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2006 年度 修 士 論 文
2006 年度 修 士 論 文 国際交易モデルと土地利用選択モデルとの統合による 将来の食料需給予測 Projecting Future Food Demand and Supply: Integration of International Trade Model and Land Use Choice Model 杉本 賢二 Sugimoto, Kenji 東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境学研究系 社会文化環境専攻 目次 1. .問題意識と 問題意識と課題設定 1.1. 農業 農業を を取り巻く環境 1.1.1. 作物需要 作物需要の の決定要因 ・・・ 1 1.1.2. 作物生産の 作物生産の決定要因 1.2.本研究 本研究の 目的と 本研究 の目的 と意義 2. 先行研究と 先行研究と本研究の 本研究の特徴 ・・・ 6 3. .統合モデル 統合モデルの モデルの構造 3.1. 国際交易 国際交易モデル モデル: モデル :IFPSIM ・・・ 9 3.2. EPIC 3.3. 土地利用選択 土地利用選択モデル 4.シナリオ シナリオ設定 シナリオ設定と 設定とモデルの モデルの整合性 4.1. シナリオ シナリオの の設定 4.2. 予測結果 予測結果と 実測値との との比較 と実測値 との 比較 4.2.1. FAO 統計 統計との との比較 との 比較 4.2.2. MODIS データ データとの との比較 との 比較 ・・・ 21 5. 予測結果の 予測結果の考察 5.1. 国際価格 国際価格の の変化 5.2. 生産 生産に える単位収量 単位収量の 効果と 耕地面積の に与える 単位収量 の効果 と耕地面積 の効果 5.3. 空間 空間モデル モデルとの との統合 統合しない しない場合 場合との との比較 モデル との 統合 しない 場合 との 比較 5.4. 予測結果 予測結果のまとめ のまとめと 今後の のまとめ と今後 の課題 ・・・ 34 付表 ・・・ 47 参考文献 ・・・ 60 謝辞 ・・・ 62 図一覧 図 1-1.先進国と途上国における穀物需要の変化 図 1-2.先進国と途上国における畜産物需要の変化 図 1-3.気候変動による気温の上昇 図 3-1.統合モデルの構造 図 3-2.Excel に展開した IFPSIM の概観 図 3-3.IFPSIM の構造 図 3-4.Global-EPIC の構造 図 3-5.各地域における単位収量の変化 図 3-6.統合モデルにおけるデータのフロー 図 4-1.SRES における各シナリオの概略 図 4-2.各シナリオにおける GDP の変化 図 4-3.各シナリオにおける人口の変化 図 4-4.米の単位収量の比較 図 4-6.小麦の単位収量の比較 図 4-5.とうもろこしの単位収量の比較 図 4-7.大豆の単位収量の比較 図 4-8.米の耕地面積の比較 図 4-9.とうもろこしの耕地面積の比較 図 4-10.小麦の耕地面積の比較 図 4-11.大豆の耕地面積の比較 図 4-12.予測結果における 4 品目合計の耕地分布 図 4-13.MODIS による農耕地の空間分布 図 4-14.MODIS と予測結果の一致部分 図 4-15.不一致部分 1(予測結果のみ存在する部分) 図 4-16.不一致部分 2(MODIS のみ存在する部分) 図 5-1.米の国際価格の推移 図 5-2.とうもろこしの国際価格の推移 図 5-3.小麦の国際価格の推移 図 5-4.大豆の国際価格の推移 図 5-5.1995 年と 2020 年における 4 品目の耕地の分布 図 5-6.A1 シナリオにおいて 1995 年から 2020 年にかけて増加した耕地の分布 表一覧 表 3-1. IFPSIM の対象品目 表 3-2. IFPSIM の対象国・地域 表 4-1.各地域における技術変化率 表 5-1.A1 シナリオにおける年平均成長率表 表 5-2.A2 シナリオにおける年平均成長率 表 5-3.B1 シナリオにおける年平均成長率 表 5-4.B2 シナリオにおける年平均成長率 表 5-5.統合による価格上昇率の変化 付表 1.IFPSIM における地域区分 付表 2.土地利用選択モデルにおける地域区分 付表 3-1.A1 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 付表 3-2.A2 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 付表 3-3.B1 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 付表 3-4.B2 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 付表 4-1-1.A1 シナリオにおける小麦の需給バランス 付表 4-1-2.A1 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス 付表 4-1-3.A1 シナリオにおける米の需給バランス 付表 4-1-4.A1 シナリオにおける大豆の需給バランス 付表 4-2-1.A2 シナリオにおける小麦の需給バランス 付表 4-2-2.A2 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス 付表 4-2-3.A2 シナリオにおける米の需給バランス 付表 4-2-4.A2 シナリオにおける大豆の需給バランス 付表 4-3-1.B1 シナリオにおける小麦の需給バランス 付表 4-3-2.B1 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス 付表 4-3-3.B1 シナリオにおける米の需給バランス 付表 4-3-4.B1 シナリオにおける大豆の需給バランス 付表 4-4-1.B2 シナリオにおける小麦の需給バランス 付表 4-4-2.B2 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス 付表 4-4-3.B2 シナリオにおける米の需給バランス 付表 4-4-4.B2 シナリオにおける大豆の需給バランス 概要 今後、人口増加に伴う食料需要量の増加と、所得の増加による畜産物需要が増えること により、穀物需要量は増加すると考えられている。しかし、穀物生産は地理条件や気候に よって影響を受けやすいために、将来の食料不足が危惧されている。本研究では米、とう もろこし、小麦、大豆の 4 品目について経済モデルと空間モデルとの統合をおこない、そ れによって経済モデルでは組み込むことのできない土地利用性と気候変動を考慮したモデ ルを構築した。また、そのモデルを用いて 2020 年までの予測を行ったところ、2000 年時点 での予測結果と、実際の国別統計と土地被覆について比較することによってモデルの整合 性が確かめられた。2020 年にはいずれの品目についても価格が上昇することが示された。 キーワード;食料需給モデル、土地利用変化、温暖化、将来予測 1. 問 題 意 識 と 課 題 設 定 1.1. 農 業 を 取 り 巻 く 環 境 本 節 で は農 業 を 取 り巻 く 環 境 を、 作 物 需 要 と 生 産 に 分 けて、そ れぞれに 影 響 を与 え ている要 因 を考 える.これらの要 因 は食 料 需 給 予 測 を行 う際 に考 慮 しなければならない ものであり、非 常 に重 要 である. 1.1.1.作 作 物 需 要 の決 定 要 因 食 料 は生 活 するうえでの 必 需 品 であ り、その需 要 は食 用 需 要 と 飼 料 用 需 要 、その 他 の需 要 に分 けることができる. 食 料 需 要 を決 定 する大 きな要 因 は人 口 と所 得 である.国 連 の人 口 予 測 によれば、世 界 の人 口 は 2050 年 に 90 億 人 を突 破 すると見 込 まれている(UN,2006).人 口 増 加 率 は 徐 々 に 低 下 してい く と 考 え られ てい るが 、相 対 的 な需 要 量 は 増 加 す る と 考 え られ る .絶 対 的 な需 要 は一 人 当 たりの需 要 であるが、これは所 得 によって変 化 する.エンゲル係 数 に代 表 されるように、所 得 の増 加 に伴 って所 得 に占 める食 費 の割 合 は低 下 する.しかし、 所 得 が増 加 するにしたがって畜 産 物 品 目 へのシフトが進 む.図 1-1 では穀 物 の一 人 当 たりの需 要 量 を、図 1-2 では畜 産 物 の一 人 当 たり需 要 量 を、それぞれ先 進 国 と途 上 国 に区 分 して示 している .穀 物 需 要 の 場 合 は先 進 国 で 低 下 しているのに 対 して、途 上 国 では増 加 している.畜 産 物 需 要 では先 進 国 の需 要 量 はそれほど変 化 しないが、途 上 国 では増 加 傾 向 にある. 畜 産 物 の需 要 が伸 びると、生 産 のために多 くの飼 料 が必 要 となる.牛 肉 1kg あたりに 必 要 な穀 物 は 7kg であり、エネルギー効 率 はあまりよくない.さらに、開 発 途 上 国 では今 後 経 済 発 展 が急 速 に進 むと予 測 されている.それによって畜 産 物 需 要 が増 え、飼 料 用 需 要 が増 加 すると考 えられる.世 界 で生 産 される穀 物 のうち約 4 割 程 度 は飼 料 とされる (FAO, 2006).先 進 国 ではこの割 が高 くなり、飼 料 用 需 要 が多 くを占 めている.これは前 述 のように、畜 産 物 の需 要 が高 まったために畜 産 物 に与 える作 物 が多 く必 要 となるため である. また 、その 他 の 需 要 と しては加 工 品 、種 子 用 、 バイオエ タノ ール等 のエ ネルギー 用 な どがある.加 工 品 については家 電 製 品 の 普 及 に伴 って、保 存 期 間 が延 びたことで需 要 量 が増 加 すると考 えられる.また近 年 、 石 油 価 格 の 高 騰 に よ り バ イ ト エ タ ノ ー ル の 需要が増加しており、その原料となるとうもろこしの価格が上昇している (USDA, 2007). 特 に ア メ リ カ で は エ タ ノ ー ル 精 製 所 建 設 が 加 速 し て お り 、 2008 年 に は 生 産 量 の 約 半 分 が 精 製 所 向 け と な る と い う 予 測 も な さ れ て い る (Earth 1 Policy Institute, 2007).エ ネ ル ギ ー と し て の 穀 物 需 要 量 が 増 加 す る と 、そ の 影 響 は他の穀物の価格に影響すると考えられる. 1600 1500 kcal/day/person World Developed Countries 1400 Developing Countries 1300 1200 1100 1000 900 800 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 出 所 ) FAO, 2 006. より 計 算 図 1-1.先 進 国 と途 上 国 における穀 物 需 要 の変 化 1000 900 800 700 World 600 Developed Countries 500 Developing Countries 400 300 200 100 0 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 出 所 ) FAO, 2 006. より 計 算 図 1-2.先 進 国 と途 上 国 における畜 産 物 需 要 の変 化 2 1.1.2 作 物 生 産 の 決 定 要 因 19 世 紀 のイギリスの経 済 学 者 、マルサスは、著 書 『人 口 論 』において次 のように述 べて いる (荏 開 津 、2003.115 ページ). 人 口 は等 比 数 列 的 に増 加 するが、食 料 生 産 は等 差 数 列 的 にしか増 加 しない. したがって人 口 増 加 はやがて必 ず 食 料 生 産 の 増 加 を上 回 り、食 料 の 欠 乏 から 社 会 は絶 望 的 な貧 困 と悪 徳 におちいる マルサスの予 測 は現 在 においてあまり当 てはまっていないが、アイデアとしては明 確 な ものである.つ ま り 、 耕 作 地 と い う も の は あ る 程 度 適 地 適 作 で 存 在 し て お り 、 耕 地を拡大することは生産性の低い土地に作付けすることになる.そのため、生 産量には制限があるということである. 表 1-1 は 1960 年 代 から 2000 年 にかけて穀 物 生 産 量 の変 化 を、単 位 あたりの収 量 の 変 化 と、耕 地 面 積 の変 化 に分 けたものである(荏 開 津 、2003).1960 年 代 か ら 生 産 量 は 増 加 し て い る が 、80 年 代 か ら は 耕 地 面 積 の 増 加 率 は 負 の 値 で あ る .近 年 の 生 産量の増加は単位収量の増加によるものである、アジアでの緑の革命に代表さ れるように、品種改良や肥料の投入量の増加に伴う単位収量増が、生産量の増 加を支えている. しかし、この単位収量の増加率が今後も続くとは限らない.それは、作物の 生 産 は 地 形 や 気 候 の 変 化 に よ る 影 響 を 受 け や す い か ら で あ る .IPCC( 2001)に よれば、将来の気温上昇は高緯度ほど上昇し、さらに同一地域においてもその 影 響 は 異 な る( 図 1-3).気 候 変 動 に よ っ て 異 常 気 象 が 起 こ り や す く な る の で あ れ ば 土 壌 浸 食 に よ る 栄 養 分 の 低 下 、そ れ に よ る 単 位 収 量 の 低 下 を 招 き か ね な い . さらに過剰に肥料を投入することや、同じ作物を毎年植え続けることは地力の 低下につながる. また、近年は水資源が制約要因となっている.アメリカ、インド、中国では 穀物生産において地下水の過剰な汲み上げが広く行われており、これによって 帯 水 層 の 水 位 が 下 が る 、 あ る い は 枯 渇 す る 可 能 性 が あ る ( ブ ラ ウ ン 、 1995 . 9 ペ ー ジ ).水 資 源 と い う も の は 灌 漑 施 設 な ど で 用 い ら れ る 農 業 用 水 だ け で は な く 、 生活用水や工業用にも用いられるため、人口増加と経済成長によって農業用水 の需要が少なくなってしまい、それによる生産量の減少も考えられる. 3 表 1-1. 世 界 穀 物 生 産 量 の 増 加 要 因 (単位%) 年度 1961-70 1970-80 1980-90 1990-95 1995-2000 全期間 穀物生産 増加率 3.06 2.68 2.32 -0.52 1.63 2.16 収量 増加率 2.54 2.03 2.44 0.00 2.06 2.07 耕地面積 増加率 0.52 0.65 -0.12 -0.52 -0.43 0.09 出 所 ) 荏 開 津 典 生 ( 2003) 表 8-4 出 所 ) IP CC、2 001 .Fig.9.10 (e). 図 1-3.気 候 変 動 による気 温 の上 昇 (1961-2000 年 までの平 均 値 と 2071-2100 年 までの平 均 値 の比 較 ) 1.2. 本 研 究 の 目 的 と 意 義 本 研 究 の 目 的 は 、 前 節 で 示 した 需 要 と 供 給 に 影 響 を 与 え る 要 因 を 含 め た モ デ ルの 構 築 を行 い、そのモデルを用 いて将 来 の予 測 を行 うことにある.前 節 でみたように、将 来 の 食 料 需 要 は 伸 び る こ と が 推 測 され る が 、 生 産 に 関 しては 増 加 要 因 が 少 なく 、自 然 資 源 の制 約 によって減 少 する可 能 性 もある.この生 産 側 に制 約 があるということから、食 糧 不 足 に 対 する 危 惧 は高 まってお り、その 理 由 か ら現 在 までに様 々な計 量 経 済 モデ ルを 4 用 いた長 期 の食 料 需 給 予 測 が行 われている.しかし、国 別 あるいは地 域 別 の経 済 モデ ルでは、需 要 側 の 変 化 は捉 える ことはできるが 、生 産 側 で は資 源 の 違 い や気 候 の 変 動 といった 要 因 を組 み 込 むことは難 しい .なぜ なら、これ らの 要 因 は地 域 に よっても 異 なる 上 、同 じ国 においてもその影 響 が違 うためである. したがって、本 研 究 の目 的 は経 済 モデルだけではなく、空 間 モデルを組 み合 わせるこ とによって、将 来 の食 料 需 給 と土 地 利 用 を予 測 することである.空 間 モデルを用 いること によって、経 済 モデ ルのみでは表 現 でき ない、資 源 の 地 域 性 による 生 産 への制 約 要 因 や、気 候 変 化 の影 響 を加 味 することが可 能 である. 本 論 分 の構 成 は以 下 のようになっている. 次 章 で は、既 存 の 研 究 のうち、環 境 に よる 制 約 を盛 り込 んだ 食 料 需 給 モデルについ ての検 討 を行 い、本 研 究 の特 徴 を明 らかにする. 3 章 では統 合 モデルの構 造 について、経 済 モデルと空 間 モデルについてと、2 つのモ デルの統 合 部 分 についての説 明 を行 う. 4 章 では統 合 モデルについてシナリオの設 定 を行 ったうえで、将 来 予 測 を行 う.また、 モデルの整 合 性 を確 認 するために、国 別 の統 計 とリモートセンシングによる土 地 利 用 被 覆 との比 較 を行 い、モデルの整 合 性 について検 討 する. 5 章 では統 合 モデルを用 いた 2020 年 までの予 測 結 果 を示 し、生 産 量 の変 化 を単 位 収 量 と 耕 地 面 積 に 分 けることで 、それぞれの 効 果 に つい てみる .さらに 統 合 を行 わ ない 場 合 との比 較 を行 い、最 後 にまとめと課 題 について述 べる. 付 表 では統 合 モデルでの詳 細 な地 域 区 分 、人 口 ・経 済 成 長 率 、シナリオごとの需 要 量 、生 産 量 、貿 易 量 を示 している. 5 2. 先 行 研 究 と 本 研 究 の 特 徴 本 章 で は 既 存 の 食 料 需 給 予 測 の 研 究 を 検 討 し 、本 研 究 の 特 徴 を 明 ら か に す る . FAO( 2003) は 146 カ 国 、 36 品 目 を 対 象 と す る 広 域 か つ 詳 細 な 経 済 モ デ ル で あ り 、2030 年 と い う 超 長 期 的 な 予 測 に 用 い ら れ て い る .国 際 機 関 で あ る た め に 各国の研究者が集まっていることから、弾力性などは推計した後にと検討する 機 会 が 設 け ら れ て お り 非 常 に 信 頼 性 は 高 い . OECD で は OECD 加 盟 国 を 中 心 と したモデルを構築しており、先進国の農業政策について詳しいという特徴を有 している.特に、牛肉の貿易では口蹄疫洗浄国と非洗浄国との間では貿易を行 わ な い と い っ た 現 実 の 政 策 を モ デ ル に う ま く 盛 り 込 ん で い る( 上 林 、2005).ア メ リ カ 農 務 省 で は 毎 年 2 月 に 10 年 先 ま で の 中 期 予 測 の 結 果 を 公 表 し て お り 、そ の 値 は 更 新 さ れ る 度 に 修 正 が な さ れ て い る ( USDA, 2006). Wolf( 2005) は 2 国間貿易においてアーミントン係数を設定しており、貿易において相手国を想 定した空間モデルによって食料需給を予測している.しかし、これらのモデル は環境資源の制約について明示的に導入したモデルではなく、単位収量の変化 分については過去の趨勢を参考にしているに留まっている. 大 賀 ( 1998) で は 、 単 位 収 量 の 増 加 率 と 、 収 穫 面 積 の 価 格 上 昇 に 対 す る 変 化 が 2020 年 ま で に 半 減 す る と 仮 定 し た 場 合 の 予 測 を 行 っ て い る .そ の 場 合 に は 穀 物の価格が現在の 4 倍になるという結果が示されているが、パラメータを変更 し た だ け で あ り 、 そ の 根 拠 は 乏 し い . ま た 、 井 上 ほ か ( 2003) で は 穀 物 生 産 に 重 要 な要 素 である灌 漑 農 地 を投 入 量 として定 式 化 し、灌 漑 施 設 を投 入 財 であると仮 定 することにより、理 論 的 に制 約 を考 慮 した穀 物 需 給 予 測 を行 っている.これの研 究 では、 灌 漑 地 利 用 に厳 しいシナリオを用 いた場 合 においても、将 来 の国 際 穀 物 価 格 は低 下 す る傾 向 にあることが示 されているが、対 象 となる品 目 は米 、小 麦 、とうもろこしの 3 つのみ であり、畜 産 物 部 門 を含 んでいないため飼 料 用 需 要 を考 慮 してない.また、Furuya and Koyama(2005)は過 去 の気 候 データをもちいて、穀 物 の単 位 収 量 を気 温 と降 雨 量 の変 数 とすることで、将 来 の穀 物 価 格 の減 少 率 が鈍 化 することを示 している.しかし、将 来 の 気 温 変 化 は各 国 共 通 に設 定 されており、耕 作 地 域 の変 化 がないという仮 定 は現 実 的 で はない.Rosegrant et al. (2002) は食 料 需 給 モデル(IMPACT)と水 資 源 の需 給 モデル (WSM)とを統 合 させたモデル、IMPACT-WATER を構 築 した.穀 物 の生 産 関 数 に利 用 可 能 な農 業 用 水 量 を導 入 することにより、水 資 源 に制 約 を置 いた食 料 モデルとなってい る.特 に水 使 用 が限 られたシナリオにおいては国 際 価 格 が高 騰 することが示 されており、 水 という制 約 が生 じた場 合 の食 料 不 足 を示 唆 している. 以 上 、計 量 経 済 モデルに環 境 の制 約 を盛 り込 んだモデルを検 討 したが、これらのモデ ルはパ ラメー タの 変 更 や シナ リオの 導 入 など資 源 制 約 を盛 り込 ん で はいる が、国 ・ 地 域 6 別 にモデルを構 築 しているために地 域 による資 源 の格 差 や、将 来 の気 候 変 動 について は考 慮 されてい ない.そ れは経 済 モデルが持 つ 特 性 によるものであり、容 易 に導 入 でき るものではない. 経 済 モデルと空 間 モデルを統 合 させた研 究 として Darwin et al.(1996)がある.このモ デ ルで は一 般 均 衡 モ デ ルと 気 候 モ デ ルの 結 果 を用 い て、 気 候 の 変 化 によ る 土 地 利 用 の 変 化 を 考 慮 し て い る が 、 人 口 増 加 や 経 済 成 長 を 考 え ない 静 学 モ デ ルで あ る .ま た 、 IPCC の 将 来 の 気 候 予 測 で 用 い られ た 、 国 立 環 境 研 究 所 の AIM ( Matsuoka et al., 2001)や、オランダ RIVM による IMAGE(RIVM, 2006)では一 般 均 衡 モデルと気 候 モデ ルを統 合 させ、お互 いのフィードバックによって温 暖 化 の影 響 を加 味 したモデルとなって いる.しかし、これらのモデルを構 成 する地 域 は非 常 に大 まかであり、穀 物 の分 類 に関 し ては一 品 目 として統 合 されている.それは温 室 効 果 ガスの排 出 を推 測 するために、全 産 業 にわたる モデルを構 築 す る 必 要 があ り、その ためには区 分 を細 かく した場 合 に データ の収 集 が困 難 になるためである.