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MSによるPCBの分析方法の検討

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MSによるPCBの分析方法の検討
∞
広島市衛生研究所年報第2
1号 (
2 2
)
G
C
/
M
Sによる P
C
Bの分析方法の検討
四重極型
松木司
竹井秀夫
今村光徳
世良勝利・
下回喜則
矢野泰正
環境省の「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定マニュアル J 1)に基づき, PCB
の分析方法を検討した結果,次のことがわかった。
l
マスクロマトグラム上で, PCBは 2塩素上位の PCBから妨害を受け, 3"'6
塩化物の中には,妨害ピークが目的物のピークと重複するものがある。
2
検出下限は, 0
.
3
.
.
.
.
.
.
.
.
3
.3pgの範囲にあり,試料換算値は底質試料で 0.008.
.
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2
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2
n
g
/
lとなり目標値の Iμg/kg(wet),10ng/l
O
.08μg/kg(wet),水試料で 0
を下回った。
3
RRF値の変動は
3濃度の標準液において l濃度 3回測定で,変動係数が
0.5"'6.8%の範囲にあった。
シリカゲ、ル精製で、は,塩素数の多いものから l
頓に溶出し, 4gのシリカゲル
4
ではヘキサン 5
0mlで目的物の溶出が完了する。
5
硝酸銀シリカゲルからヘキサンでは 1塩化物が溶出しない。
6
硝酸銀シリカゲルを除いた多層シリカゲルによる精製では,ヘキサン
1
0
0
m
lで目的物の溶出が完了する。
7
底質分析においてクリーンアップスパイクの回収率は 6
2
.
.
.
.
.
.
.
.
1
0
3
%の範囲に
あった 。
キーワード
PCB,環境ホルモン,分析法検討
l
ま
め
じ
PCB は
, 1
9
7
2 年に我国で生産が中止された
た。
2)
にもかかわらず,今日でもなお,環境中から検出
2
GC/MS測定条件
測定条件を表 lに示す。
され続けている代表的な環境汚染物質のひとつで
3 標準品と試薬
ある。また,内分泌慣乱化学物質としてもリスト
(1)標準品
アップされ,全国で種々のモニタリングが行われ
tones
ている 。
PCBは
BP-WD,MBP-CG, BP-MS:Wellington Labora-
1塩素化物か ら 1
0塩素化物までの 1
0
M-1668A-I-0.0IX, M-1668A-2-0.01X,M-1668A
の同族体があり,塩素の数と位置により理論的に
表 1 GC/MS測定条件
209 の異性体が存在する。分析方法に関しては,
環境省の「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定マ
(
G
C部)
ニュアノレ j が,最新のもの であ るが,従来の j
I
S
カラム:SGE HT8(
5
0
m,o
.22mmID,膜厚 0.25μm)
のガスクロマトグラフ法とは異なり, GC/MSによ
昇 温 :1
3
0C(
Im
i
n
)ー2
0C/min→ 220C-5C/min-
る異性体分析である。今回この暫定マニュアルに
基づき分析方法の検討を行ったので報告する。
o
0
o
0
→3
20C(
IO
m
i
n
)
注入口温度:250'
C
注入量: 1μl
方
j
去
ヘリウムガス流量: l
ml
/min
装置
(
M
S部)
ガスクロマトグラフは Agilent 6890 Seriesを
uto
mass Sun 200を使用し
質量分析装置は JEOLA
本:現安佐南区厚生部
イオン源温度:230C
0
インタフェース温度:250C
0
イオン化電圧,電流:70eV,300μA
-66-
0
∞
広島市衛生研究所年報第21号 (
2 2
)
-3-0.01X, M-1668A-4-0.01X,M-1668A-5-0.01X:
表 2 モニターイオン
Accu Standard
物
(
2
) 試薬
MICB
1
8
8
190
ノナン(特級), 2%水酸化カリウムシリカゲル
D2CB
222
224
(ダイオキシン分析用), 44%硫酸シリカゲル(ダイ
T3CB
256
258
オキシン分析用), 22%硫酸シリカゲル(ダイオキ
T4CB
292
290
シン分析用), 10%硝酸銀シリカゲル(ダイオキシ
P5CB
326
328
ン分析用),ワコーゲ、ル C-200,水酸化カリウム(特
H6CB
360
362
級
)
, n
-ヘキサン洗浄水(ダイオキシン分析用),硫
H7CB
394
396
酸(有害金属測定用) :和光純薬側
08CB
430
428
N9CB
464
