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プログラムの名称 プログラムの目的と特徴
プログラムの名称 JA広島総合病院臨床研修プログラム(プログラム番号:030634103) プログラムの目的と特徴 目的: 本研修は、将来、第一線の臨床医あるいは専門医をめざす者に共通して必要な基本的臨床 能力の修得にある。多様化している患者及び家族の抱える身体的、心理的、社会的問題を的 確に認識・判断し、その問題解決を図るための全人的視野に立っての医療(知識・技術・態 度及び総合的判断力)を幅広い臨床経験を通じて修得する。あわせて社会発展に貢献する使 命感と責任感、高い倫理観と豊かな人間性を身につけることを目的とする。 特徴: 本研修は基幹型臨床研修病院、協力型臨床研修病院及び研修協力施設で実施する。 1年次は必修科目 内科 6 ヶ月、救急部門 3 ヶ月、選択必修 3 ヶ月とし,2 年次は選択必修 2 ヶ月、地域医療 1 ヶ月、自由選択科9ケ月(病理(CPC含む)・健康管理(施設内・巡回検 診等)0.5 ヶ月を含む)とする。 プログラム指導者と参加病院及び施設 ①プログラム指導者 : 広島県厚生連廣島総合病院院長 福田 ②基幹型臨床研修病院名 : 広島県厚生連廣島総合病院 ③協力型臨床研修病院名 : 更生会草津病院 ④同上 : 養神館病院 ⑤同上 : メープルヒル病院 ⑥研修協力施設名 : 広島県西部保健所 ⑦同上 : 特別養護老人ホーム阿品清鈴 ⑧同上 : 医療法人社団 清風会 廿日市記念病院 ⑨同上 : 医療法人社団 CMC コールメディカルクリニック広島 基幹型臨床研修病院の概要 病 院 名 開設者名 所 在 地 広島県厚生農業協同組合連合会 廣島総合病院 広島県厚生農業協同組合連合会 〒738-8503 広島県廿日市市地御前 1 丁目 3-3 ℡ 病院長名 福田 康彦 研修責任者 福田 康彦 0829-36-3111 (最寄駅と交通機関) 徒歩 10 分 * JR山陽本線「宮内串戸駅」下車 * 広島電鉄宮島線「JA広島病院」下車 徒歩 1 分 1 康彦 協力型臨床研修病院の概要 病 院 名 草津病院 開設者名 所 在 医療法人社団 更生会 〒733-0864 地 広島市西区草津梅が台10-1 ℡ 病院長名 佐藤 悟朗 研修責任者 矢田 博己 082-277-1001 (副院長) (最寄駅と交通機関) * JR山陽本線「新井口駅」下車 徒歩2分 * 広島電鉄宮島線「商工センター入口」下車 * 車の場合「西広島バイパス商工センター分岐」から 徒歩2分 「山陽自動車道五日市インター」から 病 院 名 開設者名 所 在 地 3分 15分 養神館病院 医療法人 翠和会 〒731-5127 広島市佐伯区五日市1丁目12-6 ℡ 病院長名 石井 和彦 研修責任者 石井 和彦 082-922-3153 (最寄駅と交通機関) * 病 広島電鉄宮島線「佐伯区役所」下車 院 名 開設者名 所 在 地 徒歩約7分 メープルヒル病院 医療法人社団 知仁会 〒739-0651 大竹市玖波5丁目2-1 ℡ 病院長名 石井 知行 研修責任者 石井 知行 08275-7-7451 (最寄駅と交通機関) * JR山陽本線 広島駅から玖波駅 35分 玖波駅からバス・タクシー * 山陽自動車道 大竹インターから 約5分 2 約5分 徒歩 約10分 研修協力施設の概要 施 設 名 開設者名 所 在 地 広島県西部保健所 広島県 〒738-0004 廿日市市桜尾2丁目2-68 ℡ 0829-32-1141 施設長名 近末 文彦 研修責任者 近末 文彦 (最寄駅と交通機関) * JR山陽本線「廿日市駅」下車 * 広電宮島線「山陽女子大前」下車 施 設 名 開設者名 所 在 地 タクシー3分 徒歩 20分 徒歩10分 特別養護老人ホーム阿品清鈴 社会福祉法人 〒738-0054 西中国キリスト教社会事業団 廿日市市阿品4丁目51-32 ℡ 施設長名 村岡 茂 研修責任者 村岡 茂 0829-36-2552 (最寄駅と交通機関) * 広島電鉄宮島線「田尻駅」下車 * 山陽自動車道廿日市ICから車で5分 施 設 名 開設者名 徒歩8分 廿日市記念病院 医療法人社団 清風会 〒738-0060 廿日市市陽光台5-12 所 在 地 院 長 名 挾田 純 研修責任者 挾田 純 ℡ 0829-20-2300 (最寄駅と交通機関) * JR山陽本線「宮内串戸駅」下車 タクシー8分 * 山陽自動車道廿日市ICから車で5分 3 施 設 名 開設者名 コールメディカルクリニック広島 医療法人社団 CMC 〒733-0877 広島市西区古田台 2 丁目12-9 所 在 地 院 長 名 岡林 清司 研修責任者 岡林 清司 ℡ 082-527-0455 (最寄駅と交通機関) * JR山陽本線「井口駅」下車 タクシー10分 * 山陽自動車道五日市ICから車で15分 4 臨床研修プログラムの概要 (1)研修目標(基本的目標、基本的方針) ①基本的目標 一般目標 1.全ての科に求められる基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。 2.緊急を要する病気・外傷を持つ患者の初期診療に関する臨床的能力を身につける。 3.広く社会的な観点に立って、慢性疾患・リハビリテーション・在宅医療末期医療などの診療 にあたり、身体的・心理的・社会的側面をも含め全人的にとらえて適切に解決し、説明・指 導する態度と能力を身につける。 4.チーム医療において、他のメンバーと協調し努力する習慣を身につける。 5.診療を通じて診療録など文章を適正に製作・管理し自己評価をし、第3者の評価を受入れ、 自らを生涯発展させる態度を身につける。 具体的目標 1.基本的診察法 主要な所見を正確に把握できる。 2.基本的検査法 実施、選択、指示、評価、結果の解釈ができる。 3.基本的治療法 適応の決定、実施及び必要性の判断ができる。 4.基 本 的 手 技 適応を決定し,実施できる。 5.救 急 処 置 法 適切な処置及び必要性に応じ専門医への依頼ができる。 6.末 期 医 療 適切に治療し、管理できる。 7.患者・家族との関係 良好な人間関係の下で、問題を解決できる。 8.医 療 の 社 会 的 側 面 医療の社会的側面に対応できる。 9.医療メンバー 他と協調・協力し、的確に情報を交換して問題に対応できる。 10.文書記録 適切に文書を作成し、管理できる。 11.診療計画・評価 総合的に問題を分析・判断し、評価できる。 ②基本的方針 これからの医療を担う医師の研修にあたっては、単に専門分野の疾患を治療するのみではなく、 患者、家族の抱える様々な身体的、心理的、社会的問題も的確に認識・判断し、医療チームの中 で治療、看護、介護サービスなどの種々の方策を総合的に組織し、管理し、問題解決を図る能力 を備えることが必要になってきている。当院での初期臨床研修においては、全人的医療としてプ ライマリ・ケアの知識・態度を身につけるよう臨床研修を行う。 (2)研修計画(教育課程、研修方式、研修期間割、研修医の配置等) ①教育課程 初期臨床研修の意図する患者を全人的に診察するため、基礎研修科目、必修科目以外に自由選 択科目を加えたローテイト方式とし、高齢化社会の進むなか当病院の地域における特徴、事情を 加味して研修プログラムを作成した。 ②研修方式 初期2年間の研修は、ローテイト方式とする。 1年次は必修科目として、内科6ヶ月、救急部門(集中治療室・手術室・救急外来)3ヶ月、 5 選択必修科目を研修する。2年次は選択必修 2 ヶ月、地域医療 1 ヶ月、自由選択科9ヶ月(病理 (CPC含む)および健康管理(施設内・巡回検診等)0.5 ヶ月を含む)を研修する。 研修の順序は、研修医の希望を考慮するが、臨床研修委員会が最終的に調整し、決定する。 ③研修の期間割 1年次研修 内科-Ⅰ × 内科-Ⅱ × 救急部門 × 選択必修 (各3ヶ月) 2年次研修 選択必修 × 地域医療 × 自由選択 (選択必修 2 ヶ月、地域医療1ヶ月、自由選択9ヶ月) ④研修医の配置等 研修医の配置は研修委員会で決定するが、1年次、2年次とも研修医は原則として各科2名以 内と考えている。 ⑤定員 研修医の定員は、1年次9名の採用とし2年間18名とする。 採用方法:病院長、副院長、事務長および診療部長の面接により採用する。 (3)研修プログラムの管理運営体制 廣島総合病院臨床研修委員会は、病院長、病院長補佐、副院長、診療部長、各科主任部長、看護 部長及び事務長等で構成され、臨床研修の基本方針、研修医の受け入れ、研修カリキュラム、その 他臨床研修に関することを審議する。 (4)指導体制(指導方法含む) ①各診療科について 原則として、研修医1名に対して、卒後3年以上の医師1名および指導医1名がつく。研修医1 人あたり5~10名の患者を受持ち、指導を受けながら診療を行う。 ②救急診療について 各研修科においては当直及び待機で当該科の救急診療に携わる事は当然であるが、救急部門研 修中の当直では、複数科にわたる救急患者の診察及び治療を指導医の下で行う。 (5)その他 ①公募の有無及び研修プログラムの公表方法 ・公募(全国マッチングシステム)を原則とする。選考は研修委員会で書類審査、面接を行い病 院長が決定する。 ・研修プログラムは希望者に送付する。また、各大学より希望のある場合は送付する。 ②研修終了の認定及び証書の交付 2年間の臨床研修の終了時点において、臨床研修委員は研修医と面談する。 