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気象衛星「ひまわり」

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気象衛星「ひまわり」
2015/2/27
DIASを用いた気象衛星ひまわりデータ
の研究コミュニティー向け提供
第2回DIAS利用ワークショップ
平成27年2月25日
気象庁観測部気象衛星課
大野 智生
気象衛星「ひまわり」
我が国の静止気象衛星 → 東アジア・西太平洋域の30カ国以上で利用
昭和52年(1977年)初号機を打ち上げ → 38年の歴史
現在は7号が運用中 → 今年夏には8号にバトンタッチ
来年には同じ仕様の9号も打上げ → 8号と9号で計14年間運用
「ひまわり8号」での機能向上
昨年10月7日打上げ成功 → 現在は、静止軌道上にて機能確認中
7号機までと比べて大幅な機能向上
・ 観測頻度が30分毎から10分毎に(日本域では2.5分毎に)
・ 観測バンド(画像の種類)が5から16に
・ 水平分解能が半分に(画素数は4倍に)
1
2015/2/27
世界に貢献する「ひまわり」
ロシア
フィリピン
モンゴル
アメリカ
日本
パラオ
韓国
ミクロネシア
中国
パプアニューギニア
ネパール
マーシャル諸島
バングラデュ
ナウル
ミャンマー
キリバス
ラオス
ソロモン諸島
スリランカ
ツバル
モルジブ
東ティモール
タイ
サモア
ベトナム
フィジー
カンボジア
トンガ
マレーシア
バヌアツ
シンガポール
フランス
ブルネイ
オーストラリア
インドネシア
ニュージーランド
30ヶ国以上の自然災害の防止に必要不可欠
「ひまわり」の歴史
歴代の運用気象衛星
1977年、日本で初めての静止気象
衛星が米国ケネディ宇宙センターか
ら打上げに成功し、愛称を「ひまわ
り」と命名されました。
以後、現在運用中の
ひまわり7号まで、観
測されたデータは35年
以上もの間、防災をは
じめさまざまな分野や
国々に貢献してきまし
た。これからも時代の
要求に応え、進化を続
けます。
GMS ひまわり
(Geostationary
Meteorological
Satellite)
観測期間
ひまわり
GMS
1977~1981年
ひまわり 2号
GMS-2
1981~1984年
ひまわり 3号
GMS-3
1984~1989年
ひまわり 4号
GMS-4
1989~1995年
ひまわり 5号
GMS-5
1995~2003年
パシフィックゴーズ
GOES-9(※)
2003~2005年
ひまわり 6号
MTSAT-1R
2005~2010年
ひまわり 7号
MTSAT-2
2010~2015年(予定)
※2003年5月~2005年6月の間、米国海洋大気庁所有の
静止気象衛星GOES-9を借用し、パシフィクゴーズの名称で運用
2005
GMS 1981
GMS-3
GMS-2 1984
1977
GMS-2
ひまわり2号
GMS-5
1989
GMS-4
1995
MTSAT-1R
2003 GOES-9
2010
MTSAT-2
2015~
GMS-4
次期ひまわり
(ひまわり8・9号)
ひまわり4号
MTSAT-1R
GMS-5
ひまわり5号
GMS-3
ひまわり3号
ひまわり6号
MTSAT-2
ひまわり7号
運輸多目的衛星:MTSAT
(Multi-functional Transport SATellite )
2
2015/2/27
「ひまわり8号」の概要
★衛星概念図
★主要諸元
可視赤外放射計(AHI)
通信用
アンテナ
太陽電池パネル
軌道上展開後の大きさ
全長約8m
打ち上げ重量
打ち上げ時
ドライ
静止軌道初期の発生電力
約2.6 kW
設計寿命
15年以上
ミッション運用寿命
8年以上(運用7年+並行観測1年)
約3500kg
約1300kg
★ 整備スケジュール
年
H26 H27 H28 H29 H30 H31
H32 H33
H16 H17 H18 H19 H20 H21
