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十六アジアレポート 2016 年 12 月号 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 2016 年 12 月 1 日 十六銀行 海外サポート部 《 目 次 》 <駐在員レポート> 1.シンガポール: 「日本食にまつわる最新トレンド情報」 シンガポール駐在員事務所 2.バンコク: 「岐阜鮎のプロモーション」 バンコク駐在員事務所 3.上海: 「2016 大連-地方銀行合同ビジネス商談会」を開催 上海駐在員事務所 4.香港: 「日本秋祭」 香港駐在員事務所 5.ベトナム: 「ベトナム人の健康意識」 十六銀行 海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行 ジャパンデスク) 伊藤 信介 6.インドネシア: 「インドネシアの小売事情」 十六銀行 海外サポート部 (バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 三浦 武雄 7.為替相場情報 本書中の情報は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではあ りません。ご利用に関しては全てお客様御自身でご判断くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行及び執筆者はその正確性を保 証するものではありません。また、本書中の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではあ りません。法律上、会計上、税務上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。 1 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 1.シンガポール:「日本食にまつわる最新トレンド情報」 シンガポール駐在員事務所 シンガポールでは、去る 10 月 27 日から 29 日の 3 日間、 ASEAN 最大の日本食総合見本市である「Food Japan 2016」 が開催されました。主催者発表によれば、39 都道府県より 304 社・団体が出展、来場者は 3 日間合計で 11,525 名と、 いずれも過去最多を記録しました。また今年の傾向として、 シンガポールはもちろん、マレーシアやベトナムをはじめ とする周辺国から買い付けに来るバイヤーが増加したとい うことでした。実際、出展された地元企業様からも、同様 の声が聞かれました。そこで今回は、シンガポール、及び 「Food Japan 2016」会場 その周辺国における日本食にまつわる最新トレンドをご報 告します。 1.じわり浸透する日本製菓子 「Food Japan 2016」の会場でも、お菓子類を扱っているブースは概 ね盛況だったように感じました。何より調理の手間が要らないことや、 仮に袋や箱に記載されている日本語が理解できなくても、写真を見れば 味の想像がつきやすいことなどが人気を博している理由でしょう。特に 間食を好むシンガポール人にとっては、手軽に日本の味が楽しめるとあ って、確実に浸透しつつあると言えます。そんな需要の取り込みを狙っ てか、今年 7 月より、シンガポール国内で 400 店舗以上を展開する大手 コンビニチェーンが、日本から PB 商品を輸入し、全店で販売をはじめ ています。 その他、近時オープンした日系の小売店でも、お菓子を中心とした品 揃えをしている店が多いように見受けられます。 大手コンビニチェーンの 日本製 PB 商品 2.止まらぬ勢いの日本食専門店街 かねてからシンガポールでは、大型ショッピングモール などの中に日本食レストランを複数店舗集積させる、いわ ゆる「日本食専門店街」の創設がブームとなっていました が、未だその熱は冷めやらぬとばかり、今年 7 月、中心部 オーチャードの商業施設に日本食レストラン 16 店舗を集結 させた「ジャパンフードタウン」がオープンしました。 「本 物の日本食を手頃な価格で提供すること」をコンセプトと しており、すべての店舗で扱う全食材の 50%以上を日本か ら調達。まとめて輸入することにより輸送コストを削減し、 料理の価格を抑えていることを特徴としています。この他 「ジャパンフードタウン」オープン時の様子 にも、12 月には同じく中心部のタンジョン・パガー地区に ある商業施設内に、 「毎日選べる日本の味」をコンセプトとした日本食レストラン 7 店舗の集積ゾーン 「itadakimasu(イタダキマス) 」が開業する予定です。 