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下関病院 急性期病棟・男子病棟 完成
Page1 (医)水の木会 発行日:平成18年10月11日 下関病院 下関病院 広報誌 発行者:(医)水の木会 下関病院 下関市富任町6-18-18 編集委員 急性期病棟・男子病棟 完成 医療法人水の木会には下関病院と萩病院がありますが、平成18年9月からいよいよ下関病院の急性期病棟 がスタートいたしました。急性期病棟というのは、症状が発症したり再燃したりして間もない時期(急性期) の治療を、専門的に行う病棟です。そのために病棟の構造は機能的な個室を多く配置し、医療スタッフは数の 充実だけではなく優秀な人材を集めました。最近の精神科医療は医師を始め、資格を持った多くの職種の人々 から成るチームで、いろいろな面から取り組むことが常識になっているからです。お待たせしました。これか らの下関病院の急性期病棟にご期待ください。 我々は下関病院と萩病院の診療目標として、急性期治療への取り組みと、処遇困難障害者への対応を掲げて います。さらに我々の基本姿勢として、断らない医療を行う、連携(報告、連絡、相談)を密にしたチーム医 療を行う、障害者との関わりを大切にする、ご家族との連携も大切にする、感性と実行力を大切にする、を挙 げています。下関病院に急性期病棟が立ち上がることにより、我々の目標や姿勢がより具体的になりますし、 病棟の機能区分や治療の流れがもっと明確になります。急性期病棟では症状の軽減と安定を図ります。その次 の閉鎖病棟では短期間の休息をした後に、自立に向けてのリハビリテーションの準備をします。最後の開放病 棟では退院後の目標を定め、どのような形で社会復帰するのかを検討すると同時に、自立するためにリハビリ テーションを行います。このように、急性期病棟→閉鎖病棟→開放病棟→外来という基本的な治療の流れを作 ることで、現在どこまで治療が進んでいるのかを障害者も医療スタッフも知ることができますし、情報を共有 することができます。これからは、障害者の皆様およびご家族の皆様と我々医療スタッフとが一丸となって、 新しい精神科医療に取り組んでいきたいと思っています。 最近の精神科医療において、精神科に関する法律や資格が急速に改定されています。毎年の自殺者が3万人 を超えるようなストレス社会であるからこそ、また親子関係を始めとする対人関係が円滑に進まない社会であ るからこそ、精神科医療に求められるものが多くなってきています。現実に我々の守備範囲は子供からお年寄 りまで、幅広いものになっています。下関病院における急性期病棟は、これらの社会的ニーズに応えようとす るものです。我々スタッフ一同は一生懸命に取り組みますので、今後とも皆様のご指導・ご鞭撻をお願い申し あげます。 Page:2 浴室 サービスステーション 患者食堂 病室(4人部屋) 多目的ホール 特別室 Page:3 急性期病棟 師長:多賀 清志・城尾 淑子 下関病院も平成18年9月より急性期病棟がスタートしました。 急性期にある精神障害者の人とは、自殺企図や自傷行為があって、生命に危険のある場 合、幻覚、妄想状態にあって、自他に危険を及ぼす場合、またはうつ状態が著しく反応の 乏しい場合などさまざまであるが、いずれも激しい精神症状を伴っており苦痛も激しい 為、このような時期は、観察を密にし、アセスメントを的確にして、障害者の理解に努 め、安全と保護を念頭に置いた看護が重要になる。同時にこの時期は、薬効を期待して多 量の薬物を用いることから、様々な副作用や他の合併症の出現にも、十分注意する必要が ある。 日常生活も破綻し、全般にわたって障害される事が多く、基本的ニーズが充足されるよ う、状態に応じたきめ細かな援助が求められる。日々のかかわりを通じて看護者が安心で きる存在であることを知らせ、自由に自分の気持ちを表出できるように助けることが大切 である。