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SQL Server と Windows Server で実現するミッション

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SQL Server と Windows Server で実現するミッション
SQL Server と Windows Server で実現するミッション クリティカルなパフォーマンスおよびスケール
テクニカル ホワイト ペーパー
発行日: 2013 年 9 月 (更新)
対象: Microsoft SQL Server 2014 および SQL Server 2012
概要: データの容量と複雑さが増大するにつれて、組織のミッション クリティカルな機能に対する新しいアプローチが必要と
されています。このホワイト ペーパーでは、Microsoft SQL Server に組み込まれた機能 (エンタープライズ グレードのセ
キュリティ、可用性、パフォーマンス、およびさまざまなデータ型のサポート) によって実現する "新しいミッション クリティカル"
について説明し、動的なグローバル市場での競争を勝ち抜くために組織で必要とされる機能を解説します。また、コア デー
タベースに組み込まれたミッション クリティカルな機能を提供するソリューションのコストと機能ごとに追加コストが必要になる
ソリューションのコストの比較も行います。
著作権
このドキュメントに記載されている情報は、このドキュメントの発行時点におけるマイクロソフトの見解を反映したものです。
変化する市場状況に対応する必要があるため、このドキュメントは、記載された内容の実現に関するマイクロソフトの確約
とはみなされないものとします。また、発行以降に発表される情報の正確性に関して、マイクロソフトはいかなる保証もいた
しません。
このホワイト ペーパーに記載された内容は情報の提供のみを目的としており、明示、黙示または法律の規定にかかわら
ず、これらの情報についてマイクロソフトはいかなる責任も負わないものとします。
お客様ご自身の責任において、適用されるすべての著作権関連法規に従ったご使用を願います。このドキュメントのいか
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あっても、複製または譲渡することは禁じられています。ここでいう形態とは、複写や記録など、電子的な、または物理的な
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産権を有する場合があります。別途マイクロソフトのライセンス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの
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© 2013 Microsoft Corporation. All rights reserved.
Microsoft、Active Directory、Azure、Excel、SharePoint、SQL Server、Windows、および Windows
Server は、米国 Microsoft Corporation およびその関連会社の商標です。
その他のすべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。
ページ 2
目次
新しいミッション クリティカル .....................................................................................................................5
組織的要件 ...........................................................................................................................................5
SQL Server .........................................................................................................................................6
データの可用性 ................................................................................................................................................................. 6
ミッション クリティカルなシステムの高可用性: SQL Server AlwaysOn.......................................................................... 6
オンライン データベース操作 ......................................................................................................................................................... 8
予測可能で効果的かつ柔軟なデータ バックアップ .................................................................................................................. 8
Windows Server との組み合わせによって提供される高度な機能............................................................................... 10
パフォーマンスおよびスケール............................................................................................................................................. 11
インメモリ オンライン トランザクション処理 (OLTP) ................................................................................................................ 11
インメモリ データ ウェアハウジング (DW): 列ストア インデックス ......................................................................................... 12
バッファー プール拡張 ................................................................................................................................................................... 13
クエリ処理の強化 ......................................................................................................................................................................... 13
プライベート クラウド ..................................................................................................................................................................... 13
第 1 層のパーティション分割: 最大 15,000 のパーティションへのスケール .................................................................... 14
実世界のアプリケーションのスケーラブルなテスト: 分散再生 ............................................................................................... 14
データベース サイズの削減とパフォーマンスの向上: データおよびバックアップの圧縮 ....................................................... 14
予防措置的なトラブルシューティングと診断: Performance Data Collector と Management Studio ....... 15
Windows Server との組み合わせによって提供される高度な機能............................................................................... 15
組織レベルのセキュリティおよびコンプライアンス ............................................................................................................... 16
既定でのセキュリティ: 脆弱性の削減 ...................................................................................................................................... 16
コンプライアンスのための組み込みツール: SQL Server 監査機能の強化 .................................................................... 17
行レベルでのデータへのアクセス制限: Label security ..................................................................................................... 17
運用中のデータへの制御されたアクセス: 高度なセキュリティ............................................................................................... 17
データへの制御されたアクセス: ユーザー定義のサーバー ロール ......................................................................................... 18
ページ 3
バックアップの暗号化 .................................................................................................................................................................... 18
ビジネス インテリジェンス ツールでのデータへの制御されたアクセス: Microsoft SharePoint および Microsoft
Active Directory ..................................................................................................................................................................... 18
複雑なデータ型のサポート............................................................................................................................................... 18
複雑なデータ型のサポートによる非構造化データの活用 ..................................................................................................... 18
非構造化データの高可用性 ..................................................................................................................................................... 19
Hadoop コネクタを介したビッグ データへのシームレスな接続および分析 ........................................................................ 19
優れた相互運用性によって実現するさまざまなプラットフォームへのシームレスな接続 .................................................... 19
ミッション クリティカルな機能のコスト比較 ............................................................................................ 20
基盤の違い...................................................................................................................................................................... 20
オプションに関する理解.................................................................................................................................................... 21
結論 .................................................................................................................................................... 23
ページ 4
新しいミッション クリティカル
今日の世界が急速にデジタル化し、仮想トランザクションおよびエクスペリエンスが日常的になるにつれ、あらゆる場所で増
大を続けるデータは、想像しうる限りのデバイス、アプリケーション、およびプロセスに影響を与えています。単一のタイム ゾー
ンや地域で標準の営業時間内にだけサービスを提供すれば十分だった時代は終わりを迎えつつあります。今日、インター
ネットの活用から最高の効率性と顧客満足度の確立を目的とした複雑な運用の追跡まで、多様な手段でサービスは中
断することなく顧客に提供されています。"メンテナンス期間" という概念はシステムの保守およびアップグレードを行う機会で
はなくなりましたが、このような必要なアクティビティが現在、新しい問題となっています。顧客は、オフィスや自宅などの場所
に制限されることなく継続的なサービスと必要な情報およびエクスペリエンスへのアクセスを求めています。ミッション クリティカ
ルな応答は、第 1 層のシステムを購入および保守するコストを賄うことのできる小数の企業だけのものではなくなりました。
さらに、データの増大は従来のデータ型の枠を超えて広がっています。IT アナリスト企業のガートナーによると、世界中の
データの総量は毎年 59% 増加しています。さらに、70 ~ 85% のデータは未構造化データであると推定されています
1
。構造化データから複雑な未構造化データへの急速なシフトにより、ミッション クリティカルな機能をサポートするのと同じレ
ベルで複雑なデータ型および新しいデータ ソース (ビッグ データなど) をサポートするバックエンド ソリューションの必要性が
増大しています。
現在、IT 組織は、限られた予算と厳しいコンプライアンス ポリシーの中でデータ増大の影響とグローバルなビジネス拡張の
バランスを取る必要があります。この課題は、地理的な境界を超えて厳しさを増す規制に準拠しながら、最高レベルのアッ
プタイムを実現することによって対応しなければなりません。組織には、展開が容易で問題解決までの時間を短縮できる
ミッション クリティカルなシステムがこれまで以上に求められています。
組織的要件
今日のデジタルの世界では、これまで高価な第 1 層システムを購入できる小数の企業だけのものであったミッション クリティカ
ルな機能に対する需要に対応する必要があります。ミッション クリティカルな機能は、以下の領域において求められています。

