...

Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
<総説>白色腐朽菌のフリーラジカル生成プロセス
渡辺, 隆司
木材研究・資料 (2000), 36: 34-50
2000-12-20
http://hdl.handle.net/2433/51393
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
総
説 (
REVI
EW )
白色腐朽菌 の フ リー ラジカル生成 プロセ ス*
渡
辺
隆
司**
Fr
e
eRadi
c
alGe
ne
r
at
i
on Pr
oc
e
s
so
rWhi
t
eRotFungl
Takas
hiW
ATANABE
(
平成 1
2年 8月 31日受理)
1. は
じ め
に
21世紀 は,急激 な人 口増加 と化 石資源 の消費 に伴 う co ・
2 濃度 の増加,化 石資 源 の埋 蔵量 の減少 に伴
うエ ネルギ ー,化 学原料不足 が深刻化 す る と予 測 され る。 こ う した次世紀 の資 源,環境 問題 に対処す る
ため,再生産可能 な資源であ るバ イオマスか らエ ネルギ ーのみ な らず化 学原料 な どを作 り出す ポ ス トペ
トロケ ミス トリーの構 築 は極 め て 緊急性 の高 い 課題 で あ る。 バ イ オマ ス はそ の生 産 の過 程 にお い て
C0 2 を固定化 す るため,生 産 と消 費 のバ ラ ンス を壊 す こ とな く有効利用 す れ ば,cO2 濃 度 の一万 的増
大 を もた らす ことな く化学資源 を永続 的に生 産す るこ とがで きる。
生物 的手 法 を用 いて木材 か ら様 々な有用 ケ ミカル ス を生産す るため には,木材 の細胞壁 を固め る役割
を果 た して い る リグニ ンを選択 的に分解 し,酵素や微 生物が木材成 分 にア クセ ス可能 な状態 に変換 しな
けれ ばな らな い 。 また,化学 的手法 に よるバ イオマ ス リフ ァイナ リー を完成 させ るため に も, リグニ ン
を分解 して リグニ ンと多糖 を分離す るこ とが必要 とな る。即 ち,細 胞壁 多糖 を被 覆す る リグニ ンの ネ ッ
トワー クを破壊す る こ とは,紙 の生 産 のみ な らず木 質バ イオマ スを有用 ケ ミカル ス等 に変換 す るための
最 重要課題 の一つ で あ る。 しか しなが ら,現行 の工 業 的 リグニ ン分解法 (
クラフ ト法) は 1
60- 1
7
0℃
付 近 の高 温 反応 を必要 とす るため,CO2 抑制 とい う時代 の要 請 に逆 行す るO また, 反応 に伴 い硫 化 水
素 や メルカプ タンな どの悪 臭有害物 を発生す る。 さ らに,パ ルプ残留 リグニ ンの除去工程 において は ダ
イオキ シ ンや クロロホルムな どの有害 な塩 素化 合物 が副生す る。 これ らの理 由か ら,環境調和型 の選択
的 リグニ ン分解反応 の開発が急 がれて いる。
リグニ ンを穏和 な条件で低 分子化 す るシステ ムを構 築す るために, リグニ ン分解性微 生物 であ る白色
腐朽 菌の酸化 的 リグニ ン分解 システ ム を利 用す るこ とは上記 の 目的 を達成す るための合理的 なアプロー
p, マ ンガ ンペ ル
チ と思 われ る。 こ う した考 えか ら リグニ ン分解酵 素 (リグニ ンペ ル オキ シダーゼ :Li
オキ シ ダーゼ :MnP, ラ ッカーゼ :Lac) の機 能解 明 と応 用研 究 が幅 広 く行 わ れ て きた 。 しか しなが
ら,酵素か ら遠 く離 れた場所 に存在す る リグニ ンを強力 に しか も選択 的 に分解す る白色腐朽 菌が存在す
る こ と卜う
)
や, リグニ ン分解 酵素 を木材 チ ップ と反応.
させ て も脱 リグニ ンに よるパ ル プ化 は起 きない こ
キ ノコの ミラクル木材 分解術- 」 と題 して講演 され た 。
**バ イオマ ス変換研 究分野 (
Labor
at
or
yorBi
omas
sConver
s
i
on)
Ke
vwor
ds:Fr
eer
adi
c
al
,Li
pi
d pe
r
oxi
dat
i
on,Se
l
e
ct
i
vewhi
t
er
otf
ungi
,M anganes
e Per
oxi
das
e,Li
gni
n
de
gr
adat
i
on,Bi
omas
sc
onver
s
i
on
-
3
4-
渡辺 :白色腐朽菌 の フ リー ラジカル生成 プロセ ス
と等 か ら, 白色腐朽 菌 の リグニ ン分解 は, リグニ ン分解酵素- リグニ ン間の直接 反応 のみで は説 明 され
ず,低分子物 質の関与 した フ リーラジカル生成 システムが リグニ ン分解 の根 幹 に関与 してい るこ とが次
第 に強 く認識 されつつ ある。本総説 において は, リグニ ン分解酵素 の触媒機構 の最近 の話題 を紹 介す る
と と もに, リグニ ン分解 に関連 した低 分子化 合物 に よるフ リー ラジカル生成 プ ロセ スにつ いて考 察す
る。
2.リグニ ン分解酵素の触媒 サ イクル
2.1 マ ンガンペル オキ シダーゼの触 媒 サ イクル
M nP) は, 白色 腐朽 菌が生産す る薗体外 ペ ル オキ シダーゼで あ り, M n
マ ンガ ンペ ル オキ シ ダーゼ (
(
I
I
)を M n(
I
I
I
)に直接酸化す る。 M nP によって生成 した Mn(
I
I
I
)は シュウ酸, マ ロ ン酸, セ ロ ビオ
l(
Ⅰ
H)のキ レ一 夕-存在下 で拡散可能 な低 分子 酸化 剤 とな り,酵素 か ら離 れ た場所 の リグ
ン酸等 の M I
HⅠ
)の キ レー トは リグニ ンの骨 格構 造 を形 成 す る非
ニ ンを酸化 す る。但 し, こ う して生 成 す る M n(
フェ ノール型 エ ーテル結合 は開裂で きない。
M 。P の触媒サ イクルは, Hor
s
。r
adi
s
h ペ ル オキ シ ダーゼ と同様 ,休 止型酵素 [
Fe
汁 p] が初 め に過酸
poL
I
nd I [
Fe什 -op■
] を生 成 し, CompoundI
化 水素 な どの電子 受 容 体 に よ り 2電子 酸化 されて Con-
が基 質 に よって 2回 1電子還元 され るこ とに よって Compot
l
ndI
I[
Fe
什 op
] を経 て休止型酵素 に戻 り
妙 o
S
Po
,
・
i
u
m の M nP で は, Compot
l
nd Iか ら Compoul
l
dl
l- の還 元 は M n(
I
I
), フェ
完結 す る+)0 P.C
ノー ル の いづ れ を も電 子 供 与 体 と しうるが , Compound IⅠか ら休 止 型 へ の還 元 は電子 供 与 体 と して
M n(
I
T
)を必ず必要 とす る (
図 1)。 M nP は遊離 の M n(
Ⅰ
Ⅰ
)のみで な く M n(
Ⅰ
Ⅰ
)が α-ヒ ドロキ シ酸 な
どのキ レ一 夕- と結 合 してで きた M n(
Ⅰ
Ⅰ
)錯体 とも反応 しうる。 P.c
hr o
S
Po
r
i
u
m の M nPCompound I
I
と Ml
1(
I
I
)の シ ュウ酸 錯体 の 反応 速 度 は MnP と遊 離 の M n(
I
I
)との反応 速 度 よ り高 く, マ ンガ ンイ
n
a
t
i
v
e
C
nat
i
ve
【
F
e
3
十P】
l
Fe
4
'
=OPl
【
Fe
4
+
=OP●
+
】
H202
A・
k
n
a
t
l
V
e
t
F
e
3
+
p
】
AHA・ AH
lr
J
d
"n
i
H2
02
Comp
H
【
Fe
4+
=○
MnS
L
+
Comp
川 二審
【
Fe
4
+
=OP】
√
H
l
FS:
mo
ps
.
・
]
H
Comp
1
【
Fe
4+
-0P●
十
】
"A
n
1
"A
n
A
n
.
2十
Pl
eur
ot
uTe
f
Tngl
l
A
:2
'
Phane
r
oc
hae
t
echT
TS
OS
POr
i
um
図 1 Li
P お よび M nP の触媒サ イクル
- 3
5-
木材研 究 ・資料
第3
6
号 (
2
0
0
0
)
オ ンの キ レ一 夕-は Mn(
I
I
I
)の安 定化 剤 としてのみで な く酵素 の t
。r
nn.ve
rに も寄与す る:
'.
`
'
)。 この よ
うに P.c
hr
J∫
O
S
Po
r
i
u
m の MnPで は触媒サ イクル を回すため に Mn(
I
I
)を絶対 的に要 求す るため 「マ ンガ
ン依存性ペ ル オキ シダーゼ」 とい う名称が与 え られ た
。
これ に対 し, 最近報告 された Pl
e
u
r
o
t
u
se
r
Jn
gi
iの MnP は,Compound I と compoundI
Iの還 元 の い
Ⅰ
Ⅰ
), フェ ノールの いづ れ を も電子供 与体 と して利用 しうる。 言 い換
づ れの ステ ップにおいて も, Mn(
Ⅰ
Ⅰ
)を Mn(
I
I
I
)に直接酸化 で きるが,触媒サ イクル を回転 させ るため に必
えるな ら, この酵素 は Mn(
ず し も Ml
、(
T
l
)を必 要 と しな い
。 同様 に, Ce
r
i
po
r
i
o
P∫
i
=u
b∼
'
e
r
mi
s
Po
r
aの MnP も CompoundI
,Com-
7)
pou一
一
dIIの還元 にフェ ノール な どの マ ンガ ン以外 の電子 供与体 を利用 しうる。 この場 合, 触媒 サ イク
ルが Mn(
I
T
)の非存在下で 回転す るか否 か は基 質の酸化還元電位 に依存す る。即 ち, C.川bl
'
e
r
mi
∫
Po
r
aの
MnP は O
-ジアニ シジ ンの ような酸化 電位 の低 い基 質 において は Mn(
I
I
)に依存せ ず に基 質 を酸化 で き
I
I
)を必要 とす るH
)
0
るが, グア イアコールの酸化 において は Mn(
l
dI
I
Iを経 てヘ ムの ブ リーチ ング
ペ ル オキ シ ダーゼ は,過 剰 の過酸 化 水素 が存 在下 す る と compoul
を起 こす。 しか しなが ら, MnPの CompoundI
I
Iは, Mn(
I
I
I
)に よ り休 止型酵素 に還元 され同時 に分
子状 酸素 を放 出す る カ タラーゼ用 の触媒機 構 を もつ
。 この機 構 の ため, MnP は他 のペ ル オキ シ ダー
。)
ゼ に比べ て高 い過酸化 水素耐性 を もつ 。MnPの カ タラーゼ活性 は,マ ンガ ンイオ ンの キ レ一 夕-が存
在 しない条件 で特 に強 く観 察 され, 菌体 外 ペ ル オキ シ ダー ゼ を過 剰 の過 酸化 水 素 か ら守 る役 割 を担
う!))0
一般 にペ ル オキ シ ダーゼ の CompoundI
I
Iは, 自己崩 壊 あ るい は基 質 との反応 に よ りス ーパ ー オキ
t
i
vC型酵素 に戻 る機構 を有す る (
図 2)1{')。実際 スーパ ーオキ シ ドの放 出 は
シド(
02 )を鋸 侶 ノて nai
Li
p)の Compoundm にお いて も報告 されて い る 11)。 ところが, これ ま
リグニ ンペ ル オキ シダーゼ (
で MnPの反応系 にお いて は ラジカルメデ ィエ ー ター非存在下 で酵素 か ら直接 スーパ ー オキ シ ドが生成
R を用 いて過剰 の過 酸化 水素 存 在下 で MnP
す る現 象 は確 認 され てい なか った。 最 近,筆者 らは,ES
が直接 スーパ ーオキ シ ドを放 .
1
二
I
け る現 象 を示 した 1'
I)。 この反応 で生成す るスーパ ー オキ シ ドは Mn(
I
I
)
ュ(
I
I
I
)へ の酸化 に も関与す るため,酵素 の ki
l
l
et
i
c
sに影響 を及 ぼす。
の Ml
MI
I
P は リグニ ンペ ル オキ シダーゼ (
Li
p)に比較 して高 い有機 溶媒耐性 を もつ 。水 と混和 す る有機 溶
H)の酸化 は溶媒和 の 自由エ ネルギ ー を示すパ ラメー ター ET3
0と高 い相 関
媒 中での MnP に よる Mn(
が あ る 13・11)。
2.