462
DI0CB
1
3
C
M
I
C
B
498
500
¥
3
C-D2CB
234
1
3
C
T
3
C
B
268
暫定マニュアルを参照し,定性定量方法の確立,
1
3
C
T
4
C
B
304
検出下限の算出,精製段階における分画試験及び
1
3
C
P
5
C
B
338
底質試料での 1
3
C体添加回収試験を行った。
'
3
C
H
6
C
B
372
1
3
C
H
7
C
B
406
1
3
C
0
8
C
B
442
1
3
C
N
9
C
B
476
1
3
C一D10CB
510
プ
ル
オ
ラ
ン
テ
ン
一 d!O
212
無水硫酸ナトリウム(残留農薬測定用),エタノ
ール(残留農薬測定用), n-ヘキサン(ダイオキシン
分析用) :関東化学側
Silicagel 6
0
(
7
7
3
4
2
M
) :MERCK
4 分析方法の検討
結果と考察
モニターイオンの決定
目的物質のモニターイオンは,スキャン測定で
得られたマススベクトルより,分子イオンピーク
質
定量イオン
確認イオン
200
のうち最も強度の強いものを定量イオン, 2番目
に強度の強いものを確認イオンとした。
マトグラムと PCB全異性体 2
09物質のピーク帰属
また,内部標準物質は定量イオンのみ測定する
をした既報のデータ
こととした。これらを表 2に示す。
より全異性体のリテンショ
3
)
ンタイムを把握した。
2 定性方法
PCB はクロマト上,高塩化物からの妨害を受け
Wellington Laboratoriesの BP-WDには, GCカ
る。これは,高塩化物の脱塩素フラグメントイオ
h
e
n
y
lmethyls
il
o
x
a
neを用いて
ラムとして 5%p
ンが紙塩化物の分子イオンに妨害を与えることに
測定した時の各塩化物の中で,最初と最後に溶出
よるものである o 図 lで,溶出範囲内の白抜きの
する異性体が入っている。これを GC/MSで測定し,
ピークは l塩素上位と 2塩素上位の PCBからの妨
各塩化物ごとの溶 出範囲を把握した。この時のク
害で,特に後者からの妨害が大きいことがわかる。
ロマトグラムを図 lに示す。
この 2塩素上位の PCBからの妨害についてみると,
溶出範囲が重複しており, SIM 測定の塩化物毎
l塩化物, 2塩化物及び 8塩化物は,その溶出範囲
のク、、ルーピングは 1
0塩化物以外は不可能で, 1回
内に 2塩素上位の PCBが溶出しないため妨害を受
注入で測定を行うと多チャンネル同時測定となり,
けないが, 3"'7塩化物については,この妨害が生
クロマトグラフの 打点間隔が広くなる。そのた め
じている。妨害ピークのなかには,目的物のピーク
SI
M測定時は, 1
"
'
5塩化物と 6"'10塩化物を別 注
と重複しているものもあり,定量の際の誤差とな
入で測定することとし, 1
0塩化物のみ別グ、ループ
る。これらのピークを表 3に示す。表中の PCB番号
測定することとした。
は IUPAC番号で表記した。これ以降についても同
6
6
次に, AccuStandardの M-1668A-1-0.01X,M-1
M-1668A-3-0.01X,
M-1668A-4-0.01X,
8A-2-0.01X,
様である。
3 定量方法
クリーンアップスパイクとして, Wellington
M-1668A-5-0.01Xを等量混合し, PCB全異性体 を含
MSでスキャン測定
む溶液を作成した。 これを GC/
Laboratorie
sの MBP-CGを使用した。これは
した時のクロマトグラムを図 2に示す。このクロ
1
0塩化物毎に 1種類づっの¥3C体が入った溶液で,
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広島市衛生研究所年報第 2
1号 (
22
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)
図 1各塩化物の溶出範囲
-68-
2
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マーーァーー「一「ーァーャー
2
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一上
寸一一~ 一ーャ一寸 一『一一白
2
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広島市衛生研究所年報第 2
1号 (
22
)
M1CB/21898
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)
図2 P
C
B全異性体のマスクロマトグラム
2
6
Qd
p
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広島市衛生研究所年報第 2
1号 (
2 2
)
表 3 2塩素上位 P
C
Bからの妨害
~
H7CB持1
8
6(
18.