データの可用性: 高い可用性とすばやいフェールオーバーを備え、信頼性の高いバックアップを提供し、低い総保有コ
スト (TCO) で容易な構成、保守、および監視を行うことのできるソリューション。

パフォーマンスおよびスケール: 増加するデータを処理できるスケーラブルなシステムによってサポートされたサーバー ア
クティビティ (複雑なクエリ、データ統合、および分析) 全体における主要で予測可能なパフォーマンス。
1
出典: ガートナー シンポジウム プレゼンテーション「Information Management Goes 'Extreme': The Biggest
Challenges for 21st-Century CIOs」Mark Beyer 氏、2011 年 10 月。
ページ 5

セキュリティ: 厳格なコンプライアンス ポリシーへの準拠を目的としてリスク削減のために使いやすい組み込みのツール
およびデータへの制御されたアクセスと組み合わされた本質的にセキュアなデータベース ソフトウェアを含むクリーンなソ
リューション。

複雑なデータ型のサポート: 異種プラットフォームおよび環境のサポートに加え、増大を続ける大量の複雑なデータ型
および新しいデータ ソースのサポート。
SQL Server
SQL Server は、組織で必要とされるアップタイムとパフォーマンスを低い TOC で提供し、組み込みのエンタープライズ レ
ベルのセキュリティおよび実質的にすべてのタイプのデータのサポートを実現することによって、ミッション クリティカルなプラット
フォームにおける新しい基準を示します。
データの可用性
ミッション クリティカルなシステムの高可用性: SQL Server AlwaysOn
以前のバージョンと同様に、SQL Server 2014 は高い管理性を提供します。しかし、その優れた機能は、強化された高
可用性ソリューションである AlwaysOn によって実現する高度なユーザー エクスペリエンスによってさらに向上しています。
この統合された高可用性および障害回復ソリューションは、1 つのデータセンター内だけでなく、複数のデータセンターにわた
る冗長性を提供し、計画されたダウンタイムおよび計画外のダウンタイムにおけるアプリケーションのすばやいフェールオーバー
を可能にします。AlwaysOn は、多くの新機能を単一のソリューションとして提供します。
ページ 6
図 1: 統合された高可用性ソリューション
SQL Server の AlwaysOn 可用性グループは、データベース ミラーリングに関するエンタープライズ レベルの代替策
を提供する高可用性および障害回復ソリューションです。可用性グループは、データベース グループの自動および手動
フェールオーバー、最大 8 つのセカンダリ プライマリ (「セカンダリ」)、アプリケーションのすばやいフェールオーバー、および自動
ページ修復などの多くのオプションが統合されたセットです。それぞれの可用性グループは、可用性データベースと呼ばれる
ユーザー データベースの個別のセットのコンテナです (可用性データベースは一緒にフェールオーバーします)。1 つの可用
性グループには、必要な数だけのフェールオーバー ターゲット (セカンダリ レプリカ) を設定できます。さらに、セカンダリ レプリ
カを構成して、セカンダリ データベースへの読み取り専用アクセスのサポートおよびセカンダリ データベースのバックアップを容
易に実現することができます。可用性グループの機能が追加されたことにより、フェールオーバー クラスター インスタンスを展
開する際における記憶域ネットワーク (SAN) やネットワーク接続ストレージ (NAS) などの共有ディスク ストレージの要件
が不要になります。
SQL Server AlwaysOn フェールオーバー クラスター インスタンス: SQL Server フェールオーバー クラスター構成
を強化し、複数のサブネットにわたるマルチサイト クラスター構成をサポートするので、複数のデータセンターにわたる SQL
Server インスタンスのフェールオーバーを実現できます。インスタンスの高速で予測可能なフェールオーバーは、もう 1 つの
主要な利点で、アプリケーションのすばやい回復を保証します。Windows Server クラスター共有ボリュームをサポートす
ページ 7
る AlwaysOn は、記憶域フェールオーバーの弾性の強化および SAN でのドライブ文字の制限の回避を実現し、SAN
記憶域の使用と管理をさらに向上させます。
SQL Server AlwaysOn が提供する複数のアクティブなセカンダリ: レポート クエリの実行で最大 8 つのセカンダリ
インスタンスを使用してレプリケーションよりもはるかに高速な処理が実現し、ネットワーク障害時でもバックアップ操作が可
能になるので、アイドル状態のハードウェアを別の目的で使用してリソース活用が向上します。また、プライマリとセカンダリが
リソースを奪い合うこともなくなるので、プライマリとセカンダリの両方のワークロードのパフォーマンスも劇的に向上します。
SQL Server AlwaysOn 可用性グループ リスナー: 複数のサブネットを使用するセカンダリの AlwaysOn に対し
て、これまでよりもすばやいフェールオーバーをクライアント接続で実現します。現在、クライアント アプリケーションは、単一の
サブネット内のフェールオーバーの場合と同様にすばやく(最大 64 の) サブネットにわたるフェールオーバーを行うことができま
す。一方で、アプリケーション内から (読み取り/書き込みではなく) 読み取り専用接続を行う機能によって、高可用性サー
バー上で実行するワークロードのタイプを制御することが可能になるので、リソースを効率的に管理できます。
Windows Azure バーチャル マシンでの SQL Server AlwaysOn: Add Azure Replica ウィザードを使用し
て、セカンダリ レプリカを Windows Azure バーチャル マシンに追加できます。このレプリカは、障害復旧、レポート、およ
びバックアップに使用できます。この構成では AlwaysOn セカンダリ用のハードウェアを購入する必要がないので、資本経
費を削減することができます。
オンライン データベース操作
これまでと同様に、SQL Server では、リソースを集中的に使用する操作において高可用性を実現できます。たとえば、
単一のパーティションでオンライン インデックスを再構築する機能を使用すると、データベースへの継続的なアクセスが必要
な場合にパーティション レベルでの制御を行うことができます。このアプローチでは、必要となるリソース (CPU およびメモリ)
が少なくなるので、インデックスの再構築の影響を最小限に抑えることができます。特に、テーブルをロックするための優先順
位を管理する機能によって、テーブルのロックを妨げるプロセスを中断するかどうかを指定することが可能になるので、テーブ
ルの切り替えからオンラインでのインデックス再構築まで、実行中のトランザクションにおける保守操作の影響を細かく制御
するために役立ちます。
予測可能で効果的かつ柔軟なデータ バックアップ
Recovery Advisor では、データベース管理者が SQL Server Management Studio を使用してデータベースを復
元できる方法が大幅に強化されています。SQL Server は、さまざまなバックアップ タイプを提供するので、ある時点にお
ける適切な復元シーケンスを作成には注意が必要です。このプロセスを効率化するために、データベース管理者は SQL