2 リグニ ンペル オキ シダーゼの レ ドックス メデ ィエ ー ター と酵素表層 での基 質の酸化
リグニ ンペ ル オキ シ ダーゼ (
Li
p)は, M1
1
P と同様 , プ ロ トヘ ムⅨ錯体 を活性 中心 に もつ菌体外 ペ ル
オキ シダーゼであ る0本酵素 は リグニ ンの骨格構造 を形 成す る非 フェ ノール型エ ーテル結 合 を-電子硬
化 に よ り開裂 させ る。
p.c
hl
yf
O
S
Po
r
i
u
m の Li
P は, ベ ラ トリル アル コール (
VA)な どの低 分子 の基 質 の他,還 元型 シ トクロ
ム
。l
う)や合成
リグニ ン1'
'
)な どの高 分子 基 質 を直接酸化 で きる。ベ ラ トリルアル コール (
VA)は P.chl
:
V-
s
o
j
Po
r
はm に よって生 産 され る二次 代 謝 産物 で あ り,Li
P を過 剰 の過 酸化 水素 か ら防御 す る機 能 を果 た
P は他 のペ ルオキ シダーゼ と同様過剰 の過酸化 水素 が存在下す る と CompoundI
I
Iを経 て
す。即 ち,Li
VA)を添加 す る と触媒 サ イ クルに よ り生成
ヘ ムの ブ リーチ ング を起 こすが,ベ ラ トリル アル コール (
した カチ オ ンラジ カル (
VA●
+)に よ り compoundI
I
Iが休止 型酵素 に還元 され るため,酵素 の不可逆
′
Aは I
.
i
Pの Compotll
l
dI
Iを速 やか に休止型酵 素 に変換 す る こ とに よって
的 な失活が 回避 され る 17) ヽ
0
も過剰 の過酸化 水素 に よる酵素失活 を防御す る。,IH・I。)。従来, このベ ラ トリル アル コールカチ オ ンラジ
VA十 )が, リグニ ン分解 酵素 が入 り込 め ない木材細 胞 壁 中に浸透 して リグニ ン分解 の先導役 を
カル (
果 たす こ とが提 案 されて い た。 しか し, 近年 の研 究 は Li
P に よ り生成 したベ ラ トリル アル コール カチ
- 3
6-
渡辺 :白色腐 朽 菌 の フ リー ラジカル生 成 プ ロセ ス
図 2 ペ ル オキ シ ダーゼの触 媒機構 川 )
*MI
Pで は CompoundHIが Mn(
T
IT
) と反応 して nこ
し
t
i
ve酵 素 - 戻 る径 路 が
Pで はベ ラ トリル アル コール カ
存在す る (
Chen らの図 に この反応 を加 筆 )。Li
チ オ ンラジ カル に よる CompoundlIIか ら I
l
at
i
、
′
C酵素へ 戻 る経 路が存 在 す る。
*che1
1らが 示 した 水 酸 化 ラ ジ カ ル 生 成 反 応 。 ***(
二
ompoundIH は CompoundH と H202 の反応 で も生 成 す る。CompoundII
rが さ らに過剰 の H202
と反応 す る とヘ ムの ブ リーチ ングを起 こ して失 活す る。 オキ シ ダーゼ反応 で は
NADH が NAD・に酸化 され,NAD・が酸素 を還元 して スーパ ー オキ シ ドを生
成 し, これが 不 均 化 に よ り H・
_
,
02 とな ってペ ル オキ シ ダーゼ の電 子 受 容体 と
な る。
*
オ ンラジ カル (
VA'
')が , この よ うな拡 散 メデ ィエ ー ター と して作 用す るので はな く,Li
PCompound
H に結 合 した状 態 で高 分 子 基 質 な どの酸 化 を助 け る酵 素 結 合型 レ ドックス メデ ィエ ー ター と して機 能
す る こ と を支 持 して い る 川-25)。 遊 離 の VAl
+ の 半 減 期 が 0.
54ms程 度 な の に対 し, 酵 素 結 合 型 の
vA小 の半 減期 は 37
0msに も及 ぶ こ とか ら も2112`
)
)
,vA'
+ が拡 散 メデ ィエ ー ター と して機 能 して い る
とは考 えが たい。
Amber
t
Bal
ay らは,Li
Pのベ ラ トリル アル コール結 合サ イ トと してヘ ム近傍 の グル タ ミン酸 (
E1
46)
27
)
。 しか し, I
)
oyl
cらは Li
P表 面 に存 在 す る トリプ ト7 7ン (
W1
71
)をフェニ ル ア ラニ ン
を提 案 したL
や セ リ ンへ 置 換 す る とベ ラ トリル ア ル コー ル (
VA)酸 化 能 が 消 失 す る こ とを示 し, Li
P表 層 の l
Vl
71
が ベ ラ トリル ア ル コール (
VA)の結 合 に直接 関与 す る こ とを示 した2
H
)
。 この酵素 表 面 に位 置 す る トリ
プ トフ ァ ン残 基 の Cβ は 自動 触 媒 的 に水酸 化 され て お り2リ), 報 告 され て い るす べ て の Li
P に存 在 す
る3
。
)
o Li
Pが ベ ラ トリル ア ル コール (
VA)存 f
rFで過 酸 化 水素 と反応 す る と compoL
=dIを経 て Li
P
compoundTトVA'
'複 合体 が生 成 し, 酸 化 電 位 の 高 い基 質 を酵 素 表 層 にお い て- 電子 酸 化 す る。 還元
25
)
。 同様 に,
型 リボ ヌク レアーゼ の Ⅰ
.
i
P に よる酸 化 はベ ラ トリル アル コール (
VA)の存 在 に依存 す る<
B.adu
∫
l
aの生 産す る 2次 代謝 物 2chl
or
01,
4di
met
hoxybenz
eI
Cは,Li
Pの レ ドックス メデ ィエ ー ター と
して機 能 し,Li
P単独 で は酸化 が不可 能 な高分子 色素 pol
yR の脱色 を起 こす H )0
Li
Pはベ ラ トリル アル コール (
VA)非存在 下 にお いて合成 リグニ ンを直接 酸化 す るが ,vA の添加 は
- 37-
木材研 究 ・資料
第3
6号 (
2000)
合成 リグニ ンの Li
p- の結 合 に影響 を及 ぼ さな い 1
-̀
)
。 この こ とか ら, トリプ トフ ァン (
W1
71
)は VA
酸化 の鍵 とな るア ミノ酸 で あ るが リグニ ン酸化 は別 の結 合サ イ トで起 こる こ とが示唆 され てい る l
f
i
)
。
いづ れ に して も Li
P の幅広 い基 質特 異性 ,特 に高分子 基質 に対 す る優 れ た反応性 は,酵素 表面 か らヘ
ム- の電子 移動 に よる。
2.3 ペル オキ シダーゼの新 しい触媒機 能
P.c
hr
J∫
0
5
Po
r
l
um の Li
Pが W 1
71を介 して非 フェ ノール性 リグニ ンモデル を酸化 す るので あれ ば,Li
p
の W1
71に相 当す る MnP の ア ミノ酸 を トリプ トフ ァンに置換 す れ ば MnP に非 フェ ノール性 リグニ ン
モ デ ルの酸化 能 を賦 与 で きる こ とが期 待 され る。 実 際, p.c
hl
y∫
0
5
Po
r
i
um の MnP の Se
r1
68 を トリプ ト
3
。
)
。得 られた MnP の組 替 え体 は,
フ ァンに変異 させ る と, MnPが ベ ラ トリル アル コール を酸化 す る(
Mn(
I
I
)の酸化 活性 を保 持 してい るため, Li
P と MnP の両方 の活性 を示 す。 この組 替 え体 で はベ ラ ト
リルアルコール (
VA)の酸化活性 は Mn(
I
I
)に よって阻害 され る。
従 来, MI
-(
Ⅰ
Ⅰ
)の Mn(
I
I
I
)へ の酸化 は MnP特 有 の触媒作 用 と考 え られて いたが ,Aus
tらの グルー
プ は,PIC
hl
Jt
"S
Po
r
i
u
m の Li
P(
H2)が Mn(
I
I
)の直接 酸化 を触媒 す る こ とを示 した。彼 らは P.C
/
l
r
Jj
O
S
Po
7
・
i
um の他 の Li
P ア イ ソザ イム (
HIH6,H7, H8, HI
O)につ い て も解析 を進 め, これ らの ア イ ソザ イ
l
ndI
Iは Mn(
I
l
)を酸化で きないが ,Compoul
l
d Iは Mn(
I
T
) を効率 よ く Mn(
HⅠ
)-醍
ムの Compot
2
,
1
2
3
)
。 この よ うに,近年 の研 究 に よ り Mn(
I
I
)の直接酸化 は MnP特 有 の 反応 で
化 す るこ とを示 した3
I
I
)の酸化 能 を もつ 菌体外 ペ ルオキ シ ダーゼ には,Li
P に近 い
はない こ とが 明 らか に されてい る。Mn(
hr
JS
O
S
Po
r
i
u
m の MnP の ように Mn(
I
I)に依存す る タイプ まで様 々な酵素 が存 在
性 質 を示す ものか ら p.c
P表層 の トリプ トフ ァン残 基 (
wl
71
)は Li
P に特 徴 的で
する (
図 1)。例 えば,先 に述べ た よ うに Li
あ り MnP に は存 在 しない とされ て きた。 しか しなが ら, p.e
r
Jn
gi
iの MnP(
PSl
) は,P.c
hl
yS
吋o
r
i
u
m
の Li
Pの W 1
71に相 当す る位 置 に W 1
70 を もって お り,高分 子 色素 で あ る Re
act
i
veBl
ack5を直接 酸
化 で きる7.3日
4)。Re
ac
t
i
veBl
ac
k5の酸化
は Mn(
I
I
)に よって非 競争 的 に阻害 され, MnP(
PSl
)の マ ン
ガ ン結 合 サ イ ト (
Gl
u36, Gl
u40,As
p1
81
) と高分子基 質 の結 合サ イ ト (
W1
71
)が 異 な るこ とを示す 。
P.e
r
Jn
gi
iの MnP(
PSl
)は, P.c
hr
J∫
O
S
Po
r
i
u
m の M nPlお よび Li
PH2 と塩 基配 列 で そ れ ぞ れ 58%お よび
62%の相 同性 を もち,結 晶構 造解析 にお いて も11
の α-ヘ リ ックス を もつ P.c
hr
J5
0
5
Po
r
i
u
m の MnPlよ り
1
2の α-ヘ リ ックスを もつ Li
P に よ り近 い構 造 を もつ ことが示 されてい る3
2
)
。B
je
r
ka
nd
e
r
〟adu
・
r
l
aの MnP
も Mn(
H)非 存在 下 で グア イア コー ルな どの フェ ノール類 やベ ラ トリル アル コール な どの非 フェ ノー
5
)
o これ らの酵素 は, Mn(
I
I
)の酸化 能 を もつ ため MnP と呼 ばれて い るが,
ル性化 合物 を酸化 で きる3
P と MnP の両者 の機 能 を併せ もつ ハ イブ リ ッ ド型 酵素 と呼 ぶべ きペ ル オ
触 媒機 能 と塩基 配列 か ら Li
∫
t
r
e
at
u
sの MnP3の ア ミノ酸 配列 も, C.∫
ub
u
e
r
mi
s
Po
r
aや P.c
hr
J∫
0
5
Po
r
i
u
m の MnP
キ シ ダーゼ で あ る。 P.o
よ り, む しろ P・c
h
r
J5
0
5
Po
r
i
u
m,Ph
l
e
b
i
ar
ad
i
al
a,B・ad
u
S
l
aな どの Li
P と高 い相 同性 を もつ r
W )。
Anni
bal
e らは, Le
n
t
i
nu
se
d
o
d
e
Sの MnP が非 フェ ノー ル性 基 質で あ るベ ラ トリルア ル コー ル
最近 , D'
muc
onol
act
one と 2量体 生
の酸化 能 力 を もち,ベ ラ トリル アル コールか ら芳 香環 開裂生 成 物 で あ る γ-
I
I
)を必要 とす る点 で ,P.e
r
Jn
gi
lや B.aduf
l
aの 「MnP」
成物 を与 える ことを報告 した. この反応 は M n(
と異 な り,新 しい タイプのマ ンガ ン依 存性 ペ ルオキ シ ダーゼで あ る と考 え られ る37
)
。 こ う した, マ ン
du
s
t
aか らは Mn(
Il
) に よって活性 が 逆 に阻害
ガ ン依 存性 ペ ル オキ シ ダーゼ が報 告 され る一方 で ,B.a
され る菌体外 ペ ル オキ シダーゼ も分離 されて い る'
3
H
)
0
酵素 の結 晶構造解析 と部位特異 的改 変 に よる研 究 か ら, MnP のマ ンガ ン結 合サ イ トに関す る研 究 も
進 んで い る。 p.c
hr
J∫05
Po
r
i
um の MnP に Gl
u35- Gl
n, Gl
u39- Gl
n, の変 異 をか け る と Mn(
I
T
) との
Km 値 が50倍 上昇 し kc
at値 が 300分の 1に減少す る。 また ,Gl
t
1
35- Gl
n と As
p1
7
9-Gl
nの ダブル変異
00倍 に上昇 し,kc
at値 が 1,
000分 の 1に減少 す る3
9
)
。 さ らに,As
p17
9-Gl
n の変位 をか
で は Km 値 が 1
- 38-
渡辺 :白色腐 朽 菌 の フ リー ラジカル生成 プ ロセ ス
け た MnP に はヘ ム近傍 に カチ オ ンの存 在 は認 め られず マ ンガ ン結 合 能が 消 失 した こ とが 示 され て い
/
"
J∫
O
S
Po
'
i
・
u
m の MnP のマ ンガ ン結 合 サ イ
るL
l
。
)
。 こ う した部 位特 異 的 改 変 と結 晶構 造 解析 M l
)
か ら P.C
トはヘ ム近傍 の Gl
u35,Gl
t
1
39,As
p1
7
9か らなる こ とが示 されてい る。
・
Ye
ung らは, シ トクロ ム cペ ル オキ シ ダーゼ (
c
c
p)のヘ ム近傍 に部位 特 異 的改 変 に よ って P.c
hr
J・
o
s
po
mJ
m の MnP に類 似 したマ ンガ ン結 合サ イ ト (
Gl
y41
-Gl
u,Va1
41
う
ー Gl
u,Hi
s1
81
-A
s p) を作 り,
c
c
p にマ ンガ ン酸化 能 を賦 与 した42)○ 同様 に, Wi
l
c
ox らは ,c
c
p に As
p37
- Gl
u,Pr
o
44-As
p,Va1
45
- As
p, Hi
s1
81
-Se
rの 変異 をか けてヘ ム近傍 にマ ンガ ン結 合サ イ トを作 り,c
c
pにマ ンガ ン酸化 能 を
賦 与 した43)。 現 在 の ところ,得 られ た組 替 え酵 素 の マ ンガ ン酸 化 能 は低 いが,ヘ ム近傍 にマ ンガ ン結
合 サ イ トを作 る手 法 はヘ ム を補 欠分子 とす るペ ル オキ シ ダーゼ一般 に適 用で きる と考 え られ今 後 の発 展
が期待 され る。
ペ ル オキ シ ダーゼ は過酸 化 水素 存在 下 で基 質 を1電子酸化 す るペ ル オキ シ ダーゼ反応 を触 媒 す るが,
NADH の よ うに一
一電 子酸化 に よ り酸 素 還 元 能 を もつ ラジ カル を生成 す る基 質 に対 して は オキ シ ダーゼ
と して作 用 す る。 最近 ,cl
l
e
l
lらは, ペ ル オキ シ ダーゼ の反応 と して, ペ ル オキ シ ダーゼ反応 , オキ シ
ダーゼ反応 の他 に水酸 化 ラジ カル を生 成す る新 たな反応 経路 が存在 す る こ とをホ ース ラデ ィ ッシ ュペ ル
HRP) を用 いて示 した 川 )。 図 2に示 した通 り休 I
L型 のペ ル オキ シ ダーゼが スーパ ーオキ
オキ シ ダーゼ (
TIが生 成 す るが ,Compound I
I
Iは Fe(
I
I
)の酸 素 錯 体 で あ り, この
シ ドと反応 す る と compound I
Fc(
H)錯 体 に過 酸 化 水素 が 反応 す る とフェ ン トン反応 を起 こ して水酸 化 ラ ジカル を生 成 す る。結 果 と
して HRP は スーパ ー オキ シ ドと過酸 化 水素 か ら水酸 化 ラジ カ ル を生 成 す る こ とに な る。 この 反応 は
Har
be
r
We
i
s
s反応 と呼 ばれ るが ,HRP は典型 的 な Har
ber
Wei
s
s触媒 で あ る Fe
EDTA 錯 体 よ り 1
01
02 速 く水酸 化 ラジ カル を生 成 す る。
MnP は過 酸化 水素 , Mn(
I
I
),還 元型 グル タチ オ ン (
GSH)存在 下 にベ ラ トリル アル コール を酸化 す
るiヰ)0 Mc
El
d.O。 らは, 後 に HRP も還 元型 グル タチ オ ンと Mn(
TI
)存在 下 でベ ラ トリル アル コールが
II
)非存 在下 で生 成 す る グル タチ イル ラジカル
酸化 され る こ とを見 出 した。彼 らは, HRP に よ り Mn(
(
GS・
)で はベ ラ トリル アル コールの酸 化 が起 きない こ とか ら, 反応 の活性 種 は MnP の反応 で予 想 され
た GS・で は な く,GS・と Mn(
I
T
)の コ ンプ レ ックスあ るい は GSH と Mn(
II
I
)の コ ンプ レ ックスで
あ る と推 定 した45)。 しか しなが ら, 後 述 の よ うに GSH と ラ ッカーゼ に よ り Mn(
I
T
)非 存 在 下 で ア ン
トラセ ンな どの PAH が酸化 された こ とか ら,活 性 種 に関 して は なお検討 が必要 で あ ろ う。HRP に よ
るベ ラ トリル アル コールの酸 化 はジチ オ トレイ トール, メル カ プ トエ タ ノー ル, システ イ ンで も起 きる
が, 同 じ還 元 剤 で も SH 基 を含 まない ア ス コル ビ ン酸 で は起 きな い。GSH は生体 内 にお け る活性 酸 素
の生 成 と消去 に大 きな役割 を担 って い るが,蘭体外 で の木材腐朽 に影響 を及 ぼ してい るか否 か は明 らか
に されてい ない。
2.
