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Untitled - 小児がん患者会ネットワーク

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Untitled - 小児がん患者会ネットワーク
参議院議員会館
小児がん院内勉強会
11 月 30 日(水)16 時~17 時
16:00
プログラム
於:参議院議員会館地下1階 B109会議室
小児がん院内勉強会の目的・趣旨
天野慎介 特定非営利活動法人グループ・ネクサス理事長
がん対策推進協議会会長代理・小児がん専門委員会委員
16:05
ご挨拶
尾辻秀久先生 国会がん患者と家族の会 代表世話人
梅村聡先生
16:10
国会がん患者と家族の会 事務局長
小児がんについて
牧本敦先生
国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科科長
小児がん専門委員会委員
16:18
16:25
16:35
小児がんの経験について~親の立場から
有國美恵子
ユーイング肉腫家族の会 代表
「望まれる体制について」
松田敏雄
思春期がん親の会 代表
「初期治療体制の確立を願って」
高橋和子
木曜会 代表
「親としての活動」
小児がんの経験について~小児がん経験者の立場から
小杉珠水
小児がんネットワークMNプロジェクト 「情報の必要性」
水橋朱音
小児がんネットワークMNプロジェクト STAND UP!! 「治療後のケア」
佐々木貴子
小児がんネットワークMNプロジェクト 「自立について」
小児がん患者・家族の要望
も うえ
馬上祐子 小児脳腫瘍の会副代表 小児がん専門委員会委員
小俣智子 小児がんネットワークMNプロジェクト代表 小児がん専門委員会委員
16:40
政策を進める立場から
鷲見学がん対策推進室長
16:45
質疑応答
17:00
終了
厚生労働省健康局総務課がん対策推進室
小児がんとは
国立がん研究センター中央病院
小児腫瘍科
牧本敦
2011.11.30 院内勉強会
子どものいのちを考える~小児がんの今~
1
小児がんの実態 ①
・子どもの病死原因第一位
年間約2500人が罹患
・多種多様
0歳から若年成人まで
多臓器・器官にわたる
2
子どものがんの種類
発生頻度
3
小児がんの実態 ②
・成人がんとの違い
生活習慣病ではない
抗がん剤・放射線の効果
進行がんでも治癒可能
長期にわたる治療・療養
4
小児がんの実態 ③
・地域格差
2500人に対し200施設で治療
適切な情報が取得できない
・治療格差
少数症例が散在、新薬開発
から取り残されている
5
小児がんの実態 ④
・晩期合併症
発達途中の濃厚な治療により
多くの後遺症、障害、疾病を
複合的に抱える
・社会的自立の困難
利用可能な社会資源が少ない
6
小児がん対策の今後 ①
~小児がん専門委員会から~
・拠点病院の設立
・受診・診療環境の整備
・療養環境の整備
・治療開発の推進
・登録と情報の集約化
7
小児がん対策の今後 ②
~小児がん専門委員会から~
・療養中の心理社会的支援
遊び・学び・インフォームドアセント
家族の支援 経済的支援
・成人後の心理社会的支援
相談支援を行う長期フォロー
アップ外来の開設
8
患者・家族の話 ダイジェスト版
2011/11/30 小児がん院内勉強会
ありくに
家族の立場から 1 ユーイング肉腫家族会 代表 有國 美恵子さん 「望まれる体制」
息子が12歳で、小児がんの中でも稀な軟部ユーイング肉腫を右足下腿に発症し、山口東京間を行き来し
ながらの長期入院も空しく、15歳で息を引き取りました。病理診断の難しさ、骨軟部腫瘍科と小児腫瘍
科との連携がとれないがゆえの初期治療の問題など、改善されれば治る病気になるかもしれないと思われ、
家族会を立ち上げ、全国各地からの相談に応じています。
息子は治癒をめざして、右足を切除しましたが、がんと障害両方の苦しみがあるにもかかわらず、受け
られる福祉サービスは東京では特別措置で通るものが、地方では通りません。行政面でのサポートも地域
によってまちまちで、格差が大きいので、引っ越しを余儀なくされる人もいます。
3歳の子に24時間つき添いのお母さまは、一年間、離島の自宅に戻れず、退院後離婚、家族支援も急