Server Recovery Advisor を使用して、予測可能で最適な復元シーケンスを作成できます。
ページ 8
このツールには、データベースのバックアップ履歴と使用可能な時点を示す視覚的なタイムライン、特定の時点にデータベー
スを復元するバックアップ メディアの適切なセットを判断するプロセスを合理化するアルゴリズム、そしてデータベースのページ
レベルの復元を行う SQL Server Management Studio のページ復元ダイアログ ボックスが含まれます。
Azure へのバックアップ
SQL Server では、Windows Azure BLOB サービスに直接バックアップを作成し、BLOB サービスから直接復元でき
ます。この機能を使用して、オンプレミス インスタンスの SQL Server データベースまたは Windows Azure バーチャル
マシンなどのホストされた環境で実行する SQL Server のインスタンスをバックアップできます。クラウドへのバックアップに
は、可用性、地理的にレプリケートされた無制限のオフサイト記憶域、クラウドとの容易なデータ転送などの利点がありま
す。柔軟で信頼性の高い無制限のオフサイト記憶域を使用することにより、バックアップを確立するための優れたメカニズム
を利用できるだけでなく、コスト効果に加えて、ハードウェアを管理するためのオーバーヘッドも本質的にゼロになります。
スマートなバックアップ
Windows Azure へのバックアップの基盤上に構築された SQL Server のスマート バックアップ機能は、Windows
Azure ストレージへの自動バックアップ ポリシーを提供します。このバックアップ ポリシーはコンテキスト対応 (ワークロードお
よびスロットリングに適応) で、最小の構成の使用 (保有期間の設定など) を使用するという特長に加えて、データベース
インスタンス全体または特定のデータベースのバックアップを管理するという利点があります。
Windows Azure バーチャル マシンへのデータベースの展開
SQL Server には、データベースを Windows Azure バーチャル マシンで実行する別の SQL Server インスタンスに
展開するためのウィザードが搭載されています。複雑な要素は完全に自動化され、Windows Azure に関する深い知識
は不要です。また、展開時間を定義するための主な要因はデータベース サイズそのものなので、この操作にはパフォーマン
スのオーバーヘッドがありません。
SQL Server と Windows Azure ストレージの統合
SQL Server は、Windows Azure blob に保存されたデータベース ファイルをネイティブにサポートします。このサポート
は、オンプレミスの SQL Server データベースを Windows Azure 環境に移行し、クラウド内のデーターベースへの増分
パスを提供するための第一歩です。この機能は、データ回復なしの迅速な障害回復、暗号化キーをオンプレミスに保存し
た状態でのクラウドにおけるデータ暗号化などのシナリオを可能にします。また、アプリケーションの変更なしに一度に 1 つの
データベースを移動することもできます。
ページ 9
Windows Server との組み合わせによって提供される高度な機能
Windows Server Core のサポート
SQL Server は、フットプリントが最小の Windows Server エディションである Windows Server Core でサポートさ
れています。Windows Server Core では必要な保守労力と OS 修正プログラムが少ないので、Windows Server
Core で SQL Server を実行すると計画されたダウンタイムが大幅に減少します。修正プログラムの適用と OS 再起動
は、特定の環境において最大 50% ~ 60% 減少します (有効なサーバーの役割および適用する修正プログラムの種
類により異なります)2。
Windows Server ReFS のサポート
SQL Server は、Windows Server ReFS (Resilient File System) の使用をサポートし、最大の可用性、スケーラビ
リティ、および整合性を提供します。ReFS を使用すると、コスト効果の高いプラットフォームを実現して、(ソフトウェア障害であ
るかハードウェア障害であるかに関係なく) 破損に対する復元を提供することによって、データ可用性の最大化、多様なワーク
ロードにわたる非常に大きいデータ セットへの効果的なスケール、およびデータ整合性の保証を行うことができます。
高速なライブ マイグレーション
Windows Server では、必要な数の SQL Server 仮想マシンを同時に移行できるので、計画されたダウンタイムを減
少させながら SQL Server の可用性を維持できます。 (優先順位の設定を使用して) 多くの SQL Server 仮想マシ
ンをクラスター環境に移行することが可能で、最大 10 GB のネットワーク帯域幅を使用できるので、高速なライブ マイグ
レーションは計画されたダウンタイムの削減にも役立ちます。
クラスター化されていない仮想マシンのライブ マイグレーション
Windows Server では、一元的に共有された仮想マシン記憶域シナリオと共有されていない仮想マシン記憶域シナリ
オの両方で非クラスター環境の SQL Server 仮想マシンのライブ マイグレーションが可能なので、計画されたダウンタイム
中の可用性を維持しながら、仮想化された環境での SQL Server 展開のコストと複雑性を削減できます。
クラスター対応更新
クラスター対応更新では、可用性を維持しながら、更新プログラムをホスト オペレーティング システムまたはクラスター化され
た SQL Server 環境内のその他のシステム コンポーネントに自動的に適用できます。このアプローチを使用すると、仮想
環境と非仮想環境の両方で更新処理中の SQL Server の可用性を大幅に向上させることができます。
2
出典: 「Why Is Server Core Useful」Microsoft TechNet (http://technet.microsoft.com/en-
us/library/dd184076.aspx)
ページ 10
2013 年 5 月 15 日公開
動的クォーラム
Windows Server フェールオーバー クラスタリングの動的クォーラムは、システムの継続的な稼働に必要なクォーラム投
票の数を SQL Server AlwaysOn クラスターで動的に調整することを可能にします。この調整によって、セットアップが最
大 80% 簡素化されます。また、実行中のクラスターを維持したまま必要に応じてクォーラムを再計算することができるの
で、仮想環境と非仮想環境の両方でのフェールオーバー シナリオにおける SQL Server クラスターの可用性を向上させる
ことも可能です。
パフォーマンスおよびスケール
インメモリ オンライン トランザクション処理 (OLTP)
SQL Server のインメモリ テクノロジは、SQL オンライン トランザクション処理 (OLTP) 機能のスループットおよび待機時
間を劇的に向上させます。このテクノロジは、最も要求の高いトランザクション処理アプリケーションの要件を満たすために設
計され、そのような利点を実現するためにマイクロソフトは、多くの企業と緊密に協力しました。インメモリ OLTP は、以下の
アーキテクチャの原則に従って設計されています。

