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為替は円安転換したか
審査部審査済 11/4/11 東洋証券 情報部・アジア部・営業企画部 為替は円安転換したか この資料に記載されている内容は東洋証券の見解であり、将来を保証するものではありません 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 円、約16年ぶりに1ドル80円台割りこむも協調介入で反転 (円) 約16年ぶりに、史上最高値を更新、その後はG7との協調介入で上昇に一服感も出ている。 160 1ドル76円台を付けた背景 ①投機筋による円買い ②個人投資家による損失確定売り ③経常収支の黒字国など、の理由で円買いが進んだ 150 140 130 120 110 約16年ぶりに80円台 の大台割れ 100 90 80 1ドル=76円 24銭 70 1ドル=79円75銭 出所:Bloombergのデータをもとに東洋証券作成 94/06 94/11 95/04 95/09 96/02 96/07 96/12 97/05 97/10 98/03 98/08 99/01 99/06 99/11 00/04 00/09 01/02 01/07 01/12 02/05 02/10 03/03 03/08 04/01 04/06 04/11 05/04 05/09 06/02 06/07 06/12 07/05 07/10 08/03 08/08 09/01 09/06 09/11 10/04 10/09 11/02 60 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (情報部 土田) 1/11 協調介入後はトレンドが転換しやすい 95年以降、協調介入後は、いずれもその後円安方向で推移した。今回(11年3月 )も同様の展開となるか。 160 出所:Bloomberg、各種資料をもとに東洋証券作成 通貨ユーロ導入 (99年1月) 150 日銀量的緩和策導入 (01年3月) 140 130 阪神・淡路大震災発生 (95年1月) リーマンショック (08年9月) 120 110 100 90 80 70 G7協調介入 (11年3月) 円高に歯止め 日米欧協調介入 (00年9月) ユーロ安に歯止め 日米協調介入 (95年7月) 円高に歯止め 一時1ドル=79円75銭 (95年4月) 米雇用創出法の成立 (04年10月) 日銀量的緩和策解除 (06年3月) 東日本大震災 (11年3月) 94/06 94/11 95/04 95/09 96/02 96/07 96/12 97/05 97/10 98/03 98/08 99/01 99/06 99/11 00/04 00/09 01/02 01/07 01/12 02/05 02/10 03/03 03/08 04/01 04/06 04/11 05/04 05/09 06/02 06/07 06/12 07/05 07/10 08/03 08/08 09/01 09/06 09/11 10/04 10/09 11/02 60 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (情報部 土田) 2/11 震災後の為替相場は円安か 為替相場は円安方向に 95年のドル円相場は、一時急激な円高・ドル安が進 行したが、その後は年末にかけ年初の水準に。 95年震災後円安の背景 1.日銀の公定歩合の引き下げ(1.75⇒1.0%、4/14) 2.G7がドルの急速な下落を懸念、「ドルの秩序ある反 転」の合意を発表(4/25) 3.ナポリサミット開催、ドルをサポートする各国の協調 体制が強化(6/18) 4.日米協調介入(7/7) 5.日米独等による協調ドル買い介入(8/15) 11年は年央以降、円安が見込まれる背景 1.為替協調介入実施へ 2.米国の量的緩和策第2弾(QE2)が6月末に終了すると 予想されること 3.早晩、国内保険会社による保険金支払いための外貨 資産売却が一巡すると思われること 4.震災復興のため、日銀による緊急流動性供給は円安 につながる可能性も 5.米政府が米企業の海外利益還流を促すために、税制 上の優遇措置を設ける検討に入ったこと (情報部 翁) 95年震災直後のドル円相場と日経平均の推移 110 105 100 95年最高値 104.55円/ドル (95/9/19、終値ベース) 震災当日 99.11円/ドル (95/1/17、終値ベース) 21000 20000 ドル円為替レート 史上最高値更新 (左軸、円/ドル) 79.75円/ドル (95/4/19、瞬間ベース) 19000 18000 95 円安 90 日経平均指数 (右軸、円) 16000 85 80 3カ月間で 約2割円高急進 75 70 17000 円高急進 円高 5カ月間で約3割強の円安進行 円安進行 15000 100円台前半で推移 14000 安定相場 13000 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (出所)Bloombergデータを基に東洋証券作成 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 3/11 過去の協調介入はトレンドの転換点 310 (円) 290 