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このリリースでの新機能

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このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation™
and High Availability
Solutions 6.0
このリリースでの新機能
AIX、HP-UX、Linux、Solaris
February 2012
このリリースでの新機能
このマニュアルで説明するソフトウェアは、使用許諾契約に基づいて提供され、その内容に同意す
る場合にのみ使用することができます。
Product version: 6.0
Document version: 6.0.0
法的通知と登録商標
Copyright © 2012 Symantec Corporation. All rights reserved.
Symantec、Symantec ロゴ、Veritas、Veritas Storage Foundation、CommandCentral、
NetBackup、Enterprise Vault、LiveUpdate は、Symantec Corporation または同社の米国およ
びその他の国における関連会社の商標または登録商標です。その他の会社名、製品名は各社の
登録商標または商標です。
このシマンテック社製品には、サードパーティに帰属することを示す必要があるサードパーティのソ
フトウェア(以下、「サードパーティプログラム」)が同梱されている場合があります。一部のサードパー
ティプログラムは、オープンソースまたはフリーウェアのライセンスの下で利用できます。このソフトウェ
アに付属の使用許諾契約によって、このようなオープンソースまたはフリーウェアのライセンスでお客
様が有することのできる権利または義務は変更されないものとします。オンラインで利用可能な、ま
たは基本的なリリースメディアに含まれているこの製品のサードパーティの使用条件に関するマニュ
アルを参照してください。
本書に記載の製品は、ライセンスに基づいて配布され、使用、コピー、配布、逆コンパイル、リバー
スエンジニアリングはそのライセンスによって制限されます。本書のいかなる部分も、Symantec
Corporation とそのライセンサーの書面による事前の許可なく、いかなる形式、方法であっても複製
することはできません。
本書は「現状有姿のまま」提供され、商品性、特定目的への適合性、不侵害の黙示的な保証を含
む、すべての明示的または黙示的な条件、表明、保証は、この免責が法的に無効であるとみなされ
ない限り、免責されるものとします。Symantec Corporation は、本書の供給、性能、使用に関係す
る付随的または間接的損害に対して責任を負わないものとします。本書に記載の情報は、予告なく
変更される場合があります。
ライセンス対象ソフトウェアと関連書類は、FAR 12.212 の規定によって商業用コンピュータソフトウェ
アとみなされ、場合に応じて、FAR 52.227-19「Commercial Computer Software - Restricted
Rights」、DFARS 227.7202「Rights in Commercial Computer Software or Commercial
Computer Software Documentation」、その後継規制の規定により制限された権利の対象となり
ます。米国政府によるライセンス対象ソフトウェアと関連書類の使用、修正、複製のリリース、実演、
表示または開示は、本使用許諾契約の条項に従ってのみ行われるものとします。
弊社製品に関して、当資料で明示的に禁止、あるいは否定されていない利用形態およびシステム
構成などについて、これを包括的かつ暗黙的に保証するものではありません。また、弊社製品が稼
動するシステムの整合性や処理性能に関しても、これを暗黙的に保証するものではありません。
これらの保証がない状況で、弊社製品の導入、稼動、展開した結果として直接的、あるいは間接的
に発生した損害等についてこれが補償されることはありません。製品の導入、稼動、展開にあたって
は、お客様の利用目的に合致することを事前に十分に検証および確認いただく前提で、計画およ
び準備をお願いします。
このリリースでの新機能
この文書では以下の項目について説明しています。
■
概要
■
6.0 での主要な製品拡張機能
■
インストールとアップグレードに関する変更
■
Veritas Dynamic Multi-Pathing (DMP) に関連する変更
■
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
■
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
■
SFHA 関連の変更
■
SFCFSHA(Veritas Storage Foundation Cluster File System High Availability)
に関する変更
■
Symantec VirtualStore(SVS)に関する変更
■
Veritas Storage Foundation for Oracle RAC(SF Oracle RAC)に関する変更
■
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE CE(SF Sybase CE)に関する変更
■
SFHA Solutions 6.0 のリリースでのライセンス供与の変更
■
製品マニュアルに関する変更
概要
このマニュアルでは、Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions
製品の 6.0 で導入された主な新機能、拡張、および変更について説明します。6.0 にお
けるすべての変更の一覧については、それぞれの製品のリリースノートを参照してくださ
い。
4
第 1 章 このリリースでの新機能
6.0 での主要な製品拡張機能
メモ: 特に記載がない限り、このマニュアルで説明されている新機能と拡張は、AIX、
HP-UX、Linux、Solaris に適用されます。
6.0 での主要な製品拡張機能
Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions 製品 6.0 の主要な新
機能は次のとおりです。
耐性のある柔軟なスト
■ Storage Foundation ファイル圧縮
レージ管理を実現する機
p.4 の 「ファイル圧縮」 を参照してください。
能
■ Storage Foundation データ重複排除
p.5 の 「データ重複排除」 を参照してください。
耐障害性のあるビジネス ■ Virtual Business Service(Veritas Cluster Server)
サービスを実現する機能
p.5 の 「Virtual Business Service について」 を参照してください。
仮想化サポート
Symantec ApplicationHA 6.0
p.6 の 「Symantec ApplicationHA 6.0 のサポート」 を参照してく
ださい。
■ Linux での KVM サポート
p.6 の 「Linux 上でのカーネルベースの仮想マシン(KVM)のサ
ポート」 を参照してください。
■
これらの機能の紹介ビデオを次の Symantec Connect Web サイトでご覧いただけます。
http://www.symantec.com/connect/6
ファイル圧縮
ファイルを圧縮すると、アプリケーションや管理者に対して、圧縮前と同じ操作性を確保
しながら、使用されるディスク領域を削減できます。圧縮ファイルは、圧縮されていない
ファイルとほぼ同様に見え、動作も同様です。圧縮ファイルの名前は同じで、圧縮されて
いないファイルと同様に読み込みと書き込みを行うことができます。読み取りを行うと、メ
モリではデータが圧縮解除されます。ただし、ファイルのディスク上のコピーは圧縮された
状態のままです。それに対して、書き込みが行われると、新しいデータはディスク上で圧
縮解除されます。
ユーザーのデータのみ圧縮可能です。VxFS(Veritas File System)のメタデータは圧縮
できません。
ファイルの圧縮後、i ノード番号は変更されず、圧縮の前に開かれるファイル記述子は圧
縮の後も引き続き有効です。
第 1 章 このリリースでの新機能
6.0 での主要な製品拡張機能
圧縮はファイルのプロパティです。したがって、たとえばディレクトリ内のファイルをすべて
圧縮した場合、そのディレクトリに後でコピーされたファイルは、自動的には圧縮されませ
ん。新しいファイルは、別途圧縮コマンドを実行することで、いつでも圧縮できます。
ファイルを圧縮するには、ディスクレイアウトバージョン 9 以降の VxFS ファイルシステム
が必要です。
この機能は Linux と Solaris でサポートされます。
管理者ガイドを参照してください。
データ重複排除
データ重複排除機能は、ファイルシステム全体にわたってブロックを比較することにより、
データで使用されている重複ブロックを排除します。データ重複排除機能によって重複
ブロックが検出されると、使用されている領域が解放され、その代わりに共通ブロックへの
ポインタが作成されます。重複したファイルを変更すると、ファイル間で同じブロックが共
有されなくなり、変更されたブロックがポインタの代わりにディスクに保存されます。CPU
オーバーヘッドのコストを継続的に発生させることなく重複データを排除するために、ス
ケジューリングを作成して定期的な重複排除を実行できます。データがオンデマンドで複
製されたかどうかを確認し、その後に効率的かつ安全に重複を排除します。重複排除プ
ロセスでは、次のタスクが実行されます。
■
ファイルシステムをスキャンして変更を検出する
■
データのフィンガープリントを取る
■
重複を特定する
■
重複を確認したら重複を排除する
重複排除の結果取得できる空き領域は、データによって異なります。重複を排除するデー
タが異なれば、取得できる空き領域も異なります。
重複排除を行うには、Enterprise ライセンスが必要です。
管理者ガイドを参照してください。
Virtual Business Service について
Virtual Business Service は、異機種混在オペレーティングシステムおよび仮想化技術
に基づいて動作するマルチティア業務アプリケーションに対して、継続的な高可用性を
提供し、サービス中断の頻度および期間を縮小します。Virtual Business Service は、
マルチティアアプリケーションを単一の統合エンティティとして表し、Veritas Cluster
Server や Symantec ApplicationHA などの Symantec 製品によって個々のティアに
提供される高可用性およびディザスタリカバリに基づいて構築されます。Virtual Business
Service は、アレイ、ホスト、ファイルシステムなど、サービスで使用されるすべての資産を
表すこともできます。ただし、これらは、サーバーティアの間には移行されません。Virtual
Business Service は、マルチティア業務サービス全体を表す単一の統合エンティティを
5
6
第 1 章 このリリースでの新機能
6.0 での主要な製品拡張機能
提供します。Veritas Cluster Server または Symantec ApplicationHA によって管理さ
れるアプリケーションコンポーネントは、Virtual Business Service によって能動的に管
理できます。
Veritas Operations Manager Add-on for Virtual Business Services を使用すること
により、Veritas Operations Manager で作成された Virtual Business Service の設定
および管理を行えます。Add-on for Virtual Business Services では、先に Business
Entity Operations Add-on によって提供されていたすべての機能に加え、マルチティ
アアプリケーションのコンポーネント間の障害依存関係を設定する機能も追加で提供しま
す。
メモ: Veritas Operations Manager Business Entity Operations Add-on のバージョン
3.1 および 4.0 を使用して作成されたすべての Application Entities は、Veritas
Operations Manager 4.1 に Add-on for Virtual Business Services を配備した後、
Virtual Business Service として利用可能になります。Virtual Business Service を実
行するには、Veritas Operations Manager 4.1 が必要です。
Symantec ApplicationHA 6.0 のサポート
Storage Foundation and High Availability Solutions 6.0 は、Symantec
ApplicationHA 6.0 との併用をサポートします。
Symantec ApplicationHA 6.0 は、VMware、Oracle VM Server for SPARC(旧
LDOM)、IBM Logical Partition(LPAR)、Red Hat KVM 環境におけるアプリケーショ
ンの監視とリカバリーにより、ミッションクリティカルなビジネスアプリケーションの可用性を
担保します。
主要な機能は次のとおりです。
■
アプリケーションの監視とリカバリー、および仮想マシンで実行中のアプリケーション
の起動、停止、監視を行う機能
■
メンテナンスモードによるアプリケーションの停止と監視の解除(このモードでは、
ApplicationHA により、保守またはトラブルシューティングの対象となっているアプリ
ケーションを意図的に停止できます)
詳しくは、Symantec ApplicationHA 製品のマニュアルを参照してください。
Linux 上でのカーネルベースの仮想マシン(KVM)のサポート
Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions(SFHA Solutions)製
品は、カーネルベースの仮想マシン(KVM)環境での各種設定をサポートします。Veritas