したがって、個 々の品 目 の結 果 や気 候 変 動 による効 果 については具 体 的 に知 ることができない. また、需 要 と 供 給 を別 々 に扱 うモデ ルも 存 在 している.ブ ラウン (1996)で は需 要 が 人 口 と GDP によって決 まるとし、生 産 量 に関 しては過 去 の外 挿 によって計 算 することで、目 標 年 度 にお ける 需 給 ギ ャップ を推 計 す る モ デ ルである .また 、Tsujii( 1998 )も 同 様 の 手 法 によ って需 給 ギャップ によって価 格 変 化 を推 測 す るとい うモデ ルであ る.しか し、価 格 が需 要 に影 響 を与 えることは明 らかであり、価 格 上 昇 によって代 替 品 の需 要 に転 化 する ことも考 えられる. 以 上 の先 行 研 究 の検 討 より、以 下 では次 の 2 点 を含 んだモデルの開 発 を行 う必 要 が あ る と 考 え られ る .ま ず 、 価 格 メ カニ ズム を 盛 り 込 ん だ 経 済 モ デ ルに よ り、 需 要 量 と 供 給 量 を計 算 することである.需 要 量 は人 口 や所 得 以 外 にも価 格 によって変 化 するため、そ の 効 果 に つ い ても 考 慮 す る 必 要 が あ る .この 需 要 部 分 は経 済 モ デ ルで 計 算 す る こと が 可 能 である. 次 に、地 域 ごとに異 なる 資 源 の有 無 および劣 化 と、気 候 変 動 に伴 う気 候 変 動 につい て考 慮 しなければならない.これは、1 章 で見 たように、農 業 生 産 は気 候 の変 化 を受 けや すいためである.しかし、国 ・地 域 単 位 で扱 う経 済 モデルでは地 域 性 や気 候 変 動 の変 化 などを 直 接 盛 り込 む こと はで き ない .した が って、 空 間 モ デ ルに よ って気 候 変 動 や 地 理 条 件 を考 慮 しなければならない. 本 研 究 で は 、農 業 部 門 だ けを扱 う 部 分 均 衡 モ デ ルに お ける 作 物 の 生 産 関 数 を 、 空 間 モデルに置 き換 えることで、それらの課 題 を克 服 している.それにより、作 物 の生 産 は 気 候 変 動 と地 理 条 件 を考 慮 することに加 えて、農 業 部 門 に特 化 したモデルにおいては、 その結 果 が品 目 別 にわかりやすくなっている. 本 研 究 と同 様 の手 法 で土 地 利 用 変 化 について考 察 しているのは Ronneberger et al. 7 (2005)である.この論 文 では KLUM という土 地 利 用 モデルを構 築 し、一 般 均 衡 モデル である GTAP との統 合 を行 っている.また、Sands and Leimbach(2003)ではモデル内 に おいて気 候 変 動 による 影 響 をフィードバックさせ る統 合 モデルと なってい る.いずれのモ デルも 本 研 究 と 非 常 に 似 た 研 究 であ り、主 体 が 利 益 を最 大 にする よ うに 土 地 利 用 を決 定 するというメカニズムは同 じである. 8 3. 統 合 モデルの モデル の 構 造 本 研 究 で 用 い た モ デ ル は 、2 つ の モ デ ル を 統 合 さ せ た も の で あ る .す な わ ち 、 農 産 物 の 需 給 と 国 際 交 易 を 扱 う IFPSIM (International Food Policy Simulation Model)と、0.1 度 グリッド単 位 で全 球 をカバーする空 間 モデルである.この空 間 モデルは さ らに 穀 物 の 生 産 性 を 推 計 す る EPIC ( Erosion/Productivity Impact Calculator ) と 、 IFPSIM の穀 物 価 格 と生 産 性 によって作 付 けを決 定 する土 地 利 用 選 択 モデルからなる (図 3-1).米 、とうもろこし、小 麦 、大 豆 の 4 品 目 については空 間 モデルに適 応 することで、 地 域 性 や資 源 の有 無 を考 慮 したモデルとなっている. 以 下 では、経 済 モデ ルと 空 間 モデ ルの 構 造 に ついて説 明 す る .次 に 経 済 モ デ ルと 空 間 モデルとの統 合 部 分 である土 地 利 用 選 択 モデルについて述 べる. 図 3-1.統 合 モデルの構 造 9 3.1. 国 際 交 易 モデル: モデル : IFPSIM IFPSIM は農 業 政 策 の変 化 を評 価 するために開 発 された、農 業 部 門 に特 化 した部 分 均 衡 モデルである(Oga and Yanagishima, 1996.および大 賀 、1998).また、多 地 域 ・多 品 目 市 場 均 衡 の世 界 モデルであり、14 品 目 と 31 カ国 ・地 域 1 を対 象 としている(表 3-1、 3-2).図 3-1 は IFPSIM の構 造 を表 したものである. IFPSIM の特 徴 的 な点 として、タイムラグを持 った変 数 の部 分 調 整 過 程 を組 み込 んだ ダイナミックモデルである(大 賀 、1998 66 ページ)点 が挙 げられる.人 口 変 化 や経 済 成 長 を変 数 と してお り、前 年 の 生 産 者 価 格 によ って耕 地 面 積 が 決 定 され る、動 学 の 仕 組 みを備 えている.さらに消 費 者 保 護 や不 足 支 払 い制 度 等 の農 業 政 策 を変 数 として価 格 に組 み込 んでおり、政 策 の変 化 による影 響 についてシミュレーションを行 うことができ、農 水 省 ではこのモデルを元 に 2025 年 までの、将 来 の食 料 需 給 見 通 しを行 っている(農 水 省 、2006). 大 賀 (1998)では FORTRUN によって書 かれた IFPSIM を使 用 しているが、本 研 究 で は Oga and Yanagishima ( 1996 ) に 掲 載 さ れ て い る 計 算 式 、 お よ び パ ラ メ ー タ を Microsoft 社 製 の Excel に展 開 した(図 3-2).VB(Visual Basic)によるマクロを実 行 させ ることにより均 衡 価 格 が計 算 される仕 組 みになっている.Excel に展 開 した理 由 であるが、 プ ロ グ ラミ ン グ の 知 識 が 不 要 な 場 合 で も 比 較 的 変 更 が 可 能 で あ り、 視 覚 的 に も 結 果 の 時 系 列 変 化 がわかりやすいという利 点 がるためである. 1 さらに詳しい地域区分については付表 1 にまとめている. 10 図 3-2.Excel に展 開 した IFPSIM の概 観 IFPSIM の 基 本 構 造 は 価 格 に よ り 需 要 と 供 給 が 一 致 す る 仕 組 み と な っ て い る . 以 下 で モ デ ル の 基 本 構 造 を 示 す .た だ し 、a0 は 各 国 ・ 地 域 の 定 数 項 、添 え 字 の i は当該品目、j は競合品、f は飼料用作物、r は国・地域を表している.また、 -1 は 前 期 の 値 を 表 し て い る . 穀物生産量 穀物の生産量は耕地面積と単位収量の積として表される.耕地面積は前期の 耕地面積と、当該品目および競合品目の生産者価格の変数である.単位収量は 前期の値に成長率を加えたもので表され、この成長率は外生的に与えられる. AH ir = a 0 ir × AH −1ir aAH × PP−1ir YH ir = YH −1ir × ( 1 + a1ir ) QS ir = AH ir × YH ir ai + ∏ j PP−1 jr aj (1) (2) (3) AH: 収 穫 面 積 、 PP: 生 産 者 価 格 、 YH: 単 位 収 量 、 QS: 穀 物 生 産 量 、 aAH: ラ グ 付 変 数 に か か る 係 数 、ai: 当 該 品 目 の 生 産 者 価 格 に 係 る 弾 力 性 、aj: 競 合 品 目 の 11 生 産 者 価 格 に 係 る 価 格 交 差 弾 力 性 、 al: 単 位 収 量 の 成 長 率 畜産物生産量 畜産物の生産量は家畜と蓄羽数と生産性の積として表される.家畜と蓄羽数 は飼育頭羽数の一定割合となっており、飼育頭羽数は前期の頭羽数、当該品目 および競合品目の生産者価格、飼料作物の卸売価格の変数となっている.生産 性については穀物の場合と同様であり、前期の値に成長率を加えたもので表さ れる. ALir = a 0 ir × AL−1ij × PP−1ir × ∏ j PP−1 jr × ∏ f PI −1 jr aAL ai aj af (4) SLir = ALir × SL−1ir AL−1ir (5) YLir = YL−1ir × ( 1 + a1ir ) (6) QS ir = SLir × YLir (7) AL: 家 畜 頭 羽 数 、PP: 生 産 者 価 格 、PI: 飼 料 原 料 中 間 (卸 売 )価 格 、SL: 家 畜 と 蓄 頭 羽 数 、YL: 畜 産 生 産 性 、QS: 畜 産 物 生 産 量 、aAL: ラ グ 付 変 数 に か か る 係 数 、 ai: 当 該 品 目 の 生 産 者 価 格 に 係 る 弾 力 性 、aj: 競 合 品 目 の 生 産 者 価 格 に 係 る 交 差 弾 力 性 、 af: 飼 料 穀 物 の 中 間 価 格 に 係 る 弾 力 性 、 a1: 畜 産 生 産 性 増 加 率 穀物需要量 穀物の需要量は食用需要、飼料用需要、その他需要に分けられる.食用需要 は 一 人 当 た り GDP、当 該 品 目 お よ び 競 合 品 目 の 消 費 者 価 格 に よ っ て 決 定 さ れ る 一人当たりの需要量に、人口をかけたものである.飼料用需要は家畜飼育頭羽 数、当該品目および競合品目の卸売価格によって決定される.その他需要は食 料需要と飼料用需要の合計量の比率によって変化する. QFir = a0 ir × YYr aYY × PC ir × ∏ j PC ij × NN r ai aj QLir = a 0 ir × ∏l QS lr × PI ir × ∏ f PI fr al ai af (8) (9) QOir = QO−1ir × (QFir + QLir ) (QF−1ir + QL−1ir ) (10) QD = QF + QL + QO (11) QF: 食 用 需 要 、YY: 一 人 当 た り GDP、VV: GDP、PC: 消 費 者 価 格 、QL: 飼 料 用 12 需 要 、 aYY: 所 得 弾 力 性 、 ai: 当 該 品 目 の 価 格 に か か る 弾 力 性 、 aj: 競 合 品 目 に か か る 交 差 弾 力 性 、 家 畜 頭 羽 に か か る 弾 力 性 、 af: 飼 料 価 格 に か か る 弾 力 性 、 QO: そ の 他 需 要 、 QD: 総 需 要 畜産物需要量 畜 産 物 の 需 要 量 は 穀 物 の 食 用 需 要 と 同 様 に 、一 人 当 た り GDP、当 該 品 目 お よ び競合品目の消費者価格によって決定される一人当たりの需要量に、人口をか けたものとして計算される. QDir = a 0 ir × YYr aYY × PC ir × ∏ j PC ij × NN r ai aj (12) 在庫変化量 在庫変化量は当期と前期の卸売価格の比率によって変化する.ただし、在庫 変化量が正値の場合は前期の価格に対する当期の価格の比率であるが、在庫変 化量が負値の場合はその逆の比率を用いる. ∆STir = ∆ST−1ir × (PI ir PI −1ir )δ (13) 1 if ∆ST > 0 ただし、 δ = − 1 if ∆ST < 0 Δ ST: 在 庫 変 化 量 、 PI: 中 間 卸 売 価 格 純輸出量 純輸出量は生産量から需要量を差し引き、在庫の変化量を加えたものとして 決定される.ここで、純輸出量の世界計がゼロとなるように価格を変化し、均 衡させる. QN ir = QS ir − QDir + ∆STir (14) ∑ QN ir = 0 (15) QN: 純 輸 出 量 価格関係式 国際価格については世界において貿易量の占める割合が大きい国をリード国 とし、各国・地域での国際価格はリード国と当該国・地域のドル建て為替レー 13 トによってドルによる自国通貨に変換される.卸売価格は自国通貨建て国際価 格に、輸送費と生産者保護を加えたものであり、消費者価格と生産者価格は卸 売価格に補助金等の政策による保護を考慮したものとなっている. PTir = PWir × XRir XRRi (16) PI ir = PTir + MI ir + PSM ir (17) PPir = PI ir − CSOir (18) PS ir = PI ir + PSOir (19) PT: 自 国 通 貨 建 て 国 際 価 格 、PW: 市 場 リ ー ド 国 通 貨 建 て 国 際 価 格 、XR: 当 該 国 対 ド ル 為 替 レ ー ト 、XRR: 市 場 リ ー ド 国 対 ド ル 為 替 レ ー ト 、MI: 輸 送 費 用 、PSM: 価 格 関 連 生 産 者 保 護 、PS: 実 効 供 給 者 価 格 、PSO:補 助 金 等 生 産 者 保 護 、CSO: 生 産者保護 14 図 3-3.IFPSIM の構 造 15 表 3-1. IFPSIM の対 象 品 目 対 象 品 目 (14 品 目 ) 畜 産 物 (6) 牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉、卵、牛乳 穀 物 (5) 小麦、トウモロコシ、米、大豆、その他雑穀 加 工 品 (3) 加工乳、オイルミール、油脂 表 3-2. IFPSIM の対 象 国 ・地 域 対象国・地域 (30) ア メ リ カ 、日 本 、カ ナ ダ 、オ ー ス ト ラ リ ア 、ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、 国 ( 20) メ キ シ コ 、ブ ラ ジ ル 、ア ル ゼ ン チ ン 、ナ イ ジ ェ リ ア 、エ ジ プ ト 、 イ ン ド 、 パ キ ス タ ン 、バ ン グ ラ デ シ ュ 、 イ ン ド ネ シ ア 、 タ イ 、 マレーシア、フィリピン、中国、韓国 地域 (10) EC12, そ の 他 西 欧 、 東 欧 、 旧 ソ 連 、 そ の 他 先 進 国 、 そ の 他 ラ テ ン・南米、その他アフリカ、中近東、その他極東、その他途上 国、その他世界 16 3.2. EPIC EPIC(Erosion/Productivity Impact Calculator)は米農務省によって開発された気候、降雨 量、土壌 などを変数として、土壌 浸食と植物の成長との関係を推計するモデルである (Williams, 1995).本来はアメリカにおける土壌浸食を計算するものであったがその後の拡張 により、農地管理における様々な変数を出力できるようになった.EPIC では 100ha 以上の面積 を対象とし、天気・土壌・地質・管理システムが均質である地域を想定して、日単位で 数百年にわたるシミュレートが可能である. EPIC の基本構造は以下のとおりである.まず、日射量と葉あたりのエネルギー供 給量が計算される.次にその土地における土壌状態や湿度、気温、窒素、リン、作物 の固有パラメータなどの変数によって植物の生長が推計される.この結果によって土 壌流出が計算され、次の期における窒素とリンが変化するという構造になっている (Williams, 1995). 本研究では Tan and Shibasaki (2003)によって開発された Global-EPIC を用いた.この Global-EPIC は、GIS 上に EPIC を展開したものであり、米、とうもろこし、小麦、大豆の 4 品目 について、地球レベルでの生産性を推計するモデルの構築を行ったものである.このモデル では、南北 1405×東西 3600 (北緯 84 度~南緯 54.5 度、東経 180 度~西経 180 度)の地域 がカバーされており、約 500 の格子点によって構成されており、空間的に社会経済データや 気候データを展開することにより全球での生産性を推測したことが特徴である. Tan and Shibasaki (2003)では GIS、IE(Inference Engine)、EPIC を統合させることによ って、全球での穀物の潜在生産性について推計している(図 3-4).まず、GIS におい て気候、土壌、地形、人口といった各種のデータが構築される.気候データについて は カ ナ ダ 気 候 モ デ リ ン グ 分 析 セ ン タ ー (Canadian Center for Climate Modeling and Analysis; CCCma)による CGCM1 の 10 年ごとの月平均の降雨量と、月別最大気温と同 最小気温の結果を用いている.その各種データと IE による作付けの変更を行い、EPIC によって穀物の生産性について計算がなされる.各地域における生産性の変化につい ては図 3-5 のようになっている.いずれの地域においても生産性は低下することが示 されている(Tan and Shibasaki, 2003) 17 出所)Tan and Shibasaki (2003). Fig.1. 図 3-4.Global-EPIC の構造 出所)Tan and Shibasaki (2003). Fig.21. 図 3-5.各地域における単位収量の変化 18 3.3. 土地利用選択モデル 土地利用選択 モデル IFPSIM と EPIC の統合部分にあたる、土地利用選択モデルでは各グリッドにおいて、その 主体である農業従事者が効用を最大化するように土地利用を決定するモデルとなっている. 土地利用を選択するということは、耕地・森林・都市などの多数の選択肢のうち、可能な選択 肢のうちからどれか一つを選択するということであるため、その決定は各主体によって異なると 考えられる.こうした選択を推測、およびモデル化する方法として非集計モデルがある. 非集計モデルは、「個人が利用可能な選択肢の中からもっとも望ましい選択肢を選ぶという 合理的な選択ルールに基づいて行動することを仮定してモデル化」したものである(交通工学 研究会、1993.4 ページ).ここで、各個人の特定の選択肢における効用を U i = Fi ( Y ) + S i ( X ) i = 1, 2, …,n (1) と表す.ただし U は効用、F は気温や灌漑、降雨量といった環境要因、S は人口や所 得といった社会経済要因、添え字の i は選択肢である.このとき各個人が全選択肢 j の中から特定の選択肢 i を選ぶ関数式は、 Pi = exp(U i ) ∑ n j =1 exp(U j ) ∀i (2) として表される.このとき P i は選択肢 i を選ぶ確率、jは全選択肢(ただし、i∈j)である.ここで の選択肢は米、とうもろこし、小麦、大豆の各種耕地と、それ以外の土地利用の 5 つである.し たがって、各グリッドにおいて Global-EPIC によって計算された生産性と、IFPSIM によって計 算された前年の生産者価格によって最も収益のあがる作付けを行う仕組みになっている(図 3-6).まず、T 年において、IFPSIM で均衡価格が求められ、それによって各国ごとの生産者 価格が計算される.翌年の T+1 年において、EPIC によって T 年の生産性に変化分を加えた T+1 年の生産性が求められる.ここで、前年の T 年における生産者価格と EPIC による T+1 年の生産性によって T+1 年の土地利用が決定され、それによって T+1 年の均衡価格が求め られる仕組みになっている.統合モデルでは、この受け渡しをくり繰り返して目標年度までの食 料需給を計算する.なお、土地利用選択モデルは過去にインドと中国がテストサイトとしてパラ メータの推計と、実際の土地利用との比較が行われている. 19 図 3-6.統合モデルにおけるデータのフロー 20 4.シナリオ シナリオの 設定とモデルの モデルの整合性 シナリオの設定と 4.1. シナリオの シナリオの 設定 IFPSIM では非農業部門である経済成長率や人口増加については一定比率で増えるもの と し て い る . こ れ ら の 変 数 に つ い て は IPCC に よ る SRES(Special Repot on Emissions Scenarios)を用いた.SRES とは人間活動が温暖化に与える影響を評価するために用い られた、将来の社会経済の発展に関する叙述的シナリオである.これらのシナリオ内 において一貫性を持った人口統計的・社会的・経済的・技術的・環境的・政治的将来 が、量的でなく質的に記述されている(環境省、2001.第 2 章.4 ページ). SRES は大きく分けて 4 つのシナリオに分類することができる.すなわち、A1、A2、 B1、B2 の 4 つである.頭のアルファベット A は経済成長重視の社会、B は環境改善 を中止する社会を想定している(図 4-1).次に後ろの番号 1 はグローバル化社会、番 号 2 は地域指向社会を意味している.それぞれのシナリオにおける GDP 成長率と人口 増加率は図 4-2、4-3 に示している.本研究ではそれぞれのシナリオにおけるマーカー・ シナリオの人口および経済成長率を適用している 2(CIESIN, 2005). また、IFPSIM での将来の農業政策の変化、為替レートの変更はないものとした.これは政 策変化による価格変化が、土地利用選択モデルに影響を与えるためである.また、図 3-5 のよ うに、Global-EPIC では灌漑施設や肥料・労働投入については不変であると仮定しているため、 経年ごとに単位収量が低下している.なお、村井ほか(2006)では気候変化に対して社 会・経済システムを変化する適応策を投じた場合、生産性の減少率を緩和することが できることを示している.以上のことから、単位収量に関して、技術向上率を設定し た(表 4-1).これによって穀物の生産性は気候変動による変化分に技術変化率を加え たものとして計算される.この技術変化率については IFPSIM における単位収量変化 率の 1/4 に設定している. 以上のシナリオを設定した上で、統合モデルを用いた将来予測を行った. それぞれのマーカー・シナリオは以下のモデルチームの結果である.A1:国立環境研究 所による AIM(Asian Pacific Integrated Model)モデル、A2:アメリカ ICF による ASF (Atmospheric Stabilization Framework)モデル、B1:オランダ RIVM による IMAGE (Integrated Model to Assess the Greenhouse Effect)モデル、B2:IIASA による MESSAGE モデル.各地域における具体的な経済成長率と人口増加率の値については付 表 3-1 から付表 3-4 に示している. 2 21 図 4-1.SRES における各シナリオの概略 Billion US$ (1990 constant) 6000 5500 A1 A2 B1 B2 5000 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 図 4-2.各シナリオにおける GDP の変化 100 million person 85 80 A1&B1 75 A2 B2 70 65 60 55 50 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 図 4-3.各シナリオにおける人口の変化 22 表 4-1.