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末永蒼生さん - 男女共同参画センター(横浜市男女共同参画推進協会)
こころ輝く表現 末永蒼生さん(アート) ∼暮らし・アート・文学∼ 推薦本リスト 書名 著者名 2010 年 3 月 出版社 出版年 分類 1 マティスとピカソ 芸術家の友情 フランソワーズ・ジロー 河出書房新社 1993 D2111マ 2 フリーダ・カーロ ヘイデン・エレーラ 晶文社 1988 D2111カ 3 シベリア鎮魂歌−香月泰男の世界 立花 隆 文藝春秋 2004 D2111カ 4 ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で ジョン・M・マグレガー 作品社 2000 D2111ヘ 5 智恵子紙絵 高村智恵子 筑摩書房 1993 D2111チ 6 発情装置 上野千鶴子 筑摩書房 1998 C11ハ 7 子どもの絵と性格 アルシューラ&ハトウィック 文化書房博文社 2002 A38コ 8 色彩の心理 久保貞次郎編 文化書房博文社 1974 D215シ 9 子どもと悪−絵を描く集団治療 クリスティアーネ・ルッツ 晶文社 1985 C213コ 10 死ぬ瞬間の子供たち E・キューブラー・ロス 読売新聞社 1982 C212シ 11 「子ども」の絵 アリス・ミラー 現代企画室 1992 C212コ 12 アート・ヒーリング ルチア・カパチオーネ たま出版 1993 C213ア 13 色彩論 全3編 完訳版 工作舎 1999 D215シ 14 光の医学 ジェイコブ・リバーマン 日本教文社 1996 C21ヒ 15 ガジュマルの木の下で 名取美和 岩波書店 2002 C328ガ 16 色はことのは 末永蒼生 幻冬舎 2003 D215イ 17 色彩学校へようこそ 晶文社 1993 D215シ 大和書房 2006 D215シ 末永蒼生 ブロンズ新社 1991 D215ア 末永蒼生 講談社 2010 A38エ 18 色彩楽 19 20 青の時代へ 絵が伝える子どもの心と SOS ヨーハン・ヴォルフガ ング・フォン・ゲーテ 末永蒼生、江崎泰子 編著 末永蒼生 沢田としき絵 ★ 推薦図書メッセージ 表現することと生きる喜び 人はなぜ表現せずにはいられないのだろう。子どもたちは誰に教わるまでもな く、クレヨンで落書きに熱中する。画家たちがキャンバスに色を放出し続けるよ うに女性は鏡の前で化粧に精を出し、男たちはネクタイの色で自らを誇示する。 ふと身にまとった布の色が今日を生きる力を湧きたたせることがあるにちがい ない。かつて、私自身もピカソの絵を見ることで、苦しい喪失感情を消化するこ とができた経験がある。表現すること、また表現されたものを眺めることは心を 大きく揺さぶる。 人類誕生と共に始まったアートへの衝動はどこからやってくるのだろう。それ を知るための様々な研究がある。たとえば、人間が色という自然のエネルギーに 強力に心惹かれる視覚と脳の不思議なメカニズムがある。あるいは、表現を通し て心の痛みを癒していくというアートセラピーの世界がある。 それら感性と心の関わりを探り当てようとして書かれた書物は私たちをどのよ うな領域に誘うのだろうか。いずれにしても、そこには個人の表現を通して立ち 現れる生の奥深い喜びが息づいているような気がする。 たみ お ★末永蒼生さん プロフィール 色彩心理学者。 「子どものアトリエ・アートランド」 主宰。「アート&セラピー色彩心理協会」会長 自由表現の場「子どものアトリエ・アートランド」を 40 年にわたって主宰し、色彩心理の研究をベースにしたア ートセラピーの方法を体系化する。災害や事件などで、 ショックを受けた子どもたちのための心のケアの活動に もかかわる。社会人対象の色彩心理講座「色彩学校」を 主宰する他、講演や執筆活動も多い。NHKテレビ「課 外授業ようこそ先輩」などに出演。 著書に、『答えは子どもの絵の中に』(講談社)、『色彩学 校へようこそ』 (共著晶文社)など多数。 (2010年3月現在) (1) 1.