...

好調な販売により増収増益、最高益更新を達成。 更なる業容拡大を推進

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

好調な販売により増収増益、最高益更新を達成。 更なる業容拡大を推進
http://www.fpg.jp/
7148
FPG
谷村
尚永
(タニムラ
ヒサナガ)
株式会社 FPG 社長
好調な販売により増収増益、最高益更新を達成。
更なる業容拡大を推進し、6 期連続の増収増益を目指す。
◆2014 年 9 月期業績総括
2014 年 9 月期連結業績は、売上高 62 億 57 百万円(前期比 55.9%増)、営業利益 34 億 61 百万円(同 66.1%
増)、経常利益 32 億 63 百万円(同 66.4%増)、当期純利益 19 億 88 百万円(同 67.7%増)と、5 期連続の増収増
益を達成し、過去最高益を更新した。
リース事業の組成金額は 1,686 億円(同 71.4%増)、出資金販売額は 378 億円(同 47.9%増)の結果となった。
昨年 11 月、航空機リース事業の組成強化を目的にアイルランドのダブリンにあるアメンタム社(航空機のリース
マネジメント会社)と資本業務提携を行った。12 月には、ロンドンにおいて、初の海外 IR を実施。業容の拡大に伴
い、東京本社のオフィスを移転した。3 月には不動産小口運用商品の第 2 号案件、「FRIP プラチナコート広尾」の販
売を開始。4 月には業容の拡大、収益構造の多角化を目的に第一投資顧問(株)の全株式を取得し、子会社化し
た。5 月にはアメンタム社との第 1 号の航空機案件を組成し、販売した。6 月には個人投資家向けの説明会を開催。
資本政策においては、新株式発行を実施し、約 44 億円の資金調達を行った。8 月には不動産小口運用商品の第
3 号案件、「FRIP Qiz 青山」の販売を開始した。9 月には資金調達枠(コミットメントラインの契約)が約 450 億円に
拡大した。この資金調達枠の大幅拡大に伴い、今後更に積極的に組成が行える体制が整ったことから、一層の業
績拡大が見込めるものと確信している。
販売網の拡大としては会計事務所との提携も順調に進んでおり、当期は、407 事務所と新たに提携した。金融
機関との提携も進めている。金融機関との提携には信用力が非常に重要になるが、2010 年 9 月の JASDAQ 市場
上場後、2012 年 10 月の東証 1 部上場を経て、金融機関との提携数、金融機関からの顧客紹介数も飛躍的に増
加し、商品出資金販売額ベースで見ると、会計事務所とほぼ同額になりつつある。当期においては、18 行の地銀
と新たに提携し、累計で 68 行となり、証券会社とも新たに 5 社提携した。
◆2014 年 9 月期営業概況
タックス・リース・アレンジメント事業の組成状況は、1,686 億円(前期比 71.4%増)の組成金額だった。販売金額
は年々増加しており、2014 年 9 月期は 378 億円(47.9%増)と過去最高を記録した。これに伴い、購入者数も増加
しており、購入社数は累計で 834 社となった。平均的な購入単価は 45 百万円前後で推移している。ニッチなビジネ
スではあるが非常に収益性が高く、出資金に含まれる手数料は、おおむね 14~15%で推移している。一般的な金
融商品に比べて高い収益性を維持しており、この利益水準を守りながら組成を拡大している。
本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。
◆2014 年 9 月期財務ハイライト
62 億 57 百万円の売上の内訳は、タックス・リース・アレンジメント事業が約 54 億円、不動産関連事業が 1 億 57
百万円、保険仲立人事業が 2 億 41 百万円、M&A アドバイザリー事業が 11 百万円、子会社の FPG 証券の売上が
3 億 16 百万円、投資顧問事業が 82 百万円である。特徴的なのは、不動産関連事業、保険仲立人事業、証券事業
が大きく伸びたことである。
売上原価については、当社の売上原価はリース案件の組成に伴う弁護士やアレンジャーに対する費用、金融
機関や会計事務所への顧客紹介手数料等になるが、売上の増加に伴い 2 億 72 百万円増の 8 億 73 百万円とな
った。
販売管理費の増加は、業容の拡大に伴い人材採用や本社ビルの移転を行ったためである。人件費および地代
家賃が増加し、前期比 5 億 95 百万円増の 19 億 22 百万円となった。営業外収益は、商品出資金の受取利息、組
成用不動産の賃貸料等が増加し、3 億 41 百万円だった。営業外費用は 5 億 40 百万円で、コミットメントラインのア
レンジメント手数料および資金調達拡大に伴う支払利息等が大半を占めている。
