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4. 先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の不足に関する今後の見通し

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4. 先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の不足に関する今後の見通し
4. 先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の不足に関する今後の見通し
本節では、前節までの調査結果に基づいて、先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の
現在の人材数と今後の人材不足規模の見通しについて推計を行った結果を示す。
4.1
現在の人材数に関する推計
(1) 先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材に関する推計方法と推計結果
先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材について、現在の国内における総人材数を推計
した結果を次頁の表 4-19 に示す。
なお、今回用いた推計方法は、以下のとおりである。
本章の第1節に示した WEB アンケート調査において、回答者に対して、ビッグデー
タ、IoT、人工知能等の先端 IT 技術16に関する自社内の「専任組織」の有無を尋ね、「専
任組織」がある場合は、その専任組織に所属する人員の規模を、
「専任組織」がない場合
は、自社内で先端 IT 技術に携わる人材の規模を尋ねた。推計の際は、各企業の従業員規
模に対するこれらの先端 IT 人材の規模の割合を算出し、その割合を表 4-19 内の従業員
規模別の「IT 人材数統計値17」に乗じることで、先端 IT 人材の人材数を算出した。
なお、ユーザー企業及びセキュリティベンダーの情報セキュリティ人材については、
前節(p.206∼p.210)にて推計を行っているため、表 4-19 には、IT ベンダーと WEB 企
業(本節ではこの2つをあわせて「IT 企業」という。)の情報セキュリティ人材を対象
とする推計結果を示した。
表 4-20 は、表 4-19 の推計結果から合計欄を抜き出すとともに、前節 p.210 に示した
セキュリティベンダーの人材数の推計結果(約 9,360 人)と p.206 に示したユーザー企
業の情報セキュリティ人材の推計結果(約 238,680 人)を加えたものである18。
表 4-20 の結果によれば、先端 IT 技術に携わる人材は、現在国内に約 9.7 万人(=約
10 万人程度)、情報セキュリティを担う人材は、現在国内に約 28.1 万人(=約 30 万人程
度)存在するものと考えられる。
なお、「IT 人材」として、IT サービスを提供する人材を指す場合は、IT 企業のほか、
ユーザー企業の情報システム部門を含める場合も多いため、表 4-20 には、IT 企業の人
材数合計とユーザー企業の人材数合計のほか、IT 企業に加えてユーザー企業の情報シス
テム部門を含めた人材数の合計も示した(「IT 企業+ユーザー企業情シス部門合計②」)。
16
今回の推計では、先端 IT 人材として、今後特にその利活用が重要となると考えられる、ビッグデータ、IoT、人
工知能に携わる人材についての回答結果を基に推計を行った。
17
企業別の「IT 人材統計量」として、IT ベンダー及び WEB 企業は「平成 26 年特定サービス産業実態調査(確報)」
の従業者数を、ユーザー企業の情報システム部門は「IT 人材白書 2015」の「IT 利用側」の人材数の推計値を、
ユーザー企業の事業部門は「平成 26 年経済センサス(確報)」の従業者数(常用雇用者数)を利用している。な
お、ユーザー企業の事業部門の「IT 人材数推計値」の算出方法については、p.210「(補足)ユーザー企業の事業
部門の人材の推計方法」を参照。
18
ユーザー企業の情報セキュリティ人材(約 238,680 人)のうち、情報システム部門に所属する人材(45,500 人)
とそれ以外の事業部門に所属する人材の数(238,680 人−45,500 人=193,180 人)については、ここで改めて推計
を実施し、算出した。
212
表 4-19
先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の推計結果(企業別詳細)
【先端IT人材】
