...

マ テ リ ア ル の 知 恵 を 活 か す

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

マ テ リ ア ル の 知 恵 を 活 か す
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ101
マ
す
テ
リ
ア
ル
の
知
恵
を
活
か
す
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ2
株 主 の 皆 様 へ
株主の皆様におかれましては、
ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
当社の第79期
(平成15年4月1日から平成16年3月31日まで)が
終了いたしましたので、
営業の概況をご報告いたします。
■たゆまぬ収益体質の強化への努力
当期は、ITバブル崩壊以降、ようやく各企業の収益構
造の変革が実を結び始め、デジタル家電の需要増や、ア
ジア・米国を中心とした輸出好調の後押しにも支えられ、
一部で明るい兆しが見えてまいりました。その反面、中
国・アジアの旺盛な需要が、原料の不足や価格上昇を招
き、加えて物流コストも押上げたことで、回復を妨げる
新たな懸念要因を生じさせることとなりました。
こうした中、当社においては、電子材料の販売量の増加
に加え、低水準にあった価格の是正などもあり、少しずつ
ではありますが好転を感じさせる動きが目立ち始めまし
た。しかし一方で、原料などの生産資源のコスト上昇によ
り、厳しい事業運営を強いられた分野もありました。
このような状況下において当社は、全分野における品
質・コスト・納期の差別化を徹底し、選択と集中の経営
姿勢を貫くことで、いかなる環境でも収益を確保し得る
体質を築く努力を続けてまいりました。
■当期の連結業績概況
この結果、当期の連結売上高は、銅製錬事業を受託取
引に変更したことに伴い銅・貴金属の売上高が大幅に減
少しましたが、電子材料の販売量増加などにより増収と
なったことと、株式会社大井製作所およびその子会社2社
2
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ3
を新規に連結したことにより、前期比153億円(4.0%)
原点回帰」のスローガンの下、具体的には次の4点につい
増加の3,939億円となりました。
て取り組んでまいります。
損益面では、厳しい事業環境の中、差別化商品の拡販、
第一に、企業価値増大に向けて成長戦略の検討を進め、
徹底したコスト削減の加重・加速、財務体質強化等の諸
事業の選択と集中を加速していく中で収益力の強い事業
施策を推進した結果、営業利益は、前期比62億円
の拡大を図る。
(24.5%)増加の320億円となり、経常利益は、前期比
第二に、総合研究所を中心として、全社的に中・長期
84億円(39.9%)増加の297億円となりました。これ
的な観点で技術開発力を磨き、市場ニーズを先取りした
に、固定資産除却損、たな卸資産売却損、関係会社整理
次世代商品開発、新規事業創出を加速する。
損、無償修理等負担金、退職給付会計基準移行時差異償
却等の特別損益と、税効果による法人税等調整額を含む
税金費用を計上した結果、当期純利益は、前期比83億円
(271.2%)増加の114億円となりました。
第三に、「製造業の原点回帰」をさらに推し進め、「品
質・コスト・納期」において一層の差別化を図る。
第四に、総資産の圧縮と有利子負債の削減を進めるこ
とにより「財務体質の一層の強化」を図る。
特に、本年度は平成17年度を初年度とする「中期経営
■ 長期的な成長に向けて
計画」の準備期間として非常に重要な時期であります。
企業を取り巻く事業環境において、景気変化の振幅は
長期的な成長へ向けて「中期経営計画」を確実にスター
年々拡大し、その周期も不規則かつ短期に訪れる傾向が
トダッシュするために、これら諸課題克服に邁進してま
強まっています。
いる所存でありますので、株主の皆様におかれましては、
当社は、環境変化に機敏に対応し、種々の収益増加策
を講じてまいりましたが、本年度も従来同様、「製造業の
さらなるご支援とご指導を賜りますよう何卒宜しくお願
い申しあげます。
3
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ4
16
3
31
鉱山・基礎素材
売上高構成比
売上高
亜鉛
その他
国内の亜鉛需要は、建材用などの一般溶融亜鉛メ
