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Business Intelligenceの技術的概要
Business Intelligence の技術的概要 オラクル・ホワイト・ペーパー 2005 年 7 月 Business Intelligence の技術的概要 概要 ...................................................................................................................... 3 はじめに .............................................................................................................. 4 フェーズ 1: 統合 ................................................................................................ 5 手順 1: トランザクション・ソースをターゲット・データ・ ウェアハウスにマッピングする。 ............................................................. 5 手順 2: データを抽出、変換、ロードするコードを生成する。 ........... 5 手順 3: ビジネス領域を生成する。........................................................... 6 ウェアハウスのライフサイクル管理 ......................................................... 6 フェーズ 2: 検出 ................................................................................................ 7 自動的に定義されるビジネス領域 ............................................................. 7 データベース分析機能の利用..................................................................... 7 必要に応じた認証の確認............................................................................. 8 フェーズ 3: データ共有 .................................................................................... 8 問合せ結果の共有......................................................................................... 8 一回の生成、任意の形式での配置 ............................................................. 8 一回の生成、任意の場所への配置 ............................................................. 9 ビジネス上の重要な見識の拡張....................................................................... 9 カスタム BI アプリケーションの迅速な開発 ........................................... 9 データ・マイニング................................................................................... 10 Personalization .............................................................................................. 11 Portal ............................................................................................................. 11 まとめ ................................................................................................................ 12 Business Intelligence の技術的概要 2 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 Business Intelligence の技術的概要 概要 ますます激しくなる競争社会において、企業経営者は、製品やサービスの競争力 を維持するための意志決定に、必要な情報を提供するビジネス・インテリジェン ス(BI)を必要としています。