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データ収集に基づくソフトウェア
e-Society基盤ソフトウェアの総合開発 データ収集に基づくソフトウェア 開発支援システム(EASEプロジェクト) 研究代表者 研究分担者 鳥居宏次(奈良先端科学技術大学院大学) 井上克郎,楠本真二(大阪大学) 飯田元,松本健一(奈良先端科学技術大学院大学) 平成20年3月27日 Empirical Approach to Software Engineering Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University あらまし ■ 課題概要・目的 ■ プロジェクトの検討 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) 研究経費 実施体制 達成目標 成果 成果普及への取り組み 人材育成 学術的成果 中間評価指摘事項への対応 ■ プロジェクト外部との関係 (1) (2) (3) (4) ニーズ 国内外類似研究との比較 他プロジェクトとの連携協力 経済的・.社会的効果 ■ まとめ 2 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 課題概要・目的 z z z z ソフトウェア開発に関する諸データを収集・蓄積するデータ 収集システムの構築 収集したデータを解析・評価するデータ分析システムの構築 評価したデータに基づいて開発指針を提示するソフトウェア 開発支援システムの構築 ソフトウェア工学の諸技術の情報収集や データ収集 現状認識,今後のソフトウェア工学研究 への提言 データ分析 開発支援 3 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University プロジェクトの検討 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (1) 研究経費 百万円 5 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 実施体制 エンピリカルソフトウェア工学ラボ z 産学の橋渡し役 z 協力企業4社のソフトウェア技術者 z z z 日立公共システムエンジニアリング, 日立製作所,NTTソフトウェア, SRA先端技術研究所 大学ポスドク研究員 主な活動 z z EPM開発:仕様策定,フィージビリティ検討, プロトタイピング,実装,オープンソース化, 実プロジェクトへの適用,ドキュメント整備, ツール説明会,ツール展示,... データ分析技術開発:分析手法の洗練,ツール化, ドキュメント整備,ツール説明会,ツール展示,... 6 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 実施体制 プロジェクト体制(平成15年度) 全体統括 本部長 研究グループ 開発グループ 開発 大阪大学グループ 奈良先端大グループ 普及 技術委員会 海外アドバイザー 7 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 実施体制 プロジェクト体制(平成17年度) 全体統括 プロジェクト管理 プロジェクト管理事務局 EPM適用組織 研究グループ EPM推進グループ データ分析評価 日立公共システム エンジニアリング(株) 開発支援 開発 メトリクス プロセス 普及 データ分析タスクフォース 三菱スペース・ ソフトウエア(株) データ共有 高知工科大 阪南大学 データ分析タスクフォース プロジェクト管理 導入 住商情報システム(株) (株)日立システム アンドサービス JFEシステムズ(株) 横河電気(株) ソフトウェア・エンジニア リング・センター 大阪大学 奈良先端科学技術 大学院大学 データ分析タスクフォース 技術委員会 海外アドバイザー 外部評価委員会 EASE産業部会 ソフトウェアエンジニア リング技術研究組合 トヨタ自動車(株) (株)デンソー 日本電気(株) (株)日立製作所 富士通(株) 松下電器産業(株) (株)NTTデータ 8 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 実施体制 プロジェクト体制(平成19年度) 全体統括 プロジェクト管理 プロジェクト管理事務局 研究グループ 技術・システムの適用と評価 連携 データ分析技術の高度化 ソフトウェア開発支援システムの開発 プロジェクト群の分析・視覚化技術 技術 協力 共同研究等連携企業(順不同) (株)東芝とそのグループ会社,(独)宇宙航空研究開発機構 (株)デンソークリエイト,(株)エヌ・ティ・ティ・データ,富士通(株), パナソニックMSE(株),(財)経済調査会,(株)日立製作所, 日本ユニシス(株) 他 計12社 EPM機能強化と普及 情報処理推進機構(IPA) ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC) ソフトウェア開発技術 普及ツール開発事業 EPMツール検証プロジェクト 参加企業 計44社 技術委員会 海外アドバイザー 外部評価委員会 9 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (3) 