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1 国際フィールドワーク(ドイツ、フィンランド)実施

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1 国際フィールドワーク(ドイツ、フィンランド)実施
国際フィールドワーク(ドイツ、フィンランド)実施報告
経営学部 橋場俊展
去る 2015 年 8 月 30 日(日)~9 月 11 日(金)、ドイツおよびフィンランドにおいて国
際フィールドワークの実習を行った。参加総数は 14 名、内訳は学生 12 名、引率教員 2 名
であった。以下、前半のドイツと後半のフィンランドに分け、各々の実習中に頂戴したご
講演や訪問先について概要を述べ実施報告に代えさせていただきたい。
ドイツでは、ボンで 5 泊、デュッセルドルフで 2 泊滞在し、この間まずボン大学にてマ
イヤー(Harald Meyer)教授、および語学教授を目的とする NPO 創設に関係された磯洋
子様のお話を伺った。前者からは日本文学の奥深さについて、後者からは言語習得とコミ
ュニケーション構築の核となるものについて多くを学ばせていただいた。学生たちはマイ
ヤー教授の流ちょうな日本語と文学に限らず日本の歴史、文化、風土等に造詣が深いこと
に感銘を受けたようである。また、磯様の「母国語のように、完璧にはできないのだから、
完璧を目指すのではなく、地道に努力し続けることが大切である」とする言葉に大いに励
まされたとのコメントが寄せられている。
次に、デュッセルドルフへの途上立ち寄った ESPRIT アリーナではフォルトゥナ・デュ
ッセルドルフ日本デスクご担当の瀬田元吾様のお話、デュッセルドルフではノルウェーに
てフローリストとして活躍しておられる大木靖子様のお話を伺った。瀬田様からは行動し
経験を積むことの大切さについて、大木様からはプロフェッショナルという生き方につい
て語っていただき、学生たちも興味深げに耳を傾けていた。とりわけ、瀬田様のパッショ
ンあふれるご講演は、かなり刺激的であったようで後日「しっかり行動して結果を残して
いかないと社会に出てからは相手にされない」ことを痛感したとの感想が寄せられた。ま
た、証券会社勤務からフローリストへと思い切った転職をされた大木様のご体験談に対し
ては「とりあえず……内定取れたところにいこう。という平凡なつまらない人生を選ばず
済みそうです。自分のやりたいことは何?そのためには何が必要?足りないものは何?な
ど自分の事を自分でもう一度しっかり考える良いきっかけになりました。
」との声が寄せら
れた。
以上の講演は間違いなく一部(残念ながら全員とはいえない)学生の心に響き、当初は
控えめであった学生が積極的に質問を繰り返すようになる、あるいはグループ行動の際に
イニシアティブを取るようになるなど、目に見えて言動が変わる様を目にすることとなっ
た。これ以外にも企業訪問先のドイツトヨタにおいては同社会長の細江昌樹様はじめ複数
の方にご講演いただき、ドイツ自動車市場の現状・特徴や系列金融企業や保険会社とトヨ
タとの関係など多くを学ぶことができた。また、ライン幼稚園の園長やデュッセルドルフ
日本人学校の先生方には、園や学校についてご説明いただくと共に、夕食会にもお付き合
いいただき学生たちを激励していただくことができた。ケルン大聖堂、ケーニヒスヴィン
ターといった観光名所を訪ねる一方で、音楽会に出向くなどドイツ滞在中にはドイツの歴
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史、文化に触れる機会にも恵まれた。
続いて、9 月 6 日(日)から 10 日(木)までフィンランドのヘルシンキに滞在した。同
地では国際ノルディックウォーキング協会公認インターナショナルコーチの資格を有する
高橋直博様にアテンドしていただきながら、海上要塞スオメンリンナ、テンペリアウキオ
教会、シベリウス公園といった名所を観光すると共に、ヘルシンキ大学、ラハティ中学校
の見学、そしてマキタ・フィンランドへの企業訪問を行った。ヘルシンキ大学では、明治
大学国際日本学部鈴木ゼミの学生たちとご一緒することになり、その後の夕食会では三大
学の学生間で親睦を深めることとなった。積極的にヘルシンキ大学の学生と会話する明大
生の姿には少なからずショックを受けたようであり「数人で話をする中で、自分の言いた
いことが言えず、悔しい思いをした……もっと話せたらもっとたくさんの人とコミュニケ
ーションをとれたと思った。初めて海外へ行ってみて、英語は話せるに越したことはない
と痛感したので、これを機に英語に力を入れて TOEIC のスコアアップや英語検定などの
資格取得に向け一生懸命取り組まなければならないと思った」という。この悔しさを胸に
奮起してくれることを期待したい。
またラハティ中学校では、訪問直前に英語の授業中プレゼンテーションを行うよう要請
があり、教員共々慌てふためいたが何とか無難にこなし、事前に用意してあった折り紙や
剣玉を用いて楽しいひとときを過ごすことができた。同中学校では数学の授業にも参加さ
せていただいたが、その際、簡単な計算についても電卓を使用している光景に学生たちは
驚くとともに、筆算などのテクニカルな部分は捨て置き論理的思考に専念させる授業のあ
り方とその合理性に感心していた。
本フィールドワークの最終行事となったマキタ・フィンランド訪問では、電動工具メー
カとして世界で圧倒的なシェアを誇る同社の競争力の背景、グローバルに活躍できる人材
像などに関して巧みな話術でご説明いただき、学生たちも興味深げに聞き入っていた。在
庫を最大限活かしつつきめ細かな顧客サービスを実現している同社のビジネスモデルにつ
いて「私はマキタという会社は日本人の良さを詰め込んだ会社だと思います。お客様に迷
惑をかけないように修理を可能な限り早く行ったり、商品を切らさないように徹底した在
庫管理や会社のトップ自らがお客様のもとに直接話を聞きに行ったりする……このような
ことを行った結果、マキタは世界から愛される企業に成長していったと思います。私は日
本の良さを詰め込んだマキタという会社が世界で活躍しているのを見て、日本人としてと
ても誇りに思います」と絶賛する学生のコメントが印象的であった。
以上、駆け足でフィールドワークの行程を振り返ってきた。こうした経験を積む中で、
当初怯えながら入国審査に臨んでいた学生たちは格段にたくましさを増したと思われる。
どこへ行くにもボン大学の院生や引率教員に頼り切っていた学生が、地図を頼りに、片言
の英語で道を尋ねながら自分たちの力で目的地に到達した姿を目にした時、報告者はささ
やかな感動を覚えた。あるいは「将来はマキタのような世界で勝負している会社で活躍し
てみたい」
、
「またヨーロッパに行きたいので、余ったユーロは取っておきます」という学
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生たちの言葉を耳にした時、報告者は今回のフィールドワークが意味あるものであったこ
とを確信した次第である。集団行動ばかりではなく個人行動がもっとあっても良かった、
講演者や現地の方々にもっと積極的に話しかけて欲しかった等々、課題も少なからず目に
ついたが、少なくとも参加学生たちは、ますますグローバル化が進展する世界に向けての
第一歩を踏み出してくれた。そのことに敬意を表すると共に、こうした機会の実現に向け
経済的な援助を賜った名城大学経済・経営学会に謝意を表して報告を結びたい。
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