■ 現在の人材数に関する推計結果
<専任組織所属>
-
0.40%
770
4.95%
9,620
10,390
-
8,670
-
0.38%
870
2.71%
6,190
7,060
-
100名以上300名未満
194,446
0.24%
450
2.23%
4,340
4,790
-
0.27%
530
1.70%
3,300
3,830
-
8,440
9,640
-
1.87%
ィ
ィ
1,200
(
)
(
)
(
)
0.28%
2,720
3 .0 7 %
29,900
32,620
0.35%
3,370
2.83%
27,550
30,920
13,940
1.01%
140
7.45%
1,030
1,170
-
0.37%
50
5.06%
700
750
-
30名以上100名未満
9,536
0.15%
10
2.68%
250
260
-
0.19%
10
2.07%
190
200
-
100名以上300名未満
8,171
0.68%
50
2.74%
220
270
-
0.44%
30
5.19%
420
450
-
470
510
-
300名以上1,000名未満
19,400
1,000名以上
(全体)
<IT企業合計> a+ b
0.20%
70
0.53%
550
3.40%
620
-
0.26%
40
0.24%
2.57%
2.31%
3.17%
51,047
0.53%
270
4 .0 2 %
2,050
2,320
4.54%
0.25%
130
3.49%
1,780
1,910
3.74%
1 ,0 25 ,703
0 .2 9%
2,9 90
3 .11%
31,9 50
34 ,9 40
3.41 %
0 .34 %
3 ,500
2.8 6%
2 9,3 30
32,8 30
3 .20 %
4.33%
-
-
-
4.41%
-
-
-
30名未満
-
0.92%
-
30名以上100名未満
-
1.93%
-
100名以上300名未満
300名以上1,000名未満
1,000名以上
(全体)
<IT人材合計> a+b+c
2.32%
3.35%
0.39%
ィ
-
ィ
10,450
ィ
9,600
ュ
、
、
、
2.80%
974,656
30名未満
<d>
ユーザー企業の
IT人材
(事業部門)
850
0.29%
、
、
)
357,523
2.85%
ュ
8,710
7,750
0.28%
人情
材報
のセ
推キ
計
数 リ
合テ
計
ュ
8,210
3.40%
2.58%
人情
材報
のセ
推キ
計
数 リ
テ
ュ
4.22%
920
0.19%
人情
材報
のセ
割キ
合
リ
テ
ュ
500
0.40%
ュ
0.26%
228,255
(全体)
<c>
ユーザー企業の
IT人材
(情シス部門)
合計
194,432
人情
材報
のセ
割キ
合
リ
テ
人情
材報
のセ
推キ
計
数 リ
テ
<専任組織以外>
30名以上100名未満
1,000名以上
<b>
WEB企業
I 合先
端
o
T B I
D T
人
A
材
I
の
割
30名未満
300名以上1,000名未満
推先
計端
数 I
T
人
材
の
推先
計端
数 I
計 T
人
材
の
人情
材報
のセ
割キ
合
リ
テ
(
<a>
ITベンダー
I 合先
端
o
T B I
D T
人
A
材
I
の
割
推先
計端
数 I
T
人
材
の
、
I 合先
o
端
T B I
D T
人
A
材
I
の
割
<専任組織所属>
ィ
統 I
計 T
値人
材
人数
【情報セキュリティ人材】
合計
<専任組織以外>
7.50%
-
-
-
0.48%
-
9.35%
-
-
-
0.48%
-
-
0.51%
650
1.67%
2,120
2,770
-
0.39%
290
1.33%
1,010
1,300
127,288
0.40%
510
3.95%
5,020
5,530
75,936
0.31%
230
3.15%
2,390
2,620
-
73,944
0.28%
200
1.23%
910
1,110
0.27%
200
1.03%
750
950
277,168
0.34%
940
3 .0 0 %
8,320
9,260
3.34%
0.41%
1,140
1.40%
3,880
5,020
1.81%
0 .3 0%
3,9 30
3 .09%
40,2 70
44 ,2 00
3.39 %
0 .36 %
4 ,640
2.5 5%
3 3,2 10
37,8 50
2 .91 %
1 ,3 02 ,871
-
-
ユーザー企業の
情報セキュリティ人材については、
30名未満
368,000
0.66%
2,410
4.24%
15,600