どのような分野の企業でも、様々なタイプの顧客 および競合他社の反応から潜在的なビジネス・チャンスや問題を評価できる会社 の運営と顧客に関する完全なビジネス・インテリジェンスが必要です。企業の BI システムを構築するために、IT 担当者はポイント・ソリューションを個別に購入 しています。ただし、このような個別のソリューションの使用では、複雑になり メンテナンス費も増大します。たとえば、アップグレードごとにシステムを分解 したり再調整する必要があります。さらに、個々のベンダーが各製品をアップグ レードする場合、通常はソリューションの一部である他の製品に与える影響には 配慮していません。それにより、システムのアップグレードやメンテナンス・サ イクルのたびに、顧客はベンダー間の技術的相違に依存する問題で動きがとれな くなります。最終的には統合化ソリューションと比べると、ポイント・ソリュー ションを結合して維持するためには、より多くの時間とコストが必要という結果 が出ています。 さらに重要なことには、それが単なるメンテナンス・コストの問題に終わりませ ん。統合化されていないシステムが、ビジネスに関する重大な影響を受ける場合 があります。様々なツールが異なるメタデータのコピーを使用しているため、複 数のユーザーが同じデータを見ている場合でも、異なる結論に達することになり ます。たとえば、販売地域の再編成が与える影響について考えてみます。CRM ア プリケーションは最新の地域情報で更新されているものの金融アプリケーション が古い地域を参照する場合、予測収益レポートは、2 つの異なる結果を提示しま す。このそれぞれ異なるレポートに基づき、将来の業務方針について相談してい る販売担当副社長と財務担当副社長との会話を想像してみてください。 Oracle Business Intelligence は、企業の全体像をビジネス・ユーザーに提示できる統 合 BI ソリューションを提供します。単一のベンダーからの統合ソリューションを 使用し、次のメリットが得られます。 Business Intelligence の技術的概要 • 短時間で簡単でコスト効果の高い配置 • 優れた機能 • 改善されたスケーラビリティと信頼性 • 管理コストとメンテナンス・コストの削減 • 単一のベンダーにより提供されるサポートとアップグレード 3 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 Oracle Business Intelligence を使用すると、ユーザーは、様々なデータ・ソースを簡 単かつ迅速に統合し、メタデータを自動的に移入してデータベースから情報を検 索し、新しい情報を共有しながらデータを活用してビジネスや顧客についての詳 細情報を収集できます。 はじめに BI システムの構築には、一般的に次の 3 つのフェーズがあります。つまり、統合、 検出および共有です。さらに、BI システムは、ビジネス・ニーズの変化に応じて 拡張でき、堅牢性も必要です。一見したところ、3 つのフェーズは単純に見えま すが、各フェーズを詳しく検証すると、システムの統合に伴う潜在的に複雑な問 題が明らかになります。たとえば、第 1 フェーズの統合では、様々なデータ・ソー スの増加に伴い、複雑性が増します。さらに、データの整理統合の際、ある程度 のデータの変換または名前やアドレスの消去が必要になります。整理統合した データの検出準備を整え、様々なレポート・ツールを統合化し、ビジネス・イン テリジェンスをビジネスの意志決定者に提供する必要があります。このようなレ ポート・ツールには、分析的アプリケーション、問合せと分析、エンタープライ ズ・レポーティングおよび系統があります。また、各ツールには、BI システムに 統合化が必要な高パフォーマンスのエンジンが搭載されている場合もあります。 複数のベンダーからのデータ管理、ユーザー管理、レポート・ツールおよびパ フォーマンス・エンジンが搭載された、このような複雑なシステムを統合化する と、企業は次のような課題に直面します。 • 各ベンダーがシステムに提供するソフトウエアが高価なため、システム 全体のソフトウェアのコストが増加する • 様々なレポーティング、データ管理および管理のツールを習得するため のトレーニング費用が増加する • システム維持のために広範囲なテクノロジの専門知識が必要になる • 複雑な実装に長時間を要する • 様々なベンダー製品を含むシステムのアップグレードおよびメンテナン スが複雑になる Oracle Business Intelligence は、ビジネス・インテリジェンス用の単一の包括統合プ ラットフォームとして設計されています。このホワイト・ペーパーでは、Oracle から提供される統合ビジネス・インテリジェンス機能の概要を説明します。また、 単一のベンダーから提供される完全な統合 BI ソリューションを構築する際、各 フェーズで適用される Oracle BI コンポーネント間の密接な統合についても説明し ます。 Business Intelligence の技術的概要 4 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 フェーズ 1: 統合 競争力維持のための企業の合併、再編成およびグローバリゼーションが進むにつ れ、データの統合化はより一般的になっています。