ッキ分野は公共投資削減の影響から低調でありまし
たが、亜鉛メッキ鋼板の増産により高炉向け需要が
好調に推移しました。価格面では、LME(ロンド
ン金属取引所)価格が上昇を続けましたので、為替
が円高に推移しましたものの国内価格は前期に比べ
上昇しました。しかしながら、前期下半期より乾式
製錬により生産した亜鉛が住友金属鉱山株式会社と
の合弁会社で持分法適用会社であるエム・エスジン
ク株式会社との受託取引に変更となりましたので、
売上高は前期に比べて減少いたしました。
その他製品については、金・銀が銅製錬事業と同
様に受託取引へ変更となりましたので、売上高は前
期に比べて大幅に減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は前期に比べ
390億円(33.5%)減少の774億円となりました
が、営業利益は3億円(24.1%)増加の20億円と
なりました。
銅
営業利益
中間期
(単位:億円)
4
通期
銅の国内需要は、電子材料用の伸銅品向けが好調
であったことに加え、スクラップ不足による代替需
要があり、輸出につきましても中国および東南アジ
ア向けが好調でありました。また、LME(ロンド
ン金属取引所)価格が上昇を続け、期末には期初の
2倍近くにまで達しましたので、円高の影響を受け
ながらも国内価格は上昇しました。しかしながら、
銅製錬事業は、当期から日鉱金属株式会社との合弁
会社で持分法適用会社であるパンパシフィック・カッ
パー株式会社との受託取引に変更となりましたの
で、売上高は前期に比べて大幅に減少いたしました。
電気亜鉛の鋳造工程
電気銅
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ5
中間素材
電子材料
売上高構成比
売上高
営業利益
中間期
(単位:億円)
通期
電解銅箔は、デジタル家電の好調に加え、半導体、
通信用途の需要の増加により販売数量は堅調に推移
し、アジアにおいては、中国市場の伸びと欧米市場
からのシフトにより、年度末の需要は過去最高であ
った平成12年当時に近い水準となりました。一方、
平成14年度に大幅に下落した販売価格は、二次に
亘って値戻しに取り組んだことにより是正され、売
上高は前期に比べて増加いたしました。
半導体実装材料(TABテープ)は、当上半期前
半では、前期における米国を中心とした液晶モニタ
ー需要拡大後の在庫調整の長期化の影響により販売
数量は伸び悩みましたが、当上半期後半からは、大
型液晶パネルの伸びを背景とした市場の回復に営業
努力が相まって販売数量は回復し、下半期後半には
かつてないほど高いレベルの販売量となりました。
販売価格面では競合との価格競争、継続的な値下げ
要請などから厳しい状況が続いておりますが、売上
高は前期に比べて増加いたしました。
電池材料は、電池業界の競争激化や海外品との価
格競争により製品価格が下落しました。販売数量も、
二次電池材料の水素吸蔵合金などは増加しました
が、一次電池材料の電解二酸化マンガンおよび亜鉛
粉などは減少しましたので、売上高は前期に比べて
減少いたしました。なお、電解二酸化マンガンの海
外生産拠点である子会社三井電満アイルランドを解
散いたしました。
薄膜材料(スパッタリング・ターゲット)は、液
晶テレビの販売活況と韓国、台湾メーカーを中心と
した大型液晶パネルの製造ラインの稼動などから液
晶パネル市場が加速度的に拡大したことにより、主
力のITO需要が増加しましたので、売上高は前期に
比べて増加いたしました。
薄膜材料
機能粉
単結晶
電子材料向け金属粉は、多機能携帯電話やプラズ
マディスプレイパネルなど好調な電子機器の需要増
加に加え、ユーザーからの高機能化の要求に応える
技術や営業努力の積み重ねにより販売数量が増加し
ました。また、マグネタイトも、価格面では競争激
化を背景に厳しい状況にありましたが、新機種プリ
ンター向けなどの販売が好調に推移しました。その
結果、売上高は前期に比べて増加いたしました。
レアメタル化合物
セリウム系研磨材は、ハードディスク研磨用、液
晶研磨用ともに需要が安定しており、他の用途も堅
調に推移しました。酸化タンタルおよび酸化ニオブ
は、デジタルカメラ市場の拡大に伴い光学ガラス向
けが好調でした。一方、販売価格は、販売競争、タ
ンタル相場の下落などによって低下しましたが、売
上高は前期に比べて増加いたしました。
セラミックス製品
電子部品業界向けが好調に推移しました。また、
アルミ溶湯濾過装置は海外からの受注は減少しまし