各地域における技術変化率 (年率) 地域 技術変化率 1USA 0.003 2EC12 0.006 3Japan 0.005 4OWEuro 0.002 5Canada 0.003 6Australia 0.004 7NZ 0.004 8ODPed 0.005 9EEuro 0.002 10USSR 0.005 11Mexico 0.003 12Brazil 0.005 13Argentina 0.003 14OLAmer 0.005 15Nigeria 0.004 16OAfrica 0.004 17Egypt 0.005 18NEAsia 0.006 19India 0.007 20Pakistan 0.005 21Bangladesh 0.004 22Indonesia 0.008 23Thailand 0.007 24malaysia 0.005 25Philippine 0.005 26China 0.008 27Korea 0.006 28OFEast 0.006 29ODPing 0.005 23 4.2. 予測結果と 予測結果 と 実測値との 実測値 との比較 との 比較 予測結果と現実の比較によって、整合性が認められればモデルおよび将来予測に意 味があると考えられる.本節では FAO(国連食料農業機関)による国別の統計との比 較と、リモートセンシングにより得られた MODIS データとの土地利用被覆の比較を 行った. 4.2.1. FAO 統計との 統計 との比較 との 比較 FAO 統計はもっとも広域に及ぶ国別の農業に関する統計であり、ウェブ上あるいは CO-ROM によってデータにアクセスすることができる.その他の農業統計にはアメリ カ農務省の P S&D(Production, Supply and Distribution)があるが、統計を取得している国 は限られており、小国については範囲としていない.OECD の統計では OECD 加盟国 については非常に詳細なデータであるが、非 OECD 加盟国についてはデータが存在し ない.これらの理由から FAO の統計との比較を行った 3. この FAO 統計を使い.1998 年から 2000 年までの平均値について 4予測結果と FAO の国別統計との比較を行った(図 4-4 から図 4-11).これらの図ではピンクの線が 45 度線を表しており、横軸に予測結果、縦軸に統計値を取っている.したがって、ピン クの線に近いほど統計値に近い値をとっていると考えられ、この線より上側に点があ る場合は統計と比べて過多評価であり、下側にある場合は過小評価である.なお、耕 地面積については各国により差が大きいため対数による軸を使用している. どの品目においても単位収量については実際の値とそれほど乖離がないことがわ かる.米ではモロッコとトルクメニスタンで過小評価となっている以外は整合性が取 れている.小麦の場合はヴェネズエラ、エジプトで過小評価、イエメンでは過大とな り、米と比較するとやや 45 度線から離れた値も存在する.とうもろこしでは、マレー シア、インドネシア、ベトナム、フィリピンといった東南アジア諸国において過少で あり、スワジランドは大幅に外れているものの、他の国においてはおよそ実測値に近 い値である.大豆ではシリアで極端に過少となっている以外は、実測値との乖離は小 さくなっている. 次に耕地面積の比較であるが、単位収量と同様に、実測値から乖離している国は存 在しているものの、全体的に見れば多くの値が実際に近い値となっている. ただし、大賀(1998)では FAO の精度について、 「有効数字 6 桁であるが、換算率等を 加味すれば、その精度は 3 桁程度であろう」と述べている(大賀、1998.77 ページ).ま た、統計が各国の担当者からの報告を積み上げたものであり、その報告が正確でない場合 もあり、例えば同じ値が何年か続くことがある. 4 単位収量は年によって数値にばらつきが生じるため、3 年間の平均を用いている. 3 24 以上のことから、2000 年における予測結果はほぼ実際の値に近くなっており、モデ ルの整合性は認められる.しかし、国によっては誤差が生じていることから、そうし た国に対してはパラメータの調整が必要であると考えられる. 25 100 120 90 100 80 70 80 60 50 60 Egypt Morocco 40 40 30 Yemen 20 20 10 Turkmenistan Venezuela 0 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 図 4-4.米の単位収量の比較(単位:100kg/Ha) 20 40 60 80 100 120 図 4-6.小麦の単位収量の比較(単位:100kg/Ha) 120 40 35 100 Swaziland 30 80 25 Zambia 60 20 15 Syria 40 Viet Nam 20 Philippine Niger Indonesia 10 5 Malaysia Spain 0 0 0 20 40 60 80 100 図 4-5.とうもろこしの単位収量の比較(単位:100kg/Ha) 120 0 5 10 15 20 25 30 35 40 図 4-7.大豆の単位収量の比較(単位:100kg/Ha) 26 100000000 100000000 10000000 10000000 1000000 1000000 100000 100000 10000 10000 1000 1000 Saudi Arabia 10000 100000 1000000 10000000 100000000 1000 1000 図 4-8.米の耕地面積の比較(単位: Ha) 10000 100000 1000000 10000000 100000000 図 4-10.小麦の耕地面積の比較(単位: Ha) 100000000 100000000 10000000 10000000 1000000 1000000 100000 100000 10000 10000 Syria Papua New Guinea 1000 1000 10000 100000 1000000 Bhutan 10000000 100000000 図 4-9.とうもろこしの耕地面積の比較(単位: Ha) 1000 1000 10000 100000 1000000 10000000 100000000 図 4-11.大豆の耕地面積の比較(単位: Ha) 27 4.2.2. MODIS データとの データとの比較 との比較 空間的に実際の値との整合性をみるために、2000 年における予測結果と MODIS による土 地被覆データとの比較を行った.予測結果については 4 品目の耕地を合計したものを用い、 MODIS のデータについてはボストン大学、”MODIS Land Cover and Land Cover Dynamics Products”を用いた.MODIS 画像は、TERRA/AQUA 衛星に搭載された MODIS 画像をもとに し、全球レベルでの土地被覆分類を作成したものである(Boston University、2001). 比較結果については図 に示している.MODIS、予測結果の両者について一致する部分 はアメリカ中部、南米、インド、中国、欧州などである.しかし、アフリカではほとんど 一致しておらず、南部にある耕地を捉えていない.また、MODIS データのみ存在し、予測 結果にはない部分はカナダ中部、ロシアおよび東欧、中国東北部、オーストラリア西南部 などである.特にロシア西部から東欧にかけては広い範囲で一致していない部分がある. 逆に予測結果のみ存在する部分はアメリカ東部と南部、アフリカ中部にあり、ヨーロッパ、 インド、中国、東南アジア等ではまばらに分布している. ただし、MODIS によるデータは一時点のデータであり、分類や調整が不十分であるとい う意見もある.Giri et al.(2005)では、他の衛星による画像と比較した場合に、シベリア南部、 サヘル地域、ブラジル、南豪、チベット高原の 5 地域については整合性が乏しいことが指 摘されている.その理由として、同種の衛星画像を用いた場合でも、分類アプローチによ り差異が生じているということ、各分類の定義が異なっていることが指摘されている.さ らに、予測結果については 4 品目の耕地でしかないが、MODIS の場合は 4 品目以外の作物、 例えばライ麦などの粗粒穀物についても含めているため、その範囲は大きくなると考えら れる. 4.2.1.で国別の統計との比較を、本節では空間的な土地被覆との比較を行い、2 つの異な る方法によって比較を行ったが、その結果は現実をよく反映していることが明らかになっ た.これは統合モデルにおける挙動が現実に近いかたちで推移していることであり、モデ ルが現実との整合性があるということである. 28 図 4-12.予測結果における 4 品目合計の耕地分布(2000 年) 29 出所)Boston University (2001) 図 4-13.MODIS による農耕地の空間分布 30 図 4-14.MODIS と予測結果の一致部分 31 図 4-15.不一致部分 1(予測結果のみ存在する部分) 32 図 4-16.不一致部分 2(MODIS のみ存在する部分) 33 5. 予測結果の 予測結果の考察 5.1. 国際価格の 国際価格の変化 4.1.で設定したシナリオを用いて 2020 年までの予測を行った.まず、はじめに国際価格 の変化について述べる.品目ごとの国際価格の推移について図 4-17 から図 4-20 に示してい る. すべての品目において、かついずれのシナリオにおいても国際価格が上昇することが示 された.米の国際価格は 2000 年まで低下するが、その後は上昇を続け、もっとも高くなる A1 シナリオでは 1995 年比の 180%増となった.しかし、A2 シナリオの価格変化は著しく、 経年するごとに変化幅が大きくなっており、2017 年から 2018 年にかけて 1995 年比の約 40% 上昇している.とうもろこしと小麦については米と同様に 2000 年までは低下するが、その 後は上昇する.また、A2 シナリオは変化幅が大きくなっており、その変動は小麦の価格と 連動している.これはとうもろこしと小麦の生産される地域が比較的同じようなところに 存在するのではないかと考えられる.大豆については他の品目に比べて価格変化が安定し ている.特に 2010 年以降は変化率が、他の品目において安定していなかった A2 シナリオ においてもそれほど大きくないが、2010 年以降はほぼ線形で上昇する. 価格が変動する理由であるが、米は東南アジアを中心に生産され、ほぼ同様の地域で消 費される.そのため、貿易に出回る量が相対的に少なくなるために価格の調整幅が大きく なるのではないかと考えられる. 34 170 160 A1 A2 150 140 B1 B2 130 120 110 100 90 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 図 5-1.米の国際価格の推移(1995 年=100) 140 130 A1 A2 120 B1 B2 110 100 90 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 図 5-2.とうもろこしの国際価格の推移(1995 年=100) 35 160 150 A1 140 A2 B1 130 B2 120 110 100 90 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 図 5-3.小麦の国際価格の推移(1995 年=100) 200 180 A1 A2 160 B1 B2 140 120 100 80 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 図 5-4.大豆の国際価格の推移(1995 年=100) 36 5.2. 生産に 生産に与える単位収量 える単位収量の 単位収量の効果と 効果と耕地面積の 耕地面積の効果 表 4-2 から表 4-5 は各シナリオにおいて生産量の変化を、単位収量、耕地面積の変化につ いて分けて表したものである.いずれのシナリオ、および品目においても世界全体での生 産量が増加しており、耕地拡大には制約があると考えている既存の研究の反論となってい る.さらに大豆を除く品目においては耕地拡大が生産量増加の要因となっているが、大豆 の場合は単位収量が増加要因である.シナリオごとに値の大小はあるものの、成長の方向 はほぼ同じであり、モデルの整合性が取れている.なお、アメリカ、EC12 の小麦、EC12 のとうもろこし、アメリカ、EC12、日本の米の値が、シナリオを変化させてもあまり変わ らないのは、各地域における不足支払い制度や、あるいは生産者価格保護によってある一 定水準の価格が維持されているためである. 以下ではシナリオごとにその影響についてみる. A1 シナリオにおいては、小麦の生産量はナイジェリアとパキスタンで減少する以外はす べての国において増加している.しかし、アメリカやブラジルでは耕地面積は減少し、単 位収量の伸びによって生産が拡大している.とうもろこしでは小麦と比較して耕地面積の 拡大による効果が、大きくなっている.東南アジアのバングラデシュやインドネシアは生 産量が低下しており、単位収量の変化も負値か、低い値である.このことから、気候変動 が東南アジアでの生産量を減少させる要因となると考えられる.米の場合、小麦と同様に 耕地面積の増加が生産量増加の原因である.東欧や旧ソ連における増加率は年平均約 8%で あり、これはもともとの生産量が少ないせいでもあるが、高緯度ほど生産が多くなるとみ ることができる.大豆ではアメリカの耕地面積減少分を単位収量の増加によりカバーして いるように、単位収量の増加により生産量が伸びる.しかし、オーストラリアや東欧、パ キスタンでは単位収量と耕地面積が減少している. A2 シナリオでは世界合計で見ると A1 シナリオに比べて耕地面積の拡大による効果が小 さくなっている.これは穀物の価格が A1 シナリオでは高価格で推移するのに比べると価格 の上昇が低く、耕地拡大に及ぼす動機になりにくかったのではないかと考えられる.小麦 においてはカナダ、旧ソ連、エジプト、韓国で大幅な生産増となっているが、エジプトと 韓国は単位収量の増加が要因であり、カナダと旧ソ連は耕地面積の拡大が要因である.と うもろこしにおいては東南アジアにおいて生産量が減少しており、これはバングラデシュ の場合は生産性の低下、それ以外の国では耕地の減少によるものである.A1 シナリオでは 低下していたオーストラリアの単位収量による効果が負値から正値となったのは、耕地を 拡大するより集約的に生産するようになったためではないかと考えられる.米でもっとも 劇的な変化となっているのは東欧である.年率で 27%というやや非現実な伸びをしている が、それは耕地拡大によるものである.これは初期の耕地面積が小さいこともあるが拡大 の速度が非常に劇的である.大豆における東欧の生産量は減少に転じているため、大豆か ら米への転作があったと考えられる. 37 B1 シナリオは A1 シナリオと同じ人口成長率で、経済成長率も似ているため、A1 シナリ オとほぼ同じような結果が示されている.しかし、全体的に単位収量による増加分は小さ くなっており、耕地面積による効果も同様である.B2 シナリオはほぼ A1 シナリオと A2 シ ナリオの中間程度の成長率となっている. ここまで、各シナリオにおいて、地域ごとの変化分について考察してきたが、とうもろ こしや米においては生産量の増加率が年率 10%を超える地域が存在しており、それは耕地 面積の拡大によるものであることがわかった.こうした現象はもともとの値が小さいため に変化分が大きくなってしまうこともあるが、過去の趨勢から考えるとやや非現実的なも のである.したがってこのことはモデルにおけるパラメータを修正する必要を示唆してい ると考えられる. 図 4-22 は価格変化が比較的安定している A1 シナリオにおいて、1995 年と 2020 年の土地 利用変化を表したものである.また、図 4-23 は各品目において耕地が拡大した部分のみを 抽出したものである.この図によれば、米の耕地面積はアメリカ中部、ブラジル、インド 西南部、東南アジア、中国東部で拡大していることがわかる.とうもろこしでは米と似た 地域で増加しているほか、メキシコやアフリカのサヘル地域、インド東部などで拡大しい ている.小麦はほかの品目と比べて異なる地域で拡大しており、その地域はオーストラリ アやインドから中東にかけての地域、ロシアから欧州にかけての地域である.どちらかと いえば高緯度の地域が該当するため、気候変化によって拡大可能になったと考えられる. 大豆の場合はそれほど多くの点で増加はしておらず、拡大した地域としてはアメリカ東部、 中国南部、ブラジルなどが該当する.この図では 4 品目すべてで耕地拡大の可能性がある ことを示唆している. 38 表 5-1.A1 シナリオにおける年平均成長率 (単位:%) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 USA EC12 Japan OWEuro Canada Australia NZ ODPed EEuro USSR Mexico Brazil Argentina OLAmer Nigeria OthAfrica Egypt ONEast India Pakistan Bangladesh Indonesia Thailand Malaysia Philippine China Korea OFEast ODPing World 生産量 0.35 0.86 0.82 3.40 4.33 1.19 4.32 2.31 0.76 2.76 5.14 0.12 4.42 5.61 -4.27 0.65 5.95 2.17 2.37 -0.53 3.15 5.24 2.22 2.11 小麦 とうもろこし 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 0.60 -0.23 1.99 0.84 0.98 0.48 0.35 0.40 0.09 0.32 0.43 0.36 0.26 3.00 3.59 0.43 2.91 0.80 3.05 4.48 1.40 2.41 0.31 0.84 3.27 -0.19 3.59 0.31 3.78 1.18 -0.77 2.31 1.06 1.03 3.07 1.60 1.12 0.79 -0.03 4.82 1.05 3.12 0.64 1.89 9.49 0.95 7.17 2.56 1.71 3.58 1.36 1.75 0.53 -0.38 1.18 0.23 0.91 0.94 2.93 3.04 0.19 2.75 0.95 3.92 3.87 0.46 3.12 0.64 -4.35 4.75 1.71 2.27 0.40 0.24 5.23 1.23 3.22 4.74 0.62 1.04 1.09 -0.04 1.30 0.69 3.65 0.95 2.26 1.25 0.90 1.56 0.72 0.74 0.49 -0.93 2.39 0.50 1.73 -2.18 -0.78 -1.65 -1.31 0.38 -1.56 0.34 0.59 -0.22 -1.72 -0.04 -1.70 -1.43 0.30 -1.63 1.01 1.79 1.14 0.64 0.44 3.86 0.78 0.96 0.68 0.25 0.30 1.82 -0.61 0.20 -0.78 -0.59 1.11 -1.39 1.29 1.14 2.15 0.71 1.47 生産量 4.02 1.69 0.42 8.84 8.24 5.57 6.67 8.31 5.53 -2.58 4.25 -0.16 4.71 0.28 1.13 2.30 2.12 0.53 3.13 2.05 3.07 1.96 1.03 0.58 2.06 2.11 1.93 米 大豆 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 1.08 2.41 0.08 0.11 -0.03 0.40 1.19 1.77 -0.62 2.73 0.50 -0.08 4.06 0.41 3.39 10.26 2.36 5.34 3.76 1.45 1.80 0.21 8.32 -1.78 -0.56 -1.38 1.61 1.45 0.24 1.03 0.15 -0.37 0.19 0.95 0.06 0.41 1.11 0.46 1.30 0.41 0.56 0.46 0.17 0.10 0.32 0.41 0.24 0.29 0.53 5.01 3.17 6.14 6.03 5.24 -2.39 3.92 -0.93 4.59 -0.12 0.01 1.69 0.66 0.12 2.32 1.46 2.81 1.82 0.67 0.16 1.75 1.73 1.66 1.09 -3.91 3.96 -0.14 0.40 0.72 1.64 -2.38 5.98 0.64 -0.45 1.08 0.69 0.08 0.48 0.12 0.36 2.27 0.40 -3.80 2.37 -0.73 0.31 0.23 1.49 -2.55 2.56 1.14 0.68 -2.51 0.64 3.73 -0.66 0.46 -1.75 -2.13 0.78 2.87 0.81 0.52 0.76 0.83 0.23 1.84 -0.01 0.64 0.81 0.18 表 5-2.A2 シナリオにおける年平均成長率 (単位:%) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 USA EC12 Japan OWEuro Canada Australia NZ ODPed EEuro USSR Mexico Brazil Argentina OLAmer Nigeria OthAfrica Egypt ONEast India Pakistan Bangladesh Indonesia Thailand Malaysia Philippine China Korea OFEast ODPing World 生産量 0.46 0.86 0.86 1.73 3.25 0.93 2.49 2.02 1.04 2.24 3.79 0.29 3.65 3.49 -2.97 0.56 5.97 2.01 1.92 -0.06 2.50 4.13 1.58 1.77 小麦 とうもろこし 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 0.60 -0.13 1.79 0.88 0.77 0.48 0.36 0.41 0.09 0.32 0.43 0.40 0.36 1.28 2.98 0.48 2.29 0.85 2.05 3.38 1.50 1.45 0.37 0.52 1.49 0.19 1.30 0.39 1.95 0.18 -0.82 1.18 1.08 0.78 2.90 1.66 0.94 0.88 0.14 3.37 1.14 1.83 0.73 1.31 5.41 0.93 3.79 2.42 0.91 3.12 1.42 1.33 0.63 -0.31 0.78 0.32 0.44 1.01 2.18 2.32 0.37 1.85 0.87 2.24 2.24 0.57 1.52 0.61 -3.20 3.73 1.76 1.47 0.39 0.16 3.80 1.44 1.84 4.74 0.63 0.31 0.75 -0.38 1.37 0.50 2.51 0.89 1.37 1.24 0.55 0.75 0.71 0.04 0.65 -0.64 1.47 0.55 0.83 -1.52 -0.71 -0.94 -1.23 0.42 -1.52 0.21 0.61 -0.35 -1.96 0.17 -2.06 -1.08 0.38 -1.36 1.02 1.24 0.89 0.68 0.19 3.86 0.15 0.84 0.67 0.15 0.46 1.03 -0.38 0.36 -0.69 -0.57 0.97 -1.29 1.32 0.79 1.66 0.54 0.84 生産量 4.20 1.69 0.45 8.31 7.70 27.26 5.89 8.33 4.09 -1.40 4.11 0.72 4.03 0.40 1.18 2.24 2.32 0.51 2.52 1.82 2.16 1.53 1.07 0.56 1.85 1.59 1.80 米 大豆 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 1.09 2.54 0.17 0.13 0.04 0.40 1.19 1.58 -0.61 2.48 0.50 -0.04 3.04 0.46 