データは複数のデータ・ソー スとして企業全体に分散される傾向にあり、真の情報源からビジネス・インテリ ジェンスを得ることはますます困難になっています。Oracle Warehouse Builder の コンポーネントは、異なるデータ・ソースの統合、必要に応じたデータ変換、全 ウェアハウスのライフ・サイクル管理、Oracle のレポーティングと分析および公 開用ツールを統合して、この課題に対処するよう設計されています。 手順 1: トランザクション・ソースをターゲット・データ・ウェアハ ウスにマッピングする。 エンド・ユーザーのビジネス上の課題およびデータ要件が特定されると、IT 担当 者は、これらの要件に対処するためのデータを含むデータ・ソースを識別し、そ のデータ・ソースに接続します。次に、IT 担当者は、接続情報と表定義を含むデー タ定義を保存するソース・モジュールを作成します。データ・ソースに接続後、 ソースからデータやメタデータを抽出します。ユーザーが OWB を使用して作成 するもう 1 つのモジュールは、ウェアハウス・モジュールです。このモジュール には、データ・ウェアハウスを構成するファクト、ディメンション、ステージン グ表などの論理設計が含まれます。この 2 種類のモジュールにより、ウェアハウ スの設計で使用する主要な要素が構成されます。目的のウェアハウスを設計する 場合、モジュールからオブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップしてビルディ ング・ブロックとして使用できます。対象オブジェクトが選択されると、OWB に より、グラフィック・マッピング環境が提供されます。ユーザーは、その環境で データフロー図の形式でマッピングのあらゆる要素をモデル化できます。このよ うなマッピングには、関連するソースやターゲット表の他、抽出、変換およびロー ディング(ETL)プロセスに適用するその他のすべての操作が含まれます。OWB は、1 つの手順で ETL 操作を実行し、ウェアハウスの配置を迅速かつ容易にしま す。 OWB により、グラフィカル・マッピング・エディタでデータ・ソースをターゲッ トに簡単にマッピングできるため、ユーザーは ETL 操作を視覚的に設計またはモ デル化できます。ユーザーは、特別な SQL プログラミングの知識なしに、複雑な 変換、インライン表現、複数の結合、集計などの操作を直感的インタフェースで 設計できるため、生産性が高まります。 手順 2: データを抽出、変換、ロードするコードを生成する。 マッピング・モデルが完成すると、OWB は SQL と PL/SQL コードを生成し、デー タ・ウェアハウスをインスタンス化し移入できます。これにより、時間が節約で きます。また、SQL コードのプログラミングに必要な専門的知識も不要です。さ らに、OWB はオープンであるため、ユーザーは ETL 操作の手順において生成さ れるコードを検査できます。これにより、カスタマイズされた操作も柔軟に行え ます。さらに、OWB Code Generator は、データ・ソースに関し最適化されたコー ドを生成できます。たとえば、予想される不一致がないクリーンなデータの場合、 セット・ベースのコード生成オプションをクリックするだけで、高パフォーマン スのコードが生成され、データを一括してロードできます。制約違反またはその Business Intelligence の技術的概要 5 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 他のロード・エラーの可能性が高いデータの場合、行ベースのコード生成オプショ ンをクリックすると、ただちにコードが書き換えられ、データは行単位でロード されます。PL/SQL パッケージは自動的に生成され、特別な PL/SQL プログラミン グの知識を必要としないため、より多くのユーザーがこのツールを使用でき、そ の結果 TCO が削減され部門の生産性が向上します。OWB が持つ柔軟性により、 Oracle database OLAP オプションを活用するために、スター・スキーマ・リレーショ ナル・ターゲットまたは OLAP 多次元ターゲットとして前述の手順 1 で作成した 論理ウェアハウス設計を配置するかどうかをユーザーが指定できます。いずれの 場合も、ツールにより最適な PL/SQL が自動的に生成されます。さらに、OWB で は、所定の ETL プロセスに対し if-then-else ワークフローを定義できます。たとえ ば、ユーザーは、特定の表がロードに失敗した場合に電子メール・アラートを特 定のシステム管理者に送信したり、成功のメッセージをウェアハウス設計者に電 子メールで送信する定義ができます。これにより迅速な応答と円滑なシステム操 作が実現します。 手順 3: ビジネス領域を生成する。 データが整理統合され、ターゲット・ウェアハウスにロードされると、多次元設 計を Oracle レポート・ツールと共有できます。Oracle Warehouse Builder は、Oracle レポート・ツールを使ったレポートに必要なメタデータを生成できます。