20
)
.
.
. P5CB枠1
2
7(
18
.
1
9
)
08CB#204(
19.
9
4
)
0.960
1
.4
44
P5CB#126(
19.
48
)
T4CB持74
T4CB 枠70
1
.4
42
~
T4CB持81
1
.5
91
T4CB持71
1
.3
49
~
H6CB#167(
19
.
9
4
)
0.722
0
1
P5CB持1
0.802
P5CB持99
O
.878
O
.694
O
.979
P5CB #110
0.844
08CB #205
N9CB師208
O
.997
N9CB #206
DIOCB 持209
0
.815
1
.0
66
R
R
F値を
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17
ゐ
0.944
08CB詳194
1 306
9
9
08CB持1
pbQUFbaUQU
1
.5
70
1.429
l
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08CB持202
08CB 1
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2
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1
・・
O
.809
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ヨ QO A 官
O
.615
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H7CB 持1
0 6626877662
0.979
H7CB枠170
・
O
.830
H7CB持1
9
1
qU 1 A ワ ゐ q 4 1 A 1 L つ ム 1 A 1 A つ ' u n u 凸υ n r ら つ 乙 q d つ ん η 4 q ム 1 A
O
.696
H7CB詳180
・
O
.743
7
1
H7CB詳1
つム ワ ゐ A U ハ り つ ム
0.818
H7CB 師177
----e
0.826
H7CB 枠183
--
87
H7CB押1
'aワ旬
次に,塩素数の同じ同族体ごとの平均
1
.1
48
0.731
‘
・
っているためと考えられる 。
H7CB 1
1
1
88
H7CB詳178
・ ・・・
・ ・・
・ 3・ q・d q・υ・
P O F D A 可 つι
MA--Ay - - A U
l異性体についての R
R
F値 の変動係数は o
.5
6.8%と少ないが,異性体が異なれば, R
R
F値も多
0.825
・
4
全なものは測定対象 から 除外 した。
0.925
69
H6CB押1
孟
その結果を表 4に示す。ただし,ピーク分離の不完
1
.080
0.868
・ ・・・・
R
R
F=(
Q
c
s
/Q
s
)X (
A
s
/A
c
s
)
Q
c
s:
標 準液中の クリ ー ンアップスパイクの量
Q
s・
標 準液中の対象物質 の量
A
s:
対象物質のピーク面積
A
c
s・クリーンアップスパイクのピー ク面積
体であっても異性体ごとのイオン化 率 が多少異な
1.007
0.627
H6CB #156
H6CB 押157
R
R
F値を次式で算出し平均値を求めた。
少異なってくる。 このことは,同じ塩素数の 異性
5
8
H6CB詳1
28
H6CB 井1
H6CB持167
166 8969268693509
異性体の
O
.694
守J v q d q , “ 。 ゐ A 1 q d q d q d AZ
仙 り 6 1 E
この溶液を l濃度につき 3回計 9回測定し,各
O
.715
H6CB 1
1
1
3
8
抽
て
, 80μg/lとなるように調整した。
H6CB井149
AZ F O つ & ハ U 令 。 内 。 マ t p b q u ' i 内 b n 3 A V A M
パイクとシリンジ スパイ クは前述 した溶液を 用い
1
.1
5
9
O
.657
5
1
H6CB持1
l
.1
4
9
戸
種類の PCBが入っている 。また,クリーンアップス
5
5
H6CB 枠1
bqdnr-つdqd
液を作成した。 BP-MSには 1
.
.
.
.
.
.
.
.