18,010
-
0.25%
14,050
-
30名以上100名未満
215,000
0.60%
1,290
5.67%
12,190
13,480
-
0.22%
前掲の推計結果を参照
480
2.42%
5,190
5,670
-
100名以上300名未満
200,000
0.57%
1,130
3.22%
6,440
7,570
-
0.45%
900
2.86%
5,720
6,620
-
300名以上1,000名未満
197,000
0.26%
500
2.56%
5,050
5,550
-
0.13%
260
2.79%
5,500
5,760
1,000名以上
(全体)
<総合計> a+b+ c+d
表 4-20
-
920
3.57%
13,130
-
-
430,000
0.34%
1,450
1.55%
6,640
8,090
0.15%
620
1.26%
5,420
6,040
1,410,000
0.48%
6,780
3 .2 6 %
45,920
52,700
3.74%
0.23%
3,180
2.48%
34,960
38,140
2.70%
2 ,7 12 ,871
0 .3 9%
1 0,7 10
3 .18%
86,1 90
96 ,9 00
3.57 %
0 .29 %
7 ,820
2.5 1%
6 8,1 70
75,9 90
2 .80 %
先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の推計結果(要約)
■ 先端I T人材推計結果( 要約)
推計
人材数(人)
人材の所属先
合計欄合算対象
①
②
32,620
★
★
<b> WEB企業
2,320
★
★
<c> ユーザー企業の情報システム部門
9,260
<a> ITベンダー
<d> ユーザー企業の事業部門
★
52,700
<a>+<b> IT企業合計①
34,9 40
<a>+<b>+<c> IT企業+情シス部門合計②
44,2 00
<c>+<d> ユーザー企業合計③
61,9 60
<a>+<b>+<c>+<d> 合計④
96,9 00
③
④
★
★
★
★
★
★
①合計
②合計
③合計
④合計
■ 情報セキュ リ テ ィ人材推計結果( 要約)
推計
人材数(人)
人材の所属先
合計欄合算対象
①
②
30,920
★
★
★
<b> WEB企業
1,910
★
★
★
<e> セキュリティベンダー
9,360
★
★
<a> ITベンダー
<c> ユーザー企業の情報システム部門
45,500
<d> ユーザー企業の事業部門
★
193,180
<a>+<b>+<e> IT企業合計①
4 2 ,19 0
<a>+<b>+<e>+<c> IT企業+情シス部門合計②
8 7 ,69 0
<c>+<d> ユーザー企業合計③
2 3 8 ,68 0
<a>+<b>+<e>+<c>+<d> 合計④
2 8 0 ,87 0
213
③
④
★
★
★
★
★
①合計
②合計
③合計
④合計
-
(2) 先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材に関するレベル別人材数推計結果
表 4-21 及び表 4-22 には、表 4-20 の人材数をレベル別に推計した結果を示す。
なお、ここでの「ハイレベル」は企業内における幹部・指導者層、
「ミドルレベル」は
独力での業務遂行が可能な中堅人材層、
「エントリレベル」は業務遂行の際に指導が必要
な若手人材層と定義される。
表 4-21
先端 IT 人材の推計結果(レベル別)19
(人)
<先端IT人材>
レベル別人材数
IT ベンダー
ユーザー企業
W EB企業
ユーザー企業
合計
(情報システム部門)
合計
(ユーザー企業の
推計結果も含む)
(事業部門)
ハイレベル
8,473
603
2,539
11,614
14,449
26,063
ミ ドルレベル
13,426
955
3,768
18,149
21,444
39,593
エ ントリ レベル
10,721
763
2,953
14,437
16,807
31,244
32 ,620
合計
2 ,320
表 4-22
44,200
9 ,260
96,900
5 2,700
情報セキュリティの推計結果(レベル別)20
(人)
<情報セキュリティ人材>
レベル別人材 数
IT ベンダー
セキュ リテ ィ
ベンダー
W EB企業
ユーザー企業
(情報システム部門)
ユーザー企業
合計
(情シス以外の部門)
合計
(ユーザー企業の
推計結果も含む)
ハイレベル
8,031
496
2,431
12,475
23,433
52,965
52,965
ミ ドルレベル
12,726
786
