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VnmrJ 2.2D
実験手順書
1.1 VnmrJ
概観
VnmrJ2.2C の概観は以下のようになっており、メニューバー、システムツールバー、コマ
ンドライン、グラフィックキャンバス等々によって構成されております。
メニューバー
システムツールバー
コマンドライン
グラフィックキャンバス
パラメータタブ
アクションバー
パラメータページ
パラメータページ
メッセージ表示領域
ゴミ箱
温度
回転
ロック
システムの状態
実験エリア
測定を始める前に実験の情報全てを取り込むデータ領域を決める必要があります。
VnmrJ ではこの領域のことを EXPn と呼び n は 1 から 9999 までの数字が設定できます。
この領域の中には測定した FID、FT 変換したデータそのほかシムの情報を含む全てのパラ
メータが格納されておりますが、新たな実験を開始すると以前のデータは全て消失するの
でこの領域はあくまで一時的に使用するものです。この実験領域はロケーターにより選択
することが出来ます。
実験エリアの移動
1.
ツールメニューから一番下のロケータを選んでください。
2.
虫メガネのアイコンから一番上の sort workspace を選択してください。
下のような画面が現れます。この表示では左の列から実験領域の名前、シーケンス名
それに実験番号を示しております。
3.
ワークスペースをダブルクリックするかグラフィックキャンバスにドラッグアンド
ドロップしてください。その実験エリアに移動します。
1 次元測定
【1】
1
H NMR の測定
1. 適当な実験領域に移動してください。(実験エリア参照)
2. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンからプロトンを選択してください。
デフォルトの 1H-NMR のパラメータがセットされます。
3. パラメータタブの基本を選択し、その中のパラメータページから基本設定を選択し
てください。
・ サンプル—測定する化合物の任意の情報を記入してください
・ ノート、ページ-ノート名、ページの任意の情報を記入してください
・ コメント―メモなどの任意の情報を記入してください
・ ロック溶媒が Chloroform、DMSO、D2O のどれかならばそのボタンを押して溶
媒を選択してください。溶媒がそれ以外の場合は、”その他“のプルダウンメ
ニューからロック溶媒を選択してください。
サンプル、ノート、ページ、コメントなどの記入は必須ではありませんが、データを
検索するときなど、データの管理に重要ですので、記入したほうが良いでしょう。
4. 取出しボタンを押してエアーを流してください。
5. サンプルをスピナーにセットして位置をゲージに合わせてください。
6. スピナーを磁石上部に静かにおいてください。
7. 挿入ボタンを押してサンプルを磁石内に挿入してください。
8. Z0 検索のボタンを押してください。Z0 の検索が実行されます。
自動的にサンプルの重水素 NMR を観測し、自動的にロックが掛かる Z0 に値を
調節いたし、メッセージ領域に”z0 set to –19737 などのように表示されます。
9. グラジエントシムボタンを押してくださいグラジエントシムが実行されます。
自動的に磁場の均一化を実行します。高分解能スペクトル測定に必須の機能です。
10. データ取込の基本パラメータ(H1)を開いて、パラメータの設定してください。
・
スペクトル幅:
通常
14→-2(ppm)
・
パルス幅:
通常
45(度)
・
待ち時間:
通常
1(秒)
・
積算回数:
通常
8(回) サンプル濃度に依存。
通常
16~20(Hz)
・ 回転数:
11. アクションバーの測定時間表示ボタンを押してください。
メッセージ表示領域に測定時間が表示されます。
12. アクションバーの測定&データ変換ボタンを押してください。
―測定が開始されます。
【2】13C NMR の測定
1. 適当な実験領域に移動してください。(実験エリア参照)
2.
メニューバーの実験と書いてあるプルダウンからカーボンを選択してください。デ
フォルトの 13C-NMR のパラメータがセットされます。
3.
パラメータタブの基本を選択し、その中のパラメータページから基本設定を選択し
てください。
・ サンプル—測定する化合物の任意の情報を記入してください
・ ノート、ページ-ノート名、ページの任意の情報を記入してください
・ コメント―メモなどの任意の情報を記入してください
・ ロック溶媒が Chloroform、DMSO、D2O のどれかならばそのボタンを押して溶
媒を選択してください。溶媒がそれ以外の場合は、”その他“のプルダウンメ
ニューからロック溶媒を選択してください。
サンプル、ノート、ページ、コメントなどの記入は必須ではありませんが、データを
検索するときなど、データの管理に重要ですので、記入したほうが良いでしょう。
4~9 は 1H と同様ですので 1H-NMR 測定を参照してください。事前に 1H を測定した際
は 4~9 の操作は省略してください。
10. データ取込の基本パラメータ(C13)を開いて、パラメータの設定してください。
・ スペクトル幅:
通常
225→-15(ppm)
・ パルス幅:
通常
45(度)
・ 待ち時間:
通常
1(秒)
・ 積算回数:
通常
256(回) サンプル濃度に依存。
・ 回転数:
通常
16~20(Hz)
・ デカップルモード:
通常
デカップリング+NOE
13
C-NMR は 13C 核に直接、または 2-3 ボンド離れた 1H により微細構造が観測
されますが、1H の周波数を照射することにより微細構造をなくした測定、所
謂デカップリングをするのが一般的です。
・ ブロックサイズ(bs):
13
通常
64(回)
1
C-NMR は H-NMR に比べ長時間測定しますので、積算回数を 10000 回など
非常におきな値を設定し、スペクトルを見ながら積算の続行、終了を判断する
こともあります。その際にスペクトルを設定したブロックサイズ毎に保存しま
す。
11. アクションバーの測定時間表示ボタンを押してください。メッセージ表示領域に測
定時間が表示されます。
12. アクションバーの測定&データ変換ボタンを押してください。
―測定が開始されます。
1 次元処理
1. 測定をした実験エリアに移動してください。(実験エリア参照)
2. データ処理ページの基本を開いてください。
3. フーリエ変換のボタンを押すとフーリエ変換されます。
4. ウィンドウ関数はほとんどの場合、デフォルトの値でかまいませんが、ウィンド
ウ関数を変更するにはインタラクティブボタンを押してください。
5. グラフィックキャンバス内が3分割され、上段に現在のウィンドウ関数でフーリ
エ変換したさいのスペクトル、中段にウィンドウ関数、下段に Fid が表示されま
す。
初期状態では上段にスペクトルが表示されませんので、中段のウィンドウ関数にマウ
スのポインタを合わせて右クリックをしてください。上段にスペクトルが表示されま
す。
右クリック
ウィンドウ関数の設定は中段にマウスのポインタを合わせ好みのウィンドウに左クリ
ックしてあわせてください。
左クリック
6. 再度、フーリエ変換ボタンをおすと、そのウィンドウ関数でのフーリエ変換が実
行されます。
7. 自動位相補正ボタンを押して位相を合わせてください。通常この自動補正のみで
十分に位相が補正されます。
自動位相補正が十分でない際は、ツールメニューのプルダウンメニューから
位相補正を選んでください
端に位置し、スペクトル中で大きなシグナルに注目し、マウスポインタを移動させて
ください。
上下に左ドラッグで位相を調整
位相が合っていないシグナルにそのままマウスポインタを移動させてください上下に
左ドラッグで位相を調整
位相が合いましたら
ボタンを押して位相調整モードを抜けてください。
8. 高さの自動補正ボタンで高さをあわせてください。
好みの高さに調整するには、高さを調整したいシグナルにマウスポインタを合わ
せ真ん中ドラッグで調整してください。
マウスのポインタにあわせてシグナルの大きさも変化します。
9. ツールメニューから 2 本カーソルを選んでカーソルを2本にし、表示したいスペ
クトル領域を 2 本カーソルで囲んでください。するとその幅に拡大され、と元に
戻ります。
マウス左クリック
マウス右クリック
ツールメニューのスペクトル拡大を選択
ツールメニューの全体を表示を選択
10. 溶媒シグナルまたは TMS シグナルボタンを押してリファレンスの設定をしてく
ださい。
または、基準とするシグナルにカーソルを合わせ、近傍ピークを探索ボタンを
押しカーソル位置のケミカルシフトを設定してください。
②
①
11. しきい値ボタンを押してピークを検索する高さを指定してピークを検索ボタン
を押してピーク検索してください。
閾値のパラメータがこれで設定されます。
ボタンを押してピークモードから抜けて
ください。画面上にピーク値が消えますが、プロットにはピークが打ち出されます。
12. ツールバーのプルダウンメニューから積分値の部分表示、区切りを解消、
積分を区切るメニューを順次を選んでください。積分の領域がリセットされ、積
分モードになります。
②
③
①
切りたい積分領域の左右で左クリックすると積分が切れます。
積分の始点にポインタをあわせる
左クリック
積分の終点にポインタをあわせる。
左クリック
続けて切る
細かい場所の積分は随時スペクトルを拡大して積分を切る。但し、スペクトル拡大後
再度メニューから積分を切るを選択する必要がある。
4. ベースライン補正ボタンを押してください。ベースライン補正が行われます。
5. カ ー ソ ル を リ フ ァ レ ン ス に し た い シ グ ナ ル に 合 わ せ 、 そ の 数 値 を 代 入 し 、
値に設定ボタンを押して積分強度ボタンを押してください。
②
③
①
6. データ処理のプロットページを開いてください。
7. プレビュー或いはファイルを選んでください。
8. 自動書き出しモードを表示どおりに、パラメータを全領域、ピークの周波数を
最上部に PPM、積分強度を横向きにを選んでください。
①
②
③
④
9. 自動書き出しボタンを押してください。
プレビューが表示されます。
10.この構図で満足であれば、プレビュー内のプリントをクリックしてください。こ
の構図で印刷されます。
データ保存
1. 画面左上部の左から 3 番目を左クリックするか
またはファイルプルダウンメニューの保存を選んでくだい
2. 保存ディレクトリを選択し、ファイル名を記入の後保存ボタンを押してください。
現在の実験エリアのデータが Fid 形式で保存されます。
①
②
③
データ呼び出し
3. 画面左上部の左から 3 番目を左クリックするか
またはファイルプルダウンメニューの開くを選んでくだい
4. データがあるディレクトリを選択し、ファイルを選択後、呼び出しボタンを押し
てください。現在の実験エリアにデータが呼び出されます。
①
②
③
呼び出し
応用 1 次元測定
【1】
プリサチレーション
1.
