Comments
Description
Transcript
世界の再生可能エネルギーは 陸から海へ、 海洋エネルギーを
三陸復興・海洋エネルギー講演会 平成25年1月30日(水) 釜石ベイシティホテル 世界の再生可能エネルギーは 陸から海へ、 海洋エネルギーを活用し 三陸復興! 木下 健 東京大学生産技術研究所教授 海洋エネルギー資源利用推進機構(OEAJ) 会長 東京大学生産技術研究所OETR(Ocean Energy for Tohoku Regeneration)懇話会 代表 1 海洋エネルギー資源利用推進機構 (OEAJ) 設立:平成20年3月 設立趣意:人類が直面しているエネルギー問題と地球環境問題を一体的に解 決する方策・手段を確立するため、地球の表面積の2/3を占める海洋の利用 を柱として、海洋エネルギー資源利用を推進し、産学官の協力により、持続 可能な発展を目指す社会の構築を目的とし、活動を行います。 (洋上風力、波力、海流・潮流・潮汐、海洋温度差、マリンバイオ) 会員:法人 50社(大手重工工業、ベンチャー企業、銀行、投資家会社など) 個人 176名(民間、大学、研究者、行政関係者、一般市民など) 主な活動:海洋エネルギー資源フォーラム(毎年) 情報交換、情報発信、国際的連携、 実証的研究開発の推進 実証試験海域の設置を目指す、など 2 東京大学生産技術研究所OETR懇話会 (Ocean Energy for Tohoku Regeneration) 活動の理念 東日本大震災は三陸沿岸部を中心に又も壊滅的津波災害を もたらしましたが、月日を経て、災害前の姿を取り戻そうとする 復旧の気運が高まっています。 今回の津波災害は、二つの点で過去の状況と大きく異なりま す。それは繰り返される津波災害に学んだ先人達が打ってきた 近代的対策が必ずしも機能しなかったこと、原子力災害という 未曾有の事態が二次的に引き起こされたことです。 私たちは、一日も早い復興を祈念しこれに取り組んでおられ る多くの方々と意見を交換し、海洋エネルギー利用の一端から これに協力することはもちろんですが、旧来の価値観に流され ず、50年後を見据えた、美しい、力強い沿岸都市復興・再生の グランド・デザインについて、先駆的、独創的な提案を行うこと を理念とします。 3 都市再生、地域振興の鍵は 「もの」から「こと」へ 「箱もの作り」から「物語作り」へ 人の繋がりのデザイン CIVIC PRIDE Key word: 持続可能、安全、環境 再生エネルギーは良いテーマ 海洋エネルギー 漁業権の問題はマイナスに捉えがちだが、実は 漁業者との共創は恰好のテーマ! 木下4 健 日本のエネルギー源は多様化すべし! • 緊急に比較的CO2負荷の小さい天然ガスを利 用したガスタービンによる発電を増設 • しかし、天然ガスの比率が諸外国と比べ突出 することは不可 • 温暖化は原発よりもっと恐ろしい! • 欧州、中国並みのエネルギー源の多様化は 急務! • 再生エネルギーは陸から海への潮流は既に 始まっている 5 再生エネルギーへの一般的な疑問 •需給正常化が先決 その通り! •分散電源へ、は実情認識不足 長期的に考えよう! •脱原発で自然エネルギーを、は全く無理 数十年の社会インフラ計画を立てれば可能! •全国周波数統一は費用対効果面で論外 長期で考えましょう! •東アジアスーパーグリッド構想は非現実的 案外時間がかからないかも知れません。 6 2030年における再生可能エネルギー の設備能力と全電源中における 電力量構成比 環境省公表値 2012.8.31 2030年 洋上風 力 地熱 (30%) (80%) 8.0 3.9 6.0 1.5 ― 19 63 38 48 168 2.1% 2.7% 4.2% 0.5% ― 9.5% 6.6% 6.6% 7% 30% ③設備GW 8.0 3.9 6.0 4.0 2.0 25 69 52 48 194 ④電力量構成 2.1% 2.7% 4.2% 1.4 1.3 11.7% 7.2% 9.0% 7% 35% エネルギー源 (稼働率) 15%シナリオ 0%シナリオ エネ環会議2012.6.29 ①設備GW ②電力量構成 バイオ マス 海洋エネルギー (80%) (40%) 小計 太陽光 陸上風 力 (12%) (20%) 潮 流 / 波 海流 力 (75%) 水力 全電源中 の再可エ ネのシェ ア 7 2012.8.31細野環境大臣公表値に 対する修正提案 2030年 エネルギー 源 洋上風 力 地熱 バイオ マス 海洋エネルギー 小計 太陽光 陸上風 力 (15%) (20%) 