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有機農産物のJAS規格の見直しに関する検討委員会種苗分科会及び

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有機農産物のJAS規格の見直しに関する検討委員会種苗分科会及び
資料2
有機農産物のJAS規格の見直しに関する検討委員会(種苗、資材分科会を含む)
議事要旨
第1回有機農産物のJAS規格及び有機加工食品のJAS規格の見直しに関する検討委員会
日
時:平成22年3月19日(金)13:30から
場
所:さいたま新都心合同庁舎検査棟(7階)共用会議室2
出席者:委員(関谷、高橋、林、福井、福政、丸山、本野、森﨑、米倉、渡邊)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課)
林野庁(林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部商品調査課)
○委員会で議論すべき内容、今後のスケジュール、有機農産物及び有機加工食品のJAS規格
に係る利用実態調査(消費者、流通団体、登録認定機関、認定生産行程管理者、認定小分け
業者および認定輸入業者対象)の結果概要を事務局より配付資料に基づいて説明し、意見交
換を行った。概要は以下のとおり。
○全体的な意見
・有機JASがより活用されるように、国際的な整合性を踏まえつつ、課題を整理していくことが重
要。
・Q&Aで説明している内容を取り込んだ、分かりやすい規格とすべき。
・種苗、資材等それぞれの個別事案ごとに、専門家を加えた小委員会において検討すべき。
○個々の事項についての意見
・有機農産物において、コーデックスガイドラインの有機生産システムの目的の一つに「地域で
確定された農業システムの再生可能な資源に依拠する」(緒言7のe)があり、有機農産物にお
いては資材についても地域の循環資源の活用を基本とすべき。
・きのこ栽培は、植物の栽培とは条件が異なることから、別途項を設けてはどうか。また、きのこ
のほ場の条件等について、木材を伐採する里山の手入れも含めて検討すべき。
・有機種子の入手可能性には地域差がある。また、地域に適した品種の確保が困難である現
状、そのそも供給量が足りないことを考慮すべき。
・使用可能な資材については、生産実態を考慮して、検討すべき。
・有機農業では、外部から導入する資材に頼ることなく、天敵のバランスなどにより、生産は可
能。
有機農産物のJAS規格の見直しに関する検討委員会(種苗分科会)
日
時:平成22年5月20日(木)13:30~17:00
場
所:さいたま新都心合同庁舎検査棟(3階)入札室
-1-
出席者:委員(澤浦、立花、中川原、林、福井、本野、米倉)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課、
林野庁林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部商品調査課)
○
有機農産物JAS規格(ほ場に使用する種子、苗等又は種菌)に係る利用実態調査の中で示
された登録認定機関及び認定生産行程管理者からの意見・要望等と、経過措置の今後の扱
いに関して、報告と検討を行った。また、本分科会での検討概要は、規格改正の素案に反映
できるよう、本委員会に報告し、検討を行うことを確認した。検討概要は以下のとおり。
1.種子について
(1)種子植物(主に野菜)の自家採取、種子の生産と供給の現状
・自家採取の取り組みは種の自給による農家の自立を目的として始まった。
・種を外国に依存することはよくない。
・消費者の在来種への理解が必要。有機農業とは別個に、消費者といっしょに取り組むた
め、在来種保存会を立ち上げた。
・農薬の使用がほとんど無い時代からの在来種が有機農業に適している。
・自家採取した種の品質は農家によって違う。地元での種苗交換では、責任を問わないこと
にしている。
・自家採取では選抜が重要。自家採取をするのなら、育種や選抜についての知識と技術の
普及が必要。
・種苗メーカーは、種生産農家の収入保証(農薬を使用しないことから病気などのより採種で
きない可能性あり。)や供給する種子の品質保証等の問題があり、有機種子の生産は困
難。また、市場で2割程度のシェアがないと着手できない。
・種子によって病気がもたらされるとその作物生産は壊滅してしまう。
・防疫上必要な消毒もあるが、要望すれば、未消毒で配布することができる種もある。ただ
し、市販の種子で行っている消毒により期待される病気予防が保証できないことは承知す
る必要がある。
・有機種子を使用することは理想であり、種苗会社に働きかけることも必要。しかし現状で
は、有機種子が日本より流通している海外でさえ経過措置があり、JAS規格においても経過
措置はまだ必要である。
・種子は飲食料品でないことから有機農産物JAS規格の対象でなく、格付できないという問題
がある。
(2)水稲
・品種名を表示するためには、農産物検査の受検が必要であり自家採取した種を使用して
いると証明書を発行してもらえない。定期的に種子を購入して更新することが必要となる。こ
のため、種の自家採取は技術的に可能であるが実際には困難。
・農家で農薬廃液が発生しないように、種子消毒を配布元であらかじめ行ってしまうことがあ
るが、注文段階で事前に要望すれば、無消毒の種子を入手できるはず。
-2-
・消毒済みの種子しか配布しないところもある。
(3)栄養繁殖植物
・こんにゃくの場合、生子から有機栽培する技術は十分でなく、今後の見通しも明確でないこ