6 目標を達成した研修医に対して研修の修了を認定し、この事を病院長に報告する。 病院長は所定の書式により臨床研修修了報告書を厚生労働大臣に報告する。 また、研修医は病院長より研修修了証明書を授与される。 ③研修医の応募手続(応募先・必要書類・選考方法等) 出願締切:全国マッチングシステムによる。 出願書類:研修志願書、履歴書、医師免許証又は卒業見込証明書、健康診断書 選考方法:書類審査、面接 選考日 :別途連絡 研修開始日 :4月1日 資料請求先 〒738-8503 広島県廿日市市地御前1丁目3番3号 廣島総合病院 TEL 人事課 0829(36)3111(代) FAX 0829(36)5573 7 内線 2227 初期研修プログラム 1.各科共通研修目標 1 一般目標 (1)すべての臨床医に求められる基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。 (2)緊急を要する病気又は外傷を持つ患者の初期診療に関する臨床的能力を身につける。 (3)慢性疾患患者や高齢患者の管理の要点を知り、リハビリテーションと在宅医療・社会 復帰の計画立案ができる。 (4)末期患者を人間的、心理的理解の上にたって、治療し管理する能力を身につける。 (5)患者および家族とのより良い人間関係を確立しようと努める態度を身につける。 (6)患者の持つ問題を心理的・社会的側面をも含め全人的にとらえて、適切に解決し、 説明・指導する能力を身につける。 (7)チーム医療において、他の医療メンバーと強調し協力する習慣を身につける。 (8)指導医、他科又は他施設に委ねるべき問題がある場合に、適切に判断し必要な記録を 添えて紹介・転送することができる。 (9)医療評価ができる適切は診療録を作成する能力を身につける。 (10)臨床を通じて思考力、判断力及び創造力を培い、自己評価をし第三者の評価を受け入 れフィードバックする態度を身につける。 2 具体的目標 (1)基本的診察法 卒前に習得した事項を基本とし、受持症例についてたとえば以下につき主要な所見を 正確に把握できる。 ①面接技法(患者、家族との適切なコミュニケーションの能力を含む) ②全身の観察(バイタルサイン、精神状態、皮膚の診察、表在リンパ節の診察を含む) ③頭・頸部の診察(眼底検査、外耳道、鼻腔、口腔、咽喉の観察、甲状腺の触診を含む) ④胸部の診察(乳房の診察を含む) ⑤腹部の診察(直腸診を含む) ⑥泌尿・生殖器の診察(注:産婦人科の診察は指導医と共に実施のこと) ⑦骨・関節・筋肉の診察 ⑧神経学的診察 (2)基本的検査法 Ⅰ 必要に応じて自ら検査を実施し、結果を解釈できる。 ①検尿 ②検便 ③血算 ④出血時間測定 ⑤血液型判定・交差適合試験 8 ⑥簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素、赤沈を含む) ⑦動脈血ガス分析 ⑧心電図 ⑨簡単な細菌学的検査(グラム染色、A郡β溶連菌抗原迅速検査を含む) (3)基本的検査法 Ⅱ 適切に検査を選択・指示し、結果を解釈できる。 ①血液生化学的検査 ②血液免疫学的検査 ③肝機能検査 ④腎機能検査 ⑤肺機能検査 ⑥内分泌学的検査 ⑦細菌学的検査 ⑧薬剤感受性検査 ⑨髄液検査 ⑩超音波検査 ⑪単純X線検査 ⑫造影X線検査 ⑬X線CT検査 ⑭核医学検査 (4)基本的検査法 Ⅲ 適切に検査を選択・指示し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。 ①細胞診・病理組織検査 ②内視鏡検査 ③脳波検査 (5)基本的治療法 Ⅰ 適応を決定し、実施できる。 ①薬剤の処方 ②輸液 ③輸血・血液製剤の使用 ④抗生物質の使用 ⑤副腎皮質ステロイド薬の使用 ⑥抗腫瘍化学療法 ⑦呼吸管理 ⑧循環管理(不整脈を含む) ⑨中心静脈栄養法 ⑩経腸栄養法 9 ⑪食事療法 ⑫療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄を含む) (6)基本的治療法 Ⅱ 必要性を判断し、適応を決定できる。 ①外科的治療 ②放射線治療 ③医学的リハビリテーション ④精神的、心身医学的治療 (7)基本的手技 適応を決定し、実施できる。 ①注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保) ②採血法(静脈血、動脈血) ③穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔等を含む) ④導尿法 ⑤浣腸 ⑥ガーゼ・包帯交換 ⑦ドレーン・チューブ類の管理 ⑧胃管の挿入と管理 ⑨局所麻酔法 ⑩滅菌消毒法 ⑪簡単な切開・排膿 ⑫皮膚縫合法 ⑬包帯法 ⑭軽度の外傷の処置 (8)救急処置法 緊急を要する疾患又は外傷を持つ患者に対して、適切に処置し、必要に応じて専門医に診療 を依頼することができる。 ①バイタルサインを正しく把握し、生命維持に必要な処置を的確に行う。 ②問診、全身の診察および検査等によって得られた情報をもとにして迅速に判断を下し、初期 診療計画をたて、実施できる。 ③患者の診療を指導医または専門医の手に委ねるべき状況を的確に判断し、申し送りないし移 送することができる。 ④小児の場合は保護者から必要な情報を要領よく聴取し、乳幼児に不安を与えないように診察 を行い、必要な処置を原則として指導医のもとで実施できる。 (9)末期医療 適切に治療し、管理できる。 10 ①人間的、心理的立場に立った治療(除痛対策を含む) ②精神的ケア ③家族への配慮 ④死への対応 (10)患者・家族との関係 良好な人間関係の下で、問題解決できる。 ①適切なコミュニケーション(患者への接し方を含む) ②患者・家族ニーズの把握 ③生活指導(栄養と運動、環境、在宅療養等を含む) ④心理的側面の把握と指導 ⑤インフォームド・コンセント ⑥プライバシーの保護 (11)医療の社会的側面 医療の社会的側面に対応できる。 ①保険医療法規・制度 ②医療保険・公費負担医療 ③社会福祉施設 ④在宅医療・社会復帰 ⑤地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む) ⑥医の倫理・生命の倫理 ⑦麻薬の取扱い (12)医療メンバー 様々な医療従事者と強調・協力し、的確に情報を交換して問題に対処できる。 ①指導医・専門医のコンサルタント・指導を受ける。 ②他科・他施設へ紹介・転送する。 ③検査・治療・リハビリテーション・看護・介護等の幅広いスタッフについて、チーム医療を 率先して、実践する。 ④在宅医療チームを調整する。 (13)文書記録 適切に文書を作成し、管理できる。 ①診療録等の医療記録 ②処方箋、指示箋 ③診断書、検案書その他の証明書 ④紹介状とその返事 (14)診療計画・評価 11 総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる。 ①必要な情報収集 ②問題点整理 ③診療計画の作成・変更 ④入院の判定 ⑤症例提示・要約 ⑥自己及び第三者による評価と改善 ⑦剖検 研修の期間割 廣島総合病院臨床研修プログラムを挿入 12 診療科別研修プログラム 内 科 Ⅰ 研修目標 1基本的な問診法、診察法の修得 2各種疾患の検査方針および治療方針の立て方の修得 {内科各専門分野のカンファレンスおよび他科との合同カンファレンス(内科、外科、放射線科、 病理)において決定する。} 3各種疾患の検査手技および治療手技の修得 4担当患者の症例の総括、および症例報告、剖検の経験 Ⅱ 研修内容 1 基礎的臨床検査法 1)検尿、検便、血球計算 2)血液生化学検査および血清反応の判定 3)心電図および主要臓器のX線透視、写真の読影 4)採液検査手技(胃十二指腸液、胸腔・腹腔穿刺液、骨髄、髄液) 2 基礎的治療技術 1)処方、注射法(薬物の薬理作用、副作用、相互作用、中毒に関する知識)、輸液、輸血法 2)救急治療(心肺蘇生法、呼吸循環管理法、胃洗浄、動脈穿刺等) 3 Ⅲ 診療録作成、保険診療、各種書類作成、医療法規の知識の修得 各専門領域における特殊検査および治療法の修得 ◆呼吸器内科 1)胸部 X 線診断法(透視、単純撮影、断層撮影、肺血管撮影、肺 CT 等) 2)核医学的診断法(肺血流シンチ、腫瘍シンチ) 3)気管支内視鏡【気管支擦過法、肺胞洗浄(BAL)】 4)生検法(経気管支肺生検、X 線透視下肺生検、CT ガイド下肺生検、エコー下肺生検) 5)肺機能検査 6)酸素療法、吸入療法 7)人工呼吸、気管内挿管、レスピレーター 8)胸腔ドレナージ 9)肺炎における抗生剤の選択 10)肺癌における化学療法の選択 11)気管支喘息,COPD の吸入療法 12)睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 13 ◆循環器内科 1)心電図(運動負荷、Holter) 2)心エコー 3)心臓カテーテル検査 4)心臓核医学検査(タリウム、BMIPP・MIBG、心筋シンチ、心プールスキャニング) 5)除細動 6)一時的心臓ペーシング 7)ペースメーカー植え込み 8)大動脈バルーンパンピング 9)PCI(Stent 含む) ◆腎臓内科 1)腎機能検査 2)腎盂造影 3)腎血管造影 4)腎エコー、CT、MRI 5)腎生検 6)腎核医学検査 7)腎の内分泌機能検査 8)生活療法、食事療法 9)輸液、輸血療法 10)血液透折、腹膜灌流 11)血漿交換、血液吸着 ◆糖尿病代謝・内分泌内科 1)各種内分泌疾患の診断(諸種ホルモン分泌刺激および抑制試験、画像診断) と治療(手術適応の決定を含む) 2)糖尿病の診断(糖負荷試験など) 3)頭部、胸部、腹部のエコー、CT、MRI 4)内分泌臓器の核医学検査 5)甲状腺生検 6)内分泌臓器の血管造影 7)自律神経機能検査 8)糖尿病の食事療法 9)糖尿病の患者教育(教育方法の習得、糖尿病教室、心理分析など) 10)糖尿病のチーム医療の実際(コメディカルとのスタッフミーティングなど) 11)糖尿病合併症検査(腎症、神経障害、心臓疾患、脳血管障害、四肢循環障害) 12)糖尿病患者のフットケア(壊疽の治療) 13)糖尿病性昏睡の治療(人工膵臓による治療も含む) 14)高脂血症の診断と治療 15)手術の適応反応 14 ◆消化器内科 1)腹部エコー 2)胃透視 3)注腸 4)上部消化管内視鏡 5)大腸内視鏡 6)ERCP、EST、ERBD 7)PTC、PTCD 8)エコー下針生検、吸引細胞診 9)PEIT、RFA 10)消化管のポリペクトミー、 EMR 11)消化管出血に対する内視鏡的止血術 12)EIS、EVL 13)消化管および胆道ステント 14)消化管狭窄の内視鏡的切開術 15)内視鏡的胃瘻造設術 Ⅳ 修めるべき研修実績 1)入院患者 各部門少なくとも各々2例ずつの入院患者について担当医として診療に当た る。