水力 潮 流 / 波 海流 力 (稼働率) 細野大臣 8月31日 本試算 ①設備GW ②電力量構 成 ③設備GW ④電力量構 成 (30%) (60%) (60%) (40%) (75%) 8.0 3.9 6.0 1.5 19.4GW 40GW 20GW 48GW 2.1% 2.0% 3.2% 0.5% 7.8% 5.2% 3.5% 7% 20.0 8.0 10.0 5.0 5.0 48GW 40GW 20GW 48GW 5.3% 4.2% 5.3% 1.8% 3.3% 20% 5.2% 3.5% 7% 電源中の 再可エネ 総計(比) 24% 35% 8 この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には心よりお見舞いを申し上 げます。皆様の安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 海洋エネルギー資源利用推進機構(OEAJ)は、海洋エネルギーによる東北再生につ いて政府に提言(4月1日、5月27日)、機構内に「海洋エネルギー東北再生協議会」 を設置(6月21日)、盛岡でのセミナー開催など、海洋エネルギーの普及促進を通じて 被災地の復興に協力します。 陸 沿岸 水深 ~50m 沖合 水深50~200m 自然エネルギーは、陸、沿岸から 9 プロジェクト発電容量(kW) 10000 実海域実験を伴う発電システムの開発 発電容量:10年で10倍 商業機 Pelamis SeaGen 1000 Hywind Pelamis プロトタイプ Pelamis Seaflow European Pico NELHA 100 Stringray マイティーホエール Clean Current 伊万里 Blue H Tech Tocardo Aqua 実験機 10 Open-Centre Turbine Free Flow System Nereus Sea Snail PowerBuoy Kensington Wave Dragon Enermar CoRMaT WaveRoller : 風力 Wave Rotor :波 Gorlov Helical Turbine : 海流・潮流 : 温度差 1990 1995 2000 西暦 2005 2010 10 英国の洋上風力の沖合展開 11 世界最初の浮体式風力発電 Hywind実証実験 (ノルウェーStatoilHydro) 2007年 3MW実証試験実施計画 Sintef Marintekで実験 2008年 設計建造 2009年 秋に実証試験開始 風車主要目 風車:2.3MW 喫水:100m ロータ直径:82.4m 水深:120-700m 排水体積:5300㎥ 係留:3本 12 12 米国の状況 設置済み、建設計画中プロジェクト (1)波力発電 ・OPT(オアフ、ニュージャージ、オレゴン) ・Finavera(オレゴン、ワシントン州、カリフォルニア) ・OceanLinx(マウイ、ロホーレ島) (2)潮流 ・Verdant(イーストリバー/NYC、セントローレンス河、 プゲットサウンド) ・OPRC(マリーン) 支援、研究開発補助 ・OSU Wave Test Site (オレゴン州政府出資) ・EIS2007大学等研究機関の水力関係R&Dに1千万$ 13 ・海洋エネルギー研究にはDOEが50%補助 13 Pacific Marine Energy Center • PMECは4つのテストバース(地域の送電線に接続)提供 予定 • 各バースとも1MW(1000kW)までの波力発電のテストが 可能 • センターでは、グリッドシミュレーション装置も提供する • バースでは、単独あるいは少数の連結(アレー)テスト (1-2MW)も可能 • ローカルグリッドに接続してテストできるという点が特徴 • また、規模も1000kW×4セット程度。 