3,852
18,514
35,879
78,605
78,605
エントリレベル
10,162
628
3,076
14,511
28,378
61,610
61,610
合計
3 0 ,92 0
1,910
9,360
45,500
8 7 ,6 9 0
193,180
280,870
表 4-21 を見ると、IT 分野において高い専門性を有する IT ベンダー及び WEB 企業、
ユーザー企業の情報システム部門の先端 IT 人材 約 4.4 万人のうち、ハイレベルに相当
する人材は約 1.2 万人であることが読み取れる。
また、表 4-22 を見ると、同様に IT 分野において高い専門性を有する IT ベンダー及び
WEB 企業、ユーザー企業の情報システム部門の情報セキュリティ人材 約 8.8 万人のう
ち、ハイレベルに相当する人材は約 2.3 万人であることが読み取れる。
19
「IT ベンダー」及び「WEB 企業」のレベル構成比として、
「IT 人材白書 2015」における IT 提供側人材のレベル
構成比を適用した(ハイレベル 26.0%、ミドルレベル 41.2%、エントリレベル 32.9% = 合計 100%)。また、
「ユ
ーザー企業」のレベル構成比については、
「IT 人材白書 2015」における IT 利用側人材のレベル構成比を適用した
(ハイレベル 27.4%、ミドルレベル 40.7%、エントリレベル 31.9% = 合計 100%)。
20
「IT ベンダー」及び「WEB 企業」の人材は、
「情報セキュリティ業務に携わっている人材」であり、情報セキュ
リティ業務を専任とする人材以外も含まれる可能性がある。また、
「セキュリティベンダー」の人材のレベル構成
比については、「IT 人材白書 2015」の IT 提供側人材のレベル構成比を適用し、「ユーザー企業」の人材のレベル
構成比については、「IT 人材白書 2015」の IT 利用側人材のレベル構成比を適用した。
214
(3) 外国籍 IT 人材の推計結果
今回の調査では、国内の外国籍 IT 人材の人材数についても、アンケート結果に基づく
推計を実施した21。その結果を表 4-23 に示す。
表 4-23 の推計結果によれば、IT ベンダー及び WEB 企業(IT 企業)で活躍する外国
籍 IT 人材は約 2.7 万人となっている。IT 企業に加えて、ユーザー企業の情報システム部
門までを含めると、外国籍 IT 人材の規模は約 3.5 万人という結果となっている。
このうち、先端 IT 技術及び情報セキュリティに携わる人材について見ると、IT 企業
では、先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材が 2,010 人、情報セキュリティに携わる外国
籍 IT 人材が 1,060 人となっている。IT 企業に加えて、ユーザー企業の情報システム部門
までを含めると、先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材は 2,820 人、情報セキュリティに
携わる外国籍 IT 人材が 1,470 人となっている。
表 4-23
外国籍 IT 人材の推計結果(企業別)
▼ 外国籍IT人材全体に対する割合
籍情
I 報
T セ
人キ
材
のリ
推テ
計
結外
果国
ュ
ル I 情
人 T 報
材人 セ
の材キ
割の
合 う リ
ち テ
ハ
イ外
レ国
ベ籍
ュ
ィ
ィ
籍情
I 報
T セ
人キ
材
の リ
割テ
合
外
国
ィ
ち先
ハ端
イ I
レ T
ベ外
ル国
人籍
材人
の材
割の
合 う
ュ
推先
計端
結 I
果 T
外
国
籍
人
材
の
30名未満
194,432
5.22%
10,150
7.92%
800
0.20
2.97%
300
0.22
228,255
3.45%
7,870
7.17%
560
0.19
2.93%
230
0.25
100名以上300名未満
194,446
300名以上1,000名未満
(全体)
30名未満
357,523
1,000名以上
(全体)
1.33%
3,150
3,930
950
590
20.43%
120
0.62
11.83%
60
0.38
310
11.62%
30
0.15
7.07%
20
0.10
450
19.32%
650
4.08%
0.36
0.22
3.27%
3.33%
5.55%
230
190
3.78%
4.28%
2.70%
7.53%
6.91%
0.16
9,536
8,171
0.19
0.26
0 .2 0
13,940
5.44%
130
270
1,760
25,100
19,400
4.33%
8.41%