2 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 3.周辺国への波及 これまでは、シンガポール国内について述べてきましたが、 ここでは周辺国の状況について、お伝えしたいと思います。 まずは右上の写真をご覧下さい。これはマレーシアの首都、 クアラルンプールのショッピングモールに入居している日 系小売店の様子です。店舗自体は非常に狭く、日本のコンビ ニの半分もない程の面積で、通路が 2 本あるだけなのですが、 一部加工食品や調味料が置かれている以外は、日本製のお菓 子がずらりと並んでいました。この小売店は、マレーシア国 内に多店舗展開しており、業歴も比較的長いことから、最 新トレンドというわけではないかもしれませんが、逆にそ クアラルンプールの日系小売店 れだけ一定の需要があることが窺えます。 次に右中の写真は、マレーシア・ジョホール州の州都で、 クアラルンプールに次ぐ規模の都市、ジョホールバルのショ ッピングモール内に、今年 1 月オープンした日本食専門フー ドコートです。7 店舗の日系飲食店が出店しています。ジョ ホールバルはシンガポールから車で 1 時間半ほどで行けます ので、週末には多くのシンガポール人が同ショッピングモー ルにも訪れるため、十分来店を見込めることや、そもそもマ レーシアの中では、中華系の人口比率が高い都市であること ジョホールバルの日本食専門フードコート から、ハラル認証を未取得であっても集客が見込めることも、 この立地を選択した理由だそうです。 そして右下の写真。これは、日本食レストラン集積エリア 「Japan Broadway」プロジェクトが進められている、ベトナ ム南部、ホーチミン市フーニャン区、ファン・シク・ロン・ ストリートの様子です。ベトナムにおいても、日本食は確実 に浸透しつつあり、これをさらに加速させるため、ベトナム 人富裕層が数多く住む同地区において、今後出店する日本食 レストランを誘致・集積させることによって、ベトナム人に 日本食を体験する場所を提供することを目的としています。 ホーチミンの「Japan Broadway」プロジェクト 4.トレンドを押し進めるために ここで、興味深いエピソードをご紹介したいと思います。弊所シンガポール人スタッフと筆者が、日 本産の桃について話していた時のことです。彼女は、「私は桃が大好きなので、日本産の桃を食べたい です。でもシンガポールで売られている日本産の桃は、1 個 30∼40 シンガポールドル(以下 S ドル、 約 2,250∼3,000 円、1S ドル=約 75 円)くらいするので、とても買えません。だから仕方なく○○産 のものを買っています。 」と言っていました。この発言にすべてが集約されているのではないでしょう か。彼らは、日本の食材や食品が美味しくて品質の高いことを十分理解してくれています。問題は価格 とのバランスです。彼らが認める商品価値に見合う価格になるよう、輸送コストや中間マージン等を削 減する工夫をすれば、まだまだ販路を拡大できる可能性は十分にあると考えます。シンガポールにおい ては、突出した所得水準の高さゆえ、現状は一歩も二歩も先を進んでいると言えますが、今後周辺国に おいても同様の流れになっていくことが予想されます。このトレンドを一層推し進めるために、さらな る増大が見込まれる中間層の需要を狙っていくのであれば、一考の余地があるのではないでしょうか。 3 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 2.バンコク:「岐阜鮎のプロモーション」 バンコク駐在員事務所 11 月 21 日、バンコク市内のホテル「コンラッドバンコク」にある日本料理店「きさら」にて、 岐阜県が主催する鮎のプロモーションイベント「BUSINESS INVITATION PROJECT GIFU PREFECTURE」 が開催されました。 ■岐阜県によるプロモーション バンコクでは毎年この時期に、岐阜県による県産品 のプロモーションイベントが「きさら」で行われ、今 年で 4 回目を迎えます。当初は飛騨牛の売り込みが中 心でしたが、昨年に開催した第 3 回から鮎が加わり、 今年はついに鮎のみに特化したプロモーションとなり ました。 会場には「岐阜清流の鮎」について説明している大 きなパネルが掲示されていました。夏に清流の川面で きらきらと輝くものを目にしたら、それは鮎かもしれ ないこと、鮎は清流の良質な藻を食べて生きているの <鮎についてタイ語で説明> で、スイカやキュウリのようなさわやかな香りがする ことなど、鮎の生態や特徴について、タイ語で説明さ れていました。