4 ラ ッカーゼの新 しい触 媒機 能
ラ ッカーゼ (
Lac
)は分子状 酸素 を電子 受容 体 とす る フ ェ ノール オキ シダーゼで あ り,通常4個 の銅 原
千 (
TypeI,TypeI
T
,2個 の TypeHI
)を補 欠 分子 に もつ。 ラ ッカーゼ が フェ ノー ル,芳 香 属 ア ミン
I
I
)原 子 に受 け渡 され, そ こか ら 1つ の TypeT
Iと 2つ
な どの基 質 か ら奪 った電 子 は ,TypeTの Cu(
IIの銅 電子 か らなる 3核錯体種 に移動 し分子状 酸素 を還元す る。
の TypeI
ラ ッカーゼ は Li
P と異 な りこれ まで非 フェ ノー ル型 リグニ ン構 造 を分 解 で きな と され て きた。 しか
990年 に ラ ッ カー ゼ が レ ドッ ク ス メ デ ィ エ ー ター で あ る Af
i
TS (
2,2′
az
i
nohi
s(
3
し な が ら, 1
e叫 ′
1
bc
I
Zt
hi
a
z
ol
i
、
e
6s
L
l
l
p1
01
i
cac
i
d)の存 在下 で非 フ ェ ノー ル型 リグニ ン構 造 を分 解 す る こ とが示 され
の を契 機 にヰ`'), 非塩 素 系 パ ル プ漂 白へ のr
E
.
用 を 目的 と して各 種 の ラ ッカーゼ メデ ィエ ー ターが化 学 合
成 されて い る。 ラ ッカーゼ メデ ィエ ー ター に求 め られ る条 件 と して は, 1
) 高 い レ ドックスポ テ ンシ ャ
- 3
9-
木材研 究 ・資料
第36号 (
2
000)
ル ,2) ラ ッカーゼの失 活 を起 こさない ,3) メデ ィエ ー ターが副反応 を起 こ さず に リサ イクル される,
4) 毒性 が少 ない, な どの点が求 め られ る。 これ らの条件 を満 たす合成 メデ ィエ ー ター と して現在 の と
ころ Nhydr
oxyNPhe
nyl
ac
et
ami
de(
NHA)が注 目を集 めてお り, ドイツ等 で非塩 素系 パ ル プ漂 白に応
用す る実用化 試験 が行 われてい る。 ラ ッカーゼ存在下 に非 フェ ノール性 リグニ ンモデル を分解 す る白色
腐朽 菌 の代 謝物 として は P
yn
o
po
r
u
∫c
i
n
n
a
b
ar
i
u
Sの生産す る 3hydr
oxyant
hr
ani
cac
i
d(
3
HAA)が報告 され
て い る47)。 しか しなが ら,3
HAA が合成 メデ ィエ ー ターの よ うに ラ ッカーゼ に よる酸化 と基 質 に よる
還元 の後,再 び レ ドックスサ イクルに組 み込 まれて リサ イクル され るか は示 されてい な い 。 ラ ッカーゼ
は シ リ ンガアルデ ヒ ド存在 下 でベ ラ トリル アル コール を酸 化 す るヰ
∼
i
)
。 また, フェ ノー ル, アニ リン,
4-ヒ ドロキ シ安息香酸 の他 ,還元型 の グル タチ オ ン, システ イ ン, メチ オニ ン存在下 に多環式芳香族 炭
化 水素 であ る PAH を分解 す るLL9)。
上 述 の ように, ラ ッカーゼ は酵 素単独 で は非 フェ ノール性 リグニ ン構 造 を分解 で きない とされ て き
u
∫l
i
gr
i
nu
∫の 麦藁 固体 培 養 か ら精 製 した ラ ッカーゼ が 非 フェ
た。 しか しなが ら,Le
ont
i
e
vs
k
y らは Pan
ノール型 リグニ ンモ デルで あ るベ ラ トリル アル コールや β-1型 の リグニ ンダ イマ ーモデ ル を分解す る
と報告 した。 この酵素 は, ブルー ラ ッカーゼ と同様 4個 の銅 原子 を補 欠分子 と して もつ に もかか わ らず
61
0nm の極 大吸収 を もたず イエ ロー ラ ッカーゼ と命 名 され た。酵 素 の分子構 造 は不 明で あ るが,何 ら
かの低 分子化 合物が レ ドックス メデ ィエ ー ター として酵素 に結 合 してい るため に本酵素 が非 フェ ノール
型 リグニ ンモデルの分解力 を もつので はないか と推定 されてい が
(
I
)0
一 方 , p.o
∫
t
r
e
a
l
u
Jの生 産 す る 2つ の ラ ッカー ゼ ア イ ソザ イム (
pIp.
7, pT4.
0)の う ち, pI4.
0の
ラ ッカーゼ ア イソザイ ムは他 の 白色腐朽菌 由来 の ラ ッカーゼ と同様 4個 の銅 を もつ ブルーラ ッカーゼで
あ るが,pI6.
7の ア イソザ イムは 1つ の Cu と 2つ の Zn, 1つ の Fe原子 を もつ新規 な ラ ッカーゼ で
あ る と報告 された。 この酵素 は,600nm 付 近 の ブルー ラ ッカーゼ特 有 の吸収極 大 を もた ない こ とか ら
。非 フェノール性 リグニ ン構 造 の分解 力 は もたず触 媒作 用 に関 し
ホ ワイ トラ ッカーゼ と命 名 され た51)
て はブルーラ ッカーゼ に類似 して い る。 また ,phl
e
bi
ar
ad
l
at
aの ラ ッカーゼは,TypeT
,TypcI
Tの 2つ
の銅原子 しか もた ないが,補酵素 と して PQQ を もつ
0
52)
a
me
l
e
∫v
e
r
s
i
c
o
l
o
r
一般 に ラ ッカーゼ は直接 Mn(
I
I
)を Mn(
I
I
T
)に酸化 す る活性 は もた ないが,最近 Tr
ラ ッカーゼが 高濃度 の ピロフ ォス フェー ト存在 下 で微弱 な らが Mn(
Ⅰ
Ⅰ
)の酸化 活性 を もつ と報告 され
たF
'
'
i)。Mn(
I
I
)を直接 酸化 で きない ラ ッカーゼ も基 質であ るフェ ノールが存在 す る とフェ ノキ シラジ カ
ル を介 して Mn(
TI
)を酸化 す る。 フェ ノキ シラジカルの還元 は, ラジカル カ ップ リ ングに よる高 分子
化 を抑 制す る。
3.低 分子化 合物の関与 した フ リーラ ジカル生成 プ ロセス
3.1 選択的 リグニ ン分解菌 とフ リーラ ジカル発生系 による木材 分解
MnP と Lac生 産菌 で あ る Ce
γ
i
Po
r
i
o
pL
r
i
H uu
e
l
・
mi
J
Po
r
a は, 木材腐 朽 が か な り進 行 した段 階 に なって も,
自分 の生産 した菌体外酵素 を木材細胞壁 内 に進 入 させ るこ とな く,酵素 か ら遠 く離れ た細胞 間層 や細 胞
壁 深層 の リグニ ンを選択 的 に分解す る卜う̀
)
。選 択 的 リグニ ン分解 菌 と呼 ばれ る本菌 は,細 胞壁 リグニ ン
のみ な らず,酵素 か ら最 も遠 い位置 にあ る細 胞 間層 の リグニ ンを腐朽 の初期 か ら激 し く攻 撃す る (
図
3)。 木材 の細胞 同士 を接 着 してい る細 胞 間層 の リグニ ンが腐朽初期 か らダメージ を受 けるため, この
菌 で 2- 4週 間処理 した後 に機械的 なパ ル ビングを行 うと重量減少 をそれほ ど伴 うこ とな く最大47% も
のエ ネルギ ー削減効果 が得 られ る =
l̀
)。
しか も,得 られ たパ ル プは菌処理 を しない機械 パ ル プ よ り最大
2.
2倍 も引 き裂 き強 度 が 強 い l・54)。 また, 本菌 で ス プルー スお よび カバ材 を 4週 間処 理 した 後 にサ ル
フ ァ イ トパ ル プ化 を行 う とそ れ ぞ れ48% と3
0% の カ ッパ 価 の 減 少 が 見 られ る l)o 同 一の 処 理 を
一一
Pha
n
e
γ
o
c/
l
ae
l
ec
hr
J∫OS
Por
iu
m で行 った際 のカ ッパ価 の減少率 は, カバ材 で20%, スプルー ス材 で は 0%に過
- 40-
渡辺 :白色腐朽菌 の フ リー ラジカル生成 プ ロセ ス
選 択 的 リグニン分解
非選択的リグニン分解
■ J jI■ J
r_ I _ L _ _ I
二、
木材細胞壁
細胞間層
細胞間層
図 3 選択 的お よび非選択 的 リグニ ン分解菌 の木材腐朽様式
ぎな い
1)。
こ う した結果 か ら も, C・∫u
I
,
e,
mi
S
Poraが針葉樹 お よび広葉樹材 の細 胞 間層 リグニ ン と細 胞壁
リグニ ンを単期 間の うちに高 選択的 に分解 しているこ とがわか る。木材 の細胞壁 には小 さな孔 が あいて
0-2
0Å 以下で あ る。 これ に対 し,酵素 の分子直径 は 40Å 以 上 は
い るが, その孔 の直径 はおお むね 1
あ るため, 白色腐朽 菌 は木材細胞壁 に大 きな孔 を開 けない限 り, 自分 の出す酵素 を木材細胞壁 内 に進 入
させ ることがで きない。 カ ワラ タケな ど多 くの リグニ ン分解性 白色腐朽 菌 は,木材 に孔 をあ けて 自分 の
出す菌体外酵素 を木材細胞壁 中に進入 させ るこ とに よ り木材 を分解す る。結果 と して木材細胞壁 はぼろ
i), パ ル プ原料 や化 学資 源 と して の価 値 が著 し く低 下 す る。 これ に対 し, C.