7 .0 1 %
2.58%
100名以上300名未満
300名以上1,000名未満
1.62%
1.10%
974,656
30名以上100名未満
80
2.23%
20
6.12%
0.19
1.64%
0.18
4.13%
30
0.15
7.38%
0 .2 6
5.50%
110
3 .91 %
1,06 0
0.21
0 .2 5
0.13
0.65
0.16
51,047
3.92%
2,000
1 2 .5 0 %
250
<IT企業合計> a+b
1,025 ,7 03
2 .6 4%
27 ,10 0
7.42%
2,01 0
30名未満
-
3.70%
-
7.20%
-
0.15
7.20%
-
0.10
30名以上100名未満
-
2.66%
-
8.48%
-
0.31
6.17%
-
0.26
100名以上300名未満
127,288
3.30%
4,200
11.50%
480
0.33
6.02%
250
300名以上1,000名未満
75,936
2.42%
1,840
10.55%
190
0.26
4.95%
90
0.27
1,000名以上
73,944
2.17%
1,600
9.31%
140
0.27
4.77%
70
0.33
0 .2 6
5.37%
410
0 .2 7
4 .23 %
1,47 0
<c>
ユーザー企業の
IT人材
(情シス部門)
(全体)
<IT人材合計> a+b+c
<d>
ユーザー企業の
IT人材
(事業部門)
277,168
2.76%
7,640
1 0 .6 0 %
810
1,302 ,8 71
2 .6 7%
34 ,74 0
8.12%
2,82 0
0 .2 8
0.41
30名未満
368,000
5.35%
19,680
19.75%
3,880
0.25
2.52%
490
0.10
30名以上100名未満
215,000
5.28%
11,340
10.73%
1,210
0.21
4.49%
500
0.19
100名以上300名未満
200,000
5.74%
11,470
0.28
3.22%
360
0.30
6.70%
300名以上1,000名未満
1,000名以上
(全体)
<総合計> a+b+ c+d
21
割先
合端
I
T
外
国
籍
人
材
の
30名以上100名未満
1,000名以上
<b>
WEB企業
外
全国
体籍
I
の T
推人
計材
結
果
)
)
<a>
ITベンダー
割外
合国
籍
I
T
人
材
の
(
(
I
人 T
人
材
数
統
計
値
197,000
3.96%
3.18%
7,790
11.50%
16.99%
14.19%
1,310
1,320
1,410,000
4.53%
63,940
1 5 .0 9 %
9,650
2,712 ,8 71
3 .6 4%
98 ,68 0
1 2.64%
12,47 0
520
0.28
6.07%
0 .2 7
4.21%
2,690
4 .22 %
4,16 0
0.25
0.27
0.29
0 .2 2
外国籍 IT 人材(全体)の推計の際は、回答者の所属組織の人材数に対する外国籍 IT 人材の割合を算出し、その
割合を従業員規模別の「IT 人材数統計値」に乗じて人材数を推計した。先端 IT 技術及び情報セキュリティに関
する外国籍 IT 人材についても、同様の方法で人材数を推計した。
215
4.2
今後の不足数に関する推計
(1) IT 企業及びユーザー企業の情報システム部門を対象とする推計
前項までに示した現在の人材数に加えて、現在の人材の不足数及び今後の人材不足見
込みについて推計した結果を以下に示す。
まずは、IT サービスの提供を主業務とする人材として、IT 企業(IT ベンダー+WEB
企業)及びユーザー企業の情報システム部門を対象に、現在の人材の不足数及び今後の
人材不足見込みを推計した結果を、表 4-24 に示す。
表 4-24
先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の将来推計結果22
(IT 企業+ユーザー企業情報システム部門)
■ 先端IT人材
ITベンダー+WEB企業
■ 情報セキ ュ リテ ィ人材
現在
将来1
将来2
現在
将来1
将来2
<2016年>
<2018年>
<2020年>
<2016年>
<2018年>
<2020年>
34,940
41,160
48,510
(うち外国籍IT人材)
(2,010)
(2,350)
(2,740)
ユーザー企業(情シス)
9,260
10,590
12,110
(810)
(910)
(1,020)
人材数合計
44,200
51,750
60,620
不足人材数