また、会場内には生鮮の鮎が涼しげに 展示され、 「岐阜鮎」と焼印された枡をうず高く積み上 げるなど、会場内の雰囲気を盛り上げる工夫が随所に 取り入れられていました。 ■商流について 岐阜県が県産品としてタイに売り出していきたい鮎 はずばり「子持ち鮎」で、これは日本を代表する岐阜 県内の鮎の養殖業者さまが生産しています。子持ちの <涼しげに展示された鮎> 鮎は、本来、産卵期の晩夏が時期となりますが、当社 の技術により、一年を通じて生産することが可能との ことです。養殖生産のため防疫面の管理が可能である こと、人口種苗を生産し、種苗から稚魚、成魚までを 一貫して生産しているため、高品質かつ品質が一定し た子持ち鮎を安定的に供給できるとのことです。 タイ国内の流通業者は、大阪に本社のある日系ディ ストリビューターで、魚介類等、水産物に特化した輸 入卸業者です。鮎をタイ国内で売り込んでいく試みに ついて、当初は岐阜県側から持ちかけられた話とのこ とですが、今では子持ち鮎はタイでも広まっていく可 能性が大きい、魅力的な商材だと感じているようです。 4 <鮎の塩焼きとカツレツ> 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 タイ国内への輸送については、鮮魚の子持ち鮎を空輸する方法もありますが、品質の安定性や価格 面を考慮し、冷凍した子持ち鮎をコンテナ輸送するとのことです。 販売先は、デパート等の小売店ではなく、まずはレストランや居酒屋等の飲食店に売り込み、タ イ国内での認知度を高めていく方針です。 ■商談会形式の売り込み 今回は、鮎を紹介するということよりも、実際に 飲食業を営む人たちに鮎を買ってもらおうという、 商談会形式でプロモーションが行われました。対象 は、日本人、タイ人を問わず、タイで飲食業を営ん でいる方々やマスコミ・広告業に従事している方々 で、第一部、第二部合計 6 時間で、46 社 130 名にご 来場いただきました。 商談の前に、鮎の塩焼き、鮎のカツレツ、鮎の炊 き込みご飯等、子持ち鮎を使った料理をまずは試食 していただきます。他にも子持ち鮎のトムヤムスー <鮎の炊き込みご飯> プや茶碗蒸しなど、 「きさら」の料理長が腕を振るっ た独創的な料理が所狭しと並べられ、来場された 方々は思い思いに鮎料理を楽しんでいました。 試食中のタイ人の方々に、鮎の印象についてイン タビューを試みました。バンコク市内のホテルのレ ストランシェフの男性は、初めて食べたが自然な味 わいでとてもおいしいとのこと。レストランでも一 度使ってみたいと話していました。和食店のシェフ だという男性は、すでに店で子持ち鮎を提供してお り、今回の商談でも購入する予定とのことです。ま <商談会場の様子> たウェブマガジンの副編集長の女性は、自社サイト に掲載するとのことで、鮎料理をきれいに皿に盛り つけ、しきりに撮影していました。 試食後は、鮎の印象や、試食の感想、メニュー化 の検討に対するアンケートに回答いただき、メニュ ー化を検討している飲食店とは、商談に進みます。 商談にあたっては、流通業者も営業担当を 15 人配置 するほどの力の入れようでした。 ■今後の行方は? お腹にぎっしり卵が詰まった子持ち鮎は、タイ人 の方々にも相当インパクトがあるようで、総じて好 <インタビューに応じて下さった方々と。 左の男性はレストランシェフ。> 意的な印象でした。「岐阜鮎」のタイへの輸出量は、 昨年度は約 500kg でしたが、今年度は1トン超えを 目指しているとのことです。「岐阜鮎」が、タイで「飛騨牛」に並び立つ岐阜の名産品に成長する ことを願ってやみません。 5 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 3.上海:「2016 大連-地方銀行合同ビジネス商談会」を開催 十六銀行 上海駐在員事務所 11 月 18 日(金)に中国遼寧省大連市にて「2016 大連-地方銀行合同ビジネス商談会」を、当行を 含む地方銀行 17 行及び大連市政府と合同で開催しました。今回は、このビジネス商談会の様子をご 案内します。 ■ 日本の地方銀行 17 行、大連市政府、遼寧省商務庁及び中国系銀行の協力により開催 中国でのパートナーをお探しの 企業や中国市場での調達、販路開 拓を目指している企業を対象に、 中国企業・日系企業との個別商談 会を実施しました(昨年までと同 様、商談会参加費用は無料)。 今年は、日系企業 160 社(うち 当行お取引先 12 社)が参加し、大 連市政府が中心に中国企業へお声 掛けし、中国企業 390 社以上が来 【開会式の様子】 場されました。