白い箱の家 studio d ガエハウス ダスハウス 飯田高羽合同庁舎 ヴィトン表参道 ドイツ新議事堂 漫画博物館 高松町ガレージ PLAZA Y EDIFICIO FORUM five business passages in minich ちっちゃな家7 鶴見のハウス introspective 垂直拡大 void + H.M.P 葉山の別荘 軽井沢の別荘 ॠമܥࢾպ 材木座の住宅 折本邸 プログラム機能 open flux close 6. 40. 26. 15. 47. 16. 51. 19. 21. 27. 30. 24. 56. 8. 7. 5. 31. 15. 1. 17. 20. 1. 37. 52. 47. 8. 40. 17. 33. 10. 16. 11. 2. 3. 59. 45. 46. 32. 42. 50. 38. 33. 29. 14. 22. 34. 30. 44. 33. 33. 50. 40. 55. 50. 23. 42. 13. 6. 10. 25. 12. 4. 31. 55. 44 53. 54. 57. 35. 36. 58. 55. 43. 50. 59. 44. 55. 44. 57. 46. 18. 46. 46. 28. 30. 59. 57. 43. 40. fix 43. 39. 49. リフレクション手法に よって外部環境がとり 込まれている内部空間 の機能について表6に 示す。内部機能の傾向 として動線やエントラ ンス、ラウンジなどが 多く見られる。特に非 住居系の建物ではこの 傾向が顕著である。こ れは、それら機能が光 環境としての制約が弱く、 表現に自由度のある場 所であることが考えら れる。また、それら内 部機能の性格として、 開放性や流動性をもつ ことがあげられる。こ れは、リフレクション 手法の用いられる空間 が外部環境の動きに加 えて、行為やシークエ ンスの展開をともなう 場所であるといえる。 時々刻々と変化する外部環境の動きを内部空間に反映させ、空間の表情に可変性を与える効果的な手法であるといえた。また、内部機能の 傾向として動線やエントランス、ラウンジなどが多く見られた。特に非住居系の建物ではこの傾向が顕著である。これは、それら機能が光 環境としての制約が弱く、表現に自由度のある場所であることが考えられる。そして、それら内部機能の性格として、開放性や流動性をも つことがあげられる。これは、リフレクション手法の用いられる空間が外部環境の動きに加えて、行為やシークエンスの展開をともなう場 所であるといえる。つまり、リフレクション手法のもつ空間特性は外部環境の動性と内部機能の性格との関係性によるものであり、リフレ クションを用いる建築設計は外部環境の捉え方とともに内部機能の配列によって計画されるべきであろう。 level 8 plan level 7 plan level 6 plan level 5 plan リフレクションは知覚現象であり、形態をもたない。ここではそれらに形態を与える提案として反射性多孔体の提案をしている。 反射性多孔 体は「孔(ヴォイド)+反射面」によって構成される。外部環境との接点として孔が穿たれ、立体的な外部との関係性を内部につくり出す。そし て反射面をそのヴォイドに付加することにより外部の動性を内部に導くものであり、その反射面は内部空間相互の立体的な関係性を生み出す。 対応して ムを形成する。 外部を捉えるように ヴォイドを生成する。 反射性多孔体 diagram ogram fix pen close close Spread flux 反射性多孔体は外部との 様々な関係を内部空間に 生み出す。 外部との関係をつくる 反射素材を配置する。 それらを接続し、統合する ヴォイドを生成する。 fix void flux Diffuse ose fix open Dim close fix Sharp fix close 上図のように分解し、ヴォイド空間にはopen/flux型のプログラムを配置する。 m open 間にはインフォ やカフェ、ロビ もに、動線が計 面は6角形を形 斜面によって ンは多様化し、 んだシークエン 浸透を意図して play flux media library close void gallery b y kids ce 建物の機能は周辺の現状、環境から メディアライブラリーを導いた。開 発が進み、準工業地域であることか ら、大規模な集合住宅やオフィス、 倉庫といったビルディングタイプが 多く見られる地域である。この地域 は職住が近接し、本計画の利用者と してオフィスワーカーと住人が設定 できた。メディアライブラリーがオ フィスワーカーの情報の場として、 また、周辺住民のパブリックスペー スとして機能することを考えた。 iinf nfo cafe books CD PC er passage foyer assembly VIDEO auditorium fix teaching www read ding magazines restrant DVD studio bookstock books ARTS books reading reading magazines t re b b b books EV books books books Gbomb EV restrant newspaper stairs passage passage EV lobby gallery books foyer passage cafe id ds studio studio stairs assage info auditorium books assembly re eading info EV teaching reading passage EV pa assage passage EV reading books play books inffo stairs IDEO books atlier site plan level 4 plan 海 空 大規模再開発区 運河 計画敷地 公開空地 rogram rogram 高速道路 隣地公開空地や高速道路、 空などの外部環境に対 して積極的に関係性を もてるようにヴォリュ ームを配置する。 高速道路 level 3 plan 東京湾 高速道路 meeting office book s = 1 : 10000 level 2 plan 外部環境のそれぞれに 応えるようにヴォイド を穿いていく。 敷地を芝浦の東京湾沿いに設定した。この敷地は北西の高速道路、南東の国道に面し、近年の都心回 帰現象の中で、集合住宅の大規模再開発が進む地域に立地する。また、東京湾に面し、北側の隣地に 公開空地をもち、空と海、緑といった自然環境と都市的環境の混在する立地である。敷地の選定理由 として都心部におけるそういった外部環境の多様性が挙げられる。 auditrium back yard info shop Sp Dim Dif level Sh 1 plan プログラムを考慮して 素材とリフレクション を設定し、反射面を配 置する。 office wc st udy st udio wc b1 plan machine book book stock stock machine 様々なシークエンスと 外部との関係性から多 様な表情をもった空間 を形成する。 b2 plan S = 1 : 1500 south elevation west elevation east elevation north elevation elevation n section b - b' a - a' c - c'