達成目標 z エンタープライズ系,組込み系を問わず,広くソフトウェア開 発において,他の科学や工学分野と同様に,データ収集, 分析,そしてフィードバックによる改善(開発支援)というエ ンピリカルアプローチ(実証的手法)を実践する. z 定量的データに基づくソフトウェア開発技術の実現 z z z 定量的データ収集システムの構築【T1】 分析したデータに基づいて開発作業を支援するシステムの構築【T2】 【T3】 定量的データに基づくソフトウェア開発技術の現場への普及,促進 【T4】 10 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 成果 【T1】データ収集システムEPMの構築 z z z ソフ ト ウ ェア開 発 における 自 動的 な デー タ 収 集 と分 析 のため のプ ラ ッ ト フォーム(エンピリカル環境)である. 開発者の負担を小さくするため,構成 管理システム,メール管理システム, 障害管理システムからデータ収集する. 標準エンピリカルデータのフォーマット は公開されている. z z z 収集データを他ツールで分析. 他ツールによる収集データをEPMで分析. 既存のソフトウェア開発環境や社内システ ムとの連携. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 11 (4) 成果 【T2】データ分析評価システムの構築 z 12個のデータ分析システムを開発し,共同研究契約等を締結した企 業において適用と評価を行い,一部はオープンソースとして公開した. z プロセス計測・分析 z z z z z z プロダクト計測・分析 z z z z z z エンピリカルデータ分析支援ツール:EPM Pro* エンピリカルデータクラスタリングツール群:EP-Cluster Suite マイクロプロセスデータ可視化ツール:MPA-Plot /type1 ソフトウェアプロジェクト仮想再現ツール:Project Replayer 開発作業記録システム:EASE.CORE ソフトウェアレポジトリ自動分類システム:MUDABlue 流用部品検索ツール:Stigmata for Web コードクローン履歴閲覧システム:CHAN 分散型コードクローン検出システムツール名:D-CCFinder 統合開発環境向けリアルタイムクローン検出アドイン: SHINOBI プロジェクト分析 z z ワンクリック見積り&データ診断ツール:Magi 相関ルール分析ツール:NEEDLE 12 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 成果 【T3】ソフトウェア開発支援システムの構築 z 2個の開発支援システムを開発し,共同研究契約等を締結 した企業において適用と評価を行った. z z プロセスデータガイドブック:EPDG2 開発知識協創支援システム:D-SNS 13 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 成果【T1】 【T2】 【T3】 EASEツール群 粒度 企業・業界 プロジェクト プロジェクト特性データ クラス/モジュール別 バグデータ ソースコード (C/C++, Java, ・・・) ソースコード 更新履歴 (版管理履歴) 構成管理ツール 障害管理ツール CVS GNATS Mailman 個人 テキストエディタ MSエクセル Magi NEEDLE ソースコード 編集ツールなど MUDABlue Stigmata for Web CHAN D-CCFinder R2D2 コンバータ EPM Pro* EP-Cluster Suite MPA-Plot/type1 Project Replayer EPM OS アプリケーションソフト 対象データ (データソース) EPDG2 D-SNS EASE.CORE 収集 分析 改善・開発支援 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 14 (4) 成果【T1】 【T2】 【T3】 EASEツール一覧(「見える化」との対応) 15 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 成果【T2】 Project Replayer z z EPM等で収集されたエンピリ カルデータを基に,ソフトウェ ア開発プロジェクトを再現し, ビデオプレイヤのような感覚で プロジェクトの流れを分析する ツールである. 適用実験では,当該プロジェ クトに全く関わっていない被験 者であっても,開発が滞ってい た期間の特定や,その理由の 把握など開発プロセスの問題 点が容易に認識できた. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 16 (4) 成果【T2】 D-CCFinder z z z 80台のコンピュータを用いた分散処理型 コードクローン検出システムである. ソースコード群を小さなピースに分割し, ピース単位でCCFinderを実行すること により,コードクローンを検出する. FreeBSD用のソフトウェア集合Ports に含まれるCソースファイル約4億行から 51時間でコードクローン検出を完了し, 散布図等を用いてコードクローン共有状 態の全体像を把握することができた. 