とから、経過措置でなく、本則で生子以外の1年玉や2年玉の使用も認めることが望ましい。
・こんにゃく以外で、有機での多年栽培が困難な作物がある場合、何らかの措置が必要とな
ることも考えられるが、現状では対象作物を特定することは困難。最も若齢の苗の使用を基
本とすることでいいのではないか。
なお、これらの意見に加えて、こんにゃくに関して、経過措置でなく、本則で生子以外の1
年玉や2年玉の使用も認めることを妥当とする理由に、
「現在の規格では有機種苗でない生子を一年栽培した1年玉は、有機格付ができ有機として
加工に供与される。これは2年玉、3年玉を1年間有機管理して有機格付したものと有機性と
いう意味では違いはなく同等であること」を追加すれば、有機の同等性という面で平等にな
る。
との意見があった。
→
有機生子が入手困難な場合は、本則の2項を適用し、有機でない生子を当年有機
栽培した1年玉を有機格付し、有機原料として使用することが可能であること。ま
た、当分の間の経過措置を適用し、最も若齢の苗には該当しない1年玉あるいは2
年玉を当年有機管理して2年玉あるいは3年玉を有機格付すること。これらについ
てはいずれも現行規格で対応が可能である。有機栽培管理がどちらも1シーズンで
あることに注目した整理であるが、規格の適用条文は異なる。このような有機管理
期間に注目した整理に関して、種苗分科会では十分な検討を行っていないことから、
本意見については、本委員会で検討することとしたい。(事務局)
2.育苗について
(1)種子植物(主に1年生植物)
・作物によっては、苗生産を専門農家が行っている実態があるが、有機では、種子植物は種
子から有機で生産することが基本。苗への農薬の使用履歴は表示義務があるのでわかる
が、化学肥料が使用してある培土、特に、定植後の効果も期待した被覆肥料が使用してあ
る場合もあるので注意が必要。
・品種によっては苗しか販売していないものもあり、種子から栽培することができない正当な
理由があれば、有機と認めることも仕方がないのではないか。
・種子から栽培ができる作物の場合、失敗する場合があることを見越して育苗をするべき。安
易に経過措置に頼らず、有機種子は困難であっても、原則無処理の種子を用いて、育苗
の段階から有機で栽培すべき。
(2)その他
・タマネギ育苗培土の粘度調整剤は、代替資材の開発状況等を勘案して経過措置を検討す
べき。
-3-
・育苗用土の条件を「過去3年」でなく、使用前の2年とした方が、規格の他の部分との整合
性があり、理解しやすい。
3.種菌について
・きのこ栽培では農業者の自家増殖はほとんど行われていない。種菌メーカーが種駒やオガ
菌等で供給する。植物で考えると、種ではなく苗で配布しているイメージ。
・植物ときのことは別立てで示すのがよい。
・培養資材に有機のふすまや米ぬかを使った種菌を使用することとし、入手できないときは
有機格付されていない培養資材を使った種菌の使用が可としてはどうか。
・水酸化ナトリウムや塩酸のようなpH調整用資材は必ずしも必要ではない。
有機農産物のJAS規格の見直しに関する検討委員会(資材分科会)
日
時:平成22年7月5日(月)13:15~17:00
場
所:農林水産消費安全技術センター(7階)
研修室
出席者:委員(岩堀、川村、澤登、野口、丸山、米倉、渡邊)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課、
林野庁林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部規格検査課、商品調査課、
肥飼料安全検査部肥料管理課)
○
有機農産物のJAS規格(資材)に係る利用実態調査の中で示された登録認定機関及び認
定生産行程管理者からの意見・要望等と、経過措置の今後の扱いに関して、報告と検討を行
った。
なお、本検討会は、個別資材の評価が主な目的ではなく、資材の評価に関して専門的知見
や経験等を有する委員により、過去の検討経緯を踏まえ、規格見直しに反映すべき事項や考
え方を整理するという観点からの検討を行った。検討会では、原料や製造方法をどこまで遡っ
て確認するのかが統一的でないため生産者の負担となっている。規格の解説に不統一があり
誤解を引き起こしている等の指摘があった。
本分科会での検討内容は、規格改正案に反映できるよう、本委員会に報告することを確認
した。検討概要は以下のとおり。
1.一般管理の農業用資材について
(1)分散剤(コーンスターチ)が使用された紙マルチ
・コーンスターチが使用された資材を認めると、他にも使えるものが出てくる。
・安易に化学処理を経て製造されるコーンスターチの使用を認めるべきではない。より良いも
のの開発の促進は必要。
・コーンスターチの代替物の開発研究はされているが、結果はまだわからない。
・「製造工程において」、「化学的に合成された物質」の制限は、資材の原材料にも適用され
るのかどうかわからない。
-4-
→
古紙に由来する農業用資材(紙マルチ)において、製造工程において化学的に合
成された物質の添加とは、除草剤や忌避剤などを想定しており、分散剤は想定して
いない。何がだめなのかを、Q&A等で示すよう提案する。紙マルチの活性炭塗布
のためのコーンスターチは制限しないことを検討する。
(2)ペーパーポット
・生産者は現行の規格内で工夫するのが当然と考えて、ペーパーポットを使いたいという意
見を出さない人もいるはず。
・紙マルチと同じ考え方であれば使用しても問題ないので、紙由来資材として使用できるよう
に変更してはどうか。
(検討会の中で意見集約を明確にしていないが、以下の対応(案)でどうか?)