たものの、国内の自動車用は増加しました。その結
果、売上高は前期に比べて増加いたしました。
パーライト
湿式濾過助剤および外壁材など住宅建材用等の主
力製品の販売量が減少しましたので、断熱材用が一
般保冷用向けに堅調でありましたが、売上高は前期
に比べて減少いたしました。
伸銅品
業界全体がデジタル家電や自動車用を牽引役に需
要が高水準であった状況の中で、当社は一般黄銅系
を中心に受注が好調であったことなどから、売上高
は前期に比べて増加いたしました。
単結晶
ステッパ−向けCaF 2 単結晶の需要減少とEDS
(爆発物検知装置用X線シンチレーター)用単結晶
の受注時期の繰り延べにより、売上高は前期に比べ
て減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は前期に比べ9
億円(0.7%)増加の1,431億円、営業利益は55
億円(38.7%)増加の200億円となりました。
5
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ6
組立加工
売上高構成比
売上高
自動車用機能部品
その他
当部門の主力製品でありますドアロック等の自動
車用機能部品の販売は、国内では自動車生産は横這
いながらも当社製品搭載車種の販売が苦戦したこと
により販売量が減少し、海外拠点においては、北米
は堅調、アジアとヨーロッパは好調でありました。
なお、当期において、平成15年4月1日に株式交換
により完全子会社とした株式会社大井製作所および
その子会社2社を新規連結したことにより、売上高
は前期に比べて大幅に増加いたしました。
自動車用触媒は、主力の国内軽自動車向け増販な
どにより、売上高は前期に比べて増加いたしました。
また、非破壊型検査装置は、果実用センサーのみか
ん用が主要産地での導入が一巡したことにより、売
上高は前期に比べて減少いたしました。
ダイカスト品
アルミダイカスト品は自動車用需要の増加により
販売量が増加しました。マグネダイカスト外装品は、
販売価格の低下や一部他素材への転換などがありま
したが、デジタルカメラ・情報携帯端末向けに販売
が好調でしたので、売上高は前期に比べて増加いた
しました。
営業利益
中間期
この結果、当セグメントの売上高は前期に比べ、
505億円(59.2%)増加の1,360億円となりまし
たが、退職給付債務数理計算上の差異の一括処理と
新たに製品保証引当金を当期に計上したことによ
り、営業利益は12億円(22.1%)減少の44億円
となりました。
通期
自動車用触媒
(単位:億円)
環境・リサイクル
売上高構成比
売上高
中間期
6
営業利益
通期 (単位:億円)
鉛は、脱鉛化の影響から国内需要は減少傾向にあ
りますが、中国からの輸入が減少したことに伴い国
内販売が増加いたしました。パーライトの焼却炉用
乾式濾過助剤の販売は堅調に推移し、土壌調査、産
業廃棄物処理等その他の部門においても堅調であり
ました。その結果、売上高は前期に比べて増加いた
しました。
なお、事業実態をセグメント情報により的確
に反映させるため、産業廃棄物処理事業の比重が
高まった関係会社1社を、当期より中間素材セグ
メントから環境・リサイクルセグメントに変更い
たしました。
この結果、当セグメントの売上高は前期に比
べ46億円(21.0%)増加の269億円となり、
営業利益は7億円(61.2%)増加の18億円と
なりました。
鉛電解工程
土壌調査
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ7
エンジニアリング
サービス等
売上高構成比
売上高構成比
売上高は、内部売上高の減少により、
前期に比べ13億円(5.6%)減少の
219億円となり、営業利益は0.1億円
(1.7%)減少の11億円となりました。
営業利益
売上高
中間期
売上高は前期に比べ38億円(13.2%)
増加の332億円となりました。また、
営業利益は前期比8億円(123.9%)増
加の16億円となりました。
売上高
通期(単位:億円)
中間期
営業利益
16
通期 (単位:億円)
「第79期中間事業報告書」アンケート集計結果のご報告
「第79期中間事業報告書」のアンケートに多数のご回答をいただき、ありがとうございました。
皆様からの貴重なご意見を参考に、経営陣、スタッフ一同ともさらなる飛躍に努めてまいります。
Q1
中間事業報告書をお読みになって、
特に興味をもたれた内容はどの項目ですか?
Q2
今後の事業報告書にどのような情報・記事の掲載を
希望されますか?
