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経営情報論 - トップページ

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経営情報論 - トップページ
経営情報論
ネットビジネスの登場と発展
京都大学経営管理大学院
松井啓之
ネットビジネスの類型化
サービスのポテンシャル 第三者広告料モデル
サービスのポテンシャル
集客力
バナー広告(impression, click, action)
ポップアップ
(ディレクトリ型ポータル)
(ディレクトリ型ポータル)
クロスブランド化
スポンサーシップ
サービスのフロー
(検索型ポータル)
サービスの質
サービスの質
コミュニティ・場
コミュニティ・場
特殊コンテンツ
の提供
トランザクション
の仲介・効率化
WSJ.com
(専門記事)
(専門記事)
(オークション)
(オークション) (電子コマース)
小売、ペイパービュー
仲介コミッション
会員制モデル
松竹梅モデル
(オープンソースモデル)
贈与経済・フリーミアムモデル
贈与経済・フリーミアムモデル
第三者手数料モデル
E-ビジネスの概念
E-ビジネスとは?
インターネット技術を通して内部のビジネスプロセスの効
率化を図る同時に、インターネットを梃子に活用して新し
いビジネス機会を創出する活動
電子商取引(EC)とE-ビジネスの関係
電子商取引は電子媒体を基盤とした商取引
例:オンライン商品販売、オンライン株式取引、インター
ネットオークションなど
E-ビジネスは電子商取引を包括する広い概念として
インターネット及び情報技術の適用対象が企業全般
の価値活動を含む
例:SCM、CIM、オンライン注文処理、オンライン顧客
サービス、オンライン人材採用など
E-ビジネス/ネットビジネスとは?
 インターネット技術を通して企業内部のビジネスプロセスの
効率化を図る同時に、インターネットをテコに活用して新し
いビジネス機会を創出
⇒顧客、パートナー企業、供給業者、政府などの利害関係者との間で
行う様々な活動を、インターネット技術を利用して行う
政府
パートナー、供給業者
顧客
C2C
企業
http://www.ne.senshu-u.ac.jp/~thn0674/E-business.ppt#8 より
インターネットビジネスモデル
ネットビジネス/インターネットのビジネスモデル
=収益モデル(revenue model):「どうやってお金を儲けるの
か?」を整理・分析して類型化
ビジネスモデル:「誰に、何を、どのように」提供して利益を得るの
か、そのための経営活動の全体像を示したもの
小売モデル
インターネット上で最終消費者を対象として製品を販売するサイト
例:Amazon、楽天など
仲介モデル
購買者と販売者を互いに連結して、取引が成立した時に、手数料
を得ることで収益を創出
例:Yahoo! オークション、楽天オークションなど
コンテンツサービスモデル
コンテンツのサイトに構築することで、利用者のサイト訪問を誘導
するサイト→広告収入
例: CNN.Com、Asahi.Comなど
ネットビジネスの留意点(1)
成功のための工夫例
ネット利用したほうが得をするような工夫
(安い、商品が豊富、特別商品、カスタマイズ)
顔の見えないお客に安心感を与える
(丁寧な礼状メール、個客管理、商品検索のしやすさ)
(安全な代金決済方法の提示)
デジタル商品/物品販売の区別
(おためし版/商品情報や映像で補完)
有名Webサイトへの登録・掲載
(有名人・オーソリティーによるアフィリエイト)
高速の検索(高速サーバー、2重化)
多彩な利用端末
(PC、iモード、ゲーム機、パームトップ、TV)
ネットビジネスの留意点(2)
何を売りにするのか?