Storage Foundation and High Availability Solutions 6.0 は RHEL(Red Hat
Enterprise Linux)6.1 の配布で認定済みです。
第 1 章 このリリースでの新機能
6.0 での主要な製品拡張機能
Storage Foundation and High Availability Solutions は KVM ゲスト仮想マシンに次
の機能を提供します。
■
ストレージの可視性
■
ストレージ管理
■
レプリケーションサポート
■
高可用性
■
クラスタのフェールオーバー
以下の表に示す設定は、ストレージと可用性の目標を達成するために必要な最低要件
です。KVM ホストとゲスト仮想マシンのストレージの可視性、管理、レプリケーションサ
ポート、可用性とクラスタフェールオーバーの望ましいレベルを達成するため、SFHA
Solutions 製品を必要に応じて組み合わせて利用できます。
表 1-1
ゲストとホストの Storage Foundation and High Availability Solutions
機能
目標
推奨される SFHA Solutions 製品設定
KVM ゲスト仮想マシンのストレージ可視性
KVM ゲスト仮想マシンの DMP(Dynamic
Multi-Pathing)
KVM ホストのストレージ可視性
KVM ホストでの DMP
KVM ゲスト仮想マシンのストレージ管理機能と KVM ゲスト仮想マシンの Storage Foundation
レプリケーションサポート
(SF)
KVM ホストの高度なストレージ管理機能とレプ KVM ホストの Storage Foundation Cluster File
リケーションサポート
System(SFCFSHA)
KVM ホストとゲスト仮想マシンのエンドツーエン KVM ホストとゲスト仮想マシンの DMP
ドのストレージ可視性
KVM ゲスト仮想マシンのストレージ管理機能と KVM ホストの DMP と KVM ゲスト仮想マシンの
レプリケーションサポート、および KVM ホストの SF
ストレージ可視性
KVM ゲスト仮想マシンのアプリケーション監視
と可用性
KVM ゲスト仮想マシンの Symantec
ApplicationHA
KVM ホストの仮想マシン監視とフェールオー
バー
KVM ホストの Veritas Cluster Server(VCS)
KVM ゲスト仮想マシンのアプリケーションフェー KVM ゲスト仮想マシンの VCS
ルオーバー
7
8
第 1 章 このリリースでの新機能
インストールとアップグレードに関する変更
目標
推奨される SFHA Solutions 製品設定
アプリケーション可用性と仮想マシン可用性
KVM ゲスト仮想マシンの Veritas Application
HA と KVM ホストの VCS
KVM ゲスト仮想マシンと物理ホスト間のアプリ
ケーションフェールオーバー
KVM ゲスト仮想マシンと KVM 物理ホストにわ
たる VCS によるクラスタリング
各設定には特定の利点と制限事項があります。
p.6 の 「Symantec ApplicationHA 6.0 のサポート」 を参照してください。
実装情報については、を参照してください。
『Veritas Storage Foundation™ and High Availability Solutions 仮想化ガイド Linux』
を参照してください。
インストールとアップグレードに関する変更
6.0 の製品インストーラには、次の変更点が含まれています。
AIX での Network Installation Manager Alternate Disk Migration ユー
ティリティを使った製品アップグレードのサポート
Network Installation Manager Alternate Disk Migration(nimadm)ユーティリティを
使って、オペレーティングシステムと製品をアップグレードできるようになりました。
詳しくは、『インストールガイド』を参照してください。
Ignite-UX を使用した HP-UX への製品インストールのサポート
インストーラで、ソフトウェアディストリビュータ(SD)バンドルを作成する -ignite オプショ
ンがサポートされるようになりました。これらの SD を使用すれば、HP-UX Ignite インス
トールツールを使用して、Storage Foundation and High Availability 製品スイートをイ
ンストールできます。
詳しくは、『インストールガイド』を参照してください。
Linux の yum を使用する製品インストールのサポート
Veritas 製品は、yum を使用してインストールできるようになりました。yum によるインス
トールは、Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 でサポートされています。
詳しくは『インストールガイド』を参照してください。
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Dynamic Multi-Pathing (DMP) に関連する変更
Solaris 10 のFlash アーカイブを使用する製品配備のサポート
Storage Foundation and High Availability スイート製品および Solaris 10 オペレー
ティングシステムを、JumpStart と組み合わせてインストールする場合には、Flash アー
カイブを使用できます。
詳しくは『インストールガイド』を参照してください。
ローリングアップグレードの実行
クラスタのローリングアップグレードを実行するために、スクリプトベースのインストーラと
Web ベースのインストーラを使うことができるようになりました。ローリングアップグレード
は、他のアップグレード手順よりもダウンタイムが少なくて済みます。
6.0 では、HP-UX 向けの製品でローリングアップグレードがサポートされるようになりまし
た。他のプラットフォームでは、このサポートは 5.1 SP1 以降で利用可能です。
Veritas Dynamic Multi-Pathing (DMP) に関連する変更
この項では、Veritas DMP(Dynamic Multi-Pathing)に関連するこのリリースでの変更
について説明します。
AIX での名前が変更されたデバイスの検出
AIX 6.1TL6 から、AIX で rendev コマンドを使ったデバイス名の変更機能が導入されま
した。現在は、従来の hdisk 名の代わりに、ユーザー定義の名前を指定できます。
Veritas Dynamic Multi-Pathing(DMP)では、名前が変更されたデバイスを検出でき
るようになりました。DMP で、エンクロージャに基づく命名規則(EBN)とオペレーティング
システムの名前(OSN)の両方に対するデバイス名の変更がサポートされます。デバイス
名を変更する前に、VxVM または DMP 制御から DMP ノードを削除します。
名前が変更されたパスを有効または無効にするには、vxdmpadm コマンドを使うことがで
きます。
次の機能は、名前が変更されたデバイスではサポートされません。
■
ルータビリティの有効化
■ vxconvert
■
コマンドを使った LVM から VxVM への移行
ホットリロケーション
テンプレートによる Dynamic Multi-Pathing のチューニング
Veritas Dynamic Multi-Pathing(DMP)には、処理効率を最適化するために設定でき
る複数のチューニングパラメータや属性があります。このリリースでは、DMP は 1 回の操
9
10
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
作で複数のチューニングパラメータと属性を更新できるテンプレートメソッドを導入してい
ます。テンプレートは DMP 設定の全部か一部を表し、ホストのパラメータと属性の値を示
します。
チューニングパラメータの表示や操作を行うには、ファイルに DMP チューニングパラメー
タの設定値をダンプできます。必要に応じて、パラメータと属性を編集します。その後、ホ
ストにテンプレートファイルをロードして、1 回の操作ですべての値を更新します。
テンプレートによる DMP のチューニングについて詳しくは、『Storage Foundation and
High Availability Solutions チューニングガイド』を参照してください。
Dynamic Multi-Pathing(DMP) は Veritas Operations Manager からの
拡張属性を検出し、報告する
Veritas Operations Manager(VOM)を使用していて、中央管理サーバーを設定して
いる場合には、DMP のデバイス検出層(DDL)は管理下のホストの拡張属性を取得する
ことができます。DDL は、VOM データベースの帯域からこれらの付加的な属性を入手し
ます。DMP は vxdisk -p list コマンドの出力としてこれらの属性を表示します。
『管理者ガイド』を参照してください。
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
6.0 の Veritas Storage Foundation には、次の変更点が含まれています。
Veritas Volume Manager に関する変更
最大サイズのボリュームの作成
以前のリリースでは、Veritas Volume Manager は最大サイズのボリュームの作成に 2
段階の方法が用意されていました。vxassist maxsize コマンドを実行し、所定の制約
条件で作成されるボリュームの最大サイズを調べる必要がありました。次に、vxassist
make コマンドを実行し、vxassist maxsize コマンドで特定したボリュームサイズを最大
サイズとして指定する必要がありました。
このリリースでは、1 つのコマンドで最大サイズのボリュームを作成できます。vxassist
make コマンドに maxsize キーワードを指定して実行します。vxassist コマンドで、作成
可能な最大サイズのボリュームが作成され、このときに、指定したその他の割り当て属性
が考慮に含められます。
Veritas Volume Manager と Oracle ASM ディスクの共存
ASM(Automatic Storage Management)ディスクは、Oracle Automatic Storage
Management ソフトウェアで使用されるディスクです。Veritas Volume Manager(VxVM)
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
と Oracle ASM ディスクは、Oracle ASM ディスクを Oracle ASM タイプのディスクとして
認識することで共存します。VxVM は ASM ディスクが上書きされないように、上書きする
可能性がある操作から保護します。VxVM は、ASM ディスクを ASM 形式のディスクとし
て分類、表示します。ASM ディスクは初期化できません。また、ASM ディスクを上書きす
る可能性がある VxVM 操作を実行することはできません。
6.0 では、このサポートは AIX、Linux と Solaris 用の製品に追加されます。HP-UX では
この機能はすでにサポートされています。
VxVM と ASM ディスクの共存について詳しくは、『Veritas Storage Foundation 管理
者ガイド』を参照してください。
VxVM チューニングパラメータの変更
vxtune コマンドは、Veritas Volume Manager のチューニングパラメータの値を表示ま
たは修正するために使われます。このリリースでは、vxtune コマンドは拡張され、強化さ
れています。vxtune コマンドには、次の新しい機能があります。
■
Veritas Volume Replicator と Cluster Volume Manager のチューニングパラメー
タを含む、Veritas Volume Manager のチューニングパラメータの拡張リストが管理
されます。
■
チューニングパラメータに対してテンプレート形式が提供されます。テンプレート機能
を使用することで、チューニングパラメータのリストをファイルにエクスポートし、必要に
応じて値を修正し、インポートコマンドを使ってチューニングパラメータを再ロードでき
ます。
■
コマンド出力が拡張されています。出力に現在の値、デフォルトの値、新しい値が有
効になるために再ブートが必要かどうかが表示されるようになりました。任意で、チュー
ニングパラメータの説明を表示できます。
■
チューニングパラメータの値が再ブート後も保持されます。
■
VxVM コンポーネント別にチューニングパラメータが分類されます。チューニングパ
ラメータを一覧表示またはエクスポートするコンポーネントを分類の中から指定します。
コンポーネントは次のとおりです。
■
basevm
基本のコア VxVM 機能
■
fmr
FlashSnap の機能
■
cvm
Cluster Volume Manager
■
vvr
Veritas Volume Replicator
11
12
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
インスタントスナップショット(バージョン 20)のDCO(データ変更オ
ブジェクト)ボリュームのレイアウトの変更
このリリースでは、インスタントスナップショットの I/O パフォーマンスと拡張性を向上させ
るため、DCO(データ変更オブジェクト)ボリュームのレイアウトが変更されました。レイアウ
トの変更は、インスタントスナップショットの管理方法を変更しません。目に見える唯一の
影響は、I/O パフォーマンスが向上することです。ある場合には、DCO ボリュームのサイ
ズも増加します。以前のリリースの場合と同様に、「vxsnap prepare」を使用してインスタ
ントスナップショット用の DCO を作成します。または、「vxassist make」によってボリュー
ムを作成する際に、「logtype=dco dcoversion=20」を指定します。
(以前にバージョン 20 DCO と呼ばれていた)インスタントスナップショット DCOは、事前割
り当てストレージ上のマップの動的作成を使用するようになりました。ダーティリージョンロ
グ(DRL)のマップサイズは、ボリュームサイズに依存しません。DCO ボリュームの作成中