メイン メモリ データ アクセス向けの最適化: 記憶域用に最適化されたエンジン (SQL Server に搭載されている現
在の OLTP など) は、アクセスの頻度に基づいてメイン メモリ バッファー プール内のホット データを維持します。しかし、
データ アクセスおよび操作機能は、データが任意のポイントでディスクに対してページ インまたはページ アウトされる可能
性があるという視点に基づいて構築されています。インメモリ OLTP では、アプリケーションで最も多くのトランザクションを
処理する部分で使用されるテーブルをメモリ用に最適化されたメイン メモリ構造に配置します。残りのアプリケーション
テーブル (参照データ詳細や履歴データなど) は記憶域用に最適化された従来の構造に残ります。このアプローチで
は、複数のデータ エンジンを管理する必要なく、メモリ使用のためにホットスポットを最適化できます。インメモリ OLTP
のメイン メモリ構造は、データベース システムに求められる完全な原子性、一貫性、分離性、持続性 (ACID) プロパ
ティを引き続き提供しながら、記憶域用に最適化されたビューのオーバーヘッドおよび間接を排除します。

AMR (分析、移行、レポート) ツール: インメモリ OLTP の利点を活用するための適切なテーブルを識別するため
に、インメモリ OLTP への移行を支援する新しい AMR (分析、移行、レポート) ツールが SQL Server 2014
Management Studio に統合されています。このツールは、SQL Server の既存のデータ コレクション フレーム
ワークおよび管理データ ウェアハウス レポートのセットを活用する一連のデータ コレクターのセットで構成されています。
レポートは、全体的なパフォーマンスを向上させるためにインメモリ OLTP に推奨されるテーブルまたはストアド プロシー
ジャのセットを提供します。

ビジネス ロジック処理の高速化: インメモリ OLTP では、T-SQL に格納されているプロシージャのクエリおよびロジッ
クが、コンパイル時に適用されるアグレッシブな最適化によってマシン コードに直接コンパイルされます。その結果、ネイ
ティブ コードの速度でストアド プロシージャを実行できます。

スムーズなスケールアップの提供: インメモリ OLTP は、データの一貫性を確立する正しいトランザクション セマンティ
クスを保証しながら、従来のロックとラッチを排除するために高度にスケーラブルな同時制御メカニズムを実装し、ロック
なしの一連のデータ構造を使用します。
ページ 11

SQL Server への組み込み: インメモリ OLTP で最も特筆すべきことは、個別のデータ管理製品や新しいプログラ
ミング モデルを必要とせずにトランザクション処理機能に画期的な機能向上がもたらされる点です。
インメモリ データ ウェアハウジング (DW): 列ストア インデックス
SQL Server は、インメモリ列ストア テクノロジをデータベース エンジンに導入する列ストア インデックスによって真の列スト
アを持つ最初の主要な汎用データベース システムになりました。列ストア インデックスは、Analysis Services で開発さ
れ PowerPivot の基盤となった VertiPaq テクノロジをバッチ処理と呼ばれる新しいクエリ実行パラダイム と組み合わせ
て、一般的なデータ ウェアハウス クエリの速度を大幅に向上させます。スター結合および同様のクエリのテスト シナリオで
は、以前のバージョンの SQL Server より最大 100 倍高速の向上が実現しました。
図 2: 列ストア インデックス インメモリ単票形式記憶域
列ストア インデックスは、既存の行レベル テーブルの上に構築されていて、インデックスを特定の列に配置するデータの
ビューを提供します。その結果、必要な列だけに基づいてデータが変換され、このビューが保存されるので、パフォーマンスが
劇的に向上します。パフォーマンス向上のレベルは、データおよびクエリの種類により異なります。
データベース管理者は、クラスター化された列ストア インデックスをオンラインで更新できるので、インデックスを破棄して再作
成する必要なく、リアルタイムのデータ ウェアハウス クエリに対応できます。ディスク容量を節約するために、
COLUMNSTORE_ARCHIVE という新しいオプションを適用して、高い圧縮および最大 90% の記憶域容量の節約を
達成できます。行モードではなくバッチ モードを使用する場合 (メモリの消費は大きくなりますが)、グローバル バッチ集計の
向上によってパフォーマンスが向上し、バッチ クエリ プランがさらに効率化されます。
ページ 12
バッファー プール拡張
SQL Server では、SSD (ソリッド ステート ドライブ) などのデバイスを使用してディスクやデータの損失なしに
SQL Server メモリ負荷を削減できるので、クエリ パフォーマンスが向上します。構成はシンプルですが、クエリ パフォーマン
スを大きく向上させることができます。
クエリ処理の強化
新しい基数推定
基数推定機能によってクエリ処理が向上し、以下の利点が提供されます。