半期毎のトピックス
FOCUS
株主の皆様へ
21.52%
26.72%
9.52%
業績・財務データ
経営トップの考え方
23.03%
16.12%
連結・個別財務諸表
連結業績の概況
14.32%
37.44%
各事業部門・事業所・製品の紹介
今後の経営戦略
17.75%
33.58%
7
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ8
連結財務諸表
連結貸借対照表(要旨)
(単位:百万円)
資産の部 負債の部
科 目
流動資産
現金及び預金
受取手形及び売掛金
たな卸資産
その他
貸倒引当金
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物
機械装置及び運搬具
鉱業用地
一般用地
建設仮勘定
その他
減価償却累計額
無形固定資産
投資その他の資産
投資有価証券
長期貸付金
繰延税金資産
その他
貸倒引当金
資産合計
当 期
平成16年3月31日現在
前 期
平成15年3月31日現在
156,658
12,276
74,122
49,470
21,269
△480
147,729
10,356
62,328
62,591
13,247
△793
235,887
194,863
156,052
310,295
342
43,201
6,716
42,425
△364,170
223,157
188,580
151,993
297,684
320
35,785
2,448
22,110
△321,762
2,431
2,062
38,592
24,060
3,661
8,765
5,050
△2,945
392,545
32,514
17,893
3,500
9,285
4,912
△3,076
370,886
総資産・株主資本・有利子負債残高(単位:百万円)
科 目
当 期
平成16年3月31日現在
流動負債
支払手形及び買掛金
短期借入金
コマーシャルペーパー
転換社債(一年内償還)
未払消費税等
未払法人税等
賞与引当金
その他
固定負債
社債
長期借入金
退職給付引当金
その他の引当金
連結調整勘定
その他
負債合計
147,791
36,402
78,903
― ― 929
3,231
5,129
23,195
118,947
11,050
68,388
23,610
2,176
11,573
2,148
266,739
少数株主持分
少数株主持分
資本の部
資本金
資本剰余金
利益剰余金
その他有価証券評価差額金
為替換算調整勘定
自己株式
資本合計
負債、少数株主持分及び資本合計
10,407
10,407
42,129
42,129
22,557
54,302
2,593
△6,143
△41
115,398
392,545
前 期
平成15年3月31日現在
161,405
25,933
90,063
5,000
13,371
1,699
3,533
4,788
17,016
95,547
50
74,045
17,329
1,637
118
2,366
256,953
10,695
42,129
18,570
45,816
331
△3,584
△26
103,237
370,886
総資産
たな卸資産および固定資産は大幅に減少しましたが、
大井製
作所およびその子会社2社の新規連結による大幅な増加から、
216億円増加の3,925億円となりました。
有利子負債残高
総資産
8
株主資本
有利子負債残高
大井製作所およびその子会社2社の新規連結による増加が
ありましたものの、たな卸資産の大幅な減少と当期利益
により、前期末に比べ241億円減少の1,583億円となり
ました。
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ9
連結損益計算書及び 連結剰余金計算書(要旨)
科 目
(単位:百万円)
当 期
自 平成15年4月 1日
至 平成16年3月31日
前 期
自 平成14年4月 1日
至 平成15年3月31日
393,928
319,725
74,202
42,167
32,035
5,758
481
933
4,343
8,091
2,945
―
5,146
29,702
2,249
397
844
647
358
18,621
554
3,806
827
3,731
3,158
1,997
3,438
1,107
13,329
5,055
△3,324
145
11,452
45,816
2,966
2,870
96
―
54,302
378,608
313,416
65,192
39,451
25,740
2,192
444
―
1,748
6,706
3,443
77
3,185
21,226
1,289
330
―
―
959
13,208
750
3,803
2,556
3,172
―
―
―
2,926
9,307
7,791
△2,058
489
3,085
45,975
3,245
2,796
60
388
45,816
売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
受取利息及び受取配当金
持分法による投資利益
その他
営業外費用
支払利息
持分法による投資損失
その他
経常利益
特別利益
固定資産売却益
投資有価証券売却益
連結子会社株式売却益
その他
特別損失
賠償金及び補償金