∫
ubu
e
,
mi
∫
ぼ ろ に浸 食 され '
po
r
a等 の選択 的 白色腐朽菌 は,木材細 胞壁 に酵素が進 入で きる孔 を開けない まま,酵素か ら遠 く離 れた
場 所 に存 在 す る細胞壁 や細胞 間層 の リグニ ンを広範 囲 に しか も高選択 的に分解 してい る (
図 3)。 この
例 か ら明 らか な よ うに,選択 的 白色腐朽菌 において は,酵素以外 の低 分子化 合物 が リグニ ン分解 に直接
関与 してい る。
選択 的 白色腐朽菌 の リグニ ン分解機構 には,酵素 か ら遠 く離 れた リグニ ン分解 の現場付近で発生 した
ラジカル種 が関与 して いる もの と推定 され る。何故 な ら,仮 に酵素が細胞 内腔 (
ルー メ ン) 内で強力 な
ラジカル を作 った と して も,生成 した ラジカル は単寿 命 なため酵素 か ら遠 く離 れた リグニ ン分解 の現場
に行 く前 に 自己分解 して しまうであ ろ う し,細 胞内腔 で生成 した ラジカルは細胞壁表層 で優 先 的 に反応
n∫
i
l
u型 の ラジカ
す るため であ る (
図 3,4)。 このた め我 々は,選択 的 白色腐朽菌 の リグニ ン分 解 に i
n∫
i
t
u型
ル発生機構 が関与 して い るこ とを提 唱 しう
う
)
, ラジカル発生系 の解析 と応用研 究 を進 めてい る。 i
の リグニ ン分解機構 が成立す るため には, フ リーラジカル連鎖 反応 のみで木材 中の リグニ ンが高選択 的
に分解す る こ との証 明が必要 で ある。
従来 フ リー ラジカル連鎖 反応 のみで -̀
木 材 中の'
'リグニ ンが穏和 な条件で分解す る とは考 え られてい
なか った。例 えば,最 も酸化 力 の強 い ラジカル種 の-一
つであ る水酸化 ラジカル発生系 で木材 を処理 した
場 合で も多糖 の分解 は進行す るが リグニ ンの重量減少 は軽微 であ り,細胞 間層 リグニ ンの分解 に よる木
材 細胞 の剥 離,即 ちパ ル プ化 は観 察 され ない う`;)。我 々は,制御 された フ リー ラ ジカル反応 の可能性 を
追求すべ く過酸化 中間体 となる有機 ヒ ドロペ ル オキ シ ドか ら強力 な フ リーラジカル を発生 させ る系 を探
索 した。その結果, これ まで に白色腐朽菌 の代 謝物 であ る ピ リジ ンお よびその誘導体 の鋼錯体 と有機 ヒ
ドロペ ルオキ シ ドの反応 に よるカーボ ンセ ンターラジカル発生系が室温 ・水溶液 中 とい う穏和 な条件下
51う
3)。 さらに, この反応系 を木
で非 フェ ノール性 高分子 リグニ ンを強力 に分解 させ るこ とを見 出 した5
'
ubu
で
′
・
mi
s
po
'
aや Di
c
h
o
mz
'
l
ufS
qu
al
e
n
∫な どの選 択 的 白色腐朽 菌 と同 じ く細 胞
材 に対 して作 用 させ る と, C.∫
同士 を接着 してい る細胞間層 の リグニ ンが反応 の初期 か ら分解 し,反応 が進行す る と針葉樹 材,広葉樹
材 と も細胞 剥離 の現 象が見 られ が
。 この よ うに, ヒ ドロペ ル オキ シ ドが ホモ リテ ィックに開裂 して
G)
- 41-
木材研 究 ・資 料
第36号 (
2
000)
図4 選択 的 白色腐朽 にお け る フ リー ラジカル発生様 式 とリグニ ン分解 の関係 *
*選 択 的 白色腐 朽 にお い て, 細 胞 壁 深 層 や細 胞 間層 の リグニ ンを攻 撃 す るた め に
は,細胞 内膝 の酵 素 に よって生 成 した ラジ カル (
反応様式 A) で はな く, リグニ ン
分解 の現 場付 近 で発生 した ラジ カルが有利 で あ る (
反応様 式 B卜3) O
次 々 と過酸 化 中間体 や ラジ カル種 を生 成す る反応系 は, ラジカル連鎖 反応 の制 御 に よ り細胞 壁 リグニ ン
のみ な らず細 胞 間層 リグニ ンに対 して も攻 撃 的 な反応 となる。Li
Pの活性 中心 の モデ ルで あ るヘ ム を ヒ
ドロペ ル オキ シ ドを電子 受 容 体 と して反 応 させ る 1電子 酸化 型 ペ ル オキ シ ダーゼ モ デ ル 反応 う̀4)で 木材
を処 理 した場 合 にお いて は,細 胞 内腔 に近 い細 胞壁表 層 か ら リグニ ン分解 が進行 し,細 胞 間層 の リグニ
ンの分 解 は二 次 壁 が脱 .
)グニ ンされ た後 に起 こるた め細 胞剥 離 の現 象 は観 察 されて い な い
o こうし
`
'
∼)
た分解 のパ ター ンの違 い は木材 腐朽 菌 で も観察 されて お り,薗体外 酸化機構 と腐 朽様 式 の関係 を考察 す
る上 で も興味深 い 。
以 上 の よ うに, ヒ ドロペ ル オキ シ ドの ラジ カル連 鎖 反応 に よ り木材 中の リグニ ンが水 溶液 中で高選 択
的 に分解 し, それ に よる木材 の分解 形態 が選 択 的 白色腐 朽菌 の もの と近 い とい う現象 は,選 択 的 リグニ
ン分解 菌 に よる i
n∫
i
l
u ラ ジカル発 生 系 の 関与 を強 く示 唆 す る と と もに, 過酸化 前 駆 体 か らの ラジ カル
連 銀 反応 の制 御 を用 いて多様 な リグニ ン分解 反応 を構 築 で きる ことを示 す。
3.
2 リビッ ドベル オキ シデ ー シ ョン に よる フ リーラ ジカル発 生 システ ム
n∫
l
l
u ラジカル発生系 が 白色腐 朽菌 の リグニ ン分解 に関与 して い る とす れ ば,木材 腐
上述 の よ うに , i
朽 時 に ラジ カルの発 生源 とな る過酸 化前 駆 体 が必要 とな る。 C.j
ubu
e
'
7
ni
j
Po7
・
aは試験 され て いる白色腐朽
蘭 の 中で 最 も効率 よ く木材 中 の脂 肪 酸 類 を分 解 除去 す る川'
)
o 脂肪酸 類 は過 酸 化 に よ りフ リー ラジ カル
- 42-
渡辺 :白色腐朽 菌 の フ リー ラジ カル生 成 プ ロセ ス
を発生 す る代 表 的 な化 合物 で あ る。 最近,我 々 は脂肪 酸 類 の過酸化 (リビ ッ ドベ ルオキ シデ ー シ ョン)
図 5) を示 す と と もに ì7), 本 菌 が 木材腐 朽 の際 に遊 離 の脂
に関連 す る本菌 の新 規 な脂 質 関連代 謝物 (
肪 酸 と リビ ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドを生 産 し, それ らの消費 に伴 って リビ ッ ドベ ルオキ シデ ー シ ョン分
解 産物 の指 標 とな る TB
ARSが蓄 積 され て い くこ とを示 した'
i
H
)
。 これ らの こ とは, 本 菌 が木 材 中 の過
酸 化前 駆体 を最大 限有効利 用 す る とと もに, 薗 自身 もラジカル発生 源 となる低 分子過酸化前駆体 を生 産
して い るこ とを示 す 。 ラジカル発生 源 とな る過 酸化 前駆 体 と して は,脂肪酸 の他 に もテ ルペ ンや アルデ
ヒ ド, ケ トンな ど多数 の低 分子化 合物 があ り,過酸 化 の 開始機構 も二重結合 や カルボ キ シル基 に隣接 す
る メチ レン基 か らの水素 引 き抜 き, カルボ キ シル基 自身の過酸化 な ど多様 で あ る。 C.∫ub
u
e
r
mi
S
Po
7
・
aは,
Li
P で も酸 化 分解 で きない難分解性 pAH で あ る フル オ レンを 2 日間で 83% 分解 す る。 同一 の培 養 条件
で Li
P 生 産蘭 で あ る P・C
/
1
'
:
V
∫
0
5
Po
l
2
・
u
m の 3つ の菌株 の分解 率 は 1
4- 36% で あ るì
9
)
。菌 体 外 で の酸 化 シス
テ ムの発現 は培 養 条件 に大 き く左 右 され るため,菌株 間の優 劣 の判 断 は下せ ないが , Li
P 非 生 産 菌で あ
川bE
'
e
r
mi
i
Po
r
aが極 めて強力 な酸化機構 を有 して い る こ とは明 らかであ る。
る C..
COOH
COOH
(
Z)
-1,7Nol
adec
adi
ene231
di
car
boxyl
i
caci
dl
NDA)
図 5
Ce
r
l
Po
r
l
O
Ps
z
・
H u
b
u
e
r
mi
J
Po
r
'
]培 養 液 か ら分離 した新規脂 質 関連物 質6
7
)
リビ ッ ドベ ル オキ シデー シ ョンに よる T
)グニ ン分解 に関 して Hammelらの グルー プ は, M nP が不飽
和 脂 肪 酸 の存 在 F
で 非 フ ェ ノー ル性 リグ ニ ンモ デル や PAH を分 解 す る こ とを報 告 した 7O171)。 フ ェナ
ン トレンや フル オ レンな どイオ ン化 ポ テ ンシ ャルが 7.
55e
V 以上 の PAH は Li
P で も酸化 で きないが,
M nP に よる リ ビ ッ ドベ ル オキ シデ ー シ ョンで は これ らの化 合物 が酸 化 され る72-75)。 これ らの機 構 に
は, 脂肪酸 由来 の フ リーラジ カルが 関与 して い る と推 定 されて いたが, これ まで この反応系 で発生す る
ラジカル種 を検 出 した例 は なか った。 また, そ もそ もマ ンガ ンの酸化 酵 素で あ る M nP が なぜ不 飽和 脂
肪 酸 の酸化 を触 媒 で きるか とい う問題 と, 強 い抗 酸化 剤 で あ る M I
l(
Ⅰり の存 在 下 で 脂 質 の過 酸 化 が起
uE
'
e
mi
s
Po
l
・
a と B.,
l
du
∫
l
aの M nP の単 一 ア イ ソザ イ
きる理 由 につ いて も謎 で あ った.筆 者 らは, 罷近 c.∫
ム を リノール酸 お よび リノール酸 の ヒ ドロペ ル オキ シ ドと反応 させ , この反応 系 に よ って リビ ッ ドヒ ド
ロペ ル オキ シ ド中間体 か らア シル ラジ カルが生 成 す る こ とを示 した 7(,)(,M nP/リビ ッ ドの反応系 にお い
て は, M nP の触 媒 サ イ クル で生 成 した M n(
T
TT
)が遊 離 の脂肪 酸 のユ ノー ル型 構 造 か ら水 素 を引 き抜
いて カルボ キ シアル キル ラジ カル を生 成 し, この開始 反応 に よって生 じた ラ ジカル種 が ビスア リル位 の
水素 を引 き抜 くこ とに よって ラ ジ カ ル連 鎖 反応 が 開始 され る (
図 6).