に drlmapsz を使用して設定できます。
VxVM ボリュームへのネーティブ LVM ボリュームのオンライン移
行
このリリースの Veritas Volume Manager(VxVM)では、ネーティブ LVM 制御下にある
ボリュームを最小限のアプリケーションダウンタイムで VxVM ボリュームに移行する機能
が提供されます。
この機能は AIX と HP-UX でサポートされます。
これは、移行元 LVM ボリュームデータを新しいストレージ上の移行先 VxVM ボリューム
に移行するもので、さまざまなストレージとレイアウトをサポートする柔軟性を備えていま
す。移行作業中は、移行元 LVM から移行先 VxVM ボリュームへのデータ同期がバック
グラウンドで行われている間でもアプリケーションからボリュームへのアクセスは可能です。
移行設定は、アプリケーションで新しい VxVM デバイスパスへの再設定がすぐに必要と
ならないように設定されます。
データ同期がすべての必須ボリュームで完了していれば、移行をコミットするポイントを選
択することもできます。エラーの場合は、移行を中止して、元の LVM 設定に安全に戻る
ことができます。
VxFS が移行元 LVM ボリュームで設定されている場合は、オンライン移行で SmartMove
機能を利用してデータの同期を行えます。
この機能は VCS とも統合されており、VCS HA 環境でのオンライン移行も可能です。移
行処理中、VCS は更新した設定の高可用性を監視して維持します。
新しい CLI の vxmigadm が、オンライン移行を管理するために提供されます。
詳細については、『Veritas™ Storage Foundation and High Availability Solutions
ソリューションガイド』を参照してください。
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
Veritas File System に関する変更
デフォルトのディスクレイアウトバージョンは 9
このリリースでは、ディスクレイアウトバージョン 9 がデフォルトのバージョンとなっており、
新たに、次の機能をサポートします。
■
ファイル圧縮
(Linux および Solaris 限定)
■
データの重複排除
■
ファイルレプリケーション
(Linux 限定)
『管理者ガイド』を参照してください。
Storage Checkpoint
Storage Checkpoint に対し、次の変更が加えられました。
■
デフォルトで Removable Storage Checkpoint を作成するよう、Veritas File System
(VxFS)ファイルシステムを調整できます。
vxtunefs(1M)のマニュアルページを参照してください。
■
VxFS は、十分なスペースがない場合、操作を失敗する代わりに、Removable Storage
Checkpoint の削除を試みるようになりました。
■
Storage Checkpoint はファイルシステムの可視性を改善しました。ckptautomnt マ
ウントオプションによって、すべての Storage Checkpoint は、ディレクトリのリストに表
示されない .checkpoint という特殊な名前を持つファイルシステムのルートディレク
トリ内のディレクトリを介して、自動的にアクセス可能になります。このディレクトリの中
には、ファイルシステムの各 Storage Checkpoint のディレクトリがあります。これらの
各ディレクトリは、対応する Storage Checkpoint にマウントされたものとして動作しま
す。ただし、一部の例外は除きます。
『product 管理者ガイド』を参照してください。
『Veritas Storage Foundation Cluster File System High Availability 管理者ガイ
ド』を参照してください。
パーティションディレクトリ
通常、大量の並行スレッドがファイルシステム内の 1 つのディレクトリにアクセスやアップ
デートを行うと、このファイルシステムでは、このスレッドのための非常に長い待ち時間が
発生します。この機能では、ディレクトリをパーティション分割して、ファイルシステムのディ
レクトリのパフォーマンスを向上します。任意のディレクトリがチューニング可能なしきい値
を超えると、ディレクトリの i ノードに排他ロックを実行して、エントリを異なるハッシュディレ
クトリにそれぞれ再分散します。これらのハッシュディレクトリは、ユーザーの名前空間や
13
14
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
オペレーティングシステムからは確認できません。この機能は、すべての新規作成、削
除、検索スレッドに対して、それぞれのハッシュディレクトリ(ターゲットの名前により決定)
を検索し、そのディレクトリで操作を実行します。これにより、親ディレクトリの i ノードと他
のハッシュディレクトリでは、アクセスが妨げられなくなり、ファイルシステムのパフォーマン
スが大幅に向上します。
『管理者ガイド』を参照してください。
ソースファイルシステムの NFS v3 上の VxFS ファイルシステムへ
の移行
NFS は、ネットワーク接続ストレージソリューションで最もよく使用されるファイルシステム
の 1 つで、UNIX 環境で使用される標準ファイル共有機構の 1 つです。この機能は、ソー
スファイルシステムを、既存の NFS v3 ソリューション上の VxFS ファイルシステムに移行
することを可能にします。
この機能は AIX と Solaris でサポートされます。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions ソリューションガイド』
を参照してください。
Linux での並列ダイレクト I/O
VxFS では、各 iovec は readv(2) 呼び出しと writev(2) 呼び出しで同期的に実行され
ます。『Single Unix Specification』は、readv(2) と writev(2) の両方について、「次へ
進む前に readv/writev() 関数は一定のエリアを完全に満たしている必要がある」と述
べています。ただし、ダイレクト I/O の場合、Linux はこの必要条件を無視し、完了を待っ
ている前にいくつかの iovec を並行して送信します。このリリースで、VxFS は、読み込み
と書き込みの両方で並行ダイレクト I/O を実行するようになり、VxFS のパフォーマンスが
向上しました。並行ダイレクト I/O のサポートは、VxFS モジュール負荷チューニングパラ
メータ vx_parallel_dio の設定によって、有効にすることができます。
『管理者ガイド』を参照してください。
vxfsconvert は付加的な Veritas File System のディスクレイアウ
トバージョンをアップグレードできる
AIX および Linux の場合
vxfsconvert コマンドは VxFS のディスクレイアウトバージョン 4 をアップグレードできま
す。
HP-UX および Solaris の場合
vxfsconvert コマンドは VxFS のディスクレイアウトバージョン 4 および 5 をアップグレー
ドできます。
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
マルチスレッドシン再生
パフォーマンスの向上のため、マルチスレッドシン再生操作を実行できます。
fsadm_vxfs(1M)および vxfs_ts_reclaim(3)の各マニュアルページを参照してくだ
さい。
Network File System での FileSnap の作成
既存のファイルから拡張子「::snap:vxfs:」を持つ新しいファイルへのハードリンクを作成
することによって、NFS(Network File System)上で FileSnap を作成できます。
『管理者ガイド』を参照してください。
レプリケーションと関連する変更
Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions 6.0 は、レプリケーショ
ンと関連する次の変更を含んでいます。
Linux のファイルレベルのレプリケーション
Veritas File Replicator(VFR)は、アプリケーションデータのファイルレベルのレプリケー
ションをサポートしています。ファイルシステムに対するすべての更新を追跡して、設定さ
れた時間間隔で定期的にこれらの更新をレプリケートします。VFR は、Veritas File
System(VxFS)のデータ重複排除機能を利用するので、レプリケーション先にすでに存
在するデータはレプリケートしません。VFR はまた VxFS の圧縮をサポートしています。
圧縮ファイルはそのままレプリケートされます。さらに、VFR はまた可逆データ転送をサ
ポートしています。VFR は Veritas Replicator(Veritas Volume Replicator の新しい
名前)のライセンスに含まれており、Storage Foundation のオプションとして利用できま
す。また、Symantec VirtualStore 6.0 にも含まれています。
詳しくは、『Storage Foundation and High Availability Solutions Replication 管理者
ガイド』を参照してください。
vvrcheck 設定ユーティリティ
現在のレプリケーションの状態を表示し、設定の異常を検出して報告し、表示ツールで
使うことのできる統計ファイルを作成する設定ユーティリティ /etc/vx/diag.d/vvrcheck
が提供されます。vvrcheck では、見つからないデーモン、有効なライセンス、ネットワー
クのリモートホストに対する診断チェックも実行します。詳しくは、vvrcheck(1M) のマニュ
アルページを参照してください。
VVR 用の SmartMove
プライマリとセカンダリ間の初回の同期は、autosync オプションを使って実行されます。
ボリューム同期のための autosync は、VxFS からの SmartMove API を使用して、プラ
15
16
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
イマリとセカンダリ間のデータ同期だけを行うようになりました。これにより、初回の autosync
のパフォーマンスが向上します。ただしこれは、ボリュームでのファイルシステムの使用状
況に依存しています。この機能はまた、ストレージ領域をデータ専用で使う、セカンダリサ
イト上で設定されているシンプロビジョニングの LUN にも役立ちます。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions のレプリケーションの
管理者ガイド』を参照してください。
VVR のシンプロビジョニングと再生サポート
ストレージの再生が、VxFS ファイルシステムを使用している VVR ボリュームで可能にな
りました。セカンダリ RVG 上のボリュームに相当するストレージは、プライマリボリュームが
再生されるとき自動的に再生されます。既存の vxdisk reclaim または fsadm -R コマ
ンドも、同様に VVR オブジェクトの再生を行います。ストレージ再生を動作させるために
は、プライマリ RVG のボリュームをマウントする必要があります。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions のレプリケーションの
管理者ガイド』を参照してください。
VVR の圧縮の有効化
VVR を圧縮すれば、プライマリから 1 つ以上のセカンダリホストに対し、ネットワークで圧
縮形式のデータを送ることができます。圧縮すれば、ネットワーク帯域の消費が減るので、
利用可能な帯域幅が狭い、または帯域を複数のアプリケーションで共有しているようなシ
ナリオで役に立ちます。圧縮オプションは、CLI を使用して、システム単位、またはセカン
ダリ単位で有効にできます。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions のレプリケーションの
管理者ガイド』を参照してください。
レプリケーションのパフォーマンスの向上
レプリケーションのパフォーマンスは、セカンダリログの導入によって向上しました(データ
ボリュームへ書き込む前に、セカンダリ SRL の I/O にログを記録します)。この機能を動
作させるための主要な要件は、セカンダリとプライマリの両方に、同じサイズの SRL があ
ることです。セカンダリの SRL はプライマリからの I/O をステージングするために使用さ
れ、データボリュームへの書き込みを並列にします。これにより、VVR と CVR の両方のレ
プリケーションのパフォーマンスが向上します。6.0 では、この機能はデフォルトで有効に
なっています。
レプリケーションのパフォーマンスを最大にするために増やすことができる、レプリケーショ
ン固有の他のチューニングパラメータもあります。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions のレプリケーションの
管理者ガイド』を参照してください。
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
8 ノードクラスタアプリケーションのサポート
共有ディスクグループの環境で、VVR は、8 ノードクラスタアプリケーションのレプリケー
ションをサポートします。以前のリリースでは、サポートは 4 ノードクラスタアプリケーション
に制限されていました。
次のような改善により、8 ノードサポートへの拡張が有効になります。
■
メッセージ処理の向上により、ログ所有者が毎秒ごとにさらに多くのメッセージを処理
できるようになって、アプリケーションスループットが改善した。
■
セカンダリのログ録機能はレプリケーションのパフォーマンスを改善した。
■
CPU 使用率を向上し、ログ所有者に、クラスタ内の他のノードからの要求を処理する
ため、より多くの CPU サイクルを提供できるようになった。
■
VVR での最大未実行 I/O の上限が大きくなった。
『Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions のレプリケーションの
管理者ガイド』を参照してください。
SFDB ツールと関連した変更