→
接着剤として何が使われているのか調査が必要。前述の紙マルチと同様のでんぷ
んであれば、接着剤の使用は制限しないものとするよう検討する。
(3)生分解性マルチ、シーダーテープ
・生分解性マルチが土壌に悪影響を及ぼすとは思われない。
・コットンシーダーテープが使用可能となっている。代替できるので入れる必要はない。
→
これまでの規格見直しの中で検討済みであり、検討を始めるためには、新たな情
報や議論の切り口が必要。別途、組織される予定の資材検討の場で検討するのが妥
当。
2.別表1(肥料及び土壌改良資材)について
(1)排せつ物由来の資材
・敷料のオガクズについては、排せつ物と混合されて、分離不可能なことから排せつ物の一
部と見なし、オガクズの原料の木材の化学的処理については証明する必要はないのでは
ないか。
・規格では敷料と排せつ物は別の資材のように読める。
→
分かりやすく、誤解の生じない書きぶりとする。
・バイオガスで利用されている人糞の発酵液(液肥)を利用できるようにすべき。
→
排せつ物を原料としたメタン発酵液を追加し、排せつ物由来については、家畜及
び家きんの限定を外すことを検討する。
(2)食品由来の資材
・規格では消泡剤を使用したオカラは発酵させないと使用できないように読める。
→
使用できるよう、分かりやすく、誤解の生じない書きぶりとする。また、「食品
工場等由来」と「と畜場等由来」の書きぶりや、どのような資材が該当するのか、
整理し、分かりやすく規定するよう検討する。
(3)GMO資材
・遺伝子組換えの飼料を食べた家畜由来の排せつ物もだめなのか。
-5-
→
排せつ物由来である家畜の飼料に GMO の制限はない。経過措置で規定している
のは、食べこぼしや敷料が排せつ物に含まれるため。GMO 飼料を食べた家畜等の
排せつ物を禁止していないことをわかりやすく規定する必要。経過措置については
継続するよう検討する。
(4)その他の肥料及び土壌改良資材
・特定防除資材(特定農薬)がある以上、残さざるを得ない。
・特定農薬はその他の肥料及び土壌改良資材とは言い難いので別の表としてはどうか。
・技術開発もあるため、その他も残す必要がある。
→
リスト化できるものは、別表2とは別のリストとし、その他の肥料及び土壌改良
資材は残すよう検討する。
(5)微生物資材及び酵素
・「ほ場における肥培管理」において、ほ場周辺に生息する生物だけを利用するわけではな
いので、どの規定で読むかわからない。別表1に入れる必要がある。
・微生物資材はたい肥化する際に補助的に使う場合だけでなく、直接土壌に入れる場合が
ある。
・農業の現場で使われる酵素は純粋な酵素ではなく、植物の混合液のようなもの。
→
培地原料は制限しない。微生物資材及び酵素を別表1に追加するよう検討する。
(6)セラミックス
・その他の肥料及び土壌改良資材として使用している現状があるので、その他の規定が残る
ならば問題はない。
→
追加しない。
(7)軽焼マグネシア
・苦土肥料はいくつか入っているにもかかわらず、焼成すればできる軽焼マグネシアがない
のはおかしい。
→
追加するよう検討する。
(8)泥炭
・pH調整のために土壌改良剤として泥炭を全面に入れることがある。
・ブルーベリーは酸性土壌でないと成育が悪く、植え穴に泥炭の含まれている育苗用土を入
れる必要があるので、使えるようにするべき。
→
全面散布ではなく、植え穴のみになら、使用できるように泥炭の基準見直しを検
討する。
3.別表2(農薬)について
(1)特定防除資材
・特定防除資材の検討結果を待たずに使えるようにするべき。
-6-
→
リスト化できるものは、別表2とは別のリストとする。
(2)放線菌の産生物質(殺菌剤、カスガマイシン剤等)
・自然物由来ではある。
・抗生物質なので拮抗菌等の問題がある。有機には必要ないのでは。
→
追加しない。
(3)スピノサド、ミルベメクチン製剤
・EUではオリーブのミバエに限定されているようにヨーロッパ特有のものであり、日本では必
要ないのでは。
・日本での必要性や対応状況が不明。
→
具体的な要望があった場合に検討する。
(4)金属銀水和剤
・水稲の種子消毒は温湯消毒と生物農薬の使用で十分なので、追加する必要はない。
→
追加しない。
(5)還元澱粉糖化物液剤
・デンプン水和剤とほぼ同じものであるが、デンプン水和剤は用途が制限されている。
→
追加するよう検討する。
4.別表3(調製用等資材)について
(1)食酢、食塩、重曹
・他の目的で使用できるように規定されているが、農産物の品質の保持改善目的で使用でき