退職給付会計基準移行時差異償却
投資有価証券評価損
固定資産除却損及び評価損
たな卸資産売却損
関係会社整理損
無償修理等負担金
その他
税金等調整前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
少数株主利益
当期純利益
利益剰余金期首残高
利益剰余金減少高
配当金
役員賞与
その他
利益剰余金期末残高
連結キャッシュ・フロー計算書(要旨)
当 期
自 平成15年4月 1日
至 平成16年3月31日
科 目
(単位:百万円)
前 期
自 平成14年4月 1日
至 平成15年3月31日
営業活動によるキャッシュ・フロ−
49,787
40,707
投資活動によるキャッシュ・フロ−
△14,716
△21,988
財務活動によるキャッシュ・フロ−
△32,989
△20,152
現金及び現金同等物に係る換算差額
△119
△250
1,962
△1,684
現金及び現金同等物の期首残高
10,312
11,230
新規連結子会社の現金及び現金同等物の期首残高
―
12,274
10,312
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の期末残高
766
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、連結営業利益が320億
円となったこと、
たな卸資産が大幅に減少したことなどにより、
497億円のキャッシュの増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、完全子会社となった大
井製作所およびその子会社2社から31億円の資金を受け入れ
たことや投資有価証券の売却などがありましたが、
有形固定資
産の取得による212億円の支出などにより、147億円のキャ
ッシュの減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金を266億
円減少させたことと、100億円の普通社債を発行し、一方で転
換社債を133億円償還したことなどにより、329億円のキャ
ッシュの減少となりました。
以上の結果、
為替換算差額を含めた現金及び現金同等物の当期
末残高は、
前期末に比べ19億円増加の122億円となりました。
設備投資・減価償却費 (単位:百万円)
40,000
30,000
経常利益
特別利益・特別損失
厳しい事業環境でありましたが、
差別化商品の拡販、徹底したコス
ト削減の加重・加速、財務体質強
化等諸施策を推進した結果、
経常
利益は前期比84億円(39.9%)
増加の297億円となりました。
投資有価証券・連結子会社株式の売却を行ったこと
などにより、特別利益は前期に比べて9億円増加の
22億円となりました。特別損失については固定資産
除却損および評価損37億円、たな卸資産売却損31
億円、関係会社整理損19億円を計上したことなどか
ら前期に比べ54億円増加の186億円となりました。
20,000
10,000
設備投資
減価償却費
9
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ10
個別財務諸表
個別貸借対照表(要旨)
(単位:百万円)
資産の部 負債の部
科 目
当 期
平成16年3月31日現在
前 期
平成15年3月31日現在
92,072
7,821
41,135
25,256
7,220
11,957
△1,320
101,901
6,375
40,467
41,727
5,150
9,566
△1,386
155,205
59,313
34,362
102,925
19,486
22,864
△120,325
138,923
59,248
33,752
102,717
18,741
21,482
△117,445
1,258
1,158
94,634
13,175
48,868
31,543
8,113
△7,066
78,516
9,232
40,526
27,514
8,195
△6,951
247,277
240,824
流動資産
現金及び預金
受取手形及び売掛金
たな卸資産
短期貸付金
その他
貸倒引当金
固定資産
有形固定資産
建物
機械装置
一般用地
その他
減価償却累計額
無形固定資産
投資その他の資産
投資有価証券
関係会社株式
長期貸付金
その他
貸倒引当金
資産合計
総資産(単位:百万円)
流動負債
買掛金
短期借入金
転換社債(一年内償還)
賞与引当金
製品保証引当金
その他
54,475
― 41,668
10,616
594
1,229
366
158,238
資本の部
資本金
資本剰余金
利益剰余金
利益準備金
任意積立金
当期未処分利益
その他有価証券評価差額金
自己株式
資本合計
負債・資本合計
42,129
42,129
22,557
20,259
2,406
12,435
5,418
2,505
△ 41
87,410
247,277
42,129
18,570
21,522
2,406
12,493
6,622
390
△26
82,586
240,824
(%)
株主資本比率
100,000
40
75,000
35
50,000
30
25,000
25
100,000
10
20
0
H13/3
14/3
15/3
16/3
H13/3
14/3
103,762