つまり、 Oracle レポート・ツールは、表の名前や列ヘッダーと同様にディメンションおよ び階層を認識します。結果として、ユーザーは、ポイント・ソリューションの場 合と同様、Oracle レポート・ツールの配置時にレポート・メタデータを別に作成 する必要がなく、貴重なプログラミング時間を節約できます。 ウェアハウスのライフサイクル管理 ウェアハウスが配置されると、ウェアハウス変更の管理が重要になります。 非効 率的なウェアハウスのメンテナンスは、IT コストに負担を与えます。ソース内の 表、列またはビューなどの変更は、追加、削除および修正されます。このような 変更が発生した場合、ほとんどの ETL ツールによりソースとターゲット間の変更 箇所を検出できます。ただし、その差はユーザーが調整する必要があります。一 方、Oracle Warehouse Builder は、ソースやターゲット・オブジェクトの変更を調 整します。たとえば、ソース・モジュールを OWB リポジトリで作成後に変更が 発生した場合、そのリポジトリ定義は、対応するソース・オブジェクトと同期で きません。Oracle Warehouse Builder の再インポート機能は、リポジトリの定義を 調整し、ソース・オブジェクトと同期化します。つまり、ウェアハウス・アップ グレード機能が、リポジトリ内の定義をターゲット・オブジェクトと同期化しま す。ソース・データの変更が常に追跡され、変更内容がターゲット・データベー スに反映されるため、ユーザーはウェアハウスの管理時間を短縮できます。 Business Intelligence の技術的概要 6 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 フェーズ 2: 検出 フェーズ 1 でデータが 1 箇所に集約されると、強力な非定型問合せ分析ツールで あり、Oracle の統合 Business Intelligence ソリューションのコンポーネントの 1 つ である Oracle Business Intelligence Discoverer により、製品、顧客および市場につい て取得されたデータに関連する重要な情報提供が可能になります。ユーザーは、 この情報を企業全体に迅速に伝達できます。 自動的に定義されるビジネス領域 Discoverer は、データのビジネス指向ビューを表示することにより、表、列、結合、 ディメンションなど、基礎となるリレーショナルおよび OLAP データベース構造 の複雑性を隠蔽します。ビジネス・ユーザーは、ファイル・ドローワやフォルダ により表されるサブジェクト指向ビジネス領域を開き、選択した項目をワーク シートに移動して、レポートを作成できます。論理階層、計算項目、結合定義、 カスタム・ソート順序、例外の強調表示などにより、ユーザーは、他の方法では 複雑なタスクを簡単なクリックとドラッグで実行できます。バルク・ロード・ウィ ザードまたはデータウェアハウス配置の一部として OWB を使用すると、 Discoverer Administrator 内にビジネス領域を作成できます。 OWB と Discoverer の密接な統合により、ユーザーは、ウィザードベースのインタ フェースを使用して簡単にビジネス領域を移入できます。OWB で作成したディメ ンションと階層は Discoverer によって理解されるため、生産性が向上し、エンド・ ユーザーは非定型問合せ分析のための配置を短時間で行えます。 データベース分析機能の利用 リレーショナル・データベースの最も重要な改善点の 1 つは、分析機能の導入で す。Discoverer は、Oracle Database のリレーショナル分析関数を使用しています。 この関数により、ユーザーは要求に応じて複雑なビジネス上の問題に回答ができ ます。管理者やエンド・ユーザーは、ランキング、期間ごとの比較、移動平均な どの強力な分析を利用できます。ユーザーは、分析のニーズに合せてデータをソー ト、ピボットおよびドリルできます。Discoverer では、2 つのデータセット間の成 長率を計算し同時にランク付けするなどの関数をユーザーがネストできるように して、分析を柔軟にしています。たとえば、ユーザーは、昨年と比較して今年最 も急成長している製品を 1 回の計算で降順にランク付けできます。計算をネスト すると、複雑なビジネス上の問題に対する回答時間が短縮されます。Discoverer の最新のリリースは、基本的な取引条件を使用して分析式を設定するうえで有効 な、新しいテンプレートを提供しています。これらのウィザードベースのテンプ レートは、ユーザビリティ・ラボとの共同開発で提供されています。SQL の知識 がないユーザーでも、一般的なビジネス上の問題に対しこれらのテンプレートを 適用できます。さらに、Discoverer のユーザーは、リレーショナル・レポート作成 と同様のインタフェースを使用して、データベース内の OLAP 構造に対し直接レ ポートを作成できます。このユニークな機能により、ユーザーはデータベースの テクノロジに対応した単一のレポート・ツールを使用するだけで十分なため、研 修費を削減できます。OLAP オプションに接続された Discoverer は、Oracle OLAP エンジンの強力な分析、モデリングおよび予測の機能をフルに活用できます。 