務です。 罹患するのは、小児に限らず、思春期・若年成人の問題は更に深刻です。
「就職が決まっていた
のに社会参加をあきらめざるをえない」助成がないので、
「お金がかかる」
「使える薬が少なすぎる」と訴
えます。
症例数の少ない疾病は、国際的協力が不可欠。小児科や内科の先生方にご尽力いただき、未承認薬導入の
ための医師主導治験や臨床試験を更に進めていただきたいと考えています。
また日本に於けるがんの啓発は、予防に終始し、罹患する子どもたち、家族、地域に、正確な情報が伝
わっていません。小児がんの原因は明らかではなく、予防できるものではありません。がん教育において
あたかも、病気になることが何か悪いことのように思われる啓発は、小児がん患者、家族の人権に関わり
ます。事実、協力しあって乗り越えていかなくてはいけない病気なのに、家庭崩壊が後を絶ちません。全
国の患者家族のおもい、どうか受け止めていただいて、小児・思春期・若年成人がんの抜本的対策を国と
して講じていただきますようお願い申し上げます。
家族の立場から 2 思春期がん親の会 代表 松田敏雄さん「初期治療体制の確立を願って」
息子は高1の春 16 歳と 1 カ月の時、右目が少し吊り上ってきて視力も落ちてきました。近所の眼科に行
きましたが、10 日たっても治らず、大学病院で検査しました。やっと病理の検査で悪性の腫瘍と分かり
ました。その時には目が腫れて目が飛び出しそうでした。
選択の余地がないままに入院し放射線をすぐに始めました。治療の中で担当の先生の話では、殆ど経験が
なくこの病院で 10 年間で 2 人目とのことでした。抗がん剤も何か手探りでやっていて不安でしたが、こ
の状態で動くこともできず祈るだけでした。
セカンドオピニオン、サード、フォースオピニオンもしました。命がけの手術は、成功したかに思えまし
た。担当の先生は脳神経外科で小児がんの専門医ではありませんでした。退院し2週間ぐらい後に足の付
け根がいたくなりとてもつらくなったので診てもらったところ、先生も手に負えない感じでがんセンター
に緊急転院しました。がんセンターの経験と沢山のデータからわかったのは、これまでの治療があきらか
に違ったことです。子どもは、大変厳しいのは理解していましたが、最後まで愚痴も言わず泣き言も言わ
ず立ち向かってくれました。病理を初めの大学病院からとりよせ調べたところ、横紋筋肉腫と判明。初め
の抗がん剤の選択も違うし、戦った選手は 1 軍でなく 2 軍の選手だといわれました。1 年と 10 カ月の闘
病で、18 歳と 1 カ月でなくなりました。
どの世界でも経験の豊富な専門の先生とでは大きく違い、特に小児がんの専門の先生は少なく、初めに行
った病院と先生によって子どもの運命が左右され命にかかわってきます。今日本全国で同じように苦しみ
悩んでいる家族が沢山います。まず子どもも親もがんの事を勉強してがんになるわけではありません。初
期の段階で経験ある専門チームの拠点病院が必要でそこを中心に各地と連携をとり差別なく情報交換を
して子ども達の救える命を救ってほしいと願っています。
子どもは国の宝です。子どもはがんで死ぬために生まれてきたのではありません。子どもたちはこれから
もずっと生きて勉強し、遊び、夢に向かっていこうとしています。子どもたちは病気によって自分が沢山
の人に支えられて生きていることを感謝しています。そして、病気が治って社会に出て人の役に立ちたい
と思っています。
家族の立場から 3
木曜会 代表 高橋和子さん 「親としての活動」
1980 年夏、小学一年生だった娘が小児がんを発症し、2 年 3 カ月の闘病生活だった。発症当時、娘の病
気で自責の念に陥る私に、主治医から(財)がんの子供を守る会の紹介があった。以来、小児がんとの関
わりが続いている。病名告知や死の受容と大変な経験ではあったが、娘は生きることの大切さを教えてく
れた。1981 年 5 月に入院中同様の子を持つ親同士が集まって、治療の不安や心配など話し合い、支え合
うことを目的として木曜会(院内親の会)を発足した。
1984 年の秋に、アメリカテキサス州の MD アンダーソン病院を見学に行った。整った宿泊施設、心のケ
アまで行きとどいた医療体制など、多くを見学して、娘の闘病中連携がなかった院内学級と在籍校との連
