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経験に基づく実験動物の行動変容
1 9 経験に基づ く実験動物の行動変容 二 谷 - 寅 J t iヽ 岡山大学文学部心理学教室 1.初期経験 と後期経験 との関連 によ る実験動物 の学習および発達の促進 と遅滞 岡山大学文学部心理学教室動物実験 室 は,昭和 40年 4月 よ り京都大学医学部純系動物飼育室 よ り 得 ー点 」 の分担研 通) ラ 部 省総 会研 究 (A ) 「行動研究分野 におけ る実験 動物 の開発 と利 用 ( 代表者 :藤 島 エ scherラッ ト( F3 4 4)を導入 し,現在 まで維 よ りFi 4,55年度文 持 している。 この変化 は,昭和 53,5 0 3 持 した。 次 いで,53年 9月 には国立遺伝学研究所 平均 Wi st ar 系 ラ ッ トを導入 し,昭和53年11月 まで維 究 に基 づ いてい る。 さて, カナ ダのモ ン トリオールの心理学教室 の Hebb anb W i l l i ams ( 1 946 )は,出発箱 と同標箱 は一定 に して,約 1メー トル四方 の白いオープ ン フ ィール ドに黒 いブロ ックによ る障害物 を立 て る ことによ り12問題 の回 り道 問題 をラ ッ トに課 して 動物 の知的機 能 を測定 した。筆者 は60匹 の雄の, KYOWi st ar ラッ トを用 いて このHebbWi l l i ams知能検査法 を再検 討 し,図 1の様 にその繰 り 返 しによる経験効果 ( experi ence ef f ect) を見出 し,成熟効果 ( mat urat i on ef f ect ) を見出 さなか った。 この図で,平均エ ラー得点 が多い程,知的 機能 が劣 ることを示 してい る。 検査 1 ( 生後5 0日頃) 検査 2 検査 3 検査 4 ( 生後80日頃) 性 後1 1 0日頃) ( 生後1 40日頃) 図 1 Hebb・ Wi l l i ams 知能検査 法 の経 験 効 果 と成熟効果 ( 三谷 , 1962, 1 972) 的機能 は十分 には開発 されず, かえって著 し 動物 は,検査 時以外 は個室 に隔離 ( i sol at i on) mat uraい発達遅滞 が生 じる。 従 って,成熟 ( されてい るため に, "検査 とい う経験" その もの が t i on)とは単 に発生 か らの経過時間ではない。 さまざまな学習の機会 を提供 してい ることか ら, 次 の結論 が得 られ る。 ④ ( 初期学 習一学 習継続群 ( N-20) ) に見 られ るよ うに,初期 学 習 を行 ない,適度 に続 ける ( む知的機 能 は,経験 ( experi ence)によって変 化 す る。 ② 経験 または学習 におけ る刺激作用 ( st i mu- devel opment ) は促進 され, .最高の と発達 ( 知的機能 に達 す る。 ( 参 ( 初期 学習一学 習非継続群 ( N-2 0) ) に見 ら 1 at i on)●● は,幼少期 の方 が効果 がある。 つ ま ●■ れ るよ うに,初期学 習 を行 って も, その後 の り初期経験 ( earl yxperi ence)または初期学 後期経験 ( l at er experi ence)または後期 学 習 ( ear l yl earni ng)が重要 で ある。 習 ( l at er l earni ng) を欠 くと,初期学習の ③ ( 成熟期学習群 ( N-20) ) に見 られ るよ うに, 経験 または学 習 を欠 いて単 に成長 して も,知 効果 は消 える。 以上 の様 に, ラ ッ トの学習 において も,生後5 0 岡実動研報 第 3号 ( 1 985) 20 日頃 の "初期 学 習" の方 が効 果 が有 り,それは 1 1 0 手 に取 られ ることに不安 ・恐怖 を感 じるの か, 冒 日頃 の同量 の成熟期 学 習 をもっ て して も回復 で き 標箱 に近 づ いて も, そ こに入 ることをか えって回 をい もの が あ るとい う意味 で,Freud ( 1 917). 避 す る。 手 に取 ると, ラ ッ トは身体 を硬 くし, そ Lorenz ( 1935), Scot t( 1950,197 4)等 の説 く の緊張 は実験 者 に まで伝 わって来 る。 