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公園利用者の行動分析 ~上尾市大谷北部第 4 地区

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公園利用者の行動分析 ~上尾市大谷北部第 4 地区
公園利用者の行動分析
~上尾市大谷北部第 4 地区、第 3 公園を対象にして~
BR12053 関口祥平
指導教員 作山康
1.研究背景、目的
近年、まちづくりへの市民参加の機会はワークショップ
形式の普及とともに増加している。また市民もまちづくり
への参加に積極的になっている。
今回研究対象にした上尾市大谷北部第 4 地区、
第 3 公園
(ち
びっこパーク)も、ワークショップ方式により様々な意見
を交わしながらつくられた公園である。
本研究では、上尾市大谷北部第 4 地区、第 3 公園(ちび
っこパーク)の利用のされ方について研究を行う。
ちびっこパークならではの利用のされかたなどを調べ、今
後のワークショップ形式で作られる公園の参考となるこ
とを目的とする。
2.研究方法
対象となる公園に平日 1 日、休日 1 日、ビデオカメラを
設置し公園利用者の動きを録画する。その後、録画した動
画を使い動線分析を中心に、利用者人数、滞在時間、各遊
具の使われ方の分析をして特徴を調べる。
図1
研究フロー
3.対象地区概要
・大谷地区 上尾市の中心市街地の北部に位置し、主要地
方道川越・上尾線の北側で、JR 上尾駅から西へ約 3km に
位置する面積が 6.987k ㎡の地域。人口は 28241 人(平成
22 年 10 月)で上尾市総人口の約 12%を占めている。
・第 3 公園(ちびっこパーク)ワークショップ方式で作ら
れた公園のうちの 1 ヶ所。幼児向けとして作られ、2015
年 5 月にオープンした。公園西側、南西側には住宅が建っ
ており、南東側は畑、北東側は住宅を建てている最中であ
る。
平日、休日の利用者の違い
平日、休日の共通点
・平日の方が小学生の割合が多い
・14 時~15 時の間の利用者がいない。
・休日の方が親の割合が多い。
・15 時~17 時の利用者人数が多い。
・休日は平日より午後の利用者が多い。
・利用者が来るのは 10 時~11 時。
5.利用者年齢分析
図 5 利用者年齢分析(平日)
図 6 利用者年齢分析(休日)
平日、休日を通して、中高生の利用はほとんどなく、幼
児、その親、小学生の利用が多かった。公園の名前でもあ
るちびっこパークにふさわしいと感じた。
平日と休日の違い
・平日より休日の方が親の割合が大きくなること。
これは仕事が休みの日に子供と公園に行く人が多いと予
想できる。
公園周辺は現在区画整備中なので、今後利用者人数は増
えると予想できる。
6.滞在時間分析
図 7 公園滞在時間(平日)
図8
公園滞在時間(休日)
平日の利用者全体の平均滞在時間 19.3 分
休日の利用者全体の平均滞在時間 65.1 分
滞在時間分析から分かったこと
・休日は幼児、親の滞在時間が急激に伸びている
・平日は滞在時間が短く、休日は長い
・幼児と親は一緒に来る場合が多いので滞在時間の差は
それほど大きくない
・中高生の利用はほとんどなく、あってもほんのわずか
な時間
・大人は散歩中などの休憩が多いので滞在時間は短い
・平日、休日ともに小学生の滞在時間が最も長い
7.公園オープンイベント時のアンケートついて
図2
第 3 公園(ちびっこパーク)平面図
4.平日、休日の利用者の違い、共通点
10 月 21 日(水)公園利用者人数 25 人
10 月 24 日(土)公園利用者人数 27 人
気象条件:気温 17~24℃ 晴れ 風速約 1~2m
気象条件:気温 17~20℃ 曇り後晴れ 風速約 1~2m
図 9 遊具人気投票図
図3
時間別公園滞在者人数(平日)
図4
時間別公園滞在者人数(休日)