ない。
→
追加するよう検討する。
(2)次亜塩素酸水
・食塩水を電解したものに限定するのであれば、規格でわかるように記載する必要がある。
・カット野菜とミックス野菜で使用する可能性があるので、有機農産物と有機加工食品で整合
性を取る必要がある。
→
追加するよう検討する。(製造方法を規定するのは困難か。また、最終製品の食
品を取り扱う現場では塩酸でなく、食塩水を使用するのが通常なので、限定する必
要はないかも。)
(3)オゾン
・カット野菜等の洗浄・殺菌には水だけでは容易ではない。
→
オゾン水として使用できるように、追加を検討する。
(4)クエン酸
・クエン酸は製造工程において化学的な工程を経るが、規格では、化学的に合成された物
-7-
質が添加されていないクエン酸は使用することができる。この部分がわかりにくい。
(5)調製用等資材の整理
・コーデックスで使用可能な助剤は、全て記載されているため整理する必要がある。
・農産物での用途がないものは削除してよいが、研磨剤などの物理的処理を行うための資材
はリスト化するのか。
→
物理的機能を利用するための資材はリスト化せず、加工食品に対して食品添加物
として使用することしか想定できないものは削除する。
5.収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理について
・有害動植物の防除用資材は農産物に対して使えるのか、施設に対して使えるのかが分か
りにくいので、分かりやすくしてほしい。
第2回有機農産物のJAS規格及び有機加工食品のJAS規格の見直しに関する検討委員会
日
時:平成22年8月2日(月)13:30から
場
所:さいたま新都心合同庁舎検査棟(7階)
共用会議室2
出席者:委員(関谷、高橋、林、福井、福政、丸山、本野、森﨑、米倉、渡邊)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課)
林野庁(林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部商品調査課)
○
事務局より配付資料について説明を行った後、意見交換を行った。
○
概要は以下のとおり。意見を踏まえ事務局でたたき台としての素案を整理し、次回以降の
検討会で検討することとした。
1
種苗分科会での検討内容の報告及び検討概要
①種苗の経過措置の扱い
有機種苗が入手しにくい状況はあまり改善されていないが、全ての苗について一律に
経過措置を継続するのではなく、条件を付して慣行の苗が使用できるように規定する
べき。(分科会の報告)
・育苗で失敗したときの救済措置が必要ではないか。
・たとえば水稲の場合、普通は苗を余分に用意したり、有機生産者同士で融通しあったりす
る。失敗して慣行の苗を使用する事例は聞いたことがない。最初から経過措置頼みの生産
者には努力を促すようにすべき。
→
本則で慣行の種苗を使用できる条件を段階的に列記し、経過措置は廃止する。
②こんにゃく
き
ご
こんにゃくについては、最も若齢の苗である生子から有機栽培することは技術的に非
常に困難であり、解決の見通しもないことから、1年玉や2年玉を使用することを本
則で認めてはどうか。(分科会の報告)
・こんにゃくの1年玉が使えるとするのは賛成。
→こんにゃくについては、例外的に最も若齢の苗以外も使用できるよう規定する。
-8-
③育苗培土
育苗培土の条件は「過去3年以上の間」を「使用前2年」とした方が「は種または植
え付け前2年」と整合性がある。(分科会の報告)
・多年生の場合の「収穫前3年」の条件と同様に3年で問題ないのでは。
2
資材分科会の検討概要について
①排せつ物由来の資材
・人糞は日本の農業で昔から使用されてきた有機農業にふさわしい資材。是非追加して欲し
い。
・重金属が多く含まれることもあるのが心配。液肥に限定して使用できるように。
→
人糞全てを認めるのではなく、原料を限定しないで「メタン発酵消化液」を認め
る案とする。
②オガクズ由来の資材
・建築廃材は排除するべきだが、かんなくず、敷料、廃菌床等、木質由来の原料全てについ
て化学処理の有無を確認することは困難で、許容するしかない。
→
「化学処理なし」と一律に考える前に、どこまで確認すべきか、農林水産省の委
託事業で検討予定。
③微生物資材、酵素
・いろいろな微生物が使われており、納豆菌やヨーグルトなどを使用する農家もある。どのよう
な表現にするのか工夫が必要。酵素もいろいろな種類のものが使われている。