家族に対しても十分な支えとなり、援助する必要がある。その為にも各分野のスタッフが一致団 結し、急性期の障害者の方が安心して、次のステップへと移行できるように援助していく事が大切であ り、日々の看護を展開し、常に今自分が行っていることが、どういう意味を持つかを考えながらチーム医 療をしていきたいと考えます。 男子回復期病棟 師長:末永 勝矢 この度、急性期病棟、男子病棟が新築されて私個人的には待ちに待ったという気分です。 これで、病院全体がそれぞれの役目を持って、患者様への濃厚な援助が可能となり、スムー ズな治療の流れが提供していけそうで楽しみです。さて、男子回復期病棟について、紹介さ せていただきます。この病棟は閉鎖病棟で、主に急性期病棟の患者様で活発だったいろんな 症状が和らぎ、次のステップに向けて少しずつ歩みだすところで受け入れます。ここでは、 最初はゆったりと過ごしながら、徐々に身の回りのことなどが自分で出来るように病棟スタッフと共に 考えながら実行していくところが大きな役割です。それが完成間近になるとリハビリ病棟に移動し、実 行した内容を確立していきます。この流れを停滞させない為にも重要な病棟であることは言うまでもあ りません。皆さんの期待に応えられるような病棟にスタッフ一同全力で取り組んでいきます。 女子回復期病棟 師長:山本 真佐美 この度、急性期病棟の立ち上がりに伴い、病棟の名称も改められ9月より女子回復期病棟 の師長として勤務させていただくようになりました。初めての師長任務に戸惑い、正直なと ころ、1日の業務を必死でこなしているといった状態です。回復期病棟の目的である、安ら げる場の提供と、次のステップへの足がかりとなるよう日常生活の支援を行うを念頭に置 き、機能を十分生かせるよう努めたいと思います。それには、患者様を知り、個々のニー ズ、方向性を見いだすことが必要ではないかと思われ、優しく時に厳しくゆっくりとをモットーに、ス タッフ一丸となり看護にあたりたいと考えています。また、スタッフとのコミュニケーションも大切にし 報告、連絡、相談がスムーズに行えるような雰囲気づくりを心がけ、日々の業務をとおして師長としての 役割を身につけ、自己啓発を目標に努力したいと思っています。 Page:4 男子リハビリ病棟 師長:杉山 誠治 9月1日より新病棟設立に伴い、男子リハビリ病棟がスタートしました。病棟の構造 は以前の開放病棟に比べ明るく広く、患者様の表情が明るく活気があるように思いま す。リハビリ病棟としては、「快適です。」と患者様より多く聞かれます。当病院での 目的は自己管理能力の確立、退院先の決定となっており患者様が社会復帰する為に重要 な役割があります。自己管理については、日常生活のリズムを作りながら、身辺の整 理、私物の管理、金銭管理等自分ですることを進め援助しています。退院先については、仕事に復帰さ れる方、家族の所に帰る方、独居になる方、グループホームの入所を目指す方などそれぞれの目標に向 かってスタッフがお手伝いさせてもらっています。スタッフ一同、気分一新患者様のことを第一に考え 思いやりを持った看護で取り組みますのでよろしくお願いします。 女子リハビリ病棟 師長:沢登 勇一 自立支援法が施行され、半年が過ぎようとしています。精神科医療も大きな転換期を向 え、女子開放病棟も新たに女子リハビリ病棟と名称がかわりました。これは入院患者様 が、リハビリ病棟で退院に備えての日常生活訓練を行う病棟であることを明確にしたこと の表われです。私達、女子リハビリ病棟のスタッフは、「全人的医療の実践」の病院理念 のもと、患者様及びご家族が退院後も安心して暮らせるよう、看護だけでなく他職種との 連携を図り、社会資源を活用した援助を展開していきたいと思います。それにはスタッフ一人ひとりが 病棟の役割を十分に認識して動かなければ、全体は動かないと思います。