17 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 成果 【T4】情報収集・評価・提言 z 海外アドバイザーミーティング(計13回) z z V. R. Basili, B. W. Boehm, D. H. Rombach, R. Jeffery. EASE国際フォーラム z 第1回 2003年11月,東京,参加者約400名. z z z 海外アドバイザーとEASEメンバーによる基調講演. 国内の産学の研究者を加えたパネル討論. 第2回 2006年5月,東京,参加者約150名. z 国内外の産学の研究者による招待講演とパネル. z z EPM英語版に触発された,インドL&T Infotech社自社向け開発支援環境 SpliceM.E3の紹介. EASEツール群のデモ展示. 18 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (5) 成果普及への取り組み 特許権等の出願状況 z z 門田 暁人,佐藤 弘紹,神崎 雄一郎,“プログラム難読化 装置, プログラム難読化プログラム及びプログラム難読化方 法”,特願2003-202795,2003年7月提出. 松本 健一,門田 暁人,大杉 直樹,角田 雅照,“欠落デー タ推定装置, 欠落データ推定プログラム及び欠落データ推 定方法”,特願2003-377617,2003年11月提出. 19 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (5) 成果普及への取り組み 製品化・企業化 z 成果の産業界への技術移転を目的とした合同会社(LLC) を設立した. z z z z z z z 会社名:合同会社EASE創研(EASE Research Institute, LLC.) 資本金:280万円(平成20年3月1日現在) 設立:2008年2月18日 所在地: 本社:大阪市西区 関西ラボ:生駒市高山町 高山サイエンスプラザ内 代表社員:鳥居宏次 業務執行社員:個人12名,会社1社 ホームページ:http://www.easesoken.com/ 20 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (5) 成果普及への取り組み:その他 エンピリカルソフトウェア工学研究会 z z z 2004年4月の第1回から2007年 3月まで計16回開催した. 毎回20~50社の企業 から50~100名の参加者を得た. 主な発表・報告内容 z z z z 招待講演,国際会議参加報告,... EASEメンバーによるEPMの開発方針や適用事例報告,データ分 析ツールや適用事例報告 連携企業によるEASEツール群の適用事例報告 研究会での発表や議論がきっかけで,共同研究開発に発 展したケースも多数あった. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 21 (5) 成果普及への取り組み:その他 ソフトウェア工学工房 z z z z z 本研究開発課題(EASEプロジェクト)が協賛. コードクローン分析ツール,ソフトウェア再利用部品検索シ ステムについてのセミナーを実施. 開催地:東京,大阪 開催回数:全9回 参加人数:計337名 22 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (5) 成果普及への取り組み:その他 文部科学省人材育成プログラムへの展開 z 文部科学省「先導的ITスペシャリスト育成プログラム:高度 なソフトウェア技術者育成と実プロジェクト教材開発を実現 する融合連携専攻の形成(略称:IT Spiral)」において,成 果を展開している. z z 本研究開発課題で開発されたデータ収集・分 析手法を中心に,ソフトウェア開発におけるエン ピリカルアプローチの概念と具体例を解説する ビデオ教材「エンピリカルソフトウェア工学」を開 発した. 「実践ソフトウェア開発演習」においてEPMを 適用し,受講生が実践的なソフトウェア開発・ 管理技術を体得する一助としている. 23 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (5) 成果普及への取り組み:その他 解説本の市販,DVDによる成果配布 z 鳥居 宏次 監修,ソフトウェア開発における エンピリカルアプローチ,アスキー (2008). z 成果DVD z z 研究発表:PDFファイル. EASEツール:インストーラ,説明書,関連文献等. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 24 (6) 人材育成 主な対象者 z 博士課程学生:学位取得者 20名 (うち短期修了者 7名) z 主な学位論文 z z z z z z z z z z z z z 横森 励士,ソフトウェア保守・再利用の支援を目的としたプログラム解析手法に関する研究. 松村 知子,レガシーソフトウェアにおける暗黙的コード制約の形式化と潜在フォールトの検出. Naoki Oshugi, A Framework for Software Function Recommendation based on Collaborative Filtering. 玉田 春昭,バースマークと動的名前解決によるソフトウェアプロテクション. 