7,030
14,870
22,710
潜在人員規模
51,230
66,620
83,330
(うち外国籍IT人材)
ITベンダー+WEB企業
42,190
48,630
56,050
(1,060)
(1,210)
(1,380)
45,500
52,130
59,730
(410)
(460)
(510)
人材数合計
87,690
100,760
115,780
不足人材数
8,420
14,280
20,140
潜在人員規模
96,110
115,040
135,920
(うち外国籍IT人材)
ユーザー企業(情シス)
(うち外国籍IT人材)
今回の推計では、「人材数合計」(市場に存在する人材数)は、今後の市場の拡大に対
応する形で、アンケート結果から算出された市場の伸び率予測に沿って増加するものと
仮定した。また、
「不足人材数」は、そのような市場の伸びに対応し切れない人材数とし
てアンケート結果から算出したものである。これは、現状の人材供給力のままでは、国
内の IT 人材でも外国籍 IT 人材でも充足困難な人材数と位置づけられる。特に、第3章
のマクロ推計結果によれば、2019 年に IT 関連産業の人口はピークを迎え、その後は国
内の人材供給力が減少する見込みとなっている。よって、2019 年以降の不足人材を充足
するためには、追加的な人材獲得方策が必要であるといえる。
表 4-24 の「潜在人員規模」は、「人材数合計」(実人材数)に「不足人材数」を足し
合わせたものであるが、これは「不足人材数」が仮に充足された場合に実現され得る潜
在的な市場規模23に相当すると考えられる。図 4-181 及び図 4-182 に示すとおり、この
「不足人材数」が何らかの形で充足されれば、将来的には、現時点での市場の伸び率予
測を上回る成長率(潜在的な市場成長率)での市場成長が実現される可能性もある。先
端 IT 分野及び情報セキュリティ分野でのさらなる市場成長を実現するためには、今後の
成長の足かせとなり得る不足人材の充足が喫緊の課題であるといえる。
22
23
アンケートの実施時期が 2016 年 2 月であるため、「現在」を「2016 年」として推計を実施。
市場規模は、産業の人材数×1人当たりの売上高として算出可能。不足人材を充足することで、潜在的なニーズ
に対応することができ、将来の市場をより拡大させることが可能になると考えると、不足人材が充足された場合
の潜在人員規模は、潜在市場規模に相当すると解釈できる。
216
先端IT人材の将来推計
人材充足によって
実現され得る
(ビッグデータ、IoT、人工知能に携わる人材)
潜在的な市場成長率
年率平均約12.9%
ITベンダー
WEB企業
+
ユーザー
企業
情シス部門
22,710人
(潜在人員規模)
51,230人
14,870人
7,030人
ユーザー企業
10,590人
ユーザー企業
12,110人
ユーザー企業
9,260人
IT企業
48,510人
IT企業
41,160人
IT企業
34,940人
2018年
【将来1】
2016年
【現在】
図 4-181
現時点での
市場の伸び率予測
年率約8.2%
将来の人材数
現時点の 現在の人材数
不足数
(潜在人員規模)
66,620人
将来の不足数
(潜在人員規模)
83,330人
2020年
【将来2】
先端 IT 人材の不足数と将来推計結果
(IT 企業+ユーザー企業情報システム部門)
情報セキュリティ人材の
将来推計
人材充足によって
実現され得る
潜在的な市場成長率
年率平均約9.1%
ITベンダー
WEB企業
(潜在人員規模)
135,920人
情シス部門
(潜在人員規模)
115,040人
14,280人
8,420人
ユーザー企業
59,730人
現在の人材数
ユーザー企業
52,130人
ユーザー企業
45,500人
IT企業
IT企業
48,630人
2016年
【現在】
2018年
【将来1】
42,190人
図 4-182
現時点での
市場の伸び率予測
年率約7.2%
将来の人材数
現時点の
不足数
(潜在人員規模)
96,110人
20,140人
将来の不足数
+
ユーザー
企業
IT企業
56,050人
2020年
【将来2】
情報セキュリティ人材の不足数と将来推計結果
(IT 企業+ユーザー企業情報システム部門)
217
(2) IT 企業及びユーザー企業を対象とする全体推計
次に、IT 企業及びユーザー企業(全体)を対象に、現在の人材の不足数及び今後の人
材不足見込みを推計した結果を、表 4-25 に示す。
表 4-25
先端 IT 人材及び情報セキュリティ人材の将来推計結果(全体)24
■ 先端IT人材
■ 情報セキ ュ リテ ィ人材
現在
将来1
将来2
現在