特定のカテゴリーの商品を低価格で提供する。
特定の顧客層に対して幅広く商品を提供する。
幅広い顧客に対して、幅広い商品を提供する。
→Amazon、iTunes、、、
消費者のための仲介コミュニティを創造する。
商品販売のためのインフラを提供する。
→楽天、e-Bay、Yahooオークション、、、、
幅広い情報を提供するポータルサイトを目指す。
→Yahoo、Google、、、
流通の役割
流通とは、商品を生産者から消費者に渡す商
業活動
生産者:農業、漁業、林業、鉱業、メーカー、サービス業(通
信、運輸・・・)
流通(狭義)は、卸売業と小売業からなる。
小売業:卸売業と消費者を結び付ける位置にある。
卸売業:生産者と小売業を結び付ける位置にある。
流通(広義)は、運輸業、倉庫業を含める。
少し単純化してしまえば
いわゆる「フロント」にあたるのが「小売業における消費者と
の対応」部分
いわゆる「バック」にあたるのが、フロント以外の「消費者に
見えない」部分
流通における小売業・卸売業
流通http://homepage3.nifty.com/suetsuguf/asd07.pdfより
一般的な書店ビジネス
取次
(出版社)
書店
←著者
リアル
リアル
リアル(バーチャルは、書店以外で、例えば書評など)
Amazonのビジネスプロセス
 仮想書店の強みは在庫にある。
 既存の書店は販売面積に限界がある。
 郊外の流通センターは無限の在庫をもてる。
 テーマは「マッチング」
これだけで商売になるのか?
 膨大な在庫から、顧客のニーズに合った本をいかにして見つけるか。
 街の書店のように、店をぶらつき、店員に相談し、本を手にとり、立ち読み
して購入できることが課題。
 設計のポイントは「顧客が楽しく本探しできること」⇒実現するには?
?
買い易くする
↓
ワンクリック特許
•特定の本探しの顧客:キーワード検索
+
各種サービス •立ち読みの顧客:ジャンル別ブラウズ、トップ100、新刊本
•書籍情報:表紙写真、目次、宣伝文、読者レビュー、ランキング、こんな本も
AmazonのWeb書店ビジネス
(出版社)
Amazon
←著者
リアル(取次を省略)
バーチャル(クレジットカード)
バーチャル(カスタマーレビュー)
将来のコンテンツビジネス(1)
音楽・動画・書籍・ゲーム・アプリ、、、
バーチャル(クレジットカード)
バーチャル(カスタマーレビュー)
レ
※コード会社や出版社を中抜き
バーチャル(ダウンロード)
= 著者・
作曲者・歌手・プログラマー
Amazon
iTunes Book Store
将来のコンテンツビジネス(2)
プラットホーム
バーチャル(ダウンロード)
バーチャル(クレジットカード)
バーチャル(カスタマーレビュー)
レ
※コード会社や出版社を中抜き
バーチャル?(購入から利用へ)
= 著者・
作曲者・歌手
↓
クラウド化、サービス化
Web2.0
2004年頃から登場し始めた新しい発想に基づくWeb
関連の技術や、Webサイト・サービスなどの総称
⇒次世代Webを漠然と表す概念
Tim O‘reilly,“What Is Web 2.0: Design Patterns and
Business Models for the Next Generation of Software ”
http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/news/2005/09/30/whatis-web-20.html
『Webをプラットフォームとして位置づけ、オープン志向・ユー
ザー基点・ネットワークの外部性といったインターネット本
来の特性を活かす思想に則って提供されるサービスの次
世代フレームワーク 』
⇒様々なサービスのプラットホームとしての展開
⇒(複数、発展可能性の高い)プラットホーム確保がキー!