プラザ合意 ドル安誘導 270 250 230 ①単独ではなく協調介入となったことに意義がある 過去の実績にもあるようにそのパワーは強い ②G7各国の中央銀行(日銀、FRB、ECB、BOE、BOC) はそれぞれの市場で適宜介入を行う ③ドル円だけではなく、ユーロ円で介入する可能性も ④株式市場にも好材料となろう 210 190 170 円安是正 米同時多発テロ ドル買い支え 150 130 ルーブル合意 110 90 米ドル/円 ユーロ/円 阪神淡路大震災 円安誘導 ユーロ安阻止 円高阻止 70 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 (年) 出所:Bloombergのデータをもとに東洋証券作成 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (営業企画部 柏木) 4/11 実際の円レートは購買力平価に対し大幅な円高傾向 マイナスかい離は10年間で最大レベルに拡大、円安への修正が予想される 160 50.0 149.5 143.8 出所:OECD、Bloombergのデータをもとに東洋証券作成 139.7 140 40.0 134.4 129.6 124.6 120 120.2 116.8 30.0 114.7 111.4 20.0 100 購買力平価とは それぞれの通貨 の購買力(商品を 購入する力)が等 しくなるように計算 した通貨の交換比 率のこと。 10.0 0.0 80 -4.7 60 -9.8 -10.0 -7.6 -13.5 -20.0 -21.0 40 経済実態に近い と考えられる。 -23.3 -30.3 20 -30.0 -28.9 -30.9 -40.0 -37.3 購買力平価との乖離率(右:%) 購買力平価(左:円) 実際のレート(左:円) -50.0 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 (情報部 大塚) 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 5/11 米雇用創出法の実施が円安転換の契機に ◇04年10月から1年間施行された雇用創出法でドル高に 米国では04年10月に、「雇用創出法(American Jobs Creation Act)」が成立。雇用創出法とは、1年間という期限付きだが、海外に滞留している米企業 の利益を戻す場合、資金が国内に再投資される場合に限り、税制上の優遇措置を設けるというもの。実際、最高税率は従来の35%から5.25%に引き下 げられた。これにより、米国企業の本国への配当金送金が活発化、配当金送金などが04年の5.8兆円から05年には28.0兆円まで急増したという。このド ル買い需要の高まりが、ドル高への要因になったとの見方が強い。なお、法律発効後、失業率に改善が見られたようだ。 ◇ブッシュ減税延長を含む包括的な経済対策の実施で雇用創出へ → 円安転換のきっかけとなるか オバマ大統領は10年12月、国内への投資を促進させるため、ブッシュ減税の延長を含む包括的な経済対策法案へ署名、同法案が成立した。主な内 容としては①ブッシュ減税の2年延長、②11年の1年間労働者の給与にかかる社会保障税の税率を6.2%から4.2%に引き下げ、③失業保険の給付を最 大99週まで延長する措置を13カ月延長、など。最近では海外に滞留している米企業の利益を国内に戻す場合に税制上の優遇措置を設ける検討に入る など、国内景気底上げに向けたオバマ大統領の強い意志を感じる。仮に税制優遇がなされれば、04年当時と同様のシナリオになる可能性もある。 180 12 04年10月に米雇用創出法が成立して以降、失業率は改善 → ドル円は円安方向に 160 10 140 120 8 100 6 80 60 4 40 ドル円(左、円) 20 2 失業率(右、%) 出所:Bloombergのデータをもとに東洋証券作成 0 87/12 88/06 88/12 89/06 89/12 90/06 90/12 91/06 91/12 92/06 92/12 93/06 93/12 94/06 94/12 95/06 95/12 96/06 96/12 97/06 97/12 98/06 98/12 99/06 99/12 00/06 00/12 01/06 01/12 02/06 02/12 03/06 03/12 04/06 04/12 05/06 05/12 06/06 06/12 07/06 07/12 08/06 08/12 09/06 09/12 10/06 10/12 0 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (情報部 土田) 6/11 米本国投資法第2弾実施の可能性も ◇米本国投資法とは、 140 本国投資法は内国投資促進条項のことで、略称で頭文字をとって ドル円の推移 円 HIA(Hometown Investment act)と呼ばれている。 本国投資法は、米国企業が利益や配当金、余剰資金を米国内に海外から 130 送金する場合、税負担を優遇して米国内での投資を促進するための法律。 05年に限って通常35%の法人所得税率が5.25%に軽減された。これにより 米国への資金が還流(米国企業によるレパトリ※が発生)、ドル高要因の一 120 つとなった。 