将来1
将来2
<2016年>
<2018年>
<2020年>
<2016年>
<2018年>
<2020年>
ITベンダー+WEB企業
34,940
41,160
48,510
42,190
48,630
(うち外国籍IT人材)
(2,010)
(2,350)
(2,740)
(うち外国籍IT人材)
(1,060)
(1,210)
(1,380)
ユーザー企業
61,960
70,790
80,880
ユーザー企業
238,680
274,310
315,270
(うち外国籍IT人材)
(うち外国籍IT人材)
人材数合計
(10,460)
(12,290)
(14,440)
96,900
111,950
129,390
ITベンダー+WEB企業
56,050
(3,100)
(3,760)
(4,550)
人材数合計
280,870
322,940
371,320
不足人材数
15,190
31,500
47,810
不足人材数
132,060
161,140
193,010
潜在人員規模
112,090
143,450
177,200
潜在人員規模
412,930
484,080
564,330
図 4-183 及び図 4-184 は、表 4-25 の結果を図示するとともに、アンケート結果から
把握された市場の伸び率予測と、前述のように潜在人員規模を潜在市場規模と解釈した
場合の潜在市場規模の成長率(年率平均)を示したものである。
人材充足によって
実現され得る
先端IT人材の将来推計
潜在的な市場成長率
(ビッグデータ、IoT、人工知能に携わる人材)
年率平均約12.1%
(潜在人員規模)
177,200人
+
ユーザー
企業
(潜在人員規模)
143,450人
不足数
47,810人
将来の不足数
ITベンダー
WEB企業
現時点での
市場の伸び率予測
年率約7.5%
不足数
現時点の
不足数
(潜在人員規模)
112,090人
15,190人
ユーザー企業
70,790人
IT企業
IT企業
41,160人
2016年
【現在】
2018年
【将来1】
図 4-183
将来の人材数
現在の人材数
ユーザー企業
ユーザー企業
80,880人
61,960人
34,940人
24
31,500人
IT企業
48,510人
2020年
【将来2】
先端 IT 人材の不足数と将来推計結果
本表における情報セキュリティ人材の不足数には、p.200∼p.201 で推計されたユーザー企業の情報セキュリティ
人材の不足数が含まれている。この不足数に関しては、p.200 に上位推計の結果(223,976 人)が、p.201 に下位推
計の結果(30,913 人)が示されているが、本表では、その中央値(127,445 人)を用いた。
218
図 4-183 の先端 IT 人材については、現在 10 万人規模の人材が存在し、さらに 1.5 万
人程度の人材が不足しているという結果になった。この現在の人材の不足数は、2 年後
には約 2 倍の 3.2 万人に、4 年後には約 3 倍の約 4.8 万人にまで拡大するという推計結果
が示されており、今後さらなる市場拡大を実現するためには、これらの不足人材の充足
が非常に重要であると考えられる。
特に先端 IT 技術に関しては、不足人材の充足によって実現され得る潜在的な市場成長
率(約 12.1%)が、現時点での市場の伸び率予測(約 7.5%)の約 1.6 倍にも上っている
点が注目される。将来起こり得る人材不足に対して適切な方策を実施し、産業界のニー
ズの拡大を牽引できるような適切な人材充足を実現すれば、現在予測されている以上の
大幅な市場拡大が実現される可能性もあるといえる。
図 4-184 の情報セキュリティ人材については、現在の不足数の規模が約 13.2 万人と非
常に大きく、現在の人材数の 1.5 倍程度の人材が必要な状況であると推計された。現状
の人材供給力のままでは、この不足数は今後さらに拡大し、4 年後には約 1.5 倍(約 19.3
万人)にまで拡大すると推計されている。特に、ユーザー企業側で大幅の人材不足が生
じている情報セキュリティ人材についても、今後その不足を解消し、産業界における情
報セキュリティ対策を強化するための方策が強く望まれる状況にある。
人材充足によって
実現され得る
情報セキュリティ人材の
将来推計
+
年率平均約8.1%
(潜在人員規模)
564,330人
ユーザー
企業
(潜在人員規模)
484,080人
(潜在人員規模)
412,930人
不⾜数
193,010人
将来の不足数
ITベンダー
WEB企業
潜在的な市場成長率
不⾜数
現時点の
不足数
161,140人
現時点での
市場の伸び率予測
不⾜数
年率約7.2%
132,060人