20人以上の入院患者を担当する。 (消化器、循環器、呼吸器、内分泌・代謝、感染症、血液、神経・筋、膠原病・アレルギー) 2)外来患者 30症例以上の外来患者の診察に当たる。 3)剖検症例数 1例以上の剖検を経験する。 4)退院サマリーの作成、症例検討会への参加 担当入院患者の退院時サマリーの作成および症例検討会への参加、さらに 症例報告を経験する。 15 外科(一般・消化器) 一般目標 第一線の臨床外科医としてプライマリ・ケアに対処し、救急治療の外科的処置が適切にでき、また 手術適応に関して適切な判断を下せるようになるための基本的な外科知識、技能、態度を身につける。 具体的目標 (1) 指導医の指導のもとに、消化器外科を主体とする診療に従事し、基礎的な診療経験を持たせ る。その他、頚部、乳腺、外科総論的事項の臨床上の研修をさせるものとする。 (2) 外科的診断技術のプログラム 重要臓器の機能検査成績の判定、消化器の放射線診断、各種超音波診断、その他関連する診 断法の理解 (3) 外科的治療技術のプログラム 消毒法、麻酔法、基本的手術法、外科的薬剤治療、輸液及び輸血、外科的栄養法(IVH, EN)、外科的放射線治療、救急処置の理解 (4) 病歴の記録と症例検討会及び症例報告の作成 病歴の抄録を作成させる。また、定期的な症例検討会に参加させ適宜に症例報告の経験をさ せる。 ① 一般・消化器外科の基本的診断手技と検査の理解 ・解剖、生理の理解 ・滅菌、消毒、感染症への理解と実績 ・一般検査法の理解と修得 《特殊検査法の理解》 ・ UGI B-E 肺機能検査 DIC DIP ERCP CT 血管造影 各種シンチ ・ 各種エコー ②全身管理と救急蘇生の理解 ・点滴、高カロリー輸液の確保・オーダー ・各種注射法 ・気道確保(気管内挿管など)・呼吸器の設定 ・心肺蘇生法(カウンターショック、薬剤など) ・ショック、大出血、膵炎、熱傷、腸閉塞等の治療と診断 ・各種薬剤の使用法 ・創の管理 ③術前、術後対策への理解と実践 ・手術適応の決定 ・他科へのリファーの適応 ・術前オーダーの出し方 16 MRI ・救急患者への対応 《術後管理》 ・ICUでの管理の修得 ・輸液、呼吸、循環、肝、腎機能管理 ・精神的管理 ・各種ドレーン類、チューブ類の管理 ・疼痛に対する管理 ④各種手術の助手の経験 ・頚部、乳腺、腹部の外科手術の助手を行う ・急患手術の助手を行う ・滅菌操作の習得 ・抗生剤投与の習得 ・各種器具の扱い方の経験 ・各種合併症への対処の理解 ・患者、家族への対応の習得 ・パラメディカルとのチームワークの確立 ⑤病歴作成、各種カンファレンスへの参加、症例報告など 17 心臓血管外科 一般目標 第一線の臨床外科医としてプライマリ・ケアに対処し、救急治療の心臓血管外科的処置が適切にでき、 また手術適用に関して適切な判断を下せるようになるための基本的な外科知識、技能、態度を身につけ る。 具体的目標 ① 心臓血管外科の基本的診断手技と検査の理解 ・解剖、生理の理解 ・滅菌、消毒、感染症への理解と実績 ・一般検査法の理解と修得 《特殊検査法の理解》 ・CAG ・各種エコー ②全身管理と救急蘇生の理解 ・点滴、高カロリー輸液の確保・オーダー ・各種注射法 ・気道確保(気管内挿管など)・呼吸器の設定 ・心肺蘇生法(カウンターショック、薬剤など) ・ショック、大出血、膵炎、熱傷、腸閉塞等の治療と診断 ・各種薬剤の使用法 ・創の管理 ③術前、術後対策への理解と実践 ・手術適応の決定 ・他科へのリファーの適応 ・術前オーダーの出し方 ・救急患者への対応 《術後管理》 ・ICUでの管理の修得 ・輸液、呼吸、循環、肝、腎機能管理 ・精神的管理 ・各種ドレーン類、チューブ類の管理 ・疼痛に対する管理 ④各種手術の助手の経験 ・冠動脈バイパス術、弁、血管疾患手術の助手を行う ・急患手術の助手を行う ・滅菌操作の習得 18 ・抗生剤投与の習得 ・各種器具の扱い方の経験 ・各種合併症への対処の理解 ・患者、家族への対応の習得 ・ パラメディカルとのチームワークの確立 ⑤病歴作成、各種カンファレンスへの参加、症例報告など 19 呼吸器外科 1)研修中に修めるべき診療実績(1Mを基本としたものである。2、3、5Mの場合も基本的に同様 である。) 1.診療経験 研修期間中(1M)に 10症例以上の入院患者につき、担当医として診療に当たらせる。なお、基 本的に期間中のすべての手術に手洗いをして参加する。 2.病歴、退院時総括の作成、症例検討会及び症例報告の作成 担当入院患者 10症例以上の病歴の抄録、退院時の総括を作成させる。また、定期的な症例報告 会に参加させ、適宜症例報告ないし臨床統計報告の経験をさせる。 3.関連診療科の研修 外科、麻酔科、循環器内科、心臓血管外科、ICU、CCU、などの関連診療科について理解させ、 連携の手続きなどを修得させる。 2)研修の評価 1. 呼吸器外科疾患の診断に必要な問診など身体診療を行うことができる。 2. 呼吸器外科疾患の診断計画を立てることができる。 3. 呼吸器外科疾患の臨床検査法の選択と結果の解釈ができる。 4. 呼吸器外科疾患の診断に必要な基本的検査の選択と結果の解釈ができる。 5. 呼吸器外科疾患の診断に必要な特殊検査の選択と結果の解釈ができる。 6. 諸検査の情報を統合して呼吸器外科疾患の診断を行うことができる。 7. 呼吸器外科における基本的診療を適切に選択し、確実に実施することができる。 8. 呼吸器外科に対する手術療法を適切に選択しその結果を評価することができる。 9. 呼吸器外科の患者とその関係者に症状と診療に関し、十分な説明を行うことができる。 10. 呼吸器外科臨床において遭遇する問題点を解決するための基本的方法を熟知している。 20 救急部門 集中治療室・救急部 平成 21 年度の概要 1)集中治療室 (ICU) 2)救急部 総ベッド数 14 床 年間患者総数 940 人 指導医 2名 看護師 27 名 臨床工学技士 6名 救急患者総数 約 8000 人/年 救急車搬送患者総数 約 3000 人/年 救急車搬送ICU入室患者総数 約 600 人/年 三次救急患者(ホットライン) 約 400 人/年 指導医 2名 一般的教育目的(General Instructional Objectives ) 1. 救急患者の初期診療能力を獲得するために必須の知識・基本手技を身につける. 2. 二次救命処置に必要な技量の実施研修(気管挿管、人工呼吸、薬剤投与など)を手術室にて麻酔 科指導医のもとに行う. 3. 重症救急患者を集中治療室(ICU)で管理するために,重症患者の病態を把握し,かつ重要臓器不 全に対する各種人工補助療法を実施する. 4. 救急システムの概要を理解する. 特定研修(Specific Behavioral Objectives ) 1. プレホスピタルケアについてその概要を説明する.救急搬送システムにつき説明する.救急救命 士,救急隊員の業務を説明し,協力して救急業務を遂行する. 2. 救急患者の病態を的確に把握する. a. 心肺停止(CPA)を診断する. b. バイタルサインのモニタリングの意義を理解し,実施する. c. 各種 shock の病態を説明し,それぞれに対する治療法を述べる. d. 意識レベルを評価する. e. 侵襲に対する生体反応につき説明する. f. 全身性炎症反応症候群(SIRS)につき説明する. g. 敗血症の病態を説明し,診断する. 3. 救急患者に対する診療における処置および検査の優先順位を決定し施行する. a. 一次救命処置につき説明し、施行する. i. 心肺蘇生法(CPR)の原理を説明する. 21 ii. 気道確保の方法を列記し,実施する. iii. 人工呼吸を施行する. iv. 胸骨圧迫(心臓マッサージ)を施行する. b. 二次救命処置につき説明し,施行できる. i. ii. 気管内挿管を施行する. 静脈確保,中心静脈確保を施行する. iii. 救命処置に使用する薬剤の種類につき述べ,それらを使用する. iv. 電気的除細動器を用い,洞調律に復帰できる. c. 多発外傷・熱傷・急性腹症患者の triage を行う. i. ii. 