川口 真司,ソフトウェアの類似性の分析とその応用に関する研究. Takashi Ishio, Study on Aspect Extraction and Program Analysis for Effective Software Development. Yoshiki Higo, Code Clone Analysis Methods for Efficient Software Maintenance. 角田 雅照,欠損値を含むソフトウェア開発データリポジトリを用いたプロジェクト計画支援. 早瀬 康裕,ソフトウェア変更作業の見積りと支援に関する研究. 神谷 芳樹,ソフトウェア開発プロジェクトのインプロセス計測とフィードバックに関する研究. 柿元 健,ソフトウェア開発管理における予測手法の利用的側面からの評価. Simone Livieri, Detection and Visualization of Code Clone for Very-Large Source Code Collections. ポスドク研究員 z 13名 進路 z 大学等助手・助教・講師 5名,企業 4名,ポスドク研究員 4名 25 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (6) 人材育成 期待できる効果等:ポスドク研究員 z 研究者としての実力を海外でも高く評価されており,国際的な活躍を 始めている.国際会議委員等への主な就任実績は次の通り. z 広報委員長 z z ワークショップ委員長 z z Publicity Chair for Japan,9th International Conference on Product Focused Software Process Improvement (PROFES2008), June 2008. 2nd International Workshop on Supporting Knowledge Collaboration in Software Development (KCSD2006), September 2006. プログラム委員 z z z z z Program Committee, 4th International Workshop on Mining Software Repositories (MSR2007), May 2007. 9th International Workshop on Principles of Software Evolution (IWPSE2007), September 2007. International Workshop on Accountability and Traceability in Global Software Engineering (ATGSE2007), December 2007. 5th Working Conference on Mining Software Repositories (MSR2008), May 2008. 1st International Workshop on Data Management in Virtual Engineering (DMVE '08), September 2008. 26 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (7) 学術的成果 研究業績 2003 2004 2005 2006 2007合計 著書 0 0 0 3 1 4 解説 2 1 2 1 2 8 招待論文・招待講演・チュートリアル 4 14 9 12 7 46 論文誌 5 6 8 6 9 34 国際会議発表 7 14 12 16 20 69 国内研究会発表 10 17 30 21 31 109 テクニカルレポート 3 2 2 7 4 18 プロジェクト主催研究会発表 0 12 16 16 16 60 合計 31 66 79 82 90 348 27 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (7) 学術的成果 主な論文 z ソフトウェア工学分野で最も権威のある学術論文誌への掲載論文 z z ポスドク研究員と企業派遣研究員による共著論文. z z z 大杉,角田,門田,松村,松本,菊地,“企業横断的収集データに基づくソフトウェア開発プロ ジェクトの工数見積もり,” SEC journal,No.5,pp.16-25,January 2006. Y. Mitani, N. Kikuchi, et al.: “A Proposal for Analysis and Prediction for Software Projects Using In-Process Measurements and Collaborative Filtering of A Benchmarks Database,” Journal of Software Measurement, Vol.1, No.1, pp.1-11, November 2007. 