Web2.0を特徴づける概念(1)
Folksonomy:ユーザーの手で情報を自由に整理
従来のWebでは、情報をディレクトリ型に整理して配置して来た。これ
に対してWeb 2.0では、ユーザーの手によってこれらの枠組みに捉わ
れることなく、自由に情報を配置する。
 Flickr、YouTube、ニコニコ動画、はてなブックマーク、USTREAM
Rich User Experiences:リッチなユーザー体験
従来のWebでは、HTMLやCGIなどを利用して静的あるいは単純なサ
ービスが提供されることが多かったのに対してWeb 2.0では、Ajax(
Asynchronous JavaScript + XML)、DHTML(Dynamic HTML)などと
いった技術やテクニックを応用してサービスを構築し、豊かなユーザ体
験を提供する。
 Google Map、Google Earth
User as contributor:ユーザーの体験の蓄積をサービスに転化
従来のWebでは、情報を提供する側がユーザーに一方的に情報を提
供していた。これに対してWeb 2.0では、ユーザーによるレビューやユ
ーザーによる評価がコンテンツの構築に貢献し、結果的にそれがサー
ビスとして蓄積されて行く 。
 Amazonのレビュー、価格.comのレビュー、ニコニコ動画
Web2.0を特徴づける概念(2)
Long tail:ロングテール
従来の市場では、「2:8の法則」などと言われるように「2割の商品が売上
の8割を稼ぐ」などといった法則が成り立っていた。これに対してWeb 2.0
では、この8割の側に当たるニッチな商品や顧客基盤によってサービスや
ビジネスが成立する。
 Amazon、iTunes Music store
Participation:ユーザ参加
従来のWebでは、情報提供側と提供される側との間に明確な境界線が
引かれていた。これに対してWeb 2.0では、開発やコンテンツの制作など
にユーザが積極的に関わることによってサービスそのものを成立させる。
 ブログ、ソーシャルネットワークサービス(SNS)
Radical Trust:根本的な信頼/進歩的性善説
従来のWebでは、コンテンツは著作権によって、テクノロジーは特許によ
ってという風に知財が管理される志向を持っていた。これに対してWeb
2.0では、情報を享受する側に対して根本的な信頼を寄せることにより、
人間の知そのものを共有すると共に、それを相互に発展させて行こうと
する志向を持つ
 Wikipedia 、オープンソース、集合知
参考:ロングテール(Long Tail)(1)
ネット販売において、ほとんど売れないニッチ商品の
販売額の合計が、ベストセラー商品の販売額合計を
上回るようになる現象
クリス・アンダーソン(米Wired誌編集長) Oct.2004
http://www.wired.com/wired/archive/12.10/tail.html
Amazon、Google、Yahoo、e-Bayなどのネット産業が、既存
産業に対して優位性を持った要因
実店舗のバーンズ&ノーブルでは陳列スペースの制約があるので
13万品目しか販売できないが、制約の少ないネット書店のアマゾン
は230万品目も販売している。このとき、販売数上位13万品目以下
の書籍の販売額を合計すると、売上全体の57%に達するという推
計による
参考:ロングテール(2)
http://www.fri.fujitsu.com/cyber/hotkey/longtail/longtail.htmlより
参考:ロングテール(3)
一般的に、ある特定の分野における売り上げは、上
位の20%が全体の80%を占めるというべき乗の法則
(パレートの法則)に従っているとされている。
今までの小売店では、在庫の制限などで、この上位
20%に当たる商品を多く揃えなければならず、その他
(80%)は軽視されることが多かった。
しかし、Amazonなどのオンライン小売店は在庫や物
流にかかるコストが従来の小売店と比べて遥かに少
ないので、今まで見過ごされてきたこの80%をビジネ
ス上に組み込むことが可能になり、そこからの売り上
げを集めることにより、新たなビジネスモデル(=ニッ
チビジネス)を生み出した。
ただし、ロングテールに関しては、批判的意見もある。
参考:Facebook
世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サー
ビス)
登録ユーザー間での交流支援、各種カスタマイズ(自分で
開発したプログラムやサービス)が可能→付加価値
元々は、ハッキングして得られた女子学生の身分証明書
を公開し、順位付けするゲームとして開始(犯罪です!)
2004年にマーク・ザッカーバーグが彼女に振られた腹いせに開始
。その後学生の交流サービスへ、当初はハーバード大学内、その
後、アイビーリーグ、全米の大学、2006年には一般にも開放
ソーシャル・ネットワーク(the social network)
H23公開、Facebookの成功物語の映画化、ネットベンチ
ャービジネスの発展過程として良くできている。
http://www.socialnetwork-movie.jp/
Web2.0を特徴づける概念(3)
Radical Decentralization:分散志向/ネットワーク外部性
従来のWebでは、データやサービスは独立のコンピュータに独立し
たものとして、保存されていたり提供されていたりした。これに対し
てWeb 2.0では、ネットワークを通じてファイルを相互に交換、共有
することでサービスを成立させたり、あるいはサービスやプログラム
そのものを交換したり組み合わせて利用したりすることにより、サー
ビスを成立させる。
 P2Pファイル共有ソフト(Winny)
http://www.sophia-it.com/category/web2.0.jspより
データやサービスを多くの人に提供するだけではなく
、そこに不特定多数の人間が能動的に参加できる環
境を公開することで、サイト自身が成長していく構造
Web2.0とビジネス(1)
ビジネスモデルの進化
ロングテールに着目したビジネス、情報のインフラとして
利用されるサービス型に変化
⇒大量の顧客IDを保有し利活用するビジネスへ
個人の情報が知られることで、より高い付加価値サービスを受
けることが可能となる
情報モデルの進化
メタデータ(データについての情報を記述したデータ )の
普及→「タグ付け」による情報の付加価値
技術トレンドの進化
よりリッチなクライアント表現→マルチメディアへの対応
Webサービスの普及→Webサービスの公開へ
多様な端末への技術波及→モバイル端末へ
Web2.0とビジネス(2)
Web2.0に対応したビジネスモデルは存在するか?