1
0塩化物までの 62
0.910
・・・
BP-MSを用いて 20,1
0
0,200μg/lの 3濃度の溶
O
.950
・
し,検量線として W
e
l
l
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P5CB井1
1
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0
5
P5CB持1
2
6
P5CB 詳1
A'isA1Aqd
R
R
F法)で行うことと
定量は
, 相対感度係数法 (
u ' A Pb
ヨ 1 A E a 。,
A
成し た。
0.920
l
.037
、
2
3
P5CB持1
1
8
P5CB非1
バ
宅
た後,ノナンで段階的に希釈して 2mg/l溶液を作
つ& 1 A A U 1 4 ' i A υ n u n u 'A 14B且
l
.066
P5CB詳87
t
P5CB持119
- - 1 A nv nυnυ
1
.0
67
P5CB詳95
勾
d!Oを使用した。 10mgを少量のアセトンで溶かし
P5CB詳1
0
4
・ ・・・
シリンジスパイクとしては,フ/レオランテン
1
.4
70
・ ・・
これをノナンで希釈し 100μg/l溶液を作成した。
1
.0
76
O
.959
0
P5CB#105(
18
.
1
9
)
1
.1
3
8
匂
L------t~
T
4CB押54
T
4CB #52
T
4CB枠49
T
4CB押44
(min):RT
ー
T3CB持37
・ ・ ・・
H7CB#185(
19
.
5
0
)
P5CB#123(
17
.
0
8
)
1
.1
70
・・
8
4(
17.
1
0
)
H7CB梓1
1
.1
4
7
T3CB 持22
1 A Q U ワ ム 9 u n v ζ d p b A U AA q d 氏u n t t i nu Q J
~ P5CB持1
2
4(
16.
82
)
1
.1
54
T3CB枠33
・
H7CB#188(
16
.
81
)
0.807
・ ・
3
9(
16
.
6
3
)一ー-'
H6CB枠1
T3CB押1
8
T3CB持28
Fし一
T4CB将7
7(
16
.
5
9
)
o
.745
)
﹃
・7 8 3 1 1 2 2 6 7 3 7
弘6 4 5 0 9 8 6 8 3 1 9 7 l Q U O d -‘6 7 8 9 5 3 6 3 0 2 7 8 0 0 4 2 8 3 8 7 4 0 8 5 6 3 9 7 7 2 1
一
(
・s
・司
一 -----------------e
・1
・・
・・・・
1町4 4 5 3 3 3 2
V一
0
0210Invi--0121121012110321111
1・3・2
3 3 4 1・1 4 5 2 3 4 1 A 2 4 2 2・4・1
~
1
.1
2
2
9
T3CB押1
)R
一
H6CB#149(
16
.
5
8
)
D2CB持8
gb
.
.
. T4CB1
*8106.15)
3346PDIA--8763&311 L
ワ O A
-- 8 8 8 3 0 2 7 0
P一
*1
51
(
16
.
1
5
)
H6CB1
1.077
l
.1
09
nuy
a
A
-
主 T4CB*
178(
15
.
81
)
l
.0
71
(
一一 ----------------Ti--Aυ 凸V 3 A A U A V 1 A n u - A A U A u n υ 1 ι ' A 1 A B A - A 1 A n u
11
5
4(
15
.
8
0
)
H6CB*
MICB枠l
M1CB持3
D2CB#15
・・
主 T3CB*
135(
13
.
1
3
)
・ ・ ・ ・
P5CB梓96(
13
.
1
2
)
1& 向V 9 & 日v 。 , u ワ ゐ η ム η 4 9 - q J V 1 A 1 A I A ワ - E 且 内 4 勺 ん つ 4 t A ' i E 且 。 , M E A - - - A t a
妨害を 受 ける ピー ク
qdkdnδn3qυ1A03QJ7
妨害の原因となるピーク
表 4 BP-MS中の各異性体の RRF値 と 検 出 下 限
CY(%)
R
R
F値
物質
.•
∞
広島市衛生研究所年報第2
1号 (
2 2
)
表 6 シリカゲルによる分画
表 5 各同族体の平均 RRF値
物
質
平均 RRF値
1
3
C
P
C
B
。
10~
20~
50~
1
0
m
!
20ml
50m!
1
0
0
m
!
MICB
1
.0
74
D2CB
l
.1
1
5
M1CB枠3
0.4
96
13CB
0.997
D2CB#15
66
29
14CB
1
.3
09
持3
1
T3CB
99
1
.8
P5CB
0.931
T
4CB枠52
99
1
.7
H6CB
0.
