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【東海4県が同時行政処分】 特定商取引法に違反する「みその訪問販売

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【東海4県が同時行政処分】 特定商取引法に違反する「みその訪問販売
インターネットでの情報提供
提供予定日
9月22日
※東海4県同時公表
平成24年9月21日(金) 県政記者クラブ配付資料
所
属
担 当 者
担 当 連 絡 先
環境生活政策課
消費生活係
直通 058-272-8204
内線 2389
桑原 秀幸
【東海4県が同時行政処分】
特定商取引法に違反する「みその訪問販売業者」に対して
業務停止命令(12か月)を行いました。
県は、下記の事業者に対し、平成24年9月21日付けで、特定商取引に関する法律(以下、
「特定商取引法」という。)の違反行為を認定し、特定商取引法第8条の規定に基づき業務停
止命令(12か月)を行いましたので公表します。
なお、今回の行政処分は、岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の東海4県が同時に実施する
ものです。
また、同社は、過去(平成20年11月27日付け)にも、事業者名の不明示、不実告知
等により同法に基づく業務停止命令3ヶ月の処分を受けています。
記
1 事業者の概要
(1)名
しんしゅう ふ じ
称 有限会社 信 州 富士
ふじた つねゆき
(2)代 表 者 取締役 藤田 毎 幸
な ご の
(3)所 在 地 名古屋市西区那古野一丁目7番12号
(4)設立年月日 平成13年7月3日
(5)資 本 金 300万円
(6)事 業 内 容 みその訪問販売
2 取引の概要
同社は、みその訪問販売に当たり、勧誘に先立って、名称を告げることなく「信州
からみそを売りに来た。
」
「前に買ってもらったみそ屋ですが。」とだけ告げ、みその購
入を勧誘したり、試食を勧めた上、「無添加である。」、「隣の人にも毎年買ってもらっ
ている。」等と不実のことを告げるなど問題のある勧誘行為を行っていました。
3 業務停止命令の内容
平成24年9月22日から平成25年9月21日までの12か月間、特定商取引法第8
条第1項に基づき、次の業務の停止を命令する。
① 訪問販売に係る売買契約の締結について勧誘すること。
② 訪問販売に係る売買契約の申込みを受けること。
③ 訪問販売に係る売買契約の締結をすること。
4 違法行為の概要
(1) 販売業者の名称の不明示(特定商取引法第3条)
同社は、訪問販売をしようとするとき、首から社員証を下げてはいたが「信州から
みそを売りに来た。」、「前に買ってもらったみそ屋ですが。」と声をかけるだけであり、
勧誘に先立って、販売業者の名称を明らかにしていない。
(2) 契約書面の不備記載(特定商取引法第5条2第2項)
同社が交付している法に定められた当該売買契約の内容を明らかにする書面には、次のと
おり不備があった。
ア 商品の商標又は製造者名が記載されていなかった。
イ クーリング・オフの記載について、
「妨害時の再通知」などが記載されていなかった。
ウ 書面の内容を十分に読むべき旨が赤枠の中に赤字で記載されていなかった。
(3) 不実告知(特定商取引法第6条第1項第1号、特定商取引法第6条第1項第7号)
同社は、訪問販売をしようとするとき、次のとおり事実とは異なる説明を行っている。
ア 当該商品が無添加ではないにも関わらず、消費者に対して「うちのみそは無添加です
よ。」と告げていた。
イ 隣人が実際は購入していないのに、「隣の人にも毎年買ってもらっていますよ。」と
告げたり、勧誘に際し、「前に買ってもらったみそ屋ですが。」と告げ、消費者が否定
すると「お嫁さんに買ってもらった。」と言い直していたが、実際は家族のうち誰も購
入していなかった。
(4) 迷惑勧誘(特定商取引法第7条第4号)
同社は、消費者が購入した当該商品について、クーリング・オフを通知し解約したにも関
わらず再度訪問した上で、少量のものを購入するようさらに勧誘したほか、購入を断ったに
も関わらず、一方的にみそ樽を運び込み、購入させるなどの迷惑を覚えさせるような勧誘を
行っていた。
5 相談の状況
(1) 相談件数と契約当事者の概要
相談件数
総件数 H20年度※1 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度※2
岐 阜 県
27
2
9
11
4
1
静 岡 県
24
3
10
7
4
0
愛 知 県
31
1
10
13
6
1
三 重 県
7
0
5
1
1
0
4県合計
89
6
34
32
15
2
相談概要 平均年齢:59.7歳(最年長90歳、最年少30歳)
(岐阜県) 平均契約金額:17,750円(最高額38,000円)(一回当たり)
※1 前回処分日(平成20年11月27日)以降の件数
※2 平成24年8月末日までの件数
(2) 相談事例
別紙「相談事例」のとおり。
6 前回処分の概要
(1)処分日
平成20年11月27日
(2)処分内容
業務停止命令3ヶ月(根拠:特定商取引法第8条第1項)
(3)違法行為の内容 事業者名の不明示、書面の不備記載、不実告知、債務履行拒否、迷惑
勧誘
7 特記事項
県が行った特定商取引法による行政処分(業務停止命令、指示)は、今年度4件目。同法
に基づく行政処分としては通算16件目。
別紙
相 談 事 例
【事例1】
平成22年6月頃の午後、消費者A方の玄関のチヤイムが鳴った。ドアを開けると、「信州
みそはいかがですか。」と、従業員Xがドアの前に立っていた。