知能検査 装 cri t i calperi od)が存 在 す るので あ る。 臨 界期 ( 置 の中で も,実験 動物 は ブ ラウ ン運動 または多動 しか し, (初期 学 習一学 習非継続 群) の効 果 が, ( hyperact i vi t y)を示 し,従 ってエ ラー得点 は 自 3カ月間 の隔離 によ り消失 して い るこ とか ら分 る uri nat i on)と排 便 ず と高 くな る。 また,排 尿 ( よ うに,臨 界期 に獲得 した もの が それだ けで絶 対 ( def ecat i on)を くり返 して情動性 ( emot i onal i t y) は著 しく高 い 。 的効 果 を持 つ のでは を くて,( 初期 学 習一学 習継続) さて, 図 1の様 にHebbWi l l i ams 知能検査 法 とい う刺激 作用 の短時間 の人 力 と間 欠的持 続 が必 要 なので あ り,成体 の完 全 を成熟 を出現 させ るメ f act or) の繰 り返 しによ る経験 効果 を支 える要 因 ( カニ ズム を支 える必須 の一要 因 と して,臨 界期 に は何 で あろ うか。定 まった出発箱 よ り,報酬 の与 おけ る刺激作 用 の入 力 があ ると考察 され る。 えられ る定 まった 目標 箱へ走行 す るとい うゴー ル ・オ リエ ンテー シ ョンを獲得 す ると, ラ ッ トのエ 2.潜在 学 習 とい う認知経験 の効果 ラー得点 は減 少 して来 るので あ ろ うか。つ ま り, Wi st ar ラ ッ トの行動 ( beha以上 よ り, KYOvi or) が,発達段 階の どの時点 でHebbWi l l i ams 知 能検査 法 を体験 したか,過去 に何 回体験 した か, その体験 間隔 は どの位 の リズムで あった か等 によ って著 しく変化 して くることが明 らかで あ る 。 な お, ラ ッ トは知能検査 時以外 は 1匹 ずつ個 室 に入 れ られ,研究者 の手 によってす ら触 れ られ ること 次 に,本検査 は回 り道 問題事態 での ラ ッ トの走 I 得 点 ッ トの知的機 能 とい う認知 ( Cogni t i o n■ )の能 力を ● ● ●●■ ● ■●● 測 定 して い る。 従 って,経験 に基 づ いて,実験 動 ■●●●● ● ●●●●●●●●●●● 物 の認知能 力 とい う心理 面 も変容 す るこ とが明 ら エ ラ 行 とい う行動 を質的 に評価 す るこ とによって, ラ 平 均 が な い。 40日の KYO かで あ る。 同腹 で生 まれた 日令 1 wi st ar 雄 ラ ッ トで も, ( 初期 学 習一学 習継続 群) の実験 動物 の行動 は注 意深 く的確 で あ り,最短距 離 を落 ち着 いて迅速 に美 しく走 行 す る。 回り道 課 て思 考 し,再 び走 りだす。 目標 箱 で報酬 を摂取 し た ラ ッ トを人間 が手 で取 り出す時, その身体 は し 潜在 : i習 群 停 止 し,頭部 のみ左右 に振 って代理 的 試行錯 誤 し テIシ ョ ン群 ゴ ール ・ オ リ エン 題 で あ るため,見通 しの きかない交差点 では一時 症 常 経 顔 群 なや かで あ り,掌 の中で遊 び,顔 を寄 せ る と眼鏡 に乗 り移 る。 その口 に人 間 が指 を入 れて も,決 し て強 く喫 む ことを しな い 図 2 潜在学 習 とい う認知経験 によ る HebbWi l l i ams 知能検査法 のエ ラ 。 一方,同 じ 1 40日のKYOWi st ar 雄 ラ ッ トで ー得点 の減 少 とその効 果の未知 の予 成熟期 学 習群) の行動 は全 く異 なっ も,図 1の ( 備 訓練 問題へ の般化 ( Mot oyos hi ,R. て くる。 動物 の行動 には落 ち着 きが な く,人 間の and Mi t ani ,K. , 1 965) 岡実動研報 第 3号 ( 1985) 2 1 Thorndi keやSki nnerの行動主義心理 学 の主張 す る様 に, 目標 箱 で 0. 05 9 の ミル クペ レ ッ ト2個 を獲得 す るとい う強化 ( rei nf orcement ) の機能 1日 2問題が与 え られ, 6日間で1 2問題 全部 を消 化 した。 