予測可能な一貫したクエリ パフォーマンス: 同じリレーションを表す複数の異なる演算子ツリーでは、同じ基数推定
が使用されます。

パフォーマンス向上を目的とした新しいモデル: モデルが大幅に変更された結果、基数推定の精度およびプラン選択
が向上しました。

容易なサポート: クエリ処理は、意思決定と実行の 2 つのステップに分割されます。また、トラブルシューティングの効
率化に役立つトレース出力を生成します。
統計の早期の無効化
統計の自動更新をトリガーするための向上により、SQL Server 2014 では早い段階で統計が無効化されるので、これ
までよりも優れたクエリ結果が得られます。無効化のしきい値が単一のパーティションの 20% に設定されているので、以前
のバージョンよりもすばやく頻度の高い統計の更新が可能です。
並列 SELECT INTO
SELECT INTO 操作でテーブルへのデータ挿入を並列実行できるので、データ読み込みが大幅に高速化されました。
プライベート クラウド
リソース ガバナーの強化
リソース ガバナーを使用すると、複数の異なる SQL Server アプリケーションおよびプライベート クラウド内での同時実行
および混合ワークロードの一貫したパフォーマンスをさらに強化できます。データベース管理者は、指定した CPU、メモリ、お
よび I/O リソースでどのワークロードがどれだけのパフォーマンスを使用できるかを定義できます。SQL Server のリソース ガ
バナーは、最大 64 のリソース プール、CPU、メモリ、および毎秒あたりの I/O 操作 (IOPS) での最小および最大容量
設定の使用、およびリソース プールと CPU スケジューラーおよび NUMA (Non-Uniform Memory Access) ノードと
の親和性でパフォーマンス スケールを実現します。I/O リソースのガバナンスにより、管理者は、リソース ガバナーのリソース
プールにボリュームごとの最大および最小の IOPS の設定を追加して、ユーザーの物理 I/O を制御できます。
ページ 13
SQL Server の Sysprep
SQL Server は、SQL Server Sysprep を介してバーチャル マシン テンプレートの準備をサポートします。管理者は、
目的の機能を備えたイメージを準備して、プライベートおよびパブリック クラウド環境に展開できます。SQL Server の
Sysprep は、SQL Server データベース エンジン、SQL Server Reporting Services、SQL Server Analysis
Services、SQL Server Integration Services、および共有機能をサポートします。クラスター サポートが追加された
ことで、さまざまなイメージ準備シナリオで SQL Server Sysprep を使用できるようになりました。
第 1 層のパーティション分割: 最大 15,000 のパーティションへのスケール
SQL Server は、最大 15,000 のテーブル パーティションをサポートします。このサポートによって大規模なスライディング
ウィンドウが実現し、毎日または毎時間のパーティションで大量のデータのスナップショットを取得する SAP などのアプリケー
ションで新しいデータを入れるために古いデータが “押し出される” までのデータ保持期間を大幅に拡張できるので、このよ
うな大量のデータの管理が容易になります。管理者は、この機能を使用して、データ ウェアハウスのニーズに応じてデータを
切り替える必要のあるファイル グループ内での大規模なデータ セットの管理を効率化することもできます。
実世界のアプリケーションのスケーラブルなテスト: 分散再生
多くの組織は、実世界のアプリケーション負荷をテスト環境内のアプリケーションに適用する方法を必要としています。これま
で、SQL Server Profiler を使用することができましたが、単一のコンピューターのワークロードのシミュレーションだけが可
能でした。この制限によって、大規模なワークロードのシミュレーションをテストすることは困難でした。
分散再生は、アプリケーションのテストを簡素化して、アプリケーションの変更、構成の変更、およびアップグレードに伴うエ
ラーを最小限に抑えるために役立ちます。このマルチスレッドの再生ユーティリティでは、アップグレードまたは構成変更後に
運用ワークロード シナリオをテストできるので、変更中のパフォーマンスを維持できます。さらに、SQL Server Upgrade
Assistant を使用すると、将来の SQL Server アップグレードの影響を評価できます。
データベース サイズの削減とパフォーマンスの向上: データおよびバックアップの圧縮
多くの組織では、多くのデータを特別なディスク アレイや SAN に保存してスピードと信頼性を向上させることが検討されて
いますが、ハイエンドのディスク リソースのコストが障害となるケースが少なくありません。SQL Server のバックアップおよび
データの圧縮では、データベースのサイズが劇的に減少するので容量を解放できます。データベースのサイズが減少すると、
パフォーマンスが向上します。ディスク容量が解放されるので、SAN に保存できる容量も増大します。SAN にデータを格
納することによって高い信頼性が得られるので、可用性も向上します。
さらに、SQL Server では、Unicode UCS-2 を使用した場合のデータ圧縮も可能なので、データ記憶域にグローバル
な言語セットがある場合でもデータ圧縮を活用できます。
ページ 14
予防措置的なトラブルシューティングと診断: Performance Data Collector と
Management Studio
組織では、最高のパフォーマンスを提供するために環境全体で予防措置的にシステムの正常性およびクエリの品質を管理
することが望れています。SQL Server は、組み込みの診断およびチューニング ツールのスイートを追加コストなしで提供
します。Performance Data Collector を使用すると、管理者は、ベースラインおよび履歴の比較を目的としてパフォー
マンス カウンター、動的な管理ビュー、SQL トレース、およびその他のリソースから SQL Server の診断を表示できます。
パフォーマンス データは、サーバー アクティビティ、ディスク使用率、クエリ アクティビティなどのトピックの組み込みレポートで表