社会人学生論文特集号への掲載論文 z z 大平,横森,阪井,岩村,小野,新海,横川,“ソフトウェア開発プロジェクトのリアルタイム管理を 目的とした支援システム”,電子情報通信学会論文誌D-I,Vol.J88-D-I,No.2,pp.228-239, Feb. 2005. ポスドク研究員と連携企業研究員との共著論文 z z K. Inoue, et al.: “Ranking Significance of Software Components Based on Use Relations,” IEEE Transactions on Software Engineering, Vol.31, No.3, pp.213-225, March 2005. 田中,飯田,松本,“成果物間の関連に着目した開発プロセスのモデルPReP”,情報処理学会 論文誌,Vol.46,No.5,pp.1233-1245,May 2005. 産学連携論文特集号への掲載論文 z 角田,大杉,門田,松本,“協調フィルタリングを用いたソフトウェア開発工数予測方法”,情報処 理学会論文誌,Vol.46,No.5,pp.1155-1164,May 2005. 28 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (7) 学術的成果 主な受賞 z z z z z z z z z z 井上 克郎,楠本 真二,神谷 年洋,第35回市村学術賞貢献賞,2003年4月. 楠本 真二,情報処理学会平成14年度坂井記念特別賞,2003年5月. Shinji Uchida, Kazuyuki Shima, Best paper Award, SCI2003, July 2003. 中山 崇,松下 誠,井上 克郎,平成17年度情報処理学会ソフトウェア工学研究会 学生研究賞. 鳥居宏次,経済産業大臣表彰(情報化促進部門),2006年10月. 大杉 直樹,角田 雅照,門田 暁人,松村 知子,松本 健一,菊地 奈穂美,最優秀 論文賞,SEC journal,2006年10月. Y. Mitani, N. Kikuchi, T. Matsumura, N. Ohsugi, A. Monden, Y. Higo, K. Inoue, M. Barker and K. Matsumoto, Best Paper Award, MENSURA2006, Nov. 2006. 川口 真司,平成18年度情報処理学会コンピュータサイエンス領域奨励賞 2007年7 月. Y. Kamei, A. Monden, S. Matsumoto, T. Kakimoto, and K. Matsumoto, Best Paper Award, ESEM2007, September, 2007. 神谷 年洋,肥後 芳樹,植田 泰士,山本 哲男,泉田 聡介,佐々木 亨,松下 誠, 楠本 真二,井上 克郎,電子情報通信学会 平成18年度ISS論文賞,2007年11月. 29 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (8) 中間評価指摘事項への対応 z 本研究はエンピリカルという新しい概念を提供しようとするがゆえに効 果が分かりにくい。 z 開発した手法やツールに関する学術論文誌論文等を数多く発表するこ とで訴えてきた. 企業等の技術者向けにより広くアピールするため,解説本を発行した. z z z 鳥居 宏次 監修,ソフトウェア開発におけるエンピリカルアプローチ,アスキー (2008). 「エンピリカルソフトウェア工学研究会」において,連携企業の技術者か らの事例報告を多数行い,その効果をアピールした. z 連携企業の技術者による主な事例報告 z z z z 「EPM適用報告」,卯川 悟史(三菱スペース・ソフトウェア) 「NTTソフトウェア株式会社におけるEPMの社内適用について」,亀田 康雄(NTT ソフトウェア), 「コードクローン分析を利用した類似バグ検出」,佐々木 健介(パナソニックMSE) 「COSEからのフィードバック」,勝又 敏次(COSE/NTTデータ) 30 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University プロジェクト外部との関係 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (1) 研究開発課題に対するニーズ 組込みソフト出荷後バグ1件当たりの損失 2007年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書,経済産業省. 33 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (1) 研究開発課題に対するニーズ ベンダーの平均営業利益率 (1996~2005年度) 平成19年版 情報通信白書,総務省. 34 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (1) 研究開発課題に対するニーズ 売上高に対する研究開発費の割合 2007年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書,経済産業省. 