適当な実験領域に移動してください。
2.
1
H-NMR を測定してください。照射するシグナルを選択するために 1H の測定が
不可欠です。(1H-NMR 測定参照)
3.
1
4.
メニューバーの実験と書いてあるプルダウンからプリサチュレーションを選択
H-NMR のフーリエ変換をしておいてください。(一次元処理参照)
してください。デフォルトのプレサチュレーションパラメータがセットされます。
5. データ取込のパルス系列ページを開いてください。
6. ツールバーの
アイコンを押して 1H-NMR のスペクトルを表示して
アイコン
で位相補正してください。(一次元処理参照)
7. スペクトル上でカーソルをサチュレーションしたい溶媒のシグナルにあわせて、
近傍のピークボタン、設定ボタンを順次押してください。
①
照射位置が設定されます。
②
8. 照射パラメータの設定をしてください。
・ 時間(stdly):
通常
1.5(秒)
・ パワー
通常
-16
消す溶媒のシグナルの大きさに依存する D 溶媒中の軽水-16~-10、軽水の水消去
-1~2 程度。
9. データ取込の基本パラメータを開いて、積算パラメータの設定してください。
・ スペクトル幅:
通常
14→-2(ppm)
・ パルス幅:
通常
45(度)
・ 待ち時間:
通常
0.02(秒)
・ 積算回数:
通常
4(回) サンプル濃度に依存。
10. 積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR
測定 11~12 参照)
【2】
Wet1d
1. 適当な実験領域に移動してください。
2.
1
H-NMR を測定してください。照射するシグナルを選択するために 1H の測定が
不可欠です。(1H-NMR 測定参照)
3.
1
H-NMR のフーリエ変換をしておいてください。(一次元処理参照)
4. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンから Wet1d を選択してください。
デフォルトの Wet1d パラメータがセットされます。
5. データ取込のパルス系列ページを開いてください。
6. ツールバーの
アイコンを押して 1H-NMR のスペクトルを表示して
アイコン
で位相補正してください。(一次元処理参照)
7. サチュレーションしたい溶媒のシグナルの数を 1~7 の範囲で選んでください。
8. スペクトル上にて 2 本カーソルでサチュレーションしたい溶媒のシグナルを囲み、
設定ボタンを順次押してください。照射したいシグナルの分の設定が終わりまし
たら、波形を作成ボタンを押してください。
最後に
9. データ取込の基本パラメータを開いて、積算パラメータの設定してください。
・ スペクトル幅:
通常
14→-2(ppm)
・ パルス幅:
通常
45(度)
・ 待ち時間:
通常
1~2(秒)
・ 積算回数:
通常
4(回) サンプル濃度に依存。
10. 積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR
測定 11~12 参照)
【3】NOESY1D
1.
適当な実験領域に移動してください。
2.
1
H-NMR を測定してください。照射するシグナルを選択するために 1H の測定が不
可欠です。(1H-NMR 測定参照)
3.
1
H-NMR のフーリエ変換及び位相補正を行い 1H-NMR のスペクトルを表示してくだ
さい。(1 次元処理参照)
4. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンから NOESY1D を選択してください。
デフォルトの NOESY1D パラメータがセットされます。
5. データ取込の基本パラメータを開いてください。
6.
1
7.
選択ボタン、次に進むボタンと順次押してください。照射位置が設定されます。
H-NMR のスペクトルの照射したいシグナルをカーソルで囲ってください。
①
②
8.
積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR 測
定 11~12 参照)
・
スペクトル幅(sw):
通常
14→-2(ppm)
・
待ち時間(d1):
通常
1(秒)
・
積算回数(nt):
通常
64(回) サンプル濃度に依存。
・
混合時間(mix):
通常
500(ms)
概ね低分子(分子量 1000 程度まで)500ms~1s、高分子(分子量 10000 超)100ms
以下です。(サンプルの緩和時間に依存)
【4】ROESY1D
1.~3.
NOESY1D と同様です。NOESY1D を参照してください。1H-NMR を測定して
ください。照射するシグナルを選択するために 1H の測定が不可欠です。(1H-NMR 測定
参照)
4. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンから ROESY1D を選択してください。
デフォルトの ROESY1D パラメータがセットされます。
5. データ取込の基本パラメータを開いてください。
6.
1
H-NMR のスペクトルの照射したいシグナルをカーソルで囲ってください。
7. 選択ボタン、次に進むボタンと順次押してください。照射位置が設定されます。
①
②
8. 積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR 測
定 11~12 参照)
・
スペクトル幅(sw):
通常
14→-2(ppm)
・
待ち時間(d1):
通常
1(秒)
・
積算回数(nt):
通常
64(回) サンプル濃度に依存。
・
混合時間(mix):
通常
250(ms)
ROESY1D もサンプルの緩和時間によって混合時間を変える必要がありますが、そ
の値は、概ね NOESY1D と同程度です。
【5】TOCSY1D
1.~3.
TOCSY1D と同様です。TOCSY1D を参照してください。1H-NMR を測定してく
ださい。照射するシグナルを選択するために 1H の測定が不可欠です。(1H-NMR 測定参
照)
4. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンから TOCSY1D を選択してください。
デフォルトの TOCSY1D パラメータがセットされます。
5. データ取込の基本パラメータを開いてください。
6.