以下では、6.0 での SFDB(Storage Foundation for Databases)ツールと関連した変更
について説明します。
データベースクローンの領域最適化スナップショットのサポート
Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールを使えば、Oracle データベースの
領域最適化スナップショットを作成し、それらのスナップショットを使用してデータベース
のクローンを作成することができます。SFDB のツールは、この操作で Storage Foundation
の下位の機能を使用します。
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
DR サイト上のデータベースクローンの領域最適化スナップショッ
トのサポート
ディザスタリカバリ(DR)サイトの領域最適化スナップショットを作成するのに、レプリケー
トされた環境の Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールを使用することがで
きます。この機能を使えば、プライマリサイトのデータベースを DR のサイトでレプリケート
している設定において、DR のサイトの Oracle データベースのクローンを作成することが
できます。
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
17
18
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更
各種の PITC 操作を実行できる単一の CLI
Oracle データベースの各種 PITC 操作を実行するのに、新しい SFDB コマンド vxsfadm
を使用することができます。 vxsfadm には次の利点があります。
■
同種のコマンドラインで複数の操作を実行できる
■
使用例ベースの機能
■
拡張されたエラー処理
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
データベースクローンのファイルレベルのスナップショットのサポー
ト
Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールを使えば、Oracle データベースの
ファイルレベルのスナップショットを作成し、それらのスナップショットに基づいて 1 つまた
は複数のクローンを作成することができます。SFDB のツールは、この操作で Storage
Foundation の下位の機能を使用します。
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
拡張された認証サポート
Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールの認証サポートは、このリリースで拡
張されました。SFDB ツールの認証を設定するのに sfae_auth_op を使うことができま
す。
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
ASM から VxFS への移行
ASM2VxFS ユーティリティを使って、Oracle の Automatic Storage Management(ASM)
上で動作する Oracle データベース関連データの Veritas File System(VxFS)への移
行を実行できます。
このユーティリティは現在、Storage Foundation 5.1SP1 でテストされています。ユーティ
リティのサポート対象は、今後 6.0 まで拡張されます。今回は、ASM から VxFS への移
行を検討中のお客様にテクニカルサポートが提供される予定です。
『Veritas Storage Foundation: In-place Migration of Oracle Database from ASM
to Veritas File System』を参照してください。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
Cached ODM アドバイザ(dbed_codm_adm)の拡張
Cached ODM アドバイザコマンド dbed_codm_adm を使用すれば、Cached ODM を有効
にするのにどのデータファイルが適しているかを決定する助けとなる、様々なレポートを
生成できます。Cached ODM アドバイザが生成するレポートは、Oracle Automatic
Workload Repository(AWR)からの履歴データを使用するように拡張されました。
『Veritas Storage Foundation: Storage And Availability Management for Oracle
Databases』を参照してください。
SmartTier の OEM との統合
SmartTier に関連する次の情報は、Oracle Enterprise Manager(OEM)レポートで表
示できるようになりました。
■
層ごとのストレージ割り当てと空き容量
■
層ごとのデータファイルが占めているスペース
これは、テーブルまたはインデックスのようなデータベースオブジェクトを移動すると
き、データファイルの一部が層の間で移動される場合に有用です。
vxlist で product の情報を表示する
vxlist コマンドは、product の設定を統合して表示する、新しい表示コマンドです。
vxlist コマンドは、Veritas Volume Manager(VxVM)と Veritas File System(VxFS)
からの情報を統合します。vxlist コマンドは情報表示のために各種のオプションを提供
しています。たとえば、ファイルシステム情報にボリューム、ディスクグループおよびその
他の情報を含めて表示するには、コマンドを次の形式で使用します。以前のリリースで
は、次の情報を取得するには、少なくとも 2 つのコマンドを実行する必要がありました。
# /opt/VRTSsfmh/bin/vxlist fs
TY FS FSTYPE SIZE
FREE
%USED DEVICE_PATH
MOUNT_POINT
fs /
ext3
65.20g 51.70g 17%
/dev/sda1
/
fs mnt vxfs
19.84g 9.96g 49%
/dev/vx/dsk/bardg/vol1 /mnt
vxlist コマンドのヘルプを表示するには、次のコマンドを入力してください。
# vxlist -H
vxlist(1m) マニュアルページを参照してください。
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
続く項では、LLT、GAB、I/O フェンシングなどの VCS カーネルコンポーネントや、セキュ
アモードのクラスタに関連する変更について説明します。
19
20
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
VCS に関連する変更について詳しくは、『Veritas Cluster Server リリースノート』を参照
してください。
VCS エンジンに関する変更
IMF がデフォルトで有効になり、新しいエージェントがサポートされ
る
IMF(Intelligent Monitoring Framework)機能が、IMF を利用できるすべてのエージェ
ントに対してデフォルトで有効になります。
次のエージェントは VCS 6.0 で IMF 対応です。
■
Zone
■
WPAR
■
DB2udb(PRON IMF のサポートのみを提供)
■
Sybase
■
SybaseBk
エージェント用の自動化されたスクリプトによる IMF の有効化と無効化
VCS は、VCS が実行または停止されている場合に、エージェントの IMF を有効または無
効にするための /opt/VRTSvcs/bin/haimfconfig スクリプトを提供します。付属エー
ジェント、エンタープライズエージェント、カスタムエージェントを含むすべての IMF 対応
のエージェントの有効と無効を切り替えるためにこのスクリプトを使うことができます。クラ
スタの各ノードでユーティリティを一度実行する必要があります。
メモ: 自動化されたスクリプトは、エージェントが現在のノードで動作している場合はエー
ジェントを再起動し、ユーザーの確認後に IMF を有効にします。
AIX 上の VCS での CPU 割り込み無効化のサポート
HAD プロセスはシステムにおいて高い優先度で動作しますが、割り込みは常に最高の
優先度で実行されます。システムで多数の割り込みが生成され、HAD プロセスが動作し
ている CPU でそれらの割り込みが処理されるようになると、HAD は GAB とのハートビー
トを維持してアプリケーションの可用性を高めるタスクを実行する機会を失います。
この問題を克服するため、VCS では、特定の CPU で HAD を実行し、その CPU ですべ
ての割り込みをマスクすることができます。HAD を特定の CPU で実行するように設定す
るには、CPUBinding 属性を使用します。HAD の CPU バインドについて詳しくは、『管
理者ガイド』を参照してください。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
サービスグループの依存関係における複数の子のサポート
1 つのサービスグループに、複数の子サービスグループの依存関係を設定できるように
なりました。すべての子の依存関係は、オンラインになる親サービスグループに対して満
たされる必要があります。複数の子の設定でサポートされない依存関係タイプは「online
local hard」と「offline local」です。-propagate オプションは、依存関係ツリーにグロー
バルまたはリモートの依存関係が含まれていると、使うことができません。
詳しくは、『管理者ガイド』を参照してください。
サービスグループの依存関係のサービスグループをオンラインま
たはオフラインにするための単一コマンドラインオプション
サービスグループの依存関係に親サービスグループがある場合、各グループを手動で
オンラインにしなくても、単一のコマンドで、ボトムアップで依存関係のツリー全体をオンラ
インにできます。オンライン操作のため、コマンドは、依存関係ツリーの最下位のサービス
グループからサービスグループをオンラインにし始めます。同様に、サービスグループの
依存関係に子サービスグループがある場合、各グループを手動でオフラインにしなくて
も、単一のコマンドで、トップダウンで依存関係のツリー全体をオフラインにできます。オ
フライン操作のため、コマンドは、依存関係ツリーの最上位からサービスグループをオフ
ンラインにします。
サービスグループをオンラインまたはオフラインにするには、それぞれ次のコマンドを使
用します。
■ hagrp -online -propagate <grp_name> -sys <sys_name>
■ hagrp -offline -propagate <grp_name> -sys <sys_name>
メモ: -propagate オプションは、依存関係ツリーにグローバルまたはリモートの依存関係
が含まれていると、使うことができません。
hagrp -online で -propagate オプションを使うと、すべての必須の子サービスグルー
プは、VCS によって自動的にオンライン状態になります。同様に、hagrp -offline で
-propagate オプションを使うと、すべての必須の親サービスグループは、VCS によって
自動的にオフライン状態になります。
幅広い受信者に通知を送信する能力
リソース、リソースタイプ、サービスグループ、システムまたはクラスタの所有者以外のユー
ザーを、リソース、リソースタイプ、サービスグループ、またはクラスタに関連するイベント
の通知の受信者として設定できます。
通知の受信者を設定するには次の属性を使用します。
■
ResourceRecipients
21
22
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
■
TypeRecipients
■
GroupRecipients
■
SystemRecipients
■
ClusterRecipients
登録済みの受信者は、属性で指定したレベルと等しいかそれより大きい重要度のイベン
トについての通知を受け取ります。詳しくは、『Veritas Cluster Server 管理者ガイド』を
参照してください。
VCS で、異なるバージョンの AIX オペレーティングシステムが混在
するクラスタがサポートされるようになりました
クラスタ内のすべてのノードで、同じバージョンの VCS を実行する必要があります。オペ
レーティングシステムのバージョンがクラスタ内の VCS でサポートされている場合に限り、
クラスタ内の各ノードで異なるバージョンの AIX オペレーティングシステムを実行できま
す。
注意: オペレーティングシステム(OS)の混在環境を長期間にわたって使用していると、
OS のメジャーバージョン間で OS 固有のアプリケーションを移行する際に問題が発生す
る可能性があります。
VCS トリガ関連の変更
このリリースには、VCS トリガに関する次の変更があります。
■
VCS はサービスグループやリソースに固有のトリガスクリプトを実行できます。そのた
め、複数のオブジェクトに対するトリガスクリプトが、単一のトリガスクリプトにマージされ
る必要はありません。
■
TriggersEnabled 属性を使うことで、各システムの nofailover、postonline、
postoffline の各トリガを有効にできます。
■
1 つのトリガに対して複数のスクリプトを実行できます。トリガスクリプトは、T<num> とい
う専用の命名法を使ってトリガディレクトリ内にインストールする必要があります。VCS
は、T<num> の順序でトリガスクリプトを実行します。
例: preonline ディレクトリに T00preonline、T01preonline、T02preonline の各
スクリプトがある場合、T00preonline スクリプトが最初に実行され、T01preonline
が次に実行され、T02preonline が最後に実行されます。
■
エージェントは、RestartLimit が設定されている場合にエラーがあったリソースを再
起動します。エージェントがリソースを再起動するたびに、TriggerResRestart 属性
が 1 に設定されている、または RESRESTART が TriggersEnabled 属性に指定さ