2.37 5.66 2.28 2.32 4.04 1.43 2.03 0.23 7.75 -1.08 -0.49 -0.65 3.19 1.34 0.29 0.93 0.26 -0.30 0.29 0.97 0.22 0.38 1.05 0.50 1.27 0.43 0.61 0.48 0.26 0.16 0.41 0.44 0.29 0.31 0.62 2.69 19.90 5.28 6.21 3.67 -1.17 3.64 -0.24 3.66 -0.09 0.11 1.59 0.83 0.08 1.71 1.22 1.81 1.33 0.61 0.12 1.47 1.21 1.42 1.79 -3.32 4.00 0.69 0.71 0.87 1.56 -1.48 5.96 0.70 -0.25 1.04 0.59 0.11 0.48 0.16 0.35 2.16 0.96 -3.23 2.45 0.09 0.59 0.36 1.36 -1.71 2.65 1.92 1.41 -1.43 0.76 3.80 0.05 1.03 -1.36 -1.48 1.03 2.21 1.19 0.54 0.77 0.82 0.21 1.41 -0.02 0.58 0.60 0.22 39 表 5-3.B1 シナリオにおける年平均成長率 (単位:%) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 USA EC12 Japan OWEuro Canada Australia NZ ODPed EEuro USSR Mexico Brazil Argentina OLAmer Nigeria OthAfrica Egypt ONEast India Pakistan Bangladesh Indonesia Thailand Malaysia Philippine China Korea OFEast ODPing World 生産量 0.46 0.86 0.87 1.90 3.90 1.19 2.56 1.90 0.70 2.84 4.50 -0.11 4.41 4.81 -4.12 0.57 6.21 2.09 2.01 -0.39 2.82 4.40 1.90 1.97 小麦 とうもろこし 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 0.60 -0.13 1.79 0.88 0.78 0.48 0.36 0.41 0.09 0.32 0.43 0.41 0.36 1.44 3.56 0.44 2.87 0.82 2.66 4.02 1.43 2.02 0.32 0.82 1.57 0.03 1.55 0.38 2.03 0.94 -0.77 2.01 1.08 0.68 2.97 1.63 1.01 0.82 -0.11 4.44 1.06 2.79 0.72 1.85 6.89 0.98 4.94 2.51 1.32 3.38 1.39 1.56 0.59 -0.62 0.99 0.27 0.69 0.94 2.92 2.93 0.22 2.61 0.96 3.23 3.38 0.50 2.63 0.78 -4.24 5.19 1.71 2.59 0.39 0.17 4.80 1.28 2.81 4.90 0.67 0.79 1.03 -0.20 1.33 0.60 3.33 0.94 2.01 1.25 0.61 1.51 0.73 0.69 0.55 -0.85 2.08 0.51 1.44 -1.61 -0.58 -1.17 -1.49 0.46 -1.78 0.03 0.60 -0.51 -2.58 0.19 -2.67 -1.37 0.36 -1.61 1.04 1.47 1.06 0.65 0.36 3.86 0.30 1.07 0.68 0.35 0.40 1.39 -0.51 0.28 -0.74 -0.18 0.86 -0.89 1.33 1.01 1.90 0.54 1.20 生産量 4.20 1.68 0.44 7.02 14.50 3.81 5.29 7.84 4.84 -2.95 3.61 -1.10 4.10 0.31 0.98 2.21 2.11 0.52 2.86 1.89 2.59 1.73 1.03 0.57 1.92 1.75 1.80 米 大豆 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 1.09 2.54 0.15 0.13 0.01 0.40 1.19 1.52 -0.61 2.42 0.50 -0.05 3.58 0.42 2.92 7.53 2.35 3.52 3.77 1.46 1.79 0.24 6.52 -1.88 -0.60 -1.45 1.85 1.52 0.24 1.04 0.19 -0.32 0.25 0.93 0.15 0.40 1.02 0.49 1.30 0.42 0.58 0.47 0.22 0.13 0.36 0.43 0.27 0.31 0.52 9.23 1.77 4.82 5.63 4.49 -2.81 3.21 -1.72 3.84 -0.09 -0.03 1.57 0.64 0.09 2.05 1.30 2.28 1.56 0.63 0.14 1.58 1.36 1.48 2.09 -3.72 3.89 -0.04 0.42 0.66 1.45 -2.27 5.71 0.63 -0.44 1.05 0.66 0.10 0.48 0.13 0.37 2.27 1.29 -3.59 2.34 -0.61 0.32 0.16 1.29 -2.45 2.37 1.11 1.15 -1.64 0.62 3.78 0.09 0.45 -1.50 -1.70 0.77 2.40 0.80 0.54 0.77 0.82 0.21 1.41 -0.02 0.44 0.58 0.08 表 5-4.B2 シナリオにおける年平均成長率 (単位:%) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 USA EC12 Japan OWEuro Canada Australia NZ ODPed EEuro USSR Mexico Brazil Argentina OLAmer Nigeria OthAfrica Egypt ONEast India Pakistan Bangladesh Indonesia Thailand Malaysia Philippine China Korea OFEast ODPing World 生産量 0.45 0.86 0.87 2.00 3.89 1.15 2.86 2.02 0.80 2.81 4.82 -0.05 4.21 4.83 -4.21 0.60 6.23 2.12 2.15 -0.29 2.89 4.48 1.98 2.01 小麦 とうもろこし 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 0.60 -0.13 1.83 0.87 0.82 0.48 0.36 0.41 0.09 0.32 0.43 0.41 0.34 1.55 3.36 0.46 2.67 0.82 2.65 3.92 1.43 1.94 0.32 0.78 1.44 0.05 1.38 0.36 2.34 0.73 -0.76 1.75 1.08 0.78 2.94 1.63 0.99 0.82 -0.01 4.29 1.07 2.66 0.72 1.82 7.22 1.00 5.19 2.51 1.53 3.37 1.39 1.55 0.59 -0.57 0.97 0.27 0.67 0.96 2.73 2.95 0.22 2.62 0.94 3.28 3.29 0.50 2.54 0.72 -4.31 4.82 1.70 2.33 0.40 0.19 4.76 1.29 2.76 4.89 0.68 0.76 1.01 -0.21 1.33 0.63 3.20 0.95 1.89 1.24 0.73 1.40 0.73 0.60 0.59 -0.79 1.97 0.51 1.33 -1.60 -0.62 -1.12 -1.59 0.42 -1.86 0.12 0.61 -0.44 -2.40 0.13 -2.47 -1.34 0.36 -1.59 1.04 1.54 1.05 0.66 0.35 3.86 0.35 1.06 0.66 0.36 0.40 1.47 -0.52 0.28 -0.76 -0.25 0.92 -0.99 1.32 1.03 1.91 0.54 1.19 生産量 4.18 1.70 0.44 6.59 14.50 3.25 4.76 7.00 4.69 -3.02 3.46 -0.65 4.03 0.30 0.92 2.16 2.06 0.52 2.82 1.83 2.63 1.70 1.02 0.58 1.89 1.70 1.77 米 大豆 単位収量 耕地面積 生産量 単位収量 耕地面積 1.09 2.53 0.10 0.13 -0.03 0.40 1.21 1.39 -0.62 2.28 0.50 -0.05 3.58 0.42 2.92 8.33 2.39 4.01 3.79 1.45 1.81 0.24 6.11 -1.74 -0.59 -1.30 1.85 1.42 0.23 1.06 0.20 -0.32 0.25 0.95 0.15 0.40 1.03 0.50 1.31 0.42 0.58 0.48 0.20 0.14 0.37 0.42 0.27 0.31 0.52 9.23 1.41 4.36 4.89 4.34 -2.88 3.06 -1.34 3.76 -0.09 -0.09 1.52 0.60 0.09 2.01 1.23 2.33 1.52 0.61 0.15 1.54 1.31 1.43 1.88 -3.68 3.88 -0.07 0.40 0.64 1.39 -2.43 5.70 0.67 -0.42 1.05 0.67 0.10 0.48 0.13 0.37 2.29 1.07 -3.56 2.34 -0.65 0.30 0.15 1.22 -2.61 2.34 1.03 1.10 -1.86 0.69 3.79 -0.11 0.31 -1.53 -1.81 0.76 2.40 0.79 0.53 0.75 0.81 0.20 1.44 -0.02 0.42 0.59 0.06 40 図 5-5.1995 年(上)と 2020 年(下)における 4 品目の耕地の分布 〔A1 シナリオ〕 41 図 5-6.A1 シナリオにおいて 1995 年から 2020 年にかけて増加した耕地の分布 (左上:米、右上:とうもろこし、左下:小麦、右下:大豆) 42 5.3. 空間モデル 空間モデルとの モデルとの統合 との統合しない 統合しない場合 しない場合との 場合との比較 との比較 空間モデルとの統合を行わずに、IFPSIM のみを用いて予測を行った結果と、統合した結 果との比較を行った.表 4-6 は統合前と統合後における価格上昇率を表したものである. IFPSIM のみで所領需給予測を行う場合、経済成長率が比較的高く設定されている A1 シ ナリオにおけるとうもろこしの 1988-1990 年の平均価格比 126 が、価格上昇としては最大で あり、A2 シナリオでは小麦、米については 100 を下回っており、価格が低下すると考えら れている.しかし、空間モデルとの統合を行った場合にはとうもろこしを除いて 10 から 80 程度上昇している.特に、米と大豆については 30 から 80 程度の上昇であり、このことは 米と大豆については定率で単位収量成長率を与える場合に比べ、土地の利用可能性と気候 変動を考慮すると、生産量が減少することであると考えられる.とうもろこしの場合は他 の 3 品目と異なり、統合後の価格上昇はそれほど大きくなく、A2 を除く 3 シナリオでは統 合前に比べ低下している. 以上のことから、とうもろこしの生産可能性について経済モデルは過少評価しており、 資源の制約をそれほど受けないのではないかと考えられる.しかし、それ以外の米、小麦、 大豆については環境の制約が大きく影響している.IFPSIM では単位収量の変化率を一定の 数値に設定しているため、ある程度は単位収量の増加することで生産量が増加するように なっている5.したがって、3 品目については、資源制約によって生産量の減少が表れると 考えられる. IFPSIM では過去の単位収量の変化分を参考にして、単位収量の成長率を決定している.しか し、モデル製作者の大賀氏は、 「過去の傾向値が同じ伸び率で今後、長期間にわたって続くとみ ることには疑問である」と述べている(大賀、1998.105 ページ) . 5 43 表 5-5.統合による価格上昇率の変化 統合前 シナリオ 品目 1988-1990年 2018-2020年 平均(A) 平均(B) 統合後 価格比 (B)/(A) 1988-1990年 2018-2020年 平均(C) 平均(D) 価格比 (C)/(D) 統合による 増加比率 A1 小麦 とうもろこし 米 大豆 97 95 213 214 119 120 222 247 122 126 104 115 97 95 213 214 146 116 334 411 150 123 157 192 28 -4 53 77 A2 小麦 とうもろこし 米 大豆 97 95 213 214 90 96 201 222 93 101 95 104 97 95 213 214 106 97 267 300 109 103 126 140 16 2 31 36 B1 小麦 とうもろこし 米 大豆 97 95 213 214 107 111 216 233 110 117 102 109 97 95 213 214 123 107 310 348 126 113 146 162 16 -4 44 54 B2 小麦 とうもろこし 米 大豆 97 95 213 214 110 116 215 242 113 123 101 113 97 95 213 214 119 111 313 366 122 117 147 171 9 -5 46 58 44 5.4. 予測結果のまとめ 予測結果のまとめと のまとめと今後の 今後の課題 統合モデルを用いて将来の食料需給予測を行った結果、4 品目すべてについて将来的には 価格が上昇することが示された.また、大豆の価格変化は比較的安定しているものの、シ ナリオによっては 2010 年以降に価格の変動幅が大きくなった.このことから、モデルの修 正が必要であると考えられる. また、生産量の変化が単位収量と耕地面積のどちらの効果によるものかを比較したとこ ろ、単位収量の伸びだけでなく、耕地拡大による生産量の増加が示された.これは耕地拡 大の資源制約があまりないということであるが、地域によって減少するところもあり、土 地の利用可能性が示された. 次に、IFPSIM のみを統合を行わない場合との比較を行った.その場合、とうもろこしに 関しては統合することによって価格が低下しており、その生産可能性が経済モデルよりも 反映された結果となった.しかし、他の品目では価格は高くなり、資源制約が生産量の増 加をそぐ結果となった. 以上から、経済モデルと空間モデルを統合させることによって資源制約を導入した食料 需給予測を行うことができた.しかし、シナリオによってはモデルの挙動が不安定となる 場合があり、修正を行うことが必要である. 今後の課題として、まず、経済モデルにおいても土地利用選択モデルにおいても、価格 に対する弾力性や需要の所得弾力性などのパラメータを時系列方向への拡張することが必 要である.例えば、Ito et al.(1989)ではアジアにおける米はすでに劣等財であることを示し ており、エンゲル係数に代表されるように所得が上昇するほどに食料需要は増加しない. したがって、需要関数における弾力性値も所得の増加によって逓減させる必要がある.ま た、土地利用選択モデルは一時点による推計であるために、選好の変化は考慮していない. また、本研究では土地利用を決定する際に穀物の生産性と価格を用いているが、耕作地 の土地利用決定は農業部門だけではなく、その他都市や森林といった用途と競合するため、 農業以外の他の部門を含んだモデルとの統合を行わなければならない.特に、農地と土地 利用の面において競合する森林は、京都議定書採択以降、二酸化炭素の吸収源であるため に重要性が増している.したがって、林業モデルとの統合により、森林伐採と炭素税との トレードオフに加えて、土地利用における森林と農地との選択について考えることができ るのではないか.McCarl(2004)は農業と林業を扱う経済モデルが FASOM(Forest and Agricultural Sector Optimization Model)として構築されており、同様に森林部門を扱うモデ ルとの統合をする必要がある. さらに、近年、バイオエタノールの需要が増加しており、エネルギーとしての穀物需要 量が増加している.その影響は他の穀物の価格に波及することが考えられ、需要部分にエ ネルギー向けを導入することは十分に意義のあることである.今回のモデルにおいては灌 45 漑施設や肥料投入については技術進歩として一定の比率を考えていたが、穀物の価格が上 昇すればそれは投機であるために投資が増えることは十分に考えられる.今後は価格の変 化によって、資本投入が増加し、それによって生産性の伸びが変化するというロジックを 新たに加えていく必要がある. 以上を今後の課題とし、詳細なモデルの構築を行いたいと考えている. 46 付表1.IFPSIMにおける地域区分 1 USA United States of America 2 EC12 Belgium, Belgium-Luxembourg, Denmark, France, Germany, Germany, Federal Rep, Germany, New Lander, Greece, Ireland, Italy, Luxembourg, Netherlands, Portugal, Spain, United Kingdom 3 Japan 4 OWEuro 5 6 7 8 Canada Australia NZ ODPed 9 EEuro 10 USSR Japan Andorra, Austria, Channel Islands, Faeroe Islands, Finland, Gibraltar, Holy See, Iceland, Isle of Man, Liechtenstein, Malta, Monaco, Norway, San Marino, Svalbard and Jan Mayen, Sweden, Switzerland Canada Australia New Zealand Israel, South Africa Albania, Bosnia and Herzegovina, Bulgaria, Croatia, Czech Rep, Czechoslovakia, Hungary, Macedonia The Fmr Yug Rp, Poland, Romania, Serbia and Montenegro, Slovakia, Slovenia, Yugoslavia SFR Armenia, Azerbaijan, Rep of, Belarus, Estonia, Georgia, Kazakhstan, Kyrgyzstan, Latvia, Lithuania, Moldova Rep of, Russian Federation, Tajikistan, Turkmenistan, Ukraine, Uzbekistan Mexico 11 Mexico Brazil 12 Brazil 13 Argentina Argentina 14 OthLatin 15 Nigeria 16 OAfrica 17 Egypt 18 ONEAST 19 20 21 22 23 24 25 26 27 Anguilla, Antigua and Barbuda, Aruba, Bahamas, Barbados, Belize, Bolivia, British Virgin Islands, Cayman Islands, Chile, Colombia, Costa Rica, Cuba, Dominica, Dominican Rep, Ecuador, El Salvador, Falkland Is (Malvinas), French Guiana, Grenada, Guadeloupe, Guatemala, Guyana, Haiti, Honduras, Jamaica, Martinique, Montserrat, Netherlands Antilles, Nicaragua, Panama, Paraguay, Peru, Puerto Rico, Saint Kitts and Nevis, Saint Lucia, Saint Vincent/Grenadines, SouthGeorgia/Sandwich Is, Suriname, Trinidad and Tobago, Turks and Caicos Is, Uruguay, US Virgin Islands, Venezuela Bolivar Rep of Nigeria Algeria, Angola, Benin, Botswana, British Indian Ocean Ter, Burkina Faso, Burundi, Cameroon, Cape Verde, Central African Rep, Chad, Comoros, Congo Dem Rep of, Congo Rep of, Côte d'Ivoire, Djibouti, Equatorial Guinea, Eritrea, Ethiopia, Ethiopia PDR, Gabon, Gambia, Ghana, Guinea, Guinea-Bissau, Kenya, Lesotho, Liberia, Libyan Arab, Madagascar, Malawi, Mali, Mauritania, Mauritius, Mayotte, Morocco, Mozambique, Namibia, Niger, Réunion, Rwanda, Saint Helena, Sao Tome and Principe, Senegal, Seychelles, Sierra Leone, Somalia, Sudan, Swaziland, Tanzania United Rep of, Togo, Tunisia, Uganda, Western Sahara, Zambia, Zimbabwe Egypt Afghanistan, Bahrain. Cyprus, Gaza Strip (Palestine), Iran Islamic Rep of, Iraq, Jordan, Kuwait, Lebanon, Neutral Zone, Oman, Palestine Occupied Tr., Qatar, Saudi Arabia, Syrian Arab Rep, Turkey, United Arab Emirates, West Bank, Yemen India India Pakistan Pakistan Bangladesh Bangladesh Indonesia Indonesia Thailand Thailand Malaysia Malaysia Philippines Philippines China China Korea, Rep of Korea 28 OFEast Bhutan, Brunei Darussalam, Cambodia, Korea Dem People's Rep, Laos, Maldives, Mongolia, Myanmar, Nepal, Singapore, Sri Lanka, Timor-Leste, Viet Nam 29 ODPing American Samoa, Antarctica others, Bermuda, Bouvet Island, Canton and Enderbury Is, Christmas Island, Cocos (Keeling) Islands, Cook Islands, Fiji Islands, French Southern Ter, Greenland, Guam, Heard and McDonald Is, Johnston Island, Kiribati, Marshall Islands, Micronesia Fed States of, Midway Islands, Nauru, New Caledonia, Niue, Norfolk Island, Northern Mariana Is, Pacific Islands Trust Tr, Palau, Papua New Guinea, Pitcairn Islands, Saint Pierre & Miquelon, Samoa, Solomon Islands, Tokelau, Tonga, Tuvalu, US Minor Outlying Is, Vanuatu, Wake Island, Wallis and Futuna Is 47 付表 2.