貸借対照表のポイントは在庫の増加である。前期に 134 億円の在庫を積んだが、当期末には 285 億円の商品
出資金を積んだ。従来は想定以上に売れて商品出資金が不足したことがあり、この教訓から、より一層の業績拡
大を目指し、足元の販売状況も非常に好調なこともあり、積極的に積み増しを行った。今期に 285 億円の出資金を
販売すると、それが入金された段階で 44 億円の前受金が売上に計上される形になる。285 億円の立替金は、主に
コミットメントラインを使って金融機関から調達している。商品出資金の増加に応じて、短期借入金も同様の割合で
増加している。組成用不動産は、販売中の不動産小口運用商品第 2 号案件「FRIP プラチナコート広尾」と第 3 号
案件「FRIP Qiz 青山」である。純資産は、当期純利益が 19 億 88 百万円計上されたことで、その分増加した。また、
44 億円の新株式の発行により、純資産は 100 億円を超えた。
配当予想については、当社は目標連結配当性向を 30%以上に設定している。2014 年 9 月期の業績を踏まえ、
期末配当は配当性向 36%の 26 円となる見込みである。
◆2015 年 9 月期業績予想と中期戦略
2015 年 9 月期の売上高は 88 億 3 百万円(前期比 40.7%増)、営業利益は 49 億 33 百万円(同 42.5%増)、経常
利益は 45 億 83 百万円(同 40.4%増)、当期純利益は 27 億円(同 35.8%増)を予想している。予想の根拠としては、
足元の販売状況が非常に好調であり、法人税率の引き下げを期待した中小企業の投資が増加している。アベノミ
クスの効果等もあり、地方の中小企業も含めて業績が好調な企業が増えていること。また、当社の販売ネットワー
クが拡張していること等により、4 割増の積極的な予想をしている。従来と異なる点は、資金調達力が拡大したこと
もあり、既に 285 億円の商品出資金を在庫として得るべき商品を持っている。これらの販売により 44 億円の手数
料の売上が計上できる。今期は 2,000 億円の組成を行う計画で、商品出資金の販売は 470 億円を予定している。
これらの販売により、6 期連続の増収増益、最高益の達成は十分可能と確信している。
中期的な経営戦略としては、まず本業のタックス・リース・アレンジメント事業を継続的に強化し、商品出資金
500 億円の達成を目指す。収益の大半がタックス・リース・アレンジメント事業からの収益であることから、更に収益
構造の多角化をはかるために証券や投資顧問、不動産、保険の販売等も逐次拡大していく。高収益な中小企業
および富裕層をターゲットにしたワンストップ型のフィナンシャルサービス業を目指して展開していきたい。
新規ビジネスの拡充としては、新たな運用型商品の開発を中期的なテーマとしている。経営基盤の強化として、
持続的な成長のために専門家集団を育成していく。当社は従業員数がグループ会社も含めて 120 名の小規模な
集団であるが、従業員 1 人当たりの営業利益は、約 35 百万円と労働生産性が高い企業であると自負している。
これを維持しながら、少数精鋭でスペシャリストとして活躍できる人材を育成していきたい。安定的かつ機動的
な資金の確保ということでは、当社は資金調達力が増すごとに案件組成を拡大し、商品出資金の販売促進により、
本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。
業績を大きく進展させてきた。今後、より一層業績を拡大するためにも、資金調達の拡大ならびに安定的・機動的
な資金の確保をはかっていきたい。
成長戦略を推進するには、タックス・リース・アレンジメント事業は、組成と販売のバランスを保ちながら効率的な
オペレーションを追求していくことが重要である。組成面においては旺盛な投資家ニーズに対応した案件供給体制
を構築していくために、2 年ほど前にオランダでジョイントベンチャーをつくり、更にその 100%出資子会社をシンガポ
ールにつくった。当初の 2~3 人の人員から現在は 6 名体制へと拡大し、両社からの持ち込み案件が増加したこと
で、組成の増加にもつながっている。更に組成の拡大に対応した資金調達力の拡充をはかっていきたい。
販売面では従来からの会計事務所とのネットワーク、地方銀行を初めとする金融機関とのネットワークをより一
層拡充していきたい。特に最近は事業継承対策として、相続税資金対策に当社の商品等を活用するニーズも増え
ている。
その他事業に関しては、それぞれの事業でシナジー効果を追求する。当社の顧客である未上場の高収益の中
小企業、そのオーナー、その他の富裕層に対して各種金融商品・サービスを提供するワンストップ型のフィナンシ
ャルサービス業を目指す。特にタックス・リース・アレンジメント事業は、自社ブランド商品を自社で組成し、販売す