救命処置を行う. 各種モニターを装着する. iii. 重症度を判定する. iv. 診断の段取りを計画する. v. 適切な診療科にコンサルトする. d. 薬物中毒患者を初療する. i. ii. 薬物同定のための情報収集ができる. 薬物同定簡易キット(トライエイジ)を用い診断する. iii. 胃洗浄を施行する. iv. 血中より薬物排除法の種類を列記し,それらを施行する. v. 薬物中毒に対する血液浄化法の適応を述べられる 4. どのような重症患者を ICU で管理するべきであるか判断できる. a. 集中治療室入室患者の重症度評価法の種類を列挙し,その有用性につき説明する. b. 多臓器不全(MOF)の病態を説明し,診断する. c. 多科にわたる外傷・疾患を有する重症患者管理を行う. 5. ICU における重症患者管理につき説明し,実施する. a. 急性心不全患者に対する薬物療法,IABP,人工心肺につき説明する. b. 急性呼吸不全の病態を把握し,人工呼吸管理,人工呼吸器につき説明する. c. 急性肝不全・劇症肝炎患者の病態につき説明し,人工肝補助療法を実施する. d. 急性腎不全患者の病態につき説明し,人工腎補助療法を実施する. e. 多臓器不全患者に対する血液浄化法の有用性につき説明し,Blood access を確保し,持 続的血液濾過法を施行する. f. 重症患者の水分・電解質・酸塩基平衡の異常を指摘し,その病態を把握した上で,その 患者にふさわしい輸液管理を実施する. g. 多臓器不全患者に対する栄養管理の重要性を述べ,実施する. 6. クリニカルクラークシップの学生を指導し,教育を行う. 7. 救急,集中治療関連の学会にて症例報告をする. 22 研修プログラム 1. 以下の診察法・基本的検査法を実施あるいは指示し,結果を解釈でき,所見を解釈できる 一般理学所見 ,心電図,動脈ガス分析,血液生化学的検査,血液免疫血清学的検査,細菌学的 検査・薬剤感受性検査,肺機能検査,超音波検査,単純X線検査,造影X線検査,X線CT検査, 2. 以下の基本的治療法の適応を決定し,実施できる. 薬物療法,輸液,輸血,経腸栄養法,中心静脈栄養法,人工呼吸管理,血液浄化法 3. 以下の基本手技の適応を決定し,実施できる. (基本技能の初期研修は手術室にて麻酔科指導医の指導のもとに行う) 気道確保,挿管手技,注射法,採血法,穿刺法,導尿法,浣腸,ガーゼ交換,ドレーン・チュー ブ類の管理,胃管の挿入と管理,局所麻酔法,創部消毒法,簡単な切開・排膿,皮膚縫合法,包 帯法,軽度の外傷・熱傷の処置 4. 以下の救急処置を行い,専門家に依頼できる. バイタルサインの把握,重症度・緊急度の判断,心肺脳蘇生術の適応判断と実施,指導医や専門 医への申し送り 5. 以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し,適切に対応できる. 性行為感染症・エイズ予防 経験すべき症状・病態 1. 緊急を要する疾患・病態 意識障害,脳血管障害,ショック,急性心不全,呼吸困難,急性腎不全・尿閉,急性消化管出血, 外傷(頭部,脊髄,胸部,腹部,骨盤骨折,四肢外傷),熱傷,誤飲(タバコ,薬物など),誤嚥 (ピーナッツなど),アナフィラキシー 2. 頻度の高い症状 腹痛,意識障害,呼吸困難,黄疸 学習方針 1. 患者の治療にあたり,重症患者管理を実習する 2. 救急外来,集中治療室において処置・手技を実習する. 3. 救急隊からの連絡に対応して,救急業務を円滑に遂行する. 研修日程 1)AM 8:00 – PM 5:00 救急患者の受け入れおよび処置 ICU在室患者管理 手術室での基本手技習得 2) 研修期間中に,月数回の頻度で当直勤務に参加し,救急患者の初療を経験する. 23 救急部門3ヵ月研修中の手術室での基本技術習得における目標・評価 研修目標:手術室において,軽・中等度リスク患者の周術期管理を経験することで,基礎訓練ならび に救急治療のイントロダクションを行う. 1.術前患者の状態評価ができる 2.麻酔管理を通じて心肺蘇生の基本的手技を修得する. (マスク換気、気管挿管、ラリンゲアルマスク挿入による気道確保、静脈路確保、薬剤投与、 中心静脈路確保、観血的動脈圧ライン確保) とくに太字は医師として確実にできるようになる必須トレーニング項目である. 3.各種麻酔法の理解 4.麻酔中の使用薬品の理解 5.各種モニターの理解 6.心肺蘇生プログラム ACLS に準じた心肺蘇生手技を理解,実践できる. 7.救急外来での初療を指導者とともに見学する. 研修の評価 1.術前患者の状態評価 2.静脈路確保 3.マスク換気 4.気管挿管 5.ラリンゲアルマスク換気 6.中心静脈路確保 (Option) 7.観血的動脈圧ライン確保(Option) 8.麻酔中の各種モニター利用 9.循環作動薬の理解 10.鎮痛,鎮静薬の理解 11.局所麻酔薬の理解 12.全身麻酔の概要の理解 13.硬膜外麻酔・脊椎麻酔の概要の理解 14.ACLS の理解,受講 15.救急部門の見学,診療補助 24 麻酔科(選択必修) 研修目標 (1) 周術期管理, (中等度,高リスク患者を含む患者管理,ICU 管理を含む) 麻酔科標榜医,認定医取得へ向けての基礎研修 1.予定される手術術式の理解 2.麻酔法の適切な選択 3.各種麻酔法の実践 4.麻酔中の患者の状態把習 5.呼吸・循環管理の習得 6.薬剤投与を通じて,臨床薬物動態薬物力学を理解する 7.術後疼痛管理の知識、実践 8.人工呼吸管理の理解,実践 9.主に ICU で重症患者を指導者のもとで継続管理する (2) 救急 1.救急患者の診察,診断 トリアージ 2.ACLS の実施のスタッフ補助が出来るレベルの救急蘇生法の習得 研修の評価 1.予定される手術術式の理解 2.麻酔法の適切な選択 3.全身麻酔の実施 4.硬膜外麻酔の実施 5.脊椎麻酔の実施 6.麻酔管理中の患者の全身状態の把握 7.麻酔管理中の患者の呼吸・循環管理 8.術後疼痛管理の知識・実践 9.各種侵襲的モニタリングの知識と実践 10.人工呼吸管理の管理 11.疼痛疾患に対する理解 12,救急蘇生法の実施 25 小 児 科 小児科においては、小児科病棟、未熟児新生児室を回り、小児の特性・年齢と疾患の変化・小児でよ くみられる疾患についての知識や、診断、治療(基本的輸液の処方、基本的内服処方、対症療法)につ いて習熟をめざす。 Ⅰ.臨床研修プログラム 指導医のもとで、入院患者の受け持ちとなり、小児科臨床の初歩的な診断法、検査、治療手技の 習得を行う。 病歴の聴取法、記載法、乳幼児の診察法、栄養法、投薬法、採血法、腰椎穿刺、心電図、エコー、 脳波、X-線、CT検査の読影法、輸液の管理、小児救急外来での基本的処置などについて習得す る。 小児科学会認定医試験の受験資格に必要な10分野の疾患の担当医になる。一般外来では、感染 症を中心とした疾患の診断、治療、経過について習熟をめざす。新生児の出生に立ち合い、アプガ ースコアの採点、出生直後の処置ができるようにする。又、帝王切開などハイリスクの新生児の出 生に対応できるように経験を積む。又、未熟児においては、1500g程度の低出生体重児の輸液、 栄養、呼吸管理ができるよう、基本的手技を学ぶ。心理的問題のある小児の診断とカウンセリング の適応判断ができるように修得する。 Ⅱ.研修中に納めるべき実績 (1)診療経験 入院患者 20例以上 10分野 ①遺伝、染色体異常、先天奇形 ②栄養障害、代謝性疾患、消化器 ③先天性代謝異常、内分泌 ④免疫、膠原病、リウマチ性疾患、感染症 ⑤新生児 ⑥呼吸器、アレルギー ⑦循環器 ⑧血液、腫瘍 ⑨腎、泌尿器、生殖器 ⑩神経、筋疾患、精神疾患、心身症 (2)外来患者については、40例以上の一般診療と予防接種、乳児健診を経験させる。 (3)救急患者 午後5時~翌日朝8時30分まで責任時間とし、指導医のもとに救急患者の診察を行う。 (4)病歴の作成、症例検討会、及び症例報告の作成 担当入院患者の病歴及び経過、転帰の抄録は全て作成させる。 週1回の外国文献の抄読会に参加させる。 26 Ⅲ.研修項目の詳細とその自己評価 ①臨床検査 ・検尿一般、尿沈渣、生化学的検査、免疫学的査、血液ガス分析、髄液検査、細菌培養 ・心電図 ・放射線学的検査(単純撮影、CT、MRI、IVPなど) ・超音波検査(心、腹部、頭部) ②基本的手技 ・注射(静注、筋肉、皮下、皮内) ・腰椎穿刺 ・血圧測定 ・採血(毛細血管、静脈血、動脈血) ・鼓膜検査 ・眼底検査 ・吸入療法 ・挿管 ・静脈点滴 ・呼吸管理 ③基本的治療法 ・薬剤の処方(年齢、体重に従った薬剤の選択と量の知識) ・抗生剤の使用方法 ・輸液の管理 ・食事療法 Ⅵ.