④スピノサド(農薬)
・スピノサドの要望はあるので、使えるように検討してほしい。
→要望に関して追加情報を待って、検討。
⑤次亜塩素酸水(調製用等資材)
・次亜塩素酸水は食塩由来の強酸性液のみを認めてほしい。
・塩酸由来の微酸性液の方が主流なのではないか。
→
3
使用目的や対象によって食塩または塩酸を使うことから、どちらも認める。
加工食品分科会の検討概要について
(省略)
4
種菌及びきのこの栽培について
・種菌培養及びきのこ栽培のための資材は有機の生産基準に従ったものに限定するべき。
・「農業の自然循環機能の維持増進を図る」を考慮して、資材は自国(当該地域)で生産され
たものに限定することを検討してほしい。
・駒用のブナは、将来的に国内産が入手困難になれば海外のものを使わざるを得ない。
・スチロール栓は使用できなくても良い。回収することは難しい。
・ビニルマルチが使用できるのと同様に、スチロール栓を認めても良いのでは。
・農産物と異なり、有機きのこ生産は土を媒体にはしておらず、資材管理が重要である。土に
こだわる必要がなく、空調施設は基準に該当しないが、簡易施設でのコンクリート張りでも
-9-
良いのでは。
・土の影響を受けることもあるので、自然環境から大きく離れた全面コンクリートは問題があ
る。
・たい肥栽培では、入手困難な場合、別表1の資材を使うことができるが、有機資材のみとす
べきである。
・種菌の資材基準がきのこ栽培にも活用され、非有機の資材も使用できるようになっている
が、きのこ栽培での資材は有機資材のみとするべきである。
→
きのこは植物とは生産方法が大きく異なることから、きのこに関して別途規定す
る。きのこも樹木栽培とたい肥栽培とで栽培方法や資材等が異なるが、有機生産の
原則に従った生産方法や資材等に限定した基準となるように留意して、たたき台を
作り、さらに検討する。
第3回有機農産物のJAS規格及び有機加工食品のJAS規格の見直しに関する検討委員会
日
時:平成22年9月30日(木)13:30から
場
所:(独)農林水産消費安全技術センター
大会議室
出席者:委員(関谷、高橋、林、福井、福政、丸山、本野、森﨑、米倉、渡邊)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課)
林野庁(林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部商品調査課)
○ 検討会での議事概要は以下のとおり。なお、規定の項目別に整理している。
1
有機農産物のJAS規格の改正素案について
(1)有機農産物の生産の原則
・生産原則の記載順序や内容は整理が必要。
・地上生物と土壌生物の活性を高めて、栽培植物の安定生産を目指すのが有機生産。
・地域の再生可能な資源を利用していない畜産からの家畜排泄物を利用することを特記す
ることは、誤解をまねくのではないか。
→
意見を踏まえ、整理して、よりよい案を示したい。
(2)定義
耕種的防除・物理的防除・生物的防除
・草生栽培や資材低投入型品種の導入などの有機特有のやり方を記載すべき。
→
意見を踏まえ、整理したい。
(3)生産の方法についての基準
①第4条本文
・「避けること」というのは、実質禁止ということか。適用範囲がないと、一切が禁止にとられる。
「製造工程において化学的に合成された物質が添加されていない」という条件がない。
- 10 -
→
意見を踏まえ、整理したい。
②ほ場に使用する種子又は苗等
・自ら苗を育てると制限が多く、購入すれば制限が少ない。購入苗も制限をして、自家育成
の農家を励ますような書きぶりにしてほしい。
・購入苗には、本田で肥効が出る被覆肥料が含まれていたり、虫害防止の施薬がされている
ものがある。一定の制限は必要。
→
一般の種苗についても、資材を制限的に記載する。
③こんにゃくについて
・「一年玉」という表現は、定義付けしないとわかりにくい。現行の経過措置より厳しくしなるの
で、再検討としてほしい。
→
生子からの有機栽培は無理だが1年玉からならできる、と生産者から聞いたので、
この案を出した。他にも意見を聞いて、再検討したい。
④ほ場における肥培管理
・なぜ組換え作物を有機農業生産から排除するのかが伝わるようにしなければならない。
・組換え作物を使わない肥料を入手できるよう努力している生産者もいる。
・組換えDNA技術が用いられていない資材を使用するのが原則だが、入手困難な場合にの
み経過措置として使用できる、という規定のほうがわかりやすい。