1
H-NMR のスペクトルの照射したいシグナルをカーソルで囲ってください。
7. 選択ボタン、次に進むボタンと順次押してください。照射位置が設定されます。
①
②
8. 積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR 測
定 11~12 参照)
・
スペクトル幅(sw):
通常
14→-2(ppm)
・
待ち時間(d1):
通常
1(秒)
・
積算回数(nt):
通常
64(回) サンプル濃度に依存。
・
回転数(spin):
通常
0(Hz)
・
混合時間(mix):
通常
0 及び 80(ms)
混合時間 0ms の測定も行いますが、これはリファレンスです。また、TOCSY はサ
ンプルの J 結合の大きさによって混合時間を変える必要がありますが、その値は概
ね 40~80ms です。
【6】DEPT の測定
1. 適当な実験領域に移動してください。
2. メニューバーの実験と書いてあるプルダウンから DEPT を選択してください。
デフォルトの DEPT パラメータがセットされます。
3.~9.は 1H と同様ですので 1H 測定を参照してください。
10. 積算パラメータを設定して、測定時間を確認し、測定をしてください(1H-NMR 測
定 11~12 参照)
・
スペクトル幅(sw):
通常
225→-15(ppm)
・
待ち時間(d1):
通常
1(秒)
・
積算回数(nt):
通常
64(回) サンプル濃度に依存。
・
回転数(spin):
通常
16~20(Hz)
・
CH 多重度:
通常
全編集
13
DEPT は C のシグナルをそのスピン系によって区別するパルス系列であり全
編集は CH、CH2 及び CH3 をそれぞれのみのスペクトルを得ることができます。
VnmrJ 2.2D
Walkup版
ユーザーにログインしていなければ、ログイン画面からユーザー名とパスワードを入力し
ます。すると以下のような画面が現れます。
日本語で表示させるには
“ VnmrJ 日本語” を、英語で表示させるには “VnmrJ” のアイ
コンをダブルクリックします。使用できるログイン名は機器管理者が設定します。
日本語のフォントをよりきれいに表示するには、Linux を日本語で立ち上げます。ログ
イン画面で Language をクリックし日本語を選びます。その後でユーザー名とパスワード
を入力してリナックスを立ち上げます。このときはどちらのアイコンをクリックしても表
示は日本語になります。
1. VnmrJ
概観
VnmrJ2.2C の概観は以下のようになっており、メニューバー、システムツールバー、コマ
ンドライン、グラフィックキャンバス等々によって構成されております。
メニューバー
システムツールバー
コマンドライン
グラフィックキャンバス
パラメータタブ
アクションバー
パラメータページ
パラメータページ
メッセージ表示領域
ゴミ箱
温度
回転
ロック
システムの状態
2. サンプルを準備する
複数のサンプルを信頼性良く,しかもすばやくデータを取り出すには、サンプルを正しく用意
することとタービンを正しい位置に取り付けること、さらに autoshimming の方法とロックのパワ
ーに大きく依存する。自動測定であれ手動であれ、サンプルごとに磁場の均一度が変化する
主な原因は、空気―ガラス、ガラスー溶媒それに溶媒―空気の境界線で磁化率が変化する為
で、シムにかかる時間、シムが必要かどうかは接触面の効果をいかにうまくコントロールするか
にかかっている。
溶媒の選択
サンプルは純粋の溶液か溶解した状態で測定することが出来る。多くの場合物質を溶解し
た状態で測定する。溶媒は不活性で (サンプルと反応しない) 重水素化されたものがある物を
選ぶ。ロック無しに測定は可能である。重水素化溶媒の重水素のシグナルにロックしないこと
だが、ロックをしたほうが分解能はよくなるし、特に長時間観測するときロックは必要である。よく
使う溶媒はアセトン、クロロホルム、メチレンクロライドそれにDMSOなど。
サンプルの液量
実験的にそれに計算からも、端の効果を最小にするためには溶液のカラムの長さは観測コ
イルの最低三倍であることが必要である。このことは標準 BB 或いは SWプローブで 5cm、
1H/19F プローブで 4cm の長さになる。端の効果を取り除くには、5mm 管では 0.6 ml 、
10mm 管では 3.1 ml の溶媒が必要となる。
サンプル濃度を高めるために溶媒量を少なくすることは、たいてい失敗する。なぜなら増加
したシグナルは共鳴線の細い部分ではなく、根元の部分に現れるからである。事実良く分解能
調整された0.4 ml のサンプルは0.6 ml の良く調整されたサンプルより感度は悪くなる。分解能
調整に時間がかかることを考えれば、感度はさらに悪くなることになる。サンプル長の少しの変
化は 0.6 から 0.8 ml のサンプルでは影響は小さいものだが、0.4 ml のサンプルでは大変
大きいものになる。
最良の結果と分解能調整の時間を少なく
するには、サンプルは出来るだけ同じ高さ
になるようにするべきでである。0.7 ml 以上
で、サンプルの底を最適な場所にセットす
れば、少しの感度劣化で済む。すべてのサ
ンプルはある高さ以上に用意して、その高
さで調節したシム値を使うと良い。
Wilmad 528 或いは 535 のサンプル管でプラグを入れなければ、Table 1 に示したサンプ
ル容積では表右に示した深さに取り付けます。その深さとはタービンの底からサンプルチュー
ブの底までの長さである。
サンプル位置設定ゲージ
サンプルはいつも同じ深さに取り付けられるように、Figure 1 に示したサンプル設定用ゲー
ジを使う。 自動サンプルチェンジャーを使っていれば、これをトレイの 0(ゼロ)の位置にセット
する。
1.サンプル設定用ゲージの上部からタービンを挿入する。
2. NMR のサンプルチューブをタービンに取り付け、サンプル設定用ゲージの移動可能な底
に触れるまでゆっくりとチューブを押し込む。
3. サンプル設定用ゲージのノブを緩める。
4. ゲージの底をサンプルチューブとタービンとともに一緒に押し上げ、サンプルの容積の中心
がゲージの裏側に示されている印 (CL, 35 から 51 mm の間) の中心に合わせる。
5. ノブを固定する。
6. サンプルチューブとタービンをゲージから取り出す。
7. タービンからサンプルチューブをゆっくり引き上げ、タービン/サンプルチューブをもう一度
ゲージに入る。そしてサンプルチューブが先ほど調節したゲージの底に当たるまで押し下げ
る。
サンプルチューブ
最後にサンプルチューブは最高性能のチューブを使われることをお勧めます。サンプ
ルチューブをタービンに取り付ける前に、イソプロパノールのような溶媒でチューブの
外側をきれいにしティシュペーパーでそれをふき取る。
3. プローブファイルを呼び出す
プローブファイルは装置或いはプローブの据え付け中に作られる。プローブファイルと校正
用のファイルの作り方は Acceptance Tests Procedures マニュアルに記述されている。
1. VnmrJ インターファイスの右底部にある”Hardware bar” の プローブ をクリックする。
次のようなウインドゥが現れる。
2. 直ぐ下のプルダウンメニューから目的のプローブを選ぶ。
3. ウィンドウを閉じるには 終了
をクリックする。
(この変更はレベル 30 以上の
使用者に限られている。)
4. サンプルの取り出しと挿入
装置はコンピュータ制御のサンプル取り出し、挿入、回転、ロックそれに分解能調整が出来
るようなハードとソフトウエアを持っている。この項ではコンピュータ制御のサンプル取り出し、
挿入に関して説明する。
サンプルの取り出し
新しいサンプルを磁石に入れる前に、前のサンプル (磁石の中にサンプルがないとしても)
を取り出す。コンピュータ制御で取り出しの空気を出すと、サンプルが入っていれば上部円筒
形の上にサンプルが上がってくる。そのサンプルを取り出し新しいサンプルに取り替える。
1. 基本 タブをクリックし、標準ページかロックページを選ぶ。
2. 取出し ボタンをクリックする。
サンプルの挿入
サンプルが挿入されるとき、サンプルはコンピュータ制御で上部からゆっくりと下りていきます。
5 秒後に一時的に bearing の空気が少しの間止まりサンプルが正規の位置に正しく収まりま
す。
この二段階のサンプルの挿入は主に安全のためです。なぜならこの筒の中ではサンプルチュ
ーブそのものが空気の支えとなっているからです。サンプルチューブは円錐形のガイドに当た
るとき壊れないように十分ゆっくりと降りていくことが必要です。次の段階でサンプルチューブは
bearing の円筒に滑り落ちていきます。
1. サンプルを取り出すには (磁石の中にサンプルがないとしても) 空気を送ります。
2. 円筒の先端にサンプルを置いて挿入します。
1. 基本 をクリックしてタブを開きます。
2. 標準 ページ、を開きます。
3. 挿入 をクリックします。
最近の装置にはマグネット上部のサンプル導入部の横に、手動でサンプルの出し入れが出来るス
イッチがついている。このスイッチでサンプルの出し入れを手動ですることが出来る。
5. チューニング
もし温度を室温以外で測定するのであれば温度が一定になるまで待ちます。
(プローブや
測定周波数の違いによりその程度は違いますが、サンプルの溶媒、温度が変化するとチュ
ーニングは変わります。
)
メインメニュー
ツール
“ツール”から
→ チューニング
→ プローブを手動でチューニング
チューニングコネクタとプローブを結線し、プロトンのチューニングをするにはこの表示
のままで“チューニング開始”をクリックします。するとグラフィック領域に次に示すよ
うな図が現れます。感度が悪ければパワーを増加します。全体をより見やすくするために、
パネルの下部中央部分にある“高さの自動調整”をクリックします。プローブのハイバン
ドチューニングとマッチングノブ(赤色の印があります)グラフのへこみを最大に、へこ
みの中心を観測周波数(青線)にあわせます。
ここに示した例はチュー
ニングはずれていますがマ
ッチングはあった状態です。
チューニングがあってマッ
チングがずれた状態は次の
図に示します。へこみの深さ
がありません。チューニング
もマッチングもあった最適
の状態が三番目に示した図
です。終了するには“チュー
ニング停止”をクリックしま
す。
第二チャンネルのチューニ
ングはプローブとチューニ
ングコネクタを接続し、核を
選びます。初期設定でカーボ
ンの周波数が設定されてい
ます。その他の核を選ぶには
プルダウンメニューでその
核種を選ぶか、周波数を直接
打ち込みます。ローバンドの
それぞれのノブは緑色の印
があり種類はノブに書き込
まれています。
それからの調整はプロトンのときとまったく同じです。調整を終了したら“チューニング
停止”、“Quit” をクリックします。
6. 新しいサンプルの測定を開始する
測定を始める前に実験を行うデータ領域を決める。VnmrJ ではこの領域のことを EXPn と呼び
n は 1 から 9999 までの数字である。この領域の中には測定した FID、FT 変換したデータそのほか
シムの情報を含む全てのパラメータが格納されている。この領域をデータ保存の場所として使用す
るのはそのデータ量の多さと、煩雑であるので得策ではない。また新たな実験を開始すると以前の
データは全て消失する。この実験領域を選ぶにはいくつかの方法がある。
ロケーター
ツールメニューから一番下のロケータを選ぶ。メガネのアイコンから一番上の sort
Workspaces を選択すると右のような画面が現れる。この表示では左の列から実験領域の名前、シ
ーケンス名それに
実験番号を示して
いる。領域を移動
するにはその場所
をダブルクリックす
るかグラフィックキ
ャンバスにドラッグ
する。ちなみにロ
ケータはこの目的
以外に多くの用途
があるがここでは
説明しない。その
ほか方法では、コ
マンドラインから
jexp14
とタイプ
する。数字 14 は実
験番号で、この場
合実験 14 番に移
動したことを示して
いる。
7.