14 中国の状況 ・中国本土海岸線18,000km、諸島部海岸線14,000km ・波力発電12,825MW、潮位差発電1,255MW、 潮流発電13,948MWが利用可能 ・中国政府はこれらを含めた全再生エネルギー利用に 2020年までに20000億元の投資を計画中 白沙江潮汐発電所(運転中) 江厦湖潮汐発電所(浙江省建設中) 70kW潮流発電設備(浙江省建設中) 40kW潮流発電設備(計画中) 30kW波力発電設備(山東省運転中) 100kW波力発電設備(広州市運転中) 40kW潮流発電設備(計画中) 15 16 17 韓国の状況 ・再生可能エネルギー利用を国を挙げて推進中 ・海洋エネルギーについても以下の資源が利用可能 潮位差発電 : 6,500MW 潮流発電 : 1,000MW 波力発電 : 6,500MW (竣工) Si-Hwa潮位差発電プロジェクト(竣工) 18 EMECの歴史:2003年から本格 (出典)OETR岩手シンポジウムRichard Morris 資料より 19 わが国周辺における海洋エネルギー利用 可能性と経済性 20 21 離岸距離30kmかつ水深100m以浅のポテンシャル 風力 最大利用可 現状技術レベル 能発電力 [TWh/年] 近い将来技術レベル 波力 海洋温度差 海流 潮流 潮汐 524 19 47 10 6 0.38 723 87 156 10 6 0.38 原発 118基分 電力管区 最大利用可能発電力 [MWh/年] 波力(現状) 波力(将来) 温度差(現状) 温度差(将来) 海流 北海道電力 0 7,236,461 0 244,404 津軽 1,234,083 東北電力 0 15,651,842 0 13,339,728 伊豆 0 東京電力 10,696,748 25,897,889 19,268,496 53,658,504 紀伊 8,822,879 北陸電力 0 6,731,359 0 5,077,296 室戸 1,489,997 中部電力 0 0 0 5,234,976 足摺 1,213,164 関西電力 0 1,910,293 654,372 3,894,696 トカラ 0 中国電力 0 133,240 0 4,446,576 奄美 0 四国電力 0 0 504,576 4,706,748 沖縄 0 九州電力 0 9,295,762 4,446,576 29,588,652 沖縄電力 8,175,971 20,302,351 22,051,548 35,651,448 合計 18,872,719 87,159,197 46,925,568 155,843,028 原発 3基分 14基分 8基分 25基分 10,056,962 2 出典:NEDO 海洋エネルギーポテンシャルの把握に関わる業務 H22 22 22 新エネルギーの経済性 NEDO再生エネルギー技術白書 H22 現在 (26~40円/kWh) 陸上風力 9~15円/kWh 2020 14円/kWh 75円/W 7~11円/kWh 洋上風力 (9~15円/kWh) 12~17円/kWh 8~11円/kWh 太陽熱 13~30円/kWh 10~15円/kWh 5~17円/kWh 波力 (30~50円/kWh) ~40円/kWh ~20円/kWh 5~10円/kWh 40~60円 /kWh 8~13円/kWh 太陽光 海洋温度差 2015 23円/kWh 15~25円/kWh 出典:NEDO再生エネルギー技術白書 H22 2025 2030 7円/kWh 50円/W 5~8円/kWh 23 今後の課題1 送電システム 変動電源としての自然エネルギーを 大幅に基盤エネルギーに導入するた めには、3段階がある。 24 第1段階:総発電量の数%までは導入目標を設定して、 日々の電力需要と発電量の予測を行う集中管制で調 整可能。欧州の現状行っている方式である。わが国の 場合は、各電力会社間の幹線の増強も必要である。 第2段階:第3段階への準備期間で総発電量の30%位ま でで、スマートグリッドを地域ごとの特性に合わせて整 備して分散管制の需要調整を取り入れるとともに揚水 発電の増設と積極的利用、定置型蓄電池の充実が必 要になる。 25 第3段階:総発電量の40~50%を賄うために、新世代 電力潮流制御技術すなわち電力網インピーダンス の見直しを大々的にして地産地消のローカルグ リッドを全国レベルで整備するとともに、突発的な 発電所脱落に対応する電力ダム(大型定置型蓄 電池と揚水発電)を建設し、電力負荷に応じた電 力網スイッチングシステムを導入することである。 26 課題2 実証実験場の設置 • 海洋エネルギー開発には実証実験サイトが 必須 日本では、陸上、着床の基礎体力が乏しいた め波力・潮流に加えて浮体式洋上風力にも 公設実証実験場が大変に有効 27 洋上風力タービンブレード試験場(左:施設俯瞰図、右:試験風景) ●運営 人員:2010年現在115名 地元の大学・研究機関と連携 大学から技術支援 実証施設を利用した教育と研究 設立資金は、3000万£(約39億円)、洋上風力テストサイトは2285 万£(約29.7億円) 28 ©鈴木英之教授(東大) 29 欧州の海洋エネルギー実証実験サイト 欧州では2005年以降に多くの実験サイトが稼動 多くはECの資金を含めて設置されている。 