以上 の様 に, 4群 それ ぞれ異 をった経験 を した 実験動物 をHebb・ Wi l l i ams 知能検査法 で検査 した を経験 す ることが重 要 をので あろ うか。 それ とも,経験効果 を支 える重要 を要因 は, Tol man 等 の認知心理学 の主張 す る様 に強化 では な くて, 白い広場 に黒 いブロ ックによる回 り道 事 ところ,図 2か ら明 らかをよ うに次 の三つの意外 とも言 える結 果 が示 されてい る。 ① (ゴー ル ・オ リエ ンテー シ ョン群) はエ ラー ル ・オ リエ ンテー シ ョン群 ( N-1 0) ) は, ブロ ッ 得点 が最 も多 く,知的機 能 は統制群 と同 じ程 ●●■■●●●● 度 に劣 って い る。 す なわ ち実験動物 の知的機 ●■●■●● ■ ●●■●●●●■ ●●●● 能 は食物 を与 え られ るとい うこと,つ ま り強 ●●●■●●●●●■●●■●● 化 だけで は充分 には開発 されをい。 クは凡 て取 り除 かれたため に約 1メー トル四方 の ② ( 潜 在学 習群) はエ ラー得点 が最 も少 な く, Wi l l i ams知能検査 装置 白い広場 と化 した Hebb・ 知的機 能 は正 常経験 群 と同様 に優 れている 態 を認知 す ることで あろ うか。 そ こで筆 者 は,約 5 0日令の40匹の雄 のKYOWi st arラ ッ トを 4群 に 分 けて,次 の様 を実験 を実施 した。第 1の (ゴー 。 2試 行 走 行 を,出発箱 か ら目標 箱 へ 向 け て 1日 1 す をわ ち動物 の知的機 能 は, "視覚的経験" と す る様 に訓練 された。 目標箱 には,ペ レッ トとい "視覚一運動 的経験 "を伴 なった潜在学習 とい う強化 が有 る。 訓練 は 6日間続 き, 72試行 の走行 う認知経験 によ り最 も深 く開発 され る 。 訓練 によって,動物 は出発箱 か ら直 ちにス ター ト ③ その効果 は,潜在学 習 とい う経験 を与 えられ して, 目標 箱 に向 けて直線的 に迅速 に走行 す ると をかった予備 訓練 問題 にまで般化 ( genera- shapi ng)した。 い う行動 を形成 ( 1 i ze)す る。 第 2の ( 潜 在学習群 ( N-1 0) ) は, 今度 は逆 に ペ レ ッ トとい う強化 を体験 しをかった 。 しか しブ 3.知覚学習 とい う認知経験の効果 ロ ックは存 在 していて,動物 は1 2の各 回 り道 問題 次 に,実験動物 の認 知経験 の効 果 を "視覚的経 を6 0秒 間ず っ 1日 2問題 の割 合 で探 索 ( expl ora- 験" にのみ しぼ って追求 してみ よ う 今度 は冒頭 t i on) す ることが許 された。 この 手続 をハ ニー型 で述べ たFi scherラ ッ ト ( F3 4 4)の視覚的経験 を l at entl earni ng)と呼 ぶ。 その際, の潜 在学習 ( その生育環境壁 面 の二次 元図形 のパ ター ンを操作 白い広場 に黒 いブロ ックが立て られて回 り道 問題 して研究 してみ よ う。 が構 築 されてい る様子 を見 ることが出来 る 。 つま 岡山大学文学部心理 学動物実験 室 の F3 4 4の2 り "視覚的経験 ( vi sualexperi ence)"す ること リタ-の雄 22匹 を生後 35日に 3群 に分 け る。 ラ ッ が出来 る。 更 には, そのブロ ックに触 れてみた り 0×40×30c m トは,天井 をス リガ ラ スで覆 われた7 唄 いでみた りしなが ら, その背後 にまで回 る体験 , の箱 に1 9 0日間入 れ られ,毎 日1 4時 間照明 された。 vi sual ・ mot orexpeつ ま り "視覚一運動的経験 ( ri ence)"をす ることが出来 る。 図 3に示 した様 に,各 群 の-壁面 にはそれぞれ異 。 なった図形 が呈示 されて, ラ ッ トはそれ を知覚学 第 3の ( 統 制群 ( N-1 0) ) は,ペ レッ トとい う percept ual l earni ng) しなが ら生育 した。 