〕 この一 連 の 反応 で生 成 す る リ
ビ
ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドは, M n(
T
l
)とは反応 しないが M n(
T
I
T
) と反応 して ラジ カル を発生 させ る。
Ml
、(
Ⅰ
り はベ ル オキ シル ラジ カル を トラ ップす る強 い抗 酸 化 作 用 が あ るが, この停 止 反応 で生 成 す る リ
ビ ッ ドヒ ドロペ ル オ キ シ ドは M nP の触 媒 サ イクルで生 成 す る M n(
Ⅰ
Ⅰり に よって再 びホ モ リテ ィ ック
に分解 され るため に, ラジ カル連鎖 反応 が継 続 す る。 この現 象 は, 従来 フェ ノール酸化 剤 と して考 え ら
れ て いた M l
-(
I
I
I
)が過 酸 化 前 駆 体 や リビ ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドの存 在 下 で は,酵 素 か ら離 れ た場所
で強 力 なラジ カル を発生 させ る ラジ カル連 鎖 の鍵物 質 となる こ とを示 してい る7f')。
リポ キ シゲ ナ ーゼ は シス型 1,4-ブ タジエ ン構 造 を もつ不 飽和 脂 肪 酸 の酸化 を起 こす オキ シゲ ナ ーゼ
で あ る。 リポ キ シゲ ナ ーゼ の反応で は, ビス ア リル位 か らの水素引 き抜 きを経由 して リビ ッ ドヒ ドロペ
ル オキ シ ドが生 成 し, リビ ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドが Fe(
H)型 の リポ キ シゲ ナ ーゼ を Fe(
I
II
)型 に酸
化 して アル コキ シル ラジカル を生 じる。 この反応系 には遊離 の脂肪 酸 や フェ ノールな どの水素供 与体 が
-
43 -
木材研 究 ・資 料
第 36号 (
2
000)
′
\
ノ
ぞ
〉
C
、
O
H[
O
n
o
l
_
_…
こ
こ
=
9
…
1
2
、
L
i
n
o
l
e
i
c
a
c
i
d9
H
H
1
2
C
C
O
O
H
r
b
o
x
y
l
a
l
k
y
l
r
a
d
i
c
a
l
a
Li
pi
dhydr
oper
oxi
de
H
u
∞
■1
=
‖u
∈二二
二、
/∈==ニー
/
〇
・
Gener
at
i
onoff
r
eer
adi
cal
si
ncl
udi
ngacyIr
adi
cal
図 6 マ ンガ ンペ ル オキ シ ダーゼ に よる ・
)ビ ッ ドベ ル オキ シデ ー シ ョン開始 機構 7<
う
)
* ヒ ドロペ ル オキ シ ドと休 止 型 ペ ル オキ シ ダーゼの反応 に は図 に示 したヘ テ ロ
リテ ィ ックな開裂 の他 にホモ リテ ィ ックな開裂 があ る。 ホモ リテ ィックな開裂
で は ア ル コキ シ ラ ジ カ ル と compound IIが 生 成 す る. 13S-ヒ ドロベ ル オキ
E-オ ク タデ カ ジュ ン酸 は Ce
r
l
Por
i
o
pS
i
L
∼,
、
u
bT
'
e
r
mz
'
j
Po
r
aの MnP の 良 い電
シー9Z,ll
了 の不均化 に よって生 じた HL
,
0{
2(
R-H)
子 受容 体 とは な らない。 従 って ,OL
が休 l
上型ペ ル オキ シ ダーゼ酸 化 の中心 的役割 を担 う。
必要 で あ る。 リビ ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドか らの アル コキ シ ラジ カルの生 成 は Fe(
Il
)な ど反応 系 に共
存 す る微 量 遷 移 金属 に よって も起 こ る。 リビ ッ ドヒ ドロペ ル オ キ シ ドか ら生 じた アル コキ シ ラジ カル
は,β一開裂 ,エ ポ キ シ化 , 水素 移動 な どに よ り, カーボ ンセ ン ター ラジカル,ベ ル オキ シル ラジ カル,
ア ル コキ シル ラ ジ カル, スーパ ー オキ シ ド, ア シル ラジ カルが生 じる 77)。 リ ビ ッ ドヒ ドロペ ル オ キ シ
ドか らの これ らの ラジ カルの生 成 は, シ トクロム P450 にお いて も観 測 され て い る (
図 7)7H). シ トク
ロ ム P450一脂 質過 酸 化 系 に よ る リグニ ン分 解 は試 験 され て い な い が, リポ キ シゲ ナ ーゼ 反 応 系 で は
Mnp-脂 質過 酸化系 7°)と異 な りク ラフ トパ ル プの脱色 は促 進 され ない こ とが報告 され てい るH
り
)
。
また,先 に述 べ た ラ ッカーゼ - メデ ィエ ー ター反応 は PAH で あ る フ ェナ ン トレ ンをほ とん ど酸化 で
きないが, この系 に不飽和 脂肪 酸 を加 える とマ ンガ ンイオ ンの非存 在下 で もフ ェナ ン トレンの分解が起
きる7
V̀。 これ らの結 果 は, 脂肪 酸 な どの過 酸 化前 駆 体 由来 の あ る特 定 の ラジ カル種 の発生 が 難 分 解性
化 合物 の酸化 分解 を引 き起 こ してい る こ とを示 して い る。 この よ うな ラジカル種 を特 定 し, それ を効 果
- 44-
渡辺 :白色腐朽 菌 の フ リー ラジカル生成 プロセ ス
R
も、
R■
h
y
d
d
r
o
r
o
p
e
L
(
1
i
3
p
S
i
d
-
pe
r
o
r
x
o
y
x
i
9
dZ
e
,
llE-
ト
R
R
,
a
i
d
.
a
. ≡∴\
Jp
e
・
n
?
y
5
.
H
.c
R
㌔
/
/
R
、
・
R
-
。.
R
≡
R\- 合
式
㌔ ○/
\=
慧
〇
一
一
-
十 C5
Hl
l
l
H
0
x
i
d
a
t
i
o
n
o
f
R
J
V
H
+
t
r
a
n
s
f
e
r
l β
Sc
i
s
si
onpat
hway
J
I Epoxi
dat
i
onpat
h
way
O・
図7
∀
H
Per
oxylr
adi
cal
\-
/′㌢
:
LR
R
こ
三
十 OH
lJ
\
=〈
宣
R
・ 02
1
・ 十 H2
。
シ トクロム P450 に よる リビ ッ ドヒ ドロペ ル オキ シ ドか らの フ リー ラジ カル生成
反応
7H)
的 に発生 させ る制御機構 の解 明が, 白色腐朽 菌 の リグニ ン分解能力 の増強や新規 な リグニ ン分解 反応 開
発の鍵 とな るであ ろ う。
M。Pは Mn(
I
I
)存在下で ナ イロ ンを直接 酸化 分解す る他 Hl),不飽和 お よび飽和 脂肪酸 を含 む界面活
ve
e.
、80 や Twe
en 2
0を添加 す るこ とによ りポ リエチ レンを分解す る臼2)。前者 の反応系 で
性 剤 で あ る T、
はマ ンガ ンイオ ンの キ レ一 夕-が 反応 を阻害 す るの に対 して, 後者 の反応系 で はマ ンガ ンイオ ンの キ
レ一 夕-の添加が必要 であ る。 これ らの反応 で は, ラ ッカーゼ/メデ ィエ ー ター/
脂肪酸 反応系 の ように
GSH の反応で提案 された ようにフ リー ラ
フ リー ラジカルその ものが活性 種で あ る可能性 の他 に,HRpジカルのマ ンガ ンコ ンプ レ ックスが 関与 して い る可能性 も否定 で きない。 いづ れ に して も, 反応 が過酸
化 水素 を添加 しな くて も進行す るこ とか ら,有機 ラジカルに よる酸素 の還元 と, それ に よって生成 した
04
_
,
ー)の不均化 が関与 して い ると推定 され る。
スーパ ーオキ シ ド (
3.
3 活性酸素種 と金属酸素錯体 反応
空気 中に存在す る酸素分子 は,三重項酸素 と呼 ばれ分子 中に不対電子 を 2個 もつ ビラジカルで ある。
この三重項酸素 は,金属錯体, ラジカル,光 ,放射線 な どの刺激 に よ り活性酸素種 と呼 ばれ る攻撃的 な
OH・
),一重項 酸 素, スーパ ー オキ シ ド (
02
分子 にな る。 活性 酸 素 種 の 中で, 水酸 化 ラジ カル (
)
は
リグニ ンを酸化す る。 これ らの中で,酸素 (
三重項酸素)の光増感反応 や次亜塩素酸 と過酸化 水素の反
応 に よって生成 す る一重項酸素 は,単離 した爆 砕 リグニ ンとアセ トニ トリル-エ タノール (1:1) 中で
反応 して シナ ピル アル コールや バニ リンな どの低 分子化 合物 を与 える8日
")。
リグニ ンの微 生物分解 に
お ける一重項酸素 の関与が 1980年代 を中心 に議論 されたが,現在 まで菌分解 にお けるこの活性酸素種 の
関与 を示す明確 な証拠 は得 られていない。一重項酸素 は光励起 によって生成す るため, リグニ ン分解 に
関 して は主 に紙の光劣化 との関係 で研 究が進 め られてい る。一重項酸素 は リビ ッ ドの 2重結 合 に直接付
加 して リビ ッ ドヒ ドロペル オキ シ ドを与 える。
- 15--
木材研 究 ・嚢 料
一方 ,酸 素 の- 電子 還 元体 で あ る
0了
第36号 (
2
000)
は高 分子 リグニ ンモ デ ル を低 分子化 で きるほ ど酸 化 力 が強 く
β 不飽和 リグニ ンモ デ
ないが , フ ェ ノキ シラジ カル との反応 で は芳香 環 開裂 生成 物 を与 え る。 また , αル の β-ラジ カ ル と反応 して共役 2重結 合 の CαCβ 開裂 を起 こす 壬iう)。 従 って, 酵素 な ど何 らかの酸化
21 は生 成 した リグニ ン由来 の ラジ カル と直接 反応 して
分解 系 で リグニ ンか らラジカルが生成 す る と OL
分 解 を促 進 す る。0 2 は キサ ンチ ンオキ シ ダーゼ な どの酵素 反応 の他 ,ベ ル オキ シル ラ ジ カルの 崩壊
や有機 ラ ジカ ル に よる酸 素 の還 元 に よ り生 じる。例 え ば, Li
P が ベ ラ トリル アル コール (
VA) を酸化
して生 じるベ ラ トリル アル コール カチ オ ンラジ カル (
VA十 )や Ml
l
P の反応 で生 じる M I
-(
HI
)は, 木
CO 2'
材腐 朽 菌 の代 謝物 で あ る シ ュ ウ酸 と反応 して フ ォー メー トアニ オ ンラジ カル (
酸 素 を還 元 して
0.
2一 が生
じるH…
日。結 果
)
を生 じ, これ が
と して これ らの リグニ ン分解 酵 素 に よる VA や Ml
-(
II
)の
酸 化 が 非競 争 的 に阻害 され る。 同様 に, Mn(
T
I
T
)は, マ ロ ン酸 , グ 1
)オキ シル酸 か ら も酸 素 存 在 F
で
co了
と o{
2
J を生 成 す るn)
。 これ らの 反 応 で生 成 す る CO2
●
ー の 標 準 還 元 電 位 は COL
,
/
CO{--
1.
80V に達 し, プ ロモ トリクロロエ タ ンの脱 プ ロム化り
2
)
, トリク ロ ロ酢 酸 の 脱塩 素 化9
3
)
,Fe(
HT
)の
Fe(
TI
)へ の 還元'
'
2
)を起 こす 。 リ ビ ッ ドベ ル オキ シデ ー シ ョンの過 程 で もフ リー ラジ カル に よる酸 素 の
,が生 成 す る。
還元 に よ り O l, が生 成 し, これが不均 化 して H20L
リグニ ン分解 物 か ら生 じる ヒ ドロキ ノンは ラ ッカーゼ や Ml
ュ
P に よって酸 化 されて セ ミキ ノンラジ カ
CDH)
ル とな る。 この セ ミキ ノ ンラジカル は, キ ノン リダ ク タ-ゼや セ ロ ビオー スデ ヒ ドロゲナ ーゼ (
に よ って ヒ ドロキ ノ ンに還 元 され るが, この一連 の過 程 で生 成 す るセ ミキ ノンラジカル も酸 素 を還元 し
て
0了
を発生 す る.P.C
/
u
y∫
ot
p(
m'
u
m や P.e
l
yl
gi
iな ど多 くの 白色腐朽 菌 は リグニ ン分解 酵素 とキ ノン還
元 酵 素 の両 者 を生 産 す る菌 で あ り, 強 力 な 02 発生 系 を もつ 。 こ う して生 成 す る 0・
2
一 は上述 の よ う
に ラジ カ ル と反 応 して リグニ ン側 鎖 や芳香 環 の分 解 を起 こす他 に, Mn(
r
T
)の Ml
l(
I
II
)- の酸 化 , 不
均 化 に よ る H204
2 の発 生 ,FC(
I
I
I
)の Fe(
I
I
)- の還 元 な ど木材腐 朽 にお い て 多様 な働 きを して い る。
02 に よって FC(
HI
)が Fe(
T
T
) に 還 元 さ れ る と H{
2
0L
2との 反 応 に よっ て さ ら に 水 酸 化 ラ ジ カ ル
(
oH・
)あ るい は鉄 の酸 素 錯体 が生成 す る。 フ ェ ン トン反応 と呼 ばれ る この反応 はセ ル ロー ス を激 し く
損 傷 させ るた め選 択 的 な リグニ ン分解- の寄 与一
は少 ない と思 われ るが , セル ロー スを優 先 的 に分解す る
褐 色腐朽菌 や リグニ ンとセ ル ロース をほぼ 同時 に分解 してい く白色腐 朽 菌で は菌体外 酵 素 を木材細胞 壁
内 に進 入 させ るた め に こ う した OH・発生系 を積極 的 に利 用 して い る と推 定 されて い る。OH・は, 白
e
ur
o
l
u
Je
r
i
n
gi
iの MnP の発現 も誘 導 す るり1)。褐 色腐 朽 薗 Gl
o
e
o
p/
l
Jl
l
um l
r
'
I
b
e
um は,2
,
5-ジ メ ト
色腐朽 薗 pl
キ シー1,4-ベ ンゾキ ノンを生 産 し, この キ ノンと相 当す る ヒ ドロキ ノンとの レ ドックスサ イクルに よ り,
Fe(
HI
) を Fe(
II
)- 還 元 す る。 同 時 に,02
一 由 来 の H2
02が 生 産 され, 結 果 と して OH・が生 成 す
る。 この系 は, ポ リエ チ レング リコー ル を分解 す る。
う
)
oFe(
T
I
T
)の Fe(
I
T
)へ の還 元系 に は, この他 シ
デ ロフ ォア用 物 質。-̀
)
, や糖 ペ プチ ドな どの低 分子 代 謝物 。7.州 ), セ ロ ビオー スデ ヒ ドロゲ ナ ーゼ な どの
糖 酸化 酵 素 札̀
=)
。)も関与 す るo
木材 には,遷移 金属 と してマ ンガ ン,鉄 と と もに銅 が含 まれてい るが, これ まで低 分子銅鐸体 に よる
室 温 水溶液 中での高 分子 リグニ ンの分解 は報告 されて お らず , リグニ ン分解 にお ける銅 鐸体 反応 はそれ
ほ ど注 目されて い なか ったo しか しなが ら,Cu(
I
)が H・
2
0L
,と反応 す る と Fe(
I
I
) と H2
02の反応 と同
様 oH・を発 生 させ, しか もそ の生 成 速 度 は,Fe(
I
I
) と H2
02の場 合 よ り一桁 以上 速 いo 従 って, 木
材腐 朽 蘭 に よる OH・の発生 に木材 中 に もと もと含 まれ て い る銅 イオ ンが 関与 して い る こ とは十分予 想
され る こ とで あ るO また, エ チ レンジア ミン銅 錯 体等 多 くの銅 の配位 化 合物 は遊 離 の銅 イオ ンと同様
H2
02と反応 して OH・を発生 させ るが,銅 の ピ 7
)ジ ン錯体 と過 酸 化 水素 の水 溶 液 中で の反応 は OH・
04型 2量 体 モ デ ルの β-エ ーテ ル を開裂 させ , クラ
を発生 させ ない に も関 わ らず ,非 フ ェ ノール性 βR も酸化 分解 し, フ ェ ン トン反応 に比 べ て セ ル ロー ス に与
フ トパ ル プ を漂 白す る。 本 反応 系 は POLY-
え る ダメー ジが少 ない。 また, 木材 チ ップ と作 用 させ た場 合広 葉樹 材 を部 分 的 に脱 リグニ ンす る5=
i
-u)
0
- 46 -
渡辺 :白色腐朽菌 の フ リー ラジカル生成 プロセ ス
ピリジ ンは白色腐朽 菌 の代 謝物 として知 られてお り, ピ リジ ン骨格 を もつ誘導体 は菌代 謝物 と して普遍
的 に存在す る。 また,3.