→
組換え作物を使用していない肥料を入手するのが困難な状態が改善される見通し
がないので、無理な規定はできない。しかしながら、組換え DNA 技術が用いられ
ていないものを入手するための努力が正当であるということを明確にして規定した
い。
⑤一般管理の項について
・一般管理の項の削除はするべきでない。融雪剤や着色石松子の制限に必要。
→
他の項で記載すべき事項は移動させ、一般管理の項はそれ以外の管理として残す。
⑥別表1
・資材の判断基準を規格で示すべき。少なくとも資材分科会での討議内容を反映すべき。
・メタン発酵消化液について、定義を明確にし、汚泥肥料を含まないようにする必要がある。
→
整理して、よりよい案を提示したい。
メタン発酵消化液は、海外でも使用しているようなので、書き方を工夫したい。
⑦別表2
・ボルドー剤の調整用の資材は、選択肢として残しておいてもいいのではないか。
・ボルドーは農薬の取締りの方で回数制限がない。果樹では6kg超える場合もあるかもしれ
ないから、調べてみてはどうか。
- 11 -
2
きのこ類の生産方法の基準素案について
(1)種菌培養管理
(地域の範囲)
・地域内資源とあるが、「地域」はどの範囲か。
・「地域概論-その理論と応用-(木内信蔵著)」によれば、「一定の地域内」の解説定義とし
て、「固有の場所的関係を持ち、大陸とは区別されかつ海峡を除いた隣接の空間から区別
されること」とある。日本であれば、国内ただし小笠原諸島や沖縄等の島は含まれないこと
になるが、このような概念でいいのではないか。
→
「地域」の範囲の考え方を整理し、規定の書きぶりはさらに検討したい。
(地域内資源)
・きのこ生産で主要資材の樹木は、地域内の限定を基準として採用してほしい。大手流通小
売店のプライベートブランドきのこの栽培基準では、「輸入原木は原則禁止、使用しない」と
している。
・原木や菌床原料の樹木は国内に十分あり、地域内資源に限定することが妥当。ただし、駒
の生産にはブナ材が必要で、ブナは萌芽更新も難しいと言われており、将来的に国内で入
手できない可能性がある。これについて手当が必要。
→
樹木は、(栽培地のある)地域のものを使用することを原則とする。駒用のブナ
については、「将来的に入手できない」とは、具体的にどの程度であるかデータ等
を入手して整理したい。必要に応じて、入手困難な場合の手当を規定する。
(樹木以外の資材:米糠、ふすま)
・樹木由来だけに地域内を制限している理由がわからない。全ての資材が、地域内由来な
のが原則ではないか。
・有機資材に限定すると、ふすまは外国由来があり、地域内の原則と整合性がとれない。
・栽培地の地域内資源で生産すること、これは、外国であってもその地域での資源でまかな
うことで整理できる。製品で輸入することは、品質表示基準での原産国表示で区別できるの
で、消費者も選択可能である。
・生物多様性の向上や、地域の再生可能な資源の活用、物質循環、これは有機生産の根本
的なこと。
・地域を日本国内と外国で区別するのはわかりやすいが、全ての資源をまかなえない国はど
うするのか。確実に適合性判定できることも必要。
・地域や資材の由来を曖昧さのある規定にしたらどうか。ただし、有機生産の理念は全面に
だすべき。現状にあわせて、原則にないものを使えるように規定するのでなく、原則をきち
んと示し、その中で自由度を示すのがよい。
・現行規格では「天然物質に由来する資材」が使用可能であったが、有機資材に限定されて
いる。これは大変難しい。
→
規定の書きぶりは他の規格とも整合性をとって、統一的に示せるようにしたい。
考え方は、栽培地のある地域の資材を使用することを原則とし、困難な場合には条
件を示す。樹木由来の資材は、対応可能なら、原則を他の資材より強く打ち出した
- 12 -
い。
→
種菌製造では、現行規格の「天然物質若しくは化学的処理を行っていない天然物
質に由来する培養資材」を使用可能となるようにしたい。
(2)伏せ込み場、培養場及び発生・収穫する場所
・使用前、過去2年使用禁止資材を使用してなければ、1年目の発生から有機となり、現行よ
り緩和しているということを、わかりやすく書いてほしい。
→
単なる緩和でなく、きのこが発生する樹木に使用禁止資材を3年間使用しないと
いう条件があり、土作りが継続されていることにはこだわらないと整理した。書き
ぶりはわかりやすく整理したい。
(3)きのこの生産管理
(たい肥栽培)
・マッシュルームの場合、稲わら、麦わらが生産基材。そこに家畜の糞を混ぜ、たい肥化し、