Business Intelligence の技術的概要 7 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 必要に応じた認証の確認 Discoverer の OWB との統合は、系統レポートによりさらに拡張されます。 Discoverer は、問合せから OWB のメタデータ定義にドリルし、特定のデータ変換 により影響を受けるオブジェクトを表示できます。たとえば、海外からの収益総 計に問題がある場合、ユーザーはその項目にドリルし、すべての計算または収益 の計算に使用された変換をグラフィカルに表示できます。それにより、ユーザー は独自の問合せを作成し、結果の妥当性を同じセッション内で簡単に検証できま す。 フェーズ 3: データ共有 多くの場合、ユーザーは検出フェーズで多大な時間と努力を費やして、適切な問 合せと分析を実行します。生成された適切な情報が新しいうちに企業全体で共有 することは簡単なことではありません。 問合せ結果の共有 Discoverer は、Oracle Reports との密接な統合により企業との問合せの共有を促進 します。Discoverer のエクスポート機能は、精度の高い送信を可能にします。問合 せに使用するレイアウト、フォーマット、例外、パラメータ、SQL に関する情報 は、XML を介して Discoverer から Reports に引き渡されます。これにより、ユー ザーは問合せを再作成することなく、Oracle Reports の公開と配布の機能を活用で きます。さらに、Discoverer と Oracle Portal 間の緊密な統合により、ユーザーは、 プログラミングなしに、必要なレポート、レポート・リストまたはゲージ・ダイ ヤルを Oracle Portal に公開できます。他の企業のユーザーは、ポータル・ページ から情報に簡単にアクセスできます。「ワークブック・ポートレットのリスト」 には、ワークブック名のリストが掲載されます。「ワークシート・ポートレット」 には、表またはクロス集計レポート、グラフまたはその両方が表示されます。ま た、「ゲージ・ポートレット」を使用すると、ポータル内のダイヤルとしてクロ ス集計を視覚化できます。各ポートレットには、パーソナライズ・オプションが 付いています。ユーザーは、独自のカスタム強調表示を作成し、グラフ型または その他の属性を直接ポートレットで変更できます。各パーソナライズは個人ユー ザーごとに保存されます。これにより、IT マネージャはダッシュボードの様々な コピーを維持せずに、パーソナライズされたダッシュボードを企業全体に簡単に 配置できます。Discoverer ポートレットは、OLAP またはリレーショナルの基礎と なるレポートの配布に使用するテクノロジに関係なく、ユーザーに同じルック・ アンド・フィールと動作を提供します。この透過性により、ユーザーは様々なレ ポート・ツールを習得する必要がなく、ビジネスに集中できます。 一回の生成、任意の形式での配置 Oracle Reports は、PDF、XML、HTML、HTMLCSS、Postcript、PCL、Delimited text、 RTF など、様々な形式でのデータ公開を可能にする強力なツールです。現在では、 ユーザーは業界標準 JSP を使用してデータを公開できます。つまり、開発者は、 HTML エディタでページ・テンプレートを作成し、このテンプレートを Oracle Reports 環境に入れ、様々なデータ・ソースからのデータを Web ページに統合で きます。また、ビジネス・ロジックと企業スタイルに基づいて、レポートの外観 Business Intelligence の技術的概要 8 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 を構成し制御できます。もちろん、JSP は、テキストベースの出力形式(WML な ど)の作成に使用できるため、HTML を返す必要はありません。最後に、JSP の によりレポートが更新されると、このレポートに関連した Web ページはすべて更 新されます。 一回の生成、任意の場所への配置 以前から Oracle Reports が様々なプラットフォーム上でサポートしてきた出力先 には、プリンタ、Web、ファイル・システム、電子メールおよび Oracle Portal があ ります。製品の簡単な電子メール機能と Oracle Reports を使用して、開発者は、Java ベースで Reports Server を拡張し、Fax、FTP、WebDAV など、これまでサポート されていない出力先にも公開できるようになりました。この情報発信は、要求に 応じて、またはスケジュールに合せて実施でき、さらに Oracle Database、Oracle Workflow または Web サービスを介した通信のアプリケーション内で発生するイ ベントに対するリアクションとして実施できます。レポートの成功または失敗の 通知には、電子メール等を使用でき、開発者は自身の Java ベースの通知メカニズ ムをプラグインできます。情報に対するセキュリティは、最重要事項です。