サンプル情報入力
左中央部にある溶媒のボタンで測定溶媒
を選ぶ。この三種類以外の溶媒はその下
にあるプルダウンメニューで選択する。も
しこの中でない溶媒があれば追加も可
能。
基本設定ページから、サンプル名、ノート
それにページに書き込む。これは必須で
はないが後でデータを検索するとき大変
便利になる。コメント部分にはメモ書きを
入れる。
8.
実験選択
プロトコル(円内)から測定する実験を選ぶ
9. 積算パラメータを変更する。
矢印部をダブルクリックすると実験パラメータがよばれる
データ取込タブの基本パラメータページで主なパラメータを変更する。
変更するパラメータは主に下図にプルダウンメニューで示したように、積算回数や待ち時間(d1)そ
れに回転数などになる。
パルス系列を表示をクリックしシーケンスが正しいかどうか確認し、アクションパネル内の時間を表
示をクリックし測定にかかる時間をチェックする。次図にそのときの画面を示した。
続けて実験を行う場合は同様に実験を選択すると自動チェーン測定となる
10. 測定を開始する。登録ボタンを押す
自動ロック、グラジエントシムおよび全てのデータをプロットのチェックがなされている
ことを確認する。
データ処理と表示
スペクトルはパラメータを変更した際のように Study キュー内の項目をダブルクリック
することで読み出せます。新たに FT を実行するには、データ処理パネルを選び、アクショ
ンバーのフーリエ変換をクリックします。そのほかデータ処理タブの基本ページでフーリ
エ変換をクリックするか、メインメニューのデータ処理から 1 次元フーリエ変換を選ぶと
実行されます。
* *データ処理パラメータと操作法は後で説明。
位相あわせ
自動で合せるのは、 コマンドラインから
aph 、データ処理タブの基本ページで自動位
相補正をクリックします。
(たいていの場合満足いく結果が得られますが、線幅がたいへん
広いシグナルと鋭いシグナルが混在するスペクトルではうまくいきません。そのときは以
下に説明するように手動で行います。)
スペクトルが表示されていないときは、
の右をクリックします。
位相調整アイコンをクリックし、スペクトルの大きなピークがある位置の縦方向中央付近
で左マウスをクリックします。すると下図に示すように二本の縦線と一本の横線が現れま
す。左マウスを押しながら、二本のカーソルの内部で上下にマウスを移動させ、スペクト
ル全体で位相が合うように設定します。
位相調整アイコン
このとき矢印で示した 1 次の位相補正パラメータ lp は動きません。スペクトル全領域で
位相が合わないときは、最初に選んだ場所から離れたところでもう一度クリックします。
すると下図のように新たなカーソルがその位置で現れ、その内部で左マウスをホールドし
カーソルを上下に移動させ調節します。右マウスは微調節です。このとき以前選んだ場所
の位相は変化せず、その他のシグナルの位相が変わり全体のスペクトルの位相が設定でき
ます。位相調整モードから他のモードに移るのは他のアイコン例えば左端のカーソルアイ
コンをクリックします。測定パラメータが正しく設定されていれば、二番目の調整は微調
整だけで済みます。すなわちパラメータ lp はゼロに近い値のはずです。このパラメータの
設定に関しては後で説明します。
スペクトルの拡大など
スペクトルの拡大縮小、増大減少などは以下に示す表示用アイコンとマウスで出来ます。
それらを以下に示します。
カーソルを一本表示、カーソルを二本表示
スペクトルを全領域表示
カーソルで囲んだところを拡大。ズームイン
ズームアウト
右マウスでドラッグした場所を拡大
スペクトルを左右に移動
積分を表示
目盛りを表示
積分非表示
横カーソルを表示
積分を区切る
位相補正
ドリフト補正
区切りを解消
その他のアイコン
以前のモードに戻る
左マウスボタン
アイコンの選択、左(低磁場)カーソルの移動
中央マウスボタン
スペクトルの大きさを変更(ピークの位置でクリックするとその位置
までピークが増大(減少)する。スペクトルの左端でクリックすると
ベースラインの位置が変化する。積分を表示中は積分だけに有効)
右マウスボタン
右(高磁場)カーソルの設定と移動
積分を区切る
積分曲線が表示されていなければ、表示アイコン
をクリックして表示させる。そのと
き適当な位置で積分が区切られていなかったら、もう一度
区切りを解消アイコン
続いて積分を標示
ここでアイコン
をクリックして現れてくる
をクリックする。その後同じ位置に現れる積分を非表示
に
をクリックする。すると以下に示すような画面となる。
をクリックした後で、区切りたいシグナルの前にカーソルを合わせ左
マウスをクリックする。すると積分曲線の低磁場側は点線で表される。シグナルの高次場
側でもう一度左マウスをクリックすると高磁場側が点線となり、今選んだシグナルの積分
だけが実線で表される。これを全てのシグナルで繰り返す。下図はその途中の状態を示し
ている。
全てのシグナルの積分を設定し終わるとそれぞれの積分比を決定する。データ処理タブ
の積分強度ページを開く。どこかプロトンの数が分かっている単一のシグナルを選んで(こ
の例では最低磁場シグナル)カーソルを設定する。パラメータパネル内の規格値をプロト
ンの数、規格化の範囲を単一ピークに設定し、設定をクリックする。すると右側にその結
果を標示する。図のように画面に表示するには画面表示をクリックするとスペクトルの下
部に数字で表示する。
ベースラインの補正
前項で示したように積分を設定してあれば、データ処理タブの基本あるいは表示(2)ペー
ジを選び、ベースライン補正をクリックします。あるいはコマンドラインから bc と入力
します。このときシグナルは全て積分範囲に入っていることが必要です。
スペクトルの基準を設定する
スペクトルは標準的にパラメータを設定しロックをかけて測定すれば、溶媒のシグナルの
ケミカルシフトから基準が設定されています。従ってサンプルの溶媒とパラメータの溶媒
が一致していればかなりの精度で基準はあっています。基準物質を内部標準として加えて
いなければ、このままの値を使うことをお勧めします。
内部基準のピークを特定のケミカルシフトに設定するには、データ処理タブの表示ペー
ジを開きます。一本のカーソル線を基準とするピークの近くに移動させ、近傍のピークを
検出をクリックします。その直ぐ上にあるカーソル位置の部分を、ケミカルシフトの値、
例えばクロロホルムであれば 7.26 を、次のプルダウン選択を ppm にします。そこでスペ
クトル基準中のカーソルの位置をクリックします。これにより現在カーソルがある位置が
特定のケミカルシフトに設定されました。
スペクトルの書き出し
下図に例を示したように画面上に書き出したいスペクトル幅、大きさなどを整えます。
データ処理タブのプロットページで、左上部のプリントの出力をプリンター、プレビュー
或いはファイルのどれかを選びます。ここではプレビューを選びます。二列目の設定を目
的のものを選んで自動書き出しをクリックするとプレビュー画面が現れます。ここで選択