マティスとピカソ 芸術家の友情 フランソワーズ・ジロー著 野中邦子訳(河出書房新社)1993年 豊かな色彩をみごとに調和させるマティスと、あえて静寂を乱すかのようなピカ ソ。20世紀を代表する2人の巨匠は、美術史の中では、相反する者同士として 語られているが、ライバルでもあり友人でもあった。本書は、ピカソと生活をと もにし一男一女をもうけた画家の著者が、正反対の気質をもつ2人の友情と生 活、近代美術の技法や伝統、同時代のさまざまな芸術家たちの姿を描いている。 2.フリーダ・カーロ 生涯と芸術 ヘイデン・エレーラ著 野田隆・有馬郁子訳(晶文社)1988年 フリーダ・カーロは、悲惨なバス事故により全身重症を負いながらも、入院時に 独自で絵を学んだ。描かれた多くの自画像は、「女性特有の、あるいは女性に普 遍的なテーマを仮借のない率直さと冷徹な厳しさをもって描いた」と評され、そ の絵からカーロの生涯と芸術をみることができる。メキシコの大画家ディエゴ・ リベーラとの結婚、トロツキー、イサム・ノグチとの愛、画家としての成功、病 との闘いを、詳細な絵の解説とともにたどる伝記である。 3.シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界 立花隆著 (文藝春秋)2004年 戦後日本の画家・香月泰男は、シベリア抑留で強制労働に従事したことが原体験 になり、その後の作品全体の主題にして背景となる「シベリア・シリーズ」全5 7点を描き続けた。「描くものが不可能なもの」を描き続け、それでも描ききれ ない「情念」を言葉として付記した。本書は、著者が、その思いを汲み取るため に取材執筆した香月泰男研究の集大成である。絵と言葉が一体となった「シベリ えぐ ア・シリーズ」は、見るものの心を抉る迫力がある。 4.ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で ジョン・M・マグレガー著 小出由紀子訳(作品社)2000年 しせい ヘンリー・ダーガーは、71歳まで病院の下働きを務めた市井の人だった。彼が 去った部屋の中で発見されたのは、子ども奴隷制をもつ軍事国家とカソリック国 家との戦争を描いた1万5000頁にも及ぶ絵画だった。誰に見せるものでもな く描かれたこの作品は、不条理、善と悪、美しさと惨めたらしさを、ユーモアを 交えながら描いた非現実の王国世界だった。その画面構成、色彩感覚は独創的で、 現代アートにつながるものがあると評された。 (2) 5.智恵子紙絵 高村智恵子著 高村規 写真 (筑摩書房)1993年 日本の彫刻と文壇を代表する高村光太郎と結婚した著者は、精神分裂症の徴候を みせ、自殺未遂や転地療養の後、病院に入院した。入院時に紙絵を作り始め、そ の数は千数百点に及ぶと言われている。その作品は、驚くほど精密で、力強い意 志と豊かな色彩感覚、光太郎への愛情で貫かれていた。芸術の域に達するその作 品を収めた本書は、見るものの心に安らぎを与えてくれる。 6.発情装置 上野千鶴子著 (筑摩書房)1998年 エロスのシナリオ 人はなぜ、欲情するのか? 本書では、フランスの画家であり彫刻家のニキ・ド・ サンファル、ビジュアルアーティストで写真家のスーザン・カエ・グラント、喜 多川歌麿などの浮世絵、少年愛を描くマンガ、女性監督の視点から撮影されたポ ルノ映画など、さまざまな形で表現された「性」を紹介し、時代とともに変化す る性意識、ジェンダー、女と男の関係について、先端的論議を提起したものであ る。 7.子どもの絵と性格 アルシューラ&ハトウィック著 島崎清海訳(文化書房博文社)2002年 色彩には、人の感情や激しさの程度を理解できるという特殊な力があるとされて いる。しかし、ある色を使ったからといって、簡単にそのときの感情を決めつけ ることはできなく、同じ色でも使い方によっては、正反対の意味をもつことが分 かってきた。本書では、子どもの絵から、子どもの心理や環境などを読み取るこ とに関して、多数の事例を紹介し総合的に判断する大切さを説いている。 8.色彩の心理 久保貞次郎ほか編 (文化書房博文社)1974年 子どもの絵の心理的記録 本書は、 「子どもの絵は、すべての子どもの感情の反映である」とする2人のア メリカの教育者アルシューラとハトウィックの影響を強くうけ、1956年に出 版されたものの再版である。