るメーカー機能を有していることから収益率が高い。一方で、例えば保険は、他の保険会社の商品を販売し、販売
手数料を得るという意味で、リースと保険を比較すると収益性は著しい差があることから、可能な限り、当社がメー
カー機能を発揮できる商品をつくっていきたい。
不動産関連事業では内製化によりメーカー機能を発揮して、自社ブランドを販売している。証券は FPG 証券を
子会社として有し、信託事業では 10 月末にベルニナ信託を買収し、子会社化した。このように内製化を進めること
により、収益率が高い金融商品のラインナップを増やしていく。メーカーといっても物をつくるメーカーとは異なり、
金融商品は、比較的少人数でメーカー機能を発揮でき、多額の金額を扱えることが特徴となっている。
◆質
疑
応
答◆
本業の事業の潜在的なマーケットサイズと、今後伸びる余地はどこまであるか。
タックス・リース・アレンジメント事業は非常にニッチな分野で、マーケット規模として一般に公表されたデータが
ない。唯一、矢野経済研究所が発表しているデータによると、年間販売されている出資金はおおむね 2,000 億円で
ある。当社は昨年度 378 億円なので、シェアとしてはまだ伸びる余地は十分ある。
当社のコンペティターは大手のリース会社となるが、タックス・リース・アレンジメント事業は 1 セクションが担って
いるに過ぎない。また、リース会社の特徴として在庫リスクのあるビジネスはほとんど行わず、約 20 年間毎年ほぼ
同額の出資金の販売を予算としている現状であり、マーケットを拡大していく意識が業界全般ではあまりない。当
社はこれを本業にしているため、マーケット全体を開拓できる余地は十分にあるものと考えており、積極的に拡大
していきたい。
不動産関連事業の組成と販売の状況、今期の見通しを教えていただきたい。
組成サイドの状況は、不動産ビジネスにおいては今、値上がり期待から所有する物件をあまり売り急いでいな
いことから、優良物件を取得するのは容易ではない。
一方、販売サイドは、昨年 9 月に募集を開始した渋谷の約 20 億円の物件が昨年中に売れてしまったように、マ
ーケットそのものは大きなものがある。特に来年からは相続税の課税強化が実施されることもあり、大きなマーケ
ットになり得ると考えている。
収益性については小口化することによって高い収益性が得られることから、オペレーティング・リースと同程度の
本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。
収益性を考えている。人材面においても、不動産に精通した営業部員を採用し、対応していきたい。売上ベースで
は今期 2 億 54 百万円(前期比 61%増)を予定している。
現状でリスクとなる会計変更等制度変更はあるかどうか。
われわれのリスクは税制改正と考える。IFRS はあくまでも会計上の話なので当社の業績に大きな影響はない。
一方、税制改正では減価償却方法の変更が挙げられている。現状、定率法と定額法があるが、定率法の廃止を
受けると当社にも影響は及ぶ可能性があるが、当社としてはそれに対応するべく商品の設計等も進め、既に対策
を講じている。過去にも 3 回ほど税制改正はあり、オペレーティング・リース事業は、その影響を受けてきたが、
様々な対策を講じて、税制改正に対応してきている。
借入ならびにコミットメントラインは、コベナンツがつくことはあるか。
純資産ベースと経常利益ベースで簡単なコベナンツがついている。純資産は前年度末の金額の 75%を下回らな
いこと、経常利益がマイナスにならないこと等が全般的なコベナンツになっている。
リース資産、特に航空機に関して、現状出口戦略が商品に反映されることはあるか。
従来手がけてきたリースのプロダクトの特徴として、リース期間終了の段階で購入選択権、いわゆる賃借人が
当初取り決めた価格で買い取れる権利を持っている。現に当社が組成した案件で満期を迎えた案件は、すべてこ
の権利が行使されて終わっている現状である。
一方で、投資家、中小企業の方々は償却メリットをとるので、安い資金を提供する。比較的出口のリスクが少な
い反面、投資利回りは低くなる。それでは満足できない投資家に対して商品提供をするために、アメンタム社との
資本業務提携後、本年 5 月に初めて第 1 号案件としてハイリスク・ハイリターン型の航空機案件の JOL もクロージ
ングした。
(平成 26 年 11 月 6 日・東京)
*当日の説明会資料は以下の HP アドレスから見ることができます。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1188638
本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。
Fly UP