また中国国際貿易 促進委員会大連市分会、大連市中日経済合作交流協会、中国系金融機関(中国銀行大連市分行、中国 交通銀行大連市分行)の協賛を受けており、各機関にご尽力頂いた結果、商談件数合計は、2,557 件 (2015 年は 2,111 件)と大幅な増加を図り、盛況のうちに幕を閉じました ■ ビジネス商談会の特徴 ∼お客さまの希望業種、希望内容に合わせた個別マッチングを実施∼ 1. 日本の出展企業が希望する商談情報をヒアリング 2. 主催行、各協賛機関を通じて①の情報を活用し、中国企業を募集 3. 「中国企業と参加企業(日系企業)」及び「参加企業同士」の個別商談を事前に設定 参加企業の商談情報として、販売・調達の区別を含めた商談内容、商談したい相手企業の業種や 取扱う商材をヒアリングし、その内容を基に中国企業が大連市政府や中国系金融機関、協賛機関を 通じて商談申込をする仕組みとなっています。そのため自由来場形式の商談に比べて、より精度の 高いマッチングをご案内できます。 また、営業エリアの異なる地方銀行各行のお客さまが多数出展されますので、参加企業同士のマ ッチングによって商談希望にお応えできる場合もあり、中国企業との取引を希望されるお客さま、 日系企業との取引を進めたいお客さま、双方のニーズにお応えしています。 このビジネス商談会は参加企業毎に商談用のデスクを用意し、1 コマ当たり 30 分の商談を最大 11 コマまで設定できます。必ずしもすべてのコマが商談で埋まるとは限らず、空いている時間を利用 して、他の参加企業のテーブルを訪問して、商談することも可能です。 6 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 ■参加企業の感想 参加企業 160 社の内訳は工業製品関連が約 100 社、食品関連が約 40 社、その他・サービス業等が 約 20 社でした。当行からは工業製品関連が 9 社、食品関連が 3 社参加され、12 社のうち 6 社は大連 以外の上海や日本から出張で参加されました。商談実績として、当行からの参加企業は合計 187 社 と商談を行い、このうち 52 社とは今後につながる商談ができました。 当日の限られた時間内で話をまとめることは難しいものの、商談の結果、「今度、来社頂くこと となった」、「商談した会社からの調達を前向きに検討したい」といった感想もいただき、商談会 をひとつの契機として活用頂けたように思われます。 参加企業の中には、今回のビジネス商談会に 3 人で来場され、自社テーブルでの商談組と他社テ ーブルを訪問する組に分かれて、意欲的に商談をこなした企業もありました。商談スケジュール外 の訪問であっても、円滑に商談を始められるよう各金融機関担当者が窓口となって、時間調整等の フォローもいたしました。 【工業製品関連の商談会の様子】 【食品関連の商談会の様子】 ■ 熱気あふれる商談会場 大連地域には金属加工業、機械加工業、食品製造業及び商社が集積しており、こうした企業には多く の中国企業からの商談申込が数多く見られました。また、今回のビジネス商談会を実りあるものにすべ く、商談スケジュール外の訪問も頻繁に見られました。大連の所在する東北地方は景気減速が心配され ており、このビジネス商談会にかける中国企業の意気込みも、これまで以上に強くなっていると感じま した。 国土面積が大きく、地域毎に発展の度合いが異なる中国では、地域毎に集積している産業や、ニーズ も異なります。中国各地での商談会や交流会に参加いただくことは、お客様の効率的な中国ビジネスの 展開、情報収集にきっとお役に立てるものと思います。 なお、詳細については未定ですが、「大連-地方銀行ビジネス商談会」は、次回は 2017 年 11 月頃の 開催が計画されています。上海駐在員事務所では、引き続きお客さまの要望に沿った形での支援を行っ ていきたいと考えておりますので各種商談会を今後とも積極的にご活用いただきますようお願い申し 上げます。 7 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 4.香港:「日本秋祭」 十六銀行 香港駐在員事務所 香港で 10 月∼11 月にかけて「日本秋祭 in 香港−魅力再発見−」 というイベントが開催されました。これは今年の 1 月に在香港日 本国領事館が企画し、現地の日本人商工会会員企業をはじめ、香 港で活動する現地法人、学校など日本人社会へ声をかけて始まっ た企画です。香港で日本に関するイベント(食、教育、文化など) は普段でもたくさん目にしますが、2 ヶ月間の「期間を限定」し、 「統一ロゴ」を使用し、民間も参加し、日本政府機関が主導とな って行うイベントとしては、世界で初の試みだそうです。