経験すべき疾患、状態 ①周産期 ・健常新生児 ・周産期の母子管理・治療 ・新生児黄疸 ・新生児仮死 ・未熟児 ・不明熱の診断 ②水・電解質 ・新生児・小児における輸液療法 ・脱水・電解質異常・塩酸基平衝障害などに対する的確な診断と治療 ③先天異常 ・染色体異常症(ダウン症など) ④内分泌疾患 ・低身長の鑑別診断 ・甲状腺疾患 ・糖尿病 ・ケトン血性低血糖症 ・肥満 ⑤免疫 ・私生児期を含めた免疫能の発達 ・免疫抑制状態の小児の治療 ⑥アレルギー性疾患 ・気管支喘息 ・アトピー性皮膚炎 ・蕁麻疹 ・食物アレルギー ・多型浸出性紅斑 ⑦感染症 ・発疹性疾患(麻疹、水痘、風疹、伝染性紅斑、手足口病、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹、 突発性発疹、伝染性単核症) ・細菌性感染症(肺炎、髄膜炎、肺血症、皮膚化膿症、百日咳、溶連菌感染症) ・ウィルス性感染症(無菌性髄膜炎、咽頭結膜熱ムンプス、ロタウイルス腸炎) ・その他(マイコプラズマ感染症、クラミジア感染症) ・細菌性感染症(肺炎、髄膜炎、肺血症、皮膚化膿症、百日咳、溶連菌感染症) ・ウィルス性感染症(無菌性髄膜炎、咽頭結膜熱ムンプス、ロタウイルス腸炎) ・その他(マイコプラズマ感染症、クラミジア感染症) ⑧消化器 ・口内炎 ・急性感染性胃腸炎 ・急性虫垂炎 ・腸重積 ・消化性潰瘍 ・急性肝炎 ・アセトン血性嘔吐症 ・先天性消化管閉鎖 ⑨循環器疾患 ・川崎病 ・先天性心疾患(ASD,VSD,PDA,TOF) 27 ・不整脈の診断 ・心不全 ・肺性心 ⑩血液疾患 ・鉄欠乏性貧血 ・未熟児貧血 ・特発性血小板減少性紫斑病 ・白血球異常 ・出血傾向 ・アレルギー性紫斑病 ・急性白血病 ・固形腫瘍 ⑪腎・泌尿器 ・ネフローゼ症候群 ・急性・慢性腎炎 ・腎盂腎炎(尿路感染も含む) ・アレルギー性紫斑病腎炎 ・膀胱尿管逆流 ・陰のう水腫 ・腎・尿路奇形 ・停留睾丸 ・包茎 ⑫神経・筋疾患 ・熱性けいれん ・急性脳炎、脳炎 ・てんかん ・痙攣重積 ・頭部外傷 ・脳性麻痺 ・精神発達遅滞 ・筋ジストロフィー ⑬小児保健 ・予防接種(時期、禁忌、スケジュール) ・育児・家庭環境の考察 ⑭救急 ・発熱 ・脱水 ・薬物中毒 ・意識障害 ・痙攣 ・乳児突然死症候群 ・急性腹症 ・熱傷 28 ・喘息発作、重積状態 ・溺水 ・誤飲 産婦人科 1.一般目標 (1) 女性特有の疾患による救急医療を研修する。 (2) 女性特有のプライマリケアを研修する。 (3) 妊産褥婦ならびに新生児の医療に必要な基本的知識を研修する。 2.具体的目標 A.経験すべき診察法・検査・手技 (1) 基本的産婦人科診療能力 1)問診及び病歴の記載 ・ 主訴・現病歴・月経歴・結婚、妊娠、分娩歴 ・ 家族歴・既往歴 2)産婦人科診察法 ・ 視診(一般的および膣鏡診)・触診(外診、双合診、内診) ・ 直腸診、膣・直腸診 ・穿刺診(ダグラス窩、腹腔) ・ 新生児の診察 (2) 基本的産婦人科臨床検査 1)婦人科内分泌検査 ・ 基礎体温 ・頸管粘液検査 ・ホルモン負荷テスト ・各種ホルモン検査 2)不妊検査 ・ 基礎体温 ・卵管疎通性検査 3)妊娠の診断 ・ 免疫的妊娠反応 ・超音波検査 4)感染症の検査 ・トリコモナス ・カンジダ ・クラミジア ・HBs抗原 ・HCV 抗体 ・HIV 5)細胞診・病理組織検査 ・ 子宮膣部細胞診 ・子宮内膜細胞診 ・病理組織生検 6)内視鏡検査 ・コルポスコピー ・腹腔鏡 7)超音波検査 ・ ドプラー法 ・断層法(経膣的および経腹的) 8)放射線学的検査 ・ 骨盤計測 ・子宮卵管造影法 ・CT ・MRI 9)分娩監視法 B.経験すべき症状・病態・疾患および研修項目 (1) 頻度の高い症状 1)腹痛 2)腰痛 (子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜炎、月経困難症、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎 切迫流早産など) 29 (2) 救急を要する症状・病態 1)急性腹症 2)流・早産および正期産 (3) 経験が求められる疾患・病態 1)産科 ・ 妊娠・分娩・産褥ならびに新生児の生理の理解 ・ 妊娠の検査・診断 ・ 正常妊婦の外来管理 ・ 正常分娩第1期ならびに第2期の管理 ・ 正常産褥の管理 ・ 正常新生児の管理 ・ 腹式帝王切開術の経験 ・ 流・早産の管理 ・ 産科出血に対する応急処置法の理解 2)婦人科 ・ 骨盤内の解剖の理解 ・ 視床下部・下垂体・卵巣系の内分泌調節系の理解 ・ 良性腫瘍の診断ならびに治療計画の立案 ・ 良性腫瘍の手術への第2助手としての参加 ・ 悪性腫瘍の早期診断法の理解 ・ 悪性腫瘍の手術への参加の経験 ・ 悪性腫瘍の集学的治療の理解 ・ 不妊症・内分泌疾患患者の外来における検査と治療計画の立案 ・ 性器感染症の検査・診断・治療計画の立案 C.産婦人科研修項目(経験すべき症状・病態・疾患)の経験優先順位 (1) 産科 1)経験優先順位第1位(最優先)項目 ・ 妊娠の検査・診断 ・ 正常妊婦の外来管理 ・ 正常分娩第1期ならびに第2期の管理 ・ 正常頭位分娩における児の娩出前後の管理 ・ 正常産褥の管理 ・ 正常新生児の管理 ○外来診療もしくは受け持ち医として 4 例以上を経験し、うち 1 例の正常分娩経過について は症例レポートを提出する. ○必要な検査、すなわち超音波検査、放射線学的検査等については(できるだけ)自ら実施 し、受け持ち患者の検査として診療に活用する。 2)経験優先順位第2位項目 ・ 腹式帝王切開術の経験 ・ 流・早産の管理 ○受け持ち患者に症例があれば積極的に経験する。それぞれ 1 例以上経験したい。 30 3)経験優先順位第3位項目 ・ 産科出血に対する応急処置法の理解 ・ 産科を受診した腹痛、腰痛を呈する患者、急性腹症の患者の管理 ○症例として経験する機会、また当面したとしても受け持ち医になるか否かは極めて不確実 であるが、機会が有れば積極的に初期治療に参加し、できるだけレポートにまとめたい。 (2)婦人科 1)経験優先順位1位(最優先)項目 ・ 婦人科良性腫瘍の診断ならびに治療計画の立案 ・ 婦人科良性腫瘍の手術への第2助手としての参加 ○外来診療もしくは受け持ち医として、子宮の良性疾患ならびに卵巣の良性疾患のそれぞれ を1例以上経験し、それらのうちの 1 例についてレポートを作成し提出する。 ○必要な検査、すなわち細胞診・病理組織検査、超音波検査、放射線学的検査、内視鏡的検 査等については(できるだけ)自ら実施し、受け持ち患者の検査として診療に活用する。 2)経験優先順位第2位項目 ・ 婦人科性器感染症の検査・診断・治療計画の立案 ○1例以上を外来診療で経験する。 3)経験優先順位第3位項目 ・ 婦人科悪性腫瘍の早期診断法の理解(見学) ・ 婦人科悪性腫瘍の手術への参加の経験 ・ 婦人科悪性腫瘍の集学的治療の理解(見学) ・ 婦人科を受診した腹痛、腰痛を呈する患者、急性腹症の患者の管理 ・ 不妊症・内分泌疾患患者の外来における検査と治療計画の立案 ○受け持ち患者もしくは外来において症例があり、かつ時間的余裕のある場合には積極的に 経験したい。 31 精神科 Ⅰ.習得すべき技能 (1 ヶ月プログラムは*、自由選択 9 ヶ月の場合はすべて) 1)治療的な医師・患者関係の確立のための技術 *(1)共感 *(2)言語によらないコミュニケーション 2)情報収集の技術 *(1)患者の愁訴の成り立ち、愁訴の変化の的確な収集 *(2)生活史の把握 *(3)身体症状の把握(他科との連携も含む) 3)情報を評価する技術 *(1)診断に必要な情報の選択 *(2)人格(性格)の評価 *(3)患者の行動が影響した、あるいは影響された社会的因子の評価 *(4)患者を援助する家族等の能力評価 4)情報提供の技術 *(1)患者、家族等に必要な情報を提供する技術 *(2)診断についての説明の技術 *(3)治療の利益と不利益とを患者、家族等に伝える技術 *(4)他科の医師や保健・福祉諸機関と情報を交換できる技術 5)治療技術 *(1)治療プランの策定 *(2)薬物療法の基本 *(3)精神療法の基本 *(4)症状と副作用の鑑別 6)学習の技術 *(1)患者・家族等から学ぶ技術 *(2)書物・論文等から学ぶ技術 *(3)学会・研究会・症例検討会等から学ぶ技術 7)チーム医療の一員として活動できる技術 *(1)同僚の医師や医療従事者と協調できる能力 *(2)他科の医師や医療従事者と協調できる能力 *(3)他の保健・医療・福祉諸機関と協調できる能力 *(4)地域医療における精神医療の位置づけの理解 *(5)地域医療の向上のために必要な保健、医療、福祉資源の理解 32 Ⅱ.習得すべき項目のチェックリスト 1)面接技術 *(1)予診・シュライバー *(2)入院患者の担当 *(3)外来患者の担当 *(4)カルテの記載と記載した内容について指導を受ける 2)診断 *(1)精神疾患の症状の把握 (2)診断と鑑別診断 *(A)統合失調症 *(B)躁うつ病 *(C)神経症 *(D)パーソナリティー障害 *(E)てんかん *(F)身体因性(器質性・症状性)精神障害 *(3)身体的および神経学的診察 *(4)慣用診断と国際診断基準(ICD-10、DSM-IV)の適用 *(5)人格特徴の把握 3)治療計画 *(1)適切な治療の選択 *(2)予後予測 *(3)自傷他害の可能性の判断と対策 *(4)入院治療の必要性の判断と入院形態の決定と方法の習得 *(5)チーム医療の協力体制の構築 *(6)患者・家族への適切なインフォームドコンセント (7)家族調整、職場調整 4)補助検査法 *(1)画像所見(CT、MRI、SPECTなど) *(2)脳波の判読 (3)髄液検査 (4)心理検査の施行・臨床応用 1..知能検査 WAIS-R(施行・臨床応用) WISC-R(施行・臨床応用) *長谷川式簡易知能評価スケール(施行・臨床応用) *MMS(施行・臨床応用) 2.