Oracle Reports により、管理者は、Reports、Report Servers およびプリンタに対して、いつ、 どこで、誰が、何を行えるかの微調整を柔軟に行えます。 ビジネス上の重要な見識の拡張 ビジネス・ニーズに対する迅速な対応は非常に重要です。場合によっては、意思 決定を的確に行うために、カスタム・アプリケーションを作成してリアルタイム でビジネス・パフォーマンスを洞察する必要があります。Oracle JDeveloper (JDeveloper)とともに提供される Oracle Business Intelligence Beans は、Oracle のす べてのビジネス・インテリジェンス・ツールと統合された強力なビジネス・イン テリジェンス・アプリケーションを開発するために特別に設計されました。実際、 これらの BI Beans は、Oracle で Discoverer and OLAP Spreadsheet ツールの作成に使 用されているため、ユーザーは、Oracle が製品に使用しているものと同じ開発基 盤を使用できます。開発者は、Oracle Business Intelligence OLAP 機能を活用しなが ら、高レベルの再利用可能なコンポーネントの統合 BI アプリケーションを迅速に アセンブルできます。 カスタム BI アプリケーションの迅速な開発 JDeveloper および BI Beans は、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーション を構築する生産性の高い開発環境を提供します。また、BI Beans は、データの問 合せや OLAP ビジネス・ロジックをカプセル化する高レベルのコンポーネントも 提供します。データは、表、クロス集計およびグラフで表現できます。BI Beans QueryBuilder および CalculationBuilder を使用すると、開発者は、問合せ生成用 Oracle OLAP の詳細分析機能に簡単にアクセスできます。このような柔軟な問合 せや表示オプションを組み合せると、非常に簡単に OLAP オブジェクトが視覚的 に設計できます。ウィザードは、サーブレットまたは Java アプリケーション形式 でこれらのコンポーネントをアプリケーションにパッケージする JDeveloper に搭 載されています。BI Beans タグ・ライブラリを使用すると、JSP を迅速に開発でき ます。 Business Intelligence の技術的概要 9 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 詳細な分析処理は、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションの中核部分 です。Oracle OLAP は、スケーラブルでセキュアな環境で一括分析処理を行いま す。BI beans を使用すると、複雑なマルチディメンション問合せなどのビジネス 上の問題を簡単に構築できます。このような問合せの結果は、プレゼンテーショ ン Beans を使用してクロス集計やグラフで表示されます。QueryBuilder は、SQL の専門的な知識なしで問合せプロパティを指定できる強力なツールです。必要に 応じてエンド・ユーザーが変更できる取引条件の問合せ定義を提示することによ り、複雑なマルチディメンション問合せが簡単になります。たとえば、販売実績 上位 5 位というデフォルトの問合せ定義は、ドロップダウン・リストから適切な 問合せコマンドを選択することにより、販売実績下位 10 位に変更できます。ユー ザーは高度なデータベース分析機能を活用して、データについての複雑なビジネ ス上の質問を無制限に問合せできます。BI Beans Catalog を利用すると、ユーザー は、検出結果を保存し、企業全体で共有できます。BI Beans 自体が Oracle Discoverer 内で使用されるため、開発者は Oracle が使用するものと同じ Java テクノロジにア クセスできます。 データ・マイニング Oracle Data Mining を使用して、企業はデータベースをマイニングして新しい情報 を発見し、ビジネス・アプリケーションにその情報を統合する高度なビジネス・ インテリジェンス・アプリケーションを構築できます。OLAP に加え、Oracle Database にはパターン一致の分類、予測、対応付けなどのデータ・マイニング機 能が組み込まれています。この機能により、アプリケーション開発者は、データ・ マイニング機能をビジネス・インテリジェンス・アプリケーションに統合して、 次のアクティビティをサポートできます。 • 顧客減少の防止 • クロス・セルの最適な候補の特定 • 新規顧客の獲得 • 不正行為の検出 • 高収益顧客の識別 • 顧客ターゲットの絞込みと区分 Oracle Data Mining は、これまで特殊サーバーの領域であった高度なデータ・マイ ニング機能を、主流のビジネス・インテリジェンス・アプリケーションに統合可 能にしました。 Oracle Data Mining はデータベースに組み込まれているため、管理費とメンテナン ス費を節約できます。セキュリティが 1 箇所で適用され、データを別のデータ・ マイニング・サーバーにロードする ETL 処理が必要ないためです。 