れている場合、VCS は resrestart トリガを呼び出します。それ以外の場合、VCS
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
は resstatechange トリガを呼び出します。詳しくは、『Veritas Cluster Server 管理
者ガイド』を参照してください。
注意: resstatechange の使用は、再起動が非推奨であることを示します。以降のリ
リースでは、リソースの再起動を示すために resrestart トリガのみを使う必要があり
ます。
LLT への変更
このリリースには、LLT に関する次の新機能と変更が含まれています。
■
LLT リンク障害のより高速な検出
LLT には、オペレーティングシステムのリンク停止の通知機能を使って LLT リンク障
害をすぐに検出する機能があります。
この機能は HP-UX および Solaris でサポートされます。
■
LLT は、VLAN のタグ付け(IEEE 802.1Q)をサポートするようになりました。
詳しくは、『Installation Guide』および『Administrator's Guide』を参照してください。
GAB への変更
この項では、このリリースでの GAB に関連する新機能と変更について説明します。
アプリケーションの可用性を確保するためのさらなる GAB と I/O
フェンシングの統合
VxFEN モジュールが決定を実装する前のスプリットブレインの状況の場合に、GAB は、
スプリットブレイン後の結合を解決しようと試みることがあります。GAB は 1 つを除きすべ
ての結合しているサブクラスタを削除します。この動作によりクラスタ全体が停止すること
があります。このシナリオを避けるため、GAB はフェンシングモジュールに優先順位を設
定するようになりました。
本リリースの GAB と I/O フェンシングの統合によって、GAB がサブクラスタの結合を開始
する前に I/O フェンシングモジュールの決定がまだ保留中の場合、GAB は iofence メッ
セージを遅らせます。GAB の待ち時間は、どの VxFEN が遅延値を計算して GAB に渡
すかに基づき、VxFEN のチューニングパラメータ panic_timeout_offst の値によって変
わります。
詳しくは、『Administrator's Guide』を参照してください。
23
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第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
GAB はポートに加えて名前でクライアントを認識できる
カーネルクライアントが GAB API を初期化するとき、クライアント名の文字列を定義でき
るようになりました。GAB は、クライアント名を登録することで、GAB ポートが登録される前
でもクライアントを追跡できます。また、GAB は、LLT ポートを登録するとき、LLT にクライ
アント名の情報を渡します。lltstat -p コマンドも、使用中のポートの状態の詳細を表
示するときに、GAB のクライアント名を表示します。
この機能は GAB カーネルクライアントにのみ適用できます。HAD のような、ユーザーサ
イトの GAB クライアントには適用できません。
I/O フェンシングに関する変更
ここでは、I/O フェンシングに関するこのリリースでの新機能と変更点について説明しま
す。
非 SCSI3 フェンシングのサポート
SCSI-3 PR をサポートしない環境では、非 SCSI-3 フェンシングが、設定可能な時間
(loser_exit_delay、デフォルトは 55)だけ勝者側を遅延させることによって適度なデー
タ保護を提供します。また、敗者側を速やかにパニック状態にするようにフェンシングコン
ポーネントが強化されました。これらの機能強化により、データ破損の可能性を大幅に低
減することができます。
6.0 では、このサポートは Solaris の VCS、SFHA、SFCFSHA および SVS に追加されま
した。AIX、HP-UX、および Linux ではこの機能はすでにサポートされています。
詳しくは、『Installation Guide』および『Administrator's Guide』を参照してください。
I/O フェンシングの競争の間の RACER ノード再選のサポート
ネットワーク分割の際、VxFEN モジュールは、サブクラスタの代わりのコーディネーション
ポイントを得るべく競争するために、各サブクラスタの最も低いノードを RACER ノードとし
て選びます。他の SPECTATOR ノードは、RACER ノードがフェンシングを行うのを待ち
ます。
以前のリリースでは、I/O フェンシングの競争は、次のとおり単一の RACER ノードに完全
に依存していました。
■
RACER ノードがコーディネーションポイントの大半に到達できなければ、RACER ノー
ドの VxFEN のモジュールは LOST_RACE メッセージを送信し、LOST_RACE メッ
セージを受信したサブクラスタのすべてのノードもパニックになります。
■
アービトレーションの間に RACER ノードがパニックになると、サブクラスタの
SPECTATOR ノードは、RACER ノードが競争に負けたと見なし、SPECTATOR ノー
ドもパニックになります。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
新しい RACER ノード再選機能によって、VxFEN モジュールは、サブクラスタ内でノード
ID が次に小さいノードを RACER ノードとして再選します。この機能により、コーディネー
ションポイントに対してサブクラスタが競争を続ける機会が最適化されます。
詳しくは、『Administrator's Guide』を参照してください。
CP サーバーの複数の仮想 IP アドレスのサポート
CP サーバーにアクセスするために複数のネットワークパス(仮想 IP アドレス)を設定でき
るようになりました。CP サーバーは複数の仮想 IP アドレスで応答準備します。あるネット
ワークパスが障害になっても、CP サーバーは再起動を必要とせず、他の利用可能な仮
想 IP アドレスの 1 つで応答準備し続けます。
詳しくは、『Installation Guide』および『Administrator's Guide』を参照してください。
CP サーバーの Quorum エージェントのサポート
複数の仮想 IP アドレスのサポートを使うと、Quorum エージェントを使用して、CP サー
バーサービスグループのフェールオーバーポリシーを設定できるようになりました。Quorum
リソースがオンラインのままになるためにオンラインであることが必要な IP リソースの最小
数を指定できます。
詳しくは、『Installation Guide』および『Administrator's Guide』を参照してください。
GAB は、フェンシングが有効な状態で、一部のクラスタノードが利
用不能なときに自動的にクラスタをシーディングできる
以前のリリースでは、クラスタ内の一部のノードが動作していない場合、既存のスプリット
ブレインのリスクを避けるため、GAB ポートは起動しません。そのような場合、コマンド
gabconfig -x を使って手動で GAB ポートを起動し、GAB をシーディングできます。た
だしクラスタの I/O フェンシングを有効していた場合には、I/O フェンシングはクラスタ内
の既存のスプリットブレインを処理できます。
このリリースでは、I/O フェンシングのこの機能が拡張され、自動的に次のように GAB を
シーディングできます。
■
クラスタのいくつかのノードが起動していない場合、GAB ポート(ポート a)はクラスタ
のすべてのメンバーノードで起動します。
■
コーディネーションポイントに、任意の非メンバーノードからのキーがなければ、I/O
フェンシング(GAB ポート b)も起動します。
この新機能はデフォルトでは無効になっています。I/O フェンシングが有効モードで設定
されているクラスタでは、GAB のこの自動シーディング機能を手動で有効にする必要が
あります。
詳しくは、『Administrator's Guide』を参照してください。
25
26
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
引き続き、gabconfig -x コマンドを使って手動でクラスタをシーディングすることができ
ます。
インストーラがオンラインクラスタでフェンシング設定間の移行をサ
ポート
インストーラを使って、ディスクベースとサーバーベースのフェンシング設定の間で移行
できるようになりました。また、同じインストーラオプションを使って、オンラインクラスタで任
意の I/O フェンシング設定のコーディネーションポイントを置換できます。インストーラは
vxfenswap スクリプトを内部的に使います。
また、これらの I/O フェンシングの再設定操作を実行するために、応答ファイルを使うこと
ができます。
詳しくは、『Administrator's Guide』を参照してください。
VCS 付属エージェントの変更点
この項では VCS の付属エージェントに関する変更点について説明します。
詳しくは、『Veritas Cluster Server 管理者ガイド』と『Veritas Cluster Server 付属エー
ジェントリファレンスガイド』を参照してください。
Windows DNS サーバーのサポート
DNS エージェントは、その設定の中で Windows DNS サーバーをサポートするようにな
りました。新しい属性 UseGSSAPI が、この機能のために DNS エージェントの設定に追
加されています。
この属性の使用方法と、DNS エージェントを Windows DNS サーバーを使って設定す
るための追加の要件について詳しくは、『Veritas Cluster Server 付属エージェントリファ
レンスガイド』を参照してください。
RVGPrimary エージェントは、新しいプライマリのポストロールの変
更から RDS にある他のセカンダリにレプリケーションを開始する
セカンダリ RVG の移行またはテイクオーバーに成功した後、RVGPrimary エージェント
は新しいプライマリからの RDS にある他のセカンダリへのレプリケーションを自動的に開
始します。
RVGPrimary エージェントが複数のセカンダリセットアップでどのように動作するかにつ
いて詳しくは、『SF Replication Administrator’s Guid』を参照してください。
AIX での LVMVG エージェントのパフォーマンス向上
LVMVG の監視が C++ ベースとなり、LVM API が使用されるようになりました。その結
果、多数の LVMVG リソースが存在する場合でも、CPU 利用率が抑えられます。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
AIX 上の LVMVG エージェントで ODM エントリの同期をサポートし
ます
AIX の LVMVG エージェントは、ボリュームグループのディスク構成がノードで変更され
た場合、クラスタのすべてのノードの ODM エントリの同期をサポートするようになりました。
ボリュームグループで物理ボリュームが追加、削除、交換された場合、他のノードの ODM
エントリの一部または全部が無効になります。これにより、それらのノードで、ボリュームグ
ループのリソースのオンライン障害を引き起こすことがあります。更新後のディスク情報
は、「updatepv」アクションエントリポイントを使ってクラスタのすべてのノードに伝播でき
るようになりました。updatepv のアクションエントリポイントについて詳しくは、『付属エー
ジェントリファレンスガイド』を参照してください。
VCS エージェントのエントリポイントのタイムアウトに対する最初の
エラーデータの取り込み
エントリポイントのタイムアウトをデバッグするために、新しい AdvDbg 属性が導入されま
した。この属性によって VCS が強化されるのは、プロセススタック、プロセスツリー、エント
リポイントのタイムアウト時のコアなどの一部の情報についてです。これは、エントリポイン
トのタイムアウト時のシナリオをトラブルシューティングするために役立ちます。
詳しくは、『Veritas Cluster Server エージェント開発者ガイド』を参照してください。
データベースエージェントに関する変更
DB2 エージェントに関する変更
■
DB2 用の product エージェントは、非 MPP 用の PROM モードと MPP 設定モード
で、オンライン Db2 プロセスのインテリジェントなリソース監視をサポートするようにな
りました。
■
product 6.0 よりも前のリリースでは、ソースノードから高速相互接続/スイッチ設定を
使用したターゲットのノードへのパーティションの移動の場合には、スイッチ名エントリ
が db2nodes.cfg 設定ファイルで更新されませんでした。product 6.0 リリースでは、
DB2 エージェントによりスイッチ名が設定ファイル中で正しく更新されます。
■
DB2 エージェントの追加された IMF サポートとして、現在 DB2 エージェントは、リソー
スの状態変化を即時に検出するための IMF の機能を利用するようになりました。ま
た、リソースの状態の定期的な監視が大幅に削減されるため、エージェントの CPU の
占有域が削減されます。
詳しくは、『管理者ガイド』を参照してください。
Oracle エージェントの変更点
■
Oracle 用の VCS のエージェントに 2 つの新しい属性 DBName と ManagedBy が追
加されました。
27
28
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
■
VCS agent for Oracle には、StartUpOpt 属性と ShutDownOpt 属性についての
追加オプションがあります。
■
StartUpOpt 属性で、追加の起動オプションとして SRVCTLSTART_RO が導入
されました。
■
ShutDownOpt 属性で、追加のシャットダウンオプションとして、
SRVCTLSTOP_TRANSACT、SRVCTLSTOP_ABORT、および
SRVCTLSTOP_IMMEDIATE が導入されました。
■
Oracle 用の VCS のエージェントで、ポリシーによって管理されるデータベースのサ