携をうらやましく思った。外来治療に在籍校のプログラムと教材を持参して院内学級に、患児は点滴をし
ながら授業を受けていた。先生は持参したものに沿って勉強を教え、カードにスタンプを押した。このカ
ードを在籍校に持っていけば出席扱いされるのである。この方法は日本に取り入れられないものだろうか。
その後、一人でも多くの人と悩みや心配事を分かち合いたいと願い、へき地や離島を抱える地域へ支部開
設に奔走した。
「地元で治療を受けたいが病院がない」。
「小児がんがわかった時の進行度は高い」
「交通費
や宿泊費の負担が大きい」など、親たちは自宅から遠くても治ることを願って、必死の思いで病院にたど
りつき看病している。治療後は自宅近くの病院でフォローできるような医療連携プレイを心から願ってい
る。
近年、医学の進歩のお陰で小児がんの治癒率は上がってきた。小児がんをばねにできる経験者はいいが、
そうでない経験者もいる。引きこもり型になっている経験者に、将来生活保護受給者と税金を払える人の
どちらがいいかと尋ねると、皆後者を答える。しかし、小児がん経験者の就労や生命保険の加入は厳しい。
できることからやってみようと昨年市所有の耕作放棄地を 5 年契約で借り、小児がん経験者自立支援目的
の農地を開墾した。協力者もあり、収穫した野菜を販売する農産物直売店を福岡市内にも開設したが、就
労と利益のバランスがとれず、苦しい経営内容が続いており、授産施設のような援助を期待している。
みんななかま
患者の立場から 1 小児がんネットワークMN プロジェクト 小杉珠水さん「情報の必要性」
4歳の時に急性リンパ性白血病を発症。完治はしたが、病名の告知や、受けてきた治療についての説明
は一切受けておらず、他科受診の際は治療状況を説明することができない。病名は、小学生の時に母親が
学校に提出した書類を見て、偶然知った。病気や治療の説明について、主治医は「今度する」と言ってく
れたが半年過ぎても説明はない。このことについてどこに相談すればよいのか、相談の窓口がわからない。
今はMNプロジェクトの仲間に会えて、悩みを打ち明けることが出来ている。そこで出会った小児がん経
験者の方々は、自分の病気のこと、治療のことを知って活動している。病院や医師が違っても、みんな等
しく情報を得る機会がなくてはならないと思う。自分のために、これから生きていくためにもっと多くの
情報が手に入る環境が必要だ。
患者の立場から 2 小児がんネットワークMNプロジェクト・STAND UP!! 水橋朱音さん「治療後の
ケア」
14 歳の時に鼻咽頭がんを発症。化学療法と放射線治療を経て寛解。ただ、化学療法の晩期合併症として
慢性腎不全と難聴になり、腎不全は現在も毎日腹膜透析という治療を行っている。来年に腎移植予定。が
んが完治したとしても後遺症として残ってしまい、今後の生活に影響が出ている。当時学校への復学の際
は、元のクラスに戻ったのにいったん学籍を抜いたことが理由で転校生扱いされた。子どもにはたくさん
の輝く未来があるので、がんが治ったからいいのではなくその後の影響も考慮した治療が行えるようにな
ってほしい。そしてがんをマイナスなイメージでとらえることなく、むしろ克服できたことを誇れるよう
な世の中に変わってほしい。
みんななかま
患者の立場から 3 小児がんネットワークMN プロジェクト 佐々木貴子さん「自立について」
11 歳の時脳腫瘍(下垂体腺腫瘍)になり、手術と放射線治療を行った。病気の影響で、内分泌の晩期
合併症を発症したが、どこで診てもらっても原因がわからず、つらい症状と共に病院をいくつも回った。
長期フォローアップ外来につながりやっと病名と治療法がわかり、今は定期的に通院し、服薬・注射を行
っている。学校では、病気になったことでいじめに遭い、担任の無理解から少ししか登校することができ
なかった。現在も疲れやすいなどの症状があり、フルタイムで働くことが難しい。就職活動を行ったがこ
とごとく不採用になり、精神的ダメージを受けた。見えない合併症であるため、障がい者の雇用制度は使
えない。ただ働くことは、自分にとって多くの人に出会える大切な機会でもある。働きたい人に働ける機
会と場所がもっと増えていったらよいと思う。
平成 23 年 11 月 30 日
国会議員の皆様