示できます。さらに、SQL Server Profiler を使用して、サーバー イベントをキャプチャしてリアルタイムの診断を行うこと
や、トレースをパフォーマンス カウンターに関連付けてイベントおよび診断の問題を分析することができます。サーバー状態
情報をリレーする動的管理ビューおよび関数を使用して、サーバー インスタンスの正常性の監視、問題の診断、およびパ
フォーマンスのチューニングを行うことができます。データベース エンジン チューニング アドバイザーを使用すると、データベース
の構造や SQL Server の内部処理に関する専門的知識を必要とせずにインデックス、インデックス ビュー、およびパーティ
ションの最適なセットを選択および作成できます。チューニングするデータベースを選択するだけでデータベース エンジン
チューニング アドバイザーによってインデックス処理およびパーティション分割の推奨計画が生成されます。
Windows Server との組み合わせによって提供される高度な機能
大容量の仮想マシン
Windows Server の大容量の仮想プロセッサおよびメモリは、SQL Server を使用してミッション クリティカルなワーク
ロードを仮想環境に展開することを可能にします。SQL Server 仮想マシンは、最大 64 の仮想プロセッサおよび 1 TB
のメモリを使用できます。さらに、最大 640 の論理プロセッサおよび 4 TB のメモリがサポートされるので、ミッション クリティ
カルな SQL Server ワークロードを非仮想化環境に展開することも可能です。
高密度の仮想マシン クラスター
Windows Server と組み合わせて使用する場合、SQL Server は、仮想環境での展開を目的とした高いクラスター
密度を実現でき、1 つのクラスターに最大 8,000 の SQL Server 仮想マシンを構成できます。
高スケールのクラスター
Windows Server 2012 では、最大 64 ノードの SQL Server クラスターのサポートによって高いクラスター スケーラビ
リティが提供されます。これは、以前のバージョンの Windows Server でサポートされる 4 倍の数です。この容量拡大に
よって、スケーラビリティの強化、構成および管理の向上、仮想環境および非仮想環境での大規模な SQL Server クラ
スターの保守の簡素化など、多くの利点が生まれます。
ページ 15
サービスのネットワーク品質
Windows Server のサービスの品質 (QoS) は、ネットワーク帯域幅を SQL Server サービスのネットワーク アダプター
(仮想マシン、記憶域、ライブ マイグレーション、クラスター共有ボリュームなど) に適用することを可能にします。この機能
は、ネットワーク トラフィックを単一のネットワーク アダプターに集約することによって資本経費および運用経費を削減するた
めに役立ちます。
ネットワーク インターフェイス カード チーミング
Windows Server のネットワーク インターフェイス カード (NIC) チーミングを使用して負荷分散用に複数の NIC を構
成すると、SQL Server ネットワーク トラフィックの帯域幅を拡大できます。さらに、ハードウェア フェールオーバー用に複数
の NIC を構成すると、仮想環境および非仮想環境での SQL Server の可用性を維持できます。
サーバー メッセージ ブロックのサポート
SQL Server を Windows Server 上で実行すると、サーバー メッセージ ブロック (SMB) ファイル サーバー機能を
SQL Server で活用できます。SQL Server は、業界標準のネットワーク アダプター上で SMB ダイレクトおよび SMB
マルチチャネルを使用するリモート共有フォルダーにデータ ファイルを格納できます。この機能によって、仮想環境および非仮
想環境での SQL Server 展開におけるコードの削減、可用性の向上、パフォーマンスの向上などの大きな記憶域の利
点が生まれます。
仮想マシンのファイバー チャネルのサポート
NPIV (N_Port ID Virtualization)、仮想 SAN、およびマルチパス IO (MPIO) をサポートするために SQL Server
仮想マシンをファイバー チャネルに直接接続して、継続的な接続を保証できます。この機能向上によって、仮想環境での
SQL Server 展開における記憶域の容量、記憶域の互換性、および全体的なパフォーマンスが向上します。
記憶域プール
非仮想環境での SQL Server 展開に業界標準の記憶域を使用することによってコストを削減し、場合によっては高価
な SAN ソリューションを置き換えることができます。記憶域プールは、弾性の高い記憶域 (ミラーリングとパリティ) およびマ
ルチテナント分離 (ACL) によって SQL Server 記憶域の柔軟性を向上させることができます。
組織レベルのセキュリティおよびコンプライアンス
既定でのセキュリティ: 脆弱性の削減
マイクロソフトと SQL Server チームは、セキュリティを重視しています。マイクロソフトは 10 年以上も前に信頼できるコン
ピューティング イニシアチブを提唱しました。このイニシアチブの下、SQL Server のエンジニアは、セキュリティに関する定期
的なトレーニングを受け、所属するグループに関係なくセキュリティに関する責任を担ってきました。セキュリティとプライバシー
の保護を目的としたこの企業全体の原則は、既定でセキュリティ保護されたソフトウェアを作成し、セキュリティに関連する
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全体的なリスクを既定で削減するために開発されました。その結果、SQL Server は主要なデータベース ベンダーの中で
セキュリティの脆弱性が最も少ないという評価を米国標準技術局 (NIST) の公共保障委員会から得ています。さらに、
SQL Server は、米国情報技術工業協議会(ITIC) からも “最も安全なデータベース” と評価されています3。
コンプライアンスのための組み込みツール: SQL Server 監査機能の強化
SQL Server には、監査を容易にするためにデータベース監査が組み込まれているので、パフォーマンスへの影響を最小
限に抑えながら、データベース読み取りなどのデータベース アクティビティを監視できます。コンプライアンス ポリシーの厳しさ
が増す今日、以下のような組み込み機能を活用できます。