13,664
49,049
13,371
2,375
― 25,302
75,111
10,000
50,274
12,685
566
1,232
352
159,867
200,000
0
84,755
17,181
45,565
― 2,358
460
19,190
前 期
平成15年3月31日現在
固定負債
社債
長期借入金
退職給付引当金
役員退職慰労引当金
その他の引当金
その他
負債合計
株主資本(単位:百万円)
300,000
当 期
平成16年3月31日現在
科 目
15/3
16/3
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ11
個別損益計算書(要旨)
利益処分計算書 (単位:百万円)
当 期
自 平成15年4月 1日
至 平成16年3月31日
科 目
売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
受取利息及び配当金
その他
営業外費用
支払利息
その他
経常利益
特別利益
関係会社株式売却益
その他
特別損失
賠償金及び補償金
退職給付会計基準移行時差異償却
貸倒引当金繰入
固定資産除却損
投資有価証券評価損
関係会社株式消却損
たな卸資産売却損
その他
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等還付税額
法人税等調整額
当期純利益
前期繰越利益
当期未処分利益
前 期
自 平成14年4月 1日
至 平成15年3月31日
科 目
262,162
227,225
34,936
24,370
10,566
3,768
754
3,014
3,514
1,552
1,962
10,820
486
―
486
7,840
569
2,889
602
1,122
2,518
― ―
136
3,467
2,604
―
△ 904
1,767
4,854
6,622
227,151
192,141
35,010
23,331
11,679
9,089
6,738
2,350
3,920
1,282
2,637
16,847
1,086
776
310
18,688
554
2,889
566
683
817
8,697
3,158
1,321
△ 755
220
253
△ 2,315
1,593
3,824
5,418
(単位:百万円)
当 期
前 期
平成16年6月29日
平成15年6月27日
当期未処分利益
任意積立金取崩高
圧縮記帳積立金取崩高
合計
利益処分額
配当金
取締役賞与金
圧縮記帳積立金
次期繰越利益
売上高(単位:百万円)
経常利益(単位:百万円)
当期純利益 (単位:百万円)
300,000
20,000
8,000
5,418
6,622
78
5,496
91
6,714
2,864
60
―
2,796
60
33
2,572
3,824
6,000
15,000
200,000
4,000
10,000
2,000
100,000
5,000
0
0
0
H13/3
中間期
14/3
通期
15/3
16/3
-2,000
H13/3
中間期
14/3
通期
15/3
16/3
H13/3
中間期
14/3
15/3
16/3
通期
11
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ12
電子機器の機能を支える微粒子の力
機能材料事業本部
機能粉事業部
三井金属のナノテクノロジー
機能材料事業本部 機能粉事業部。当社のこの部門が、“金
属の粉”いわゆる金属微粒子の製造・販売を担当していま
す。扱う商品の種類・数が豊富であるため、生産拠点も神岡
鉱業(株)、彦島製錬(株)、竹原製煉所、日比製煉所と、当
社グループの複数の所社にわたっています。機械製品の部
品などに使用される粉末冶金向けの商品もありますが、現
在同事業部で扱う商品の用途先は、電子材料向けが圧倒的
な比率を占めています。
電子機器の内部で活躍する主な商品は、銅粉・ニッケル
粉・銀粉・はんだ粉・マグネタイト・パストランなど、一
言で“粉”といっても実に多彩です。原料の金属素材の違
いはもとより、粒子の大きさ・形に至るまで、用途やニー
ズに応じさまざまなバリエ
ーションを有する、それが
三井金属の“機能粉商品”
です。
そして、その豊富な商品
ラインナップこそ、当社の
技術力の証です。“粉”ゆ
え、技術の舞台は、微細な
世界。大きい粒でも40マ
イクロメートル ※1、小さい
12
金属粉工場
ものでは、現在話題のナノ粒子 ※2まであります。粒子の細
かさだけでなく、粒子の形状や、素材の組み合わせ等、電
子顕微鏡でなければ見えない領域で当社は、多様な製法と
技術で、顧客の求める特性を最大に発揮する商品を作り続
けています。
銅粉 ∼セラミックコンデンサーの電極材で活躍∼
当社が扱う電子材料向け金属微粒子の代表格が、銅粉で
す。文字通り、素材は銅から作られます。粒子の大きさは
小さく、0.2∼数マイクロメートルの粉体で、主にMLCC
といわれる積層セラミックコンデンサーの外部電極などに用
いられています。MLCCは、携帯電話・デジタルカメラなど
各種の小型電子機器に不可欠な電子部品です。小さなもので
は、縦横の長さが0.6ミリメートル以下の薄い箱型で、一個
の携帯電話になんと約
300個も使用される場合
もあります。この部品を