H22 H23 H24 H25
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
度
運輸多目的衛星新1号
ひまわり6号
観測運用
H34 H35 H36 H37
2022 2023 2024 2025
H38 H39 H40 H41
2026 2027 2028 2029
待機運用
2005.2.26 打上げ
運輸多目的衛星新2号
ひまわり7号
待機運用
待機
運用
観測運用
2006.2.18 打上げ
製
一
括
調
達
次期静止気象衛星
ひまわり8号・9号
作
観測運用
待機運用
2014.10.7 打上げ
製
作
2016夏頃打上げ予定
待機運用
観測運用
待機
運用
ひまわり8/9号による観測機能の向上
ひまわり8号・9号による観測機能の向上
★ 観測時間を10分間に短縮
★ 水平分解能を2倍に強化
可視 0.5km、1km
近赤外 1km、2km
赤外 2km
可視 1km
赤外 4km
1時間に2回観測
1時間に6回観測
10分間隔のフルディスク観測と同時に、狭領域をさらに細かい時間間隔で撮像可能
★ 画像の種類(バンド)が増加
現
行
衛
星
白黒画像
5
種
類 波
長
次
期
衛
星
4種類の画像
な し
可視域
短い
(人の目に見える)
赤外域
近赤外域
(人の目に見えない)
長い
(人の目に見えない)
B G R
3原色画像
カラー合成
16
種
類
【観測の範囲・頻度】
3種類の画像
10種類の画像
種 別
フルディスク観測
領域観測1
〃
2
〃
3
〃
4
〃
5
※領域観測4及び5の「ランドマーク」は画像の品質管理用(位置合わせ処理用)の
観測のため、データを公開する予定はありません。
※領域観測5は、将来「積乱雲等」の観測に使用する計画ですが、当面の間はラン
ドマーク専用とするので、運用開始直後からのデータ公開はしません。
対象・用途
静止衛星から見える範囲のすべて
日本(北~東)
日本(西~南)
台風等
ランドマーク(位置合わせ用)
ランドマーク又は積乱雲等
範囲(おおよそ)
東西2,000km×南北1,000km
東西2,000km×南北1,000km
東西1,000km×南北1,000km
東西1,000km×南北0,500km
東西1,000km×南北0,500km
頻度
約10分毎
約2.5分毎
約2.5分毎
約2.5分毎
約30秒毎
約30秒毎
※領域観測1(日本(北~東))及び2(日本(西~南))を合成して「日本域」のデータを作成します。
3
2015/2/27
新しい「ひまわり8号」
現在の「ひまわり7号」は、
全球を1時間毎、北半球
を30分毎。白黒。
「ひまわり8号」は、
全球10分毎、日本域や台風を2.5分毎。
カラー画像も作成でき、世界一の性能!
解像度も2倍に!!
ひまわり8/9号の可視赤外放射計(AHI)
ひまわり8/9号のAHI観測バンド(16CH)
現MTSAT
(計5CH)
バンド
1
2
VIS
IR3(WV)
1
植生、エアロゾル、B
植生、エアロゾル、G
0.5
下層雲・霧、R
4
0.86
1
植生、エアロゾル
近赤外
1.6
2
雲相判別
6
2.3
7
3.9
下層雲・霧、自然火災
8
6.2
上・中層水蒸気量
9
6.9
中層水蒸気量
10
7.3
中層水蒸気量
12
IR2
0.51
想定される用途
(km)
0.64
11
IR1
0.47
可視
解像度
衛星直下点
3
5
IR4
中心波長
(μm)※
赤外
8.6
9.6
2
近赤外域の拡充
雲粒有効半径
水蒸気バンドの
分割
雲相判別、SO2
オゾン全量
13
10.4
雲画像、雲頂情報
14
11.2
雲画像、海面水温
15
12.4
雲画像、海面水温
16
13.3
雲頂高度
熱赤外バンドの
追加
※ ひまわり8号に搭載されるAHIの中心波長 (ひまわり9号に搭載されるAHIの中心波長もほぼ同一になる見込み)
4
2015/2/27
「ひまわり8号」の機能向上によって
何が起こるか?