04年10月に成立した本国投資法第一弾は、05年の時限立法として実施さ 110 れ、約3000億ドルの資金が米国へ還流したとされる。米国へ資金が還流した ことで、ドルはユーロや円などの通貨に対しドル高になった。 100 ◇米本国投資法の第二弾実施の方向か 米景気は回復局面にあるとはいえ、住宅市場や雇用など依然指標面で楽 観的な状況とは言えない。そのため、海外に蓄積した資金を米国に呼び込む 04年10月 米雇用創出法の成立 本国投資法第一弾 90 ことで国内の投資を促進させる本国投資法は理にかなっている。 現在も多くの資金が海外に滞留していると思われ、本国投資法第2弾が実 本国投資法第二弾 実施の可能性も 80 施される可能性もあのではないだろうか。 11/01 10/01 09/01 08/01 07/01 06/01 05/01 04/01 03/01 02/01 01/01 (情報部 翁) 出所:Bloombergのデータをもとに東洋証券作成 70 99/12 ※レパトリ(レパトリエーション)とは、戦争などで敵国に捕まった捕虜を本 国に送還したり、出征していた兵士が本国に帰還することが語源で、「海 外に投資していた資金を自国に戻す」ことを言う この資料に記載されている内容は東洋証券の見解であり、将来を保証するものではありません 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 7/11 ドルの実質実効レートからはドル安トレンド終了か 米国サイドから考えるドル 150 ドルの実質実効レート推移 140 130 高い 強いドルは国益、 グローバル投資 を推進 120 ドル ITバブル、 住宅バブル 崩壊 対日貿易赤字 拡大、競争力 低下 110 グローバル な収益基盤 の構築に向 け、対外投 資強化へ 100 ドル高 必要 90 安い 対外投資促進 競争力強化 インフレ抑制 デフレ対応 出所:FRBのデータをもとに東洋証券作成 2012 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1982 1981 1980 1979 1978 1977 1975 1974 1973 1972 1971 1970 80 (情報部 大塚) 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 8/11 足元の円高は海外資産投資の好機と考えられる 史上最高値を更新したドル円もQE2終了でトレンド転換か ドル円相場の推移(月足) (ドル/円) テクニカルコメント 過去の円高は50%リズムか 足元48%の円高で目標達成感も 360.00 350 -50% 300 (円) 115 中国経済への成長期待から、 香港ドルは下げ渋る値動きに 14 13 277.10 95 9 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 (年) 75 8 出所:QUICKの数値をもとに東洋証券作成 出所:ブルームバーグほか各種資料をもとに東洋証券作成 65 60 80 0.8 55 70 0.7 50 0.6 45 0.5 40 出所:QUICKの数値をもとに東洋証券作成 09/08 09/06 11/02 10/12 10/10 10/08 10/05 10/03 10/01 09/11 09/09 09/07 09/05 09/03 09/01 08/11 08/09 08/07 08/05 08/03 07/12 0.4 09/04 40 伯レアル/円 35 09/02 50 08/12 豪ドル/円(左) 豪ドル/米ドル(右) 08/10 60 08/08 0.9 対円でブラジルレアルの下値は 限られているようだ 70 08/06 90 1.0 08/04 対円での米ドル高は豪ドル高に もつながろう 100 ブラジルレアルの推移(週足) (円) 75 08/02 (米ドル) 1.1 07/12 豪ドル相場の推移(週足) (円) 110 11/02 0 ザラ場 76.24 10/12 121.25 50 80 10/10 80.72 ザラ場 79.75 10/08 100 85 香港ドル/円(左) 米ドル/円(右) 10/06 179.50 90 10 10/04 147.20 10/02 150 -49% 11 09/12 158.85 -48% (ザラ場) 09/10 -56% 200 105 100 12 250 110 07/12 08/02 08/04 08/06 08/08 08/10 08/12 09/01 09/03 09/05 09/07 09/09 09/11 09/12 10/02 10/04 10/06 10/08 10/10 10/11 11/01 11/03 400 米ドル・香港ドル相場の推移(週足) (円) 15 出所:QUICKの数値をもとに東洋証券作成 巻末に重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (アジア部 檜和田) 9/11 ◆ 注 意 事 項 ◆ 東洋証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第121号 日本証券業協会 加入 外国株式等について ・外国証券は、日本国内の取引所に上場されている銘柄や日本国内で募集または売出しがあった銘柄等の場合を除き、日本国の金融 商品取引法に基づく企業内容等の開示が行われておりません。 