したのは、
パラメータ
:全パラメータ
ピーク値
:選択せず
積分値
:横書き
です。
この構図で満足であれば、プレビュー内の
プリントをクリックするとプリンターに出力
されます。
一つずつ選択して書き出すには、それぞれ
のボタンをクリックして最後に手動書き出し
をクリックするとプレビュー画面が現れます。
ここでクリックしたのは、
スペクトル
スケール
積分曲線
テキスト
パラメータ
:なし
ピークの周波数
:最上部に PPM
積分値
:横に
です。
はめ込み図(インセット)の作成と書き出し
はめ込み図の作成には左に示した VNMRJ 左側のフ
レームボードを使います。まずはめ込み図の壁紙と
なるスペクトルをいつもの要領で作ります。フレー
ム内の
をクリックし壁紙内のはめ込み図を作
りたい場所を左マウスでドラッグして囲います。赤
線で囲われた部分がはめ込み図となります。境界部
で拡大縮小、その近辺で*マークが出れば移動が出
来ます。それらの機能を使って作ったはめ込み図が
次図で、その拡大がその左上です。
四隅がかぎカッコで囲われていることは、現在このインセットの表示をいつもの方法で変
更できることを示しています。例えば縦軸の増減、位置、積分の表示などです。
他の部分のはめ込み図をもう一つ作るに
は壁紙部分で左マウスをダブルクリック
し、最初の操作を繰り返します。これを繰
り返し4個のはめ込み図を作ったのが下
図です。
これをプリンターに出力するにはメインメニューのファイルから、
ファイル→スクリーンをプロット
とします。そのとき書き出される縦横の比率は画面のものと同じになりますので、A4 紙に
書き出すときは比を O:O にしておかないと紙面全体に書き出されません。はめ込み図を全
て消去するには、フレームボード内の全てを消去を、特定のはめ込み図を消去するにはそ
の内部で左マウスをダブルクリックした後でインセットを消去をクリックします。
データの保存と呼出し
データの保存と呼び出しのアイコンが画面左上部のシステムツールバーにあります。左か
ら二番目がデータの呼び出し、三番目が保存です。
その他メインメニューから呼び出せます。やはり上から二番目が呼び出しで三番目が保存
です。どちらかの方法で保存を開くと、右のような画面が現れます。データをほ
左の保存の右部分を左クリックすると下に示すメニューが現れ、ディレクトリー構造を示
している。右マウスボタンをドラッグしてその場所で放すとそのディレクトリーに移動し
ます。
右上部の 5 個のアイコンの左端をクリックすると、一段上のディレクトリーに移動します。
下のディレクトリーに移動するには、下の部分のディレクトリー名でダブルクリックをす
ると移動します。ホームディレクトリーに戻るのは、右上 5 個のアイコンで左から二番目
を、新しいディレクトリーを作るには左から 3 番目をクリックします。
保存するディレクトリーが決まったら、ファイル名をその右側に書き込み“保存”をクリ
ックします。現在の作業領域(exp 番号)の FID が自動的にファイル名.fid で保存されま
す。
データの呼び出しに関しては保存の場合とまったく同じルールでディレクトリー移動、
作成が出来ます。最後に呼び出すファイルを決めて“呼出し”をクリックします。このと
きデータは、現在の作業領域(exp 番号)に呼び出されます。
NMR ロックとグラディエントシム
測定手順を示した説明では、説明を省いた NMR ロックとグラディエントシムに関
して解説します。この項は NMR を管理する人が理解してください。正しい設定がしてあれ
ば一般ユーザーが理解する必要はありません。
NMR 測定では特別の場合を除いて、使用する重水素溶媒のシグナルを使って
NMR ロックをします。これは磁場を安定化するためと分解能の良し悪しをモニターします。
以前の装置では重水素シグナルを画面で観測し、磁場を変化させて中心に移動させロック
をかけるという操作が必要でした。しかし最近の装置では直接重水素シグナルを観測しそ
の中心位置からのずれから、自動的に磁場を変化させてロックをかけます。以前の様な煩
雑な操作は一切必要ありません。そのためには使用中のプローブファイルに正しいパラメ
ータを設定しておく必要用があります。それについて以下にその手順も含めて説明します。
プローブファイル
画面下部のハードウエアバー内の
プローブをクリックすると新しいウインド
ウが現れます。
プローブ選択のプルダウンメニューから使用するプローブを選択します。その後編集をク
リックすると右のような画面となります。ここでもう一度隣の編集をクリックすると、別
の画面が現れます。上段のタブで右から二番目の ”lk” を選びます。ロックシグナルを自動
で探して正しく設定するには、上から三つのパラメータと六番目の
lkhzdac が重要です。
重要なパラメータを求める
重水溶媒のサンプルをプローブに挿入します。スタートタブの基本設定ページか
ら溶媒を D2O に設定し、メインメニューの実験でプロトンを選びます。ロックページに移
りパネル中央上部のロックスキャンをクリックします。下図左のようなロックシグナルが
出てきます。図に示す程度にロックのゲインとパワーを設定します。Z0 のスライドバーを
ドラッグするか、数字の部分を左右のマウスをクリックすることで磁場を変化させ右図に
示すようになるまで調整します。このときの Z0 の値が lkz0 です。メモしておきましょ
う。
もう一度ロックスキャンをクリックしてこの画面から抜け出します。
メインメニューで、
ツール
→
標準校正実験
或いはコマンドラインから
→
グラディエントシムの設定
gmapsys と入力します。その後コマンドラインから以下のよ
うに入力してください。
seqfil=’s2pul’ at=2 sb=’n’ lb=1 ss=0 nt=1 d3=0 ph fn=’n’
最初のシーケンス名以外は順
不動です。そこで重水素シグナ
ルを観測してください。重水の
SN の良いシグナルが現れます
ので位相をあわせシグナルを
拡大します。カーソル線をシグ
ナルにあわせ
nl movetof tof?
すると下部のメッセージウィンドウに数字が出てきます。これがプローブファイル内 lk の
lktof になります。メモしておきます。実はこの値はシステムのプロトン周波数が同じであ
ればほとんど変わりません。以下に典型的な値を示します。
400MHz
-21
500MHz
-24
600MHz
-30
この値から大きくずれている場合何か間違いがあります。
lkhxdac を求める。
スタートタグのロックページを選択します。上記のパラメータで Z0 を
–20,000
+20,000 と
に合わせてスペクトルをそれぞれ測定します。最初のスペクトルで位相を合わせ
カーソルをシグナル位置に設定して、
nl
r1=cr
二番目のスペクトも同様に位相を合わせカーソルをシグナル位置に設定し
r3=r1- r2 r4=r3/40000
nl
r2=cr
r4?