1に ヒ ドロペ ル オキ シ ドに よ.
るラジカル連鎖 反応 に よ り針葉樹材 と広葉樹材 の
細胞壁 と細胞 間層 リグニ ンが分解 され るこ とを記 したが, この ラジカル発生系 に もピリジ ン骨格 を もち
カーボ ンセ ンター ラジカル を発生 させ る銅錯体 が有効 であ った。 リグニ ン分解酵素であ るラ ッカーゼ は
活性 中心 に銅 をもち,酸素 を電子受容体 と して フェ ノールを酸化す る。従来 よ りこの ラ ッカーゼの触媒
サ イ トを模 倣す る試 みが行 われてい るが ,上述 の よ うな銅錯体 とヒ ドロペ ル オキ シ ドの反応 は リグニ ン
分解酵素の触媒機構 にはない組 み合 わせ であ り, リグニ ン分解 に関 して は研 究 の扉が よ うや く開 きか け
た ところ と も言 える55157)。過酸化 前駆体 あ るい は過酸 化 中間体 か らの ラジカル連鎖反応 を鉄, マ ンガ
ン,銅 な どの金属錯体 で制御 した り,ベ ルオキ シ錯体 な ど oH・以外 の活性種 を金属錯体 と過酸化 水素
反応 に よって生成 させ る方法 が リグニ ン分解 の戦略 と して今 後重用祝 されて い くであ ろ う。
以上 の よ うに,木材腐朽菌 に よる リグニ ン分解 において は,嫌気性 微生物 に よる リグニ ン分解 1。卜 105)
とは対照的 に,酸素 お よびそれか ら派生す る活性酸素種 が基 質 との反応 や酵素 の発現 に深 く関与 してお
り,酸 素 を巧 みに操 る能力が この種 の微生物 の優 れた木材分解力の一つ の決 め手 とな ってい る。
4.終
わ
り
に
C..
r
∼
1
∼
'
e
'
・
mi
L
'
,
Po
J
・
aな どの選択 的 1
)グこ ン分解菌 はセル ロー スの ダメー ジ を最 小 に して リグニ ンを効 率 良
く分解す る。 しか もこの反応 は酵素 か ら離 れた場で起 きてい る。 白色腐朽菌 の こ うした絶妙 な ラジカル
制御機構 の解 明 は,環境調和型 の リグニ ン分解 反応 の構築 に対 して革命 的な恩恵 をもた らす もの と期待
され る lt)t')。 リグニ ン分解酵 素 の発現 ,制御,触媒機構 の解 明 と合 わせ て,木材腐朽 にお けるフ リー ラ
ジカル生成機構 の全体像 の解明が 白色腐朽 菌 の リグニ ン分解力 の遺伝子工学 的増強 1 7.1。H)や環境 汚染物
。
質 の分解 川!
'
)
, さ らには木 質バ イオマ スの成 分分離 とそ れ に続 くケ ミカル ス,エ ネルギ ー 11`川
1),機能
'
),紙 ・パ ル70
5
=
'
1'
二
i・=う̀
),生 分解性 材 料 114・
1
1
5
)
, 食 品素材 1
1卜̀1
2。)ヤ 等 - の総 合 変換 プロセ
性 ポ リマ ー 11L
"
I
)に大 き く寄与 す るであ ろ う。
ス構築 11。・121111
引
用
文
献
1
) K . M ESSNER and E. SREBOTONIK ‥FEMS MI
C
r
O
b
z
'
o
l
.Rb.,13,351
-3
64 (
1
994)
2) R・A ・BLANCHETTE,E・W .K RUEGER,J.E.H AIGHT,M .A KHTAR andD .E.A KIN :J.Bi
o
l
e
chn
ol.
/
.53,203-21
3
(
1
997
)
l
ppl
.E7
1
∼
ノ
Z
r
o
l
l
.Mi
c
r
o
bz
'
o
I
.
,60、1
383-1
386 (
1
994)
3) E. SREBOTNIK and K . M ESSNER : ノ
4) H . W ARIISHI,L.A KII.ESW ARÅN and M .H . G o‖)‥Bi
o
c
h
e
mi
S
l
'
:
V
,27,5365-537
0(
1
988)
5) I.-C . K UAN, K .A .L
JoHNSON a
l
d M . TIEN :J.Bi
o
l
.C/
l
e
m.
,268,2
0(
〕
641
2
007
0(
1
993)
6) L S. ZAPl
u TA and M .r
n EN :J
.Bi
o
l
e
c
hn
o
/
.
,53,9311
02 (
1
997)
7
) S.CAMARERO,S.SARKAR ,F.
J.R uIZ-D uENAS,M .
J.M ARTINEZ andA .T.M ARTINZ :J.Bi
o
l
.Chem.
,274,
1
032
4-1
033
0(
1
999)
F・LARRONDO,S.LoBOS,J.IJARRAIN and R .V ICU元Å ‥FEBSLe
l
l
.
,371,1
32-1
3
6(
1
995)
8) U ・U RZdA,L・
t
j
t
.Bz
l
o
c
h
e
m.Bz
'
o
pr
t
y ,356,2
872
95 (
1
998)
9) S.L T lMOFEEVSKI, N .S, READING and S.D . A UsT : Al
1
0) S.-X . C HEN and P.ScHOPFER : Eu7
.J.Bi
o
ch
e
m.
,260,7
2617
35 (
1
999)
ll
) H . W ARIISHI and M .H . G oL。 :J.Bi
o
l
.Ch
e
m ,265,2
07
01
2077(
1
990)
'A a
nd M .K Uw AHARA ‥Ch
e
m.Le
l
l
.
,44445(
2
000)
1
2) T .W ATANABE,H .K AMITSUJl,M .ENOKl,Y .H oNJ
l
.Cal
a:
L
y
∫
Z
'
JB:En
'
_
y
mal
i
c
,2,243-2
51
1
3) S・YosHIDA了 1一・W ATANABE,Y ・H oNl,A and M .K U、V一ゝHARA :J.Mo
(
1
997
)
1
4) S・Y osHll,A,A ・C HATANl,Y ・H oNDA,T ・l′
V^TANABE と
l
ndM .K Uw AHARA :J.Mo
l
.Cal
a
l
Jy
∫l
∫B:En
'
J
Vm
at
i
9,1
7
3-1
82 (
2
000)
1
5) H ・ W ARllSHl
,I
). SHENG a
nd M .H . G oLl
): B1
0
C
hem z
5触
33, 5545-5552 (
1
994)
1
6) T .JoHtJIMA,N .ITOH,M .K ABUTO,F.T o KIMURA,T .N AKAGAW A,H .W ARHSHIandH .TANAKA :P7
O
C
.
Nat
.
z,
j1.
.
c,
-
47-
木材研 究 ・資 料
第 36号 (
20(
)
0)
Ac
a
d.Sc
i
.USA,96,1
98911
994 (1
999)
c
/
I
.BI
O
'
/
/
e
m.Bi
o
pノ
恒.
,312,らll-:
)15 (1
994)
17) 1
).
P.BARR and S.
D.Aus
T:Ar
)
ORland M _「
l
l
l
EN:J.Bl
(
'
!
.Che
m.
,270,22L
)
54-i
)
2L
)
58 (
1995)
1
8) R.
S.Ko ul
1
9) 服 部 武 文 :木 材研 究 ・資 料 , 33, 1
-1
2 (1
997)
.YAMA∠AKlar
l
d S.
D.Aus
T:Bi
'
'
L
h
L
m叫 J
.34,1
6860-1
6869 (
1
995)
20) A.KHI
NDARI
A,I
γ
21
) A.KHI
Nl)
A RI
A、I
.YAMAZAKland S.
1
). AL
J
S
T‥Bl
'
'
'
Jl
e
7
′
7
Z
. ,35,64は-64L
)
4(
1
99(
ラ
)
嗅
V
i
)
i
)
) A.KHI
NDARI
A、G.NI
E and S.
D.Aus
T:Bl
o
c
/
L
e
W
l
叫 V
,
.36,1
41
81-1
41
Rl
I
)(1
997)
i
)
:
3
) M .TI
EN and D.
B.MA:J.Dz
o
/
.C/
l
em .I2
72,H91L
)
-891
7 (1
997)
24) 1
).SHENG こ
I
nd M .
H.GoI
J
l
):Bl
u
C
/
)
e
mZ
j
h
J ,3
7,i
)
OL
)
9-i
)
03t
i(1
998)
1
)
ら) l
ー
).SHENC
.L
md M .
H.Go=)‥F
J
'
u
J
.J.Bi
t
)
(
,
/
l
e
n.
,
.259,6L
)
613
34 (1
999)
i
)
6) A.KHI
Nl
)
ARI
A,T.
A.GROVER al
l
d S.
1
).Aus
T:B川L
/
l
e
mi
L
'
h
:
γ,3
4,602(
ト60L
)
う (1
995)
o
'
h
e
f
n.Bl
'
'
P/
l
JJ
.Rt
,
∼
.Co
"
り〃
〟.
I
.251,2t
i
3-i
)
86 (
辛)
98)
i
)
7) K.AM1
3
ERTBALAY,S.
M .FucHSand M .TI
EN:Bi
〝
2H) W .
A.1
)oYは ,W .BI
J
ODI
G,N.
C.VEI
TCH,K.PI
ONTEK a1
d A.
r
l
l
.SMl
,
l
H:Bl
o
c
/
l
e
m叫 γ.37,150971151
0L
C
'
(1
998)
i
)
9) T.CHOI
N。VSKl
,W.BLOl
)
1
G,K.
H.W I
N,
l
l
i
RHAl
/r
ERal
d K.PJ
ONTJ
I
K:
J.Mol
.Bi
'
'!∵2
86,HO9-827(1
999)
l
Al
)
l
NGL
l
l
、
dS.
1
).Aus
T:Bz
'
'
'
L
/
l
e
n.Bz
'
o
I
)
/
!
yi
.Re
、
、
∴Co
m"
柑.
,256,500-Sol
30) S.
L.TI
M(
)
Fl
i
EVSKl
,G.NI
E,N.S,Rl
7∼
(1
9(
)9)
31
) PJ.
M .TEUNI
S
Sl
i
Nこ
t
l
d ∫.
A.Fl
H」):(
l
F
J
I
BS Le
〟 .,4
39,i
)1
9-i
)
23 (1
99H
)
3L
)
) G.
R.
J.SIJ
THliR- ND,A.KHI
Nl
〕
ARl,
ゝ乙
川d S・
1
)・AL
J
S
T:A,
(
′
/
(
・B州,
/
l
e
7
7
′. B
z
b
/
,
/
i
v
'
.
.327,i
)
〔
卜26 (1
906)
二
3
3) A.HEI
Nf
l
l
NG,J.R
H
zDuEN▲
ゝ
S,M J .M AR・
J
、
I
Nl
i
Z,M .BE
RGl
i
j
\
し
.
LR.U
.
SZL
Wn ′
K
tl lld
A.
T.M ARr
l
lNl
工
Z
.:
FEBS/
J
e
t.
,428, 1
1
日 1
46 (1
99H)
/
3,
I
) A.HEI
NL
l
l
NG,M J.M ARTIN上,
i
.
IA.
T.M AR・
l
l
l
NEZ,M .臥 RGl
i
AUER 日̀、
d U.Sz,1.
.
WZYK:ノ
l
p
pl
.E rl∼ノ′7,n l.
Mz
I
L
7
0
l
n
'
0.
,64,2788 L
)793 (1
998)
:
3
F
'
)T.M l
l
S
TER L
l
nd J.
A.Fl
ml
):J,Bz
"
I
.C/
z
e
7
n" 2
7311
541
2-1
541
7 (1
998)
:
3
6)r
l
l
.lR u;
.
,Y.HoNl
)
A,H.
C.HA,T.W AT ANAliL
iL
t
l
l
d M .KmvAHAR
A:J.H/
o
o
d . 46,i
)
30233 (
'
2000)
37)A.1
)'
ANN柑A日工
,C.CRESTI
NI
. E.
l
l.M A,
m A al
、d G . . E
RMANNl二J,Bl
l
o
l
e
L . 48.2
31239 日996)
/
S c 7
)
E
G
J.
A.FI
己I
.1
)こ
l
nd J.
A.M .I Bo N
′
1:T
I
38) E.1)EJo G,
N
E
/l'l'' /
S
B
I
,
e
〝.299 , 1
07111
S
o
0
,
I
( 1
99L
)
)
39) K.K I
S
,M .
K.VANSoMliRliN ,M .
B.M ▲\
yl
i
El.r)
,
J
.
SuN,T M .L LHRL
i
l
dM .