Full Scale Tidal Full Scale Wave Nursery Wave Nursery Tidal • 欧州で最初の良く整備された実験サイトの一つは、スコットラ ンドのオークニー諸島に設置された European Marine Energy Centre (EMEC) であり、この海域は、大西洋の大 波とスコットランドの諸島間に存在する潮流の両方を利用で き、波力発電と潮流発電の実証実験が可能。 • 2011年内に開所予定の英国 Wave Hub は波力発電装置 列を試験するサイトであり、同時に4機種が比較できる。 Wave Hub 30 海洋再生エネルギー分野の産学官連携 European Marine Energy Center 実証試験 EMEC 商用機l R&D 国立海洋再生エネルギーセンター 英国 中央 政府t EU EU Marine Research Network 地方 政府 NAREC EU MARINET 支援 英国の学術研究機関 Center of Marine Energy Research 共同研究 社会実装のための 応用研究 SuperGen CMER Industrial Doctoral course of offshore energy 人材育成 IDCOE 基礎研究 大学 大学 大学 企業 企業 企業 31 Oyster Aquamarine社 set up in 2005 team now numbers over 60 peoples 32 課題3 社会的受容性 • 英国のround 1(約15年前)以降、marine spatial planning, integrated ocean managementの考えによる、環境と地域生活、 エネルギー国家政策の共生の枠組みが欧米 では進んでいる。 • 一見相反する要求を止揚して、エネルギー的 に自立した将来にわたって経営の成り立つ新 しい漁業の、新時代の漁業協調型を模索、創 造する。水産協同組合法の改正(事業者とし て参加) 33 Marine Spatial Planning, Integrated Ocean Management 洋上風力発電の沖合展開とともに漁業者との調整、国家間 の調整の必要から生まれた • 多層の情報レイヤーを使った合意形成 • 順応的な計測可能な情報による 海洋エネルギーの場合 • 海洋再生エネルギー賦存量 • 水深、底質、波浪、風、潮流 • 漁業情報(漁業権、漁法毎の許可漁業等) • 各漁協の経営状態、内部軋轢の歴史 • 進取の気性の大小 34 「21世紀の国土のグランドデザイン」 H10.3.31 閣議決定 沿岸域圏総合管理計画策定のための指針 • 総合管理計画の策定及び推進の体制 • 沿岸域圏総合管理協議会 • 行政機関、民間企業、漁業者、住民、NPO等 の関係者の代表者を構成員に • 実効性を担保するために参画する多くの主体 の合意を得てマスタープランを策定する。 • 法制化出来なかったので、誰も知らない! 35 内閣官房総合海洋政策本部の対応 H23.10 • 海洋再生可能エネルギーに関する 関係省庁連絡会議の設置 (各省関係部局課長級) • 海洋再生可能エネルギー利用 促進助言会議 (エネルギー、海洋工学等の専門家) 36 海洋再生可能エネルギー利用促進の ための制度整備方針における 検討課題 • 大規模な総合実証実験海域の整備 • 海域利用に向けた関係者との調整のあり方 • イニシャル・コストの低減方策 • 法制度面 >>>わが国における海洋再生可能エネルギーの着 実な実用化・事業化を目指す H24.5.25 総合海洋政策本部決定(本 部長総理、全閣僚が委員) 37 4 東北復興のための クリーンエネルギー研究開発の推進 文科省 H24 38 平成24年度 東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト 「東北復興のためのクリーンエネルギー研究開発推進事業」 提案名:東北復興を目指した海洋・微細藻類等の次世代エネルギー と移動体を含むエネルギー管理システムの研究開発 課題1(H24年度~H28年度、5年間) 三陸沿岸へ導入可能な波力等の海洋再生可能 エネルギーの研究開発 東京大学 生産技術研究所 日立造船、北日本造船 他 CRIEPI 39 海洋再生エネルギー発電実証試験地域の特徴 波力発電システムの実証試験サイト:久慈市 岩手県沿岸は波浪エネルギーが豊富 久慈湾は湾口が広く、多方向からの波が侵入 日本の南西部に比べ、台風の影響(高波浪)は少ない 潮流発電発システムの実証試験サイト:塩竈市 ・松島湾の浦戸諸島は海底ケーブルが破断するなど甚大な被害 ・島間の水路に潮流エネルギー(流速1m/s程度)が存在 40 海洋再生可能エネルギー発電の研究協力体制 東京大学が新システムを考案・創生し、全国の部品メーカの協力を得て設計図を 完成させ、久慈市、塩竈市の地元企業で製作・設置し、発電した電気を地元に供 給(地産地消)。