土地利用選択モデルにおける地域区分 地域番号 地域 1 North America 国名 Canada, Greenland, Mexico, USA Argentina, Belize, Bolivia, Brazil, Chile, Colombia, Costa Rica, Cuba, Dominican 2 Central-South Rep, Ecuador, El Salvador, French Guiana, Guatemala, Guyana, Haiti, Honduras, America Jamaica, Nicaragua, Panama, Paraguay, Peru, Puerto Rico, Suriname, Trinidad and Tobago, Uruguay, Venezuela Albania, Armenia, Austria, Azerbaijan, Belgium, Bosnia Herzegovina, Bulgaria, Belarus, Croatia, Czech Rep, Denmark, Estonia, Finland, France, Georgia, Germany, Greece, Hungary, Iceland, Ireland, Italy, Kazakhstan, Kyrgyzstan, 3 Europe and Central Asia Latvia, Lithuania, Luxembourg, Macedonia, Moldova Rep, Montenegro, Netherlands, Norway, Poland, Portugal, Romania, Russian Federation, Serbia, Slovakia, Slovenia, Spain, Sweden, Switzerland, Tajikistan, Turkmenistan, Ukraine, United Kingdom, Uzbekistan 4 Oceania Australia, New Zealand 5 East Asia China, Japan, Korea DPR, Korea Rep, Mongolia, Taiwan 6 South-East Asia 7 South Asia Bangladesh, Brunei Darussalam, Myanmar, Cambodia, Indonesia, Laos, Malaysia, Papua New Guinea, Philippines, Sri Lanka, Thailand, Viet Nam Bhutan, India, Nepal Afghanistan, Cyprus, Egypt, Iran, Iraq, Israel, Jordan, Kuwait, Lebanon, Libya, 8 West Asia Oman, Pakistan, Qatar, Saudi Arabia, Syria, Turkey, United Arab Emirates, Yemen Algeria, Angola, Benin, Botswana, Burkina Faso, Burundi, Cameroon, Central Africa Rep, Chad, Congo Rep, Djibouti, Equatorial Guinea, Eritrea, Ethiopia, Gabon, Gambia, Ghana, Guinea, Guinea-Bissau, Côte dIvoire, Kenya, Lesotho, 9 Africa Liberia, Madagascar, Malawi, Mali, Mauritania, Morocco, Mozambique, Namibia, Niger, Nigeria, Rwanda, Senegal, Sierra Leone, Somalia, South Africa, Sudan, Swaziland, Tanzania, Togo, Tunisia, Uganda, Zambia, Congo Dem Rep, Zimbabwe 48 付表 3-1.A1 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 (単位:%) 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPed 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLAmer 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18NEAsia 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24malaysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPing 19901995 2.655 2.266 1.853 2.266 2.266 1.853 1.853 3.581 -2.578 -2.578 3.363 3.363 3.363 3.289 3.612 3.565 3.517 3.215 4.674 4.674 4.674 4.674 4.674 4.674 4.674 8.086 4.674 6.051 4.674 19952000 2.582 2.233 1.811 2.233 2.233 1.811 1.811 3.167 -2.601 -2.601 3.187 3.187 3.187 3.126 3.190 3.154 3.116 2.940 4.498 4.498 4.498 4.498 4.498 4.498 4.498 8.036 4.498 6.066 4.498 経済成長率 200120062005 2010 2.368 2.362 2.040 2.069 1.700 1.750 2.040 2.069 2.040 2.069 1.700 1.750 1.700 1.750 7.122 6.835 6.355 6.388 6.355 6.388 7.156 7.137 7.156 7.137 7.156 7.137 6.714 6.779 6.918 6.626 7.232 6.946 7.557 7.266 6.206 6.233 7.291 7.253 7.291 7.253 7.291 7.253 7.291 7.253 7.291 7.253 7.291 7.253 7.291 7.253 8.530 8.579 7.291 7.253 7.878 7.901 7.291 7.253 20112015 2.434 2.148 1.794 2.148 2.148 1.794 1.794 7.487 7.370 7.370 8.224 8.224 8.224 7.879 7.183 7.646 8.095 7.156 8.360 8.360 8.360 8.360 8.360 8.360 8.360 10.335 8.360 9.360 8.360 20162020 2.169 1.939 1.647 1.939 1.939 1.647 1.647 5.437 5.374 5.374 5.813 5.813 5.813 5.639 5.275 5.519 5.748 5.260 5.879 5.879 5.879 5.879 5.879 5.879 5.879 6.784 5.879 6.354 5.879 19901995 0.743 0.363 0.261 0.654 0.869 1.354 1.411 2.087 -0.021 0.206 1.969 1.685 1.561 2.093 2.950 2.650 1.927 2.703 1.668 2.175 2.155 0.612 0.414 1.317 1.300 1.772 -0.064 2.044 1.322 19952000 0.950 0.285 0.382 0.249 0.830 1.280 1.078 2.037 0.187 0.197 1.739 1.404 1.353 1.875 3.096 2.864 2.260 2.621 1.661 2.646 2.067 1.368 1.313 2.048 1.972 0.834 0.776 1.479 2.015 人口増加 200120062005 2010 0.820 0.787 0.177 0.118 0.296 0.173 0.077 0.011 0.721 0.703 1.168 1.035 0.911 0.747 1.220 0.502 0.166 0.123 0.194 0.253 1.356 1.198 1.160 1.084 1.123 1.037 1.556 1.458 2.824 2.610 2.708 2.557 2.030 1.758 2.510 2.445 1.422 1.253 2.439 2.399 1.969 1.826 1.113 1.076 1.060 0.949 1.610 1.544 1.719 1.588 0.497 0.415 0.617 0.580 1.206 1.098 1.878 1.930 20112015 0.787 0.089 0.046 0.026 0.708 0.966 0.628 0.092 0.043 0.241 1.049 0.983 0.919 1.320 2.331 2.337 1.533 2.262 1.064 2.373 1.697 1.052 0.841 1.347 1.318 0.358 0.482 1.065 1.874 20162020 0.776 0.072 -0.047 0.060 0.680 0.915 0.555 -0.106 -0.043 0.167 0.905 0.850 0.793 1.161 1.985 2.090 1.414 2.061 0.891 2.113 1.442 0.926 0.740 1.188 1.115 0.242 0.389 1.000 1.693 付表 3-2.A2 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 (単位:%) 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPed 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLAmer 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18NEAsia 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24malaysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPing 19901995 2.618 2.163 2.229 2.163 2.163 2.229 2.229 3.432 -3.904 -3.904 3.613 3.613 3.613 3.509 3.017 3.017 3.017 3.716 4.489 4.489 4.489 4.489 4.489 4.489 4.489 6.395 4.489 5.088 4.489 19952000 1.897 1.639 1.605 1.639 1.639 1.605 1.605 3.264 1.072 1.072 3.584 3.584 3.584 3.418 2.993 2.993 2.993 3.255 3.972 3.972 3.972 3.972 3.972 3.972 3.972 5.372 3.972 4.436 3.972 経済成長率 200120062005 2010 1.956 1.975 1.675 1.678 1.680 1.716 1.675 1.678 1.675 1.678 1.680 1.716 1.680 1.716 3.798 4.312 1.999 2.896 1.999 2.896 3.793 3.952 3.793 3.952 3.793 3.952 3.625 3.786 3.716 4.405 3.716 4.405 3.716 4.405 3.427 3.609 4.118 4.235 4.118 4.235 4.118 4.235 4.118 4.235 4.118 4.235 4.118 4.235 4.118 4.235 5.123 4.842 4.118 4.235 4.465 4.450 4.118 4.235 20112015 1.846 1.576 0.799 1.576 1.576 0.799 0.799 5.344 2.776 2.776 3.475 3.475 3.475 3.348 5.466 5.466 5.466 4.382 4.127 4.127 4.127 4.127 4.127 4.127 4.127 4.461 4.127 4.247 4.127 20162020 1.842 1.564 0.843 1.564 1.564 0.843 0.843 5.477 3.668 3.668 3.516 3.516 3.516 3.396 5.831 5.831 5.831 4.198 4.115 4.115 4.115 4.115 4.115 4.115 4.115 4.103 4.115 4.111 4.115 19901995 0.743 0.363 0.261 0.654 0.869 1.354 1.411 2.087 -0.021 0.206 1.969 1.685 1.561 2.093 2.950 2.650 1.927 2.703 1.668 2.175 2.155 0.612 0.414 1.317 1.300 1.772 -0.064 2.044 1.322 19952000 1.053 0.360 0.456 0.326 0.910 1.397 1.211 2.095 0.282 0.339 1.982 1.603 1.547 2.123 3.202 2.978 2.375 2.776 1.747 2.778 2.177 1.604 1.520 2.327 2.284 1.146 0.911 1.810 2.353 人口増加 200120062005 2010 0.988 0.918 0.248 0.138 0.415 0.227 0.134 0.018 0.857 0.737 1.339 1.177 1.137 0.951 1.403 0.636 0.329 0.240 0.470 0.511 1.815 1.649 1.671 1.624 1.478 1.400 1.974 1.859 3.040 2.723 2.908 2.724 2.355 2.233 2.833 2.771 1.574 1.438 2.679 2.576 2.350 2.160 1.592 1.553 1.420 1.249 1.963 1.849 2.358 2.063 1.067 0.955 0.772 0.632 1.780 1.767 2.413 2.317 20112015 0.900 0.078 0.037 0.008 0.695 1.072 0.830 0.242 0.116 0.480 1.531 1.482 1.354 1.774 2.405 2.520 2.001 2.651 1.289 2.504 1.998 1.473 1.117 1.705 1.760 0.926 0.475 1.698 2.248 20162020 0.883 0.044 -0.098 0.027 0.673 1.008 0.774 0.126 0.016 0.424 1.438 1.384 1.322 1.699 2.107 2.319 1.946 2.529 1.157 2.311 1.813 1.354 1.004 1.606 1.580 0.879 0.377 1.629 2.136 49 付表 3-3.B1 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 (単位:%) 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPed 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLAmer 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18NEAsia 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24malaysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPing 19901995 1.998 1.141 1.622 1.141 1.124 1.301 1.301 0.295 -0.367 -9.914 2.440 2.440 2.440 2.440 -0.250 -0.250 -0.250 1.549 4.472 4.472 4.472 7.659 7.659 7.659 7.659 11.290 7.659 8.476 1.301 19952000 2.620 2.453 2.843 2.453 2.620 3.348 3.348 6.021 2.069 0.879 6.441 6.441 6.441 6.441 6.174 6.174 6.174 5.754 6.458 6.458 6.458 5.718 5.718 5.718 5.718 4.383 5.718 5.328 3.348 経済成長率 200120062005 2010 2.433 2.599 2.437 2.434 2.715 2.611 2.437 2.434 2.433 2.599 2.691 2.269 2.691 2.269 6.225 6.727 3.488 4.308 2.362 4.360 5.989 5.827 5.989 5.827 5.989 5.827 5.989 5.827 6.384 7.161 6.384 7.161 6.384 7.161 5.934 5.893 6.533 7.403 6.533 7.403 6.533 7.403 5.855 5.645 5.855 5.645 5.855 5.645 5.855 5.645 5.265 5.321 5.855 5.645 5.734 5.760 2.691 2.269 20112015 2.636 2.409 1.883 2.409 2.636 1.739 1.739 6.638 4.561 5.508 5.454 5.454 5.454 5.454 7.169 7.169 7.169 5.543 7.369 7.369 7.369 5.449 5.449 5.449 5.449 5.339 5.449 5.677 1.739 20162020 2.284 2.111 1.700 2.111 2.284 1.449 1.449 7.387 4.576 6.038 5.325 5.325 5.325 5.325 8.043 8.043 8.043 5.873 7.607 7.607 7.607 5.484 5.484 5.484 5.484 5.571 5.484 5.829 1.449 19901995 0.743 0.363 0.261 0.654 0.869 1.354 1.411 2.087 -0.021 0.206 1.969 1.685 1.561 2.093 2.950 2.650 1.927 2.703 1.668 2.175 2.155 0.612 0.414 1.317 1.300 1.772 -0.064 2.044 1.322 19952000 0.950 0.285 0.382 0.249 0.830 1.280 1.078 2.037 0.187 0.197 1.739 1.404 1.353 1.875 3.096 2.864 2.260 2.621 1.661 2.646 2.067 1.368 1.313 2.048 1.972 0.834 0.776 1.479 2.015 人口増加 200120062005 2010 0.820 0.787 0.177 0.118 0.296 0.173 0.077 0.011 0.721 0.703 1.168 1.035 0.911 0.747 1.220 0.502 0.166 0.123 0.194 0.253 1.356 1.198 1.160 1.084 1.123 1.037 1.556 1.458 2.824 2.610 2.708 2.557 2.030 1.758 2.510 2.445 1.422 1.253 2.439 2.399 1.969 1.826 1.113 1.076 1.060 0.949 1.610 1.544 1.719 1.588 0.497 0.415 0.617 0.580 1.206 1.098 1.878 1.930 20112015 0.787 0.089 0.046 0.026 0.708 0.966 0.628 0.092 0.043 0.241 1.049 0.983 0.919 1.320 2.331 2.337 1.533 2.262 1.064 2.373 1.697 1.052 0.841 1.347 1.318 0.358 0.482 1.065 1.874 20162020 0.776 0.072 -0.047 0.060 0.680 0.915 0.555 -0.106 -0.043 0.167 0.905 0.850 0.793 1.161 1.985 2.090 1.414 2.061 0.891 2.113 1.442 0.926 0.740 1.188 1.115 0.242 0.389 1.000 1.693 付表 3-4.B2 シナリオにおける各地域の経済成長率と人口増加率 (単位:%) 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPed 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLAmer 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18NEAsia 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24malaysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPing 19901995 3.220 2.241 2.117 2.241 3.220 2.117 2.117 3.207 0.788 -1.955 3.764 3.764 3.764 3.707 3.139 3.243 3.351 3.023 2.921 2.921 2.921 9.138 9.138 9.138 9.138 11.454 9.138 9.160 9.138 19952000 3.220 2.241 2.117 2.241 3.220 2.117 2.117 3.208 0.788 -1.955 3.764 3.764 3.764 3.708 3.139 3.244 3.351 3.035 2.921 2.921 2.921 9.138 9.138 9.138 9.138 11.456 9.138 9.436 9.138 経済成長率 200120062005 2010 2.593 2.593 2.307 