下のメッセージウインドウに値が出ます。Lkhzdac の値は通常マイナスです。値が正であ
れば負に直して入力してください。 全ての装置でこの値の絶対値は
0.05 に近い値です。
以上の結果をプローブファイルに書き込みます。この値はプローブの違いで変わ
りませんので、一つごとに測定する必要はありません。lkZ0 は磁場がドリフトすれば書き
換えますが、およその値で十分でそんなに気にしなくてかまいません。
グラディエントシムのマップを作る
重水溶媒のサンプルを挿入する。スタートタブの基本設定ページで溶媒を重水に
設定した後でプロトンのパラメータを呼び出します。その後右上部にある Z0 検索
をクリ
ックして重水のシグナルが中央に来るよう設定します。その後メインメニューから、
ツール
→
標準校正実験
→
グラディエントシムの設定
パラメータを呼び出ます。すると以下に示すパネルが現れます。
左側の選択パネルで
PFG H1
をクリックして重水素シグナルによるグラディエントシ
ムを選択する。グラディエント強度は約2ガウス/cm程度が適当です。
gzlvl=2/gcal
パネル上部の大きなボタンの左の試し測定をクリックする。すると以下のような図が出て
くる。設定したグラディエント強度に
適切なスペクトル幅を決めます。この例
では80%小さくするのが適当でしょう。
sw=sw/1.8 fn=512 np=256
もう一度試し測定をします。重水のよう
に感度の良い溶媒では設定する必要あり
ませんが、クロロホルムでは感度がわる
いので時間軸に関数をかけます。
wti
と入力すると右のような図画現
れます。図に示すようなサインベル関数
が適当です。左から 4 番目のアイコンを
クリックして、数の中段内で左マウスを
クリックし図のようにあわせます。
次に適切なパルス幅を決めます。この
操作はすでに測定済みで既知であればそ
の次の段階に進みます。アクションバー
内の
パラメータアレー
をクリックす
ると次のようなウィンドウが現れます。
そこに適当なパラメータを入力して 終
了
をクリックしウィンドウを閉じます。
d3=0 ga
測定を開始します。測
定が終了すると画面左側の
トル
複数スペク
を選び横方向のアイコンをクリッ
クすると右下のようなスペクトル列が出
ます。
このスペクトルから 6 番目が飽和しないで最大シグナルですから、パルス幅を 300 に決め
ます。この値は 200 マイクロから 400 マイクロ程度が最適です。これから外れていれば tpwr
を変えてください。d3 パラメータを元に戻します。
d3=0,0.25
ga
pw=300
もう一度試し測定をします。
測定が終了したら
ds(2) f full vs=vs*5
右のようなス
ペクトルとなります。しきい値をアイコ
ンから設定しベースラインから20%程
度にします。スペクトルと横線の接点を
二つのカーソルで囲います。パネルの中
央部にある
窓の広さをカーソルで決め
るをクリックします。
これにより窓に広さが設定されました。
それではいよいよマップの作成です。一
番下の
成
このパラメータでマップを作
をクリックします。マップ名を聞い
てきますので名前を入力します。Z1か
ら Z6 までマップを作成すると、16 個の
スペクトルを測定し自動的に右のような
画面が出ます。マップが正しく出来てい
るか確かめます。パネル右側中央の
ップを表示
マ
をクリックします。右のよ
うな図が表示されます。もし両端でノイ
ズが大きくなるようであれば、窓の広さ
を少し狭めてもう一度同じ作業をしてく
ださい。
感度が悪いようであったら、d3 パラメータを確認してください。また XY 平面の磁場均一
度が悪い時も感度が低下します。マニャルで XY 軸のシム調整をしてからマップを作成し
てください。
グラディエントシムを実行します。パネルから
ックします。
グラディエント自動シムを実行
をクリ
VnmrJ 2.2D
実験手順書 – 2
2D – NMR
バリアン テクノロジーズ ジャパン リミテッド
2次元測定
2次元測定は通常以下の手順で行います。
③ もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
③ 2次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
④ 必要に応じてパラメーターを変更
⑤ 測定
⑥ データ処理
⑦ 書き出し
⑧ データ保存
パラメータータブの‘データ処理‘をクリックし、パラメーターページの‘テキストの出
力‘を選択した後に man('シーケンス名') とコマンド入力しますと、そのシーケンスの
マニュアルを表示することができます。
printon man('シーケンス名') printoff で印刷することができます。
例えば COSY は通常の COSY、G-COSY はグラジエントを使用した COSY です。
通常グラジエントを使用することができる場合は使用したほうが、短時間できれいなス
ペクトルを得ることができます。また、位相回しが不要になるために積算 1 回での測定
も可能になります。
2 次元測定は大きく分けて同種核間相関と異種核間相関に分けられます。同種核間
相関測定では、F2 軸側の観測範囲の設定がそのまま F1 軸側の設定に使用されます。
異種核間相関測定では、F1 軸側の範囲は別途設定が必要になります。
また、測定モードは絶対値モードと位相検出モードに分けられます。位相検出モー
ドでは位相を変化させて 2 回測定するため、積算時間が長くなります。データ処理の
際に位相調整が必要になりますが、シグナルの分離は良くなります。
1.G-COSY(同種核間相関測定、絶対値モード)
JHH 相関をみるための測定です。
① もとになる1次元スペクトルの測定
通常の手順で1次元スペクトル H1-NMR を測定します。ここでは実験領域 1 で測
定するとします。書き出しにはりつけるために残しておきます。
もとになる 1 次元スペクトルのコピー
実験領域 1 で測定した H1-NMR の FID を他の実験領域にコピーします。
メニューバーの’編集’から’FID のコピー’を選択します。
コピー先の実験領域(ここでは実験領域 2 )を入力し、実行、移動を順にクリックし
ますと実験領域 1 の FID が実験領域2にコピーされ、実験領域 2 に移動します。
終了をクリックした後、フーリエ変換を実行します。
②観測幅の設定
すべてのシグナルが含まれるように観測幅を設定します。
パラメータータブの‘データ取り込み’からパラメーターページの‘基本パラメーター
(H1)’をクリックしてスペクトル幅を設定します。
③2次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの‘実験’から‘Homonuclear 2D’ → ‘G-COSY’ を選択します。
マクロが働いて G-COSY のシーケンスとパラメーターがセットされます。
④パラメーターの変更
必要に応じてパラメーターを変更します。パラメータータブの‘データ取込’をクリック
し、パラメーターページの‘基本パラメータ’を選択します。
積算回数 : 4 の倍数(1 回でも測定できます)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
必要に応じてパラメーターページの‘データ取込’を選択し、パラメーターを変更しま
す。
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
アクションバーから‘パルス系列‘をクリックしますとパルスシーケンスが表示されます
‘測定時間表示’をクリックして測定時間を確認します
⑤測定
チューニングが調整されていることを確認してください。
アクションバーの‘データ取込’をクリックしますと測定が開始されます。
⑥データ処理
G-COSY は絶対値モードの測定です。パラメータータブの‘データ取り込み’をクリッ
クし、パラメーターページの‘データ取込‘を選択しますと確認することができます。
(T1 軸データ取り込み方法)
パラメータータブの‘データ処理’をクリックし、パラメーターページの‘表示’を選択し
ます。G-COSY は絶対値モードの測定ですので、表示モードは F1、F2 とも‘絶対値’
を選択します。FT データ処理モードは‘オフ’を選択します。
パラメーターページの‘基本’を選択します。
(ⅰ) リニアプレディクション
‘自動設定(F1)’をクリックします
(ⅱ) ウィンドウ関数
G-COSY は絶対値モードの測定ですので、通常は‘sinebell’ を選択します。
(ⅲ) FT データ数
データ点数に応じて適当に選択します。数値はフーリエ変換後の値です。
アクションバーから‘自動データ処理’をクリックしますと、フーリエ変換等データ処理
が実行されます。
2 次元測定の後処理はおもにパラメータータブの‘データ処理’からパラメーターペ
ージの‘基本’の画面を選択して行います。また、画面右上の等高線マークをクリックし
ますと操作内容が表示されますので、適宜選択して実行します。当該ツールバーをク
リックして行うこともできます。
等高線マーク
ツールバー
2 次元スペクトルを表示させるときは、画面右上の等高線マークをクリックし、‘スペクト
ルを表示’から‘Color Map’を選択します。アクションバーの‘スペクトルを表示’をクリッ
ク、パラメーターページ(‘データ処理’、‘基本’)から‘二次元を表示(dconi)’をクリック
しても行うことができます。
表示範囲の変更
2 次元スペクトル上において、
拡大する範囲の左下にカーソルを合わせて左クリックします
拡大する範囲の右上にカーソルを合わせて右クリックします
画面右上の等高線マークから‘拡大’を選択しますと、拡大表示されます。
‘全領域’を選択しますと、観測範囲の全領域が表示されます。
画面表示範囲の指定
表示範囲をコマンド入力により指定することができます。
F 2軸側 : sp = 始点 wp = 幅
例 : sp=-0.5p wp=11p (-0.5ppm から幅 11ppm)
F 1軸側 : sp1 = 始点 wp1 = 幅
例 : sp1 = -0.5p wp1 = 11p (-0.5ppm から幅 11ppm)
p をつけないと Hz 単位になります
コマンド入力後に 2 次元スペクトルの再表示が必要です。前述のように画面右上の
等高線マークをクリックし、‘スペクトルを表示’から‘Color Map’を選択する、などの操
作を行ってください。
表示する高さの変更
スペクトルの右側のスケールを中クリックしますとしきい値(Threshold)が変更されま
す。 絶対値モードですので、スペクトルの右側のスケールは正のみです。
画面右上の等高線マークから‘スケールを 20%増加’、‘スケールを 20%減少’をクリッ
クしますと表示スケールを変化しますので、微調整を行うことができます
スペクトル内部を中クリックすると表示スケールが変化します。その位置がスケール
の一番下の色(表示されている色、上の例では水色)になります。
リファレンス補正
自動で行うときは、‘F1 軸を溶媒ピークで’、‘F2 軸を溶媒ピークで’をクリックします
‘二次元を表示(dconi)’をクリックするなどで 2 次元スペクトルを表示しなおしますと、補
正の結果が反映されます。
マニュアルで行うときは、画面上の 2 次元スペクトルから基準シグナルを選択します。
拡大表示してクリックし、シグナル上に十字カーソルが表示されるようにします。
‘F1 軸カーソル位置を’の下、‘PPM’を選択して F1 軸側の化学シフト値を入力します
‘F2 軸カーソル位置を’の下、‘PPM’を選択して F2 軸側の化学シフト値を入力します
‘二次元を表示(dconi)’をクリックするなどで 2 次元スペクトルを表示しなおしますと、補
正の結果が反映されます。
画面表示の大きさの指定
画面表示の大きさをコマンド入力により指定することができます。