Web1.0時代のビジネスモデル:
小売モデル、仲介モデル、コンテンツサービスモデル
現実のインターネット企業の多くの収益モデルは、Web1.0時代
のビジネスモデルでしかない
⇒Web2.0は単なるブームだけなのか?
可能性の1つとして「仲介モデル」の発展
コミュニケーション自体が大きな収益モデルとなりうる
例:携帯電話サービスは、これまでコミュニケーションが出来な
かった、時間や場所の制約を外したことによって、巨大な市場を
生み出し、かつ新たなコミュニケーション手段を生み出した。
コミュニティや(社会の)ネットワーク構造に関する知見
が必要不可欠⇒SNA(社会ネットワーク分析)
Amazonのプラットホームビジネス
クラウド=Amazon EC2/S3
http://aws.amazon.com/jp/ec2/
顧客が計算資源を借り、アプリケーションの実行を可能にする
アマゾンが有する大規模なマシンパワーを活用
個人でマシンを用意するのではなく、必要に応じてマシンパワ
ーを利用する(所有から利用へ)
クラウドソーシング=Amazon Mechanical Turk
https://www.mturk.com/mturk/welcome
コンピューターだけでは困難な作業を人間の力を借りてサービ
スとして提供
アマゾンの大規模なヒューマンパワーを活用
タグ付、書評の内容チェックのために雇用している多数の人達の能力
を活用
※Amazonが行ってきた事業の成果を活かした新しいビジネス!
クラウド・コンピューティング(1)
コンピュータ処理を、ネットワーク経由で、サービスとし
て利用→「所有」から「利用」へ
インターネットでコンピュータ資源をサービスとして利用
できる仕組み
ユーザーはデータセンターの設備は所有せず、データ
センターが提供しているサービスを対価を支払って利
用することができる。
データセンターは膨大な数の ユーザーによって共有されてい
る。これにより、ユーザーはデータセンターの持つ性能を低コ
ストで利用できる。
世界に分散したユーザーがサーバーを意識せずサービスを
受ける
 Amazon, Google, Salesforce.com, VMware, IBM, Microsoft
クラウド・コンピューティング(2)
 SaaS(Software as a Service)
 インターネット経由でソフトウェア(ア
プリケーション)パッケージの提供
 Google Apps/MS Office 365
 PaaS (Platform as a Service)
 インターネット経由のアプリケーション
実行用のプラットフォームの提供
 2007年
 Salesforce.com
 HaaS/IaaS (Hardware/ Infrastructure
as a Service)
 インターネット経由のハードウェアや
インフラの提供、仮想化技術を積極
的に利用
 Amazon EC2、Amazon S3
北大アカデミッククラウド
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A
1%E3%82%A4%E3%83%AB:Cloud_computing.svg
仮想化:1台のPC上に複数の仮想PCを同
時に動かす技術→ネットワークを通じて、
仮想化されたPCをあたかも自前のPCのよ
うに利用可能
クラウド・コンピューティング(3)
http://www.businesspark.jp/saas/index.html
クラウド・コンピューティング(4)
 企業へのインパクト
 ITパラダイムのシフト
システムの構築・運用,提供・利用方法の変革
(「所有」から「利用」への大転換)
情報処理資源のユーティリティ化 cf.100年前の電力
 大幅なコスト削減(過剰なインフラ整備、管理・運用・保守コスト、設備更
新が不要)
 企業の分化
クラウド・インフラの提供者+クラウド上のサービスの提供者、アグリ
ゲーター+サービス利用者(一般の企業)
 企業内IT部門の新3K仕事の減少
個別技術ではなくサービス活用能力が必須に
(データを)持たないことの「安心」と「不安」
社会的ネットワーク
知人関係から強い家族のつながりまで、様々な社
会的な文脈でつながる個人間の関係
社会的ネットワークを支える力とは?
ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
⇒人間関係の豊かさこそを社会の資本
社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織 が、社
会のパフォーマンスに大きな影響
人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高
めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会的
仕組みの特徴
イタリアの北部と南部で、州政府の統治効果に南北格差がある
のは、ソーシャル・キャピタルの蓄積の違いによると指摘 by ロ
バート・バットナム、『哲学する民主主義』
 社会的なネットワークは、どういう特徴があるのか?
社会的ネットワークの知見・応用
150人の法則
現実の社会的ネットワークにおけるメンバーは150人に
限定される
平均的な人間能力にとって、集団のメンバーであると認識し感
情を把握することの出来る、ある種の限界
集団が大きくなるとそれにつれ、フリーライダー(ただ乗り)や詐
欺師、うそつきも活動しやすくなる。
ソーシャルネットワーキング(SNS)
友人間やビジネスマン同士、その他個人間の交流を支
援するツールが提供されているインターネット上での
サービス(サイト)⇒社会的つながりを支援する機能
自らの知り合いをネットワーク上に招待、その新しいメンバーも
同じことを繰り返し、メンバーの総数的にもネットワークの規模と
しても成長
mixi(http://mixi.jp/)、Facebook(http://www.facebook.com//)
Facebook
世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サー
ビス)
登録ユーザー間での交流支援、各種カスタマイズ(自分で
開発したプログラムやサービス)が可能→付加価値
元々は、ハッキングして得られた女子学生の身分証明書
を公開し、順位付けするゲームとして開始(犯罪です!)
2004年にマーク・ザッカーバーグが彼女に振られた腹いせに開始。
その後学生の交流サービスへ、当初はハーバード大学内、その
後、アイビーリーグ、全米の大学、2006年には一般にも開放
ソーシャル・ネットワーク
Facebookの成功物語の映画化、ネットベンチャービジネ
スの発展過程として良くできている。
http://www.socialnetwork-movie.jp/
「ネットワーク(繋がり)」の不思議
知り合い関係を芋蔓式に辿っていけば比較的簡単
に世界中の誰にでもいきつく
⇒ (広いようで)「世間は狭い」 :スモールワールド
スモールワールド実験(1967年、ミルグラム)
六次の隔たり:アメリカ合衆国国民から二人づつの組を
無作為に抽出し、平均すると6人の知り合いを介してそ
の二人が繋がっていることを実際に示した。
→追試では失敗、、、仮説?
参考:ベーコン数(約2.7)
アメリカの俳優、ケビン・ベーコンと共演した俳優を何人経ること
でたどり着くか?
⇒このような現象を説明可能な理論は?
スモールワールド(1)
社会ネットワークに特徴的に見られる構造
ミルグラム(1967):The small world problem
何人の知り合いを通じてアメリカ大陸を横断できるのか?