普 ( 強化 が体験 させ られなかったば か りか,更 に装置 (角群 ( N- 6) ) の-壁面 には,一辺 11 c mの黒 か らブロ ックを凡 て取 り除 かれた単 な る白い広場 と白の正 三角形 を図 3の様 に呈示 した。 (曲線群 を6 0秒 間ずつ 1日 2回探索 し, 6日間続 け られた。 (N - 6) ) には,図地 面積 の等 しい曲線 のみ によ つ ま り統制群 の ラ ッ トか らは,潜 在学 習群 が経験 る黒 い無意味 図形 を図 3の様 に呈示 した。 ( 統制 した様 を視覚的経験 や視覚-運 動的経験 の機 会 を 秤( N- 6) ) には, 白地 のみが呈示 されて図形 は 奪 われた。 なかった。 第 4の ( 正常経験 群 ( N-1 0) ) は, 目標箱 には 生後 225日に達 した時 に,各群の F3 44ラ ッ トを 強化 が有 り,装置 には各 問題 ごとの ブロ ックが立 個室 に移 した。 弁 別学習検査 に伴 を う知覚学 習刺 て られてい る正常 な状 態 で 1問題 6試行走行 した。 激 図形以外 の視覚的経験 を出来 るだけ統制 す るた 岡実動研報 第 3号 ( 1985) 22 してい る。 ラ ッ トは,黒 円 を選択 す ればペ レッ ト で強化 された。 図 5か ら明 らか を様 に,黒 円対 白円の弁 別学 習 曲線 が知 覚学 習 した図形 の相異 に依 存 して変化 し て来 る。 不思議 を こ とに,弁 別 行動 を最 も早 く形 成 して い るの は く 角群) で あ る。 守 r t L I . ■ ● t t t t I I I . . ' . . / . ● ● t t t t ■ ■ I t ■ ● t 率 卜 Lー 一 I: I.・ h. . .. 1 0 2 0 3 0 4 0 5 06 0 7 0 8 0 9 01 0 01 1 01 2 01 3 01 4 01 5 01 6 01 7 0 角群および曲線群が知覚学習した 図 3 い) 無関連図形パタ ン(統制群には何 ー も図形が呈示されな 試 行 図 5 知 覚学 習 した図形 の相異 に基 づ く 黒 円対 白円の弁 別学 習 曲線 め に,動物 の個 室 の窓 も黒 い ラ シャ紙 で覆 った。 さて,Gri ce型弁 別 装置 で, 図 4の様 に図地 の 弁 別 行 動 の形 成 が 最 も遅 れ た の は (曲線 群) で あ る。 Nが少 をいため に有意 で は ないが,(角群) 面積 の等 しい黒 円 を正刺 激 と し白円 を負刺 激 と し は (曲線 群) よ り優 れ て い る (X2- 2. 7,df-2. た弁 別学 習 ( di scri mi nat i on l earni ng)を日に1 0 p(. 30)0 試 行, 試行 間隔 ( I TI)60秒 で 行 い , 9以上 の正 更 に不思議 を こ とに,(曲線 群) は ( 統制群) に 劣 ってい る。 つ ま り, "角" の知 覚学 習 は,視覚 反応 を学 習完 成規準 と した 。 的弁 別能 力の発達 を高 めて,黒 円対 白円 とい う無 関連刺激 対 の弁別 を促進 し, "曲線 " の知 覚学 習 3 . 79c m は,視覚的弁 別能 力の発達 をか えって妨 害 す るこ とが示唆 され る。 l 以 上 の実験 は ,F344ラ ッ ト雄 の生後 3 5日か ら2 2 5 日までの経験 環境 を操 作 した もので あった。追試 i 卜 黒 円刺 激 什) 9. 5c m 白円刺 激 「) 図 4 三谷 ( 1 9 7 0 )によ る黒 円 ・白円弁 別刺激 と して,今度 は F344ラ ッ ト雌 の生後 2 4 0日か ら3 9 5 日までの 1 55日間 の経験環 境 を操 作 した。28匹 の ラ 角群 ッ トを図 3の ( なお,図 4の弁別刺激 に関 して は統 制 群 の ラ ッ ト ( N-1 0 ) ) ,(曲線 群 ( N-9 ) ) , ( 統 制群 ( N-9) ) の 3群 に2 4 0日令●よ り分 け て ●●● pref erence)が無 い こ とを筆 者 の場 合 には偏好 ( 生 育 した。 い わば, ラ ッ トの後期経験 を操作 して ( 1 9 7 0 ) はKYO・ Wi st ar雄 ラッ トを用 いて明 らか に み た。動物 は, 図 3の各知 覚学 習用環境 で 1 55日 岡実動研報 第 3号 (1985) 2 3 令 よ り3 95日令 まで生育 させ られた。