→ 気象庁の業務の改善
→ 気象庁以外でのデータ利用の拡大
特に、研究コミュニティーでのデータ利用への期待が高まる
(気象・気候の分野に限らない)
→ データ量の増大(1日あたり約3GBから約150GBに)
(課題) これだけの大量のデータをどうやって利用者に届けるか?
既存のデータ提供方法では研究コミュニティーのニーズに応えられない
(1) 気象業務支援センターからの提供 → 実費負担あり(従量制)
(民間気象会社への即時データ提供を想定)
(2) 衛星からのデータ配信 → 全データを送るのは現実的でない
(船舶等や途上国での画像データ受信を想定)
ひまわり8号・9号データの提供概要
気 象 庁
研究コミュニティーでの利用
気象衛星センター
DIAS
準リアルタイム
放射計データファイル
(永久保存) ※原則非公開
準リアルタイム
ベストエフォート
(過去データを含む)
データ保存
サーバー
研究者
リサンプリング
(位置合わせ、
階調校正、
格子変換)
学術系ネット
ワーク
(SINET)
海外の学術系
ネットワーク (Internet 2など)
ひまわり
標準データ
1日約430GB(非圧縮)
年間約160TB(非圧縮)
リアルタイム
先進国の気象機関等を想定
クラウド
インターネット(CDN)
専用回線
海外の
気象機関等
netCDF
(領域観測のみ)
軽量化
通信衛星
(低解像度化) 1日約200GB(非圧縮)
HimawariCast
途上国の気象機関等を対象に通信衛星から配信(現行と同じ分解能)
HRITデータ等
現行MTSATと同等のデータ量
1日約11GB(非圧縮)
JCSAT-2A(東経154度)
(一財)気象業務支援センター
リアルタイム配信
すべての公開データを配信可能
(実際にどのデータを提供するかは調整中)
専用サーバ
専用回線等(実費負担)
民間気象事業者等
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2015/2/27
DIAS を通じたひまわりデータの提供
(メリット)
研究コミュニティーでの利用実績
十分なデータストレージの容量
DIASには関連する他の科学データ・プロダクトも存在
(ワンストップサービスが可能)
(今後の予定)
平成27年4月頃 ひまわり8号の実観測データの試験提供開始(目標)
平成27年7月頃 ひまわり8号の正式運用開始
ひまわり運用・観測画像配信移行スケジュール
平成26年度
平成27年度
平成28年度
平成29年度
平成30年度
平成31年度
衛星運用
MTSAT-2
(ひまわり7号)
MTSAT-2(観測)
ひまわり8号
▲打上
(H26.10.7)
MTSAT-2(待機)
▲気象待機運用(H27.7)
▲気象待機運用終了(H29.1)
▼管制運用(H27.4)
ひまわり8号(観測)
▲観測運用(H27.7)
ひまわり9号
観測画像配信・提供
(一財)気象業務
支援センター
MTSAT-1R
(ひまわり6号)
通信衛星
(JCSAT-2A ・2B)
HimawariCast
地上回線
(インターネット回線)
HimawariCloud
▲打上
(H28年度) ▲待機運用(H29.1)
ひまわり9号(待機)
▼ひまわり8号試験観測画像提供(H27.4)
ひまわり8号観測画像
▲ひまわり8号観測画像提供(H27.7)
MTSAT-2観測画像
▲配信終了(H27.11末)
▼MTSAT-2観測画像配信(H27.1)
ひまわり8号観測画像
▲ひまわり8号観測画像配信(H27.7)
▼ひまわり8号試験観測画像提供(H27.4)
ひまわり8号観測画像
▲ひまわり8号観測画像提供(H27.7)
6
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