友達の輪、ウィルス感染、WWWなど
 ネットワークにおいて、あるノード(ネットワークの要素)からほか
の任意のノードにたどり着くのに、少数の中継ノードを経由する
(追加する)だけでよいという性質
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/smallworld.html より
スモールワールド(2)
D.Wattsによる理論化
全リンク数が全ノード数の数倍程度しかない、すかすか
のネットワークである。
にもかかわらず、任意の二つのノード間距離がノード数に
くらべて著しく小さい。
高度にクラスター化している。
非常にシンプルな理論で、
複雑な社会ネットワーク
構造(社会現象)を解析・
分析し、それらの現象を
説明可能としている。
『スモールワールド・ネットワーク世
界を知るための新科学的思考法』、
D.Watts、阪急コミュニケーションズ、
2004
結合の時代 、「新しい」科学の起源、
スモールワールド現象、スモール
ワールドを超えて 、ネットワークの
探索、伝染病と不具合、意思決定と
妄想と群集の狂気、閾値とカスケー
ドと予測可能性、イノベーションと適
応と回復、始まりの終わり
スモールワールド(3)
D.Wattsによる理論化
全リンク数が全ノード数の数倍程度しかない、すかすか
のネットワークである。
にもかかわらず、任意の二つのノード間距離がノード数に
くらべて著しく小さい。
高度にクラスター化している。
スモールワールドの種類
 scale-freeネットワーク
 経路が一部のノードに極度に集中している。ウェブサイトのリンク、論文
引用、食物連鎖など。
 broad-scaleネットワーク
 経路の集中はあるが、ある程度で頭打ちになる。共演関係のネットワー
ク(例えば前記「ベーコン指数」)など。
 single-scaleネットワーク
 経路の集中するノードはあるが、集中するノードほど数が減る。送電網、
神経回路網、通常の人的ネットワーク。
スモールワールド(4)
 左の図は、小さな正方形をした4つのノードがクラスターを形成しながら
全体がつながった規則正しいネットワーク。この場合、ある2点(青~
緑)を結ぶ隔たり係数は13。
 一方でこのネットワークにランダムに2本新たなラインを入れてあげると、
たちまち2点間の隔たり係数は5まで減る。仮に別の2点をとっても左より
右の図のほうが隔たり係数は相対的に小さくなっている。
http://marketing.mitsue.co.jp/archives/000111.html より
スモールワールド(5)
Webの直径=隔たり係数=約19
アルバートラズロ・バラバシ
どのWebページを起点にしても20回クリックすれば
すべてのWebページに辿り着くことができる(もちろ
ん、最短距離を採用した場合)
WWWで80%以上のページはリンク数が4未満で
あるが、0.01%未満のページは1000以上のリンク
数がある
⇒少数のリンクを持つ大多数のノードと、非常に
多くのリンク数を持つごく少数のノード(「ハブ」と
呼ばれる)が存在する。
系を特徴づけるスケール(尺度)が存在しない(scale-free)
スモールワールド(6)
たとえば、シリコンバレーが注目を浴びるのは、、、
人的ネットワークによって情報を伝達する場合を考えてみる。
スモールワールド・ネットワークでは、ショートカットがいくつ
か設けられていることで、情報は短距離を通じて広がり、自
分の周辺にいる人とのつながりも確保していることになる
頻繁に情報を交換する起業家やVC(ベンチャーキャピタ
ル)のコミュニティ(内輪のつながりの濃密さを保持するノー
ド同士)が、ランダムリンクを通じて他の起業家やVCのコ
ミュニティと結びつき、迅速な情報交換が生まれ、こうした情
報が起業家やVCを成功へと導く。
シリコンバレーには、こうしたスモールワールド・ネットワーク
によって支えられている
⇒ビジネスとして成功する可能性が高いネットワーク構造
スモールワールド(7)
トヨタのサプライヤーシステム⇒スモールワールド
階層クラスター型のトポロジー(=ネットワーク構造)
少数の1次サプライヤー⇒それぞれの1次サプライヤーから少数
の2次サプライヤー⇒2次から3次サプライヤー⇒…
 トップから末端まで、各結点関係間のトポロジーが階層的に分散し
ており、局所的なバイパスが容易にかつ自己組織的に発生
 さらに、縦だけではなく、横のバイパスラインも自主研究会と称して
適宜、企業を入れ替えられながら発生
1997年のアイシン精機工場(トヨタの主要サプライヤー)の火災
の際に、他のサプライヤーが代替生産で対応
 新しいサプライヤーネットワークが自己組織的に急速に立ち上がる
腕長型のトポロジー
1点集中型で、個々のサプライヤーを「分断して統治」
 サプライヤー間の横のつながりを阻害、全情報がトップに集中
これからの社会を考える
人間は1人では生きていけない
⇒社会的ネットワークの中で生きている
ICTによって、これまでにない規模でのネットワーク化
した社会の登場
⇒ネットワークの様々な特性を理解することが重要
たとえば、ネットワーク外部性、ビジネスにおけるWeb2.0に
よる変化、スモールワールド、、、、
ネットワーク思考
社会の様々な関係や仕組みを「ノード」、「リンク」、「ハブ」
というシンプルな構造で説明
人間関係であれば、個々のユーザーが「ノード」、ユーザー同士の
繋がりが「リンク」。交友関係の多い集団のキーマンが「ハブ」
⇒新しいビジネスモデル/社会の構築のヒント?
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