H.Got
,
1
)‥Bl
,
,
L
j
l
L
,
mZ
'
hJ,35,
H
l
.
8986-8(
)94 (1
996)
40) M .
SuNDARAM(
)
ORTHY ,K.KI
SHl
.M .
H.Go‖)乙
l
l
l
dT.
L.PoM.
(
)
S:
J.Bz
'
'
,
/
・C/
l
t
"
Il.
/
.272.17:
)
74-175糾 日997)
41
) M .SuNDAR:
\
M(
)
ORTH ,K.KI
SJ I
,M .
H.G(
)
=" ndT.
L.PoL
,
I
.
OS:
J.Bz
'
,
,
I
.
C/len .
I269,3L
)7:
)
913t
l
)
7
67日994)
Y
I
4L
)
) B.
K.YEL
J
N (i,
X.l
VANG,J.
A.SI
C
・
MAN,P,
A・PETl
l
・
I
。
O L
md Y.LL
J: C
/
l
e
r
nl
j
l
,
_
I
良 Pl
o
/
,
'
£)
,
I4,i
)1
:
)
-221(1
997)
4:
i
) S.
K.W I
I
」
(
二
ox
,C.
D.Pし
けNAM,M .
SAsrRYJ.
Bl
」
ANKLNSl
l
H)
,W J .CHA∠1
N.r
).
F
J
.M'
.
・
REE L
I
l
l
dI
).
B.Cool
)
l
N=
勅 37,168:
r
)
31 686L
) (1
998)
Bz
'
o
L
/
l
e
m∼
∫
44) H.∼
/
VARJ
I
S
HI
,K.VA日.
1
.V .REN(i
ANATH1
ゝ
N 1̀
.
d M .H .GoH):j Bz
,
,
/
・C/
z
e
m・
.264,141
85-1
∠
1
1
91(1
989)
4:
)
)J.
㍗.M (
二
El
.
1
)
OON and J.
S・1
)oRl
).
(
二
K :J.Bz
,
,
/
IC/
l
e
J
n・
, 26
6,1
4 28 8
-ト′
l
L
)
93 (
1
991)
46) R.BouRB
ON
NAl
S and M .Pj
l
l
(
:
E: FE
rBS L
e
i
/
.
,267, 99-1
02 (199
0)
L
L
7) C.l
l
二
(
i
(
i
ER
T,u TEMP,J.
F.
1
).1
)LAN a一
一
d K.
F
・
・
L.E RI
KS
SON:F I
l
l
BSI
e
l
t
・
.391. 14ご
卜1絹 (1
996)
、「
l
l
.UMEZÅWA と
1
1
1
d T . H IGU(
.
Hl:T
l
/
a
(
'
d R e、
.
,76.i(卜 1
6 (1
989)
48) S.KAWAI
49) (L.
J
oHAN
NE
Sと
l
I
l
d A.M :
l
JCHER(
二
ZYK : ノ
榊 /
・F
l
m,
uon. M I
L
7
0
bwl・. 66.5L
)
4-:
)
2H, (I
_
)
OO
O)
50) A.LEON・
Ⅲ二
VS
KY,N.M YASOl
i
l
)
OVA,N.P(
J
Z1
)
NYAKOVA L
川d L
G
(
)
l
J
OV)
.
E
VA:(l
j
l
l
BS I
,
e
l
f
.
I413.∠
川 卜44日
(1
997)
51
) G.1
)
八I
J
ML
E
Rl
,P.CnI
{
1
)
l
NJ
、
,(L Bl
ANCO,A.S(
∴
′
ヽ1
,
ONJ
.A.CAp▲
ゝ
s
so '
mdG.L
SANNlA.
・J.Bl
'
)
/
.(
:
/
I
u,
I
" 272,
31こ
う
Ol-31
3
07日997)
5<
2) F
,
.KARf
l
UNE
N)M .
L.NI
KUPAAVOl
」
A,L.Vl
l
KARl
∴1
'
.HAI
/
l
l
l
A,R・
A・VAN 1
)
l
i
RM l
i
LRと
I
l
l
d.
J・
I
,
1・r
)"Nf:
rl
I
l
l
BS Le
/
I
.
,267,ら-H (
'
1
990)
53) C.Hol
l
l
l
l
Rと
ul
d1
),Scl
il
.
OS
S
f
.
R:∫
/
EPS I
,
e
〝.
,
.451,1
86-1
9O (1
999)
54) M .AKHTAR,M .
C.ATTRl
l
)
GI
L
,R.
A.BI
J
ANCf
l
Erlt
;
A
,G.
C.M Yt
.
RS.M .
B_W AU,
,M .
S.SyKl
l
S,
、
い V.KoNI
N(
,
JR.
.R・
R・l
iuRGl
l
・
S
S了1
「
・
HIW l
l
GNJ
L
Rこ
l
l
l
dT・
K・KI
RK‥/
J
r
o
,
,
I,
,
/:
,
I
/
II
7
L
l
e
")
,
1
/
Z
'
(
,
r
l
〟/C,
"i
/
i
,
e
7
u
/
e,
"IBl
,
,
l
e
t
/
/
〃〃I
,
,
L
qVi
l
l/
/
l
e
l
'
1
1
/
P がl
dl
'
a
pe
rhl
du,
l
r
J
V
,ed・by M IKu、
- har
di
l
r
l
d M ・Shi
mada,Ul
iPubl
i
sher
s
,Tokyo,3 8 (1
992)
55) T.W ATANABE,K.KoLI
J
ER,and K.M ・
l
S
SNER‥J.Bz
o/
e
l
k,
L
O
/
・
,62,22l-230 (1
99t
i
)
- 48 -
渡 辺 :白色 腐 朽 菌 の フ リー ラ ジ カ ル生 成 プ ロセ ス
56) K .M ESSNER,K .FACKLER,K .K ol,LER,P.LAMAIPIS,E.SREBOTONIK,W .G INDLand T .W ATANABE :Proc.
o
f 200
0 Ta
j
,
PiCo
,
l
f・:Bi
o
l
e
c
h
no
l
o
gyi
nt
hePu
l
p an
dPa
pe
rI
,
l
du
∫
l
r
J,i
n pr
e
s
s(
2
000)
l
dwi
dePaf
e
nl(
1
998)
57
) T. W ATANABE, K . K oLLER and K . M ESSNER : PCT Wor
58) T.W ATANABE,K .K oLLER and K .M ESSNER :Pr
o
c
.o
f 71
hI
nt
e
r
n.Co
n
f.o
nBi
o
l
e
c
hn
o
l
.i
nt
hePu
l
pan
dPa
pe
r
r
J,A,1
57
-1
60 (
1
998)
l
n
du
∫
l
∫
.Gr
o
u
po
nWo
o
dPr
e
∫e
'
7
,
al
i
o
n,IRG /W P
59) K .K oLLER,K .M ESSNER and T.W ATANABE :29th T he Intern.Re
981
0282,卜7(
1
998)
60) K .M ESSNER,K .K oLLER,K .FACKLER,E.SREBOTONIK and T.W ATANABE :Pr
o
c
.o
fl
Ot
hI
nt
e
r
n.砂mP.o
n
T
,
I
/
Ood and
61
)T.W
Pu
l
pi
ng
Chem・
, I, 5501555(
1999)
ATANABE,M .ENOKI
,S.K ATAYAMA,S.N AKAGAME,K .K oI
,
LER,K .M ESSNER,Y.H oNDA and M .
o
c
.Q
fI
Ol
hl
nl
e
r
n・S/
v
mp・o
n
K Uw AHARA : Pr
62) K .M
Wo
o
d and Pul
p∼
n
g Che
m.
, I,5
28-533 (
1
999)
ESSNER,K .FACKLER,K .K oLLER,P.LAMAI
PI
S,E.SREBOTONI
K and
NachLuaCh∫e
n
d
er Roh叫
63) p.LAMAIPIS,W
T.W
ATANABE :Bi
o
ko
nv
e
r
∫
i
o
n
He
,S
c
hrl
jl
enr
e
he Nachz
DaCh∫end
e
rRohslo
J
f
;
eBa
nd,15,7
684 (1999)
.G I
NDL,T .W ATANABE and K .M ESSNER :3
01
/
lm eI
'
ue
rnali
o
nalRe
∫
e
ar
c
hGγ
o
u
p onWo
o
d
P 0
01
0340, I
-1
8(
2000)
)A,T .H ABE,
T.U MEZAW A,T.H IGUCHIand T.O KAMOTO :Bl
0
C
h
e
m.Bi
o
t
t
y
∫
・Re
∫
.Co
mmun・
,122,
64) M .SHIMAJ
1
247
-1
252 (
1
98
4)
.Enu
l
r
O
n.M i
c
r
o
bi
o
l
.
,54,6
268 (
1
9
88)
65) A . PASZCZYNSKI, R .C RAW FORD and R .A . BLANCHETTE : Appl
l
・
U
al
l
0n
,
. IRG /W
Pr
e
∫
e
66) A .G UTl丘RREZ,J.C .D .RI
'
0,M J.
M ARTi
NEZ and A .
T.M ARTiNEZ :Appl
.Env
i
r
o
n・M i
c
r
o
b
i
o
l
・
,65,1
3
67
-1
371
(
1
999)
67
) M .ENOKI, T .W ATANABE,Y.H oNDA and M . K uw AHARA ・
.Che
m.Le
l
l
.
,5
4155 (
2000)
68) M .ENOKl
,T .W ATANABE,S.N AKAGAME,K .K oLLER,K .M ESSNER,Y.H oNDA and M .K Uw AHARA :
FEMS M i
c
r
o
b1
0
l
.Le
l
l
.
,180,205-211(
1
999)
69) D . G ARON, S. K RlVOBOK and F. SEIGLEIM URANDl: Che
mo
S
Phe
r
e
,40,91
1
97(
2000)
7
0) W .BA ,Y.FUKUSHIMA,K .A .JENSEN JR,M .A .M oEN and K .E.H AMMEL :FEBSLe
n.
,354,297
-3
00
(
1
994)
71
) M.
A.M oEN and K .E. H AMMEL : Appl
.El
'
u
i
l
・
O
n.M i
cr
o
bi
o
/
.
,60,1
956-1
961(
1
994)
7
2
)B.W . BoGAN, R .T . LAMAR and K .E. H AMMEl.: Appl
.EnT
"
r
o
n.M i
c
r
o
b1
0
l
.
,62,1
7
88-1
7
92 (
1
996)
73) S. B6HMER, K . M ESSNER and E. SREBOTNIK : Bi
o
c
h
e
m.Bi
o
P/
l
J∫.Re
s
.Co
mmun.
,244,233123
8(
1
998)
o
c
he
m.Bi
o
pl
u
,
∫
.Re
∫
.Co
mmun.
,259
7
4) A . K APITCH, M . H oFTRICHTER, T . V ARES and A . H ATAKKA : Bi
21
221
9(
1
999)
,
e
u.
,461, 1
1
5111
9(
1
999)
75) A .N . K APITCH, K .A .JENSEN and K .E. H AMMEL: FEBS I
7
6)T.W ATANABE, S. K ATAYAMA, M . ENOKl
,Y.H oNDA and M . K Uw AHARA : Eur
.J.Bz
'
o
c
he
m.
,267,
4222-4231(
2000)
77) W .C HAMUL.Ir
rRAT,M .
F.H UGHES,T .
E.Eu NG and R.
P.M ASON ‥Ar
c
h.Bi
o
c
he
m.Bi
o
P
少∫
.
,290,】
53-1
59
(
1
991
)
o
c
h
e
m.
J・
,328,
7
8) C .RoTA,D ・P・BARR,M ・V ・M ARTIN,F・P・G UENGER・CH,A IT oMAS,and R・P・M ASON :Bi
O
,
565 57
1(1997)
7
9) R. K oNDO, K . HARAZONO and
80) K . EHAR
A, Y . Ts
U
T
S
UMI and
T
81) T .D E
GUCHI,Y .Kl
l
l
AOKA,M
K
.
.K
.
SAKAl‥ Appl
.E
n
D
Z
'
'
・
On. M '
1
2
'
cr
obi
o/
.
, 60,4359-4
363 (19
9
4)
NI
SHI
DA :J. W o
o
dS
c
i
.
, 46, 137-142 (
2000)
A K E
ZAW A and T .NI
S
HI
DA :Appl.Em"I
ron.M i
cr
obi
ol.
,64
, 13
6
6-1
371
(199
8)
82) Y . I
I
YOS
HI, Y . Ts
UT
S
UMl and
T
E
NTI
VENGA,C・BoNINl,M
83) G ・B
I D
.
N ISHI
DA ‥J. Wo
o
dS
c
i
.
, 44, 222-229 (1998)
RI
A and A ・DEB
oNA ‥J・Pholochem .Pholob10l・A : Chemi∫hJ, 128,
1
43(
1999)
84) C .B
oNI
Nl
,M .D'
AUR・
A,L,D A・
・
ESS・
0,G.MAUR・
ELLO,D・Tor
/
mI
,D ・V IGGIANO and F.ZIMBARDI:J.
Phol
o
c
h
e
m.Pholo
b
i
o
l
.A:Che
mi
Sh
J,113、11
9-1
2
4(
1
998)
85)∫. GI
ERE
R‥H ol
do
r
∫
c
h
u
n
g,51,3
446 (
1
997
)
86) Y . A K
AM
ATSU
,D.
B.MA,T.HI
GUCHland M.SHI
MADA=FEBSLe
〟.
,269,2
61
1
263 (1990)
L.P
op
p,B.KAL
YNARAMAN and T.
K.KI
RK:Bi
o
c
h
e
ml
∫
h
J,29,1
047
511
0480 (
1
990)
87)J.
88) A . KH
I
NDARI
A,T・
A.GROVER and S.