母親の抑圧、社会的抑圧、病気など、子どもが心に かっとう ある「わだかまり」を表現した絵を集め、その心理的葛藤を絵のなかに見出して いった記録である。現代の子どもの美術教育に、新たな風を吹き込む1冊。 (3) 9.子どもと悪―絵を描く集団治療 クリスティアーネ・ルッツ著 野村美紀子訳(晶文社)1985年 自閉症、対人恐怖症、言語障がい、拒食症など情緒的・精神的に障がいをもつ子 どもたちは、心の奥底に何をかかえているのだろうか? 児童・少年を対象とす る心理療法士である著者は、その子どもたちの集団療法として「悪」の絵を描か せた。本書では、絵に表現された不安や恐怖の実体をあばきつつ、子どもたちと つづ 「悪」との対決の過程を綴った臨床記録である。 10.死ぬ瞬間の子供たち E・キューブラー・ロス著 川口正吉訳(読売新聞社)1982年 本書は、スイス生まれの精神科医による『死ぬ瞬間』シリーズ4冊目である。末 期疾患の子どもたちは、その心の底の悩みや精神的、霊的なニーズを周囲の人た ちに伝えようとしており、それは、声やサイン、詩や絵といった普通の言語とは 違う表現手段を用いる場合が多いという。死にゆく子どもたちの深層心理につい いや ての深い考察は、子どもとの関りを持つ者にとっての癒しとなるだろう。 11.「子ども」の絵 アリス・ミラー著 中川吉晴訳(現代企画室)1992年 著者は、幼児虐待と、その社会への影響に関する研究で有名なスイスの心理学者 である。しつけや教育の名のもとで行われている子どもへの虐待の実体を告発し つづける著者は、本書のなかで、自らの描く絵画のなかに、自分の傷つき抑圧さ れた<内なる子ども>の存在を認め、その「子ども」の感情を解き放つ自己回復 の軌跡を描いている。著者の水彩画66点を収録。 12.アート・ヒーリング ルチア・カパチオーネ著 長谷川寿美訳(たま出版)1993年 アートセラピストの著者が、本書を書くキッカケになったのは、ただ心のおもむ いや くままに、絵や文章を描き続けたことが主因で病を癒した経験からだという。絵 は、感情表現の手段として、人類共通の言語である。心のおもむくままに絵を描 くことは、からだと心を癒し、人生を高める助けとなる。本書は、心理療法など 専門的治療を受けなくとも自分で実践できる、アートセラピーの手引書でもあ る。 (4) 13.色彩論 全3篇 完訳版 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ著 高橋義人、南王路振一、前田富士男ほか訳(工作舎)1999年 本書は、ゲーテ生誕250周年を記念して企画された、世界で初のゲーテ『色彩 論』の完訳である。教示・論争篇、歴史篇、図版集の 3 篇からなる本書は、自 然の色彩から、美術作品、工芸にいたるまでのあらゆる色彩現象を包括的に研究 し、色彩宇宙の法則、秘儀を解きあかしてくれる。哲学、思想、美学、科学史、 西洋思想の分野にも通じる内容である。 14.光の医学 光と色がもたらす癒しのメカニズム ジェイコブ・リバーマン著 飯村大助訳(日本教文社)1996年 色彩には今まで知られていないさまざまな効果があるとされている。「色が感情 を生み、感情が行動を導く」というシュタイナーの言葉があるが、光は生きたエ ネルギーで、体の各部分に効く色があるという。本書は、光と色による治療のメ いや カニズムを科学的に解明し、光と色が、病気に対していかに有効な癒しの手段に なりうるかを、豊富な症例と実験によって明らかにしている。 15.ガジュマルの木の下で 名取美和文 奥野安彦 写真 (岩波書店)2002 年 本書は、チェンマイ市郊外のHIVの感染孤児施設「バーンロムサイ(ガジュマ ルの木の下の家)」で、大きな家族として暮らす 26 人の子どもたちとの 3 年間 を記録したものである。インテリア小物のデザインや製作をしながら施設を運営 している著者は、現地の母親の自立支援を通して子どもたちの支えになり、裁縫 や刺繍の手仕事を教えてきた。本書では、施設で暮らす子どもたちの日々と、発 病させずに普通に生活させたいと願うスタッフの思いを伝えている。 16.