ユーザー企業
現在の人材数
ユーザー企業
274,310人
238,680人
IT企業
42,190人
48,630人
2016年
【現在】
2018年
【将来1】
図 4-184
IT企業
IT企業
56,050人
2020年
【将来2】
情報セキュリティ人材の不足数と将来推計結果
219
将来の人材数
ユーザー企業
315,270人
(補足)ユーザー企業の事業部門の人材の推計方法
ユーザー企業の事業部門の推計のベースとなる「IT 人材数統計値」(ユーザー企業の
事業部門における IT 人材数)は、以下のような方法で算出を行った。
①
平成 26 年経済センサス(確報)の従業者数(常用雇用者数)のデータのうち、「A∼B 農
林漁業」、「C 鉱業,採石業,砂利採取業」、「S 公務」及び「G 情報通信業」の中の「情報
サービス業」、「インターネット付随サービス業」を除いたデータを、下表のとおり、本調
査で用いる従業員規模区分別に集計。
②
今回のアンケート調査では、企業に従事する回答者数全体に対する「事業部門の IT 人材の
構成比」
(3.05%)を把握。これを下表の「従業員数合計」に乗じることで「事業部門 IT 人
材推計数」(約 141.2 万人)を算出。
③
下表の従業員規模別の「従業員数合計」から各従業員規模の従業員合計の構成比を算出し、
それを「事業部門 IT 人材推計数」に乗じて、各従業員規模の事業部門の IT 人材数を推計
(下表最下段)。
合計
3 0 名未満
3 0 ~9 9 名
1 0 0 ~2 9 9 人
3 0 0 ~9 9 9 人
1 , 0 0 0 人以上
D 建設業
2,876,384
1,611,344
472,237
232,958
208,621
351,224
E 製造業
8,878,955
1,740,299
1,497,286
1,441,189
1,341,074
2,859,107
F 電気・ガス・熱供給・水道業
198,291
5,323
9,010
10,168
11,418
G 情報通信業 (情報サービス業等を除く)
429,587
67,331
59,275
66,699
68,426
162,372
167,856 ← 「情報サービス業」及び
H 運輸業,郵便業
2,899,594
411,363
556,024
537,027
426,103
969,077
I 卸売業,小売業
9,372,002
2,767,277
1,355,057
1,108,394
1,187,229
2,954,045
J 金融業,保険業
1,405,002
78,779
47,822
87,768
149,382
1,041,251
930,847
351,844
128,246
124,023
121,199
205,535
L 学術研究,専門・技術サービス業
1,282,942
519,559
176,433
145,347
152,657
288,946
M 宿泊業,飲食サービス業
4,012,258
1,370,296
490,120
398,058
377,731
1,376,053
N 生活関連サービス業,娯楽業
1,779,148
602,217
354,176
266,374
231,691
324,690
O 教育,学習支援業
1,624,106
292,299
203,375
187,621
247,907
692,904
P 医療,福祉
6,104,971
1,518,053
1,143,883
1,309,929
1,118,489
1,014,617
675,510
11,962
15,061
50,057
143,840
454,590
K 不動産業,物品賃貸業
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
従業員数合計
事業部門 IT人材構成比 (今回のアンケート結果から)
事業部門 IT 人材推計数
(経済センサス従業員数合計×3.05%)
3,842,367
740,369
565,587
618,147
678,073
1,240,191
46,311,964
12,088,315
7,073,592
6,583,759
6,463,840
14,102,458
3.05%
1,412,515
26.1%
15.3%
14.2%
14.0%
368,000
215,000
200,000
197,000
220
「インターネット付随サービス業」を除いた数
30.5% ← 上の従業員規模別の構成比
4 3 0 , 0 0 0 ← 「事業部門 IT人材推計数」 × 構成比
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