私達は患者様の安心した退院 生活援助の為に、患者様、ご家族の立場を配慮した援助を展開していく決意でいます。 老年期病棟 師長:渡 初美 この度、男子病棟新設に伴い、各病棟の持つ役割が明確となる。患者様も症状に 応じ適切な病棟に移動される。 当病棟は老年期病棟で病床数35床と縮小される。その中での役割として、精神 症状に加え、高齢者は、身体的病状の出現の可能性が大きい。このことにより常に 精神・身体的にも観察を要す。又老化により各機能の低下が見られる。残在機能の 維持をする事が大切である。環境調節をし、レクリエーション活動・コミュニケー ションを促進することで、日常生活に変化をもらたらし現状維持に努める。もう1点、高齢化が進 む中で診療報酬は改正され、医療の枠組みが狭くなり、厳しい時代となっている。家族・各セク ションとの連携を富に行い今後の患者様の方針を考えていかなければならない。とかく精神疾患を もたれた患者様は家族との関わりが少なく疎遠になりやすいのが大半で、退院に当たっては受け入 れ先がなく独居生活を余儀されるのが現状です。したがって施設入所の方向で考慮していくことが 必要となってくる。 以上のこと上手く展開していける様に頑張ります。 Page:5 外来診療部 デイ・ナイトケア:松木 梅美 7年ぶりのデイケアの復帰から、やっと1ヶ月が経ちました。顔見知りのメンバーも チラホラ見られ、お久しぶりの挨拶に、緊張も次第に解けていくことができました。こ の7年間、病棟で精神疾患、治療を勉強し、急性期から回復期までの流れをを見ること が出来ました。一連の流れを経て、退院しデイケアに来るメンバーの中には、私が病棟 で接した患者様もいました。以前の激しさはまったくなく、やさしい純朴な青年に変 わっていて、とても驚きました。本来のやさしい素顔がこのデイケアには、いっぱいあ りました。また一つ、私の課題が見つかったような気がします。 8人のスタッフとスクラムを組んで、取り組んでいこうと思います。どうぞ、よろしくお願いしま す。 事務部長:藤田 暁士 9月1日に仮設病棟から新病棟へと引越しを行いました。約1ヵ月が経過し、 患者様も新しい環境で、ゆっくりと過ごされているように思われます。新病棟の 概要を簡単にですがご紹介させていただきます。 新病棟の3階は急性期病棟で、男女混合の46床の閉鎖病棟です。新規入院患者 様の治療を集中的に行うことを目的とする病棟で、46床のうち26床は保護室 を含む個室となっています。保護室は入院時の症状に合わせハードとソフトの2通りがあり、 ハードは9室、ソフトは11室となっています。一般個室6室にあわせ、ソフトの保護室は個 室としても使用いたします。もちろん男女のエリアは仕切り扉で分けられていますので、病室 が混同することはありません。 2階は男子回復期病棟で50床の閉鎖病棟です。急性期病棟で症状がある程度落ち着かれた 患者様や、入院中の患者様で継続した治療が必要な方が主な対象となります。個室も2室あり ますが、ほとんどが4床室となっています。 1階は男子リハビリ病棟で55床の開放病棟です。社会復帰を目的に、退院に向けた様々な リハビリテーションや指導、訓練を主に行う病棟です。個々の患者様のニーズに対応すべく、 一般個室4室にあわせて3室の特別室を配置しました。特別室はゆとりある空間の中に、浴 室、トイレ、ミニキッチン等の設備にあわせ、ご家族の方とも歓談できるようにソファーも用 意しています。中庭にはウッドデッキを張りめぐらし、テーブルや椅子を用意しましたので、 天候の良い季節には患者様の憩いの場所になると思われます。また、金銭等の貴重品の自己管 理を行うために、家具の中に施錠可能な引き出しを設置してあります。 3病棟全体に共通する事項として、病室はすべて1人当たり6.4㎡の基準を大きく上回る8㎡ 以上の広さを有しており、廊下も3m近い幅を確保しました。