イベン トを行う企業はイベントを領事館へ登録すると、領事館の特設ホ ームページで紹介されるほか、イベント時には大使をはじめ、領 事館職員がゲストとして参加することもできます。また、内容によっては、香港政府や業界の要人を領 事館が中心となって招待します。 10 月中旬には領事館主催のオープニングイベントが中環交易広場で開催され、日本、香港から約 100 人が出席しました。香港側からは林鄭月娥(キャリー・ラム)政務長官が出席し、 「日本は香港の大事 なパートナーであり、香港人は日本文化を広く受け入れている。旅行で日本へ行くものも多く、是非と もイベントを成功して欲しい」と話し、日本側からは安倍首相の夫人、昭恵氏が主席し、「日本は前例 のないことをするのが苦手といわれるが、短期で開催まで実行した画期的なイベントであり、新たな日 本の魅力を伝えて欲しい」と話しました。 期間中には、スーパーや百貨店でよく行われる日本産品の販売イベント、日系の飲食店での期間限定 ディスカウント、ポイント特典の付与サービスなどの目に付くイベントのほか、コンサート、映画鑑賞 会、スポーツイベント、セミナー、絵画展など約 140 のイベントが開催されました。 【地方観光をPR】 野村証券の香港法人、野村インターナショナル が中心となり、香港に拠点をもつ地方銀行など1 5行が共催して「Japan Hidden Destination & Rediscover Fascinating Hong Kong」が開催され ました。香港からの旅行者はその 8 割が 2 回目以 上のリピーターですが、彼らの求める情報は日本 の「地方観光」だそうです。そこで、同社の社員 と取引先(特に日本好きの方を招いたそうです) を招いたパーティーを開催し、会場でそれぞれの 地方銀行が地元の観光をPRしました。十六銀行 も岐阜県の観光パンフレットやポスターを展示し岐阜県観光をPRしましたが、白川郷の写真を見るな り、「行ったことある」「去年行った」「合掌造に 4 泊した」など、既に知名度十分であり、もっとマイ ナーな「地方」の情報を求めているのだと感じました。 8 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 【設立 15 周年パーティー】 香港に支店を持つ十六銀行のお客さまの 1 社では、 香港支店設立 15 周年パーティーを「日本秋祭」とし て開催されました。現地での取引先企業や関連先企業 から 100 人ほどが出席した会場では、会社紹介のみな らず、地元岐阜の観光ポスターを数多く展示し、飛騨 牛ステーキや揖斐の地酒が振舞われ、記念品には大垣 市の特産の「枡」が配られました。また、歓談中は岐 阜県の観光PRビデオも流され、出席していた香港人 が興味を持って見ている姿が印象的に映りました。 【揖斐物産展 in 香港】 11 月の下旬には、香港島北東部にある日系スーパー にて、揖斐郡の 3 町(揖斐川町、大野町、池田町)が 共同で主催した「揖斐物産展 in 香港」が開催され、3 町の町長も来港し、トップセールスが行われました。 会場では「富有柿」 、 「美濃いび茶」、 「いちご」の販売 がされ、 「美濃いび茶」を使用した、 「抹茶・ほうじ茶 ジェラード」の試食会も行われました。また、これら が当たる大抽選会も行われました。このスーパーには、 元々多くの香港人が買い物に来ますが、試食大好きの 香港人には大変好評だったように感じました。 日本政府観光局(JNTO)の発表では、今年 10 月時点の推計で訪日外国人が 2,000 万人を超えま した。香港からも 10 月現在で 149 万人、昨年通年の 152 万人を間違いなく上回る数字で、最終的には 180 万人に達すると予想されています。この数字は国・地域別では中国本土 551 万人(全体の 27.4%) 、 韓国 417 万人(同 20.7%)、台湾 359 万人(同 17.8%)に次ぐ 4 位(同 7.4%)ですが、香港の域内人 口 735 万人に対する比率は 25%、実に 4 人に 1 人が日本へ旅行している状況で、日本旅行の浸透具合 は世界一です。 これは全国統計で、地方の場合は事情が異なります。訪日外国人数を集計している自治体はあまりあ りませんが、例えば岐阜県高山市の平成 27 年の外国人宿泊者数の集計では、外国人宿泊者全体が 364 千人、国・地域別では台湾 74 千人(外国人全体の 20.3%)、香港 38 千人(同 10.4%) 、タイ 30 千人(同 8.2%) 、中国本土 17 千人(同 4.5%)の順になっています。