菌を植え付け、土を被覆し、発生させる。その覆土も規格化すべき。
→
稲わら、麦わら、覆土について整理する。
(スチロール栓、ワックス)
・消費者が栽培の現場を見たときに、スチロール栓は理解を得られにくいと思う。
・拡散を防止できる施設では使用でき、野外では拡散するので使用できないというのは、整
合性がとれない。
・スチロール栓の使用より、生分解プラスティックの方がまだ、検討の余地があるのでは。
・植物由来ワックスは、価格は高いが問題は少ない。樹脂を昔のように工夫すればよい。
(4)ほ場における有害動植物の防除
・種駒を使う原木栽培では使用しないが、オガ菌の場合は、BT剤を使う必要があるかも。
→
有害動植物の防除は、植物ときのこ同じ項で対応するので、別表の農薬が使用で
きる。
第4回有機農産物のJAS規格及び有機加工食品のJAS規格の見直しに関する検討委員会
日
時:平成22年10月20日(水)13:30から
場
所:さいたま新都心合同庁舎2号館共用AV会議室504
出席者:委員(関谷、高橋、林、福井、福政、丸山、本野、森﨑、米倉、渡邊)
農林水産省(消費・安全局表示・規格課、生産局農業環境対策課)
林野庁(林政部経営課特用林産対策室)
農林水産消費安全技術センター(規格検査部商品調査課)
○ 検討会での議事概要は以下のとおり。なお、規定の項目別に整理している。
1
有機農産物のJAS規格の改正素案について
- 13 -
(1)生産の方法についての基準
①化学的に合成された物質の使用制限
・肥料、資材の製造工程とはどこからどこまでかをはっきりさせてほしい。
②ほ場に使用する種子又は苗等
・こんにゃくの1年玉のみを認める理由が分からない。本則に従って若齢の苗を使用するの
は賛成だが、経過措置を全て認めるべき。通常の2年玉を使用して有機栽培を行っている
生産者に配慮する必要があると思う。
・生子から栽培していて有機栽培をやめた農家はよくある。実際には2年玉から有機栽培し
たものが多く、1年玉から有機栽培した場合、どのくらい生産できるのか分からない。努力を
促しつつ、次回の見直しまでの間、経過措置が必要。
→
経過措置等により2年玉も使用できるようにする。
③一般管理
・追加された資材は、たとえば除虫菊抽出物の共力剤の条件等、整合性がとれていない。
・一般管理は土壌や植物に施される資材。人用なら、施設の項などで規定するとよい。
→
規定する箇所を検討する。整合性のとれた条件を付し、リスト化したい。
④ほ場における有害動植物の防除
・平成22年10月5日の農業資材審議会(合同会合)で、焼酎を特定防除資材に指定する結
論となった。
(→
特定防除資材に関するリスク評価等、手続きが完了した後、規格への反映を検
討することになる。)
⑤収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理
・農産物の品質の保持改善において改正案では削除されているが、「生物の機能を利用し
た方法」はリンゴからエチレンを発生させて使用する可能性もあるので、残してほしい。
・収穫後の有害動植物の防除は、施設の害虫防除なのか、農産物に対する防除なのか、明
確化をお願いする。
⑥特定防除資材
・農業資材審議会において、特定防除資材の指定が保留された資材について、データ
収集、評価している途中であり、防除に用いるものとして示すことは困難である。
(農林水産省)
・防除の規定は「ほ場における有害動植物の防除」の項に示すべきだが、日常的な管
理の中で使用されることから、「一般管理」の項で規定することを検討。(事務局)
案1
作物の成育環境を維持するため、使用禁止資材以外の資材を使用することがで
きる
案2
作物の成育環境を維持するため、使用禁止資材以外の資材及び別表5の調製用
等資材を使用することができる
・案1に賛成する。
・案2なら、収穫後の調製用等資材が収穫前にも使えるので助かる。
・防除目的ならば農薬として認められてから入れるべき。
・紙マルチなどを含んだものを病害虫対策資材とすれば、防除が云々とはならない。
・使用禁止資材以外のものを使用することができるというのは、幅が広すぎる。
- 14 -
・特定防除資材は防除だけを目的としているのではない。このような資材を前向きに試験し、
評価したい農家もいるので、このような取り組みを後押しできる規定としてほしい。
→
案1は限定がないので困難か。具体的な資材の要望があれば評価し、リスト化し
たい。そのリストと案2を踏まえ書きぶりは検討したい。