ポートが導入されました。
■
VCS agent for Oracle の ASM インスタンスで、次の追加の起動オプションが導入さ
れました。
■
■
STARTUP_MOUNT
■
STARTUP_OPEN
■
SRVCTLSTART_MOUNT
■
SRVCTLSTART_OPEN
VCS agent for Oracle の ASM インスタンスで、次の追加のシャットダウンオプション
が導入されました。
■
■
SRVCTLSTOP
Oracle バージョン 11.2.0.2 では、VCS 用の Oracle エージェントで、Oracle の再起
動設定の srvctl ユーティリティを使う起動オプションとシャットダウンオプションがサ
ポートされます。
Sybase エージェントの変更点
Veritas Cluster Server agent for Sybase では、次の機能が新しく追加または拡張され
ています。
■
Sybase と SybaseBk 向けの VCS エージェントでは、インテリジェントなリソース監視
がサポートされるようになりました。
■
Sybase 向けの VCS エージェントでは、インテリジェントなリソース監視がサポートされ
るようになりました。
■
product 6.0 リリースでは、インテリジェントな監視フレームワーク(IMF)がデフォルト
で有効になります。haimfconfig スクリプトは、Sybase と SybaseBk のエージェント
の IMF を有効または無効にするために使うことができます。Sybase エージェントは、
現在リソースの状態変化を即時に検出するための IMF の機能を利用できるようにな
りました。また、リソースの状態の定期的な監視が大幅に削減されるため、エージェン
トの CPU の占有域が削減されます。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
詳しくは、『管理者ガイド』と『Agent for Sybase のインストールおよび設定ガイド』を
参照してください。
■
■
Sybase エージェントでは、次の新しい属性が導入されています。
■
Quorum_dev
■
interfaces_File
■
ShutdownWaitLimit(デフォルト値 60)
■
DelayAfterOnline(デフォルト値 10)
■
DelayAfterOffline(デフォルト値 2)
SybaseBk エージェントでは、次の新しい属性が導入されています。
■
interfaces_File
■
ToleranceLimit 属性のデフォルト値は Sybase エージェントでは 1 に設定されます。
■
DetailMonitor 属性は VCS 6.0 では推奨されなくなりました。代わりに、Sybase エー
ジェントの LevelTwoMonitorFreq 属性を使用できます。LevelTwoMonitorFreq
属性のデフォルト値は 0(ゼロ)です。
■
$SYBASE の長いパス名の制限が解除されました。
■
VCS 6.0 リリースでは、VCS Cluster Manager(Java コンソール)を使うことで、Sybase
と SybaseBk のエージェントはデフォルトでパスワードを暗号化します。Sybase と
SybaseBk のエージェントは、プレーンテキストと暗号化パスワードの両方をサポート
します。必要に応じて、コマンドラインを使う、または設定ファイルを編集することで、
エージェント属性にプレーンテキストの値を指定できます。
VCS 6.0 リリースでは、VCS Cluster Manager(Java コンソール)を使うことで、Sybase
エージェントはデフォルトでパスワードを暗号化します。Sybase エージェントは、プ
レーンテキストと暗号化パスワードの両方をサポートします。必要に応じて、コマンドラ
インを使う、または設定ファイルを編集することで、エージェント属性にプレーンテキス
トの値を指定できます。
■
Sybase エージェントは「shutdown with nowait」の代わりに使われる Sybase
dataserver のシャットダウン中に、新しいタイムアウトオプションを使います。Sybase
ASE Enterprise Edition の場合、shutdown コマンドのこのタイムアウトオプション
は、12.5.4 と 15.0.2 以降のバージョンのためにサポートされます。
Sybase エージェントは「shutdown with nowait」の代わりに使われる Sybase
dataserver のシャットダウン中に、新しいタイムアウトオプションを使います。Sybase
ASE Cluster Edition の場合、shutdown コマンドのこのタイムアウトオプションは、
15.5 ESD #1 以降のバージョンのためにサポートされます。
■
Solaris ゾーン環境の場合、物理から仮想 へのフェールオーバーをサポートするよう
に、ContainerInfo の属性を確認するために Sybase と SybaseBk のエージェントが
更新されます。
29
30
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
VCS 6.0 で導入された属性
VCS 6.0 で導入された属性一覧は次のとおりです。
DNS エージェントの属性
■
UseGSSAPI: 設定されている DNS サーバーが Windows の DNS サーバーの場合
にこの属性を使います。この属性が 1 に設定されている場合、エージェントは nsupdate
コマンドで「-g」オプションを使います。
■
RefreshInterval: この属性は、DNS エージェントが DNS サーバーのリソースレコー
ド(RR)の更新の試行を開始するまでの時間間隔を秒単位で表します。
■
CleanRRKeys: この属性は、オンラインエージェント機能に対し、新しいレコードを追
加する前に、設定されたキーの既存のすべての DNS レコードをクリーンアップするよ
うに指示するために使います。デフォルト値(0)では、この動作は無効です。
クラスタレベルの属性
■
SystemRebootAction: この属性で、フリーズしているサービスグループがシステムの
再起動時に無視されるかどうかを判断します。SystemRebootAction の値が
IgnoreFrozenGroup の場合、product はフリーズしたサービスグループ(TFrozen
と Frozen)を無視し、残りのサービスグループをオフラインにします。
SystemRebootAction の値が "" の場合、product はすべてのサービスグループを
オフラインにしようとします。詳しくは、『Veritas Cluster Server 管理者ガイド』を参照
してください。
■
EnableVMAutoDiscovery: 仮想マシンの自動検出の有効と無効を切り替えます。デ
フォルトでは、仮想マシンの自動検出は無効になります。
■
SystemRebootAction: フリーズしているサービスグループがシステムの再起動時に
無視されるかどうかを判断します。
サービスグループ属性
■
OnlineClearParent: この属性がサービスグループに対して有効であり、サービスグ
ループがオンラインになる、またはオンラインであることが検出されたときに、VCS は、
online local、online global、online remote などのすべての online local タイプの
親グループのエラーをクリーンアップします。
■
ProPCV: ProPCV が有効化されたリソースに対し、サービスグループが同時性違反
を予防的に防止されるかどうかを示します。
■
TriggerPath: トリガのパスをカスタマイズすることを可能にします。
■
TriggerResRestart: リソースが再起動した場合、再起動トリガを呼び出すかどうかを
判断します。
■
TriggersEnabled: 特定のトリガがノードで有効化されているかどうかを判断します。
リソースタイプ属性:
■
AdvDbg: 拡張デバッグのアクティブ化を有効にします。
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
Zpool エージェント属性
■
DeviceDir: zpool import コマンドがデバイスまたはファイルを検索する必要がある
ディレクトリを指定します。
■
FailMode: 致命的なプール障害の場合のシステムの挙動を制御します。この属性の
値は、ZFS ストレージプールをインポートするときに failmode オプションとして使われ
ます。可能な値は、wait、continue、または panic です。
■
ForceOpt: この属性が有効で(値が 1 に設定されている場合)、次のコマンドが失敗
する場合、-f オプション付きで再度次のコマンドを実行します。
■
■
offline エントリポイントの zpool export
■
clean エントリポイントの zpool export
■
online エントリポイントの zpool import
ForceRecoverOpt: この属性が有効で(値が 1 に設定されている場合)、zpool
import コマンドが失敗した場合、-F オプション付きで再度 zpool import コマンド
を実行します。
LDom エージェント属性:
■
Memory: LDom に割り当てるメモリの容量を指定します。
新しい属性について詳しくは、『付属エージェントリファレンスガイド』を参照してくださ
い。
■
RemoveLDomConfigForMigration: 有効化されている場合、エージェントはオフラ
インの間にシステムから LDom 設定を削除し、CfgFile 属性が設定されているときの
操作を消去します。論理ドメインのドメイン移行が計画されている場合、この属性を有
効にする必要があります。これは、移行のためのターゲットノードに論理ドメイン設定
がある場合、ドメイン移行は実行できないからです。
■
IPAddress: サイト間フェールオーバー後に、このサイトで排他的な IP のゾーンに対
して割り当てられる IP アドレスです。エージェントは、Device がデバイスキーの値で
ある /etc/hostname.Device ファイルのゾーンルート内に IP アドレスを書き込みま
す。
■
Netmask: サイト間フェールオーバー後に、このサイトで排他的な IP のゾーンで使わ
れるネットマスクです。エージェントは、/etc/netmasks ファイルのゾーンルート内に
ネットマスクを書き込みます。
■
Gateway(デフォルトルーター): このサイトでこのゾーンによって使われるデフォルト
ゲートウェイです。
■
DNS: このサイトのゾーン内で使うためのドメイン名です。
■
ConfigureNetwork: LDom エージェントがゲストドメインの network-bootarguments
PROM 変数を設定する場合に指定します。
Sybase エージェントの属性:
31
32
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
■
Quorum_dev: クォーラムバイスは、クラスタメンバーシップの管理、クラスタ設定デー
タの保存、サーバーインスタンスとノード間で共有される情報の格納を行います。クォー
ラムバイスは、クラスタのすべてのノードがアクセス可能なディスクである必要がありま
す。完全修飾のクォーラムデバイス名を指定してください。メモ: この属性は、クラスタ
エディションに対してのみ指定する必要があります。例:
/dev/vx/rdsk/Sybase_install_dg/quorum_vol。
■
interfaces_File: Sybase インスタンスのインターフェースファイルの場所を指定しま
す。この属性が設定されると、isql セッションに接続するときに [-I interfaces file] オ
プションが使われます。この属性が設定されていない場合は、エージェントは -I オプ
ションを使いません。
■
ShutdownWaitLimit: shutdown with wait コマンドを発行した後、Sybase インス
タンスの停止をエージェントが待つ最大秒数を指定します。この時間が経過すると、
エージェントは必要に応じて kill -15 <data server-pid> コマンドの発行を試
みます。
■
DelayAfterOnline: Online エントリポイントが完了してから、次の監視サイクルが呼
び出されるまでの経過秒数を指定します。
■
DelayAfterOffline: Offline エントリポイントが完了してから、次の監視サイクルが呼
び出されるまでの経過秒数を指定します。
SybaseBk エージェント属性:
■
interfaces_File: Sybase インスタンスのインターフェースファイルの場所を指定しま
す。この属性が設定されると、isql セッションに接続するときに [-I inerfaces file] オ
プションが使われます。この属性が設定されていない場合は、エージェントは -I オプ
ションを使いません。
Oracle エージェント属性
■
DBName: データベース名を指定します。この属性は、ポリシー管理されたデータベー
スのみで必要になります。この属性の値は、データベース名に設定する必要がありま
す。
■
ManagedBy: データベースが管理者によって管理されるか、またはポリシーによって
管理されるかを指定します。この属性のデフォルト値は ADMIN です。その値を明示
的に設定する必要はありません。ポリシーによって管理される RAC データベースで
は、この属性に POLICY を設定する必要があります。
DiskGroupSnap エージェントの属性:
■
FDType: ファイアドリルのために使われる設定を指定します。この属性の可能な値
は、Bronze と Gold(デフォルト)です。
Zone エージェントの属性:
■
DeleteVCSZoneUser: セキュリティ保護されないクラスタで有効化した場合、Zone
エージェントは、offline エントリポイントと clean エントリポイント中のローカルゾーンと
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
グローバルゾーンとの間のパスワードなしの通信のために作成された VCS Zone ユー
ザーを削除します。DeleteVCSZoneUser はデフォルトでは無効になります。
■