外部と接続するために、
銅粉で加工された電極が
用いられるのです。当部
品向けの銅粉では、当社
は世界市場の60%以上の
MLCC外部電極向けシェアNo.1の銅粉
(フレーク状粒子拡大写真)
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ13
シェアを占め、現在NO.1の地位にあります。他にも、積層
基板において積層する上下の基板の導通※3をとるためにあけ
られた穴(ビア)に埋め込まれる導電用材料としても銅粉が
多く使用されています。
銅粉の製造には、いくつかの方法がありますが、当社は、
湿式法・アトマイズ法・電解法という三つもの製法を手が
ける世界唯一の企業です。この強みを活かし、商品ごとに
最適な製法を使い分けることで、高品質かつ効率のよい商
品を提供しています。
また、最近では、製品の小型・薄型化に伴いMLCCをは
じめ各種電子部品も微細化が進み、それに対応する銅粉を
当社はいち早く開発。より微細かつ均一化された形状の粒
子によって細かな箇所でも高機能を発揮します。加えて、
携帯電話などの電磁波遮蔽材向けに、粒子の周りに表面処
理を施した銅粉なども開発しており、時流に先駆けた商品
を積極的に市場へ提案しています。
ニッケル粉 ∼これからが楽しみな注目素材∼
銅粉と同様、MLCCに使用されているのはニッケル粉で
す。ただし、MLCCの外部でなく内部の電極材料として用
いられています。0.2∼0.6マイクロメートルほどの粒子で
ある当社のニッケル粉は、粒子の大きさや分布が微細かつ
均一なことが大きな特徴です。多層化・極薄化へのニーズ
が高まっている現在、当社のニッケル粉が注目を集めてい
ます。
また、新製法によるナノレベルの超微粒子品(50ナノメ
ートル)も開発し、顧客へサンプル出荷を開始しています。
既に、各方面から高い評価を得ており、内部電極のさらな
る多層化を促し、電子機器の機能向上に貢献しています。
今後、展開が楽しみな商品の一つです。
各種金属粉
スプレイ用の電極材料用として、昨年の後半より需要が急
伸。神岡の生産拠点では、昨年度の生産能力の倍を超す月
産20トン体制を目指し、現在、増産計画を進行中です。
PDPだけでなく、携帯電話のボタン操作スイッチ部材(メ
ンブレンスイッチ)向けや、一般の電子機器にICと組み合
わせて用いられるLTCC(低温焼結セラミックスパッケージ)
などのパッケージ材料の配線材にも使用されています。こ
のLTCC向けの商品も、市場から高く評価され、現在、増産
を行っています。
次なる商品開発も進んでおり、用途ごとに最適な粒形を作
る技術(形状制御技術)や、粒の表面を別の素材でコーティ
ングする技術(コート技術)などを駆使し、他社に類を見な
い高付加価値品を次々と市場へ送り出しています。その一つ
が、インクジェットによる微細な回路形成を可能にする超微
粒銀粉。次世代をにらんだ商品ラインナップで、ますます勢
いに乗る銀粉商品です。
はんだ粉 ∼粉専業の強みで、多様なニーズに対応∼
銀粉 ∼PDP向けを中心に好調に推移∼
銀を原料とする銀粉は、今、最も成長している商品の一
つです。特に、薄型テレビなどに使用されるプラズマディ
回路上の電子部品を接着する際に使われる
“はんだペース
ト”
。その材料は、はんだ粉といわれる金属粉です。すず・
銀・銅・インジウム・ビスマス・亜鉛・鉛などの金属からな
13
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ14
る合金粒子です。組み合わせはいくつもあるため、一口に
はんだ粉といってもその種類は、実に多種多様です。
当社は、はんだペースト原料のはんだ粉を供給する数少
ないメーカーとして、業界でも貴重な存在であり、いかな
るニーズにも対応し得るはんだ粉を作り分けています。
その中でも、鉛分を含まないはんだ粉は環境にやさしい
電子材料として、需要は着実に伸び、当分野の主流になり
つつあります。さらに、より精密で微細な箇所で使用され
るはんだ用に、5∼10マイクロメートルほどの微粒子の商
品も開発しています。
マグネタイト・パストラン ∼コピーやプリンターの必需品∼
マグネタイトは、磁性酸化鉄の商品で、主にコピーのトナ
ーに用いられます。いわゆる複写の際、印字や画像印刷のイ
ンクの役割を担うものがトナー。コピー機になくてはならな
い素材です。
パストランは、静電気を防ぐ帯電防止材として、クリーン
ルームの部材・繊維・IC・液晶などの分野に使われ、また、
コピー機やプリンターの部品内部にも使用されています。
機能粉商品の中で、用途分野の広さでは群を抜いています。
加えて特筆されるのは、これらの用途に使用される製品に
従来アンチモンが含まれていたのに対し、パストランは、
アンチモンの完全除
去に成功。機能性の
高さもさることなが
ら、安全性の高い商
品として市場からも
信頼を得ています。
厳格な品質管理
14
多彩な商品で、身近な電子機器の
“便利”を支える
三井金属の機能粉商品は、いずれも電子機器の内部に使
用される際、粉体のままで使われることはほとんどありま
せん。多くは、顧客先でさらにペースト状や固体に姿を変
え、部品として加工され使用されます。それゆえ、見たり、
聞いたりしても、その存在を理解しにくいのがこれら商品
の特徴です。しかし、携帯電話の中、テレビの中、コピー