D.AUs
T:Ar
c
h.Bl
o
c
/
l
e
m.B∼
o
pl
t
y
∫
.
,31
4,301
3
06 (
1
994)
'A
U
139
'
- 49-
第 3(
)
号 (
i
)
000)
木材研 究 ・寮 料
〟)
) 八/
I.SHI
M.
,
ヽJ
)
▲
\
,1
).
r
3.M A.Y.AI
t
AMl
ヽ1
Sl- L
1
1
1
d T.H▲
ヽ
.
l
TORl・/
/
(
:
l
t
,
I
.
∼
一),
l
l
(
/
(
)
/
)
l
l
)
/
.J
ft
,
l
J
.
.13、1
)
t
H:
)
-L
)
i
Ot
i(l
ot
)
1
)
9(
)
) LM
l
,
1
.
.l
l
L
J.M l
l
Ll
I
.
\
N'
1
.
1
d 入′
I.KI
Mt
J
l
{
ノ
\:J./)
/
l
J/
". (:/I
L
, .75∴糊 :
'
-3340 日耶 1
)
KoH HOl
"
91
) M .I
l(
)
1
・
l
川‥
HTl
l
R.l
l 7
,
日.
二
(i
LN比\
(
'
LN∴ r.VARl
l
」
S.M. I
TRI
1
.
,
I
)
RK H
.
:
BS Le
/
I.
I434∴ う
(
う
L
)
-36(
i (l
†
)
9H)
1
1^1
人KKA:rl
」
t
)
i
))
、
/ .
入
1.( 工
/
J
:
i
(
i
l
二
.
R、l
V.1
:
RI
TS
(
… ∴1
1
1
(
1▲
\.
M.
1
).(」川 1
1
,
1
川N L
1
.
I
(
1㌔1
)∴ \t
J
S
Tl.
1'
(
,
/
/
.Bi
,
,
'
/
l
t
,
〝
I
.I
i
M/
'
/
I
.7
,
"..3
67, ll
F
'
-1
11 (1
5
)
'
)
∼
那 ) A.Nl
ヽHI
Y八九
l▲
ゝ∴ r
.H人1
… RIi
l
l
。
lM .㍉HI
hl\1)▲
、 :t
l
'
'
'
N
/R(
,
∼
.
.87.17-1
H(
i
)
(
)
uO)
t
J4) r
:
JIR"∠-1)=・
N、
S.r
l
・G日日一
l
一
」
八、㌔・(」
ゝ
九
nRhR(
)
,M l
j
l
.
Rl
・
・
/-1
ミ
(
)
一
、1
)
人
MJ・M ▲
、
l
ul
Nl
iこ
=〔
1し1
1人/
h Rl
.
1
\l
・
J
/
J'
/・
・
′
1
/
)
/
)
/
AA:7けり(
")
・A,
I
"
J
r
(
)
/
)
I
(
)
上
65∴トL)
E
卜1
,
1
(
i
二
ろ(1
∼
)
∼
)
9)
9T
)
)I
,
.KLl
ul
.M,
.
:
∼.JENSl・.N 上
川 d K.
I
l
l
J
.H▲
… Ml・.1∴ r
l
l
:
1
3
▲
∼
- Jt
,
/
/
‥ 446, 10-:
)1 日0!)里
/
K
∼
)
(
'
)j
1.1
ゝ
S
/A
(
二
/
j
YNSKヽ∴ R.(心 \
Wl
l
ORl
),r
).Ft
T
NK こ
t
.
I
(
11
う.(;
(
)
01
)
l
l
.
日」 /
I
/
)
/
'
/
.I
:
7
1
∼
ノ
…uI
.J
I
,
l
l
L
I
,
,
/
,
i
,
,
L 65.(
;
71-t
i
7(
)
(ド)
チ
)
チ
)
)
97巨 \.r
l
J
N。Kl
.G.rm l.Ji
l
l
l
dH,TAM K▲
ゝ:1
〃/
t
ml
.J
f
L
,
L(
;
J
HN/
),
HIT
「
,
W(
/Pj
e、
ノ̀
Tf
Vl/z
u/
1,I
RGハVl
'
/I
:
)l
t
L1-l
l
)(l
f
)
別)
湘
▲
\.F
J
N(
)KlJ . I
・
l
AKL
R⊥
、'
md H.r
J
l
一
、N▲
、
K.
、.
I
J.l
Z
"
,
/
L
,
(
,
/
/
/
/
〟
/
.
,53.L
'
t
か1
'
7
2 (1
95
)
7)
f
H) ㍗.
M .l
V(
)
01
).∫
,
l
F
,
l
I
I
,
l
Sl
t
,
l
ul
'
'
/
'
Z
'
'
/
./
l
t
,
(
.
.
.13∴う13一こ
う
か)(1
'
jt
H)
川)
) S.
M .Hヽ,)1.∴ 川(
1l
'
.
M . W oo一
):A
,
I
l
l
/
'
'
'
/
'
i
〃
/
.
,143,i
)
う9+)
(
;
(
;(
l
Oり7)
l
1
1
01
)l
V.(:
i
l
l
i
N,K.OI
I
Ml
ヽ
,
▲
\
、S.Sf
I
l
h
l
l
/
.
U l̀
I
l
(
1H.I
t▲
uV▲
、
K▲
l
Ml:1
/
I
/
'
/
i
/
.j
l
:
"H I
"
′
Lj
I
,
l
l
l
,
m/
'
l
'
'
/
.
,49、2日-n (
'(l
t
)
t
HT
)
)
1
0+) 汁 .(
′
二
I
J
l
l
,
N、K.L
SM,
J
tN、
\
′
r
ON(
;
IK.0'
n‖、
,
▲
、
.S.ヽ1
日MI
/l
u l
l
(
IH.Kー
…▲
、
Kj
ul
l二.
/
1
/
'
/
'
/
./晶
1
4:
)I-日L
)
(
;(1
9f
う
:
)
)
I
(
刷
m
Hl
.ノ
l
/
I
"r
'
'
/
W,
/
.
,50,
R.lil
,
ノ
NNLR∴ 1.
1
:
A
.M ▲
\
(
tul
i
BI
N`
、
l
(
1R.
F
J
.H(
,I
)S(
)N : /
i
/
I
/
'
/
.r
J
I
'
i
U
l
川〝.l
l
,
I
l
…ノ
/
,
川.
.47Lf
州 卜 川(
)
4律 )
岬
/
日)
I
i
) T・K(
)
NJ)()∴ 1
1
・1\
J
A
ゝ1
、
・
、
m.
、BI
l
∴ T・(
)l
lSI
-.
人こ
I
l
l
(
1r
J
l
・Ky…1
人:j ,
∼
'
l
l
./,l
,
"
"
//
1
g)
I
(
J
・
.68∴ '
,
(
'
i
:
ド:
う
Ht
日 日)
!
)
:
)
)
1
0T
)
) LT
.K.
l
JI
K▲
…▲
、
.H.KMJ
。,
r
r.I
t'
)
Nl
)
。、ド.L
J
(
)
1
)
ノ
\
1
,Y.H'
)
Nl
)
▲
\
、M .Kuv▲
Ⅷ▲
ヽR▲
\1̀
1
(
I∫.l
V▲
\
・
l
▲
\
N^l
主
L
,:rr
:
/
I
/
l
S
/
I
,
I
Hr
(
)
/
)M
/ /.
t
,
/
/
..1
87,I
:
)
-i
)
(
日ソ
)
(
)
00)
日(
;
) 渡辺 隆 司 ,
l
桑規正草
:化 学 と牛物 , 35, 日i
Hi
(
I(
i
Z
O(
)
(
り
日)
7) Y.H(
)
Nl
)
▲
ゝ
,r
l
l
.M ▲
ヽ1
㌔1
ヽ
・
▲
\M:
∼
,T.I
l
く
l
L∴J
l
.\
\
'
▲
\l
▲
\Nー
ヽul
;
/l
l
l
l
(
1人′
1
.km\,八l
l
▲
ヽR▲
ヽ:rl
'
〟/
∫
.「
;
(
,
H
(
,L 3
7,i
)
0t
卜t
_
)
l
L
)
i
(
〕O‖(
)
)
1
0捌 本 廿 /
j
一一:本 村 研究 ・賛 料 , 32, (
1
-1
う (l
〔
)
f
)
t
i
)
I
‖M T HI
R⊥
ゝNO.Y,HoNl
)
ー
ヽ
.T.≠'
▲
\
・
l
▲
\
N八l
汁 ,L
川d M .Ku\
\
p
\
比\I
u .I
)
'
/(
))
(
I
.Bl
l
)
l
t
,
Ll
/
(
)
/
.BI
(
)
(
,
/
l
t
,
)
7
l
.
I64,1り:
)
H-1
リt
L
)
(
i
)
0(
)
0)
11
0) r
l
「
.S八Ⅵ√
▲
\
1
)
.
ゝ、Y.N.
\
K▲
ul
UR^、1
丁
.K(
)
1
3
.
\
ヽ
,
人S1
l
l
,M .KL
.
t
V人1
1
.
1
I
く
▲
\L川(
Ir
l
l
.l
V.
∼
.
1
.
\NAl
ul
,
:I
,
'
川ん,
,
/
〝
H
,
/
.Dl'
'
L
ノ
〝.
i
J
.
.48、
Ill
) 桑原 正 章 :バ イオサ イエ ンス と イ ンダス トリー , 56, L
l
ゴーL
)
:
) (l
t
)
!
川)
Il
L
)
) K.Ⅰ
叫,
一
、J
l
▲
\
RA,Y.H。Nl
)
A,T.1
\
'
▲
\l
AN八1
号
l
H1
1
。
lM .Km、・:lf
nR∼‥!
'
l
/
'
/
'
/
.Al
z
'
l
r
n
/
,
/
'
'
,
/
.]
3
川/(,(//
I
l
l
"
L、54.1
(
I
i
-1日
(
i
)
000)
11
3) T.t
V八r
l
:
lN八I
i
l
∴K.M I
K▲
川 Il
,Y.I
ioNl).
\こ
=(
IM .Kt
」WJ
川▲
\
1
く
▲
\.
J.TI'
,
,
(
,
(
/(
:
/
∼
,
〝
I
.Tt
J/
H,
I
/
A
,16、10!
十 lL
)
日(lOf
糊
1日) T Yl
ヽ
M人 N▲
\K▲
\
、H.VAN(
)
1∫.\
\
'
▲
\1
1
1
\
N▲
\
1
3
1
1
.
1Y.H(
)
Nl
)
A .
川(
1M t
tH\▲
\
1
1
1
\l
u :T
J
'
'
)
(
)
(
/l
I
l
,
、
‥87,i
)
r
)
i)
7(
i
)
0(
)
(
)
)
1l
T
)
) T.HJ
R八(
)
K人,M Ul
l
l
)
A.Y.T.
\
K^MI
∴1
'
.l
V▲
\
1人NJ
\l,
.N.S1
日RJ
、
I
S
J
‖`
=(
Ir
l
'
・K(
,
… りI
八
1
一
ゝ‥〃「
,
/
こ/〟-′
/
"/
l
t
i
l
.51,
i 1
L
7
7:
トL
)
t
i
O 日9(
_
)
7)
11
6) r
l
l
.\
\
'
八n N.
\
H l
了I
l
.㍉▲
\
,
l
OJ .Y'
)
sl
i
l
OK▲
\
∵l
l
,K(
)
sHl
J
l
八
1
▲
\.
=(
IM .Kt
_
W▲
川 人I
u :/
.
:
I
/
)
.
L
/
.I
,
'
Ml
/
/
l
t
,
"/、
209.(
;
:
)1
-I
)
:
)
i
)
(1
(
)
92)
11
7) T.\
′
\
'
ー
\
r
n N八1
号
I
l
一
.R.M Ar
l
St
/
.
l
l
.Y.T
l'
)
NJ
)
▲
\L
l
l
l
(
1八,
L KH、,
.
…
人
R人.(:
")
/
〟,
/
I
_
i
,
I
/
l
・/
I
l
,.
.275,L
'1
:
)
-1H
'
(
)(l
リ'
):
,
)
∼
l
l
,1\
r
▲
1r
ANAI
i
l
l
J
.㌔.K.
\
r
I
人Y.
un、M .M 八r
l
.
Suュ
.
\
l
u ,Y.H (
)
NI)j
\1̀
1
1
(
1M .Km\
▲
\
1
1
▲
ヽI
u :(
:
… .j
l
,
I
/
'
(
川/)ML 41.
11
f
i
)r
l輔
L
)I
(
ト'
jl
こ
う(
2(
)
0(
)
)
里 内 実i
牛工 渡辺 隆 司, i
,
=
林
茂 , 大隈
一
桁, 越 畠里人, 桑 畑
i
l
:
_I
.
・
日本 栄 養
・食粧学会
誌
,
49, 1
4311
L
/
l
t
i (1
〔
)
チ
)
(
i
)
1
L
)
り) 渡辺隆 司 :(
:
t
,
//
〟/
(
'
、
どC■
桝〃川 〟71..5
,∼
)ト リ7 日 (
)
f
瑚
l
L
l1) 渡 辺 隆 司 :化 学 経 済, 47, 1
01
-Ill (
i
)
0川)
)
1
2L
)
) 渡 辺 隆 司 :「ウ ノドケ ミカ ル スの 最新 技 輔 」, シーエ ム シ ー 出版 , 東京, t
i
(
i
-HI(
i
)
(
)
川)
)
l
L
)
:
i
) 本 焼 稿印刷 中に l
J
i
PHL
)に よる M l
l(
1日 の 直接 酸 化 をh i
I
す る結 果 がf
l
,
l
i
告-され た :M I
).
㌔
.(
;
比1
,
Kl
1
.
,
J
/
r
)
(
)一
Fly UP