DROpts: この属性の値は、Zone エージェントのディザスタリカバリオプションを定義
する次のキーから構成されます。
■
DNSDomain
■
DNSSearchPath
■
DNSServers
■
Gateway
■
Device
■
IPAddress
■
Netmask
■
ホスト名
DR 設定では、これらの 1 つ以上のキーが設定されている場合、リソースは DR が有
効化されていると認識されます。すべてのキーがデフォルト値("")のままの場合、リ
ソースがディザスタリカバリ設定にあっても、リソースは DR が有効化されていません。
セキュアモードでの product クラスタに関する変更
このリリースでは、セキュアクラスタのインストールと設定がかなり簡単になりました。この単
純化されたセキュアクラスタ設定モデルを使用すれば、クラスタを簡単にセキュアクラスタ
に変換することができます。
新しいアーキテクチャは埋め込み VxAT に基づいています。これにより、セキュリティコン
ポーネントは product パッケージの一部としてインストールされます。ルートブローカー
はもはや、新しいアーキテクチャの単一障害点ではありません。VRTSat の別個のパッ
ケージへの依存関係はありません。product ホストにすでにログオンしているルート以外
のユーザーが、パスワードを入力するように促されることはなくなりました。さらに、クラスタ
レベルユーザー機能が、セキュアクラスタのユーザー管理を単純化するために導入され
ました。
詳しくは『インストールガイド』および『管理者ガイド』を参照してください。
高可用性と障害回復(HA/DR)に関する変更
キャンパスクラスタファイアドリル設定の簡略化
キャンパスクラスタファイアドリルの設定が、新しい属性 FDType を導入することで簡略化
されました。ファイアドリルのタイプは、他の属性に対して特定の値を指定するのでなく、
この属性を設定するだけで制御できます。
33
34
第 1 章 このリリースでの新機能
VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更
キャンパスクラスタ設定でファイアドリルを実行するには、グローバルクラスタオプション
(GCO)のライセンスをインストールする必要があります。
GCO による複数の VVR セカンダリのサポート
RVGPrimary エージェントが拡張され、あるセカンダリがプライマリになった後、RDS に
ある他のセカンダリへのレプリケーションを開始するようになりました。このエージェントの
オンラインプロセスでは、新しいプライマリから他のセカンダリへの差分同期を開始した
後、チェックポイントを使用してそれらへのレプリケーションを開始します。
AIX および Solaris 仮想化環境用のディザスタリカバリサポートの
追加
DR サイトへのフェールオーバー時に AIX WPAR、Oracle VM Server for SPARC、
Solaris Zone のカスタマイズを簡単にするため、ディザスタリカバリ(DR)サポートが追加
されました。対応するエージェント(WPAR、LDom、Zone)は、エージェントが該当するリ
ソースをオンラインにするときに適用されるクラスタ(サブネット)固有のネットワークパラメー
タを受け入れるように拡張されています。
VCS の仮想化サポートに関連する変更
AIX の新しい LPAR エージェント
LPAR エージェントは、同じ物理ホストで動作する論理パーティションを監視し、パーティ
ションのオンラインとオフラインを切り替えます。LPAR エージェントは HMC と通信して、
操作を実行します。
このエージェントを使用して、LPAR の可用性を高め、監視することができます。このエー
ジェントは仮想化サポートの一部として追加されています。
Linux の新しい KVMGuest エージェント
KVMGuest エージェントは、Linux カーネルベースの仮想マシン(KVM ゲスト)を監視
し、KVM ゲストをオンラインおよびオフラインにします。KVMGuest エージェントは virsh
コマンドを使います。
KVM ゲストを監視して可用性を高めるためにこのエージェントを使うことができます。この
エージェントは仮想化サポートの一部として追加されています。
Oracle VM Server(OVM) for SPARC に対するドメイン移行サポー
ト
Oracle VM Server for SPARC 環境で論理ドメイン移行(OVM 2.0 でのウォーム移行と
OVM 2.1 でのライブ移行)に対するサポートが追加されました。LDom エージェントは移
行される論理ドメインを検出し、それに応じて VCS のリソース状態を変更します。
第 1 章 このリリースでの新機能
SFHA 関連の変更
ドメイン移行に対してサポートされる設定について詳しくは、『Veritas Storage Foundation
and High Availability 仮想化ガイド』を参照してください。
ゲストドメインへの複数 I/O ドメインのサポートの追加
アクセスストレージを用いる論理ドメインと、複数 I/O ドメインからのネットワークサービス
のサポートが追加されました。プライマリドメインと代替 I/O ドメインからのストレージとネッ
トワークサービスを監視するため、新しいエージェント AlternateIO が追加されました。現
在のリリースでは、ゲストドメインに対して 2 つの I/O ドメインのみがサポートされます。
サポート対象の設定について詳しくは、『仮想化ガイド』は参照してください。AlternateIO
エージェントについて詳しくは、『付属エージェントリファレンスガイド』を参照してください。
SFHA 関連の変更
SFHA(Storage Foundation and High Availability)には、基本製品の 6.0 に加えられ
た新機能と変更点が組み込まれています。
p.10 の 「Veritas Storage Foundation(SF)に関する変更」 を参照してください。
p.19 の 「VCS(Veritas Cluster Server)関連の変更」 を参照してください。
SFCFSHA(Veritas Storage Foundation Cluster File
System High Availability)に関する変更
SFCFSHA には、基本製品の 6.0 に加えられた新機能と変更点が組み込まれています。
SFCFSHA の 6.0 には、次の変更点が含まれています。
フェールオーバーのためのマスターノード選択の拡張
Cluster Volume Manager(CVM)のマスターノードがクラスタから抜けた場合、CVM は
クラスタの別のノードにマスターの役割をフェールオーバーします。このリリースでは、CVM
はフェールオーバーのノードを、ディスクグループでのノードのディスクへの接続性に基
づいて選択します。この動作は、CVM の以前のリリースの強化機能です。
通常の操作の間に、CVM は各ノードにオフセット優先設定値を動的に割り当てます。優
先設定の割り当ては自動で行われ、通常は管理者は何も行う必要がありません。
マスター選択に対してより詳細な制御が必要な場合、カスタマイズされた優先設定値を
設定することもできます。
マスターのフェールオーバーが発生すると、CVM は新しいマスターノードを選択するた
めに、オフセット優先設定値と一緒にカスタムノード優先設定を使用します。
35
36
第 1 章 このリリースでの新機能
Symantec VirtualStore(SVS)に関する変更
共有ディスクグループ設定のコピーの可用性
Cluster Volume Manager(CVM)のマスターノードが設定のコピーへアクセスできなく
なった場合、CVM は設定のコピーに接続できる別のノードに、ネットワーク上の読み込み
または書き込みの要求をリダイレクトします。この動作によって、ディスクグループは使用
可能な状態のままになります。
以前のリリースでは、接続ができなくなった場合、CVM はディスクグループの障害ポリシー
(dgfail_policy)に従って処理を行いました。この動作は、ディスクグループのバージョン
が 170 未満なら引き続き適用されます。dgfail_policyは 170 以降のバージョンのディス
クグループには適用されません。
CVM 切断ポリシーの拡張
このリリースでは、切断ポリシーに次の変更が加えられました。
■
エラーは、クラスタのすべてのノードに影響するときのみ、グローバルと見なされます。
そうでなければ、ローカルエラーとして扱われます。以前は、複数のノードが影響を受
けた場合には、グローバルと見なされました。
■
グローバル切断ポリシーを設定した場合には、同時にすべてのプレックスでローカル
エラーが発生しても、プレックスの切断はトリガされません。この場合、ノードでボリュー
ムは有効なままにされ、I/O は失敗します。
■
ノードがディスクへのローカルな接続性を失った場合には、ディスクは lfailed ステー
トにされます。
Symantec VirtualStore(SVS)に関する変更
Symantec VirtualStore には、下位製品のバージョン 6.0 で採用された新機能と変更
点が組み込まれています。
Symantec VirtualStore 6.0 には、次の変更点が含まれています。
VMware View 統合の実現
これにより、FileSnap を使ってクローンを作成したコンピュータを、新しいデスクトッププー
ルとして VMware View にインポートできます。
Symantec FileSnap を使って仮想マシンのクローンを作成する方法について詳しくは、
『Symantec VirtualStore インストール/設定ガイド』を参照してください。
クラスタ化された NFS 環境での Oracle 向けの Direct NFS のサポート
クラスタ化 NFS からの NFS のサポートが追加されました。Symantec VirtualStore(SVS)
を Oracle データベースのバックエンドストレージとして使うことができます。
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation for Oracle RAC(SF Oracle RAC)に関する変更
Direct NFS(dNFS)は、TCP/IP を使用してアクセスできる NAS ストレージに配置された、
より高速で拡張性に富んだ NFS ストレージへのアクセスを提供する、最適化された NFS
クライアントです。
クラスタ化された NFS と Oracle データベース向けの VirtualStore ユーティリティを使用
した Oracle の展開について詳しくは、『Symantec VirtualStore 管理者ガイド』を参照
してください。
svsdbsnap(1M)マニュアルページを参照してください。
VirtualStore を使った iSCSI の管理
svsiscsiadm コマンドは、VirtualStore ファイルシステムに存在するファイルによって
バッキングされる iSCSI LUN のエクスポートの管理を簡素化する機構を提供します。これ
によって、オペレーティングシステムとともに出荷される iSCSI ターゲットドライバの実装を
活用できます。
『Symantec VirtualStore 管理者ガイド』を参照してください。
svsiscsiadm(1M)マニュアルページを参照してください。
Veritas Storage Foundation for Oracle RAC(SF Oracle
RAC)に関する変更
SF Oracle RAC には、基本製品の 6.0 に加えられた新機能と変更が組み込まれていま
す。
Web ベースのインストールと設定のサポート
このリリースでは、次のタスクをサポートするために Web ベースのインストーラ機能が拡
張されました。
■
product のインストールと設定に関する検査
■
I/O フェンシングの設定
■
ローリングアップグレード
■
Oracle RAC の準備、インストール、インストール後のタスク
■
クラスタへのノードの追加
次のタスクで使う Web ベースインストーラの機能はすでに存在しており、バージョン 5.1
SP1 で導入されました。
■
product のインストールと設定
■
product のアンインストール
37
38
第 1 章 このリリースでの新機能
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE CE(SF Sybase CE)に関する変更
ポリシー管理データベース環境のサポート
SF Oracle RAC は、Oracle RAC 11g Release 2 のポリシー管理データベース環境をサ
ポートするようになっています。ポリシー管理データベース環境では、データベースイン
スタンスが動作するサーバープールを管理者が指定します。データベースインスタンスを
実行するサーバーは、Oracle Grid Infrastructure によって決定されます。ポリシー管
理データベースの開始、停止、監視を行うためには、Oracle の VCS エージェントを使う
ことができます。
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE CE(SF
Sybase CE)に関する変更
SF Sybase ASE CE には、基本製品の 6.0 に加えられた新機能と変更が組み込まれてい
ます。
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE CE について
シマンテック社の product(Veritas Storage Foundation™ for Sybase® Adaptive Server
Enterprise Cluster Edition)は、独自のストレージ管理および高可用性テクノロジを活
用して、UNIX プラットフォームへの application の堅ろうで管理性と拡張性に優れた配
備を可能にします。このソリューションでは Veritas Cluster File System テクノロジを使っ
ているため、容易なファイルシステム管理と、使い慣れたオペレーティングシステムツー
ルやユーティリティを使用したデータベース管理という 2 つの利点が提供されます。
product では、シマンテック社の既存のストレージ管理テクノロジとクラスタ化テクノロジが
1 つの柔軟なソリューションに統合されており、管理者は次を実行できます。
■
データセンターでのアプリケーションとデータベースの管理を標準化する。product