⑦コンスターチ
・コンスターチは製造工程で希亜硫酸を添加するため、使用禁止資材となっている。
しかし現場でのマルチの使用等に支障があるため、以下案を検討。(事務局)
案1
「化学的に合成された物質の使用制限」の項において「コンスターチの使用を
認める」と規定する
案2
「ほ場における有害動植物の防除」の項において、資材ごとに制限を外すこと
により、規定する
・コンスターチが使えれば、どちらでもよい。
・案1ではコンスターチ 100%の資材が可能となるので、制限付きで認めたほうがよ
い。
→
案2をベースとして、規定することが必要な資材を整理する。書きぶりは検討し
たい。
(2)別表1
①メタン発酵消化液
・汚泥は排除しなければないらないので、改正案のとおりで伝わるかと思う。
②発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材
・「敷料及び調整に飼料した植物由来の資材を含む。」はどういうことか。
→
資材の原材料の由来を遡りすぎないよう、オガクズなどの由来など処理の有無を
問わないものの基準を意図した。書きぶりは、さらに工夫したい。
(3)別表2
(二酸化炭素くん蒸剤)
・「保管施設で使用する場合に限ること」とあるが、「輸送時に」の追加を提案する。
(4)その他
・たまねぎの育苗用土の経過措置は継続する。(農林水産省)
2
きのこ類の生産方法の基準素案について
(1)定義
(きのこの栽培場)
・栽培方法により工程はだいぶ違う。それぞれもう少し整理が必要。
(2)生産の方法についての基準
①種菌培養管理
・「地域内の資源」の地域の定義付けが難しいのならば輸入したものは使用できないなどの
- 15 -
規定はできないのか。
・地域内を国内とは定義できない。(農林水産省)
・5の基準について。「3及び4の資材では菌の正常な成育が確保されない場合は」というより
も入手困難な場合としたほうがよい。
・酵母エキス、麦芽エキスは必ずしもなければできないものではないので、5で担保するより、
正常な生育が確保されない場合ということで6に入れた方がよいのではないか。
・別表3から酵母エキス、麦芽エキスを除いて天然物質に由来のところで読むとということだ
が、pH調整をしているので別表3に入れたほうがよい。適合性を評価し判定すべき。
・5の樹木以外の資材にも地域内の限定をかけたほうがよい。
・原則では地域の再生可能な資源を利用と規定されているのに樹木由来資材だけに限定す
るのはおかしいので、樹木以外の資材で地域内を入れるのもよい。
・他の農産物に影響がないのであれば、樹木以外の資材に「地域内」を入れてもよいと思う。
→
地域内の資源循環が重要、というのは統一した意見。どのような資材が限定可能
か整理した上で、規定できれば、提案したい。
②きのこの作業場
・「培地調製」か「培地調整」か統一すべき。
③きのこの栽培場
・耕作ではなく、栽培等になるのではないか。
④きのこの生産管理
・きのこの生産者に種菌培養管理の項を読ませるのではなく、重複してもきのこの生産管理
で読めるようにするべき。
・たい肥栽培に使用する稲わら、麦わらはどこで読むのか。
→
「有機基準に従って生産された植物に由来するもの」として使用できる。
(3)別表3
・生産者は別表3の資材がなくても栽培は可能なのか。
・別表3は、種菌生産者にとって必要なもの。
(砂糖)
・「食品添加物の使用は・・・限る」とあるが、意図がわからない。
→
別表3は有機格付できないものを整理している、砂糖は有機格付することができ
るため、有機加工食品の規格に適合する食品添加物を使用して生産した砂糖に限定
している。
(炭酸カルシウム)
・食品添加物に限るなどの制限は必要ないか。
・オガコ、チップは雨風で微生物が増殖し、pHが下がる可能性があるため、pH調整に使用
する。食品添加物に制限するのは必要。肥料用などを使うのはよくない。
・使っている人と使っていない人がいるので、使っていない人に合わせてもよいのでは。
(資材は、評価した上で、使っている人にあわせて追加しているのが現状。)
(4)別表4
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・たい肥栽培の資材の別表4は有機の実態がないので必要ないのでは。
・たい肥栽培をしている生産者が必要としているものを別表4で挙げている。
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