2.307 1.608 1.608 2.307 2.307 2.593 2.593 1.608 1.608 1.608 1.608 3.442 3.445 3.073 3.073 2.154 2.154 2.983 2.983 2.983 2.983 2.983 2.983 2.943 2.944 3.634 3.634 3.339 3.343 3.036 3.036 2.894 2.902 4.210 4.210 4.210 4.210 4.210 4.210 6.424 6.424 6.424 6.424 6.424 6.424 6.424 6.424 9.610 9.613 6.424 6.424 7.562 7.710 6.424 6.424 20112015 1.552 1.309 1.004 1.309 1.552 1.004 1.004 4.317 3.341 3.855 4.093 4.093 4.093 3.855 4.767 4.066 3.290 2.943 6.036 6.036 6.036 5.523 5.523 5.523 5.523 6.848 5.523 6.180 5.523 20162020 1.552 1.309 1.004 1.309 1.552 1.004 1.004 4.339 3.341 3.855 4.093 4.093 4.093 3.880 4.767 4.092 3.290 3.000 6.036 6.036 6.036 5.523 5.523 5.523 5.523 6.849 5.523 6.199 5.523 19901995 0.950 0.341 0.247 0.664 1.199 1.132 1.166 2.820 -0.127 0.257 1.835 1.452 1.341 1.651 5.384 2.719 2.007 3.253 1.916 4.410 1.449 1.591 1.249 2.449 2.135 1.102 0.934 2.148 2.484 19952000 0.789 0.183 0.217 0.450 0.854 1.065 1.093 2.178 0.097 0.013 1.643 1.250 1.270 1.800 2.884 2.725 1.869 2.672 1.621 2.744 1.650 1.485 0.762 2.058 2.037 0.903 0.864 1.844 2.175 人口増加 200120062005 2010 0.712 0.754 0.037 -0.049 0.121 -0.024 0.284 0.182 0.756 0.714 1.048 0.995 1.108 1.060 2.054 1.883 -0.050 -0.022 0.048 0.097 1.428 1.240 1.183 1.126 1.197 1.082 1.649 1.514 2.766 2.667 2.655 2.577 1.745 1.563 2.472 2.266 1.455 1.263 2.625 2.469 1.746 1.657 1.317 1.073 0.690 0.617 1.758 1.523 1.816 1.584 0.697 0.646 0.719 0.585 1.637 1.431 2.105 1.980 20112015 0.787 -0.100 -0.193 0.117 0.701 0.971 1.048 1.690 -0.016 0.100 1.090 1.015 0.958 1.392 2.546 2.461 1.244 2.075 1.010 2.275 1.382 1.017 0.536 1.286 1.330 0.636 0.426 1.353 1.797 20162020 0.726 -0.139 -0.322 0.098 0.667 0.941 1.043 1.513 -0.082 0.005 0.955 0.880 0.836 1.259 2.361 2.303 1.196 1.855 0.970 1.994 1.052 0.936 0.443 1.267 1.047 0.555 0.305 1.245 1.590 50 付表4.各シナリオにおける品目別の需給バランス 以下の付表 4-1-1 から付表 4-4-4 までの表は地域ごとに、10 年ごとの品目による需給バラ ンスを示したものである.これらの表には下記の注意点がある. 1.値の単位は 1000 トンで四捨五入している.そのため世界計における純輸出量は必ずし もゼロにはならない場合がある. 2.空欄は値がゼロ、あるいはゼロ以下を意味している. 3.QF は食用需要、QL は飼料用需要、QS は生産量、QN は純輸出量である.QN が正値の 場合は輸出超過、負値の場合は輸入超過である. 4.1998/2000 は 1998 年から 2000 年までの平均値を意味している.2008/2010、2018/2020 に ついても同様である. 51 付表 4-1-1.A1 シナリオにおける小麦の需給バランス Wheat 1998/ 2000 1USA 20227 2EC12 31859 3Japan 5223 4OWEuro 2274 5Canada 2255 6Australia 1422 7NZ 260 8ODPED 3588 9EEuro 18048 10USSR 48369 11Mexico 4403 12Brazil 8489 13Argentina 4374 14OLatin 10489 15Nigeria 831 16OAfrica 23690 17Egypt 9956 18ONEast 40063 19India 61979 20Pakistan 15589 21Bangladesh 3658 22Indonesia 1820 23Thailand 288 24Malysia 779 25Philippine 1372 26China 128541 27Korea 2629 28OFEast 3835 29ODPING 220 QF 2008/ 2010 20303 30606 5285 2152 2270 1471 272 4090 16735 36997 5922 12096 4563 13234 1432 38671 12030 51910 94440 21222 5099 2006 429 1044 2074 168160 3203 5093 336 2018/ 2020 19246 29113 5176 1974 2217 1447 270 4182 14605 27028 7567 16520 4367 15858 2233 59348 13665 65005 139526 28295 6802 1920 582 1351 3011 216243 3754 5918 503 1998/ 2000 9362 27751 510 1256 3881 798 58 107 20669 61997 1382 QL 2008/ 2010 11081 33892 516 1416 4626 924 75 141 26089 55008 1916 2018/ 2020 12903 42201 521 1585 5550 1049 98 187 31046 46599 2658 113 777 14 491 1104 2554 761 358 131 974 15 526 1383 3603 1087 468 135 1219 13 545 1696 5056 1509 603 5 5 5 2151 2667 360 2812 3897 506 3629 5659 729 1998/ 2000 61050 108766 1178 5271 34318 18577 357 4637 40100 85055 3364 4957 11274 4583 155 7892 3783 38948 73173 16672 QS 2008/ 2010 66007 120469 1329 6486 46803 20088 444 5600 41894 112252 4512 4696 15257 6898 118 8244 5992 45064 83507 16127 2018/ 2020 65308 127451 1370 8856 64054 22994 665 6773 46172 131931 6821 5071 21230 9723 23 8917 8284 55794 107833 14898 148289 5 2580 187987 6 3120 241557 10 3725 1998/ 2000 35710 42378 -4985 1380 28335 17683 -72 -287 -5338 -47367 -3139 -4927 5539 -7500 -727 -18597 -8311 -17435 5310 -2338 -3042 -1910 -288 -865 -1372 2374 -5407 -2178 -253 QN 2008/ 2010 40393 48702 -4903 2576 40284 19675 -17 209 -8145 2114 -4305 -9052 9296 -8289 -1393 -34730 -8675 -27808 -20645 -8835 -4487 -2106 -429 -1152 -2074 -2958 -7261 -3231 -383 2018/ 2020 42304 48174 -4745 5004 57300 24060 183 1392 -6964 44257 -4673 -13423 15543 -8488 -2323 -56761 -8483 -35673 -46224 -17562 -5560 -2016 -582 -1483 -3011 -3882 -9616 -3809 -572 QN 2008/ 2010 53534 10196 -22786 1042 -893 11 -5 5380 -9711 -14402 5961 1300 12625 -1942 -2552 -6756 -3905 -4866 7877 -149 -4 -970 3189 -1486 -803 -18759 -9020 -2163 -24 2018/ 2020 79874 2512 -28125 1171 1203 70 -88 7459 -9602 3909 11069 -7717 14816 -783 -2452 -8322 -2094 -6191 5488 -400 -7 -3007 4199 -1419 -2818 -41563 -12637 -4601 -25 付表 4-1-2.A1 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス Maize 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 3397 2022 1163 55 104 60 16 4321 1591 96 13605 4021 202 6961 3768 20543 3702 1762 7481 966 3 5890 374 94 1662 30365 647 2962 6 QF 2008/ 2010 3459 2056 1046 49 109 63 16 3904 1380 97 11487 4108 199 8002 5125 29886 3793 2065 8663 1179 5 6381 413 114 2072 31267 707 2875 7 2018/ 2020 3587 2073 931 45 116 66 16 3164 1191 103 9858 4281 211 9444 6896 43279 3885 2447 10790 1473 7 7365 462 139 2563 32072 792 2927 9 1998/ 2000 142080 26356 15713 2003 6272 172 144 4294 32854 22373 4044 23886 4326 5094 1050 2600 3261 5201 195 323 QL 2008/ 2010 154884 31974 18403 2379 7035 225 200 5263 40894 26883 5395 31063 4971 5860 1108 2579 4225 6470 266 425 2018/ 2020 176862 39998 23087 2936 8252 315 302 6866 52779 33045 7829 42591 6199 7208 1133 2471 5731 8423 380 572 404 1471 1347 2817 58950 4754 3192 18 395 1436 1313 3159 79633 6460 4127 19 369 1405 1225 3661 110984 9224 5609 19 1998/ 2000 207497 48875 QS 2008/ 2010 237979 50811 2018/ 2020 289847 52789 2591 6172 282 193 11055 25391 16143 17400 36928 14317 9665 4096 21325 7131 3350 14749 1483 2 8345 5503 36 6181 98118 114 6627 4 3717 8068 309 212 14895 36783 20363 24105 41403 19479 12963 5549 30245 5020 4558 18960 1884 1 7068 4894 21 5278 107121 120 6383 4 4453 11702 467 239 17836 49878 46776 29833 45591 23025 17131 7982 43613 8615 5791 19352 2192 1 6169 5879 23 4417 120504 136 5816 4 1998/ 2000 36482 14975 -19783 320 -1841 42 35 2035 -12510 -12887 -2123 4971 8021 -3314 -2165 -5260 -628 -4360 5222 -151 -2 878 3745 -1487 974 -3590 -6774 -884 -21 52 付表 4-1-3.A1 シナリオにおける米の需給バランス Rice 1998/ 2000 1USA 1611 2EC12 1482 3Japan 7533 4OWEuro 135 5Canada 145 6Australia 102 7NZ 12 8ODPED 362 9EEuro 381 10USSR 2395 11Mexico 423 12Brazil 7527 13Argentina 206 14OLatin 5560 15Nigeria 1875 16OAfrica 7753 17Egypt 1849 18ONEast 4676 19India 79650 20Pakistan 2568 21Bangladesh 21286 22Indonesia 32084 23Thailand 8029 24Malysia 1689 25Philippine 7151 26China 131234 27Korea 5669 28OFEast 31305 29ODPING 265 QF 2008/ 2010 1656 1565 7090 141 151 103 13 488 413 1952 528 8324 247 7145 2501 10219 2249 6384 96714 3661 29808 42191 8587 2025 9268 144605 6827 38664 358 2018/ 2020 1679 1641 6428 146 155 100 13 616 449 2093 635 8969 295 9084 3125 12847 2639 8582 112994 5177 40857 54655 8835 2325 11544 156152 8178 47684 479 QL 2008/ 2010 1998/ 2000 169 24 59 2018/ 2020 178 22 62 187 20 64 3 3 3 264 339 431 247 35 65 344 189 325 43 89 418 269 409 50 120 488 381 891 776 42 485 3255 1171 830 51 629 3586 1517 854 58 783 3873 1253 1547 1909 1998/ 2000 4964 1170 8621 QS 2008/ 2010 4435 1319 8999 2018/ 2020 8952 1563 9340 1129 2871 3126 10 447 2466 390 14369 326 5674 1620 4810 1989 1726 84072 4205 22515 32306 19459 1432 7891 145634 6000 35429 23 13 440 3564 668 20755 295 8198 1522 6908 2180 1966 103582 5292 24335 40825 23875 1773 9567 160841 6271 43961 27 26 945 5756 1039 30246 158 10498 1570 9339 2100 2116 122749 5986 24912 52493 27432 2310 10980 175682 6692 50033 32 1998/ 2000 2389 -559 279 -213 -151 1065 -12 -386 36 -106 -93 4562 84 -814 -477 -4279 -31 -3207 -1876 1222 165 -3865 9578 -298 -21 -795 -126 -610 -263 QN 2008/ 2010 1862 -491 1169 -223 -157 2825 -13 -517 -5 1471 68 10159 3 -139 -1274 -5040 -273 -4776 -733 1024 -7025 -6741 13417 -297 -689 -445 -1073 -539 -350 2018/ 2020 6462 -308 2254 -231 -162 3115 -13 -641 463 3515 328 19030 -190 -100 -1924 -5657 -764 -6948 912 -59 -18090 -9124 16882 -51 -1783 1638 -2076 -4816 -466 付表 4-1-4.A1 シナリオにおける大豆の需給バランス Soybean 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 36822 15149 5254 599 1212 105 QF 2008/ 2010 35382 14379 5240 579 1171 108 2018/ 2020 30845 12411 4812 511 1034 100 1998/ 2000 54882 1419 316 4 1183 105 QS 2008/ 2010 57270 1918 404 5 1473 88 2018/ 2020 55745 1922 573 12 2073 67 591 1309 2177 2346 18145 6707 1627 163 247 265 419 1652 4 674 1438 2583 2799 21810 7261 2229 256 362 345 565 2277 6 669 1495 3045 3041 24061 7261 3021 387 492 398 718 2868 7 55 1516 1196 466 19653 9714 2213 186 199 89 816 1534 499 22693 9812 2594 232 366 66 331 2142 453 21210 11110 2938 97 437 532 1446 4 525 1560 3 2090 528 409 26 18690 1482 880 2698 746 571 36 25391 1761 1227 3342 1046 697 49 33408 1972 1631 16325 243 725 18973 292 874 652 1641 2 1998/ 2000 22886 -14129 -5016 -595 -27 0 0 -536 220 -980 -1620 1789 2675 697 23 -52 -100 112 -142 0 QN 2008/ 2010 28215 -12765 -4896 -574 303 -19 0 -584 -605 -1049 -1959 1251 2298 512 -25 0 -147 -41 -631 -2 2018/ 2020 34046 -10699 -4280 -500 1042 -32 0 -600 -1139 -902 -2094 -2319 3674 130 -289 -57 -110 -66 -1104 -5 18857 382 841 -480 61 -409 -19 -2959 -1239 -153 -410 423 -571 -28 -6871 -1469 -351 599 2687 -697 -37 -14864 -1590 -786 53 付表 4-2-1.A2 シナリオにおける小麦の需給バランス Wheat 1998/ 2000 1USA 20633 2EC12 32256 3Japan 5226 4OWEuro 2302 5Canada 2288 6Australia 1438 7NZ 262 8ODPED 3605 9EEuro 18070 10USSR 48541 11Mexico 4508 12Brazil 8638 13Argentina 4438 14OLatin 10668 15Nigeria 809 16OAfrica 23323 17Egypt 10035 18ONEast 40522 19India 61282 20Pakistan 15597 21Bangladesh 3658 22Indonesia 1863 23Thailand 288 24Malysia 781 25Philippine 1365 26China 123090 27Korea 2632 28OFEast 3774 29ODPING 219 QF 2008/ 2010 21712 31560 5304 2229 2392 1570 285 4114 17901 44818 5703 11304 4972 13388 1131 32380 12522 53300 82312 20667 4840 2224 387 1004 1871 152721 3071 4949 302 2018/ 2020 22305 30386 5244 2118 2442 1675 303 4342 16976 40012 6907 14194 5402 16177 1863 49465 15272 69160 107225 26807 6162 2479 492 1252 2465 183386 3462 6017 407 1998/ 2000 9357 27132 510 1240 3803 792 57 106 20606 64322 1369 QL 2008/ 2010 10595 29900 512 1303 4259 867 62 128 25273 62488 1748 2018/ 2020 11608 32976 515 1355 4630 930 69 153 29972 59647 2219 113 774 14 494 1109 2547 761 361 118 899 15 525 1361 3380 1012 466 120 1037 15 526 1629 4414 1332 589 5 5 5 2149 2627 358 2660 3601 481 3254 4793 646 1998/ 2000 61039 108817 1170 5234 33982 18289 354 4642 40141 84719 3346 4953 11161 4529 158 7838 3777 38884 72848 16731 QS 2008/ 2010 66666 120855 1346 6124 44227 18920 387 5538 40747 96430 4195 4464 13642 6020 126 7989 6002 44227 83309 16389 2018/ 2020 66620 127525 1369 