35 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 国内外類似研究との比較 4つの海外研究プロジェクトとの比較 z EASEプロジェクトで提案するような,実用的な自動データ 収集/分析ツールの開発,データや分析結果のリアルタイ ムフィードバックや共有の検討は行われていない. z z z z z ドイツフランフォーファーIESE(Institute for Experimental Software Engineering) 米国 COCOMO-II 米国CeBASE (NSF Center for Empirically Based Software Engineering) 豪州 NICTA (National Information and Communication Technology Australia) EASEプロジェクトでは,これら類似プロジェク トの研究者との共同研究を積極的に行っている. 36 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (2) 国内外類似研究との比較 海外企業での開発に影響を与えた事例 Splice-M.E3 Concept Present Integrated views of data for Analysis Project Manager Splice-M Store Data IDE Convert Data to common format Notes Software Developer Collect Data Effort Logger Project Quality Leader 2006/10/10 Splice-M Database VSS Database Notes Database IDE Log Files L&T Infotech Confidential 2006 2 EPMに触発され,開発された,EPMと構造や機能 がよく似た自社向け開発支援環境SpliceM.E3 (インドL&T Infotech社) Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 37 (3) 他プロジェクトとの連携協力 IPA/SECとの連携(1) z 「SEC先進プロジェクト」への技術支援と適用実験 z 2005~2006年度,経済産業省の指導の下,エンピリカルソフトウェ ア工学を実践する場として企画,実施された. z z z 参加企業:トヨタ自動車,デンソー,日本電気,日立製作所,富士通, 松下電器産業,NTTデータ EASEプロジェクトからは,EPM を中心に,エンピリカルな手法や ツールを提供すると共に人的支 援も行い,エンピリカル環境の 大規模な適用実験とした. 参加企業は,エンピリカルアプ ローチの有用性を確信し,自ら の資源を投入し,新たな施策を 展開している. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 38 (3) 他プロジェクトとの連携協力 IPA/SECとの連携(2) z エンピリカル環境普及事業・プロジェクトへの技術協力 z z ソフトウェア開発技術普及ツール開発事業 EPMツール検証プロジェクト z 参加企業(順不同):野村総合研究所,クエスト,日本ユニシス,NEC ソフト,デンソー,日本システムディベロップメント,SRA,オムロン,日 本電子計算,高崎共同計算センター,中電シーティーアイ,横河電機, コア,サイオステクノロジー,セコム,アルプス電気,エヌアイデイ,NTT データシステムズ,日本電気,オートネットワーク技術研究所,アルファ システムズ,アルゴ21,パナソニックコミュニケーションズ,ジャステック, 日立ソフトウェアエンジニアリング,フュートレック,ミラクル・リナックス, 東芝ソリューション,日立公共システムエンジニアリング,日本証券テク ノロジー 他 計 44社 z 情 報 サ ー ビ ス 産 業 協 会 (JISA) と Information Technology Alliance(ITA)では,EPM専門部会が組織されている. Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University 39 (3) 他プロジェクトとの連携協力 IPA/SECとの連携(3) z 組織横断的データ分析技術の開発 z z SECデータベース(1770プロジェクトデータ)を対象とする. 欠損値を含む大量のプロジェクトデータに対する分析フレームワーク の確立を目指す. z z z z 欠損値・外れ値の除去・補完手法 協調フィルタリングを活用したプロ ジェクトデータ層別方法 開発管理向けベースライン構築 技術 類似するプロジェクトデータサブ セットの算出 組織内プロジェクトへのリソース割り当てに 利用できるデータ・分析・法則 業種間での生産性比較 0.60 生産性 IPA/SEC で収 集された21 1プロジ ェクト (新規開発 ,IFPU G法によるFP計測 ) 0.40 0.20 下位25% 0.00 上位2 5% n=33 n=19 n=22 n=16 n=55 海外の研究でも同様の傾向を示す. K. Ma xwell, and P. Forselius, “Be nch mark ing So ftware-De velo p men t Produc ti vity, ” IEEE So ftware, Vol.17 , N o.1 , pp .80-8 8, 2000 . R. Pre mraj, M. She pperd, B . Kitc hen ham, a nd P. Forse lius , “An Em piric al An alysis o f So ftware Produc tivit y o ver T ime ,” In Proc. o f 11th IEEE Interna tional Sof tware M etrics Sympo sium ( ME TRIC S'05) , Co mo , Ita ly, pp .37 , Sep ., 200 5. C. Lo kan , T. Wrigh t, P. Hill, and M. Strin ger, “Organiza tio nal B enc hmarking Usin g t he ISB SG Da ta Re po sitory,” IE EE Sof tware, Vo l.18 , No .5, p p.2 6-32 , 20 01. 