クリーンビジネスを育成し、東北復興に貢献 文科省 研究コ ンソー シアム 東北大学 (中核研究機関) ◎東京大学(課題代表) (システム創生・全体) 〇北日本造船(久慈市)(製作) 〇第一電気(油圧制御) 〇岩手県、岩手県・久慈市 〇東北ドック鉄工(塩竈市) (製作・設置) 〇埼玉富士(電子制御) 〇宮城県・塩竈市 〇ユアテック(配電工事) 〇日立造船(設計・構造解析) 全国の部品メーカの協力 油圧メーカ ・川崎重工精密 カンパニー (KPM)(操舵装置) ・イートン(油圧ポンプ) ・その他 東北地域の協力/復興 波力発電実証試験 岩手県久慈市 〇石油天然ガス・金属鉱 物資源機構(JOGMEC) 〇 久慈市水族館モグラン ピア(復旧予定) 〇漁港施設 潮流発電実証試験 宮城県塩竈市 〇浦戸諸島寒風沢漁協 発電機、パワコンメーカ ・SKY電子(5kW発電機) ・東洋電機(40kW発電機、 パワコン) ・その他 41 共振アンテナ理論を応用した波力発電装置のコンセプト 防水カバー 定格40kW永久磁石発電機 Wave Ruder 5m程度 船舶用操舵装置の応用 (トルク100t-m) 既設防波堤 (JOGMEC前面) 波浪の反射; アンテナ理論 による発電効 率向上 消波ブロック 海洋ジャ ケット構造 物 入射波 平均海面 MWL 過剰回転防 止ストッパ 共振条件 d=λ/4 =10m程度 λ:入射波の波長 最大許容回転 角±35度 水深3〜4m 程度 コンクリート シンカー 42 波力発電装置設置場所(案):久慈湾・石油備蓄基地・前面海域 復旧予定の水族館 (もぐらんぴあ) ヘッドランド 久慈湾 復旧 予定 の津 波防 波堤 (出典)Googleマップ 定格電気出力 40kW×2基= 80kW 石油備蓄基 地JOGMEC 管理棟 復旧予定の 漁協施設 水深3~4m地点 陸上サブス テーション 発電装置 幅10m×2台 製作・運搬・設置 北日本造船工場 改良型40kWは久慈湾の津波防波堤外側の漁港 設置に設置することも検討中 43 鉛直軸ロータ3台・油圧連結・潮流発電システムのコンセプト 下潮 上潮 防水カバー オイルモータ+ マニフォールド 送電線 永久磁石発電機 5kW 配電線( オイル ポンプ 1.64m以上 カプラー クリアランス1m 高潮位LWL:SP+1.14m 低潮位LWL SP+0.5m 鉛直軸 ロータ 4m 4m 水深6m 程度 4m 8m 44 潮流発電設置地点(案):宮城県塩竈市・浦戸諸島 宮城県塩竈市 浦戸諸島:寒風沢水道 松島湾 水深5m~6m地 点に設置 約60m 漁業施設へ の供給 浦戸諸島・寒風沢水道 鉛直軸ロータ3台連結 合計出力5kW×1台 約12m×12m程度 (出典)Googleマップ 45 東北に世界史に残る震災復興を、 海洋エネで世界に発信を! 1755年リスボン大津波 2011年福島大津波 1755年11月1日午前9時40分にポルトガルのリスボン沖で 発生した地震により西ヨーロッパの広い範囲で強い揺れが 起こり、リスボンを中心に大きな被害を出した。津波による死 者1万人を含む、5万5000人から6万2000人が死亡したと される。推定される地震規模はマグニチュードM8.5 - 9.0。 震源はサン・ヴィセンテ岬の西南西約200kmと推定されてい る。 リスボンは地震の後、津波と火災によりほぼ灰燼に帰した。 これによりポルトガル経済は打撃を受け、海外植民地への依 存度を増した。ポルトガルでは国内の政治的緊張が高まると ともに、それまでの海外植民地拡大の勢いはそがれることと なった。 2011年3月11日東北地方を襲ったマグニチュード M9の大地震は、津波による大災害に加え、福島原 発でレベル7となる最悪の原子力災害を引き起こし た。福島県は再生可能エネルギーにる震災復興計 画で、福島県海岸線約100kmにわたり50,000ha に及ぶアジア・太平洋地域最大の海洋エネルギー 利用推進特別海区を設置、2020年までに福島原 発に匹敵する規模の海洋エネルギー導入をはかる。 近い将来、わが国原子力発電の相当量を再生可能 エネルギーに置き換える、その出発点となる。 46