機の中など、私たちの身近なところで確かに活躍している
のです。
小粒でもぴりっと辛い山椒のごとく、微量ながらもこれら
機能粉商品が、各種の電子機器の“使いやすさ”や“便利さ”
という味を何倍にも引き立てているのです。存在は目立たな
くても、その性能は人々の生活の中でしっかり発揮されてい
ます。それが、三井金属の機能粉商品の数々です。
※1.マイクロメートル … 1,000,000分の1メートル
※2.ナノ粒子 … 粒径がナノメートルクラスの超微粒子。
ナノメートルは1,000,000,000分の1メートル
※3.基板の導通 … 配線基板の回路を流れる電流の経路
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ15
会社概要(平成16年3月31日現在)
商 号
三井金属鉱業株式会社 設 立
昭和25年5月1日
本 店
東京都品川区大崎一丁目11番1号
資
42,129百万円
本
金
(平成16年6月29日現在)
従業員数
2,377名
事業内容
非鉄金属製錬業、電子材料製造業、
代表取締役会長
代表取締役社長
代表取締役専務取締役
取締役
取締役
取締役
取締役
取締役
化学工業品製造業、自動車部品製造業および
これに付帯する事業
株式の状況
宮村 眞平
槇原 紘
須永 達夫
尾本 衛
竹林 義彦
齋田 宗男
横尾 康雄
矢内 邦夫
取締役
取締役
取締役
常勤監査役
常勤監査役
監査役
監査役
弘中 夫
小川 直明
千種 忠昭
長谷川 隆
兒玉 壽夫
田邊 俊明
柴田 裕通
(平成16年3月31日現在)
■発行済株式総数 572,966,166株
■株主数 ■ 所有者別株式分布状況
49,270名
個人その他
金融機関
23.37%
■大株主の状況
43.78%
外国法人等
株主名
27.76%
持株数(千株) 持株比率(%)
証券会社
その他の法人
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
ステート ストリート バンク アンド トラストカンパニー
資産管理サービス信託銀行株式会社(信託B口)
三井生命保険相互会社
ルクセンブルグ オフショア ジャスディック レンディング アカウント
日本生命保険相互会社
日本生命保険相互会社(特別勘定年金口)
株式会社三井住友銀行
ゴールドマン・サックス・アンド・カンパニーレギュラーアカウント
71,705
59,488
11,410
8,176
7,981
7,101
7,047
6,812
6,471
6,241
12.51
10.38
1.99
1.42
1.39
1.23
1.22
1.18
1.12
1.08
1.54%
3.55%
■ 株 価 の 推 移(週足)
600
13,000
当社の株価(高値・安値、左目盛)
11,000
400
9,000
200
日経225平均株価(右目盛)
7,000
0
40,000
出来高
30,000
20,000
10,000
0
03/04 03/05
03/06 03/07 03/08
03/09 03/10 03/11
03/12 04/01
04/02 04/03 04/04 04/05
15
三井金属04-5-26のコピー 04.6.11 0:12 PM ページ100
株主メモ
決算期ならびに利益配当金受領株主確定日 …………
中間配当金受領株主確定日 ……………………………
定時株主総会 ……………………………………………
名義書換代理人 …………………………………………
名義書換事務取扱所 ……………………………………
電話お問合わせ、郵便物送付先 ……………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
同取次所 …………………………………………………
……………………………………………………………
名義書換手数料 …………………………………………
新株券交付手数料 ………………………………………
株券喪失登録手数料 ……………………………………
……………………………………………………………
公告掲載新聞 ……………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
上場証券取引所 …………………………………………
3月31日 9月30日
6月下旬
東京都港区芝三丁目33番1号
中央三井信託銀行株式会社
〒168-0063
東京都杉並区和泉二丁目8番4号
中央三井信託銀行株式会社 証券代行部
TEL (03)3323-7111(代表)
住所変更届、改印届等のお届出、配当金の
お支払いその他お問合わせ等は上記証券代
行部にてお取扱いしております。
中央三井信託銀行株式会社 全国各支店
日本証券代行株式会社本店および全国各支店
無料
新株券1枚につき262円(消費税込み)
申請1件につき9,030円(
〃
)
株券1枚につき525円(
〃
)
東京都において発行する日本経済新聞
なお、「決算公告」に代えて、貸借対照表および
損益計算書を当社のホームページ
(http://www.mitsui-kinzoku.co.jp/)に
掲載しております。
全国各証券取引所
三井金属鉱業株式会社
総務部 〒141-8584 東京都品川区大崎一丁目11番1号
TEL : 03-5437-8000
古紙配合率100%再生紙を使用しています
Fly UP