プロッターに書き出されたときの大きさ(単位 mm)で表示されます。
wc = 幅 wc2 = 高さ
例 : wc = 120 wc2 = 150
コマンド入力後に 2 次元スペクトルの再表示が必要です。前述のように画面右上の
等高線マークをクリックし、‘スペクトルを表示’から‘Color Map’を選択する、などの操
作を行ってください。
⑦ 書き出し
測定中の実験領域から書き出しを実行しますと、測定が中断してそれまでに測定し
たデータが消えることがあります。測定中のデータを書き出したいときは、FID を他の実
験領域にコピーした後、コピー先に移動してから書き出しを行います。
画面の表示内容が書き出されます。書き出しを実行する前に範囲等調整を行って
おきます。
定型書き出し
パラメータータブの‘データ処理’からパラメーターページの‘プロット’の画面を選択
し、プリントの出力がプリンターになっていることを確認してください。
2 次元スペクトル、1 次元スペクトル、パラメーターが書き出されます。
plcosy(等高線の本数,等高線の間隔(等比級数),1次元スペクトルの実験領域番号)
例:plcosy(10,1.4,1)
自由書き出し
描画コマンドを組み合わせて自由に書き出すことができます
例 : 実験領域 1 に H1-NMR、実験領域 3 に G-COSY がある場合
wc=120 wc2=120
2次元スペクトルのサイズを設定します
pcon(10,1.4)
2次元スペクトルを書きます
等高線の本数と間隔を指定します
ppa (または pltext、 pap ) パラメーター、コメントなど(必要であれば入力します)
plgrid
グリッド(必要であれば入力します)
s8 jexp1 md(3,1) r8 vp=-5 vsadj(30) ds
md(2次元実験領域,1次元実験領域)
vsadj(書き出し時の1次元スペクトルの高さ(mm 単位))
pl('side')
左側に1次元スペクトルを書きます
sp=sp1 wp=wp1 pl(‘top’)
上部に1次元スペクトルを書きます
jexp3 dconi
page
書きだしの実行
⑧データ保存
データの保存は1次元の場合と同様です
2.G-HSQC(異種核間相関測定、位相検出モード)
CH の相関をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
1.G-COSY のときと同様に行います。G-HSQC の観測核種は H1 ですので、
H1-NMR で行います。C13-NMR スペクトルは F1 軸側の設定を行うときと書き出しの
際に使用します。C13-NMR を測定していなくても G-HSQC を測定することはできま
す。
例 : 実験領域 1 で H1-NMR を測定、後処理を実行
実験領域 2 で C13-NMR を測定、後処理を実行
実験領域 1 にある H1-NMR の FID を実験領域 3 にコピーし、
実験領域 3 に移動してフーリエ変換
③2次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → G-HSQC を選択しま
すと、マクロが働いて G-HSQC のシーケンスとパラメーターがセットされます。
④パラメーターの変更
必要に応じてパラメーターを変更します。パラメータータブの‘データ取り込み’をクリ
ックし、パラメーターページの‘基本パラメータ’を選択します。
積算回数 : 4 の倍数(1 回でも測定できます)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
C-H 多重度編集 : 通常 ‘はい’ を選択します
CH3、CH が正、CH2 は負のシグナルとして観測されます
必要に応じてパラメーターページのデータ取り込みを選択し、変更します。
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
アクションバーから‘パルス系列‘をクリックしますとパルスシーケンスが表示されます
‘測定時間表示’をクリックして測定時間を確認します
⑤測定
チューニングが調整されていることを確認してください。
アクションバーのデータ取込をクリックしますと測定が開始されます。
⑥データ処理
G-HSQC は位相検出モードの測定です。パラメータータブの‘データ取り込み’をクリ
ックし、パラメーターページの‘データ取り込み’を選択しますと確認することができます。
(T1 軸データ取り込み方法)
パラメータータブの‘データ処理’をクリックし、パラメーターページの‘表示’を選択し
ます。G-HSQC は位相検出モードの測定ですので、表示モードは F1、F2 とも‘位相’
を選択します。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。
パラメーターページの‘基本’を選択します
(ⅰ)リニアプレディクション
‘自動設定(F1)’をクリックします
(ⅱ)ウィンドウ関数
G-HSQC は位相検出モードの測定ですので、通常‘gaussian’ を選択します
(ⅲ)FT データ数
データ点数に応じて適当に選択します。数値はフーリエ変換後の値です
アクションバーから自動データ処理をクリックしますと、フーリエ変換等データ処理が
実行されます。
後処理は G-COSY とほぼ同様です。おもにパラメータータブの‘データ処理’からパ
ラメーターページの‘基本’の画面を選択して行います。また、画面右上の等高線マー
クをクリックしますと操作内容が表示されますので、適宜選択して実行します。当該ツ
ールバーをクリックして行うこともできます。
等高線マーク
ツールバー
2 次元スペクトルを表示させるときは、画面右上の等高線マークをクリックし、‘スペクト
ルを表示’から‘Color Map’を選択します。アクションバーの‘スペクトルを表示’をクリッ
ク、パラメーターページ(‘データ処理’、‘基本’)から‘二次元を表示(dconi)’をクリック
しても行うことができます。
表示範囲の変更
2 次元スペクトル上において、
拡大する範囲の左下にカーソルを合わせて左クリックします
拡大する範囲の右上にカーソルを合わせて右クリックします
画面右上の等高線マークから‘拡大’を選択しますと、拡大表示されます。
‘全領域’を選択しますと、観測範囲の全領域が表示されます。
画面表示範囲の指定
表示範囲をコマンド入力により指定することができます。
F 2軸側 : sp = 始点 wp = 幅
例 : sp = -0.5p wp = 11p (-0.5ppm から幅 11ppm)
F 1軸側 : sp1 = 始点 wp1 = 幅
例 : sp1 = -0.5d wp1 = 11d (-0.5ppm から幅 11ppm)
異種核間相関スペクトルのときは、F1 軸側は d を使用します。
p、d をつけませんと Hz 単位になります
コマンド入力後に 2 次元スペクトルの再表示が必要です。前述のように画面右上の
等高線マークをクリックし、‘スペクトルを表示’から‘Color Map’を選択する、などの操
作を行ってください。
表示する高さの変更
スペクトルの右側のスケールを中クリックしますとしきい値(Threshold)が変更されま
す。 位相検出モードですので、スペクトル右側のスケールは正負です。
画面右上の等高線マークから‘スケールを 20%増加’、‘スケールを 20%減少’をクリッ
クしますと表示スケールを変化しますので、微調整を行うことができます
スペクトル内部を中クリックすると表示スケールが変化します。その位置がスケール
の一番下の色(表示されている色、上の例では赤と青)になります。
画面表示の大きさの指定
画面表示の大きさをコマンド入力により指定することができます。
プロッターに書き出されたときの大きさ(単位 mm)で表示されます。
wc = 幅 wc2 = 高さ
例 : wc = 120 wc2 = 150
コマンド入力後に 2 次元スペクトルの再表示が必要です。前述のように画面右上の
等高線マークをクリックし、‘スペクトルを表示’から‘Color Map’を選択する、などの操
作を行ってください。
リファレンス補正
自動で行うときは、‘F1 軸を溶媒ピークで’、‘F2 軸を溶媒ピークで’をクリックします
‘二次元を表示(dconi)’をクリックするなどで 2 次元スペクトルを表示しなおしますと、
補正の結果が反映されます。
マニュアルで行うときは、画面上の 2 次元スペクトルから基準シグナルを選択します。
拡大表示してクリックし、シグナル上に十字カーソルが表示されるようにします。
‘F1 軸カーソル位置を’の下、‘PPM’を選択して F1 軸側の化学シフト値を入力します
‘F2 軸カーソル位置を’の下、‘PPM’を選択して F2 軸側の化学シフト値を入力します
‘二次元を表示(dconi)’をクリックするなどで 2 次元スペクトルを表示しなおしますと、
補正の結果が反映されます。
位相調整
G-HSQC は位相検出モードです。スペクトルの位相がずれているときには調整を行
う必要があります。
位相調整は F1 軸、F2 軸両方で実行します。横軸側の位相調整を実行することがで
きます。
(1)画面右上の等高線マークから‘スライス’を選択します。
(2) 2 次元スペクトル上を左クリックしますと十字カーソルが表示され、その位置のトレー
ススペクトルが画面上部に表示されます。
(3)カーソルを、高磁場側にシグナルがあらわれる位置に移動させます。
(4)パラメーターページ(‘データ処理’、‘基本’)から‘1 次元スペクトル表示#’をクリッ
クします。スライススペクトルが表示されます。
(5)画面右上の 1 次元スペクトルマークから‘位相調整’を選択し、1 次元スペクトルと
同様に位相調整を行います。このとき位相調整を行う位置を、途中で変更しないで行
います。すなわち 0 次位相補正のみを行います。終了後、パラメーターページ(‘デー
タ処理’、‘基本’)から‘二次元を表示(dconi)’をクリックしますと 2 次元スペクトル表示
にもどります。
(6) 画面右上の等高線マークから‘スライス’を選択します。
(7) 2 次元スペクトル上を左クリックしますと十字カーソルが表示され、その位置のトレー
ススペクトルが画面上部に表示されます。
(8) カーソルを、低磁場側にシグナルがあらわれる位置に移動させます。
(9)パラメーターページ(‘データ処理’、‘基本’)から‘1 次元スペクトル表示#’をクリッ
クします。スライススペクトルが表示されます。
(10)画面右上の 1 次元スペクトルマークから‘位相調整’を選択し、1 次元スペクトルと
同様に位相調整を行います。先に上記 5 で位相を合わせた高磁場側のシグナルの
位置で一度クリックのみ行います。ここでは位相は変更しません。
カーソルを低磁場側のシグナル上に移動させて再度クリックし、位相調整を行いま
す。すなわち、1 次位相補正のみを行います。終了後、パラメーターページ(‘データ
処理’、‘基本’)から‘二次元を表示(dconi)’をクリックしますと 2 次元スペクトル表示に
もどります。
(11) 画面右上の等高線マークから‘縦横軸を変更’を選択します。F1 軸と F2 軸が入
れ替わります。以下同様にもう一方の軸の位相調整を行います。
バリアンでは通常縦方向を F2 軸側、横方向を F1 軸側として 2 次元スペクトルを表示、
印刷等を行います。位相あわせ終了後必要に応じて再度縦横軸の変更を行ってくだ
さい。
⑦ 書き出し
測定中の実験領域から書き出しを実行しますと、測定が中断してそれまでに測定し
たデータが消えることがあります。測定中のデータを書き出したいときは、FID を他の実
験領域にコピーした後、コピー先に移動してから書き出しを行います。
画面の表示内容が書き出されます。書き出しを実行する前に範囲等調整を行って
おきます。
定型書き出し