性格検査など 33 *矢田部・ギルフォート(YG)性格検査(施行・臨床応用) *東大式エゴグラム(TEG)施行・臨床応用) *SDS(施行・臨床応用) ハミルトンうつ尺度、ハミルトン不安尺度(施行・臨床応用) ロールシャッハテスト(臨床応用) BPRS(施行・臨床応用) 5)薬物療法と精神科特殊療法 *(1)向精神薬の薬理作用の理解 *(2)適切な薬物選択 *(3)薬物の効果判定 *(4)副作用の把握と対策 (5)無けいれん電気ショック療法 6)精神療法 *(1)支持療法の習得 (2)洞察療法(神経症・境界例など)の理解 (3)訓練療法(森田療法、内観療法、自律訓練法、行動療法の理解) (4)集団精神療法(家族療法など)の理解 (5)神経症の症例を担当し、短期精神療法などについて 専門家のスーパーバイズを受ける 7)精神科救急(研修に適する患者を担当した場合のみ) *(1)精神運動興奮の状態にある患者への対処 *(2)自殺の恐れの顕著な患者への対処 *(3)他害患者への対処 *(4)自殺企図患者への対処 (5)救命救急のための基本的な身体処置と管理 8)コンサルテーション・リエゾン精神医療 (1)他科からの依頼患者の精神科診断、治療 (2)他科のスタッフとのチーム医療や家族もまじえたミーティングの 場での適切な精神医学的助言を実施する 9)精神科リハビリテーション・地域医療の理解と経験 *(1)地域における患者の生活障害の総合的理解 *(2)日常生活の指導 *(3)レクリエーション療法 *(4)作業療法 *(5)デイケア 34 *(6)社会復帰施設・資源とその利用法の理解 *(7)地域医療における精神医療の位置づけと保健・福祉との連携 (8)往診技術 10)法律と倫理 *(1)精神保健福祉法 *(2)医療法 *(3)人権の尊重と配慮 *(4)保険診療に関する理解 11)学会発表と症例報告 (1)学会発表 (2)症例報告(論文) 35 地域医療 〝地域医療(在宅医療を含む)を必要とする患者とその家族に対して、 全人的に対応(プライマリ・ケア)するために〝 2年次研修 : 1ヶ月間 診療所・へき地・離島診療所など (1) 地域医療の現状を理解する ① 医療機能分担と病診・病病連携(地域医療連携室の役割) ② 医療機関・施設の役割 ③ 地域の保健医療福祉関連機関との連携 ④ 地域の診療所・訪問診療の役割と理解 ⑤ 訪問診療の実践 11) 地域保健 (1)保健所の役割と理解 保健所実習プラン 日程 (場所:広島県西部保健所) 午前 第1日目 オリエンテーション 午後 地域医務業務 試験検査室業務 保健所長業務 第2日目 食品衛生業務 食中毒の処理 第3日目 精神保健業務 感染症対策 第4日目 薬事衛生 環境衛生 第5日目 難病対策 結核対策 (2)介護保険制度、医療保険制度の理解 ① 介護保険施設の臨地実習を通しての役割と理解 ② 各介護サービス事業所の役割と連携 ③ 介護保険と高齢者医療保険 36 脳神経外科 Ⅰ 研修カリキュラム 入院患者の主治医として診療を担当させ、定期的に外来診療・精密検査・ 手術・救急患者の診療にあたらせる。 1.脳神経外科の診断技術のプログラムとして少なくとも次のものを含める。 脳神経の機能検査成績の判定、例えば、脳神経・運動器疾患などの放射線 診断、神経学的診断、脳波の描記診断、血液及び髄液などの検査の実施と その判定、その他関連する診断法の知識と実技 2.脳神経外科の治療技術のプログラムとして少なくとも次ぎのものを含める。 基本的手術法及び手技(穿頭術、開頭術及び頭蓋内圧のコントロール法など) 消毒法、麻酔法、薬剤治療、輸血及び輸液、物理療法、救急処置 Ⅱ 研修中に収めるべき診療実績 1.診療経験 研修期間中に 10症例以上の入院患者につき担当医として診療に当たらせる。 症例は救急症例・小児脳神経疾患を含むものとする。 2.開頭術・穿頭術・脳血管撮影 等の基本手技を研修 3.病歴・退院時総括の作成、症例検討会及び症例報告の作成 担当入院患者の病歴の抄録・退院時総括を作成させる。また、定期的な症例報 告会・X線写真読影会・内外文献妙読会に参加させ、適宜症例報告ないし臨床 統計報告の経験をさせる。 Ⅲ 研修の評価 1.脳神経外科の基本的診断手技と検査適応の理解 ・神経学的検査法の理解と手技 ・診断に必要な問診、診察、検査項目の判断力 ・腰椎穿刺の手技と髄液所見の理解 ・動脈血採血の手技と血液ガス所見の理解 ・脳・脊髄の解剖・生理の理解 ・簡単な神経眼科・神経耳科的検査の理解と手技 ・簡単な認知症検査の理解と手技 ・内分泌機能検査所見の理解と手技 ・一般血液・生化学・尿検査所見の理解と手技 ・頭頚部の一般X線写真、CT、MRI、脳血管撮影、RI検査の理解と読影 ・脳波、ABR、SEPなどの電気生理学的検査所見の理解 ・病巣部位診断と病態生理の洞察力養成 37 2.脳神経外科の基本的治療法の理解 ・頭蓋内圧亢進患者の治療と管理(脳室ドレナージ管理・バルビチュレート法など) ・痙攣発作の薬物治療および痙攣重責状態の治療と管理 ・髄膜炎の治療 ・抗血小板療法 ・内分泌補充療法 ・各種頭痛の薬物療法 ・抗生物質、抗痙攣剤などの静脈注射手技 ・中心静脈カテーテル挿入の適応決定と手技 ・薬剤の髄腔内投与手技 3.脳神経外科的救急患者処置の理解と実践 ・一般的救急患者の気道・循環系管理 ・意識障害患者の鑑別診断と処置 ・頭部外傷患者の初期治療 ・頸部外傷患者の初期治療 ・脳血管障害患者の初期治療 ・痙攣発作重積状態の治療 ・脳神経外科救急患者における緊急度の判断力習得 4.術前・術後患者管理の修得 ・開頭術の術前・術後管理 ・頭蓋骨切除術の術前・術後管理 ・経蝶形骨洞手術の術前・術後管理 ・定位脳手術の術前・術後管理 ・頭蓋骨形成術の術前・術後管理 ・髄液シャント術の術前・術後管理 ・穿頭術の術前・術後管理 ・各種ドレーンの管理 5.術後手技の理解と実践 ・頭皮損傷の縫合 ・頭皮腫瘍摘出術の術者または助手 ・気管切開術の術者または助手 ・脳室ドレナージ術の術者または助手 ・慢性硬膜下血腫手術の術者または助手 ・髄液シャント術の術者または助手 ・頭蓋骨陥没骨折手術の術者または助手 ・定位脳手術の術者または助手 ・急性硬膜外血腫手術の術者または助手 ・急性硬膜下血腫手術の術者または助手 ・脳出血手術の助手 ・脳腫瘍手術の助手 38 ・脳動脈瘤手術の助手 ・脳動静脈奇形手術の助手 ・微小脳血管吻合術の助手 ・脊椎破裂はじめ小児脳神経外科領域手術の助手 6.各種カンファレンスへの参加と準備など ・入院症例検討会 ・術前症例検討会 ・リハビリカンファレンスへの参加 ・妙読会 ・神経病理解剖への参加 ・退院総括提出 ・院内カンファレンス ・訪問看護への参加 39 整形外科 1)臨床研修プログラム 一般整形外科、脊椎・脊髄外科、災害外科、整形外科的リハビリテーションの研修を行う。入院患 者を担当し外来患者の診察を行うことにより、基本的診療法、検査法および治療法を取得すること を目的とする ○診断技術として、骨関節および脊椎・脊髄疾患の画像診断(脊髄腔造影、血管造影、MRI)、電 気生理学的診断法、関節穿刺術、血液・髄液の採取ならびに種々検査法 ○非観血的療法として、骨折の徒手整復法、ギプス包帯、副手の使用法、牽引療法、その他理学療 法の適応 ○手術的療法として整形外科的適応と無菌手術および基本的な手術手技の習得 ○整形外科的非観血的療法と手術の基本的技術について研修する(整形外科的薬物療法、輸液およ び輸血、理学療法の実際、装具・義肢、整形外科的慢性疾患、退行変形疾患、骨折および脱臼の 処置、創傷の救急処置等、また整形外科的リハビリテーションの基本概念の理解と実践) 2)研修中に修めるべき実績 (1)診療経験 研修期間中に次の部門の疾患の入院症例について、10症例以上の入院患者の担当医とし て診療に当たらせる。 脊椎・脊髄疾患 骨、関節、脊椎外傷(救急外傷の処置法) 末梢神経疾患 骨・関節慢性疾患 先天性疾患(先天性股関節脱臼、内反足、斜頚、手・足奇形) (2)病歴の作成、症例検討会および症例報告の作成 担当入院患者10例の病歴抄録を作成し、定期的な症例検討会、文献抄読会に参加し適宜 研究会への症例報告や臨床統計報告の発表をする (3)関連診療科の研修 外科、脳神経外科、麻酔科、リハビリテーション診療科などの関連診療科について理解をも たせ、特に麻酔においては実際の麻酔手技を研修する 40 Ⅲ.研究評価 ①整形外科の基本的診断法の習得 ・関節疾患(主に肩、股、膝関節) ・脊髄、末梢神経疾患 ・脊椎疾患(主に頚椎、腰椎) ・骨折、脱臼などの外傷性疾患 ②整形外科の基本的検査法の習得 ・脊髄腔造影術 ・関節造影術 ・神経根造影術およびブロック ・関節鏡検査の助手 ③整形外科の基本的処置法の習得 ・包帯固定法(主に肩、鎖骨、肋骨、膝、足関節) ・副子固定法(主に肘、手指、手関節、膝、足関節) ・ギプス固定法 ・関節穿刺、関節注射 ・直達、介達牽引法 ・硬膜外ブロック、仙骨裂孔ブロック ・創処置、デブリードマン法 ・自己血輸血 ④基本的な整形外科疾患の理解 ・外傷性疾患(骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷) ・先天性疾患(先天性股関節脱臼、斜頚、内反足) ・関節疾患(変形性関節症、大腿骨頭無腐性壊死、膝内障、 ・関節遊離体、腱板損傷、外反母趾、慢性関節リウマチ) ・脊髄疾患(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭穿症、 ・腰椎分離辷り症、OPLL、骨粗鬆症) ・化膿性疾患(化膿性骨髄炎、化膿性関節炎、化膿性脊椎炎、骨関節結核) ・その他(脳腫性疾患、末梢神経疾患、代謝性疾患、骨系統疾患、筋腱滑膜疾患など) ⑤整形外科的保存療法の理解と習得 ・外傷性疾患(骨折、脱臼に対する非観血的整復固定術、持続牽引療法) ・先天性疾患(リーメン・ビューゲル法、内反矯正ギプス) ・関節疾患(薬物療法、杖・装具療法、理学療法) ・脊椎疾患(薬物療法、ブロック療法、コルセット処方、理学療法) ⑥整形外科的手術療法の理解と取得 ・外傷性疾患(観血的整復固定術、人工骨頭置換術の助手) ・先天性疾患(先天性股関節脱臼、斜頚、内反足手術助手) ・関節疾患(人工頭骨置換術、関節形成術、滑膜切除術、関節鏡視下手術などの助手) ・脊椎疾患(椎弓切除術、脊椎固定術、ヘルニア摘出術などの助手) ⑦整形外科的リハビリテーションの理解と実践 ・受け持ち患者の術前、術後のリハビリテーション ・代表的な整形外科疾患の運動療法、物理療法 ⑧病歴作成、各種カンファレンスの参加、症例報告など 41 皮膚科 臨床研修プログラム 研修内容と到達目標 ①日常しばしば遭遇する皮膚疾患、例えば湿疹皮膚炎群、蕁麻疹、皮膚真菌症などの 診療に従事し、基本的な知識、技能を修得させる。 ②診断手技のプログラム イ.皮膚の構造、機能の理解 ロ.発疹学の理解と記述 ハ.診断に必要な問診、診察、検査項目の理解 ニ.血液検査、尿検査所見の理解 ホ.細菌、ウイルス、真菌検査法の理解と手技 ヘ.皮内テスト、パッチテスト、光線検査の理解と手技 ト.皮膚組織検査の手技と病理組織学的検査の判断能力 ③治療法のプログラム イ.外用療法 ロ.局所療法 ハ.光線療法 ニ.冷凍療法 ホ.電気凝固 ヘ.その他の理学療法 ト.抗ヒスタミン剤、抗生物質中心とした投薬 チ.基本的な形成外科的縫合法 研修中に修めるべき実績 ①入院患者 指導医とともに10例以上の入院患者の診療にあたる ②外来患者 指導医とともに100例以上の外来患者の診療にあたる ③症例検討会および症例報告の作成 研修期間中においては、担当患者の病歴の作成、症例検討会などを行う。 研修評価 ①基本的診断手技と検査適応の理解 ・皮膚の構造、機能の理解 ・皮膚の生理作用の理解 ・発疹学の理解 ・診断に必要な問診、診察、検査項目の理解 ・一般血液、生化学、尿検査所見の理解 ・細菌、ウイルス、真菌検査法(鏡検、培養)の理解と手技 ・皮膚組織検査の手技と病理組織学的検査の判断能力の向上 ・皮膚、粘膜病変部位診断と病態生理の洞察力 42 ②基本的治療法の理解 ・軟膏療法 ・局所療法 ・抗生物質、ステロイド剤などの静脈注射手技 ・光線療法(紫外線療法など) ・放射線療法 ・冷凍療法 ・電気凝固 ・その他の理学療法(温熱療法など) ③全身療法 ・消化剤、抗アレルギー剤 ・ホルモン剤 ・ビタミン剤 ・自律神経剤、精神安定剤 ・抗生物質 ④手術 ・一般外科的手段(切除、摘出、縫合、縫縮、切開など) ⑤病歴作成、各種カンファレンスへの参加、症例報告など 43 泌尿器科 研修の内容 一般目標 泌尿器科的疾患のプライマリケアに対処し得る第一線における臨床医を志向するにおいて、 多様な患者のニードに対応できるように、下記のプログラムにのっとり、数多くの尿路系、男 性性器系病変を有する患者を診察し、専門的治療を必要とするか否かを判断し、一般泌尿器科 患者に対して適切な処置を行うことが出来る能力を身に付けるための研修を行う。 具体的目標 ①:外来の受け入れ □主訴、現病歴、既往歴などの病歴を問診ができ、記録できる。 □問診の結果から疾患群の想定と、鑑別に要する検査法の体系化ができる。 ②:診断・検査:以下の検査を指示、実施し所見を判定できる。 □泌尿性器の理学的検査(腎臓の触診、前立腺触診、陰嚢内容の触診)ができる。 □尿検査、内分泌検査(下垂体、副腎、精巣) 、尿道分泌物、前立腺液、精液、血液、血液化 学検査ができる。 □生検法(腎、膀胱、前立腺など)ができる。 □ウロダイナミック検査(尿流量測定、膀胱内圧測定、尿道内圧測定など)ができる。 □内視鏡検査(尿道膀胱鏡、尿管カテーテル法など)、泌尿器科的X線検査(KUB,IVP,DIP, 尿道膀胱造影など)、超音波検査法(経腹、経直腸、経尿道)ができる。 □核医学画像検査(腎シンチグラフィー、レノグラム、骨シンチなど) □腎機能検査 □MRI 検査 ③:鑑別診断:上記の問診、検査を各症候に対して適切な鑑別診断ができる。 □排尿痛、疝痛発作 □頻尿、排尿困難 □尿閉、尿失禁 □膿尿、混濁尿、血尿 □多尿、乏尿、無尿 □尿道分泌物排出 □腹部腫瘤 □陰嚢内腫瘤 □性器発育不全 □その他 ④:治療:各疾患について十分な知識をもち、必要に応じて適切な治療方針をたて、可能な治療を 行う。治療の目的、方法、結果、予後、合併症について説明し、助言できる。 □腎、腎盂、尿管などの尿路の先天異常 □性器の先天異常 □尿路、性器の損傷 □副腎腫瘍 □腎、腎盂、尿管、膀胱、その他の腫瘍 □尿路結石症 □前立腺腫瘍、精巣腫瘍、その他の腫瘍 □性分化異常 □男子不妊症 □非特異性感染症 □尿路・性器感染症 □性行為感染症 □膀胱機能障害 □腎不全 □その他 44 ⑤:リハビリテーション □ 尿路変更患者、神経因性膀胱患者に対して適切な助言ができる。 ⑥:救急・偶発症 □可能な救急処置ができ、診療に伴う偶発症に対処できる。 ⑦:主治医として基本的能力を持ち、患者に適切に行える。 □正確、詳細な問診を行い、記載する。 □全身、局部の診察を行い、その所見を記載する。 □必要な一般検査を選択し、結果を判断できる。 □患者の病態を分析し、適切な治療計画を立てる。 □病因についての考察と分析が行える。 □必要な予薬、処置などの治療を行い、経過を観察し記載する。 □退院の時期の判定を適切にし、退院後の指導をする。 □入院病歴を作成し,問題点があれば考察をする。 □患者、家族に対して納得できる説明ができる。 ⑧:入院患者に対して、基本的な全身管理が適切に行える。 □術前術後の全身管理と対応ができる。 □非手術例の全身管理と対応ができる。 □偶発症に対して迅速、的確な処置ができる。 □他科の疾患を有する患者に対し関連医師との適切な連携ができる。 □医療関係法規に乗っ取った適切な対処ができる。 ⑨:手術に関する一般的知識、技能を習得する。 □疾患及び患者に対応し、手術の適応と術式が判断できる。 □手術の方法、合併症、続発症などについて予め説明できる。 □手術機器や材料の知識を持ち、正しく使用できる。 □手術に必要な準備を指示できる。 □術後の全身、局所管理ができる。 □消毒、術中感染症とその予防について知識がある。 □麻酔(局所、脊椎麻酔など)ができる。 ⑩:泌尿器科領域の基本的な術式の理解と執刀医として手術ができる。 ⑪:学会 □日本泌尿器科学会地方会などに症例報告ができる。 □論文投稿ができる。 45 研修評価 ①外来の受け入れができる。 ②泌尿器科的検査、診断を指示、実施ができ、かつ所見を判定できる。 ③各症例に対して、適切な鑑別診断ができる。 ④各疾患について知識を持ち、適切な治療方針を立てることができる。 ⑤尿路変更患者などに適切なリハビリテーションができる。 ⑥救急、偶発症に対して処置ができる。 ⑦入院患者の主治医として基本的な能力を持ち、患者に適切にできる。 ⑧入院患者に対して基本的な全身管理ができる。 ⑨手術に関し一般的知識、技能の修得がある。 ⑩泌尿器科手術の基本的な術式の理解と執刀医として手術ができる。 ⑪難易度の高い手術の助手または指導医のもとで自ら執刀できる。 ⑫学会での発表及び論文投稿ができる。 46 耳鼻咽喉科 1)臨床研修プログラム 入院患者担当、定期的な外来患者の診察、救急患者の診察によって以下の事項を習得させる。 1.耳鼻咽喉科の基本的診断技術と検査適応 耳鼻咽喉科、頭頸部外科領域の臨床解剖と機能の理解 耳鼻咽喉科的診察法の習得 視診、触診、耳鏡、鼻鏡、後鼻鏡、喉頭鏡検査、内視鏡検査、X線検査等 耳鼻咽喉科一般的検査手技の習得 耳管機能、聴覚機能、平衡機能、嗅覚機能、音声機能検査 鼻腔通気度検査等 以下の耳鼻咽喉科的検査法の適応の理解及び結果の判定 CT,MRI,超音波検査,心電図 聴性誘発反応 気管・食道ファイバースコピー、硬性鏡検査 病理学的検査 2.治療技術 以下の手術の基本的主義を習得する 外耳・中耳手術、鼻・副鼻腔手術、口腔・咽頭手術、喉頭手術 気管切開術 言語療法等のリハビリテーションの理解 以下の手術法を理解し、手術の助手を務める 鼓室形成術、鐙骨手術等耳科手術 頭頸部良性悪性腫瘍手術、再建術 気管・気管支・食道異物摘出術、顔面外傷骨折の外科的処置 2)研修中に修めるべき診療実績 1.15症例以上の入院患者を担当させ、基本的な手術手技を修得させると共に手術後の管理を修 得させる 2.50症例以上の外来患者を経験させ、それによって症状及び所見の把握を研修させると共に耳 鼻咽喉科的特殊検査、他科との関連事項、X線読影を修得させる 3.救急処置については、気管切開術(2例以上)、鼻出血(10例以上)、気管食道異物と内視鏡 (2例以上) 、軽度の耳鼻咽喉科的外傷処置(5例以上)を指導医監督の下に自らの手で行わせ る。 4.より高度の技術を要求される手術については、手術助手を務めさせる。 5.病歴の作成、症例検討会および症例報告の作成 担当患者の病歴の抄録を作成させる。 可能なら症例検討会、全国学会への参加、地方会への症例報告の経験をさせる。 47 3)研修評価 1.耳鼻咽喉科的疾患の理解 2.基本的検査の習得 ○耳鏡検査 ○鼻鏡検査 ○間接喉頭鏡検査 ○聴力検査、言語検査 ○前庭機能検査 ○嗅覚検査 ○味覚検査 ○アレルギー検査 ○ファイバースコープ検査 ○X線、CT、MRIの読影 3.