毎 日天 井のス リガラス を上 げて餌 を落 したが, その隙 に実験動 物 は跳 び上 って外 を見よ うと試 みた。 また,弁 別 学習のため に,前実験 と同様 に個室 の窓 も黒 ラシ ャ紙 で覆 ったが,多 くd) 魂吻 去嘘 哀如 査 ( sensory ■●●■●●●●● 亡して行っ depri vati on)療境に融えかたいのか死 ● た。今回の弁別刺激 は, 図 6の通 り横 縞 を正刺激 と し縦 縞 を負刺激 と した。 角群 の ラ ッ ト3匹 は予備 三谷恵一 知覚学習 理学 6 学習 八木 第 6章 罷監修 本吉良治編 東京大学出版会 講座心 1 969,Pp. 1 29-1 61. 三谷恵 ・ 無関連 図形知 覚学 習の特定弁 別学 習促進効果 岡山 大学法 文学 部学術紀要 1 97 0, 30,63-69. 三谷忠 一- 初期環境条件 が生活体 の心理的機能 と生理的機 能 に及ぼす効 果 心理学評論 三谷恵 一 1 977,2 0,1 43-1 82. ラ ッ トの学 習行動 に及 ぼす環境 の影響 と系統差 1 9 8上 昭利5 3,5 4,55年度文部省総合研究 ( A)「 行動 訓練 不能 で除外 し, 1匹 は死亡 した。 研究分野 における実験動物 の開発 と利 用 ( 代表者 :藤 島 三谷恵一 通 )」 研究成果報告書,6 1-7 1. Fi scherラ 、 ソトの特徴 の行動科学的検討 (1) 〟 活動性 ・オペ ラ ン ト条件 づ け ・HebbWi l l i ams知能検 査 ・条件性情動 反応 テ ス ト ・成長曲線 に及ぼす生育環 ≡ ll 横縞刺激 什) H 9 82,第 3号 , 33-47. 境 の 効果一岡山大学文学部紀要, 1 縦縞刺激 仁) 図 6 横縞 ・縦縞弁別刺激 ( Lashl ey 1 9 3 0,Hebb 1 937, 三谷 1 9 8 4) 曲線群の 3匹 は死亡 し, 1匹の腹 は異 常肥 大 して 除外 された。統制群 の 3匹 が死亡 した。最 も早 く 弁別学習 を達 成 したのは ( 角群)で あ り,次 に( 舵 三谷恵一 Fi sc herラ ッ トの特徴 の行動科学的検討 (2)- 弁別学 習 と回避学習 に及 ぼす生育環境 の効 果一岡山大 学 文学部紀要 1 983, 1 2, 3 9-46. ,K.The i nt eract i veef f ectof percept ual Mi t ani l earni ng and l at enti nhi bi t i on ( I )Journaloft he Facul t y ofLet t ers,OkayamaUni versi t y,1 98 4, 5 13-21. , 制群) も完 了 した。 しか し (曲線群) の場合 は 2 匹 が完 了 したの みで,残 りの 3匹 につ いては結論 が得 られ るまで にまだ時間 がかか りそ うで ある。 現時点 まで に横縞 対縦縞 の弁別学習完成 に要 し Mot oyoshi ,R.良 Mi t ani ,K.Theprobl em ofexperi ・ ence ef f ecti nt heHebb・ Wi l l i ams i nt el l i gence t est .JapanesePsychol ogi calReserch,1 965, 7, 3 8-45. た中央値 を示す と,以下 の通 りで ある。 群 ( N- 6) 角 11 0試行 統制群 ( N- 6) 1 75試行 曲線群 ( N- 5) 2 2 0試行以上 ( 未定) 前実験 の場合 と同様 に, "角' 'の知覚学 習 とい う認知経験 は,実験 動物 の弁別学習能 力 を高 めて "曲線 ' 'の知 覚 学 習 とい う認知 経 験 い る。 逆 に, は,実験動物 の弁別学習能 力 を妨害 してい る。 こ の様 に,実験動物 の行動 と心理 とが その生育環境 experiの何 を知覚学 習 して釆 たか とい う経験 ( ence) によって変容 して くるとい うことを常 に留 意 しなが ら研究 を進 めて行 くことが必要 であろ う。 文 三谷恵一 献 Hebb・ Wi l l i ams知能検査 法 のシロ ネズ ミによる 再検討 動物ノ じ・ 理 学年報 1 9 62, 1 2, 21-31. 岡実動研報 第 3号 (1 985)