また、世界遺産白川郷のある岐阜県白川 村の外国人入込み推計では、全体が 235 千人、国・地域別では台湾 111 千人(全体の 47.2%)、中国本 土 38 千人(同 16.1%) 、タイ 20 千人(8.5%)、香港 13 千人(5.5%)の順になります。 香港からの旅行者はもう十分来ているからこれからは増えないだろう、という意見を聞きます。数字 で見るとそうですが、「地方への観光」という点で考えると、香港や台湾からの旅行者にはまだまだ期 待ができると思います。今回の「日本秋祭 in 香港」で日本の魅力、特に地方の観光や名物の情報を香 港に発信したことで、日本経済の活性化、特に地方経済の活性化に繋がることを期待しています。 9 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 5. ベトナム:「ベトナム人の健康意識」 海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行ジャパンデスク) 伊藤 信介 ベトナムは健康意識が高い国として知られています。ある調査会社が近年に実施した消費市場調査で も、健康への関心の高さは他の ASEAN 諸国を大きく上回っており、ベトナムは今、「健康ブーム」であ ると言われています。 ハノイ市内のショッピングモールを歩いていると、ウォーキングマシンや エアバイクなどの家庭用健康器具がずらりと並んで販売されており、ベトナ ムの人々が熱心に選んでいるのをよく見かけます。市内のスポーツジムの数 も増加しており、至るところで入会者募集の広告を目にします。 また、市内ハノイ市中心部にあるトンニャット公園では、早朝や夕暮れ時 になると、ジョギングや体操などをしている若者やお年寄りを数多く見かけ ます。公園内には日本ではあまりみかけない様々な運動機器も設置されてお り、それらを使って運動している方もよく見かけます。 <公園の運動器具> これらは決して安価ではなく、日本とさほど変わらない価格設定となって いることがほとんどです。しかし健康器具の売れ行きは好調で、ジムの会員 数も増加傾向にあり、多くの人が仕事帰りにジムへ通っています。 また、食事の面でも健康意識の高さを感じられることがあります。他国か ら輸入した食品が、薬品等で汚染されていることがニュースとして報道され、 大きな問題となったこともあり、有機野菜など、安心・安全をうたった高級 野菜に対する関心が高まってきています。ハノイ市内にもこうした高級野菜 を取り扱う店舗が増えてきており、ベトナム人に人気があります。 <健康器具売り場> こうした健康意識の高さから、多くの日系企業がベトナムの健康産業に進出しています。前述のショ ッピングモールにはたくさんの栄養サプリメントも並んでいますが、日本製のサプリメントは品質が良 いとされベトナム人にも非常に人気があります。ベトナム人から日本のお土産にサプリメントを依頼さ れるほどです。 ベトナムは元来、炭酸飲料など甘いものを好むほか、ビールの消費も盛んな国です。加えて近年の経 済成長で、ファストフードやレトルトなど高タンパク・高脂質の食品が浸透し、食生活が変化したこと から、肥満体質の方が増えています。ベトナム保険省によると、ベトナム人の成人約 25%が肥満体質に 該当していると言われており、世界平均 35%に比べると低いものの、ASEAN 諸国の中では高い数値とな っており、こうした実情も「健康ブーム」の要因の一つとなっています。国民の平均年齢が 29 才と若 年人口が非常に多いベトナム。働き盛りの国民が心身ともに健康を保ち、更に社会を発展させていくこ とを期待しています。 10 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 6. インドネシア:「インドネシアの小売事情」 海外サポート部(バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 三浦 武雄 インドネシアを歩くと家族経営の路上店をしばしば見かけます。こ ういった店は「ワルン」と呼ばれ、インドネシアの伝統的な風景の一 部であり、日常生活にとって必要不可欠な場所となっています。多く のワルンでは、個包装で 1 回使い切りの商品が天井から吊下げられて います。お菓子や洗剤、シャンプー、ボディーソープ、歯磨き粉、調 味料等、様々な種類の商品が使い切りサイズで売られています。 日本でも同じように使い切り商品はありますが、身の回りの商品と しては、旅行時に携帯するか、または新商品等の試供品として街中で 配られているといったイメージではないでしょうか。しかし、インド ネシアの場合は違います。