...

【問題】 一つの部屋に 6 人いるとき、その中で同じ誕生月の人が少なくとも

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

【問題】 一つの部屋に 6 人いるとき、その中で同じ誕生月の人が少なくとも
【問題】
一つの部屋に 6 人いるとき、その中で同じ誕生月の人が少なくとも 2 人は居る確率はいくつですか?
ただし年齢までは考慮しない事とし、誕生月は 1 月生まれ~ 12 月生まれまで全部で 12 通りとします。
【解答・解説】
「 6 人の中に同じ誕生月の人が少なくとも 2 人は居る確率」を計算するよりも、その余事象である
「 6 人全員の誕生月が全て異なる確率」を計算して、後で 1 から引けば計算は楽になります。
6 人全員の誕生月が全て異なるということは、
12
1 人目はどの月でも良いので、 確率は
12
11
2 人目は、 1 人目と違う月だから、 確率は
12
10
3 人目は、前の 2 人と違う月だから、 確率は
12
9
4 人目は、前の 3 人と違う月だから、 確率は
12
8
5 人目は、前の 4 人と違う月だから、 確率は
12
7
6 人目は、前の 5 人と違う月だから、 確率は
12
これらを全て掛けると、「 6 人全員の誕生月が全て異なる確率」が計算されます。
 12  11  10  9  8  7  385
       
 12  12  12  12  12  12  1728
となります。これはあくまでも余事象であるから、
本来求めたい「 6 人の中に同じ誕生月の人が少なくとも 2 人は居る確率」は 1 から引いて
1
385 1343
 0.78

1728 1728
となります。
12 ヶ月に対し、6 人も集まれば確率が 78% と高めですが、直感とはそう程遠くはないかと思われます。
ところが、この問題の発展型として「誕生日のパラドックス」という有名な確率の計算があります。
実際にはパラドックスでも何でもありませんが、直感とは随分かけ離れたものになるかと思います。
この次のページの補足で説明します。
【補足】
「誕生日のパラドックス」で有名なお話は大よそ下記の通りとなります。
「一つのクラスに 50 人の生徒がいるとき、その中で同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居る確率は
50% を上回るでしょうか?それとも 50% を下回るでしょうか?
ただし年齢までは考慮しない事とし、閏年の 2 月 29 日は考慮せずに、 1 年は 365 日とします。」
という問題です。
365 日に対し、たったの 50 人だと直感的には 50% を上回らない気もしますが・・・・・
実際に前ページでの問題と同じ手続きで進めていきます。
「50 人の中に同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居る確率」を計算するには、その余事象である
「50 人全員の誕生日が全て異なる確率」を計算して、後で 1 から引きます。
50 人全員の誕生日が全て異なるということは、
1 人目はどの日でも良いので、 確率は
365
365
364
365
363
3 人目は、前の 2 人と違う日だから、 確率は
365
2 人目は、 1 人目と違う日だから、 確率は
・・・・・・・・・・・・・・
317
365
316
50 人目は、前の 49 人と違う日だから、 確率は
365
49 人目は、前の 48 人と違う日だから、 確率は
これらを全て掛けると「50 人全員の誕生日が全て異なる確率」が計算されます。
実際の計算にはエクセルなどの計算機を使用しますが、
 365  364  363 
 317  316 



・・・・・

  0.030
 365  365  365 
 365  365 
となります。これはあくまでも余事象であるから、
本来求めたい「 50 人の中に同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居る確率」は 1 から引いて
1  0.030  0.97
となります。その確率はなんと 97% !
当初比較しようとしていた 50%よりも遥かに大きな数字ですね!
50 人なら、ほとんどと言っていいほど同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居るという事になります。
むしろ 50 人全員の誕生日がバラバラというほうが極めて珍しい(又は何らかの作為あり)という事に
なるかと思います。
人数を変えてみて、横軸に人数、縦軸に「同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居る確率」の
グラフを描かせると下図のようになります。
50 人だと確率は 97%ですが、むしろ確率が 50%を超えるためには、たったの 23 人でいいわけです。
こんなに人数が少なくていいのか?と思いますが、問題の誕生月の場合と違って、
誕生日の場合は直感とは随分かけ離れたものになっていると感じませんか?
次に、日にちを指定した場合は果たしてどうなるでしょうか?
つまり「 50 人の中に自分と同じ誕生日の人が居る確率」を計算する事になりますが、
例えば 2 月 28 日生まれと指定すれば、確率はグンと下がります。
計算方法は以下の通りとなります。
「 50 人の中に自分と同じ誕生日の人が居る確率」を計算するには、その余事象である
「50 人全員の誕生日が 2 月 28 日生まれではない確率」を計算して、後で 1 から引きます。
全員が 2 月 28 日以外であれば何でもよいので、1 人目であろうが 2 人目であろうが 50 人目であろうが、
一人あたりの確率は
 364 
1 

 365 
364
となります。それを 50 人分掛け合わせて同様にして後から 1 を引いて、
365
50
 0.128
となります。
その確率は 12.8% ・・・・・先ほどに比べて確率が随分低いですね。
同様にして人数を変えてみて、横軸に人数、縦軸に「自分と同じ誕生日が居る確率」の
グラフを描かせると下図のようになります。
自分と同じ誕生日という指定をしたら今度は 50 人だと確率は 12.8%ですが、確率が 50%を
超えるためには、253 人も集めなければならないという事になります。
「同じ誕生日の人が少なくとも 2 人は居る確率」と「自分と同じ誕生日の人が居る確率」について
なんとなく似たようなニュアンスに思えますが、実は内容が全く異なるというところが
「誕生日のパラドックス」と言われる所以かもしれません。
Fly UP