7038 56040 21685 531 6513 48471 122568 5883 5235 19293 7691 64 8716 8283 54514 100809 16533 147392 193449 221086 2543 2973 3343 1998/ 2000 35085 42668 -4997 1328 28011 17289 -78 -319 -5268 -50731 -3262 -5108 5342 -7744 -701 -18253 -8413 -18113 5698 -2330 -3068 -1955 -288 -868 -1365 7577 -5372 -2143 -252 QN 2008/ 2010 38879 52430 -4906 2239 37725 17861 -78 44 -9786 -32257 -4192 -8481 7168 -9266 -1071 -28084 -9196 -30302 -7563 -8166 -4429 -2335 -387 -1109 -1871 19870 -6833 -3189 -345 2018/ 2020 38333 57017 -4817 3236 49322 20910 38 817 -6333 3211 -4394 -10826 12302 -10693 -1898 -46123 -10225 -41776 -18011 -14666 -5529 -2603 -492 -1378 -2465 12556 -8462 -4219 -464 QN 2008/ 2010 55453 17524 -21147 1418 -614 30 4 4781 -11262 -13960 3202 4152 10930 -3368 -3198 -6263 -4304 -5588 7021 -289 -4 -2041 2765 -1548 -512 -21971 -8497 -2772 -25 2018/ 2020 79701 12450 -23018 1446 1388 43 -15 7120 -11613 -5103 4748 -1108 13293 -3787 -3062 -9799 -3944 -6783 3513 -714 -6 -3691 3903 -1478 -1782 -36102 -10622 -5031 -26 付表 4-2-2.A2 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス Maize 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 3436 2028 1164 56 104 60 16 4347 1576 95 13778 4071 204 7050 3751 20375 3756 1780 7481 971 3 5942 377 94 1673 30724 649 3044 6 QF 2008/ 2010 3645 2072 1093 52 111 66 17 4408 1515 100 14331 4581 219 8429 4981 27560 4377 2236 8821 1224 5 6846 430 116 2115 33706 713 3389 8 2018/ 2020 3864 2087 1017 48 118 72 18 3830 1409 106 14894 5112 241 10010 6680 38849 4925 2785 10403 1526 6 7932 482 140 2579 36650 771 3819 10 1998/ 2000 142302 25868 15440 1973 6150 169 142 4278 32636 22158 4007 23692 4319 5085 1060 2625 3266 5209 195 324 0 409 1472 1361 2777 58194 4668 3179 18 QL 2008/ 2010 156706 28638 16952 2152 6658 196 163 4926 39455 25534 4961 27974 4761 5660 1137 2659 4192 6411 253 418 0 410 1454 1366 2947 75413 6030 4091 19 2018/ 2020 168576 31870 18631 2359 7017 233 195 5735 47439 29282 6274 33097 5310 6371 1144 2524 5382 7858 332 533 0 385 1435 1279 3125 96757 7663 5281 18 1998/ 2000 207922 49046 QS 2008/ 2010 243954 54197 2018/ 2020 282121 53003 2568 6172 277 192 10826 25286 15873 17322 36751 14089 9582 4072 21188 7131 3302 14639 1465 2 8183 5460 36 6187 97815 115 6575 4 3849 7888 302 183 14545 33891 19224 24526 41336 17667 11813 4753 28259 5256 3964 18283 1792 1 6569 4542 19 5373 102001 101 6357 3 4098 10343 360 199 17090 42305 33028 28137 42447 20630 13877 7107 37267 7566 4958 16836 1894 1 6176 5691 22 4848 115208 134 6075 4 1998/ 2000 36463 15725 -19465 329 -1687 40 36 1791 -12363 -12880 -2387 4952 7787 -3487 -2181 -5243 -696 -4437 5112 -177 -2 649 3694 -1502 1015 -3457 -6667 -1022 -21 54 付表 4-2-3.A2 シナリオにおける米の需給バランス Rice 1998/ 2000 1USA 1613 2EC12 1477 3Japan 7520 4OWEuro 134 5Canada 145 6Australia 104 7NZ 12 8ODPED 363 9EEuro 389 10USSR 2575 11Mexico 430 12Brazil 7651 13Argentina 208 14OLatin 5653 15Nigeria 1871 16OAfrica 7747 17Egypt 1850 18ONEast 4754 19India 79409 20Pakistan 2556 21Bangladesh 21084 22Indonesia 31961 23Thailand 8095 24Malysia 1702 25Philippine 7167 26China 130507 27Korea 5655 28OFEast 30934 29ODPING 266 QF 2008/ 2010 1702 1554 7189 139 153 109 13 443 405 1978 511 8593 241 6821 2443 9968 2231 6244 92241 3425 27206 39442 8904 2057 9048 147197 6488 37679 345 2018/ 2020 1813 1612 6814 144 162 113 14 558 425 2078 606 9697 283 8254 3157 12995 2780 8316 107192 4533 34948 48699 9696 2438 11112 163923 7303 46062 444 1998/ 2000 168 24 59 QL 2008/ 2010 2018/ 2020 177 23 61 184 21 63 3 3 3 268 323 391 246 35 66 343 188 317 43 87 398 252 413 53 116 463 334 887 782 43 486 3237 1095 860 52 614 3650 1352 937 61 754 4065 1238 1508 1844 1998/ 2000 4983 1171 8628 QS 2008/ 2010 4397 1156 8901 2018/ 2020 9166 1565 9407 1073 2709 2857 10 432 2435 382 14233 329 5662 1619 4779 1981 1719 83842 4191 22472 32147 19283 1427 7859 145468 5992 35333 22 13 841 3765 552 20681 346 7663 1820 6226 2148 1871 102989 5342 24239 37081 23473 1707 9296 158753 6113 42830 25 25 2785 5303 1019 25863 237 10315 1850 8632 2137 2125 121395 6130 24768 48348 26273 2044 10260 176559 6663 48376 30 1998/ 2000 2403 -553 299 -213 -151 1007 -12 -387 13 -332 -110 4270 84 -934 -473 -4303 -42 -3298 -1849 1222 334 -3885 9311 -317 -72 -152 -120 -277 -263 QN 2008/ 2010 1714 -647 956 -221 -160 2649 -13 -469 404 1643 -33 9712 61 -296 -912 -5434 -292 -4729 3488 1348 -4376 -7386 12552 -403 -725 -5467 -875 -552 -339 2018/ 2020 6340 -295 1883 -227 -169 2805 -14 -580 2328 3074 324 13650 -97 683 -1679 -6547 -910 -6685 5793 825 -12063 -6555 14426 -459 -2055 -6301 -1186 -4675 -435 付表 4-2-4.A2 シナリオにおける大豆の需給バランス Soybean 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 36805 15060 5265 596 1206 105 QF 2008/ 2010 36894 14567 5327 580 1204 111 2018/ 2020 36210 13681 5098 549 1173 112 1998/ 2000 54404 1350 312 4 1177 104 QS 2008/ 2010 55084 1715 346 4 1519 95 2018/ 2020 56202 1775 502 8 2128 82 591 1349 2266 2380 18401 6786 1651 160 243 261 427 1626 4 658 1369 2410 2725 21054 7318 2105 220 319 315 543 2009 5 698 1401 2658 3013 23353 7770 2627 327 441 392 698 2413 6 63 1509 1204 455 19624 9656 2215 189 198 105 1254 1756 476 21827 9978 2575 262 345 85 508 2167 517 22388 11336 2904 133 435 526 1452 4 636 1572 4 2076 524 407 26 17449 1475 841 2547 671 520 34 21805 1661 1068 3102 846 612 42 26348 1805 1327 16051 243 730 18478 282 925 729 1860 3 1998/ 2000 22418 -14108 -5031 -592 -27 0 0 -527 173 -1062 -1665 1504 2538 676 29 -49 -97 99 -109 0 QN 2008/ 2010 23900 -13189 -5048 -576 317 -16 0 -552 -100 -654 -1941 1104 2379 603 41 23 -127 93 -359 -1 2018/ 2020 26660 -12194 -4652 -541 956 -30 0 -611 -874 -491 -2136 -577 3325 432 -194 -10 -162 30 -464 -3 19346 351 904 -468 64 -407 -19 -1993 -1232 -109 -355 361 -520 -26 -3830 -1379 -142 128 1368 -612 -32 -7432 -1454 -421 55 付表 4-3-1.B1 シナリオにおける小麦の需給バランス Wheat 1998/ 2000 1USA 20478 2EC12 32309 3Japan 5198 4OWEuro 2297 5Canada 2276 6Australia 1412 7NZ 259 8ODPED 3571 9EEuro 17533 10USSR 52110 11Mexico 4558 12Brazil 8822 13Argentina 4375 14OLatin 10720 15Nigeria 761 16OAfrica 22392 17Egypt 9896 18ONEast 40169 19India 64405 20Pakistan 15792 21Bangladesh 3770 22Indonesia 1852 23Thailand 321 24Malysia 827 25Philippine 1512 26China 128943 27Korea 2784 28OFEast 4029 29ODPING 199 QF 2008/ 2010 20544 30706 5143 2165 2285 1456 267 4081 16646 43804 5993 12127 4603 13448 1387 37079 12045 52275 97051 21540 5282 2040 448 1075 2158 154092 3309 5040 246 2018/ 2020 20069 29007 5005 2019 2268 1485 271 4268 15249 34454 7446 15847 4625 16144 2721 63832 14149 65920 147053 29201 7402 2132 593 1352 2949 182494 3827 6047 288 1998/ 2000 9397 27950 510 1263 3905 803 58 107 20766 62056 1392 QL 2008/ 2010 10865 31945 515 1360 4389 891 71 137 25582 56304 1844 2018/ 2020 12509 36797 518 1464 4946 992 88 175 30652 51979 2456 115 780 14 489 1104 2564 763 358 126 948 15 524 1373 3525 1062 468 133 1154 14 551 1695 4867 1471 616 5 5 5 2157 2686 361 2757 3729 495 3520 5167 687 1998/ 2000 61040 108769 1169 5323 34678 19059 376 4703 41722 87550 3506 4939 11713 4553 155 8000 3699 39408 74493 16988 QS 2008/ 2010 66016 120497 1342 6374 45635 20377 432 5620 43457 106566 4474 4768 15122 6402 125 8283 6001 45265 85189 16937 2018/ 2020 66627 127478 1372 7339 61742 23576 568 6490 47528 137188 6658 4837 22050 8927 27 8910 8293 55831 104434 15661 149272 184984 233246 2589 3068 3572 1998/ 2000 35388 41660 -4968 1398 28639 18172 -52 -203 -3233 -49455 -3183 -5311 5976 -7778 -654 -17059 -8330 -17124 3890 -2242 -3157 -1944 -321 -917 -1512 2898 -5589 -2391 -229 QN 2008/ 2010 39988 50770 -4737 2509 39299 19869 -18 217 -5919 -13374 -4345 -9034 9110 -8989 -1340 -32944 -8676 -28023 -22044 -8433 -4738 -2141 -449 -1186 -2158 9852 -7203 -3211 -282 2018/ 2020 41226 54290 -4559 3547 55201 23743 95 945 -5976 33904 -4487 -12975 16028 -9532 -2830 -61732 -9032 -36702 -58886 -17979 -6641 -2238 -593 -1486 -2949 25595 -9210 -4068 -328 QN 2008/ 2010 53733 12155 -21761 1024 -607 -23 -2 5127 -10823 -14990 5479 1911 11738 -2595 -2809 -6928 -3962 -5026 6833 -271 -4 -1008 2913 -1502 -692 -17196 -8673 -2099 -23 2018/ 2020 74151 8064 -25068 1411 1788 0 -57 7428 -9473 -6000 9780 -4939 14402 -1318 -2460 -11017 -2451 -6505 5225 -571 -7 -3312 3858 -1497 -2434 -33209 -11467 -4376 -25 付表 4-3-2.B1 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス Maize 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 3408 2022 1142 56 104 59 16 4376 1492 95 13132 3994 199 6983 3666 19911 3696 1751 7500 966 4 5959 379 96 1719 30300 667 2912 6 QF 2008/ 2010 3486 2056 992 50 109 62 16 4014 1354 97 11724 4172 202 8110 5104 29212 3906 2090 8775 1200 5 6520 420 116 2119 31315 728 2942 7 2018/ 2020 3608 2073 883 45 116 65 16 3244 1217 101 10758 4407 214 9448 7181 43918 4064 2508 10722 1522 7 7420 466 139 2554 32133 804 3057 9 1998/ 2000 141110 26521 15752 2009 6269 173 144 4286 32797 22356 4039 23865 4295 5070 1041 2577 3248 5177 194 322 0 400 1469 1333 2819 59021 4762 3182 18 QL 2008/ 2010 154560 30406 17581 2274 6707 212 189 5148 40044 26235 5216 29940 4870 5776 1114 2595 4207 6438 262 423 0 398 1441 1324 3044 76993 6169 4081 19 2018/ 2020 173740 35400 20520 2629 7355 272 266 6458 50105 31293 7120 38779 5855 6893 1176 2580 5621 8311 367 569 0 389 1419 1293 3361 101859 8295 5430 19 1998/ 2000 207168 48876 QS 2008/ 2010 238291 50892 2018/ 2020 281399 52816 2544 6188 267 195 10984 24976 14576 17302 36935 14037 9712 4123 21316 7213 3257 14584 1467 2 8462 5554 36 6107 98009 113 6651 5 3585 7942 260 203 14658 34724 18970 23778 40828 18507 12345 5273 29347 5075 4392 18049 1786 1 7200 4641 21 5310 105787 123 6472 4 4356 11156 350 232 17493 47122 34660 28974 44218 22264 16279 8401 41789 8346 5424 18988 2078 1 5952 5581 17 4443 118683 138 5981 4 1998/ 2000 37512 14785 -19802 266 -1818 27 38 1920 -12736 -14401 -1615 5038 7797 -3261 -1994 -4523 -522 -4414 5035 -166 -3 917 3796 -1475 831 -3692 -6811 -787 -21 56 付表 4-3-3.B1 シナリオにおける米の需給バランス Rice 1998/ 2000 1USA 1583 2EC12 1468 3Japan 7404 4OWEuro 133 5Canada 143 6Australia 101 7NZ 12 8ODPED 350 9EEuro 402 10USSR 1931 11Mexico 428 12Brazil 7518 13Argentina 207 14OLatin 5670 15Nigeria 1834 16OAfrica 7574 17Egypt 1797 18ONEast 4694 19India 80015 20Pakistan 2612 21Bangladesh 21635 22Indonesia 34283 23Thailand 8080 24Malysia 1712 25Philippine 7506 26China 130834 27Korea 5878 28OFEast 31589 29ODPING 248 QF 2008/ 2010 1664 1561 6584 140 152 107 13 475 426 1715 530 8433 247 7327 2488 10125 2223 6460 99200 3727 30528 43684 8732 2044 9529 140744 6915 37887 297 2018/ 2020 1718 1645 5913 146 159 106 13 619 449 1816 612 8981 282 8904 3218 13074 2658 8597 118656 5321 42293 53655 9013 2325 11450 148276 7974 44541 341 1998/ 2000 167 23 59 QL 2008/ 2010 178 21 62 2018/ 2020 187 19 64 3 3 3 269 347 422 241 34 66 346 192 322 43 90 428 274 416 51 120 513 392 952 781 43 509 3245 1213 