角田,門田,宿久,菊地 ,松本,“外部委託 率に着 目したソフ トウェア プ ロジ ェクトの生産 性分析”,電子情報通 信学会技術報告,ソフトウェ アサイエンス 研究会,SS2006-11,pp.19-24 (2006年4月). 18 Copyri ght © 2007 Nara Instit ute of Science and Technology 40 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (3) 他プロジェクトとの連携協力 文部科学省ITスパイラルとの連携 z 教材開発や演習でのEPMの適用 z z 本研究開発課題で開発されたデータ収集・分 析手法を中心に,ソフトウェア開発におけるエン ピリカルアプローチの概念と具体例を解説する ビデオ教材「エンピリカルソフトウェア工学」を開 発した. 「実践ソフトウェア開発演習」においてEPMを 適用し,受講生が実践的なソフトウェア開発・ 管理技術を体得する一助としている. 41 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 経済的・社会的効果 経済的効果 直接効果 間接一次波及効果 金額 334億円 250億円 ROI 41.96 31.41 日本情報システム・ユーザ協会調べ「ソフトウェア開発におけるスケジュール超過率」 第1回EASE国際フォーラム参加者アンケート 平成14年情報通信産業連関表 などに基づく試算 42 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University (4) 経済的・社会的効果 社会的効果 z 本研究開発課題で開発したEPMをはじめとするソフトウェ アツールやデータ分析手法が,広く産業界に普及すること によって,次のような効果が期待される. z z z ソフトウェア開発におけるコスト削減 ソフトウェア製品の品質向上 ソフトウェア産業の国際競争力向上 43 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University まとめ z ソフトウェア開発におけるエンピリカルアプローチを,産業界 に浸透させることができた. z z z z ソフトウェア開発データの収集・分析技術,それらに基づく開発支 援技術の開発. 産業界や海外への技術普及のメディアとなるEASEツール群(15 個.一部オープンソース化)の開発. 産官学連携によるツール普及. さらに, z z z z 今後の研究開発の礎となる多数の研究業績. 産学をつなぐコミュニケータとしての多様な人材. 産官学交流の場としてのエンピリカルソフトウェア工学研究会. 産への技術移転を担う合同会社EASE創研(2008年2月設立). 44 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University EASEプロジェクト年表 FY2003 FY2004 FY2005 EPMリリース FY2007 オープンソース化 0.91α E A S E ラ ボ FY2006 0 .92α 0 .92 β 0.92β 0 .93α 英語版 EPM適用:日立GP 0 .93β EPM適用:高知工科大 EPM適用:三菱SS 0.9 4β 1.0 0 300 EPM適用:日立GP EPM適用:IT Spiral EASEツール群適用:SEC先進プロジェクト(IPA/SEC) EASEツール群説明会 CCFinder EPM EPM EPM CCFinder NEEDLE NEEDLE EPM EPM Magi Pro* Pro* 200 EASE産業部会 委 員 会 等 普 及 活 動 等 海外アドバイザーミーティング 外部評価委員会 研究業績 計348件 第1回EASE国際 フォ ーラ ム開催 関西オープン ソース2004出展 情報処理学会 解説記事掲載 IEEE TSE 論文掲載 100 エンピリカルソフトウェア工学研究会 中間成果 NASSCOM 報告会 Keynote Spe ech SEC Jou rnal 第2回EASE 最優秀論文賞受賞 国際フォ ーラ ム ワークショ ップ 経済産業大臣 ISPAW2 006開催 表彰受賞 組み込み技術展 関西200 7出展 APSEC2007 Exhibition 出展 電子情報通信学会 ISS論文賞受賞 ESEM2007 Best Paper Award受賞 EASE本 出版 45 Copyright © 2008 Nara Institute of Science and Technology / Osaka University