856
持1
18
P5CB
2
.7
98
0.4
H7CB
0.819
H6CB#153
24
75
08CB
1
.1
5
7
H7CB
押1
80
3
1
70
N9CB
1
.0
16
08CB#194
37
68
DI0CB
1
.0
66
井206
N9CB
72
3
1
DI0CB#209
1
0
1
7
.6
溶 出率(%)
算出した。その結果を表 5に示す。 この同族体の
平均 RRF値を使用して同一塩素数の P
CBを定量
表 7 多層シリカゲルによる分画(その1)
することとなる 。
4 検出下限
1
3
C
P
C
B
前述した BP-MSの 20,
ug
/l溶液を 5回繰り返し
。
20 ~
20m!
50m!
100 ~
150~
100m!
150m!
200m
!
37
54
5
.0
0.1
50 ~
測定し,その標準偏差の 3倍を検出下限とした。
持3
M!CB
その結果 を表 4 に示す。検 出下限は O.3
"
"
'
3
.3pg
5
D2CB持1
の範囲にあった。
T3CB
枠3
1
8
.4
98
T
4CB押52
47
60
で lμl注入とした場合に換算すると O
.0
0
8
"
"
'
0.
08
P5CB
持1
18
7
1
37
w
e
t
)となり,暫定マニュアルの目標値 l
μ
μg/k
g(
持1
53
H6CB
108
7.1
Lの場
g
/k
g(wet)を下回る。また,同様に水試料 l
H7CB#180
108
6
.1
.2
"
"
'
2ng/lとなり,目標値の 1
0
ng/lを
合では, O
08CB
詳1
94
110
6.0
下回る 。
N9CB枠206
1
1
7
1
.5
5 精製方法
押2
09
D!OCB
1
20
1
.!
0g,最終液量 0
.
5
m
l,GC/
MS
この値を底質試料 2
(1)シリカゲルによる精製
溶 出率(%)
シリカゲルとして,和光純薬側のワコーゲル
C
-200を使用し ,カラムは内径 l
cm,長さ 3
0c
mの
)
表 8 多層シリカゲルによる分画(その 2
ガラスカラムを用いた。
O~
ガラスカラムの底にグラスウーノレを詰め, 1
3
0C
0
日
C-PCB
20m!
20~
50~
50m
!
100m!
9
.2
97
で 3時間加熱後デシケ ー ター中で 3
0分放冷したシ
持3
M1CB
リカゲル 4gをヘキサンで湿式充填し,その上に無
D2CB
骨1
5
84
1
9
水硫酸ナトリウムを 2
g載せた。
持3
1
T3CB
100
3.2
T4CB枠52
1
02
2.9
サンで展 開し分画試験 を行 った。その結果を表 6
P5CB#118
113
1
.5
MBP-CGの 100μg/l溶液を 0.4m
l負荷し, ヘキ
に示す。この結果より,ヘキサン 5
0
m
lで溶出が完
持1
53
H6CB
118
了する 。 また, PCB は塩素数の多いものから 1
I
頃に
H7CB持1
8
0
1
16
溶出してくる ことがわ か った。
08CB
持1
94
1
2
1
N9CB
枠2
06
1
2
1
詳2
09
D10CB
123
(
2
) 多層シリカゲルによる精製(その 1
)
今回 の PCB測定は,四重極型の GC/
MSで行うこ
とを前提としており,二重収 束型の高分解能
G
C/MS に比較すれば,爽雑物の影響は大きい。 そ
こで,シ リカゲ、ルより 精製能力 が高く,ダイオキ
-71ー
I OO~
1 5 0~
1
50m!
200m!
溶出率(%)
∞
広島市衛生研究所年報第2
1号 (
2 2
)
シン類分析で使用されている多層シリカゲノレりに
広島湾の底質をこの方法で前処理した時のクリ
よる精製を検討した。
ーンア ップスパイクの回収率を表 9に示す。回収
内径 1.5cm,長さ 30cmのガラスカラムの底にグ
率は 62"-103%の範囲にあった。
ラスウールを詰め,底から)1頃に次の試薬をヘキサ
ンで湿式充填した。 なお,シリカゲルは MERCK社
表 9 底質分析におけるクリーンアップスパイク
の Silicagel60を用いた。
の回収率
シ リカゲル (
0
.9
g
)
1
3
C
P
C
B
回収率(%)
3
g
)
2%水酸化カリウム シリ カゲル (
M1CB 枠3
66
シリカゲル (0.9g)
D2CB 詳1
5
86
44%硫酸シリカゲル (
4
.