厚生労働省がん対策推進協議会小児がん専門委員会委員
天野慎介(NPO 法人グループ・ネクサス理事長)
小俣智子(小児がんネットワーク MN プロジェクト代表)
馬上祐子(小児脳腫瘍の会副代表)
小児がん患者団体・関係団体有志一同
小児がん対策の推進に関する要望書
小児がんは子どもの病死原因の第 1 位であるにもかかわらず、平成 19 年に策定された国のがん対策推
進基本計画では、小児がんに関しての記載がほとんどなく、我が国のがん対策の中では取り残された領域
でした。
小児がんの治療成績は徐々に向上し、長期に生存できる経験者は増え、全国に約 10 万人いるといわれ
ています。しかし、希少疾患であるために患者が散在し、施設間格差や地域間格差のために適切な治療を
受けられず、「救えるはずの命が救われていない」状況があります。
また、小児がんに対しては強力な治療が施行されるため、治療による後遺症や障がい、晩期合併症に苦し
みながら、必要な支援も受けられず、自立した人生を歩めずに途方に暮れている小児がん経験者と家族が
多くいます。
平成 24 年度より施行予定である国の次期がん対策推進基本計画に向けて、厚生労働省がん対策推進協
議会では小児がん専門委員会が新たに設けられ、同協議会でも小児がん対策の推進が議論されています。
また、厚生労働省の平成 24 年度の概算要求では、国会議員の皆様のご理解とご尽力も賜り、現時点では
小児がん対策の推進に関して 5.4 億円が新たに計上されています。
この国の将来を担う宝である、子どもたちの命と未来を守る国であり続けるために、小児がん対策が着
実に推進されますよう、議員の皆様のお力添えをお願い申し上げます。
1. 小児がん拠点病院を整備するための予算措置
新たに小児がん拠点病院を整備するために、厚生労働省の平成 24 年度予算において、小児がん対策
に関する予算措置を認めていただくとともに、小児がん拠点病院の質を維持・向上させるために、平
成 24 年度以降も継続して予算措置を行うこと。
2. 治療による後遺症や障がい、晩期合併症をもつ小児がん経験者の支援
後遺症や障がい、晩期合併症(2 次がん、内臓障害、運動障害、聴覚視覚障害、知的障害、性腺障害
など)を抱え、就学や就労が困難な小児がん経験者を社会全体で支援するため、障がい者支援の適正
化や、成人後の治療費負担の軽減(小児慢性特定疾患制度の見直し)を行うこと。
3. 小児がん治療薬の研究開発とドラッグ・ラグの解消に向けた取り組み
小児がんは成人と比べ抗がん剤治療が有効なため、治療薬を患者が早期に使用できるよう、小児がん
に対する革新的な診断や治療薬の実用化のための研究予算を手厚くするとともに、海外の有効な未承
認薬・適応外薬が使用できない「ドラッグ・ラグ」の解消に向けて取り組むこと。
4. 小児がん患者・家族・遺族の声を生かした小児がん対策の実施
がん患者の願いにより制定された「がん対策基本法」の精神にのっとり、
「小児がん関係者(患者・
家族・遺族)
」の意見を取り入れて小児がん対策や政策を策定・実施するとともに、厚生労働省の関
連審議会や検討会に、小児がん関係者を参画させること。
2011.11.30(水)16:00~17:00
院内勉強会(こどものいのちを考える~小児がんの今~参議院議員会館)出席議員等
(アイウエオ順・敬称略)
【議員出席者】
衆議院議員 赤松正雄(公明党)
大谷信盛(民主党)
初鹿明博(民主党)
浜本宏(民主党)
古屋範子(公明党)
参議院議員 梅村聡(民主党)
尾辻秀久(無所属)
川田龍平(みんなの党)
藤谷光信(民主党)
【秘書代理出席者】
衆議院議員 泉ケンタ(民主党)
鴨下一郎(自民党)
工藤仁美(民主党)
塩崎恭久(自民党)
中根康浩(民主党)
中屋大介(民主党)
永江孝子(民主党)
西村智奈美(民主党)
鳩山邦夫(自民党)
藤村修(民主党)
古川元久(民主党)
宮崎岳志(民主党)
山内康一(みんなの党)
参議院議員 荒木清寛(公明党)
福島みずほ(社民党)
古川俊治(自民党)
三原じゅん子(自民党)
柳澤みつよし(民主党)
【厚生労働省健康局総務課がん対策推進室】
がん対策推進室長 鷲見学
健康対策調整官 松田周作
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