Business Intelligence の技術的概要 10 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 Personalization Oracle Personalization は、ビジネス・ルールやコラボレーションのためのフィルタ リングを超えた機能を提供します。このパーソナライズ機能は、適切なタイミン グと手法で個人レベルのリコメンデーション、広告、コンテンツなどを提供しま す。また、その提供範囲は、潜在顧客のクリック数に基づく類似品目の推奨にと どまりません。 パーソナライズは、クリック数、購入、返品、苦情、サポート要求、評価、購入 予定商品のリスト、地域別購買者統計などの顧客情報を統合します。顧客の全体 像に基づいた、自動的でタイムリーかつ非強制的なリコメンデーションこそ本当 のパーソナライズといえます。 開発者は OracleAS Personalization の Recommendation Engine API を Web サイトに 実装し、訪問者のクリックデータを追跡または取得して、リアルタイムにリコメ ンデーションを要求できます。このクリック・データが OracleAS Personalization スキーマ内にある場合、履歴データと統合され OracleAS Personalization Recommendation Engine に渡されます。リコメンデーション・エンジンは、現行セッ ションと過去の履歴データ・シナリオに最適なルールまたはリコメンデーション を検索し、そのリコメンデーションを瞬時に Web アプリケーションに渡します。 Oracle Database との統合は、データの冗長性を最低限に抑えてパワーと拡張性を 実現します。OracleAS Personalization はすべて Oracle Database 内において、データ を収集および保存し、予測モデルを構築します。Oracle Database に組み込まれた 強力なデータ・マイニング・テクノロジは、個々の行動パターンを自動的に発見 し、的確にパーソナライズされたリコメンデーションをリアルタイムに生成しま す。 Portal Oracle Portal は、Web ベースのポータルを開発して配置するための完全なフレーム ワークです。OracleAS Portal には、ユーザー管理、セキュリティ、コンテンツ・ カスタマイズおよび開発機能が含まれており、基礎的なレポート、チャートおよ びフォーム・ベースのアプリケーションを管理します。ジョブ・ロールによりパー ソナライズされた Business Intelligence ダッシュボードの作成は、Oracle Portal に よって非常に簡単になります。Oracle Portal を使用すると、重要なパフォーマン ス・インジケータ(KPI)を表すチャートまたはレポート(あるいはその両方)も 迅速に開発できます。このようなチャートやレポートは、ポートレットとして配 置されます。個々のユーザーは、管理目標に合った KPI ポートレットを選択して、 ポータル表示をカスタマイズできます。 使用が簡単な Discoverer は、Oracle Portal のワークシート・リスト、ワークシート およびゲージで使用できるポートレット 2 種類を提供します。それにより、エン ド・ユーザーは簡単なウィザードを介して Discoverer レポートを直接ポータル環 境に組み込むことができます。 Portal に配置されると、ユーザーは、これらのレ ポート用のカスタマイズ・オプションにアクセスできる他、シングル・サインオ ン機能も利用できます。 Business Intelligence の技術的概要 11 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 まとめ 今日の管理者やデータ・アナリストは、情報に埋もれながら、時間的制約のもと 重要なビジネス上の意思決定を行っています。最新のビジネス・トレンドを認識 し、経営上の戦略的な判断を行うには、目に見える手がかりが必要です。また、 その情報を全社規模で担当者と共有する必要があります。データ統合、データ分 析およびエンタープライズ・レポートに使用できるツールが統合され、単一ベン ダー、つまりオラクル社から提供され Oracle Business Intelligence を配置した企業 は、成功への一歩をすでに踏み出しているといえます。そのような企業は、Oracle Business Intelligence の機能を活用して常に適切な答えを提供し、恩恵を受けるこ とができます。 Business Intelligence の技術的概要 12 Oracle Corporation 発行「Business Intelligence Technical Overview」の翻訳版です。 Business Intelligence の技術的概要 2005 年 7 月 Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright © 2005, Oracle. 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