手数料等およびリスクについて ①株式の手数料等およびリスクについて ・国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大1.2075%(税込み)(約定代金が260,869円以下の場合は、3,150円(税込み))の手数 料をいただきます。国内株式を募集、売出し等により取得いただく場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。 国内株式は、株価の変動により、元本の損失が生じるおそれがあります。 ・外国株式等の売買取引には、売買金額(現地における約定代金に現地委託手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には 差し引いた額)に対して最大0.8400%(税込み)の国内取次ぎ手数料をいただきます。外国の金融商品市場等における現地手数料や税 金等は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。 外国株式は、株価の変動および為替相場の変動等により、元本の損失が生じるおそれがあります。 ②債券の手数料等およびリスクについて ・非上場債券を募集・売出し等により取得いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、元本の損失を生じるおそれがあります。外国債券は、金利水準の変動等により価格 が上下するほか、カントリーリスク及び為替相場の変動等により元本の損失が生じるおそれがあります。また、倒産等、発行会社の財務 状態の悪化により元本の損失を生じるおそれがあります。 ③投資信託の手数料等およびリスクについて ・投資信託のお取引にあたっては、申込(一部の投資信託は換金)手数料をいただきます。投資信託の保有期間中に間接的に信託報酬 をご負担いただきます。また、換金時に信託財産留保金を直接ご負担いただく場合があります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに、ご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なるため、本書面上その金額等を あらかじめ記載することはできません。 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とするため、当該金融商品市場における取引価格の変 動や為替の変動等により基準価格が変動し、元本の損失が生じるおそれがあります。 10/11 ④株価指数先物・株価指数オプション取引の手数料等およびリスクについて ・株価指数先物取引には、約定代金に対し最大0.0840%(税込み)の手数料をいただきます。また、所定の委託証拠金が必要となります。 ・株価指数オプション取引には、約定代金、または権利行使で発生する金額に対し最大4.20%(税込み)(約定代金が2,625円に満たない 場合は、2,625円(税込み))の手数料をいただきます。また、所定の委託証拠金が必要となります。 株価指数先物・株価指数オプション取引は、対象とする株価指数の変動により、委託証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがありま す。 利益相反情報について 本レポートを掲載後、掲載された銘柄を対象としたEB等を当社が販売する可能性があります。 ご投資にあたっての留意点 取引や商品ごとに手数料等およびリスクが異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等 をご覧ください。 この資料は、東洋証券が各種のデータに基づき投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成したもので、投資勧誘を目的と したものではありません。 また、この資料に記載された情報の正確性および完全性を保証するものでもありません。この資料に記載された意見や予測は、資料 作成時点の見通しであり、予告なしに変更することがありますのでご注意ください。 本資料に基づき投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、当社は、理由の如何を問わず、一切責任を負いませ ん。株価の変動や、発行会社の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがありま すので、投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなされるようお願い致します。 なお、東洋証券及び同関連会社の役職員又はその家族がこの資料に掲載されている企業の証券を保有する可能性、取引する可能性 があります。 この資料の著作権は東洋証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等 を行わないようにお願い致します。 東洋証券株式会社 情報部 本社所在地 〒104-8678 東京都中央区八丁堀4-7-1 ℡ 03(5117)1040 http://www.toyo-sec.co.jp/ 11/11