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平成27年度海洋鉱物資源研究調査事業に係る 海底熱水鉱床形成年代

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平成27年度海洋鉱物資源研究調査事業に係る 海底熱水鉱床形成年代
別添1
平成27年度海洋鉱物資源研究調査事業に係る
海底熱水鉱床形成年代の総合的研究に関する仕様書
1.研究目的
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「資源機構」という。)
は、海底熱水鉱床の開発に必要な資源量評価等について、海洋鉱物資源研究調査
事業を実施している。海底熱水鉱床は、我が国の周辺海域に存在し、ものづく
り産業に必要不可欠な銅、鉛、亜鉛、金、銀、レアメタル等を含んでいる。海
底熱水鉱床の開発については「海洋基本計画」に基づき、海洋資源調査船「白
嶺」等を使用し、資源量調査や生産技術の検討を行っているところである。
しかし、海底熱水鉱床は、形成された年代や鉱床の賦存状況等いまだ不明な
点が多い。過年度実施した伊是名海穴モデルマウンド周辺の熱水性鉱物の年代
測定では、モデルマウンド周辺のおおまかな形成年代は推定できたが、対象鉱
物が1種類であったことや測定数量がまだ十分でないため、鉱床全体や鉱床内
部の形成年代を総合的に評価するには至っていない。
本研究は、沖縄海域伊是名海穴モデルマウンド及び深部鉱体等を構成する熱
水性鉱物および鉱体周辺の堆積岩に含まれる微化石や有孔虫の年代測定を実施
し、各年代測定結果を総合的に考察することにより、モデルマウンド及び深部
鉱体内部の形成年代を解明し、資源量算定に関して海底熱水鉱床の形成ステー
ジ境界等を推察することを目的とする。
2.研究内容
伊是名海穴モデルマウンド及び深部鉱体等の形成年代を解明するため、モデ
ルマウンド及び深部鉱体等を構成する熱水性鉱物および鉱体周辺の堆積岩に含
まれる微化石の年代測定を実施する。年代測定に用いる試料については、当機
構が提供する試料について、研磨薄片作成や対象物抽出等の事前準備、顕微鏡
観察及び産状記載、微化石鑑定等をおこない、適切に年代測定が実施できる見
込みのある試料を選定することとする。
年代測定結果及び測定試料の空間分布及び各年代測定手法の特性から、モデ
ルマウンド及び深部鉱体内部の形成年代を解明し、海底熱水鉱床の形成ステー
ジの境界把握やそれらの成長速度について総合的に考察する。
研究工程は、以下の通りとする。
(1)年代測定候補試料の事前観察及び産状記載
下記の対象とする試料について、研磨薄片の作成または微化石抽出、及
び顕微鏡観察を実施し、産状記載及び微化石鑑定を行う。
【対象とする試料】
① 海底熱水鉱床鉱石:沖縄海域伊是名海穴に産する海底熱水鉱床試料で、
主に重晶石、硬石膏等からなる硫酸塩鉱物、黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、
黄銅鉱等の硫化物を含み、塊状~多孔質縞状組織等を示す試料、および
変質・鉱染を受けた火山岩(上記鉱物のいくつかを含む)等。
② 未固結堆積物・泥岩:沖縄海域伊是名海穴の海底熱水鉱床周辺及び深部
鉱体の上盤に位置する未固結堆積物及び泥岩等。微化石を含んでいるが、
熱水変質の影響を受け溶解している場合もある。
(2)年代測定試料の選定、年代測定
(1)の結果より、適切に年代測定が実施できる見込みのある試料を選定し、
下記の手法を用いて年代測定を実施する。
① 海底熱水鉱床鉱石
・ESR 年代測定法(対象鉱物:重晶石等の硫酸塩鉱物)
・U-Th 放射非平衡年代法(対象鉱物:硫化鉱物等)
※U-Th 放射非平衡年代法については、試料中に含有している陸源堆積
物の影響を考慮した測定を行える様、堆積物除去等の適切な処理を施す
こと。
【想定される年代範囲】:数年~3 万年前程度
② 未固結堆積物・泥岩
・微化石鑑定による生層序学的年代推定
・有孔虫放射性炭素年代測定(分析可能量を含有している試料のみ)
【想定される年代範囲】:数年~3 万年前程度
(3)モデルマウンド及び深部鉱体の形成年代の解明
年代測定結果、測定試料の空間分布及び各年代測定手法の特性から、モデ
ルマウンド及び深部鉱体内部の形成年代を解明する。
(4)総合的考察
海底熱水鉱床の形成ステージ境界を把握し、黒鉱鉱床や他の海底熱水鉱床
に関する鉱床形成モデル等についての知見を用いて、それらの成長速度につ
いて総合的に考察する。
3.契約期間
始 期:契約締結日
終
期:平成28年1月29日
4.成果物
(1)報告書
・報告書の電子媒体及び両面印刷物を甲に各1部提出する。
・報告書の概要版を作成し、電子媒体及び両面印刷物を甲に各1部提出する。
(2)その他、資源機構が指定するもの
5.特記事項
(1)実施者は資源機構と密接な連絡を保ち、所定の業務にあたること。
(2)実施者は業務の進捗状況と作業内容について、疑問点が生じた場合は速
やかに連絡をとり、資源機構の指示を仰ぐこと。
(3)実施者は業務の進捗に併せて、複数回の中間報告(電子メールでの報告
を含む)を実施し、報告会での指摘事項を反映させた報告書を作成する。
6.支出計画(契約時に記入)
積算内訳は別表のとおり
別表
(単位:円)
項目
金額
1.人件費
2.事業費
3.再委託費
4.一般管理費
小計
消費税及び地方消費税
合計
以上
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