Aは、日頃から、健康志向が高く、信州みそと聞いたときも、非常に興味を持った。
Aの家の前には、みそを積んだワゴン車が止められていた。
Xは「うちのみそは無添加ですよ。うちで作っている信州みそです。試食してみませんか。」
「隣の人にも毎年買ってもらっていますよ。」とAを勧誘した。
Xは、「信州からやってきた。」というようなことを言いながら、ほんの少しだけみそをす
くって、Aに手渡した。3種類ほどのみそを試食したが、いずれもおいしく、いつも食べてい
るみそとも全く味が違うと思った。
車の荷台には、みその値段表が貼ってあり、いずれも1万円くらいから3∼4万円の値段が
書かれており、Aは多少高くても良い物なら手に入れたいという思いもあったが、さすがに高
過ぎると思い、購入を断った。
すると、Xに「無添加の醤油をつけて2万7千円でどうか。」と再度勧められ、Aは、値引
きしてくれるならと思い購入した。その時、領収書のような小さい書面をもらった。
Aは、購入したものの、よくよく考えると購入したみそはやはり高い気がしたため、購入し
たことを後悔し、契約を解除しようと思ったが、クーリング・オフのやり方まで詳しく
はわからなかったので、県民生活相談センターで助言を受け、クーリング・オフのハガキを業
者宛送付した。
すると、2∼3日後、Xが再訪問してきて、「わざわざハガキなど出さずに、電話で良かっ
たのに。」などと言ったが、それでは証拠が残らず、何を今更という思いで聞いた。さらに、
Xは「高いから解約したいというなら少量のものもあるよ。それを買わないか。」とクーリン
グ・オフのハガキを受け取っているにも関わらず勧誘したので、Aは、毅然と「いらん。」と
断った。
また、Aは、後に、隣人にこの業者から本当にみそを購入しているかどうか確認したが「そ
んなものは買ったことはない。」と言われ、Xが言ったことは事実ではないことがわかった。
【事例2】
平成24年3月中旬の夕方、消費者Bが夕食の準備をしていると玄関のチャイムが鳴った。
玄関先に出ると従業員Yが「信州からみそを売りに来たけど、ちょっとみそを見てもらえな
いか。」と話しかけてきた。Yは、首から社員証を下げていたが、「信州からみそを売りに
来た。」と言っただけで会社名や自分自身の名前は名乗らなかった。Bは、「忙しい時間に訪
ねてくるとは」と内心思ったが、信州から来たと言われたため、信州みそに関心を持ち、ま
た、行商をしていた祖母が、買ってもらえば非常にありがたいなどと言っていたことを幼少
のころから度々聞いており、更にB自身も断れない性格から「そんなら見せて。」と、つい言
ってしまった。その後、直ぐに車に乗った別の貴社従業員Zが現れた。この後の勧誘は、Z
から受けることになり、Yはいつの間にかいなくなっていた。
Bは、Zからも社名や名前は聞かなかったため、この業者は信州から来たみそ屋だと思い
込んでいた。Zは乗り付けた車を玄関先に止め、ドアを開けて「試食してください」と言っ
てみそを勧めた。Bは2種類のみそを試食してみたが、通常使っているみそと特に代わり映え
しない味に思えた。
【事例3】
平成23年12月中旬の午後、Cが母屋の隣にある小屋にいたところ、玄関先の方から従業
員Wがやってきた。玄関先の前の道路には車が1台止まっており、車には別の男が一人乗
っていた。Wは会社名や自分の名前を一切告げず、「前に買ってもらったみそ屋ですが。」と
声を掛けてきた。C方は、以前、定期的に訪れていた業者から醤油やみそを買っていたこと
があるので、てっきりその人が久しぶりに訪ねてきたのかと思った。しかし、顔に全く見覚え
はなく、その男からみそを買ったことなどないとすぐ気づいたので、Cは「私はあなたからみ
そを買った覚えがないわ。」とWに言い返したところ、今度は「お嫁さんに買ってもらった。」
とWは言い直した。Cは、嫁はしっかり者なので、いきなり訪問してきた人から決してみそを
買うようなことはしない、その男はいい加減なことを言っているんだと思い、警戒した。
Wは、山のような形をした絵が入った前掛けをし、職人風の格好をしていたので、製造元か
らやってきた人だと思ったが、みそを買うことなどは嫁に任せてあるので、みそを買う気は全
くなく、話を聞く気もなかった。しかしWは、Cが何か話しかけようとしても、受け答えがで
きないぐらい一方的にしゃべり続けた。正直、その間、Wが一体何を話していたのかはっきり
覚えていない。そうこうするうちに、やっとの思いで、Cは「年寄りなのでお勝手はしない。
みそは要らない。」と断った。Wは玄関先に止めてあった車に戻って行ったので、これで帰っ
てくれるのかなと安堵した。
ところが、Wは頼んでもいないのに車から勝手にみそ樽を一個持って戻ってきた。Cは驚く
とともに、断っているのに勝手にみそ樽を運び込むなんて押し売りそのものではないか、やめ
てほしいと思いほとほと困った。しかし、その時、家にはC一人だったので、相談や助けを求
めることもできず、急に心細くなった。Cは、なんとかその場を早く無事に済ませたい、その
ためにはみそを買うしかないとあきらめの気持ちにもなり、恐る恐る「一体全体、値段はいく
らするの。」と聞いた。Wは「8,000円。」と言った。Cは、8,000円なんてとんで
もなく高いみそだと思えたが、それよりも、「8,000円」でその場が済むのならという気
持ちで一杯だった。
Wは、みそ樽を運んできた時も「毎日使うものだから安いものだ。」などと言っていたが、
Cの中ではもう運が悪かった、仕方ないというと気持ちで一杯だったので、8,000円を仕
方なく支払った。
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