日常生活で使用する商品として購入されて いるのです。内容量と金額を見ると、通常商品を購入した方がもちろ ん割安となります。それにも関らず、こうした個包装がもてはやされ <ワルンに並ぶ使い切り商品> る理由はどこにあるのでしょうか。 近年インドネシアの経済成長率は 5%近くで推移しており、高い経済成長を維持しております。一方、 国民一人当たりの GDP は未だ日本の 10 分の 1 以下となっています。貧富の差も根強く存在しており、 その日暮らしの生活をする人々も少なくありません。こうした社会情勢を考えると、日本のようにボト ル詰めのシャンプーやボディーソープは簡単に手に入るものではありません。よって、同じ商品でも小 分けにし、少しの量を安く買えるようにすることで日常の生活に流通しているのです。 実際、私が住んでいる日本人街でよく目にするメイドさん達の給料は、週 3 日働いて月収約 750,000 ルピア(約 6,000 円)程とのことです。一般的にこうした人達は仕事を掛け持ちしていますが、それで も月収 1,200,000 ルピア(約 9,600 円)程度にしかならないとの話をよく聞きます。こうした収入状況 の中、インドネシアのシャンプーボトルは日本円で約 600 円であり、現地の一般的な人には高級商品と なっています。 一方で個包装のシャンプーは 1 個入りで 40 円。その為、シャンプーや洗剤はいつも使い切りパック を購入し、ボディーソープではなく固形石鹸を使っているそうです。また、1 回分のシャンプーや洗剤 を、薄めて 2 回に分けて使っているという話も現地ではよく聞きます。このような背景から、各メーカ ーは積極的に使い切りサイズの商品販売を展開し、Unilever や P&G などの欧米のメーカーやインドネ シアの大手メーカーWINGS の売れ筋の商品がミニパックとして売られています。また、洗顔チューブは ミニチューブとして、赤ちゃんのオムツはマミーポコが 1∼2 枚入りとして売られています。現地のス ーパーに行くと、通常サイズの商品は棚の中央目立つ位置にあり、 使い切り商品は下段や隅の方に置かれています。目立たない場所 に置いてあるにも関らず使い切りの商品はよく売れており、店員 が補充している姿をよく見かけます。私の住むマンション近隣の ショッピングモールには、カルフールというフランス系スーパー が入っており、富裕層から中間層まで幅広い人たちが利用してい ます。何気なく周りの人たちの買い物カゴに目を向けてみると、 <スーパーでの陳列> インドネシアという国や人々の生活ぶりなどの特性が垣間見られ、 非常に興味深いです。 11 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 7.為替相場情報 (1)人民元−円為替相場(中国人民銀行公表仲値) (月) (火) (単位:1人民元当たりの日本円) (水 ) (木) (金) 10月24日 15.35226 1 0月25日 15. 40310 10月26日 15.37846 10月27日 15.44378 10月28日 15.49955 10月31日 15.47245 11月1日 15. 47509 11月2日 15.39859 11月3日 15.31863 11月4日 15.26019 11月7日 15.36948 11月8日 15. 40832 11月9日 15.47988 11月10日 15.56541 11月11日 15.69415 11月14日 15.66539 1 1月15日 15. 76690 11月16日 15.89699 11月17日 15.82128 11月18日 15.99514 11月21日 16.07536 1 1月22日 16. 08985 11月23日 16.11941 11月24日 16.28797 11月25日 16.37787 20.00 過去1年間の人民元−円相場推移 19.00 18.00 17.00 16.00 15.00 14.00 1 10 5/ 2 /2 1 11 5/ 6 /1 1 12 5/ 1 /1 1 01 6/ 5 /0 0 20 14 09 24 03 28 23 17 11 06 31 25 /3 2/ 3/ 4/ 5/ 6/ 6/ 7/ 8/ 9/ 0/ 0/ 1/ 0 0 0 01 0 0 0 0 0 0 1 1 1 / / / / / / / / / / / / / 16 16 16 16 16 16 16 16 16 16 16 16 16 上記表、及 びグラフはこの公表仲値を便宜的に1人民元当たりの 日本円へ換算し直した相 場です。 そのため、正式な人 民元相場が必要な場合は、中国人民 銀行にお問い合わせ下さ い。 (2)ドル−円為替相場(当行公表仲値) (単位:1ドル当たりの日本円) (月) 10月24日 (火) 103.88 1 0月25日 (水 ) (木) 1 04.49 10月26日 104.18 10月27日 104.53 10月28日 105.20 - 10月31日 104.86 11月1日 1 04.79 11月2日 104.15 11月4日 103.02 11月7日 103.96 11月8日 1 04.52 11月9日 103.07 11月10日 105.63 11月11日 106.69 11月14日 11月21日 107.36 11月3日 (金) 1 1月15日 1 07.89 11月16日 109.00 11月17日 108.74 11月18日 110.18 110.95 1 1月22日 1 10.54 11月23日 - 112.43 11月25日 111.78 11月24日 130.00 125.00 過去1年間の米ドル−円相場推移 120.00 115.00 110.00 105.00 100.00 15 /1 0/ 22 15 /1 1/ 16 15 /1 2/ 11 16 /0 1/ 05 16 /0 1/ 30 16 /0 2/ 24 16 /0 3/ 20 16 /0 4/ 14 16 /0 5/ 09 16 /0 6/ 03 16 /0 6/ 28 16 /0 7/ 23 16 /0 8/ 17 16 /0 9/ 11 16 /1 0/ 06 16 /1 0/ 31 16 /1 1/ 25 95.00 12 十六アジアレポート 2016 年 12 月号 (3)タイバーツ−円為替相場(当行公表仲値) (単位:1バーツ当たりの日本円) (月) (火) 10月24日 (水) 2.9700 10月25日 10月31日 2.9900 11月1日 (木) (金) 2.9800 10月26日 2.9900 10月27日 2.9850 10月28日 3.0000 2.9900 11月2日 2.9700 11月3日 - 11月4日 2.9500 11月7 日 2.9700 11月8日 2.9900 11月9日 2.9500 11月10日 3.0100 11月11日 3.0200 11月14日 3.0300 11月15日 3.0500 11月16日 3.0800 11月17日 3.1000 11月18日 3.1000 11月21日 3.1200 11月22日 3.1200 11月23日 - 11月24日 3.1500 11月25日 3.1900 過去1年間のタイバーツ−円相場推移 3.60 3.40 3.20 3.00 2.80 25 1/ /1 16 16 /1 0/ 31 06 0/ 11 /1 16 /0 16 /0 16 /0 16 9/ 17 8/ 7/ 23 28 6/ 03 /0 16 /0 16 /0 16 /0 16 6/ 09 5/ 4/ 14 20 3/ 24 /0 16 16 /0 /0 1/ 2/ 30 05 1/ 16 15 15 16 /1 /0 2/ 16 1/ 22 /1 0/ /1 15 11 2.60 (4)インドネシアルピア−円為替相場(参考値) (単位:100ルピア当たりの日本円) (月) 10月24日 (火) 0.8000 (水) 10月25日 0.8100 (木) 10月26日 0.8000 (金) 10月27日 10月31日 0.8000 11月1日 0.8100 11月2日 0.8000 11月3日 11月7 日 0.8000 11月8日 0.8000 11月9日 0.7900 11月10日 0.8100 10月28日 0.8100 - 11月4日 0.7900 0.8100 11月11日 0.8200 11月14日 0.8100 11月15日 0.8100 11月16日 0.8200 11月17日 0.8200 11月18日 0.8300 11月21日 0.8300 11月22日 0.8300 11月23日 0.8300 11月24日 0.8400 11月25日 0.8400 過去1年間のインドネシアルピア−円相場推移 1.00 0.95 0.90 0.85 0.80 0.75 25 1/ /1 16 /1 0/ 31 06 0/ /1 16 /0 16 16 11 9/ 17 /0 16 /0 8/ 7/ 23 28 16 /0 16 /0 16 13 6/ 03 6/ 09 /0 16 /0 16 /0 16 5/ 4/ 14 20 3/ 24 /0 16 16 /0 1/ 2/ 30 05 1/ 16 /1 15 /1 15 /0 2/ 16 1/ 22 0/ /1 15 11 0.70