基本的処置法の習得 ○中耳、鼻、副鼻腔、咽頭の処置 ○鼻出血の止血処置 ○頭頸部腫瘍手術の術後処置 4.保存的療法の理解と習得 ○急性炎症性疾患 ○慢性疾患(慢性副鼻腔炎、鼻アレルギー) ○神経耳科的疾患(メニエール病、突発性難聴、顔面神経麻痺) 5.手術法の理解 ○扁桃摘出術 ○鼻中隔弯曲症手術 ○鼻内視鏡手術 ○鼓室形成術 ○喉頭微細手術 ○頭頸部悪性腫瘍手術 6.病歴の作成、各種カンファレンスへの参加、症例報告等 48 眼 科 プログラムの目的 研修は、眼科医師として共通して求められる基本的な知識、技術、態度などを 研修することを目的とする。 1.到達目標 眼科検査の意味について理解でき、基本的な眼科検査を行え、簡単な 眼科救急患者に対して、処置が出来る事を目的とする。 2.研修内容 指導医の監督下に外来及び病棟において、基本的検査診断手技および 治療を身に付ける。 1)眼科の基本的検査手技と検査適応について ・ 眼及び眼窩の解剖生理 ・ 視力検査 ・ 細隙灯顕微鏡検査 ・ 眼底検査(散瞳下) ・ 診断に必要な問診、診察の仕方、検査結果の理解 2)基本的治療法の理解 ・ 眼科薬物療法(点眼、結膜下注射) ・ レーザー治療の理解 ・ 手術適応患者の理解および眼手術の前処理、消毒法 ・ 眼鏡処方の理解 ・ 伝染性疾患の予防及び治療 3)初期救急について ・ 外傷、薬傷の初期の処置 ・ 急性緑内障発作の初期の処置 ・ 急激な視力低下を来たす疾患の取り扱い 3.修めるべき診療実績 1)研修中に白内障、緑内障、眼底疾患の症例の副担当医として 診療に従事する。 2)病歴の作成、勉強会への参加 (1) 担当患者の病歴の抄録を作成させる (2) 各種の眼科学会、研究会に積極的に参加させる 49 4.研修の評価 1)基本的検査手技と検査適応 ・ 眼及び眼窩の解剖生理 ・ 視力検査 ・ 細隙灯顕微鏡検査 ・ 眼底検査(散瞳下) ・ 診断に必要な問診、診察の仕方、検査結果の理解 2)基本的治療法の理解 ・ 眼科薬物療法(点眼、結膜下注射) ・ レーザー治療の理解 ・ 手術適応患者の理解、術前処理、消毒 ・ 眼鏡処方について ・ 伝染性疾患の予防及び治療 3)初期救急について ・ 外傷、薬傷の初期の処置 ・ 急性緑内障発作の初期の処置 ・ 急激な視力低下について 4)病歴の作成、勉強会への参加 ・ 病歴の作成 ・ 勉強会への参加 50 放射線科 1.臨床研修の目的 将来各専門分野において就業するために必要な、画像診断、核医学、放射線防護と取り扱い、放射線 治療に関する基礎的知識および基本的技能を修得する。とくに他の診療科の診療技術と放射線科的診療 技術との有機的な結合に基づくチーム医療に貢献しうる医師の育成を目指す。 2.個別の研修目標 (1) 単純X線撮影、造影撮影(主に上部消化管造影)、X線CT、MRI、血管造影、シンチグラ フィー等の画像診断に関して以下の各項目につき研修を行う。 ・機器の簡単な原理 ・検査の長所と短所および適応 ・検査の具体的方法 ・検査に伴う副作用 ・検査に必要な解剖学や生理学の基礎 ・代表的疾患に関する画像診断各論 (2) インターベンショナル ラディオロジーについては以下の項目につき研修を行う。 ・手技の種類と適応 ・副作用と術後管理 (3) 核医学については、時間の許す範囲で、インビトロに関しても原理、応用につき研修する。 (4) 放射線治療については、以下の各項目につき研修を行う。 ・放射線治療の種類と適応 ・放射線生物学と放射線治療の基礎的事項 ・治療計画法の基礎 ・放射線治療による副作用とその対策 ・治療患者の外来および病棟管理 ・ペインコントロールとQOL 3.研修期間中の目標診療実績 (1) 画像診断に関しては分野部位に偏りなく300例以上の症例を経験し、そのうち教育的と判 断される症例50例以上につき、指導医のもとで報告書の作成を行う。 (2) インターベンショナル ラディオロジーについてはヴァスキュラーを中心に30例程度の 症例を助手として経験し、基礎的手技を修得する。 (3) 放射線治療については、20例程度の症例につき治療計画、治療の実施を経験し、病棟では 期間と通し2-3人の患者を受け持ち、その管理につき研修する。 4.研修の評価 (1) 各種画像診断 ①装置の基礎的原理、撮影法の理解 ・単純撮影 ・各種造影撮影 ・脈管撮影 51 ・X線CT ・MRI ・シンチグラフィー ②適応と代表的疾患各論の理解 ・単純撮影 ・消化管造影 ・脈管造影 ・X線CT ・その他造影(IVP,DICなど) ・MRI ・シンチグラフィー ③手技の修得 ・上部消化管造影 ・脈管造影の介助手技 (2) インターベンショナル ・適応の理解 ・シンチグラフィー ラディオロジー ・介助手技の修得 ・副作用の理解と術後管理 (3) 放射線治療 ・治療装置と治療計画の理解 ・放射線治療の適応 ・放射線生物学の理解 ・放射線治療による副作用とその対策 ・治療患者の外来および病棟管理 ・ペインコントロールの方法と理解 (4) 放射線安全取り扱いに関する知識 ・放射線の作用機序 ・放射線のリスクと防護 52 病理研究検査科 1)研修目的 病理研究検査科は医療における病理診断業務を行っており、病院病理業務の理解と病理解剖手技の習 得を目的とする。病理組織診断業務、細胞診診断業務、病理解剖の実際を体得する。外科系研修医は、 手術材料の取り扱いについて習熟する。内科系研修医は、病理解剖検討委員会を通じて病態の理解と死 因検討を行う。 2)研修内容 (1):病理解剖および病理解剖学診断学習 病理解剖の手技を習得し、死体解剖資格の取得を目的とする。年間20例余りの剖検数であるが 基本的に全例につき病理医と伴に病理解剖にあたる。 剖検翌日には、肉眼所見を中心に病理仮診断書を作成する。臨床データを参考にして4週間以内 に剖検診断書を作成する。 (2):生検・手術例の病理学的診断実習 内視鏡検査や計画的な手術により摘出された検体の検索と病理診断を行う。 年間検体数は約4000件である。消化管・泌尿生殖器・乳腺などが多い。肉眼所見の観察を行 い、肉眼写真をとり割を入れる方向や部位を検討する。臓器コピーに切り出し内容を記載する。翌 日標本ができあがるのを待って検鏡して、臨床医へのレポートをまとめ、病理部長によるダブルチ ェックを受ける。この作業により特に癌腫の場合には、その種類、深達度や予後、完全切除の有無 などの詳細な診断を行なう。 (3):術中迅速診断の実習 手術の最中に、良悪性の判断、断端への腫瘍浸潤の有無、手術の範囲が適切かの判断を行うため に、迅速に検体を処理して15分以内に病理診断を行うものである。経験を積んだ病理医により的 確に行われる診断は病理の醍醐味である。年間約250例の迅速病理診断を行う。 (4):細胞診実習 細胞診検査は、婦人科臓器、乳腺、甲状腺、泌尿器などが主体となる。 標本は、細胞診スクリーナーにより予めスクリーニングされ、陽性・擬陽性と判断されたのを研 修医が検鏡、診断して細胞診指導医のチェックを受ける。年間約6000件余りである。 (5) :剖検症例、生検・手術症例の検討に関しては、免疫組織化学、酵素組織化学などの検査がしばし ば不可欠であり、それらに必要なトレーニングを行う。 (6):人体病理学に関する症例報告を1編以上行う。地方の集談会(年2回)、地方の症例検討スライ ドカンファレンス(年3回)に演題を出す。学会発表を自ら行うだけでなく、臨床各科の学会発表 に積極的に関わっている。 (7):病理科主催・他臨床科・他院病理部との定例カンファレンス 安佐市民病院病理部との病理症例検討会(毎週月曜日) 放射線科(画像診断部)との症例検討会(毎週金曜日) 手術症例肉眼検討会(肉眼示説)(手術日翌日) 剖検症例肉眼検討会(肉眼示説)(剖検日翌日) 剖検症例検討会(剖検後約2週間後) 皮膚病理組織検討会(第3木曜日、隔月) 53 病理部内抄読会(第2水曜日) (8):研修医の指導は病理部長が行う。 3)研修内容の評価 (1):病理解剖および病理解剖学診断実習 1.病理解剖と法律との関係 死体解剖保存法の理解 2.病理解剖の手技 病理解剖の基礎技術(開頭など) 肉眼観察の行い方 病理解剖診断書のまとめ方 (2):生検・手術例の病理学的診断実習 1.生検組織の取り扱い方 2.特殊染色の種類・染色法とその意識 3.光学顕微鏡の取り扱い 4.顕微鏡写真の撮影法 5.組織診断書の作成法 (3):術中迅速診断の実習 1.迅速組織診断の有用性とその限界の理解 2.迅速組織診断報告書の作成 (4):細胞診実習 1.細胞診の有用性とその限界の理解 2.細胞診検体の取り扱い (5):免疫組織化学、酵素組織化学などの検査法 1.酵素抗体法の手技 2.酵素組織化学の手技 (6):人体病理学に関する症例報告を1編以上行う。 1.症例報告を1編以上行ったか。 (7):病理科主催・他臨床科・他院病理部との定例カンファレンス 1.定例カンファレンスへの参加度 54 健康管理科 ・院内での健診(施設内健診)実施 人間ドック,原爆健診等の受診者の診察および健診結果の説明と保健・生活指導を行う. 健診結果報告書を作成する. ・院外での健診(巡回健診)実施 広島県中央・西部地域の事業所等に出向き,労働安全衛生法に定める健診,および JA 組合員 およびその家族に対する生活習慣病予防のための健診で診察および保健・生活指を行う. 健診結果報告書を作成する. ・生活習慣病に関連する遺伝子変異の解析 自分の血液より抽出した DNA を用いて,肥満,高血圧,喫煙による肺がん発症等に関わる遺伝子 変異の有無を解析する. 55