SQL Audit (すべてのエディション): Enterprise エディションに搭載されている SQL Server Audit の利点をす
べての SQL Server エディションに拡張できます。その結果、すべての SQL Server データベースにわたる厳密な監
査が可能になり、標準化、パフォーマンスの向上、およびリッチな機能が実現します。

ユーザー定義の監査: 中間層アプリケーションがカスタム イベントを監査ログに書き込むことを許可して、監査情報を
保存するための柔軟性を向上させることができます。

監査フィルター: 監査ログ内の不要なイベントをフィルターする高い柔軟性を提供します。

監査の弾性: 監査データを一時ファイルから復元できるので、フェールオーバー中でも監査ログが失われることはありま
せん。
行レベルでのデータへのアクセス制限: Label security
多くの業界および政府機関では、許可された人物以外がデータにアクセスすることを防止するために行およびセル レベルで
データ アクセスを制限する機能が求められています。SQL Server では、マイクロソフトが提供する無償の SQL Server
Label Security ツールキットを使用して、このセキュリティに対する詳細なアプローチを確立できます。このツールキットは、
クリティカルなシナリオのサポートやデータベース環境内のニッチをサポートするために使用できます。有償のアドオンを購入す
る必要はありません。このツールキットはマイクロソフトのエンジニアによって開発および保守されていて、
http:///sqlserverlst.codeplex.com から入手できます。
運用中のデータへの制御されたアクセス: 高度なセキュリティ
SQL Server では、ディスクへの保存時にデータを暗号化し、メモリへの読み取り時に暗号化を解除することができます。
したがって、データを保護するために SQL Server 用のアプリケーションを変更する必要はありません。暗号化はデータベー
ス エンジンに組み込まれているので、その処理はアプリケーションおよびユーザーには透過的です。この機能は、
SQL Server Enterprise エディションに搭載されています。バックアップ データも自動的に暗号化されるので、データベー
スのバックアップも保護されます。
3
出典: Information Technology Intelligence Corp. (ITIC)「SQL Server Delivers Industry-Leading
Security」、2012 年 9 月
ページ 17
さらに、拡張キー管理は、データベースの外部に暗号化キーを保存するために透過的なデータ暗号化と連動します。拡張
キー管理では、ハードウェア デバイスまたはサードパーティ製暗号化ツールで暗号化キーを作成することが可能です。暗号
化されたデータと別にキーを保存することによって、不正なユーザーが暗号化されたデータにアクセスすることを防止できま
す。
データへの制御されたアクセス: ユーザー定義のサーバー ロール
ユーザー定義のサーバー ロールによって柔軟性と管理性が向上し、明示的な職掌分散を介したコンプライアンスが促進さ
れます。組織のニーズに合わせて役割ベースで管理職掌を分散するサーバー ロールを作成できます。ロールはネストして、
組織内の改装構造に柔軟にマッピングできます。ユーザー定義のサーバー ロールでは、データベース管理に sysadmin を
使用することも禁止できます。たとえば、ユーザー データへのアクセスが禁止され一般的なデータベース管理タスクだけを実
行できる特別なデータベース管理の役割を作成できます。
バックアップの暗号化
暗号化は、データのセキュリティを強化するための正攻法です。バックアップの暗号化は、インスタンスとは別の場所 (または
環境) に保存されるバックアップのセキュリティを向上させるための方法です。バックアップ用の個別の暗号化設定では、デー
タベースの暗号化とは異なる暗号化をバックアップ用に構成できます。データベースが暗号化されていない場合、バックアッ
プの圧縮を暗号化と効果的に組み合わせて使用し、セキュリティの向上だけでなく、記憶域と転送コストの削減も実現で
きます。
ビジネス インテリジェンス ツールでのデータへの制御されたアクセス: Microsoft SharePoint
および Microsoft Active Directory
広範なユーザーが使用できるビジネス インテリジェンス ツールが提供されるようになった今日、セキュリティが侵害された場
合の影響が拡大する可能性が高まり、セキュリティの懸念が増大しました。SQL Server では、SharePoint で公開およ
び共有されるエンドユーザー レポート用の新しい SharePoint および Active Directory セキュリティ モデルを始めとす
る組み込みの IT 制御でエンドユーザー データの分析を保護できます。セキュリティ モデルが強化された結果、行および列
レベルでの制御が可能になりました。
複雑なデータ型のサポート
複雑なデータ型のサポートによる非構造化データの活用
構造化データから非構造化データへの劇的なシフトによって、新しいミッション クリティカルでは、複雑なデータ型を追加のコ
ストと労力を伴うアドオンではなく組み込みで活用できる必要があります。SQL Server は、FILESTREAM、リモート
Blob ストレージ、および空間のサポートで増大する種類および大量の複雑なデータをサポートします。これは、リレーショナ
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ル機能を越えた既存堅牢な組み込みの基盤の上に構築された機能強化です。このサポートにより、多額の追加コストを
必要とせずにリッチで革新的なアプリケーションを作成できます。
SQL Server ファイルテーブルは FILESTREAM に構築され、Win32 名前空間サポートおよびアプリケーション機能を
SQL Server に格納されたファイル データで活用することを可能にします。多くのアプリケーションのデータは、非構造化
(ドキュメント、メディア ファイル、およびファイル サーバー内のその他の非構造化データ) および構造化 (リレーショナル シス
テム内の関連付けられ構造化されたメタデータ) という 2 つの世界に格納されます。現在 Win32 アプリケーションを実行
するサーバー上にファイルを保存している場合、ファイルテーブルは、2 つの異なるシステムを維持して同期するための労力
を削減しながら、2 つの世界が提供する可能性を大きく開きます。
非構造化データの高可用性
SQL Server では、複雑なデータ型は、一般的なデータ型と同様に処理されます。FILESTREAM を使用して、複雑な
データをデータベースの一部である場合と同様にさまざまな方法で格納および管理できます。さらに、SQL Server
AlwaysOn では、リモート Blob ストレージおよびファイルテーブルを活用する場合でも、FILESTREAM を介して管理さ
れる複雑なデータの高い可用性も実現します。
Hadoop コネクタを介したビッグ データへのシームレスな接続および分析
SQL Server および SQL Server Parallel Data Warehouse のライセンスがある場合、SQL Server 用の
Hadoop コネクタおよび SQL Server Parallel Data Warehouse で実装されている Polybase を使用できます。こ
れらのコネクタを使用すると、SQL Server と Hadoop の間での双方向のデータ移動が可能になるので、構造化データ
と非構造化データの両方で効果的に作業できます。さらに、マイクロソフトが提供する優れたビジネス インテリジェンスを使
用して、Hadoop データ セットに対して分析を実行できます。ユーザーは、Microsoft Excel などの使い慣れた生産性
ツールおよび対話的な方法で分析を実行する
PowerPivot や Power View などの優れたビジネス インテリジェンス クライアントで Hadoop データ セットにアクセスし
て、マッシュアップを作成できます。
優れた相互運用性によって実現するさまざまなプラットフォームへのシームレスな接続
多くの組織では異種インフラストラクチャが保有および管理されているので、既存の投資を最大限に活用するための相互
運用が可能なツールおよびシステムが必要です。SQL Server では、インフラストラクチャを SQL Server および
Windows Azure SQL データベース アプリケーションに接続して異種環境を拡張し、さまざまなプラットフォームにわたって
業界標準の API のサポートを提供できます。SQL Server を使用することによって、レガシのミッション クリティカル ワーク
ロードを SQL Server データ プラットフォームで最新化して既存の投資を最大限に活用できます。
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図 3: 複数のプラットフォームおよび標準にわたる相互運用性
SQL Server との相互運用性には、以下の要素が含まれます。

Microsoft Driver for PHP for SQL Server: Windows プラットフォーム上に展開された PHP アプリケー
ション向けに信頼性が高くスケーラブルな SQL Server 統合を実現するために設計されています。

Connectivity for Java: エンタープライズ レベルの組織で Java アプリケーションから SQL サーバーへの高いセ
キュリティと可用性を備えた接続性を提供します。