(図 2、図 3 での属性の分け方はすべて見た目での判断。親と大人の違いは、子供
と一緒に利用していたのが親。大人のみで利用していたのが大人とした。)
図 10 公園利用頻度アンケート図
クライミング遊具が 1 番人気だった。
・理由としては、普通の公園にはなかなかないなどの理由
が考えられる。
・ほぼ毎日利用する人が約 3 割もいることが分かった。
このことから、公園利用者は遠くから来るのではなく、近
くに住んでいる人が多いなど予想が出来る。
8.動線分析
休日の特徴
・親子での利用が
多い
・ベンチが動線の
始まりになる場合
が多い
図 18 休日に多い動きの特徴
図 19
図 11
動線分析図(平日)
図 12
動線分析図(休日)
・平日、休日の動線の違いはそれほど見られなかった
・平日は休日に比べ小学生の動きが目立った
・遊具に動線が集中し芝生エリアには動線が集まらない
と予想していたが、芝生エリアにも予想以上の動線が集ま
った
(動線分析での小学生は低学年がほとんど)
この結果から第 3 公園(ちびっこパーク)は公園全体が利
用されていることが分かった。
静的遊具
・利用時間が長い
・幼児の利用が多い
(落書き版は静的遊
具だが小学生の利用
が多い)
動的遊具
・利用時間が短い
・小学生の利用が多
い
芝生エリア
・1 つの遊具があるか
のように使われてい
る
図 13
幼児、小学生の利用頻度が多い遊具と滞在時間
図 15 静的遊具利用時の利用者の主
な動き方
図 16 動的遊具利用時の利用者の主
な動き方
図 17
幼児及び小学生の利用頻度
休日ならではの動線特徴、平日休日通しての利用者入口分析
公園北側(アッピー側)は、アッピーマークの上に自転
車を止め公園へ入るという、自転車で来る人のための入口
という意味もあったと聞いていた。しかしアッピーマーク
の上に自転車を止めていた人はいなく、入口としては利用
頻度が低かった。
今回のデータを撮影した
2日間自転車はすべて西側
入口から東側入口のレンガ
舗装の上にすべて置かれて
いた。
図 20
自転車置き場所
9.実際に公園でデータ収集して感じたこと
・芝生エリアの土が盛ってある場所で小さい子を登らせた
り、下らせたりして遊ばせている光景が何度か見られ、芝
生エリアが予想以上に活用されていた。
・砂場の真ん中にあるショベルの写真を撮るためシートを
取った時、シートが予想以上に重く取るのに時間がかかる
と分かった。
・住宅の工事をしていて物を持っている人や、自転車に乗
っている人が公園を横切る姿が何度か見られた。(場合に
よっては危険な時もある。
)
10.まとめ
近年公園の数は増えてきているが、利用がほとんどされ
ていない公園も多い。また人気がある動きが激しい遊具は
安全面の関係で数が大幅に減ってきている。このような環
境の中で安全面も考えながら、利用者に喜ばれる遊具など
を設置し、ただ作っただけの公園ではなく利用頻度が高く
人気のある公園を作ることが大切だと思う。
本研究で分かったちびっこパークならではの利用のされ
方、特徴
・親子での利用が多い
・ベンチを中心とした動き(特に休日)
・静的、動的遊具のバランスがいい
・公園全体が利用されている
・コンセプト通り小さい子の利用が多い
・芝生エリアが 1 つの遊具のように利用されている
今後作られる公園の参考となること
・静的、動的遊具の両方を取り入れた方がいい
・静的遊具、動的遊具はエリア別にして分けたほうがい
い
・芝生エリアの盛り土など自然なものも1つの遊具かの
ように利用される
・ベンチが動きの中心になる場合が多い
以上が他の公園を作るときにも参考に出来ればと思う。
の高い遊具(静的、動的遊具別)
図 14
遊具間移動分析
11.参考文献
http://www.city.ageo.lg.jp/
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