色はことのは 末永蒼生著、内藤忠行写真 (幻冬舎)2003年 色彩心理学者の著者は、「色とは人間の潜在意識を語る もう一つの言葉 なの ひ ではないか」という。人はなぜ、色に惹きつけられるのだろう。色の粉をかけあ うインドのホーリー祭、世界の民族衣装の色、壁画の色彩、写真家・内藤忠行の 世界各地の写真とともに、色彩に秘められた深い意味を探る。 (5) 17.色彩学校へようこそ 末永蒼生、江崎泰子著 (晶文社)1993 年 本書は、著者とそのパートナーが主宰する「色彩学校」を紹介したもの。「色を 知る、体験する、生かす」の3つのプログラムによって、色彩の基礎知識から、 ファッションや建築の色彩史、日本の伝統色など、社会と時代を読み解き五感に 染み込む色彩を楽しむワークショップなど、多彩な内容を紹介している。人は色 彩にどんな気持ちを託しているのか、心と色との深い関係を探る。 18.色彩楽 末永蒼生文 沢田としき絵 (大和書房)2006年 色と心のセラピーぬり絵 「色彩は、言葉を超えた心の表現」だという。本書は、自分の感情や気分を色に 置き換えてみるぬり絵。塗っているうちに元気になったり気持ちが楽になった り、気づかなかった自分を発見できるようになっている。自己診断とアドバイス で、心と色の不思議な関係がわかる本。 19.青の時代へ 末永蒼生著 (ブロンズ新社)1991年 みどり あさぎ 紺色、 碧 、浅葱色、水色など無限のバリエーションが広がっている青という色 に、あなたはどんなイメージを持つだろうか。本書は、著者と『青』との出会い、 ピカソ、フリーダ・カーロ、ジョン・レノンなど『青』を生きた人々の紹介、 『青』 がもつ力などを通して、「21世紀へとむかう時代と、そこに生きる人の精神を 『青』というひとつの色を通して読み解こうとした試み」である。 20.絵が伝える子どもの心とSOS 末永蒼生著 (講談社)2010年 時代の変化とともに、子どもたちを取り巻く環境も大きく変わり、かつて大人の 問題とされてきたうつや自傷行為が、子どもにも広がっていると著者はいう。本 書では、長年子どもの絵に寄り添ってきた著者が、幼児期から思春期の子育ての 悩み、友達とのトラブル、いじめなどの悩みに、具体的な絵の実例をあげながら Q&Aで答えている。子どものサインを見逃さないで、成長を見守っていくため のヒントが満載の1冊。 (6) <情報ライブラリ利用案内> 男女共同参画センターの情報ライブラリは、 横浜市内にある男女共同参画センター横浜(フォーラム)、センター横浜南(フォーラム 南太田) 、センター横浜北(アートフォーラムあざみ野)の3館で資料の相互貸借サービ スを行っています。3館の資料はどの館からも取り寄せて借りることができます。 返却も3館すべて利用できます。 * ブックフェア推薦図書は、男女共同参画センター横浜情報ライブラリで所蔵しています。 利用カードを作成して借りることができます。 貸出 返却 * 本を借りるときは、利用者登録をしてください。 本、雑誌、ポスター ひとり6冊/枚まで、2週間借りられます。 ビデオ センター横浜の館内で視聴できます。 団体カードをお持ちの方なら、館外貸出可のビデオを3本まで、 1週間借りられます。 カウンターにお返しください。閉館しているときは、本と雑誌のみ、ブックポスト(センター横浜) に返すことができます。 ライブラリカードのお申し込み カードを作れる人 個人カード 小学生以上で横浜市に在住、在勤、通学している人 団体カード 担当者(直接借りにくる人)が横浜市在住、在学、在勤しているグループ、団体 <展示資料セット貸出のお知らせ> 当館で実施したブックフェアでご好評いただいた展示資料(選書リストを含む)を、すべてセット にして貸し出します。公共施設や図書館、学校、病院での展示に、またグループでの勉強会にもぜ ひ、資料セットをご利用ください。 貸出内容 展示するスペースにあわせて、セット貸出できます。 貸出期間 2ヶ月 貸出料金 無料(送料は、ご負担願います。) ご希望があれば、展示のアドバイスも承ります。 お気軽にご相談ください。 詳細は、ライブラリスタッフにお問い合わせください。 男女共同参画センター横浜情報ライブラリ ℡ 045−862−5056 (7)