Microsoft JDBC Driver for Linux and UNIX: Linux および UNIX への接続性を提供するので、レガ
シ プラットフォームでアプリケーションおよびワークロードを実行している組織が最小の労力で SQL Server に移行で
きます。
ミッション クリティカルな機能のコスト比較
テクノロジの世界では、“ミッション クリティカル” の意味を直感的に理解しているベンダーが、使いやすくコスト効果の高いソ
リューションを提供することが求められています。マイクロソフトは、このような要求に対して、データベース テクノロジに組み込
まれたエンタープライズ クラスのツールと機能を提供することによって応えています。追加コストを伴うアドオンを購入する必
要はありません。SQL Server は、動的なデジタルの世界を完全なものにするために、組織で必要とされているミッション
クリティカルな機能を提供します。このホワイト ペーパーで紹介したすべての機能は、SQL Server Enterprise エディショ
ンに含まれています。最新の完全なデータベース ソリューションを提供するために有償のオプションは必要ありません。
基盤の違い
多くのレガシ ベンダーは、制限された機能をプレミアム エディション製品で提供し、ミッション クリティカルな要件は追加オプ
ションまたは機能パックで提供しています。追加オプションには、セキュリティ機能、高可用性、パフォーマンス、および空間機
能などが含まれます。組織は進化しています。そして、ベンダーにとって、エンタープライズ クラスのセキュリティ機能、可用
性、パフォーマンス、および複雑なデータ型のサポートを提供することは必須条件となっています。
家を購入する場合に屋根、窓、そしてドアが見積もりに含まれているように、エンタープライズ クラスのデータベースには可用
性、パフォーマンス、およびセキュリティの機能が含まれていることが求められています。図 4 は、Microsoft SQL Server
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と Oracle Database という類似する 2 つのデータベースの違い、および同様の状態を確率するために必要な追加オプ
ションの費用を示しています。
家を購入する場合に屋根、窓、そしてドアが見積もりに含まれているように、エンタープライズ クラスのデータベースには可用
性、パフォーマンス、およびセキュリティの機能が含まれていることが求められています。図 4 は、Microsoft SQL Server
と Oracle Database という類似する 2 つのデータベースの違い、および同様の状態を確率するために必要な追加オプ
ションの費用を示しています。
オプションに関する理解
表 1 は、ミッション クリティカルなニーズを満たすために主要なデータベース管理システム (DBMS) ベンダーが提供している
オプションを示します。これまでオプションだった機能は、ミッション クリティカルな運用での新しい標準を満たすために必須と
なっています。オプションまたは機能パックを追加してミッション クリティカルのニーズを満した場合にデータベース ソリューション
の総コストが大きく変化することがわかります。
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表 1: マイクロソフトと Oracle が提供するミッション クリティカル ソリューションの比較
Microsoft SQL Server
Oracle データベース
(一部のオプションは示されていません)
Enterprise エディション
$27,496
$95,000
組み込み機能として提供
$10,000 (Active Data Guard)
コア ライセンス
(1 年間のサポートを含む)
データの可用性
合計 $20,000
パフォーマンスおよびスケール
組み込み機能として提供
$11,500 (Advanced Compression)
$23,000 (In-Memory Database Cache)
$11,500 (Partitioning)
$11,500 (Real Application Testing)
$5,000 (Diagnostics Pack)
$5,000 (Tuning Pack)
合計 $135,000
エンタープライズ セキュリティ
組み込み機能として提供
$11,500 (Advanced Security)
無償ダウンロード
$11,500 (Label Security)
合計 $46,000
複雑なデータ型のサポート
組み込み機能として提供
$17,500 (Spatial & Graph)
合計 $35,000
総コスト
$27,496
$331,000
注 マイクロソフトの価格は推定小売価格です。マイクロソフトおよび Oracle のすべての価格は、米国におけるプロセッサ
(クアッド コア Xeon プロセッサ) あたりのデータベース価格 (米ドル) です。価格はベンダーの Web サイトに記載されてい
る価格に基づきます。Oracle の価格は、Oracle Technology Global Price List (2013 年 3 月 15 日版)に基
づきます。IBM の価格は異なることがあります。
ミッション クリティカルなデータベース 機能に加えて、SQL Server Enterprise には、データ統合、データ管理、データ ク
レンジング、およびエンド ツー エンドのビジネス インテリジェンスに関する広範な機能が含まれていますガートナーの Magic
Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms4 では、マイクロソフトは、広範なエンドユーザー
の洞察および生産性の分野におけるリーダーと位置付けられています。また、スタンドアロンでも Microsoft SharePoint
との組み合わせでも機能する管理されたセルフサービス型ビジネス インテリジェンス ツールによる IT 管理とのバランスも高く
4
出典: Gartner、Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms、2013 年 2 月
5 日。
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評価されています。SQL Server は、業界をリードするこれらのビジネス インテリジェンス機能へのアクセスを提供します。
有償のアドオンは必要ありません。SQL Server では、ビジネス インテリジェンス ツールはコア Enterprise ライセンスに組
み込まれています。新しい Business Intelligence エディションでも提供されています。組み込みのデータ統合、管理、
およびクレンジング ツールもコスト削減に貢献します。これらのツールを使用すると、データ品質マネージャーは、SQL
Server Integration Services、Master Data Management、および Data Quality Services でデータを容易
にクレンジングおよび管理できます。その他のベンダーが提供する同様のビジネス インテリジェンスおよびデータ管理ツールの
場合、数千ドルの追加コストが発生することがあります。
結論
真のエンタープライズ クラスの可用性、パフォーマンス、およびセキュリティ機能が組み込まれた SQL Server は、ミッション
クリティカルな運用に新しい標準を確立します。統合された高可用性ソリューションは、高速なフェールオーバーと信頼性の
高いバックアップを実現します。さらに、このフェールオーバーとバックアップは、容易に構成、保守、および監視することができ
るので、TOC が大きく削減されます。また、SQL Server は、複雑なクエリ、データ統合、および分析を始めとするさまざま
なサーバー アクティビティで予測可能なパフォーマンスを提供するので、ミッション クリティカルなパフォーマンスとスケールも実
現します。SQL Server はセキュリティ標準に合わせて設計されているので、セキュリティ構成の対象は最小限で、データ
ベース ソフトウェアは本質的に従来よりもセキュアです。使いやすい組み込みのツールおよび制御されたデータ アクセスと組
み合わされたセキュリティ強化は、厳密なコンプライアンス ポリシーを満たすために役立ちます。SQL Server は複雑な
データ型および新しいデータ ソースをサポートし、これまでのデータ型およびデータ ソースと処理するので、さまざまなプラット
フォームおよび異種環境のシームレスなサポートが実現します。・最後に、SQL Server は、低い TCO でミッション クリ
ティカルな機能を提供します。完全なエンタープライズ機能は有償のアドオンではなく、ソリューションに組み込まれています。
最終的に、組織は、進化を続けるデジタル世界の需要を満たしながら、コストを節約してコンプライアンス要件を管理する
ために役立つ包括的な統合ソリューションを活用できます。
詳細情報: SQL Server の Web サイト (http://www.microsoft.com/jajp/sqlserver/2014/default.aspx) を参照してください。
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