844 51 646 3490 1489 871 58 777 3677 1264 1516 1783 1998/ 2000 4962 1171 8617 QS 2008/ 2010 4438 1329 9025 2018/ 2020 9124 1564 9370 1208 2722 2903 2 502 2224 391 14649 341 5726 1606 4879 2006 1734 84468 4198 22610 32647 19748 1443 7983 146644 6014 35757 23 4 519 3443 655 20605 319 8064 1626 6792 2193 1976 103186 5287 24419 40485 24003 1763 9516 162122 6281 43795 27 10 885 4574 1004 28825 140 9858 1252 8882 2128 2075 121804 5967 24957 51299 27195 2191 10749 176864 6699 49496 31 1998/ 2000 2448 -539 422 -211 -149 1147 -12 -379 69 152 -95 4877 98 -890 -445 -3999 46 -3214 -1870 1166 -98 -6003 9818 -310 -323 674 -333 -603 -244 QN 2008/ 2010 1840 -479 1748 -222 -158 2669 -13 -512 61 1605 50 9863 28 -486 -1156 -5048 -233 -4850 -3809 937 -7730 -8763 13339 -330 -1037 5144 -1158 188 -289 2018/ 2020 6528 -321 2847 -231 -166 2876 -13 -660 403 2630 315 17559 -193 -531 -2345 -6382 -767 -7017 -6140 -263 -19649 -9191 16349 -178 -1922 11585 -1855 -1740 -327 付表 4-3-4.B1 シナリオにおける大豆の需給バランス Soybean 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 36563 14950 5273 593 1196 105 QF 2008/ 2010 36180 14609 5397 584 1200 111 2018/ 2020 33282 13259 5114 539 1123 108 1998/ 2000 55093 1431 320 4 1183 102 QS 2008/ 2010 56962 1832 384 5 1477 86 2018/ 2020 56713 1866 549 10 2074 64 582 1460 1918 2404 18644 6800 1682 155 237 255 423 1703 4 675 1544 2079 2890 22538 7540 2284 250 354 339 581 2384 6 702 1571 2440 3119 24577 7623 2962 410 517 419 746 3187 8 56 1564 1195 477 19721 9773 2236 190 201 96 993 1556 506 22710 9897 2627 242 375 79 403 2123 474 21370 11048 2885 104 429 538 1430 4 558 1570 4 2250 574 442 28 18688 1548 913 2845 773 593 38 22699 1796 1187 3423 1012 702 48 26913 1974 1476 16269 243 734 19175 290 895 656 1758 3 1998/ 2000 23423 -13911 -5030 -589 -12 -3 0 -525 117 -723 -1663 1361 2645 667 35 -41 -90 114 -207 0 QN 2008/ 2010 26708 -13102 -5078 -579 279 -25 0 -578 -535 -523 -2063 517 2086 481 -8 18 -146 -23 -734 -2 2018/ 2020 31172 -11642 -4614 -530 953 -44 0 -622 -1147 -317 -2228 -2757 3218 103 -306 -90 -164 -90 -1325 -5 18764 359 850 -636 21 -442 -21 -3005 -1305 -177 -597 339 -593 -30 -4008 -1506 -290 117 1818 -702 -37 -8520 -1615 -623 57 付表 4-4-1.B2 シナリオにおける小麦の需給バランス Wheat 1998/ 2000 1USA 20052 2EC12 31655 3Japan 5170 4OWEuro 240 5Canada 3256 6Australia 16938 7NZ 255 8ODPED 3711 9EEuro 17290 10USSR 46315 11Mexico 4445 12Brazil 8624 13Argentina 4310 14OLatin 10399 15Nigeria 778 16OAfrica 23243 17Egypt 9797 18ONEast 40990 19India 58340 20Pakistan 16522 21Bangladesh 3334 22Indonesia 1948 23Thailand 358 24Malysia 910 25Philippine 1702 26China 136732 27Korea 3046 28OFEast 4334 29ODPING 276 QF 2008/ 2010 19658 29634 1396 265 4099 1413 274 4481 16133 39315 5198 10570 4573 12322 978 29507 11198 51325 76925 21540 4119 2134 506 1216 2534 187971 3709 5878 417 2018/ 2020 20179 28009 1441 285 4880 1497 300 5326 15156 33468 6297 13313 4803 14735 1476 40492 12617 62470 109357 28361 5497 2389 696 1559 3541 239825 4387 7965 594 1998/ 2000 9628 29384 511 1312 4096 834 61 111 21219 61054 1444 QL 2008/ 2010 11046 35857 516 1467 5002 956 70 139 26464 55642 1944 2018/ 2020 12822 42074 520 1622 5949 1104 82 174 32733 57132 2617 120 802 14 490 1111 2625 778 360 129 961 14 504 1342 3552 1043 453 142 1156 14 514 1650 4809 1412 590 5 5 5 2194 2805 369 2748 4107 514 3485 5931 712 1998/ 2000 61064 108663 1169 5345 34723 18942 375 4678 40626 86826 3486 4918 11701 4636 141 7990 3708 39185 74528 16711 QS 2008/ 2010 66040 120370 1329 6420 45942 20248 444 5609 42177 108658 4548 4686 14859 6578 109 8276 5983 45001 84317 16424 2018/ 2020 66579 127358 1372 7478 61725 23300 589 6566 47107 135503 6843 4866 21558 9110 22 8950 8327 55801 106564 15747 149052 184524 235221 2591 3071 3618 1998/ 2000 35807 40696 -4938 1369 28512 18163 -51 -371 -4554 -41968 -3133 -5100 6041 -7374 -686 -18003 -8217 -18461 10829 -3275 -2673 -2045 -358 -1007 -1702 -6089 -5984 -2744 -316 QN 2008/ 2010 41221 47502 -4711 2387 38981 19911 -14 -222 -7596 -5034 -3480 -7382 8889 -7626 -927 -24597 -7720 -27044 3 -8864 -3434 -2240 -507 -1339 -2534 -28591 -8007 -4183 -475 2018/ 2020 40384 49416 -4450 3360 53779 23063 87 -197 -8711 27165 -3184 -10169 15300 -7855 -1534 -35995 -7264 -32212 -14289 -16985 -4559 -2508 -697 -1710 -3541 -36817 -10595 -6235 -676 QN 2008/ 2010 54515 8480 -23935 933 -1528 18 18 4208 -9414 -13944 4756 1983 13471 -1376 -2226 -1896 -3704 -4497 8468 -251 -3 -1677 3138 -1431 -1209 -21102 -9734 -2117 -23 2018/ 2020 79492 3284 -27974 1202 103 29 -12 5402 -9161 -4032 8588 -4324 15532 -216 -1679 416 -2229 -5897 6734 -556 -5 -3908 3994 -1378 -2936 -42844 -13194 -4487 -24 付表 4-4-2.B2 シナリオにおけるとうもろこしの需給バランス Maize 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 3351 2012 1123 14 4020 1425 15 4541 1462 95 12781 3865 192 6728 3970 20219 3554 1777 7311 1033 3 6267 389 103 1837 29347 713 2877 7 QF 2008/ 2010 3390 2015 59 16 4851 60 16 5147 1323 96 12536 4050 198 7670 5058 26095 3788 2103 8450 1266 4 7032 422 127 2316 31087 797 2988 8 2018/ 2020 3538 1993 63 17 5364 65 18 5506 1203 96 12042 4272 206 8763 6669 34598 3990 2457 9870 1563 5 7881 453 153 2785 32810 876 3132 9 1998/ 2000 141150 27690 16399 2083 6535 181 150 4369 33337 22820 4147 24767 4350 5126 1033 2552 3252 5204 196 323 QL 2008/ 2010 153732 33426 19434 2438 7628 232 181 5167 41437 27187 5420 30857 4904 5802 1050 2446 4148 6377 255 410 2018/ 2020 169918 39416 22999 2807 8701 293 225 6243 51451 32027 7178 38700 5727 6767 1067 2336 5435 8015 340 533 396 1464 1318 2912 60585 4968 3210 18 375 1438 1247 3278 82719 6931 4199 18 352 1414 1168 3621 111091 9578 5564 18 1998/ 2000 206168 48815 QS 2008/ 2010 237492 50816 2018/ 2020 281382 52795 2599 6272 311 202 11144 26309 15357 17517 37322 14606 9940 4264 21745 7188 3448 15160 1508 2 8592 5554 36 6161 99308 114 6836 5 3674 8193 321 213 14984 37630 21245 24206 41789 20247 13103 5713 30681 5130 4866 19272 1874 2 7110 4855 21 5294 108060 122 6655 4 4345 11185 401 231 17691 48889 37539 29313 44580 23209 16484 8375 42422 8270 5649 19406 2102 1 5859 5687 19 4511 120205 138 6125 4 1998/ 2000 36913 13338 -20536 240 -2071 64 39 1825 -11946 -14191 -1041 4563 8342 -2810 -2237 -4397 -389 -4279 5843 -211 -2 687 3798 -1466 641 -3051 -7132 -594 -21 58 付表 4-4-3.B2 シナリオにおける米の需給バランス Rice 1998/ 2000 1USA 1605 2EC12 1476 3Japan 7338 4OWEuro 11 5Canada 311 6Australia 392 7NZ 12 8ODPED 362 9EEuro 399 10USSR 2041 11Mexico 420 12Brazil 7302 13Argentina 203 14OLatin 5471 15Nigeria 2015 16OAfrica 7629 17Egypt 1796 18ONEast 4733 19India 75263 20Pakistan 2649 21Bangladesh 19268 22Indonesia 38145 23Thailand 8337 24Malysia 1835 25Philippine 8177 26China 130563 27Korea 6383 28OFEast 33285 29ODPING 309 QF 2008/ 2010 1670 1547 99 13 400 100 13 444 409 1748 476 7685 230 6295 2559 9490 2019 5926 85561 3518 24044 50391 8726 2215 10639 148870 7684 42742 420 2018/ 2020 1710 1576 100 13 495 100 14 556 421 1766 532 8072 254 7242 3219 11685 2197 7218 98738 4780 30695 62531 8865 2532 12901 164026 8807 51674 539 1998/ 2000 168 23 59 QL 2008/ 2010 2018/ 2020 176 21 63 180 19 65 3 3 3 259 298 343 243 34 66 325 195 302 39 83 370 259 372 42 101 426 352 1059 805 46 555 3238 1399 843 56 722 3692 1736 856 64 875 4068 1332 1711 2068 1998/ 2000 4947 1166 8614 QS 2008/ 2010 4435 1323 9009 2018/ 2020 9082 1563 9370 1250 2835 2896 2 406 2297 407 14806 349 5748 1547 4886 2005 1721 84467 4209 22583 32774 19874 1460 8011 146285 6003 35783 23 4 347 3289 651 20634 315 8018 1460 6841 2188 1947 103197 5237 24389 40773 24040 1775 9578 161186 6287 43884 27 10 670 4484 976 28686 138 9721 1348 8819 2125 2037 120959 5945 24922 51221 27119 2227 10730 175979 6694 49285 31 1998/ 2000 2397 -551 493 -215 -154 1194 -12 -392 -24 106 -68 5304 109 -635 -706 -4055 47 -3268 3252 1134 2424 -10230 9619 -422 -1047 624 -882 -2538 -306 QN 2008/ 2010 1839 -464 1572 -228 -164 2793 -13 -479 -92 1416 118 10811 43 675 -1401 -4258 -5 -4302 10903 1142 -777 -16037 13407 -496 -2215 -4867 -1970 -5339 -413 2018/ 2020 6505 -238 2646 -235 -170 2878 -13 -592 219 2593 390 18516 -160 1275 -2251 -4827 -247 -5571 14481 366 -7227 -19276 16471 -361 -3567 -6913 -2747 -10215 -530 付表 4-4-4.B2 シナリオにおける大豆の需給バランス Soybean 1USA 2EC12 3Japan 4OWEuro 5Canada 6Australia 7NZ 8ODPED 9EEuro 10USSR 11Mexico 12Brazil 13Argentina 14OLatin 15Nigeria 16OAfrica 17Egypt 18ONEast 19India 20Pakistan 21Bangladesh 22Indonesia 23Thailand 24Malysia 25Philippine 26China 27Korea 28OFEast 29ODPING 1998/ 2000 36697 14979 5238 0 540 1451 QF 2008/ 2010 35530 14230 105 0 655 105 2018/ 2020 32435 12498 100 0 714 101 1998/ 2000 56320 1485 322 4 1183 100 QS 2008/ 2010 58021 1915 402 5 1473 89 2018/ 2020 57438 1895 553 10 2078 66 603 1450 2213 2335 18016 6584 1627 166 244 260 422 1527 4 697 1452 2220 2486 19032 6656 1976 223 304 287 507 1848 5 767 1405 2363 2549 19585 6480 2414 311 375 295 576 2268 6 57 1265 1184 474 20037 9987 2274 192 201 91 721 1538 503 22908 10005 2625 234 363 78 335 2102 468 21645 11254 2904 99 431 525 1424 4 527 1560 3 2502 633 495 31 20500 1690 1003 3280 869 686 43 30018 1999 1449 3944 1123 809 55 38603 2193 1873 16311 247 739 19004 289 879 633 1737 2 1998/ 2000 24626 -13879 -4991 -598 -50 -3 0 -545 -171 -1029 -1591 2312 3083 764 26 -46 -93 102 -36 0 QN 2008/ 2010 28662 -12626 -4803 -589 249 -17 0 -604 -715 -682 -1650 4235 3089 792 11 56 -89 20 -205 -1 2018/ 2020 33146 -10839 -4199 -532 952 -35 0 -688 -1049 -260 -1641 2535 4577 680 -212 54 -27 56 -421 -3 18772 365 855 -870 -17 -495 -24 -4763 -1444 -262 -976 325 -686 -35 -11479 -1710 -568 -249 2042 -809 -44 -20183 -1828 -1015 59 参考文献 井上荘太郎、上林篤幸、明石光一郎、鬼木俊次(2003) 「国際穀物需給の長期予測と耕地お よび灌漑地の利用可能性」 『農林水産政策研究』第 4 号、1-25. 上林篤幸(2005)「牛肉の国際貿易の構造変化とその影響 ―AGLINKモデルを利用し たシナリオ分析―」 『農林水産政策研究』第 9 号、53-84. 荏開津典生(2003) 『農業経済学 第 2 版』岩波書店. 大賀圭治(1998) 『2020 年世界食料需給予測 -国際食料政策シミュレーションモデルの開 発と利用』農山漁村文化協会. 環境省(2001) 『温室効果ガス排出量削減シナリオ策定調査報告書』. 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(http://www.agp.uni-bonn.de/agpo/rsrch/capri/capri-documentation.pdf) 61 謝辞 本論文を執筆するにあたり、たくさんの人のお世話になった。 指導教官である柴崎先生には大変感謝している。入学時より、時にはやさしく説明を聞 いていただいたり、時には厳しいコメントをいただいたりしたことが、今回の論文に反映 されていると思う。 また、関西学院大学の松村寛一朗助教授には共同研究者としてだけでなく、公私共にお 世話になった。こうして食料需給モデルの研究を始めるきっかけを与えていただいたのは 氏のお陰である。また、他分野の研究者との会合に誘っていただいたことが、モチベーシ ョンにつながった。 日本大学の大賀圭治教授には IFPSIM の構造について詳しく説明していただいたことが成 果になって表れている。生産研の沖大幹教授と、CREST のメンバーには会合の際に有益な コメントをいただいた。水循環系のモデリングという未知の世界であったが、その成果が すばらしいものであり研究することの意義を教えてくれた。感謝したい。 柴崎研の方々には大変にお世話になった。同期の秋山君、斉藤君、Tan 君には研究室だけ でなく海外での学会においても支えとなってくれた。Wu さんと Yang さんは同じ分野の研 究をしている関係から、多くの意見をいただいた。研究室の先輩には厳しい指摘をしてい ただいた。説明力のなさを痛感したが、学会でプレゼンを成功させられたのは彼らのお陰 である。特に、帷子さんと中村さんが深夜遅くまで研究している姿を見て、ここまでがん ばれたのだと思う。今回の研究は、華中師範大学の談国新教授が柴崎研に在籍していた際 に開発した EPIC があってのものであり、大変感謝している。秘書の本間さん、木田さん、 切通さん、高野さんには航空券の手配や成果のとりまとめなど事務的な点において大変お 世話になった。 最後に、学部を卒業してもまだ学生でいさせてくれた両親に感謝して、本論分を締めく くりたいと思う。 62