仕切り家具やカーテンにより、 プライバシーの確保にも努めました。 4階にはミニ体育館を兼ねた多目的ホールがあり、雨天時の患者様の運動の場として、また 職員研修の場として名前のとおり多目的に使用いたします。 長い間、外来の患者様にご迷惑をおかけいたしましたが、玄関やトイレ、売店等の改修工事 も無事終了しました。利便性の向上とバリアフリー化を行ったことにより、病院建物全体が山 口県福祉のまちづくり条例に適合し、認定証の交付を受けたことを最後にご報告いたします。 Page:6 池田 賢作(いけだ けんさく) 平成18年9月1日付けにて、当院で勤務させて頂く事となりました池田 賢作と 申します。 山口県宇部市出身で昭和61年に医師免許取得後、山口大学第2内科に所属し、循 環器内科を中心に勤務しておりました。 今回、精神科領域を研修させていただく機会を与えて頂き、感謝しております。 内科と精神科の違いに戸惑っておりますが、医師になった頃を思い出し、少しでも 病院のお役に立てればと考えております。 多々、ご迷惑をおかけすると思いますが、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。 佐藤 栄剛(さとう えいごう) 平成18年8月より、毎月1回、週末の当直勤務をさせていただくことになりまし た、佐藤栄剛と申します。どうぞよろしくお願い致します。私は、昭和61年3月、長 崎県立長崎南高校を卒業するまで長崎で過ごしました。長崎は坂の街ですが、私の実 家もご多分にもれず、通称 ドンの山(山頂に大砲があり、明治時代時刻を知らせる のに使われた) の中腹にありました。高卒後福岡に出てきて、自転車に乗れて感動 したのを覚えています。平成5年3月に九州大学医学部卒業、以後、同大の医局に属し て、ずっと精神科勤務を続けてきました。研修医時代は、患者さんに逃げられたり、蹴られたり、消火器 をぶっかけられたり(窒息するかと思いました)と、いろんな体験をしましたが、そういう人ほど良く なって退院する時に感謝されたような気がします。近年は、久留米市での勤務の後、離島勤務(壱岐島) を経験しました。精神科的な医療資源や社会資源が十分でなく、措置の人をセレアキを懐に忍ばせて、 フェリーなどで長崎県大村市の県立病院まで保健所の方々と一緒に搬送したりしました。真夏の暑い中、 フェリーに乗ってもエンジンを切った車の中にいなければならず、脱水になるかと思ったのも良い想い出 です。現在は医局の命令で福岡市よりちょっと南の病院に勤務しております。下関病院は、救急病棟が完 成してよりいっそう充実した活気のある病院になったように思います。働かせていただく機会をいただい たことに感謝致します。何かと不慣れな点もあるかと思いますが、何卒ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願 い致します。 下関病院では、地域の方々との交流の一環として、「地域で深めよう、心の絆」をテーマに 今年もふれあいフェスティバルを行います。 場 所:安岡公民館、日時:11月11日(土)10時∼15時 バザー:おでん、焼きうどん、肉まん、コロッケ、フランクフルト、 くじ、ジュース、フリーマーケット、作業療法・デイケア作品販売、農園作物販売 ステージ:みそら保育園の園児のみなさんによる鼓笛隊演奏、 安岡中学校吹奏楽部のみなさんによる演奏など 講 演:14時∼心理士 三木伸子による「ストレス対処法」 安岡駅近くですので、お気軽にお越し下さい。 編集後記 9月に入り突然、朝晩すずしく過ごし易くなりましたが、季節の変わり目、体調を崩されてないでしょうか?いよ いよ10月、オーダリングシステムの稼動、病棟の建替えに引き続き、下関病院が大きく変動をしています。次号で は、オーダリングシステムの導入報告をはじめ情報システム化についてご紹介したいと思っています。