により、さまざまなタイプのアプリケーションとデータベースに対する柔軟なサポートが
提供されます。
■
application クラスタ化ソリューションを使って完全統合を実現しながらデータベース
管理を簡素化する application のインフラを設定する。
■
シマンテック社のテクノロジに関する既存の専門知識をこの製品に対して適用する。
ソリューションスタックは、Veritas Cluster Server(VCS)、Veritas Cluster Volume
Manager(CVM)、Veritas Cluster File System(CFS)、および Veritas Storage
Foundation(基本の Veritas Volume Manager(VxVM)と Veritas File System(VxFS)
を含む)で構成されます。
SF Sybase ASE CE の利点
SF Sybase ASE CE には次の利点があります。
第 1 章 このリリースでの新機能
SFHA Solutions 6.0 のリリースでのライセンス供与の変更
■
application インストールバイナリの保存と管理を行うための、汎用クラスタファイルシ
ステム(CFS)テクノロジまたはローカルファイルシステム(VxFS)テクノロジの使用。
■
ファイルシステムベースの管理のサポート。product は、application データファイル
とその他のアプリケーションデータの保存と管理を行うための汎用クラスタファイルシ
ステムテクノロジを提供します。
■
application クォーラムデバイス用のクラスタファイルシステム(CFS)の使用。
■
アプリケーションおよびデータベース管理に対する標準のアプローチのサポート。す
べての product ソフトウェアスタックの単一ベンダによるソリューションは、アプリケー
ションおよびデータベース管理に対する標準のアプローチの作成を可能にします。さ
らに、管理者は product で Veritas テクノロジの既存の専門知識を応用できます。
■
単一の Web コンソールからの product クラスタの容易な管理および監視。
■
拡張性と可用性の向上。クラスタ内のデータベースごとに複数の application インス
タンスにアクセスできます。
■
堅ろうな SCSI-3 PR(Persistent Reservation)ベースの I/O フェンシングによるスプ
リットブレインシナリオでのデータ破損の防止。
■
application データベースファイルだけでなく、すべてのタイプのファイルをノードに
わたって共有することのサポート。
■
Veritas DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使った可用性とパフォーマンスの向上。
DMP は幅広いストレージアレイサポートを提供し、ホストバスアダプタ(HBA)スイッチ
やストレージエリアネットワーク(SAN)スイッチの故障やパフォーマンスのボトルネック
から保護します。
■
ユーザーに対するダウンタイムと中断を最小限に抑えた迅速なディザスタリカバリ。
ユーザーは、ローカルの高可用性サイトから、プライマリサイトとセカンダリサイトを備
えた広域ディザスタリカバリ環境へ移行できます。1 つのノードに障害が発生した場
合、そのノードに接続されていたクライアントは、障害の発生していないノードに再接
続して、共有データベースへのアクセスを再開できます。product 環境では、障害後
のリカバリが、フェールオーバーされたデータベースのリカバリよりもはるかに高速で
す。
■
VVR を使ったブロックレベルレプリケーションのサポート。
SFHA Solutions 6.0 のリリースでのライセンス供与の変
更
Storage Foundation and High Availability Solutions 6.0 では、ライセンス供与が次
のように変わります。
39
40
第 1 章 このリリースでの新機能
SFHA Solutions 6.0 のリリースでのライセンス供与の変更
■
Cluster File System のライセンスは廃止されます。CFS のカスタマは、Storage
Foundation Cluster File System High Availability(SFCFS HA)機能を使用する
資格を与えられます。
■
VVR オプションは Veritas Replicator オプションに名前が変更されます。このオプ
ションは、VVR(ボリュームベースのレプリケーション)と、新しいファイルベースのレプ
リケーションのソリューションを含んでいます。
■
VVR Enterprise ライセンスは廃止されます。この機能を使用するには、Storage
Foundation Enterprise を使い、Veritas Replicator オプションを追加してください。
VVR Enterprise のカスタマは、Storage Foundation Enterprise と Replicator オ
プションを使用する資格を与えられます。
■
VCS のライセンスは、完全なクラスタ機能、および一部のスタート/ストップ機能を有効
にします。
■
Storage Foundation Enterprise CFS for Oracle RAC(Linux/x64)のカスタマは、
Storage Foundation Enterprise for Oracle RAC(Linux/x64)を使用する資格を
与えられます。
標準およびエンタープライズのライセンスには次の機能が含まれています。
■
圧縮機能は標準ライセンスで利用できます。
■
SmartTier 機能は標準ライセンスで利用できるようになりました。
■
重複排除機能は Solaris SPARC のエンタープライズライセンスで利用できます。
重複排除機能はエンタープライズライセンスで利用できます。
次の製品は、このリリースには含まれています。
■
Dynamic Multi-Pathing
■
VirtualStore
■
Storage Foundation Basic
■
Storage Foundation Standard
■
Storage Foundation Enterprise
■
Veritas Cluster Server
■
Veritas Cluster Server HA/DR
■
Storage Foundation Standard HA: Veritas Cluster Server および Storage
Foundation Standard
■
Storage Foundation Enterprise HA: Storage Foundation Enterprise および
Veritas Cluster Server
■
Storage Foundation Enterprise HA/DR
■
Storage Foundation Enterprise Cluster File System HA
第 1 章 このリリースでの新機能
製品マニュアルに関する変更
■
Storage Foundation Enterprise Cluster File System HA/DR
■
Storage Foundation Enterprise for Oracle RAC
■
Storage Foundation Enterprise HA/DR for Oracle RAC
■
Storage Foundation Enterprise for Sybase ASE CE
■
Storage Foundation Enterprise HA/DR for Sybase CE
HA: 高可用性
HA/DR: 高可用性とディザスタリカバリ
Veritas Replicator オプションは、Dynamic Multi-Pathing と Veritas Cluster Server
を除く Storage Foundation and High Availability のすべての製品に追加できます。
製品、機能、およびオプションは、オペレーティングシステムとプラットフォームによって異
なる場合があることにご注意ください。サポート対象のプラットフォームについて詳しくは、
製品のマニュアルを参照してください。
製品マニュアルに関する変更
Storage Foundation and High Availability Solutions 6.0 リリースには、製品マニュア
ルに関する次の変更点が含まれています。
表 1-2 は、このリリースで導入されたマニュアルのリストです。
表 1-2
新しいマニュアル
新しいマニュアル
注意
Veritas Storage Foundation インストールガイ Veritas Storage Foundation のインストールと
ド
アップグレードに関する情報。
Veritas Storage Foundation 管理者ガイド
Veritas Storage Foundation の管理に関する
情報。
Veritas Storage Foundation and High
Availability リリースノート
Veritas Storage Foundation and High
Availability ユーザー向けのリリース特定の情
報。
Veritas Storage Foundation and High
Availability Solutions ソリューションガイド
Veritas Storage Foundation and High
Availability Solutions のソリューションと使用
例。
Veritas Storage Foundation and High
Veritas Storage Foundation and High
Availability Solutions トラブルシューティング Availability Solutions のトラブルシューティン
ガイド
グ情報。
41
42
第 1 章 このリリースでの新機能
製品マニュアルに関する変更
新しいマニュアル
注意
Veritas Storage Foundation and High
Availability Solutions 仮想化ガイド
Veritas Storage Foundation and High
Availability Solutions の仮想化に関する情
報。
Symantec VirtualStore リリースノート
Symantec VirtualStore のリリース特定の情報。
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE Veritas Storage Foundation for Sybase ASE
CE リリースノート
CE のリリース特定の情報。
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE Veritas Storage Foundation for Sybase ASE
CE インストールガイド
CE のインストールに関する情報。
Veritas Storage Foundation for Sybase ASE Veritas Storage Foundation for Sybase ASE
CE 管理者ガイド
CE の管理に関する情報。
表 1-3 は、このリリースで廃止されたマニュアルのリストです。
表 1-3
廃止されたマニュアル
廃止されたマニュアル
注意
Veritas File System 管理者ガイド
コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
管理者ガイド』と『Veritas Storage Foundation
Cluster File System High Availability 管理者
ガイド』に含まれています。
Veritas Volume Manager 管理者ガイド
コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
管理者ガイド』と『Veritas Storage Foundation
Cluster File System High Availability 管理者
ガイド』に含まれています。
Veritas Storage Foundation 拡張機能管理者 コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
ガイド
and High Availability Solutions ソリューション
ガイド』に含まれています。
Veritas Volume Manager トラブルシューティン コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
グガイド
and High Availability Solutions トラブルシュー
ティングガイド』に含まれています。
Veritas Cluster Server Agents for Veritas
Volume Replicator 設定ガイド
コンテンツは、『Veritas Cluster Server 付属
エージェントリファレンスガイド』に含まれていま
す。
Veritas Volume Replicator 計画およびチュー コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
ニングガイド
and High Availability Solutions のレプリケー
ションの管理者ガイド』に含まれています。
第 1 章 このリリースでの新機能
製品マニュアルに関する変更
廃止されたマニュアル
注意
Veritas Volume Replicator Advisor ユーザー コンテンツは、『Veritas Storage Foundation
ズガイド
and High Availability Solutions のレプリケー
ションの管理者ガイド』に含まれています。
表 1-4 は、バイナリにバンドルされなくなったマニュアルのリストです。これらのマニュアル
はオンラインで参照できます。
表 1-4
オンラインのマニュアル
マニュアル
Veritas Cluster Server エージェント開発者ガイド
Veritas Cluster Server アプリケーションノート: Dynamic Reconfiguration of Oracle Sun Servers
Veritas File System プログラマーズリファレンスガイド
Virtual Business Services–Availability ユーザーズガイド
43
44
第 1 章 このリリースでの新機能
製品マニュアルに関する変更
Fly UP