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管状複雑形状部品の金型プレス加工技術開発
管状複雑形状部品の金型プレス加工技術開発 契約期間|平成 18 年度 ∼ 平成 20 年度 分野|金属プレス加工 川下の抱える課題及びニーズ ◦自動車に関する事項 軽量化/衝突安全性の向上/複雑形状化/短納期化/低コスト 化/環境配慮 高度化目標 軽量化/衝突安全性の向上/複雑形状化/短納期化/低コスト 化/環境配慮 研究の背景及び経緯 輸送用機器産業では、燃費の制約と燃料の高騰や、安全・ 安心に対応するための先進的な技術と日本におけるものづ くりを構築するためには、これを支える基盤技術を一段と 高度化しなければならない。金属プレス加工技術の開発を 通じ、軽量化、高強度化、複雑形状化、環境対応等を図る ための先進的取り組みとして ①世界初のパイプ材を多用した中空化複雑形状化部品の 成形 ②難加工材の板状・棒状部品を多用した軽量且つ高強度 で複雑形状化部品の成形に挑戦し基盤技術の高度化 と、川下産業のニーズへの対応、そして新規産業創出 へと発展させていく。 本研究では、管・板状難加工材への金属プレス加工によ る中空化のための極小R曲げ、拡・縮管等の異形成形技術、 超高張力鋼板等の高精度プレス加工と管・板状部品の接合 技術開発、金型の長寿命化技術開発及びリードタイム短縮 を図る加工デジタル技術開発等の研究と実用化を行う。 1)國本工業は、独自の管成形要素技術を基盤技術として、 新構想のチューブフォーミングシステムを企画・設計・ 開発する。このシステムは、管素材にせん断、曲げ、 拡管、縮管、バルジ、仕上げ等の一連の成形を一貫し て行う管状製品の自動成形システムである。 2)やまと興業は、自動車部品として使われるアルミ合金 製可とう性パイプの新成形技術の開発を行う。 3)べルソニカおよびオーミは、980 ~ 1180MPa級ま での超高張力鋼板とテーラード・ブランクの複雑形状 高精度部品成形技開発を行う。エンシュウはテーラー ド・ブランクの作製、および3次元立体成形部品の接 合技術開発を行う。 4)静 岡 大 学 は 上 記 テ ー マ に 関 連 す る3D-CAD/CAM/ CAE/CATのデジタル技術の開発と適用を行う。 研究開発の概要と成果 1)管素材の金型成形技術の開発 (担当 國本工業株式会社) 従来、管素材の成形は、曲げ、拡・縮管、せん断等の工 程を個別に生産していた。本開発ではプレス金型を用いた 成形法を開発し、曲げ成形条件およびせん断成形条件を確 立した。これらの成形工程を統合して、チューブフォーミ ングシステム(図1)を開発・設計・製作し、自動車部品 用の管状製品の実生産を行い、自動車メーカに納入した。 図 1 チューブフォーミングシステム 2)アルミ合金製可とう性パイプの 新成形技術の開発 (担当 やまと興業株式会社) 従来、エアコンパイプはゴムを用いて可とう性をもたせ ていた。本開発で試作した蛇腹成形機を用いて高圧対応用 のアルミニウム製ベローズ付きの自動車用エアコンパイプ の試作を行った(図2)。 (a) ベローズ製造用金型 (b) 9山アルミニウム合金製ベローズ製品 図 2 アルミニウムベローズ形成 3)超高張力鋼板とテーラード・ブランクの 複雑形状高精度部品成形技術の開発 (担当 株式会社ベルソニカ、株式会社オーミ、エン シュウ株式会社) 従来、590MPa級の高張力鋼板のプレス成形は実績が あった。本開発では1180MPaまでの超高張力鋼板の直線 ハット形、Sレール形、及び複雑 Sレール形の成形につい て、2工程成形縦壁圧縮法により、スプリングバックおよ 18年度採択 [一般枠] No.18131809081 び壁そり変形、及び底面の平坦度不良等の形状不良がない 製品の試作に成功した(図3) 。また、超高張力鋼板製3 次元ハット形部品同士のレーザ溶接に成功した(図4)。 (b) 複雑Sレール形状成形品の寸法精度 図 3 複雑 S レール形状製品の成形 (担当 やまと興業株式会社) 直径8mmのパイプに外径15mmで、3 ~ 9山のベロー ズ形状を成形する蛇腹部品製造装置。また、その装置を用 いて試作したアルミニウム合金A3003、A6063製ベロー ズ付きの自動車用エアコンパイプ。 3)超高張力鋼板とテーラード・ブランクの複 雑形状高精度部品成形技術の開発 (担当 株式会社ベルソニカ、株式会社オーミ、エン シュウ株式会社) 1180MPaまでの超高張力鋼板製で、スプリングバック および壁そり変形、及び底面の平坦度不良等の形状不良が ない直線ハット形、Sレール形、及び複雑 Sレール形状の 製品、およびその3次元レーザ溶接製品(図5)。 図 4 ハット曲げ製品のレーザ溶接 4)1)~ 3)の実施内容に関連する3D-CAD/ CAM/CAE/CATのデジタル技術の開発 (担当 国立大学法人静岡大学) 成形シミュレーション、強度解析シミュレーション、及 び3D計測により、成形解析、精度解析を実施し、製品の 形状精度を検証した。 上記1)~ 4)の研究開発に要した設備、資材の購入お よび開発業務は、当初の計画に基づき、実施執行された。 図 5 複雑 S レール形状製品の成形シミュレーション 開発された製品・技術のスペック 1)チューブフォーミングシステム (担当 國本工業株式会社) 直径10 ~ 50mm程度の管素材から、せん断、曲げ、拡 管、縮管、バルジ、仕上げ等の成形をタクト20秒以内で、 全自動で製造する装置。 また、その装置を用いて成形した自動車用管状製品。 この研究へのお問い合わせ 国立大学法人 静岡大学 ◎担当者:牧澤 久光 ◎所在地:〒 432-8561 静岡県浜松市中区城北三丁目5番1号 ◎ TEL:053-478-1757 ◎ FAX:053-478-1005 ◎ E-mail:[email protected] ◎ URL:http://www.shizuoka.ac.jp 事業管理者名 国立大学法人 静岡大学 >>> ◎所在地:〒 432-8561 静岡県浜松市中区城北三丁目5番1号 ◎ TEL:053-478-1757 ◎ FAX:053-478-1005 ◎プロジェクト参画研究機関:国立大学法人静岡大学、國本工業株式会社、株式会社ベルソニカ、株式会社オーミ、 やまと興業株式会社、エンシュウ株式会社 22_23 金属プレス加工 (a) 複雑Sレール形状成形用金型 2)アルミ合金製可とう性パイプの新成形技術 の開発