5
g
)
T3CB 詳3
1
103
6
g
)
22%硫酸シリカゲル (
T4CB 詳52
62
シ リカゲル (0.9g)
P5CB 井118
95
3
g
)
10%硝酸銀シリカゲル (
H6CB 枠153
89
無水硫酸ナトリウム(高さ 1c
m
)
H7CB 枠180
95
MBP-CGの 100μg/l溶液を 0.4ml負荷し,ヘキ
08CB 将194
7
1
サンで展開し分画試験を行った。その結果を表 7
N9CB 詳206
82
に示す。
D10CB 詳209
83
この結果より塩化物が溶出しないことがわ
かる 。 いずれかの層でト ラップさ れていると思わ
脱 水(3000rpm.2
0
m
i
n
)後 の 底 質 20g
れる。そこで,水酸化カリウムシリカゲル,硫酸
シリカゲル,硝酸銀シリカゲル各々単独で充填し,
アル カ リ 分 解(
1'
v
1K
OHI
エタ ノール 5
0ml,80C
.1hr
)
c
同様に標準品を 負荷し, ヘ キサ ンで展 開したとこ
ろ,硝酸銀シリカゲルに l塩化物がトラップされ
ていることがわかった。
固液抽出, ヘ キサ ン 50m
,
l
(
3) 多層、ンリカゲルによ る精製(そ の 2
)
エタノール/ヘ キ サ ン(U)20ml. ヘキサ ン 30ml
l 塩化物をト ラップする硝酸銀、ンリカゲ、ルを除
き,その他は多層シリカゲルによる精製(その1)
液液抽出,ヘキサン洗浄水 50ml添加後抽出.
と同様に試薬を充填し,同様の分画試験を行った。
ヘ キ サ ン 50m!で再抽出
その結果を表 8に示す。l塩化物が溶出し, 2塩 化
ク リーンア ップスパイク添加
物の溶出範囲も狭くなった。
1 3C 体 1~10 塩化物,各 々 40ng
硝酸銀シリカゲ、
ルは硫黄分が多い試料に対して
用いると効果的である
5
)
とされているが,硫黄分
の多い底質試料では,アルカリ分解を行うため,
硫黄分は除去されている 。よ って,本法を精製方
mlで溶出すること
法として採用し,ヘキサン 100
とした。
多層 シ リカゲル,ヘキサン 100m!溶出
6 底質試料の前処理
図 3のフローで示すよ うに ,精製方法として多
濃縮 (
R
E
. N2吹 き 付 け , O.5mI
)
層シリカゲ、ルを用い,その他は暫定マニュアルに
準じて行うこととした が,クリ ー ンアップスパ イ
クの MBP-CGの中には,コプラナ -PCBが含まれて
いるため,
MBP-CG 添加以降の操作は当所のダイ
オキシン分析施設で行うこととした 。機 材 や ス ペ
ースの制約上,初段階での添加は不可能なため,
抽出後 つ まり硫酸処理の前で添加し,クリーンア
図 3 底質分析フロー
ップスパ イクとして使用することとした。
ワ
臼
ヴ
t
広島市衛生研究所年報第2
1号
文
1
)
4
)
献
3
)
日本工業規格 K
0
3
1
2,工業用水・工場排水中
環境庁水質保全局水質管理課:外因性内分泌
C
Bの測定
のダイオキシン類及びコプラナー P
横乱化学物質調査暫定マニュアル(水質,底
方法, 13~14 ,
11~ 12
,
1 (
19
9
8
)
山本猛嗣:日本発環境ホルモン報告, 1
8
9,
日刊工業新聞社(19
9
8
)
質,水生生物),
2
)
∞
(
22
)
5
)
MatsumuraTe
ta
l
: Retenti
o
norderofall
209Chlorobiphenylcompoundsoncapillary
columnSGEHT8,OrganohalogenCompounds,
3
1, 1
4
1
9(
19
9
7
)
-73ー
保母敏行
(財)日本規格協会(19
9
9
)
他:詳解ダイオキシン類及びコプ
PCBの測定方法, 94~95 , (財)日本規
ラナ 格協会 (2001
)
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