パラメータータブの‘データ処理’からパラメーターページの‘プロット’の画面を選択
し、プリントの出力がプリンターになっていることを確認してください。
2 次元スペクトル、1 次元スペクトル、パラメーターが書き出されます。
plhxcor(等高線の本数,等高線の間隔(等比級数),H1 スペクトル実験領域番号,C13 ス
ペクトル実験領域番号)
例 : plhxcor(10,1.4,1,2)
自由書き出し
描画コマンドを組み合わせて自由に書き出すことができます
例:実験領域1に H1-NMR、2 に C13-NMR、実験領域 3 に G-HSQC がある場合
wc=180 wc2=120
2次元スペクトルのサイズを設定します
pcon(10,1.4)
2次元スペクトルを書きます
等高線の本数と間隔を指定します
ppa (または pltext、 pap ) パラメーター、コメントなど(必要であれば入力します)
plgrid
グリッド(必要であれば入力します)
s8
md(3,1)
jexp1
r8
pl('side')
jexp3
s8 md(3,2)
vp=-5 vsadj(30) ds
md(2次元実験領域,1次元実験領域)
vsadj(書き出し時の1次元スペクトルの高さ(mm 単位))
左側に H1-NMR(F2 軸側1次元スペクトル)を書きます
jexp2
r8
vp=-5 sp=sp1 wp=wp1 vsadj(30) ds
F1 軸側のスペクトルを書くときは sp=sp1 wp=wp1 を
入力します
上部に C13-NMR(F1 軸側1次元スペクトル)を書きます
pl('top')
jexp3
page
書きだしの実行
⑧データ保存
データの保存は1次元の場合と同様です
3.COSY(同種核間相関測定、絶対値モード)
JHH 相関をみるための測定です。
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様です
③ 2次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → Cosy を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-COSY と同様です
4.G-DQCOSY(同種核間相関測定、位相検出モード)
JHH 相関をみるための測定です。対角ピークが小さくなるため、対角線付近のシ
グナルがみやすくなります
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → G-DQCOSY を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数 (1 回でも測定できます)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-DQCOSY は位相検出モードの測定です。表示モードは F1、F2 とも‘位相’を選
択します。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。必要に応じて位相調整を
行います。(G-HSQC と同様です)
他は G-COSY と同様です
5.Dqcosy(同種核間相関測定、位相検出モード)
JHH 相関をみるための測定です。対角ピークが小さくなるため、対角線付近のシ
グナルがみやすくなります
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → Dqcosy を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
Dqcosy は位相検出モードの測定です。表示モードは F1、F2 とも‘位相’を選択しま
す。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。必要に応じて位相調整を行いま
す。(G-HSQC と同様です)
他は G-COSY と同様です
6. Noesy (同種核間相関測定、位相検出モード)
空間的距離をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → Noesy を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 8 の倍数 (できれば 32 の倍数)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
混合時間 : 通常低分子のときは 500 ms ~ 1000 ms 、
高分子のときは 100 ms ~ 300 ms
サンプルにより適当な値を入力します
待ち時間 : T1 の 1~3 倍の値を入力します
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
Noesy は位相検出モードの測定です。表示モードは F1、F2 とも‘位相’を選択しま
す。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。必要に応じて位相調整を行いま
す。(G-HSQC と同様です)
他は G-COSY と同様です
7. Roesy(同種核間相関測定、位相検出モード)
空間的距離をみるための測定です。NOESY が観測されない中程度の分子量の
試料を測定するときなどに用います
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → Roesy を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数 (できれば 8 の倍数)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
混合時間 : 通常 20 ms ~ 200 ms
サンプルにより適当な値を入力します
待ち時間 : T1 の 1~3 倍の値を入力します
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
Roesy は位相検出モードの測定です。表示モードは F1、F2 とも‘位相’を選択しま
す。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。必要に応じて位相調整を行いま
す。G-HSQC の項をご参照下さい。
他は G-COSY と同様です
8. Tocsy(同種核間相関測定、位相検出モード)
プロトンのカップリングネットワークを観測するための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-COSY と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から Homonuclear 2D → Tocsy を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
混合時間 : 通常 30 ms ~ 80 ms
サンプルにより適当な値を入力します
長いほどロングレンジが観測されます
待ち時間 : T1 の 1~3 倍の値を入力します
混合シーケンス : 通常‘XY(MLEV17)’を選択します
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
Toesy は位相検出モードの測定です。表示モードは F1、F2 とも’位相’を選択しま
す。FT データ処理モードは‘全領域’を選択します。必要に応じて位相調整を行いま
す。(G-HSQC と同様です)
他は G-COSY と同様です
9. Hsqc(異種核間相関測定、位相検出モード)
CH の相関をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-HSQC と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → Hsqc を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
C-H 多重度編集 : 通常 ‘はい’ を選択します。CH3、CH が正、CH2 は負のシグ
ナルとして観測されます
必要に応じてパラメーターページのデータ取り込みを選択し、変更します
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-HSQC と同様です
10.G-HMQC(異種核間相関測定、位相検出モード)
CH の相関をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-HSQC と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → G-HMQC を選択し
ます
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数 (1 回でも測定できます)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-HSQC と同様です
11.Hmqc(異種核間相関測定、位相検出モード)
CH の相関をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-HSQC と同様に行います
③ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → Hmqc を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-HSQC と同様です
12.G-HMBC(異種核間相関測定、絶対値モード)
CH ロングレンジの相関をみるための測定です
① もとになる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-HSQC と同様に行います
④ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → G-HMBC を選択し
ます
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数 (1 回でも測定できます)
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
カップリング定数 : 通常 8 Hz です
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-HMBC は絶対値モードの測定ですので、表示モードは F1、F2 とも‘絶対値’を選
択します。FT データ処理モードは‘オフ’を選択します。位相調整は行いません。
他は G-HSQC と同様です
13. HMBC(異種核間相関測定、位相検出モード)
CH ロングレンジの相関をみるための測定です
① もととなる1次元スペクトルの測定
② 観測幅の設定
G-HSQC と同様に行います
⑤ 2 次元測定のシーケンスとパラメーターの呼び出し
メニューバーの実験から 1H Detected Proton-Carbon 2D → Hmbc を選択します
④パラメーターを変更
必要に応じてパラメーターを変更します。
積算回数 : 4 の倍数
サンプル濃度に応じて変更します
t1 軸ポイント数 : 通常 128~512
分解能が必要なときはふやします
C13 のスペクトル幅 : C13 (F1 軸側)のデカップル範囲を設定します
カップリング定数 : 通常 8 Hz 程度です
待ち時間(d1) : T1 の 1~3 倍の値を入力します
通常は変更の必要はありません
⑤測定
⑥データ処理
⑦書き出し
⑧データ保存
G-HSQC と同様です
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